JP2013240804A - レーザ溶接装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接歪を従来よりもさらに抑制することが可能なレーザ溶接装置を提供する。
【解決手段】溶接線Lに沿ってレーザを照射するレーザ溶接装置1であって、レーザ照射装置2と、レーザ照射装置2を溶接線Lに沿って移動させるロボットアーム5と、加熱装置3と、加熱装置3を溶接線Lに沿って移動させる移動装置6と、制御装置7と、を備え、レーザ照射装置2は、加熱装置3による溶接線Lの加熱位置と同位置又はその直後の位置の溶接線Lにレーザを照射して溶接線Lを溶接し、制御装置7は、レーザの照射位置と加熱装置3の加熱位置の相対的位置関係を保ったまま、レーザ照射装置2及び加熱装置3が溶接線Lに沿って移動するように、ロボットアーム5及び移動装置6を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】溶接線Lに沿ってレーザを照射するレーザ溶接装置1であって、レーザ照射装置2と、レーザ照射装置2を溶接線Lに沿って移動させるロボットアーム5と、加熱装置3と、加熱装置3を溶接線Lに沿って移動させる移動装置6と、制御装置7と、を備え、レーザ照射装置2は、加熱装置3による溶接線Lの加熱位置と同位置又はその直後の位置の溶接線Lにレーザを照射して溶接線Lを溶接し、制御装置7は、レーザの照射位置と加熱装置3の加熱位置の相対的位置関係を保ったまま、レーザ照射装置2及び加熱装置3が溶接線Lに沿って移動するように、ロボットアーム5及び移動装置6を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ溶接装置に関する。
カーテンウォール用薄肉H形鋼に代表される建材用ステンレス形鋼や、ジェットエンジンの燃焼室に使用されている高温燃焼ガスと常温空気分離壁等に用いられている薄板低熱伝導度耐熱合金の製造に関しては、従来、ステンレス形鋼の圧延によって製造されており、少量多品種の製造要求に応えることが製造コストの点で非常に困難であった。
一方、これらの製品を溶接で製造すれば、製造コストの低減を図ることができると考えられる。従来、溶接による歪を抑制することを目的として、溶接後の加工部位に冷却ガスを吹き付けるレーザ溶接方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、溶接物の長さや厚さが大きくなると、特許文献1に記載のレーザ溶接方法でも要求精度よりも大きな歪が発生する可能性がある。特に、上記のような製品は、溶接物の長さや厚さが非常に大きくなるため、溶接歪が大きくなり易い。また、近年の工業製品の高精度化に伴い、溶接歪のさらなる低減が求められている。
本発明は、これらの問題に鑑みて成されたものであり、溶接による歪を従来よりもさらに抑制することが可能なレーザ溶接装置を提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意研究の結果、レーザの照射位置とその周辺位置の温度差(温度勾配)が大きいほど、溶接後のワークに歪が生じるという原因を突き止め、この問題を解消することができる本発明を開発するに至った。
本発明は、ワーク同士を突き合わせて形成した未溶接の溶接線に沿ってレーザを照射することで前記溶接線を溶接するレーザ溶接装置であって、前記ワークの溶接線にレーザを照射するレーザ照射装置と、前記レーザ照射装置を前記溶接線に沿って移動させる第1移動装置と、前記溶接線を加熱する加熱装置と、前記レーザ照射装置の移動に同期して前記加熱装置を前記溶接線に沿って移動させる第2移動装置と、前記第1移動装置及び前記第2移動装置を制御する制御装置と、を備え、前記レーザ照射装置は、前記加熱装置による前記溶接線の加熱位置と同位置又はその直後の位置の前記溶接線にレーザを照射して前記溶接線を溶接し、前記制御装置は、前記レーザの照射位置と前記加熱装置の加熱位置の相対的位置関係を保ったまま、前記レーザ照射装置及び前記加熱装置が前記溶接線に沿って移動するように、前記第1移動装置及び第2移動装置を制御することを特徴とするレーザ溶接装置である。
このような構成によれば、レーザ溶接装置は、加熱装置による溶接線の加熱位置と同位置又はその直後の位置の前記溶接線にレーザを照射して溶接線を溶接するので、レーザの照射位置とその周辺位置の温度差(温度勾配)が小さくなり、溶接後のワークの歪を抑制することができる。また、制御装置は、前記レーザの照射位置と前記加熱装置の加熱位置の相対的位置関係を保ったまま、前記レーザ照射装置及び前記加熱装置が前記溶接線に沿って移動するように、前記第1移動装置及び第2移動装置を制御するので、溶接線の全長に亘って溶接歪を抑制することができる。
