JP5847631B2 - 中ぐり加工工具 - Google Patents

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本発明は、中ぐり加工工具に関する。
例えばエンジンのシリンダブロックは、鋳造で成形した後、各種の機械加工を施すことにより形成される。このうちシリンダボアなどの孔部については、先端に加工刃を設けた中ぐりバイトなどの切削工具を用いた切削加工、いわゆる中ぐり加工によって形成されるのが一般的であり、例えば下記特許文献1に記載の中ぐり加工装置が知られている。
すなわち、下記特許文献1に記載の加工装置は、切削工具となる加工ヘッドの基端側(シャンク部)を主軸に接続してなるもので、基端側を支持した状態の加工ヘッドを回転させながらその回転軸方向に沿って移動させることで、孔部の内周面に切削加工(中ぐり加工)を施せるようになっている。
特開2003−311517号公報
ところで、エンジンの燃費改善に当たっては、いわゆるメカロスと呼ばれる機械損失の低減化が有効との考えに基づき、近年ではより一層の加工精度の向上が求められている。特に、エンジンの機械損失の大部分はピストンがシリンダボア内を往復動する際の摺動摩擦によるものと考えられていることから、シリンダボアの内周面については、これまで以上に高い加工精度(加工後の形状精度)が要求されている。
ここで、シリンダボアを中ぐり加工するための中ぐり加工装置は、通常、上記特許文献1に記載のように、中ぐり加工刃を設けた加工ヘッドの基端を片持ち支持した状態で回転駆動させる構造を採っているため、中ぐり加工時に、加工ヘッドがワークから受ける加工負荷等に起因して加工ビビリと呼ばれる振動を生じることがある。この種の振動は当然に加工精度に悪影響を及ぼすことから、当該振動を抑制することが望ましい。そのため、加工ヘッドを保持する主軸やこれを受ける軸受が剛性確保のために大径化し、その結果、加工装置全体の大型化を招いていた。最近の製造ラインにおいて、加工設備の占有スペースや消費エネルギーを低減化する動きが高まっている中、上述のような装置の大型化は、これら製造ラインのコンパクト化への流れに逆行するものであり、極力回避すべき事項である。
以上の事情に鑑み、本明細書では、加工装置の小型化を図りつつも、加工ビビリを低減して加工精度に優れた中ぐり加工を実施可能とすることを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
前記技術的課題の解決は、本発明に係る中ぐり加工工具によって達成される。すなわち、この工具は、中ぐり加工装置の主軸に装着され、外周に加工刃を設けると共に内周に軸受部を設けた筒状の保持部材と、保持部材の内周に一端側から挿入でき、かつ他端側を中ぐり加工装置のワーク取付け治具側に連結可能な軸状部材とを具備し、軸状部材がワーク取付け治具側に連結された状態で、保持部材が軸受部により軸状部材に対して回転支持されつつ軸方向に移動可能とした点をもって特徴付けられる。
このように、本発明では、加工刃を外周に設けた筒状の保持部材の内周に軸受部を設け、この軸受部により、中ぐり加工装置のワーク取付け治具側に連結した軸状部材に対して保持部材を回転支持させつつ軸方向に移動可能としたので、ワークの孔部に挿入した保持部材を軸状部材に対して回転支持させながら孔部に中ぐり加工を施すことができる。これにより、中ぐり加工時に加工刃(保持部材)がワークから受ける負荷(加工負荷)を軸受部を介して軸状部材で受けることができる。よって、従来の支持形態と比べて加工刃による加工位置を安定させて、加工ビビリを抑制することができる。また、保持部材の外周に加工刃を設けると共にその内周に軸受部を設けるようにしたので、中ぐり加工時にワークから負荷を受ける位置(加工刃の配設位置)と、加工刃を設けた保持部材を軸状部材で受ける位置(軸受部の配設位置)とを軸方向で近づけることができる。よって、保持部材の先端側の振れをさらに抑えて、加工刃による加工位置をより安定させることが可能となる。また、本発明では、軸受部を介して保持部材を受ける軸状部材を中ぐり加工装置のワーク取付け治具側に連結可能としたので、中ぐり加工装置の主軸に装着した保持部材とワークの双方に対する軸状部材の芯合せを正確に行うことができる。よって、軸状部材で保持部材を案内しながら中ぐり加工を行うことにより、中ぐり加工の精度を高めることが可能となる。
