JP2013240516A - スロットマシン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ART遊技などの特典遊技区間に上乗せされるゲーム数を抽選により決定するスロットマシンにおいて、特典遊技区間は、次回特典遊技の連続発動の成否を連続発動抽選により決定するゲーム区間であって、当該特典遊技の開始から、次回特典遊技の連続発動に当選するまで又は連続発動に当選しないときには当該特典遊技の終了までの連続発動抽選区間と、次回特典遊技に上乗せする上乗せゲーム数を上乗せ抽選により決定するゲーム区間であって、次回特典遊技の連続発動に当選してから当該特典遊技の終了までの上乗せ抽選区間と、に区分される構成としてある。
【選択図】 図5
Description
メダル獲得の機会が増加する遊技の代表例は、ボーナス遊技であり、この間は内部的に小役の当選確率が飛躍的に高まることから小役入賞が連続することとなり、短いゲーム区間において大量のメダルが集中して獲得されることになる。
また、ボーナス遊技を除いたメダル獲得の機会が増加する遊技として、例えば、RT,AT,ART遊技などの特典遊技がある。
このような特典遊技では、ボーナス遊技とは異なり小役の当選確率が高まることはないものの、メダルを費やす割合が抑制され、ボーナス遊技よりも長いゲーム区間を掛けて緩やかにメダルが増加するなど、ボーナス遊技ほど短時間に大量のメダルが獲得されないまでも、そのゲーム区間が長く続くほどメダル獲得の機会が増加する遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
また、アシストタイムの略称であるAT遊技は、所定のゲーム回数の間、内部的に小役に当選したときにこれらに入賞させるためにリール停止時に停止ボタンに対して行う操作内容を外部に報知し、その操作内容に従った操作によりこれらの入賞率が高められる特典遊技であって、小役入賞による直接的なメダルの払い出しが得られることから、遊技者にとって有利に作用する遊技状態となっている。
また、アシスト・リプレイタイムの略称であるART遊技は、上記のRT遊技とAT遊技とを複合的に組合せた特典遊技であって、それぞれの遊技の特徴が相乗して、メダルを費やす割合が抑制されながら直接的なメダルの払い出しも得られ、RT遊技又はAT遊技の単独遊技よりも、メダル獲得の機会が増大する遊技者に有利な遊技状態となっている。
また、この特典遊技は、一回限りの単発で終了することもあるが、一般的には連チャンするように設定されている。例えば、50ゲームを1セットとして、所定のタイミングで行われる内部的な連続発動抽選により連チャンが決定されると、1セット終了後、2セット目、3セット目というように特典遊技が連続して発動するようになっている。
ゲーム数の上乗せは、1セットの特典遊技区間において行われる上乗せ抽選により当選した上乗せゲーム数を、当該特典遊技のゲーム数に加算することで行われ、例えば、0,10,20〜300ゲームに亘る複数の上乗せゲーム数の中から1ゲームごとに上乗せ抽選を行い、当選した上乗せゲーム数が、発動中の特典遊技に加算されることとなる。
例えば、上乗せ抽選は上乗せされたゲーム中においても実行されることから、上乗せに次ぐ上乗せにより、1セットに係る特典遊技のゲーム回数が終わりの見えない状態で増加するため、上乗せの無限連鎖の期待によって射幸心を煽りすぎるという問題が生じていた。このようなことから、単純に上乗せ抽選に係る当選確率を低くしたりして上乗せされる期待ゲーム回数を少なくすることもできるが、そうすると、上乗せゲームの醍醐味が薄まり、ゲーム性が低下するというデメリットが生じる。
また、特典遊技区間においては、液晶表示器やスピーカを介して特典遊技を盛り上げるストーリー性のある遊技演出が行われるが、上乗せにより特典遊技のゲーム回数が不定となるため、ストーリー(演出内容)を変更せざるを得なくなり、その結果整合性の取れない演出が行われることになる。
本実施形態のスロットマシン1は、複数のリールを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得できる一般的な回胴式遊技機として構成されながらも、ART遊技などの特典遊技に上乗せされるゲーム数の上乗せを連続発動される次回特典遊技に対して行うことで、次回特典遊技のゲーム回数が事前に決定されることにより、上乗せの無限連鎖の可能性を抑制しながら、特典遊技区間に行われる遊技演出をそのゲーム回数に整合させることができるようになっている。