また、前記加熱装置は、前記ワークの一面側に配置されており、前記レーザ照射装置は、前記ワークの他面側に配置されているのが好ましい。
例えば、ワークに対して表面側(他面側)からレーザを照射した場合、裏面側よりも表面側の温度が高くなるが、このような構成によれば、加熱装置がワークの裏面側(一面側)に配置されているので、ワークの裏面側(一面側)を加熱してワークの裏面側(一面側)と表面側(他面側)の温度差を小さくすることができる。
また、本発明に係るレーザ溶接装置は、前記ワークの他面側に配置され、溶接した前記溶接線を冷却する冷却装置をさらに備えるのが好ましい。
このような構成によれば、ワークの他面側からレーザを照射した後に、温度の高いワークの他面側を冷却装置で冷却するので、レーザの照射位置とその周辺位置の温度差(温度勾配)を小さくして、溶接後のワークの歪を一層抑制することができる。
また、前記第2移動装置は、前記加熱装置の設置位置を調節可能なフレキシブルアームを介して前記加熱装置を支持しているのが好ましい。
このような構成によれば、第2移動装置は、加熱装置の設置位置を調節可能なフレキシブルアームを介して加熱装置を支持しているので、加熱装置を、レーザ照射位置の直前又はレーザ照射位置と同位置に容易に配置することができる。また、第2移動装置によって、レーザ照射位置との位置関係を保ったまま、フレキシブルアームと共に加熱装置を移動させることができる。
また、前記レーザ照射装置は、ファイバーレーザ照射装置であるのが好ましい。
このような構成によれば、ファイバーレーザ溶接において、溶接歪の発生を抑制することができるので、ワークの溶接品質を一層向上させることができる。
本発明によれば、溶接による歪を従来よりもさらに抑制することが可能なレーザ溶接装置を提供することができる。
本発明の実施形態について、図1乃至図4を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。また、方向を説明する場合は、図1に示す前後左右上下を基準として説明する。図1は、本実施形態に係るレーザ溶接装置の斜視図である。図2は、レーザ溶接装置の側面図である。図3は、図2のIII−III矢視断面図である。
図1乃至図3に示すように、レーザ溶接装置1は、レーザ照射装置2と、加熱装置3と、冷却装置4と、レーザ照射装置2を移動可能に保持するロボットアーム5と、加熱装置3及び冷却装置4を保持する移動装置6と、ロボットアーム5及び移動装置6を制御する制御装置7と、を主に備えている。
なお、溶接対象となるワークWは、カーテンウォール用薄肉H形鋼に代表される建材用ステンレス形鋼や、ジェットエンジンの燃焼室等に使用されている薄板低熱伝導度耐熱合金など、が挙げられる。例えば、建材用ステンレス形鋼では、縦方向歪を3mm/5m以下、角歪を0.05rad以下に抑えるのが好ましい。また、ジェットエンジン用Ni基耐熱合金では、円筒変形歪を1mm以下に抑えるのが好ましい。
2つのワークWは、互いの側端部を突き合わせた状態で支持台Dの上に載置されている。付き合わされた側端部によって溶接線Lが形成される。支持台Dは、天板Daと複数の脚部Dbと、天版に形成された開口部Dcとを有している。開口部Dcは、溶接線Lに対応する部分に形成されている。これにより、後記する加熱装置3で、溶接線Lを下側から加熱することが可能になる。
レーザ照射装置2は、レーザ光線を照射して溶接線Lを溶接する装置である。レーザ照射装置2は、例えば、高出力ファイバーレーザ照射装置で構成されている。レーザ照射装置2は、ロボットアーム5に保持されており、レーザを照射しながら溶接線Lに沿って移動できるように構成されている。レーザ照射装置2は、例えば、ワークWの表面Wa側(他面側)に配置されている。
加熱装置3は、溶接線Lを(より詳しくは溶接線Lを構成するワークWを)加熱する装置である。加熱装置3は、レーザ照射位置の直前又はレーザ照射位置と同位置の溶接線Lを加熱するように配置されている。加熱装置3は、例えば、500度乃至2000度の範囲で加熱温度を調節可能なガスバーナ等で構成されている。加熱装置3は、フレキシブルアーム62を介して移動装置6に移動可能に支持されている。
加熱装置3は、ワークWの裏面Wb側(一面側)、つまりレーザ照射装置2と反対側に配置されている。これにより、ワークWの表面Waと裏面Wbの温度差を小さくすることができる。また、加熱装置3は、レーザ照射位置から前方に0〜10mmの範囲で離れた位置を加熱するように配置するのが好ましい。本実施形態では、加熱装置3は、レーザ照射位置から前方に約5mm程度離れた位置に配置されている。
