JP2013237735A - フィルムラミネート金属缶用の接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貯蔵安定性、貯蔵安定性が良好で、かつ皮膜の白色度と耐熱黄変性及び接着性に優れたフィルムラミネート金属缶用の接着剤を提供すること。
【解決手段】
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、蛍光化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)を含有するフィルムラミネート金属缶用の接着剤であって、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、蛍光化合物(C)の量が0.01〜5質量部、ルチル型二酸化チタン(D)の量が100〜200質量部であるフィルムラミネート金属缶用の接着剤。
【選択図】 図1

Description

本発明は、貯蔵安定性が良好で、かつ皮膜の白色度と耐熱黄変性及び接着性に優れたフィルムラミネート金属缶用の接着剤に関する。
従来から缶外面用などに使用されるポリエステルフィルムは、通常、多色印刷が施されたものが用いられるが、見栄えの点から印刷インキ層の下には一般に着色層が必要であり、通常、金属素材の上に、白色顔料を含有する缶外面用着色塗料(以下、該缶外面用着色塗料を「ホワイトコート」と称する)を塗装し、その上にポリエステルフィルムがラミネートされる。
そこで、金属素材上にポリエステルフィルムをラミネートする際に、白色顔料、なかでもチタン白を配合した接着剤を使用すれば、接着剤による接着剤層がホワイトコートを兼ねることができる為、ホワイトコートを塗装する金属缶の製造工程を省略することができ、省工程化に非常に有利である(皮膜構造は、図1参照)。
そこで従来から、ウレタン変性ポリエステル樹脂(A)及びブロック化ポリイソシアネート化合物(B)の合計量100質量部に対して、白色顔料を50〜300質量部含有することを特徴とする、ポリエステルフィルムラミネート金属板用の接着剤が開示されている(特許文献1)。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)が、構成単量体である酸成分に対してシクロヘキサン環構造を有するジカルボン酸化合物を30モル%以上含有することを特徴とする水酸基含有ポリエステル樹脂(A)を使用して、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)及びチタン白(C)よりなるフィルムラミネート金属缶用の接着剤が開示されている(特許文献2)。
しかしながら特許文献1や特許文献2に記載された接着剤は、接着剤の貯蔵安定性を確保すると十分な白色度を有する接着剤層が得られない、また200℃前後で加熱ラミネートすると接着剤層に黄変が生じる等の問題点があった。
特開2001−107015号公報 特開2004−51841号公報
本発明の課題は、貯蔵安定性が良好で、かつ皮膜の白色度と耐熱黄変性、及び接着性に優れたフィルムラミネート金属缶用の接着剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、蛍光化合物(C)、及びルチル型二酸化チタン(D)を含有するフィルムラミネート金属缶用の接着剤によって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
「1.下記特徴の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、蛍光化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)を含有するフィルムラミネート金属缶用の接着剤であって、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、蛍光化合物(C)の量が0.01〜5質量部、ルチル型二酸化チタン(D)の量が100〜200質量部であるフィルムラミネート金属缶用の接着剤。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A):
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)が、該樹脂(A)の構成単量体である酸成分(a1)とアルコール成分(a2)の総量を基準として、芳香族多塩基酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ジオールから選ばれる少なくとも1種の芳香族系単量体の含有量が30質量%以下であり、かつ水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量が10,000を超えることを特徴とする樹脂である、
2.水酸基含有ポリエステル樹脂(A)が、該樹脂(A)の構成単量体である酸成分(a1)とアルコール成分(a2)の総量を基準として、脂環式多塩基酸及び/又は脂環族ジオールの含有量が40〜95質量%であることを特徴とする樹脂である1項に記載のフィルムラミネート金属缶用の接着剤、
3.蛍光化合物(C)が、クマリン系の蛍光化合物及びベンゾオキサゾール誘導体系の蛍光化合物から選ばれる少なくとも1種の蛍光化合物である1項又は2項に記載のフィルムラミネート金属缶用の接着剤、
4.金属缶の外面側に、1〜3項のいずれか1項に記載のフィルムラミネート金属缶用の接着剤を用いて、フィルムをラミネートして得られた金属缶」、を提供するものである。
特定の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、蛍光化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)を含有するフィルムラミネート金属缶用の接着剤を用いた金属板は、白色度、耐熱黄変性及び接着性に優れた金属缶を提供できる。
本発明のフィルムラミネート金属缶用の接着剤を用いた皮膜構造のモデル図を示す。