以下、本実施形態に係るスロットマシン1の各部の構成について詳述する。
なお、クレジットされたメダルとは、メダル投入口2から投入されたメダル(投入メダル)や入賞した結果払い出されるメダル(入賞メダル)からなり、メイン制御部10のメインRAMに記憶されている貯留メダルを示すものである。このクレジットメダルとしては最大50枚までのメダルが記憶されるようになっている。
また、前扉1aの上部には、例えば、液晶表示器からなる表示器8aが設けられ、後述の内部抽選においてリプレイや小役に当選したときにこれらに入賞させるために停止ボタン5に対して行う操作内容を表示により外部に報知する報知手段として機能する。
また、前扉1aの上部には、音声、効果音などの音を出力するスピーカ8bが設けられ、表示器8aと同様、停止ボタン5に対して行う操作内容を音声により報知する報知手段として機能する。
これらの報知手段は、メイン制御部10から出力される制御信号に基づいて動作するサブ制御部20によって駆動制御されるようになっている(図3参照)。
また、筐体1bの下部には、メダルの貯留・払い出しを行うメダル払出装置7が設けられている。メダル払出装置7には、メダルを貯留するホッパー7aが設けられ、メダル投入口2より投入されたメダルは、メダルセレクタ2bにより検出されるとともに、ホッパー7aに誘導されるようになっている。
メイン制御部10は、上記の各操作手段からの信号に基づき、ドラムユニット4、メダル払出装置7などの各装置を制御することで、以下のようなスロットマシン遊技を進行させる。
ゲーム可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、メイン制御部10は、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a,41b,41cを回転させる制御を行う。
内部抽選の抽選対象には、ボーナス遊技に移行することになるボーナス役をはじめ、次回ゲームにおいてメダルを掛けることなく遊技可能となるリプレイ(再遊技役)、所定数の入賞メダルが払い出されることになる複数の小役(ベル役、チェリー役、ブドウ役など)、何ら遊技価値の付与されないハズレなどがある。
また、メイン制御部10は、各停止ボタン5a,5b,5cが押下操作されると、この操作タイミングに基づいて、内部抽選で決定された当選対象に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール41a,41b,41cの停止制御を行う。
また、メイン制御部10は、後述するように、停止した各リール41に表された図柄の組合せに基づいて遊技状態を遷移させる。
これらの制御信号は、メインCPUのI/Oポート、接続ケーブル等を介してサブ制御部20に送信されるようになっている。
このような構成からなるサブ制御部20は、メイン制御部10から制御信号が入力されると、サブCPUがサブROMに記憶されたプログラムを実行処理することで、上記各制御回路を制御し、これらの制御回路が表示器8a,スピーカ8b,電飾ランプなどの演出手段を介して画像データ(LEDの点滅等発光パターンデータを含む)、音データを出力するようになっている。
本実施形態では、例えば、通常遊技、ボーナス遊技、ART遊技、ART再発動高確率遊技の四つの遊技状態を有している。
この通常遊技では、投入メダル数に対する、リプレイを含む入賞メダル数の割合を示す出玉率が例えば50%となるように設定されることにより、メダルが断続的に(50%ずつ)消費される遊技者に不利な遊技状態となっている。
このような出玉率は、リプレイ、小役、ハズレの発生頻度に依存することから、内部抽選においてそれぞれに当選する当選確率を所定の設計値に設定することで実現される。
このボーナス遊技は、内部抽選において小役に高確率で当選する高出玉率(例えば、300%)の遊技状態となっており、所定数(例えば、200枚)以上のメダルの払い出しによりボーナス遊技終了となる。
また、ボーナス役に当選したにもかかわらずボーナス図柄の組合せで停止しないときには、ボーナス役の当選を次回ゲーム以降に持ち越すボーナス当選持ち越し遊技に遷移する。
ART発動役は、通常遊技における抽選対象となっているものの、表示器8a,スピーカ8bを介して、リール41の停止時において停止ボタン5に対して行う操作内容が報知されない限り、ART発動役に対応する図柄の組合せでリール41が停止、すなわち入賞しないようになっている。