また、この種の中ぐり加工を製造ライン上で実施することを考えた場合、本発明に係る中ぐり加工工具を、軸状部材に、保持部材と離脱可能に係合して保持部材と軸状部材とを一体化する係合部を設け、軸状部材をワーク取付け治具側に連結することで、係合部による保持部材と軸状部材との係合状態を解除可能とすることも可能である。
例えば、シリンダブロックの加工ラインのように、中ぐり加工装置などの加工機械がワークの搬送ラインに隣接して配設されているラインの場合、軸状部材を常時ワーク取付け治具側に連結しておいたのでは、軸状部材と干渉しない高さにまでワークを大きく持ち上げて、ワーク取付け治具に上方からセットする必要が生じる。これでは作業者の負担が過大になるため、例えば搬送ラインをガントリローダなどで構築する必要が生じ、これにより設備コストが高騰すると共に、ラインレイアウトの自由度が低下する、との問題が生じる。そこで、本発明では、軸状部材に、保持部材と離脱可能に係合して保持部材と軸状部材とを一体化する係合部を設け、軸状部材をワーク取付け治具側に連結することで、係合部による保持部材と軸状部材との係合状態を解除可能とした。この構成によれば、保持部材を、係合部により軸状部材と一体化した状態でワークの孔部に挿入し、挿入前方側に配設したワーク取付け治具に連結することで、自動的に、保持部材と軸状部材の係合状態を解除することができる。従って、ワークを大きく持ち上げることなく容易に取付け治具にセットすることができ、これによりラインレイアウトの自由度を高めることが可能となる。また、保持部材と軸状部材との係合状態を解除した状態から、保持部材を回転させつつ主軸側に引き抜くことで、保持部材を軸受部により保持部材を軸状部材に対して回転支持されつつ軸方向に移動させることができる。よって、保持部材の挿入動作で軸状部材をワーク取付け治具側に連結した場合においても、ワークの孔部に対する中ぐり加工を高精度に施すことができる。
また、加工精度の更なる向上を考えた場合、本発明に係る中ぐり加工工具を、軸受部を、保持部材の内周面に一端を開口した高圧流体の供給路と、保持部材の内周面と軸状部材の外周面との間に形成される軸受隙間とで構成することも可能である。
この構成によれば、例えばこの中ぐり加工装置又は他の加工機械に使用される潤滑油や高圧エアなどを保持部材の内部に引き込んで、軸状部材との軸受隙間に供給することで、保持部材と軸状部材との間に流体軸受を形成することができる。従って、既存の流体供給手段を利用して軸受部をボールベアリングなどで構成する場合よりも安定した軸受作用を得ることができ、加工精度の更なる向上が可能となる。
以上のように、本発明によれば、加工装置の小型化を図りつつも、加工ビビリを低減して加工精度に優れた中ぐり加工を実施することができる。
本発明の一実施形態に係る中ぐり加工装置の断面図である。 本発明の一実施形態に係る中ぐり加工工具の断面図である。 図2に示す中ぐり加工工具の要部拡大断面図である。 図1に示す中ぐり加工装置を用いた中ぐり加工の一例を説明するための図であって、ワークの孔部に中ぐり加工工具を挿入する前の状態を示す断面図である。 図1に示す中ぐり加工装置を用いた中ぐり加工の一例を説明するための図であって、ワークの孔部に中ぐり加工工具を挿入した後、軸状部材をワーク取付け治具側に連結するまでの一連の動作を説明するための概念図である。 