本発明のフィルムラミネート金属缶用の接着剤は、特定の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、蛍光化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)を含有する。本発明のフィルムラミネート金属缶用の接着剤(以下、フィルムラミネート金属缶用の接着剤を、単に「接着剤」と称することがある)について、詳細に説明する。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A):
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、該樹脂(A)の構成単量体である酸成分(a1)とアルコール成分(a2)の総量を基準として、芳香族多塩基酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ジオールから選ばれる少なくとも1種の芳香族系単量体の含有量が30質量%以下であり、かつ水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量が10,000を超えることを特徴とする樹脂である。上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、酸成分(a1)とアルコール成分(a2)のエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
酸成分(a1)
上記、酸成分(a1)には、ポリエステル樹脂の製造に際して酸成分として通常使用される化合物を使用することができ、例えば、芳香族多塩基酸、芳香族モノカルボン酸、脂環式多塩基酸、脂肪族多塩基酸、脂肪族モノカルボン酸などの一塩基酸;及びこれらの酸の低級アルキルエステル化物等を使用することができる。
上記芳香族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物のエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;これら芳香族多価カルボン酸の無水物;等が挙げられる。芳香族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記芳香族モノカルボン酸は、例えば、安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、p-t-ブチル安息香酸などが挙げられる。
上記脂環式多塩基酸は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。該脂環式多塩基酸としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環式多価カルボン酸;これら脂環式多価カルボン酸の無水物;これら脂環式多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂環式多塩基酸は、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
上記脂環式多塩基酸としては、特に、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を好適に使用することができる。上記のうち、耐加水分解性の観点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物を特に好適に使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物であって、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;これら脂肪族多価カルボン酸の無水物;等が挙げられる。脂肪族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族多塩基酸としては、炭素数4〜18のアルキル鎖を有するジカルボン酸を使用することが好ましい。上記炭素数4〜18のアルキル鎖を有するジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸等が挙げられ、なかでもドデカン二酸、オクタデカン二酸を好適に使用することができる。
上記脂肪族モノカルボン酸は、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エライジン酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノレン酸、ロジン酸などが挙げられる。
アルコール成分(a2)
アルコール成分(a2)は、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。上記多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール等を挙げることができる。
上記芳香族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する芳香族化合物である。該芳香族ジオールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール類;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記脂環族ジオールは、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個の水酸基を有する化合物である。該脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン類を付加したポリラクトンジオール等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
上記脂肪族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する脂肪族化合物である。該脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール類等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