そこで、本実施形態では、ART抽選処理においてART遊技に当選した場合、その後の内部抽選において特殊リプレイ役に当選したときに、サブ制御部20は、その当選を示す当選対象信号の受信に基づいて、表示器8a,スピーカ8bを介して特殊リプレイ役に対応する操作順序を報知するようになっている。これにより、報知された操作順序に従った遊技者による停止ボタン5a〜5cの操作により、それぞれの特殊リプレイ役に対応する図柄の組合せでリール41が停止することになり、特殊リプレイ役の入賞を成立させることができる。
このように、サブ制御部20は、ART抽選処理においてART遊技に当選すると、特殊リプレイ役を含む当選対象信号の受信に基づいてその当選対象に対応する操作順序を、表示器8a,スピーカ8bなどの報知手段を介して報知を行う遊技状態である、AT遊技に遷移する。
なお、サブ制御部20において実行されるART抽選処理は、通常遊技中のみならずボーナス遊技中においても行われ、例えば、内部抽選においてハズレ、チェリー役、ボーナス役等に当選し、これらを示す当選対象信号を受信したタイミングなどで実行される。
AT遊技において当選の報知されるリプレイ、小役には、例えば、上記の特殊リプレイ役と同様に、それぞれ三つの停止ボタン5a〜5cに対して行い得る6通りの操作順序のうちの一の操作順序でのみ入賞可能な六つの6択リプレイ役及び6択小役がある。
これらの6択リプレイ役及び6択小役も、内部抽選においてこれらに当選し、これらの当選を示す当選対象信号のサブ制御部20への送信に基づいて表示器8a,スピーカ8bを介してそれぞれの操作順序が報知されるとともに、これらの操作順序に従った遊技者による停止ボタン5a〜5cの操作により、それぞれの6択リプレイ役及び6択小役に対応する図柄の組合せでリール41が停止して入賞するようになっている。
ART遊技のゲーム回数は、例えば、50ゲームを1セットとして設定され、そのセットゲーム中に行われる後述の連続発動抽選処理において連続発動に当選すると、次回ART遊技(例えば、同様に50ゲーム)の再発動が保証され、ART遊技が連チャンするようになっている。
このようなART遊技では、投入メダル数に対する、リプレイを含む入賞メダル数の割合を示す出玉率が例えば150%となるように設定されることにより、メダルが緩やかに増加する遊技状態となっている。
なお、汎用リプレイの当選確率の変動は、メイン制御部10のメインROMに記憶されるとともに、内部抽選の際に参照される、各抽選対象の当選確率が設定された内部抽選データテーブルに基づくものであり、通常遊技、ボーナス遊技、RT遊技において、各抽選対象の当選確率をそれぞれ違えた内部抽選データテーブルを参照することで実現される。
例えば、ボーナス遊技では、小役の当選確率が通常遊技及びRT遊技(ART遊技)よりも高く設定された内部抽選データテーブルが参照され、RT遊技(ART遊技)では、汎用リプレイの当選確率が通常遊技及びボーナス遊技よりも高く設定された内部抽選データテーブルが参照され、通常遊技では、RT遊技(ART遊技)よりも汎用リプレイの当選確率が低く設定された内部抽選データテーブルが参照されることで、それぞれの遊技状態での出玉率が維持されるようになっている。
例えば、ART抽選処理は、前述したように、通常遊技中及びボーナス遊技中において実行されるものの、ART再発動高確率遊技では、これらの遊技中よりも、高確率でART遊技に当選するようになっている。
このようなART遊技の当選確率の変動は、サブ制御部20のサブROMに記憶されるとともに、ART遊技抽選の際に参照される、ART遊技の当選確率が設定されたART抽選データテーブルに基づくものであり、通常遊技、ボーナス遊技、ART再発動高確率遊技において、ART遊技の当選確率をそれぞれ違えたART抽選データテーブルを参照することで実現される。
スロットマシン1の電源投入時では、通常遊技に滞在する。メイン制御部10において実行される内部抽選にてボーナス役に当選するか、又はサブ制御部20において実行されるART抽選処理にてART遊技に当選しない限り、この状態が継続することになる。
具体的には、内部抽選によりボーナス役に当選するとともにボーナス役に対応するボーナス図柄の組合せでリール41が停止すると、ボーナス遊技に遷移し(R1)、ART抽選処理によりART遊技に当選するとともに、その後の内部抽選において、ART発動役に当選し、このART発動役に対応する図柄の組合せでリール41が停止すると、ART遊技に遷移する(R3)。