冷却装置4は、冷却材Cを吹き付けることで溶接線Lを冷却する装置である。冷却材Cとしては、例えば冷却ガスや水(ミスト)等を用いることができる。また、冷却ガスとしては、例えば、不活性ガスである炭酸ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス又はこれらの混合ガス等を用いることができる。冷却装置4は、フレキシブルアーム62を介して移動装置6に移動可能に支持されている。
冷却装置4は、ワークWの表面Wa側(他面側)、つまりレーザ照射装置2と同じ側に配置されている。これにより、ワークWの表面と裏面の温度差をさらに小さくすることができる。また、冷却装置4は、レーザ照射位置から後方に5〜15mm程度離れた位置を冷却するように配置するのが好ましい。本実施形態では、冷却装置4は、レーザ照射位置から後方に約10mm程度離れた位置に配置されている。
なお、冷却装置4は、図示は省略するが、冷却材流量調節装置や冷却材温度調節装置を有している。冷却材Cとして冷却ガスを用いる場合は、ガス流量を0〜60L/minの範囲で調節できるようにするのが好ましい。また、冷却材Cとして冷却水(ミスト)を用いる場合は、冷却水流量を0〜500mL/minの範囲で調節できるようにするのが好ましい。また、冷却材Cとして圧縮空気を用いる場合は、圧縮空気の温度を−20℃〜室温の範囲で調節できるようにするのが好ましい。
第1移動装置としてのロボットアーム5は、先端に保持したレーザ照射装置2を溶接線Lに沿って移動させる装置である。ロボットアーム5は、ロボットアーム本体51と、複数のアーム部52と、複数の関節部53と、を有している。ロボットアーム5は、複数のアーム部52と複数の関節部53とを駆動することで、レーザ照射装置2を溶接線Lに沿って移動させるように、制御装置7によって制御される。
第2移動装置としての移動装置6は、加熱装置3及び冷却装置4を溶接線Lに沿って移動させる装置である。移動装置6は、本体61と、フレキシブルアーム62,62と、ボールねじ63と、サーボモータ64と、レール65とを主に備えている。
本体61は、ねじ溝が形成された貫通孔61aを有している。貫通孔61aにはボールねじ63が挿通されている。ボールねじ63の両端部は、軸受部63a,63aによって回転可能に支持されている。本体61は、溶接線Lと平行に配置されたレール65上に摺動可能に載置されている(図2、図3参照)。
ボールねじ63は、溶接線Lと平行に配置されている。ボールねじ63の両端部は、軸受部63a,63aによって回転可能に支持されている。また、ボールねじ63の一端部は、サーボモータ64の回転軸に連結されている。サーボモータ64は、制御装置7に接続されており、本体61等がロボットアーム5に同期して移動するように、回転数を制御されている。
フレキシブルアーム62は、屈曲自在に構成されており、加熱装置3及び冷却装置4を所定の位置に保持できるようになっている。各フレキシブルアーム62は、加熱装置3及び冷却装置4の設置位置を、レーザ照射位置から0〜±50mmの範囲で調整できるように構成されている。なお、フレキシブルアーム62は、燃料及び冷却材の供給通路を兼ねている。
本体61には、加熱装置3に燃料を供給する燃料タンク31が燃料ホース32を介して接続されている。また、本体61には、冷却装置4に冷却材を供給する冷却材タンク41が冷却材ホース42を介して接続されている。燃料ホース31及び冷却材ホース42は、本体61の移動に追従可能なように十分な長さを有している。
制御装置7は、ロボットアーム5と移動装置6を制御して、レーザ照射装置2、加熱装置3及び冷却装置4を同期して移動させる装置である。具体的には、制御装置7は、ワークWの板厚やレーザ照射装置2の出力等に基づいて設定されるレーザ照射装置2の溶接速度に、加熱装置3の移動速度が等しくなるように、サーボモータ64の回転速度を制御する。
制御装置7は、いわゆるコンピュータであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)又はハードディスクなどの記憶装置に記憶した制御プログラムを読み出して、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置で演算することにより、ロボットアーム5及び移動装置6を制御している。その他、制御装置7は、制御条件を入力する入力装置としてのキーボードと、制御条件を表示する出力装置としてのディスプレイと、を備えている。
レーザ溶接装置1は、基本的に以上のように構成されるものであり、次に、このレーザ溶接装置1を用いたレーザ溶接方法について図1乃至図4を参照して説明する。図4は、レーザ溶接装置を用いたレーザ溶接方法のフロー図である。
図4に示すように、レーザ溶接方法は、準備工程S1と、加熱工程S2と、レーザ溶接工程S3と、冷却工程S4と、を備えている。
図4に示すように、レーザ溶接方法は、準備工程S1と、加熱工程S2と、レーザ溶接工程S3と、冷却工程S4と、を備えている。