前記、芳香族ジオール、脂環族ジオール及び脂肪族ジオール以外の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン類を付加させたポリラクトンポリオール類等が挙げられる。これらのうち、特に、トリメチロールプロパン、トリグリセリン、ペンタエリスリトールが好ましい。
また、必要に応じて、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコール;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル(商品名「カージュラE10」HEXION Specialty Chemicals社製)等のモノエポキシ化合物と酸とを反応させて得られたアルコール化合物等も使用することができる。
本発明の接着剤に使用する水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の製造は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。例えば、前記酸成分(a1)とアルコール成分(a2)とを窒素気流中、150〜250℃で5〜10時間反応させて、エステル化反応又はエステル交換反応を行なうことにより製造することができる。上記エステル化反応又はエステル交換反応では、酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)を一度に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。
また、はじめにカルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分(a2)を用いて、該カルボキシル基含有ポリエステル樹脂中のカルボキシル基の一部をエステル化してもよい。さらに、はじめに水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、酸無水物を反応させて、水酸基含有ポリエステル樹脂をハーフエステル化させてもよい。
前記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるために、触媒を用いてもよい。触媒としては、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の既知の触媒を使用することができる。
また、前記水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、該樹脂(A)の調製中、もしくはエステル化反応後又はエステル交換反応後に、脂肪酸、油脂、ポリイソシアネート化合物、モノエポキシ化合物等で変性することもできる。
上記、脂肪酸は、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;等を挙げることができる。
また、油脂は、例えば、ヤシ油、綿実油、麻実油、米ぬか油、魚油、トール油、大豆油、アマニ油、桐油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油等が挙げられる。
上記、ポリイソシアネート化合物は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネートそれ自体、又はこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ジイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビゥレット型付加物等を挙げることができる。これらは、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
このようにして得られた水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量は、10,000を超えること、好ましくは11,000〜18,000の範囲内が、本発明の課題を達成する為、特に貯蔵安定性や接着性の為に望ましい。
なお、本明細書において数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した数平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の水酸基価は、得られる塗膜の硬化性の観点から、1〜250mgKOH/gであり、好ましくは5〜200mgKOH/g、さらに好ましくは10〜100mgKOH/gの範囲であることが好適である。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の酸価は、加工性及び耐水性等の観点から、好ましくは30mgKOH/g以下、好ましくは1〜20mgKOH/g、さらに好ましくは5〜15mgKOH/gの範囲内であることが好適である。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、該樹脂(A)の構成単量体である酸成分(a1)とアルコール成分(a2)の総量を基準として、芳香族多塩基酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ジオールから選ばれる少なくとも1種の芳香族系単量体の含有量が30質量%以下、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%の範囲であることが、得られた皮膜の白色度と耐熱黄変性向上の為に望ましい。
さらに、本発明の接着剤における水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、構成単量体である酸成分(a1)とアルコール成分(a2)の質量合計に対して、脂環式多塩基酸及び脂環族ジオールの含有量が40〜95質量%、好ましくは42〜76質量%、さらに好ましくは45〜65質量%の範囲であることが、接着剤の貯蔵安定性、被塗物との接着性向上の為に好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B)