ボーナス遊技中に実行されるART抽選処理においてART遊技に当選するとともに、ボーナス遊技終了後の内部抽選においてART発動役に当選し、このART発動役に対応する図柄の組合せでリール41が停止すると、ART遊技に遷移する(R4)。
一方、ボーナス遊技中のART抽選処理においてART遊技に当選しなかったときには、通常遊技に遷移する(R2)。なお、この場合、ART再発動高確率遊技に遷移させることもできる。
ART遊技中における内部抽選によりボーナス役に当選するとともにボーナス役に対応するボーナス図柄の組合せでリール41が停止すると、ボーナス遊技に遷移する(R5)。
一方、ART遊技中に実行される後述の連続発動抽選処理において連続発動に当選しないときには、そのART遊技に係るゲーム回数の消化により、ART再発動高確率遊技に遷移する(R6)。
ART再発動高確率遊技中に実行されるART抽選処理によりART遊技に当選するとともに、その後の内部抽選において、ART発動役に当選し、このART発動役に対応する図柄の組合せでリール41が停止すると、ART遊技に遷移する(R7)。
一方、ART再発動高確率遊技中に実行されるART抽選処理によりART遊技に当選しなかったときには、通常遊技に遷移する(R8)。
なお、ART再発動高確率遊技中の内部抽選によりボーナス役に当選するとともにボーナス役に対応するボーナス図柄の組合せでリール41が停止すると、ボーナス遊技に遷移することもある。
また、本実施形態では、ART遊技に遷移する条件を、サブ制御部20で実行されるART抽選処理においてART遊技に当選するとともに、その後、メイン制御部10で実行される内部抽選において、ART発動役に当選し、このART発動役に対応する図柄の組合せでリール41が停止したときとしたが、例えば、ART抽選処理を行うことなくART発動役の当選又は入賞を契機に遷移させることもできるし、メイン制御部10でART抽選を行いこの当選により遷移させることもでき、ART遊技に遷移する条件として様々な条件を設定可能であり、本実施形態に限定されるものではない。
連続発動抽選処理は、例えば、サブ制御部20において実行される処理であり、連続発動の当否を所定の当選確率(例えば、1/90)で1ゲームごとに1回ずつ抽選する。
この連続発動抽選処理では、予め定められた乱数の当選値と、1ゲームごとに入力されるスタートレバー3の操作に係る制御信号の入力タイミングで所定の乱数カウンタから取得する乱数値との比較を行うことにより、当該ゲームにおける連続発動の当否を決定する。
連続発動に当選したときは、サブRAMの所定の記憶領域に、連続発動の当選を示すフラグがセットされ、このフラグのセットにより、次回1セット分のART遊技の連続発動が保証され、現在発動中のART遊技終了後に1セット分のART遊技が連続して発動することになる。
なお、連続発動とは、連続発動の当選を示すフラグのセットに基づく発動であり、例えば、現在発動中のART遊技終了後の次のゲーム、又は、不定(例えば、ART発動役の再当選及び再入賞)若しくは一定のゲーム数消化後などのタイミングからの発動をいう。
例えば、次回ART遊技の発動の成否を示唆する演出として、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦闘を行うバトル演出が、表示器8a及びスピーカ8bを介してART遊技終了前4ゲームに亘って行われ、フラグのセットにより、4ゲーム間の演出の中で最終的に味方のキャラクタが勝利するというストーリーの演出を行うことで、次回ART遊技の連続発動を示唆し、フラグの未セットにより、4ゲーム間の演出の中で最終的に味方のキャラクタが負けるというストーリーの演出を行うことで、次回ART遊技の未発動を示唆する。
なお、連続発動抽選処理は、内部抽選に係る所定の当選対象信号(例えば、リプレイ以外の役など)の入力タイミングで行うこともできる。この場合、連続発動抽選処理は、1ゲームごとに行われないものの、当選対象信号の入力の元となる内部抽選は、1ゲームごとに行われることから、結果として連続発動抽選は1ゲームごとに行われていることになる。また、連続発動抽選は、1ゲームごとではなく、所定のタイミング(2ゲーム、3ゲームに1回など)で行うこともできる。
また、連続発動抽選区間では、以下に説明する上乗せ抽選は行われることはない。
このため、上乗せ抽選区間は、連続発動抽選処理により次回ART遊技の連続発動に当選したときに限り出現する遊技区間となっており(図4のR9又はR12:ただし、ART遊技の最終ゲームでの連続発動当選を除く)、連続発動に当選しないときには出現することはない。