図1に示す中ぐり加工装置を用いた中ぐり加工の一例を説明するための図であって、中ぐり加工可能な位置から中ぐり加工工具を引き抜く向きに移動させながらワークの孔部に中ぐり加工を施す様子を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る中ぐり加工工具の要部拡大断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る中ぐり加工工具を図1〜図6に基づき説明する。なお、本実施形態では、エンジンのシリンダブロックに形成されるシリンダボアに中ぐり加工を施す場合を例にとって、以下説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る中ぐり加工装置を示している。同図に示すように、この中ぐり加工装置10は、主軸11と、主軸11を回転駆動させる駆動手段12と、主軸11の外周に配設され、主軸11を転がり軸受13により回転支持する主軸受け部14と、ワークWを位置決めした状態で中ぐり加工装置10に取り付けるためのワーク取付け治具15と、主軸11に装着され、ワーク取付け治具15に取付けた状態のワークWの孔部Whに中ぐり加工を施すための中ぐり加工工具16と、主軸11の動作を制御するための制御部17とを具備する。
中ぐり加工工具16は、外周に加工刃18を設けると共に内周に軸受部19を設けた筒状の保持部材20と、保持部材20の内周に先端側から挿入でき、かつ基端側をワーク取付け治具15側に連結可能な軸状部材21とを具備する。
このうち、保持部材20は、図2に示すように、主軸11に装着されるシャンク部22と、シャンク部22と一体的に設けられ、加工刃18を外周に保持するホルダ部23とで構成される。このホルダ部23は概して円筒状を成すものであり、外周面23aの一部先端側を切り欠いて出来た平坦面23bに加工刃18を取り付けている。この実施形態では、1枚の加工刃18が保持部材20の外周に設けた平坦面23bに取り付けられており、加工刃18を保持部材20の外周面23aよりも外径側に突出させている。この際の加工刃18の突出量は、中ぐり加工時の削り代を考慮して設定される。
保持部材20の内周には、軸状部材21を挿入可能な挿入孔24が形成される。また、この挿入孔24の内周には、挿入した軸状部材21に対して保持部材20を回転支持するための軸受部19が形成される。この実施形態では、軸受部19は、図2に示すように、複数のボールベアリング25で構成されており、軸状部材21を挿入孔24に挿入することで、軸状部材21がボールベアリング25と摺接するようになっている。また、軸受部19の軸受スパン(最も先端側のボールベアリング25による支持位置から最も基端側のボールベアリング25による支持位置までの軸方向間隔)は、後述するように、加工刃18による中ぐり加工が開始されてから終了するまでの間、継続して保持部材20を回転支持可能な距離に設定される。言い換えると、孔部Whの軸方向加工寸法以上となるように軸受部19の軸受スパンが設定される。なお、図示は省略するが、ボールベアリング25に代えてボールブッシュを保持部材20の内周に組み込むことで、あるいはボールブッシュで保持部材20を構成することで軸受部19を形成してもよい。
軸状部材21は、この実施形態では、ワーク取付け治具15上に固定された連結部材26を介してワーク取付け治具15に連結されるようになっている。詳述すると、連結部材26の先端には凸部27が設けられると共に、軸状部材21の基端には、凸部27を嵌合可能な凹部28が設けられており、この凹部28に凸部27を嵌合することで、軸状部材21と連結部材26とが連結可能とされる。この図示例では、凸部27は、図3に示すようなクランプ構造を有しており、軸部29の周囲に分割配置した複数の拡径部30を例えば軸部29の下降動作により拡径させることで凹部28をクランプ可能としている。