ポリイソシアネート化合物(B)は、主として上記の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の硬化剤として使用するものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族ジイソシアネート類;トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物の如き有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した各有機ポリイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等を挙げることができる。これらのうち、ヘキサメチレンジイソシアネートが環化重合したイソシアヌレートを好適に使用することができる。
なお、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート化合物(B)の配合割合は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の固形分合計に対して、(A)/(B)=95/5〜99.5/0.5(質量比)、好ましくは(A)/(B)=98/2〜95.5/4.5(質量比)の範囲であることが、白色度、耐熱黄変性及び接着性の面から望ましい。
また、ポリイソシアネート化合物(B)の硬化性を向上させるため硬化触媒を使用することもできる。硬化触媒としては、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、2−エチルヘキサン酸鉛等の有機金属触媒等を好適に使用することができる。
なお、本発明のフィルムラミネート金属缶用の接着剤において、ブロック化ポリイソシアネート化合物を使用することもできる。ブロック化ポリイソシアネート化合物は、上記ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロック化剤によってブロック化したものである。上記ブロック化剤としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム;δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどラクタム系;メタノール、エタノール、n−,i−又はt−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどオキシム系;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用することができる。上記ポリイソシアネート化合物と上記ブロック化剤とを混合することによって容易に上記ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロックすることができる。
本発明の接着剤は、貯蔵安定性の観点から、ブロック化されていないポリイソシアネート化合物(B)を使用する2液型の接着剤とすることが好ましい。なお、経済性及び取り扱いやすさの観点から、ブロック化ポリイソシアネート化合物を使用して、1液型の接着剤とすることもできる。
蛍光化合物(C)
蛍光化合物(C)には、無機系の蛍光化合物や有機系の蛍光化合物を用いることができる。無機系の蛍光化合物は、例えば、亜鉛/銅、硫化亜鉛カドミウム/銀、硫化亜鉛カドミウム/銅、硫化亜鉛/銅/コバルト、珪酸バリウム/鉛、珪酸亜鉛/マンガン、燐酸カルシウム/セリウム、ハロ燐酸カルシウム/アンチモン/マンガン、ほう酸カドミウム/マンガン、フルオロゲルマニウム酸マグネシウム/マンガン;等が挙げられる。
有機系の蛍光化合物は、例えば、9,10-ジアニリノアントラセン、2-ヒドロキシ-1-ナフタルダジン、2-アニリノ-4-(2,5-ジクロロベンゾイルアミノ)-1,9-ピリミドアントロン、1,4-ビス(β-シアノ-β-カルボエトキシ-ビニル)ベンゼンなどのベンゾオキサゾール誘導体系の蛍光化合物;3-(2´-ベンゾチアゾリル)-7-ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3-(2´-ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3-(2´-N-メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)等のクマリン系の蛍光化合物;例えば、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、4-ジシアノメチレン-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン(DCM)などのシアニン系色素系の蛍光化合物;例えば、1-エチル-2-〔4-(p-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル〕-ピリジウム-パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素系の蛍光化合物;などが挙げられる。
これらの蛍光化合物(C)は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル?酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂及びこれらの樹脂混合物などに予め練り込んでも使用できる。これらの蛍光化合物(C)中でも、得られた皮膜の白色度向上の点から、ベンゾオキサゾール誘導体系の蛍光化合物、クマリン系の蛍光化合物が好ましい。
なお、ベンゾオキサゾール誘導体系の蛍光化合物やクマリン系の蛍光化合物の市販品には、WhitefluorB(住友化学工業(株)製、クマリン系の蛍光化合物)、イーストブライトOB−1(イーストマン社製、ベンゾオキサゾール誘導体の蛍光化合物)が挙げられる。