上乗せ抽選処理は、例えば、サブ制御部20において実行される処理であり、抽選対象となる複数通りの上乗せゲーム数(例えば、0,10,20,30,50,100,150,200,250,300ゲームなどの、0〜300ゲームまで中で予め定められた10通りのゲーム数)の中から当選上乗せゲーム数を1ゲームごとに1回ずつ抽選にて決定する。
この上乗せ抽選処理では、抽選対象となる上乗せゲーム数ごとに予め割り当てられた乱数の当選値と、1ゲームごとに入力されるスタートレバー3の操作に係る制御信号の入力タイミングで所定の乱数カウンタから取得する乱数値との比較を行うことにより、複数通りの上乗せゲーム数の中から当選上乗せゲーム数を決定する。
0以外の上乗せゲーム数に当選したときは、サブRAMに設けられた次回ART遊技のゲーム回数を記憶する記憶領域に、当選した上乗せゲーム数が加算される。この記憶領域に記憶された次回ART遊技のゲーム回数は、0以外の上乗せゲーム数に当選するたびに上書き更新され、現在発動中のART遊技終了時に記憶されているゲーム回数が次回ART遊技のゲーム回数となる。
なお、上乗せ抽選処理は、内部抽選に係る所定の当選対象信号(例えば、リプレイ以外の役など)の入力タイミングで行うこともできる。この場合、上乗せ抽選処理は、1ゲームごとに行われないものの、当選対象信号の入力の元となる内部抽選は、1ゲームごとに行われることから、結果として上乗せ抽選は1ゲームごとに行われていることになる。また、上乗せ抽選は、1ゲームごとではなく、所定のタイミング(2ゲーム、3ゲームに1回など)で行うこともできる。
また、上乗せ抽選区間では、前述した連続発動抽選は行われることはない。
例えば、本実施形態では、上乗せ抽選区間Aと上乗せ抽選区間Bとの二つの上乗せ抽選区間に区分され、それぞれの上乗せ抽選区間では、抽選対象となる複数通りの上乗せゲーム数とそれぞれの当選確率との積の総和から求められる期待ゲーム数が異なるようになっている。
具体的には、上乗せ抽選区間Bは、上乗せ抽選区間Aよりも、期待ゲーム数が大きくなるように設定され、例えば、上乗せ抽選区間Bでは、10通りの上乗せゲーム回数に当選する確率をそれぞれ上乗せ抽選区間Aよりも高く設定したり、100〜300ゲームなどのゲーム回数の多い上乗せゲーム回数の当選確率を上乗せ抽選区間Aよりも高く設定したりしてある。
このように上乗せ抽選区間を、上乗せされる期待ゲーム数のそれぞれ異なる複数のゲーム区間に区分することで、上乗せされるゲーム数を大きく変動させることができるため、ゲーム性を向上させることができる。
出現するゲーム区間を予め定める場合として、例えば、上乗せ抽選区間は上乗せ抽選区間Aから開始するものとし(R9)、現在発動中のART遊技終了前の所定ゲームに亘って上乗せ抽選区間Bに遷移させることもできる(R10)。
また、上乗せ抽選区間は上乗せ抽選区間Bから開始するものとし(R12)、所定ゲーム回数(例えば、7ゲーム)の消化により終了し、その後は、現在発動中のART遊技終了まで上乗せ抽選区間Aに遷移させることもできる(R11)。
また、抽選によって遷移させる場合として、例えば、上乗せ抽選区間は上乗せ抽選区間Aから開始するものとし(R9)、この上乗せ抽選区間Aにおいて、予め定められた乱数の当選値と、内部抽選に係る所定の当選対象信号(例えば、リプレイ以外の役など)の入力タイミングで所定の乱数カウンタから取得する乱数値との比較を行うことにより、上乗せ抽選区間Bへの遷移の当否を決定することもできる(R10)。この場合、当選した上乗せ抽選区間Bは、所定ゲーム回数(例えば、10ゲーム)の消化により終了し、その後は、上乗せ抽選区間Aに移行させることもできるし(R11)、そのまま、現在発動中のART遊技終了まで上乗せ抽選区間Bを継続させることもできる。
なお、上記各場合において、上乗せ抽選区間Bでは、ART遊技のゲーム回数をカウント(消化)することもできるし、カウント(消化)を停止させることもできる。
図5及び図6に示すART遊技は、50ゲームを1セットとしてあり、図5(a)は、1セット目のART遊技において、次回ART遊技の連続発動に当選しなかったときの例を示した説明図である。
この例では、1セット50ゲームに亘ってゲーム開始から1ゲームごとに行われる連続発動抽選処理において、次回ART遊技の連続発動抽選に一度も当選しなかったため、次回ART遊技が連続発動することなく、ART遊技は、1セットのみの今回(1セット目)ART遊技限りで終了することになる。