<準備工程S1>
初めに、加熱装置3用のフレキシブルアーム62を屈曲させて、加熱装置3をワークWの裏面Wb側であって溶接線Lの端部に対応する位置に配置する。また、ロボットアーム5を操作して、ワークWの表面Wa側であって溶接線Lの端部から後方に5mm程度離れた位置にレーザ照射装置2を配置する。また、冷却装置4用のフレキシブルアーム62を屈曲させて、ワークWの表面Wa側であって溶接線Lの端部から後方に15mm程度(すなわちレーザ照射装置2から後方に10mm程度)離れた位置に冷却装置3を配置する。また、ワークWの材質や板厚に基づいてレーザ照射装置2の出力と移動速度を設定する。
初めに、加熱装置3用のフレキシブルアーム62を屈曲させて、加熱装置3をワークWの裏面Wb側であって溶接線Lの端部に対応する位置に配置する。また、ロボットアーム5を操作して、ワークWの表面Wa側であって溶接線Lの端部から後方に5mm程度離れた位置にレーザ照射装置2を配置する。また、冷却装置4用のフレキシブルアーム62を屈曲させて、ワークWの表面Wa側であって溶接線Lの端部から後方に15mm程度(すなわちレーザ照射装置2から後方に10mm程度)離れた位置に冷却装置3を配置する。また、ワークWの材質や板厚に基づいてレーザ照射装置2の出力と移動速度を設定する。
<加熱工程S2>
上記の準備が終了したら、加熱装置3に燃料を供給して点火し、ワークWの裏面Wb側から溶接線Lを加熱するとともに、移動装置6を駆動して、溶接線Lに沿って加熱装置3を移動させる。これにより、レーザの照射に先行して溶接線Lが加熱されることとなる。なお、移動装置6は、加熱装置3がレーザ照射装置2と同期して移動するように、制御装置7によって制御されている。加熱装置3の移動に追従して、レーザ照射装置2及び冷却装置4も移動を開始する。
上記の準備が終了したら、加熱装置3に燃料を供給して点火し、ワークWの裏面Wb側から溶接線Lを加熱するとともに、移動装置6を駆動して、溶接線Lに沿って加熱装置3を移動させる。これにより、レーザの照射に先行して溶接線Lが加熱されることとなる。なお、移動装置6は、加熱装置3がレーザ照射装置2と同期して移動するように、制御装置7によって制御されている。加熱装置3の移動に追従して、レーザ照射装置2及び冷却装置4も移動を開始する。
<レーザ溶接工程S3>
次に、ロボットアーム5でレーザ照射装置2を溶接線Lに沿って移動させながら、加熱装置3によって加熱された未溶接の溶接線Lに対してワークWの表面Wa側からレーザを照射して溶接線Lを溶接する。このとき、ワークWの溶接線L及びその周辺領域は、加熱装置3によって予め加熱されているので、レーザの照射位置とその周辺領域との温度差が少なくなる。特に、ワークWの表面Wa側からレーザが照射され、ワークWの裏面Wb側から加熱装置3で加熱されているので、ワークWの表面Wa側と裏面Wb側の温度差が少なくなる。その結果、ワークWの温度差(温度勾配)に起因する溶接歪を低減することができる。
次に、ロボットアーム5でレーザ照射装置2を溶接線Lに沿って移動させながら、加熱装置3によって加熱された未溶接の溶接線Lに対してワークWの表面Wa側からレーザを照射して溶接線Lを溶接する。このとき、ワークWの溶接線L及びその周辺領域は、加熱装置3によって予め加熱されているので、レーザの照射位置とその周辺領域との温度差が少なくなる。特に、ワークWの表面Wa側からレーザが照射され、ワークWの裏面Wb側から加熱装置3で加熱されているので、ワークWの表面Wa側と裏面Wb側の温度差が少なくなる。その結果、ワークWの温度差(温度勾配)に起因する溶接歪を低減することができる。
<冷却工程S4>
さらに、冷却装置4は、レーザが照射されて溶接された溶接線LにワークWの表面Wa側から冷却材Cを吹き付けて溶接線Lを冷却する。これにより、レーザの熱によって高温になったワークWの表面Waを冷やして、ワークWの裏面Wbとの温度差を小さくすることができる。
さらに、冷却装置4は、レーザが照射されて溶接された溶接線LにワークWの表面Wa側から冷却材Cを吹き付けて溶接線Lを冷却する。これにより、レーザの熱によって高温になったワークWの表面Waを冷やして、ワークWの裏面Wbとの温度差を小さくすることができる。
そして、溶接線Lの全長を溶接し終えた段階で、ロボットアーム5及び移動装置6を停止すると共に、レーザ照射装置2によるレーザの照射を終了する。また、加熱装置3を消火すると共に冷却装置4からの冷却材Cの噴射を停止する。これにより、レーザ溶接が終了する。