上記蛍光化合物(C)の配合割合は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)とポリイソシアネート化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、0.01〜5質量部、好ましくは0.05〜2.5質量部、さらに好ましくは0.08〜2.1質量部が、接着剤の貯蔵安定性、得られた接着剤層の白色度や耐熱黄変性の面から望ましい。
ルチル型二酸化チタン(D):
ルチル型二酸化チタン(D)は、本発明の接着剤に白色の色を付け、該接着剤による接着剤層にホワイトコートとしての機能を付与するための白色顔料である。二酸化チタンは、結晶構造により、ルチル型、アナターゼ型及びブルッカイト型の3種類があるが、本発明の接着剤においては、白色度及の観点からルチル型二酸化チタンが好適に使用される。
ルチル型二酸化チタン(D)の量は、白色度の観点から、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の固形分100質量部に対して、100〜200質量部、好ましくは110〜180質量部、さらに好ましくは130〜150質量部の範囲内が、接着剤の貯蔵安定性、得られた皮膜の白色度や耐熱黄変性の面から望ましい。
また、本発明のフィルムラミネート金属缶用の接着剤には、必要に応じて着色顔料、添加剤(ブロッキング防止剤、潤滑性付与剤、消泡剤等)、有機溶剤等を添加することができる。上記ブロッキング防止剤としては、体質顔料(例えば、シリカ微粉末、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー等)、有機微粒子(ナイロン微粒子、ポリオレフィン微粒子、アクリル樹脂微粒子、シリコーンゴム微粒子、ウレタン樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子、ポリ四弗化エチレン微粒子等)等を挙げることができる。
上記潤滑性付与剤は、接着剤表面に潤滑性を付与するために添加されるものであり、接着剤を塗布した積層フィルムをコイル状に円滑に巻き取るため、また、このコイルを解くときの接着剤層表面の傷付きを防止するため等の目的で添加される。潤滑性付与剤は、例えば、脂肪酸エステルワックス;ポリエチレンワックス等のポリオレフィンワックス;ラノリン、蜜蝋等の動物系ワックス;カルナウバワックス、水蝋等の植物系ワックス;マイクロクリスタリンワックス、シリコン系ワックス、フッ素系ワックス等のワックス類を挙げることができる。
また、本発明のフィルムラミネート金属缶用の接着剤は、必要に応じて、重合性不飽和二重結合を有するオリゴマー類を添加して、電子線硬化性を付与することができる。上記重合性不飽和二重結合を有するオリゴマー類としては、市販品として例えば、アロニックスM−305(東亜合成社製)、EICA(第一工業製薬社製)、ライトアクリレートTMP−6EO−3A(共栄社製)等を挙げることができる。
本発明の接着剤の製造は、該接着剤が1液型の接着剤である場合には、上記樹脂(A)、ブロック化ポリイソシアネート化合物、蛍光化合物(C)、ルチル型二酸化チタン(D)、必要に応じて着色顔料や添加剤及び有機溶剤等を加えて十分に混合し、接着剤を製造できる。また、接着剤が2液型の接着剤である場合には、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、蛍光化合物(C)、ルチル型二酸化チタン(D)、必要に応じて、着色顔料、添加剤及び有機溶剤等を加えて十分に混合し、該接着剤の使用直前に、ポリイソシアネート化合物(B)を加えて混合することによって接着剤を製造できる。
本発明の接着剤は、ザーンカップNo.3で、通常14〜24秒、好ましくは15〜20秒にして塗布される。このことから接着剤の固形分濃度は、ザーンカップNo.3で15〜20秒の粘度(測定温度は20℃)で、40質量%以上、好ましくは45質量%〜60質量%が望ましい。
フィルムラミネート金属缶の製造方法
本発明の接着剤を用いたフィルムラミネート金属缶の製造は、例えば、工程1.ポリエステルフィルムに接着剤を塗布する。工程2.金属板へ該ポリエステルフィルムをラミネートする。工程3.ポリエステルフィルムを有する金属板を、フィルムラミネート金属缶に成型加工する、方法が一般的に挙げられる。下記に、工程を詳細に説明する。
工程1.ポリエステルフィルムに接着剤の塗布:
上記ポリエステルフィルム上への接着剤の塗布は、ロールコータ方式、ダイコータ方式、グラビア方式、グラビアオフセット方式、スプレー塗装方式等の通常の塗装手段により行なうことができる。また、乾燥は通常、塗布液中の溶剤を揮散させる程度で行なわれ、ポリエステルフィルムをコイル状に巻き取ってもブロッキングを起こさないように通常、50〜180℃程度の温度で行なわれる。接着剤の塗布量は、乾燥皮膜重量として、色ムラ、隠蔽性等の点から、0.2〜20g/m、好ましくは0.5〜16g/mの範囲内である。上記ポリエステルフィルムは、加工性や付着性の面から、エステル反復単位の75〜100%がエチレンテレフタレート単位からなるものが好適である。
エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位の酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸等を挙げることができる。ポリエステルフィルムは、インキや接着剤との付着性を向上させるために、その表面にコロナ放電処理等の表面処理が施されたものであってもよく、表面処理が施されたものが好ましい。ポリエステルフィルムの膜厚は、特に限定されるものではないが、通常、5〜30μm程度の膜厚のものを好適に使用することができる。
また、ポリエステルフィルムはインキ層を有していてもよい。該インキ層は、フィルム上に、例えばグラビア印刷法等によりインキを印刷し、必要に応じて、加熱、活性エネルギー線照射等によって溶剤の除去や硬化を行うことによって形成することができる。
ラミネート用フィルムの製造は、上記フィルム上(フィルムがインキ層を有する場合は、通常、インキ層面上)に、接着剤を塗布、乾燥して表面粘着性のない接着剤層を形成することによって得ることができる。この乾燥された接着剤層を有するフィルムは通常、コイル状に巻き取られる。