この例では、1セット目のART遊技の20ゲーム目で次回ART遊技の連続発動に当選し、その後、30ゲームからなる上乗せ抽選区間に遷移したものの、その間の上乗せ抽選処理において、10通りの上乗せゲーム数のうちのいずれの上乗せゲーム数にも当選しなかったため、2セット目のART遊技は、上乗せのない50ゲームとなる。
また、2セット目のART遊技の25ゲーム目で次回ART遊技の連続発動に当選し、その後、25ゲームからなる上乗せ抽選区間に遷移したものの、その間の上乗せ抽選処理において、10通りの上乗せゲーム数のうちのいずれの上乗せゲーム数にも当選しなかったため、3セット目のART遊技は、上乗せのない50ゲームとなる。
なお、以下に説明する図5(c)、図6でも同様であるが、3セット目(図5(c)、図6の場合、2セット目)のART遊技における連続発動抽選及び上乗せ抽選の当否の内容は省略するが、その当否の内容によっては、4、5、・・・Nセットというように、ART遊技が連続発動したり、上乗せ当選によりそのゲーム数が変わったりすることもある。また、3セット目のART遊技において連続発動抽選に当選しないときには4セット目が発動することなく、3セット目(図5(c)、図6の場合、2セット目)で終了することになる。
この例では、1セット目のART遊技の15ゲーム目で次回ART遊技の連続発動に当選し、その後、35ゲームからなる上乗せ抽選区間に遷移し、その間の上乗せ抽選処理において、18ゲーム目に10ゲームの上乗せに当選し、さらに、47ゲーム目に30ゲームの上乗せに当選したため、2セット目のART遊技は、1セット50ゲームからなるART遊技にこれらの上乗せゲーム数を加算した90ゲームとなる。
すなわち、今回ART遊技において行われる上乗せ抽選によりいかなる上乗せゲーム数に当選しても、今回ART遊技のゲーム回数は事前(前回ART遊技)に決定されたゲーム数から変化することはない。
ところが、従来のスロットマシンでは、今回ART遊技において上乗せに当選すると、今回ART遊技のゲーム回数が増加することになるため、例えば、今回ART遊技の終了前所定ゲームに亘って行われる遊技演出(前述のバトル演出)の間に上乗せに当選すると、この遊技演出(バトル演出)の途中で間延びさせるための演出を割り込ませざるを得ないことからストーリーをゲーム回数に整合させることが困難であった。一方、本実施形態のスロットマシン1では、今回ART遊技のゲーム回数は少なくとも前回のART遊技において事前に決定されていることから、今回ART遊技の終了前所定ゲームに亘って行われる遊技演出を途中で変更する必要は一切ないため、ART遊技に行われる遊技演出をそのゲーム回数に整合させることができ、サブ制御部20の処理負担が軽減されることになる。
また、上乗せ当選により、次回ART遊技のゲーム回数が増加するものの、その次回ART遊技で行われる上乗せ抽選は、変動しないゲーム区間内で行われることから、従来のスロットマシンのような上乗せに次ぐ上乗せによる、上乗せの無限連鎖の可能性が抑制されることになる。
図6(a)は、1セット目のART遊技の20ゲーム目で次回ART遊技の連続発動に当選し、その後、30ゲームからなる上乗せ抽選区間に遷移した場合であって、上乗せ抽選区間に遷移後の予め設定された7ゲームがART遊技のゲーム回数のカウントされない上乗せ抽選区間B、その後の30ゲームがART遊技のゲーム回数のカウントされる上乗せ抽選区間Aというように順次遷移したときの説明図である。
この例では、連続発動の当選によって少なくとも1セットの次回ART遊技の連続発動が保証されるとともに、上乗せ抽選区間(A,B)における上乗せ当選により、合計50ゲームの上乗せに当選したため、2セット目のART遊技は、1セット50ゲームからなるART遊技にこれらの上乗せゲーム数を加算した100ゲームとなる。
また、この上乗せ抽選区間Bでは、10通りの上乗せゲーム数に当選する確率をそれぞれ上乗せ抽選区間Aよりも高く設定することで、ほぼゲームごとに上乗せに当選するようになっている。
また、上乗せ抽選区間に遷移後の予め設定された7ゲームの上乗せ抽選区間Bでは、ART遊技のゲーム回数がカウント(消化)されない、すなわち、上乗せ抽選区間として確保された30ゲームを減らすことなく温存したままの状態で上乗せ抽選が行われる遊技者に有利な遊技区間となっている。このようなART遊技のゲーム回数がカウントされない上乗せ抽選区間Bは、出現するゲーム区間を予め定めるよりも、抽選(例えば、連続発動の当選タイミングで行われる抽選など)によって出現させることが好ましい。