また、軸状部材21は、保持部材20と離脱可能に係合して保持部材20と軸状部材21とを一体化する係合部31を有する。この実施形態では、係合部31は1又は複数箇所に設けられ、拡径部30の拡径動作に伴い軸状部材21の中心軸線と直交する回転軸まわりに回動可能な第1リンク部32と、第1リンク部32とそのその一端で連動可能に連結され、その他端を軸状部材21の外周面21aから突出させた第2リンク部33とからなる。第1リンク部32は、常時、スプリング等の附勢手段34で拡径部30からの押圧力に反する向きの力で附勢され、非拡径時(非連結時)には、第1リンク部32を所定方向に(図3で言えば反時計回りに)回動可能としている。また、この回動に伴い第2リンク部33が軸状部材21の外周面21aから突出する向きに連動し、対向する保持部材20の内周面のうち第2リンク部33と対向する対向凹部に挿入されることで、この対向凹部と第2リンク部33とが軸方向で係合可能としている。また、拡径時(連結時)には、第1リンク部が、拡径部30からの押圧力を受けて附勢手段34からの附勢力に抗して所定方向(図3で言えば時計回り)に回動し、これにより、第2リンク部33が保持部材20の対向凹部(より正確には、挿入孔24の内周面)から退避可能としている。
以下、上記構成の中ぐり加工装置10を用いた中ぐり加工の流れを、中ぐり加工工具16の動作を中心に説明する。
まず、図4に示すように、中ぐり加工対象となるワークWをワーク取付け治具15上に取付ける。そして、中ぐり加工工具16の保持部材20を主軸11に装着して、中ぐり加工工具16を加工対象部位となるワークWの孔部Wh(例えばシリンダボア)の上方に配置する。この際、軸状部材21は係合部31により保持部材20に係合しているので、保持部材20を下降させることで、保持部材20と一体化した状態の軸状部材21が保持部材20と共に孔部Whに挿入される。
ここで、保持部材20の回転中心から加工刃18の最外径部までの径方向寸法は、孔部Whの半径より大きいので、このまま保持部材20を孔部Whに挿入したのでは(加工刃18を保持部材20の内側に後退させない限り)、軸状部材21をワーク取付け治具15側に連結する前に加工刃18と孔部Whとが干渉する事態を招く。よって、この場合、図5に示すように、加工刃18が孔部Whと干渉しない位置に保持部材20の回転中心X1を孔部Whの中心X2からずらす(オフセットする)し、然る後、(1)保持部材20を軸状部材21一体的に下降させ、孔部Whに挿入する。
このようにして加工刃18が孔部Whを通過する位置(図5中、1点鎖線で示す位置)まで保持部材20を下降させたら、(2)先に行ったオフセット分だけ保持部材20を半径方向に移動させ、保持部材20の回転中心X1を孔部Whの中心X2に一致させる(図5中、2点鎖線で示す位置)。この図示例では、保持部材20を上昇させながら孔部Whの中心X2に向けて半径方向に移動させている。
このようにして、ワークWの孔部Whとの間で芯合せを行った後、(3)保持部材20をさらに下降させ、係合部31により保持部材20と一体化した状態の軸状部材21をワーク取付け治具15側、この実施形態では連結部材26に連結する(図5中、細線で示す位置)。これにより、軸状部材21が連結部材26を介してワーク取付け治具15に連結される。ここで、連結部材26の先端に設けた凸部27の拡径部30を拡径させることで、第1リンク部32と連動した第2リンク部33が保持部材20に設けた対向凹部から退避するので、保持部材20と軸状部材21との係合状態が解除される(図3中、1点鎖線で示す位置)。これにより、保持部材20を軸状部材21に対して回転可能とすると共に、軸状部材21に対して軸方向に移動可能となる。