また、本発明の接着剤は、該接着剤をポリエステルフィルム(透明、厚さ10.5μm)に9g/1mとなるように塗布し、得られた皮膜の透過率が29%以下、好ましくは5〜28%、さらに好ましくは10〜28%とすることができる。このような皮膜を形成することによって、白色度が良好な接着剤層を得ることができる。なお透過率は、ヘイズメーターHM−150(株式会社村上色彩研究所製、商品名)を用い、JISK7361−1に従って透過率を測定した。
工程2.金属板へポリエステルフィルムのラミネート:
次いで、上記で得られたポリエステルフィルムのコイルを解いて、金属板にラミネートすることにより、ポリエステルフィルムラミネート金属板を得ることができる。上記のラミネートに使用される金属板としては、例えば、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板、ニッケル−錫合金メッキ鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ターンメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、ステンレススチール、ティンフリースチール、アルミニウム板、銅板、チタン板等の金属板素材;これらの金属板素材に化成処理、例えば、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化膜処理等を行った化成処理金属板を挙げることができる。また、本発明において、金属板としては、上記金属板素材、化成処理金属板又はプライマー塗装金属板等の平板状の金属板が、例えば缶胴等に成型加工された加工金属板も包含される。

前記接着剤層を有するラミネート用フィルムを上記金属板の表面に、ラミネートする条件は、ラミネート用フィルムが劣化せず、フィルムと金属板とが十分に接着され、良好な外観のフィルムラミネート金属板が得られる限り特に限定されるものではない。
ラミネート条件の一例として、例えば、加熱ロールを用いる方法や金属板を予熱する方法などにより熱圧着時の金属板の温度を約120〜200℃とし短時間(通常2秒間以下)で、金属板とラミネート用フィルムとを熱圧着してラミネートする方法を挙げることができる。平板状の金属板を用いる場合には、平板状の金属板の片面又は両面に、ラミネート用フィルムを加熱ラミネートすることができる。
また、上記加熱ラミネート後に、例えば、缶内面塗料の焼付け時における加熱などによって、さらに接着剤層を熱硬化させることもできる。熱硬化させる条件としては、熱硬化しラミネート用フィルムが劣化しない条件、例えば、金属板の最高到達温度が180〜230℃となるように30〜120秒間焼付けることが好適である。
工程3.フィルムラミネート金属缶への成型加工:
フィルムラミネート金属缶は、上記フィルムラミネート金属板を切断し、成形加工することにより得ることができる。また、前記ラミネート用フィルムを成形された缶に直接ラミネートすることによってもフィルムラミネート金属缶を得ることができる。フィルムラミネート金属缶は、例えば、飲料缶、食缶、雑缶、5ガロン缶等として使用することができる。なお本発明の接着剤が、貯蔵安定性が良好で、白色度、耐熱黄変性及び接着性に優れる理由は、下記のように考える。
本発明の接着剤に使用する、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、蛍光化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)の各成分は、相溶性に優れる為、貯蔵安定性が良好である。
また、特定の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)を使用した接着剤による接着剤層は、白色度と耐熱黄変性及び接着性の向上を図ることができる。
以下、製造例、実施例及び比較例をあげて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、これらにより限定されるものではない。各例において、「部」及び「%」は、特記しない限り、質量基準による。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づくものである。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A)溶液の製造例
製造例1 ポリエステル樹脂A−1溶液の製造
加熱装置、攪拌装置、温度計、還流冷却器、水分離器を備えた4つ口フラスコに、以下
の「モノマー1」を配合した。次に、内容物を160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、230℃で1時間保持し、生成した縮合水を水分離器を用いて留去させた。
次に、反応温度180℃として30分間保持し、生成物に無水トリメリット酸0.06部を付加した後、トルエン及びメチルエチルケトンを適量配合して固形分40%のポリエステル樹脂A−1溶液を得た。得られたポリエステル樹脂A−1溶液の樹脂固形分は、水酸基価は12mgKOH/g、酸価は10mgKOH/g、数平均分子量は11,500であった。
「モノマー1」
イソフタル酸 30.0部
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸 60.0部
アジピン酸 10.0部
1,4−シクロヘキサンジメタノール 30.0部
エチレングリコール 30.0部
2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール 30.0部
トリメチロールプロパン 10.0部。
製造例2〜16 ポリエステル樹脂A−2溶液〜ポリエステル樹脂A−16溶液の製造
製造例1において、表1に示す配合とする以外は、同様の操作を行い固形分40%のポリエステル樹脂A−2溶液〜A−16溶液を得た。
Figure 2013237735
フィルムラミネート金属缶用の接着剤の製造
実施例1 接着剤No.1の製造例
製造例1で得た固形分40%のポリエステル樹脂A−1溶液を96部(固形分)、イーストブライトOB−1(注1)0.1部、タイペークCR−95(注5)140部を加えて混合した。次いで、スミジュールN3300(注6)4部(固形分)を配合し、トルエン及びメチルエチルケトンを適量配合して固形分45%の接着剤No.1を得た。