この例では、連続発動の当選によって少なくとも1セットの次回ART遊技の連続発動が保証されるとともに、上乗せ抽選区間(A,B)における上乗せ当選により、合計50ゲームの上乗せに当選したため、2セット目のART遊技は、1セット50ゲームからなるART遊技にこれらの上乗せゲーム数を加算した100ゲームとなる。
また、この上乗せ抽選区間Bでも、10通りの上乗せゲーム数に当選する確率をそれぞれ上乗せ抽選区間Aよりも高く設定することで、ほぼゲームごとに上乗せに当選するようになっている。
このように上乗せ抽選区間を、上乗せされる期待ゲーム数のそれぞれ異なる複数のゲーム区間に区分することで、上乗せされるゲーム数を大きく変動させることができるため、メリハリのあるゲーム性を創出させることができる。
次いで、遊技区間が連続発動抽選区間に遷移され、連続発動抽選処理を実行する(S2)。連続発動抽選処理では、予め定められた乱数の当選値と、1ゲームごとに入力されるスタートレバー3の操作に係る制御信号の入力タイミングで所定の乱数カウンタから取得する乱数値との比較を行うことにより、当該ゲームにおける連続発動の当否を決定する。
さらに、連続発動の当否を抽選にて決定しながら、ゲーム回数をカウントし(S3)、セットされたART遊技のゲーム回数に達すると(S3−Yes)、処理を終了する。
セットされたART遊技のゲーム回数に達しない間は(S3−No)、連続発動に当選しない限り(S4−No)、連続発動の当否の抽選を1ゲームごとに繰り返し行い、その間に連続発動に当選すると(S4−Yes)、サブRAMの所定の記憶領域に、連続発動の当選を示すフラグをセットする(S2)。このフラグのセットにより、次回ART遊技の連続発動が保証されることになる。
さらに、このフラグのセットとともに、遊技区間が上乗せ抽選区間に遷移され、上乗せ抽選処理を実行する(S5)。
上乗せに当選すると(S6−Yes)、サブRAMに設けられた次回ART遊技のゲーム回数を記憶する記憶領域に、当選した上乗せゲーム数が加算される(S7)。
この記憶領域に記憶された次回ART遊技のゲーム回数は、0以外の上乗せゲーム回数に当選するたびに上書き更新され、現在発動中のART遊技終了時に記憶されているゲーム回数が次回ART遊技のゲーム回数となる。当選しないときには(S6−No)、更新前のゲーム回数となる。
さらに、上記の上乗せ抽選の当否にかかわらず、ゲーム回数をカウントし(S8)、セットされたART遊技のゲーム回数に達するまで(S8−No)、上乗せ抽選処理が繰り返されることになる(S5)。そして、セットされたART遊技のゲーム回数に達すると(S8−Yes)、処理を終了する。
このように、ART遊技中抽選処理を実行することにより、ART遊技は、連続発動抽選区間と上乗せ抽選区間に区分されるとともに、連続発動抽選区間では、次回ART遊技の連続発動の成否が連続発動抽選により決定され、上乗せ抽選区間では、連続発動される次回ART遊技に上乗せする上乗せゲーム数が上乗せ抽選により決定されることになる。
特に、連続発動するほど、今回のART遊技のゲーム回数よりも次回のART遊技のゲーム回数の方が多くなるように設定することが好ましく、例えば、図8(a)に示すように、1セット目のART遊技のゲーム回数を50ゲーム、2セット目のART遊技のゲーム回数を60ゲーム、3セット目のART遊技のゲーム回数を70ゲームというように、連続発動の数に応じて徐々にART遊技のゲーム回数が増加することが好ましい。
これにより、連続発動するほど、出玉率も高まることから、ゲーム性を向上させることができる。
例えば、連続発動の当選確率を、1セット目のART遊技では1/90、2セット目のART遊技では1/50、3セット目のART遊技では1/100というように、連続発動の数に応じて変動させることもできる。このような連続発動の当選確率の変動により、出玉率も変動することから、遊技者のスロットマシン遊技に対する期待感の高揚を操作することができる。
この場合でも、連続発動するほど、連続発動の当選確率が徐々に高くなるように設定することが好ましい。これにより、連続発動するほど、出玉率も高まることから、ゲーム性を向上させることができるからである。