本実施形態に係るレーザ溶接装置1によれば、加熱装置3による溶接線Lの加熱位置と同位置又はその直後の位置の溶接線Lにレーザ照射装置2からレーザを照射して溶接線Lを溶接するので、レーザの照射位置とその周辺位置の温度差(温度勾配)が小さくなり、溶接後のワークWの歪を抑制することができる。また、制御装置7は、レーザの照射位置と加熱装置3の加熱位置の相対的位置関係を保ったまま、レーザ照射装置2及び加熱装置3が溶接線Lに沿って移動するように、第1移動装置であるロボットアーム5及び第2移動装置である移動装置6を制御するので、溶接線Lの全長に亘って溶接歪を抑制することができる。
また、本実施形態に係るレーザ溶接装置1によれば、ワークWに対して表面Wa側(他面側)からレーザを照射しているので、ワークWの裏面Wb側よりもワークWの表面Wa側の温度が大きく成り易いが、加熱装置3がワークWの裏面Wb側(一面側)に配置されているので、ワークWを裏面Wb側(一面側)から加熱してワークWの表面Wa側(他面側)との温度差を小さくすることができる。
また、本実施形態に係るレーザ溶接装置1によれば、ワークWの表面Wa側からレーザを照射した後に、温度の高いワークWの表面Wa側を冷却装置4で冷却するので、レーザの照射位置とその周辺位置の温度差(温度勾配)を小さくして、溶接後のワークWの歪を一層抑制することができる。
また、本実施形態に係るレーザ溶接装置1によれば、移動装置6は、加熱装置3の設置位置を調節可能なフレキシブルアーム62を介して加熱装置3を支持しているので、加熱装置3を、レーザ照射位置の直前又はレーザ照射位置と同位置に容易に配置することができる。また、移動装置6によって、レーザ照射位置との位置関係を保ったまま、フレキシブルアーム62と共に加熱装置3を移動させることができる。
また、本実施形態に係るレーザ溶接装置1によれば、移動装置6は、冷却装置4の設置位置を調節可能なフレキシブルアーム62を介して冷却装置4を支持しているので、冷却装置4を、レーザ照射位置の後方に容易に配置することができる。また、移動装置6によって、レーザ照射位置との位置関係を保ったまま、フレキシブルアーム62と共に冷却装置4を移動させることができる。
また、本実施形態に係るレーザ溶接装置1によれば、レーザ照射装置2が、ファイバーレーザ照射装置で構成されているので、ファイバーレーザ溶接において、溶接歪の発生を抑制することができる。そのため、ワークWの溶接品質を一層向上させることができる。
以上、本実施形態に係るレーザ溶接装置1について、図1乃至図4を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、第2移動装置としての移動装置6は、ボールねじ63をサーボモータ64で回転させて加熱装置3及び冷却装置4を移動させる構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、移動装置6を別のロボットアームで構成してもよい。このようにすれば、直線状ではない溶接線にも本発明を適用することができる。また、ボールねじ63に代えてギアとチェーンを用いた他の移動機構等(図示省略)を採用してもよい。
また、本実施形態では、レーザの照射位置の5mm前方を加熱することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザの照射位置と同位置を加熱するようにしてもよい。このような構成でも、ワークWの表面Waと裏面Wbの温度差を小さくして溶接歪を抑制することができる。
また、本実施形態では、ワークWの裏面Wb側(ワークWに対してレーザ照射装置2と反対側)に加熱装置3を配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ワークWの表面Wa側(ワークWに対してレーザ照射装置2と同じ側)に加熱装置3を配置してもよい。このような配置でも、レーザの照射位置とその周辺領域を事前又は同時に加熱することで、両者の温度差(温度勾配)を小さくすることができる。
また、本実施形態では、移動装置6で冷却装置4を支持する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ロボットアーム5で冷却装置4を支持する構成としてもよい。なお、冷却装置4は、ワークWに対してレーザ照射装置2と同じ側に配置されているので、冷却装置4をロボットアーム5で容易に支持することができる。
また、本実施形態では、移動装置6と別体に燃料タンク31及び冷却材タンク42を設置して両者を燃料ホース32及び冷却材ホース42で接続する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、燃料タンク31及び冷却材タンク42を小型化して、本体61に搭載する構成としてもよい。
1 レーザ溶接装置
2 レーザ照射装置
3 加熱装置
31 燃料タンク
32 燃料ホース
4 冷却装置
41 冷却材タンク
42 冷却材ホース
5 ロボットアーム(第1移動装置)
51 ロボットアーム本体
52 アーム部
53 関節部