このようにして保持部材20と軸状部材21との係合状態を解除した後、主軸11を回転駆動して中ぐり加工工具16の保持部材20を回転させつつ、孔部Whから保持部材20を引き抜く(図6を参照)。これにより、保持部材20の外周に設けた加工刃18により孔部Whの内周面に切削加工(中ぐり加工)が施される。また、この際、保持部材20は軸受部19により軸状部材21に回転支持された状態にある。そのため、加工刃18の半径方向位置を一定に保持した状態で、中ぐり加工が施される。この実施形態では、加工刃18が孔部Whの上端を通過した時点で、保持部材20は軸受部19により軸状部材21により回転支持された状態にある。そのため、加工刃18による中ぐり加工の間、常に保持部材20(及び加工刃18)が軸受部19により一定の半径方向位置に保持される。
このように、本発明では、保持部材20の外周に加工刃18を設けると共に保持部材20の内周に軸受部19を設け、この軸受部19により、中ぐり加工装置10のワーク取付け治具15側に連結した軸状部材21に対して保持部材20を回転支持させつつ軸方向に移動可能としたので、ワークWの孔部Whに挿入した保持部材20を軸状部材21に対して回転支持させながら孔部Whに中ぐり加工を施すことができる。これにより、中ぐり加工時に加工刃18(保持部材20)がワークWから受ける負荷(加工負荷)を軸受部19を介して軸状部材21で受けることができる。よって、従来の支持形態と比べて加工刃18による加工位置を安定させて、加工ビビリを抑制することができる。また、保持部材20の外周に加工刃18を設けると共にその内周に軸受部19を設けるようにしたので、中ぐり加工時にワークWから負荷を受ける位置(加工刃18の配設位置)と、加工刃18を設けた保持部材20を軸状部材21で受ける位置(軸受部19の配設位置)とを軸方向で近づけることができる。よって、保持部材20の先端側の振れをさらに抑えて、加工刃18による加工位置をより安定させることが可能となる。また、本発明では、軸受部を介して保持部材20を受ける軸状部材21を中ぐり加工装置10のワーク取付け治具15に連結可能としたので、中ぐり加工装置10の主軸11に装着した保持部材20とワーク取付け治具15に取付けたワークWの双方に対する軸状部材21の芯合せを正確に行うことができる。よって、軸状部材21で保持部材20を案内しながら中ぐり加工を行うことにより、中ぐり加工の精度を高めることが可能となる。
また、本実施形態のように、シリンダブロックをワークWとする場合、ワークWの加工ラインにおいては、中ぐり加工装置10などの加工装置(機械)がワークWの搬送ラインに沿って配設される。ここで、本発明のように、中ぐり加工時のガイドとなる軸状部材21をワーク取付け治具15側に対して着脱可能に構成することにより、ワークWの取付け面(座面)からの突出量を極力小さく抑えることができる(位置決めピンの突出高さ程度に)。よって、搬送ライン上からワークWを取出し、ワーク取付け治具15の座面から立設した位置決めピンに干渉しない程度の高さでワークWを移載するだけの動作で、容易にワークWを治具に取り付ける(セットする)ことができる。また、中ぐり加工後も、ワークWをワーク取付け治具15の座面から少し持ち上げるだけで(座面から立設した位置決めピンよりも高い位置まで持ち上げるだけで)、容易にワークWを取り外すことができるので、作業効率の低下を招くおそれもない。特に、本実施形態では、保持部材を、係合部により軸状部材と一体化した状態でワークの孔部に挿入し、挿入前方側に配設したワーク取付け治具に直接又は間接的に連結することで、自動的に、保持部材と軸状部材の係合状態を解除することができる。従って、中ぐり加工工具16の1回の往復動作でもって、軸状部材21の連結と中ぐり加工を行うことができ、作業効率の更なる改善を図りつつも、ワークWの孔部Whに対する中ぐり加工を高精度に実施することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明に係る中ぐり加工工具、及びこの工具を具備した中ぐり加工装置は上記例示の形態に限定されることなく、本発明の範囲内において任意の形態を採り得る。