なお、上記のART遊技のゲーム回数の変動と、連続発動の当否を決定する当選確率の変動は、それぞれ単独で行うこともできるし、組み合わせることで同時に行うこともできる。また、例えば、サブ制御部20のサブROMなどの記憶手段を本発明に係る設定手段として動作させ、連続発動数ごとのART遊技のゲーム回数(セットされるゲーム回数の初期値)及び当選確率(ART抽選データテーブル)を予め設定(記憶)しておき、サブCPUが連続発動する度にそのときの連続発動数に応じたゲーム回数及び当選確率を参照しながら処理(例えば、ART遊技中抽選処理)を実行することで連続発動数に応じたゲーム回数及び当選確率での今回ART遊技が実行されることになる。
2 メダル投入口
3 スタートレバー
4 ドラムユニット
41 (41a,41b,41c) リール
5 (5a,5b,5c) 停止ボタン
6 表示窓
7 メダル払出装置
8a 表示器
8b スピーカ
10 メイン制御部
20 サブ制御部(設定手段)
Claims (5)
- 所定のゲーム回数の間、遊技媒体獲得の機会が増加する遊技者に有利な特典遊技が付与されるとともに、前記特典遊技区間に上乗せされる上乗せゲーム数を抽選により決定するスロットマシンにおいて、
前記特典遊技区間は、
次回特典遊技の連続発動の成否を連続発動抽選により決定するゲーム区間であって、当該特典遊技の開始から、前記連続発動抽選により次回特典遊技の連続発動に当選するまで又は次回特典遊技の連続発動に当選しないときには当該特典遊技の終了までの連続発動抽選区間と、
連続発動される次回特典遊技に上乗せする上乗せゲーム数を上乗せ抽選により決定するゲーム区間であって、前記連続発動抽選により次回特典遊技の連続発動に当選してから当該特典遊技の終了までの上乗せ抽選区間と、に区分される
ことを特徴とするスロットマシン。 - 所定のゲーム回数の間、遊技媒体獲得の機会が増加する遊技者に有利な特典遊技が付与されるとともに、前記特典遊技区間に上乗せされる上乗せゲーム数を抽選により決定するスロットマシンにおいて、
前記特典遊技区間は、
次回特典遊技の連続発動の成否を連続発動抽選により決定する連続発動抽選区間と、
連続発動される次回特典遊技に上乗せする上乗せゲーム数を上乗せ抽選により決定する上乗せ抽選区間と、に区分され、
前記連続発動抽選区間は、
前記特典遊技の開始から、前記連続発動抽選により次回特典遊技の連続発動に当選するまで又は次回特典遊技の連続発動に当選しないときには当該特典遊技の終了までのゲーム区間であり、このゲーム区間では、前記上乗せ抽選が行われることなく、前記連続発動抽選が行われ、
前記上乗せ抽選区間は、
前記連続発動抽選により次回特典遊技の連続発動に当選しない限り出現することのない、次回特典遊技の連続発動に当選してから当該特典遊技の終了までのゲーム区間であり、このゲーム区間では、前記連続発動抽選が行われることなく、前記上乗せ抽選が行われる
ことを特徴とするスロットマシン。 - 前記特典遊技は、
前記連続発動抽選区間から開始し、
前記連続発動抽選により次回特典遊技の連続発動に当選しない場合、次回特典遊技が連続発動することなく、今回特典遊技限りで終了し、
前記連続発動抽選により次回特典遊技の連続発動に当選した場合、前記連続発動抽選区間から前記上乗せ抽選区間に遷移し、
遷移後の前記上乗せ抽選により上乗せに当選しない場合、次回特典遊技のゲーム回数が予め定められたゲーム回数となり、
遷移後の前記上乗せ抽選により上乗せに当選した場合、次回特典遊技のゲーム回数が前記予め定められたゲーム回数に当選した上乗せゲーム数を加算したゲーム回数となる
ことを特徴とする請求項1又は2記載のスロットマシン。 - 前記上乗せ抽選区間は、
上乗せされる期待ゲーム数のそれぞれ異なる複数のゲーム区間に区分される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスロットマシン。 - 前記上乗せゲーム数を除く前記特典遊技のゲーム回数、及び/又は、前記連続発動抽選区間における連続発動に係る当選確率を設定する設定手段を備え、
前記設定手段は、
前記ゲーム回数を、前記特典遊技が連続発動するほど、今回の前記特典遊技のゲーム回数よりも次回の特典遊技のゲーム回数の方が多くなるように設定し、
前記特典遊技が連続発動したときのそれぞれの前記連続発動抽選区間における連続発動に係る当選確率を、一定の当選確率とならないように設定する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスロットマシン。
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