6 移動装置(第2移動装置)
61 本体
62 フレキシブルアーム
63 ボールねじ
64 サーボモータ
65 レール
L 溶接線
W ワーク
Wa 表面側(他面側)
Wb 裏面側(一面側)
2 レーザ照射装置
3 加熱装置
31 燃料タンク
32 燃料ホース
4 冷却装置
41 冷却材タンク
42 冷却材ホース
5 ロボットアーム(第1移動装置)
51 ロボットアーム本体
52 アーム部
53 関節部
6 移動装置(第2移動装置)
61 本体
62 フレキシブルアーム
63 ボールねじ
64 サーボモータ
65 レール
L 溶接線
W ワーク
Wa 表面側(他面側)
Wb 裏面側(一面側)
Claims (5)
- ワーク同士を突き合わせて形成した未溶接の溶接線に沿ってレーザを照射することで前記溶接線を溶接するレーザ溶接装置であって、
前記溶接線にレーザを照射するレーザ照射装置と、
前記レーザ照射装置を前記溶接線に沿って移動させる第1移動装置と、
前記溶接線を加熱する加熱装置と、
前記レーザ照射装置の移動に同期して前記加熱装置を前記溶接線に沿って移動させる第2移動装置と、
前記第1移動装置及び前記第2移動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記レーザ照射装置は、前記加熱装置による前記溶接線の加熱位置と同位置又はその直後の位置の前記溶接線にレーザを照射して前記溶接線を溶接し、
前記制御装置は、前記レーザの照射位置と前記加熱装置の加熱位置の相対的位置関係を保ったまま、前記レーザ照射装置及び前記加熱装置が前記溶接線に沿って移動するように、前記第1移動装置及び前記第2移動装置を制御することを特徴とするレーザ溶接装置。 - 前記加熱装置は、前記ワークの一面側に配置されており、前記レーザ照射装置は、前記ワークの他面側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接装置。
- 前記ワークの他面側に配置され、溶接した前記溶接線を冷却する冷却装置をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のレーザ溶接装置。
- 前記第2移動装置は、前記加熱装置の設置位置を調節可能なフレキシブルアームを介して前記加熱装置を支持していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置。
- 前記レーザ照射装置は、ファイバーレーザ照射装置であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012114958A JP2013240804A (ja) | 2012-05-18 | 2012-05-18 | レーザ溶接装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012114958A JP2013240804A (ja) | 2012-05-18 | 2012-05-18 | レーザ溶接装置 |
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JP2013240804A true JP2013240804A (ja) | 2013-12-05 |
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ID=49842227
Family Applications (1)
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JP2012114958A Pending JP2013240804A (ja) | 2012-05-18 | 2012-05-18 | レーザ溶接装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107877062A (zh) * | 2017-12-26 | 2018-04-06 | 南通大通宝富风机有限公司 | 一种耐磨层自动堆焊装置 |
-
2012
- 2012-05-18 JP JP2012114958A patent/JP2013240804A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107877062A (zh) * | 2017-12-26 | 2018-04-06 | 南通大通宝富风机有限公司 | 一种耐磨层自动堆焊装置 |
CN107877062B (zh) * | 2017-12-26 | 2023-08-08 | 南通大通宝富风机有限公司 | 一种耐磨层自动堆焊装置 |
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