実施例2〜21 接着剤No.2〜No.21の製造例
実施例1において、表2に示す組成とする以外は実施例1と同様にして、各接着剤No.2〜No.21を製造した。
Figure 2013237735
(注1)イーストブライトOB−1:イーストマン社製、商品名、ベンゾオキサゾール誘導体の蛍光化合物、表中表記「C1」
(注2)Whitefluor B:住友化学工業(株)製、商品名、クマリン系の蛍光化合物、表中表記「C2」
(注3)Whitefluor PSN:住友化学工業(株)製、商品名、ベンゾオキサゾール誘導体の蛍光化合物、表中表記「C3」
(注4)ケイコールE:日本曹達(株)社製、商品名、クマリン系の蛍光化合物、表中表記「C4」
(注5)タイペークCR−95:石原産業社製、商品名、ルチル型二酸化チタン
(注6)スミジュールN3300:住化バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(固形分100%)である。
比較例1〜11
実施例1において、表3に示す組成とする以外は、実施例1と同様にして、各接着剤No.22〜No.32を製造した。
Figure 2013237735
PETラミネート金属板の作成
上記実施例及び比較例で得た各接着剤(初期)において、以下の手順で「PETラミネート金属板」を作成して試験に供した。
接着剤(初期):PETフィルム(厚さ10.5μm、幅200mm)の片面に、各フィルムラミネート金属缶用の接着剤を乾燥塗膜重量が9g/mとなるように塗装し、有機溶剤を蒸発乾燥してラミネート用フィルムを得た。得られた各ラミネートフィルムを25℃で72時間以上養生した後、塗膜層面を160℃に予熱したティンフリースチール板と重ね、160℃の熱ロールを用いて圧力30kg/cm、速度50m/分にて加熱ラミネートして、各「PETラミネート金属板」を得た。
さらに、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)と蛍光化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)の混合物を40℃1ヶ月後貯蔵し、使用直前にポリイソシアネート(B)を加えて得られた、各接着剤(貯蔵後)において、以下の手順で「PETラミネート金属板」を作成して試験に供した。
接着剤(貯蔵後):上記接着剤(初期)と同様の手順で、貯蔵後の接着剤を用いた「PETラミネート金属板」を作成した。接着剤(初期)の「PETラミネート金属板」と接着剤(貯蔵後)の「PETラミネート金属板」において、下記試験方法にて試験を行ない評価した。
試験方法
(注7)外観(白度):
「PETラミネート金属板」のPETフィルム面側の白色度について、色差計(SMカラーコンピュータMODEL SM-5(スガ試験機社製))にてL値を5回測定し、平均値によって評価した。
◎は、L値が81.5以上
○は、L値が80.5以上で、81.5未満
△は、L値が79.5以上で、80.5未満
×は、L値が79.5未満。
(注8)耐熱黄変性:
「PETラミネート金属板」を、さらに200℃−60秒間焼付けて得られた「PETラミネート焼付け金属板」との黄味の差を上記の色差計にて、△b値を測定して評価した。
◎は、△b値が1.0未満
○は、△b値が1.0以上で、2.0未満
△は、△b値が2.0以上で、3.0未満
×は、△b値が3.0以上である。
(注9)接着性:
「PETラミネート金属板」の裏側からエリクセン試験機を用いてハット加工を行った試験片について、125℃で30分間のレトルト処理を施し、PETフィルムの接着状態を下記基準により評価した。
◎は、12mm高さでPETフィルムが剥離しない
○は、9mm高さでPETフィルムが剥離しない
△は、6mm高さでPETフィルムが剥離しない
×は、6mm高さでPETフィルムが剥離する
本発明の接着剤は、白色度、耐熱黄変性、接着性に優れたフィルムラミネート金属缶を提供できる。
1.被塗物(金属缶)
2.接着剤による接着剤層
3.印刷インク層
4.フィルム

Claims (4)

  1. 下記特徴の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、蛍光化合物(C)及びルチル型二酸化チタン(D)を含有するフィルムラミネート金属缶用の接着剤であって、水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、蛍光化合物(C)の量が0.01〜5質量部、ルチル型二酸化チタン(D)の量が100〜200質量部であるフィルムラミネート金属缶用の接着剤。
    水酸基含有ポリエステル樹脂(A):
    水酸基含有ポリエステル樹脂(A)が、該樹脂(A)の構成単量体である酸成分(a1)とアルコール成分(a2)の総量を基準として、芳香族多塩基酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ジオールから選ばれる少なくとも1種の芳香族系単量体の含有量が30質量%以下であり、かつ水酸基含有ポリエステル樹脂(A)の数平均分子量が10,000を超えることを特徴とする樹脂である
  2. 水酸基含有ポリエステル樹脂(A)が、該樹脂(A)の構成単量体である酸成分(a1)とアルコール成分(a2)の総量を基準として、脂環式多塩基酸及び/又は脂環族ジオールの含有量が40〜95質量%であることを特徴とする樹脂である請求項1に記載のフィルムラミネート金属缶用の接着剤。
  3. 蛍光化合物(C)が、クマリン系の蛍光化合物及びベンゾオキサゾール誘導体系の蛍光化合物から選ばれる少なくとも1種の蛍光化合物である請求項1又は2に記載のフィルムラミネート金属缶用の接着剤。
  4. 金属缶の外面側に、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムラミネート金属缶用の接着剤を用いて、フィルムをラミネートして得られた金属缶。
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