例えば、上記実施形態では、軸受部19により保持部材20を回転支持した状態から当該保持部材20を軸状部材21に対して引き抜く向きに移動させる際に、孔部Whに対する中ぐり加工を施す場合を説明したが、もちろんこれ以外の加工形態を採ることも可能である。例えば図示は省略するが、軸状部材21の先端側を主軸11に装着してワーク取付け治具15上に取付けたワークWの孔部Whに軸状部材21を挿入し、軸状部材21を先に連結部材26に連結する。然る後、主軸11に保持部材20を装着して、加工刃18が孔部Whに干渉する前に保持部材20の挿入孔24に軸状部材21の一端側を挿入して(挿入可能な程度に軸状部材21の軸方向寸法を設定しておく)、軸受部19により保持部材20を回転支持した状態で引き続き保持部材20を孔部Whに向けて下降させることで、加工刃18による孔部Whの中ぐり加工を開始するようにしてもよい。この方法によれば、予め保持部材20の回転中心X1を孔部Whの中心X2からずらして(オフセットして)おく必要がないため、その分の動作を省略することができ、当該動作による位置ずれを回避することができる。
また、上記実施形態では、軸受部19として転がり軸受に類する軸受(ボールベアリング25、ボールブッシュ)を保持部材20の内周に設けた場合を例示したが、もちろんこれ以外の軸受で軸受部19を構成することも可能である。図7はその一例を示すもので、この図に示す中ぐり加工工具16は、軸受部19を、保持部材20の内周面に一端を開口した高圧流体の供給路35と、保持部材20の内周面と軸状部材21の外周面21aとの間に形成される軸受隙間36とで構成している。この構成によれば、例えばこの中ぐり加工装置10又は他の加工機械に使用される潤滑油や高圧エアなどを保持部材20の内部(供給路35)に引き込んで、軸状部材21との軸受隙間36に供給することで、保持部材20と軸状部材21との間に流体軸受を形成することができる。従って、軸受部19をボールベアリングなどで構成する場合よりも安定した軸受作用を得ることができ、加工精度の更なる向上が可能となる。
また、上記以外の事項についても、本発明の技術的意義を没却しない限りにおいて他の具体的形態を採り得ることはもちろんである。
10 中ぐり加工装置
11 主軸
12 駆動手段
14 主軸受け部
15 ワーク取付け治具
16 中ぐり加工工具
17 制御部
18 加工刃
19 軸受部
20 保持部材
21 軸状部材
22 シャンク部
23 ホルダ部
23a 外周面
23b 平坦面
24 挿入孔
25 ボールベアリング
26 連結部材
27 凸部
28 凹部
30 拡径部
31 係合部
32,33 リンク部
34 附勢手段
35 供給路(高圧流体)
36 軸受隙間
W ワーク
Wh 孔部
X1 回転中心(保持部材)
X2 中心(孔部)

Claims (3)

  1. 中ぐり加工装置の主軸に装着され、外周に加工刃を設けると共に内周に軸受部を設けた筒状の保持部材と、
    前記保持部材の内周に一端側から挿入でき、かつ他端側を前記中ぐり加工装置のワーク取付け治具側に連結可能な軸状部材とを具備し、
    前記軸状部材が前記ワーク取付け治具側に連結された状態で、前記保持部材が前記軸受部により前記軸状部材に対して相対回転支持されつつ軸方向に相対移動可能とした中ぐり加工工具。
  2. 前記軸状部材は、前記保持部材と離脱可能に係合して前記保持部材と前記軸状部材とを一体化する係合部を有し、
    前記軸状部材を前記ワーク取付け治具側に連結することで、前記係合部による前記保持部材と前記軸状部材との係合状態を解除可能とした請求項1に記載の中ぐり加工工具。
  3. 前記軸受部は、前記保持部材の内周面に一端を開口した高圧流体の供給路と、前記保持部材の内周面と前記軸状部材の外周面との間に形成される軸受隙間とで構成される請求項1又は2に記載の中ぐり加工工具。
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