JP2013237715A - 樹脂組成物、プリプレグ、回路基板および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、熱硬化性樹脂と、硬化剤とを含み、カルシウムイオン濃度が70ppm以下であることを特徴とする。前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であることが好ましい。前記硬化剤は、フェノール樹脂であることが好ましく、フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
(1) 基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂と、硬化剤とを含み、
カルシウムイオン濃度が70ppm以下であることを特徴とする樹脂組成物。
の樹脂組成物。
まず、本発明の樹脂組成物について説明する。
樹脂組成物を純水中に浸漬し、熱水抽出して検液を得る。この検液をイオンクロマト装置で測定することで、カルシウムイオン濃度を測定できる。
[熱硬化性樹脂]
本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含んでいる。
本発明の樹脂組成物は、硬化剤を含んでいる。
的強度を高めることができる。
本発明の樹脂組成物は、上記成分の他、例えば、硬化促進剤、無機充填材、カップリング剤等を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物は、硬化促進剤を含有していてもよい。硬化促進剤を含むことにより、熱硬化性樹脂の架橋が促進され、樹脂組成物の硬化物(プリプレグ)の機械的強度を高めることができる。
ザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン等のリン化合物等、またはこの混合物が挙げられる。
化性樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度であるのが好ましく、0.15〜3質量部程度であるのがより好ましい。硬化促進剤の含有量を前記範囲内とすることにより、樹脂組成物の基材に対する密着性が特に向上する。
本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物を基材に含浸させ、シート状に成形されてなるものである。本発明によれば、マイグレーションの発生を防止し、電気的な接続信頼性の高い回路基板を形成可能なプリプレグが得られる。
図1に示すプリプレグ1は、シート状基材11と樹脂組成物12とで構成されている。
これらの基材の中でも、ガラス繊維基材をシート状基材11として用いた場合、マイグレーションの発生をより効果的に防止することができる。
プリプレグ1の製造には、本発明の樹脂組成物を溶媒に溶解してなる樹脂ワニスを調製し、これをシート状基材11に含浸させ、その後乾燥させることにより行われる。
。
本発明の回路基板は、上述したプリプレグを備えるものである。本発明によれば、マイグレーションの発生が防止され、電気的な接続信頼性の高い回路基板が得られる。
基板3の下面に接合されたはんだボール42とを有するものである。
なお、樹脂層2は、上述したような本発明の樹脂組成物で構成することができる。
まず、金属箔に樹脂ワニスを塗布し、これを乾燥させることで樹脂付き金属箔を製造する。
[1]プリプレグの製造
(実施例1)
1.樹脂組成物のワニスの調製
フラスコ中に、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、5047、エポキシ当量560)を43.6質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製
、828、エポキシ当量190)を31.0質量部、フェノールノボラック樹脂(DIC社製、TD−2090、水酸基当量105)を25.3質量部、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製)を0.1質量部に、トルエン54.0質量部を加え、高
速撹拌装置を用い撹拌した。この樹脂溶液に、1Nのシュウ酸水溶液10.0質量部を加え、撹拌した。この溶液を漏斗でろ過してシュウ酸カルシウムを除去した後、ろ液を分液漏斗を用いて、有機層だけを抽出し、固形分が65質量%の樹脂組成物のワニスを得た。下記の要領で測定した樹脂組成物中におけるカルシウムイオン濃度は、45ppmであった。
ワニスの溶剤を真空乾燥機で揮発させ、残存物の試料2.0gを秤量し、テフロン(「テフロン」は登録商標)製抽出容器に入れ、さらに超純水40gを加えた。手動で振とうさせた後、125℃の恒温器に投入し、連続20時間の熱水抽出を行なって、室温まで放冷後、検液とした。
上述のワニスを用いて、開繊加工を施していないガラス織布(厚さ0.16mm、坪量208.0g/m2、通気度10.1cm3/cm2/sec、NANYA GLASS
FABRIC社製)208.0質量部に対して、ワニスを樹脂組成物の固形分で192.0質量部含浸させて、180℃の乾燥炉で5分間乾燥させ、樹脂組成物含有量48.0質量%のプリプレグを作製した。
基材として、開繊加工を施していないガラス織布(厚さ0.16mm、坪量208.0g/m2、通気度10.1cm3/cm2/sec、NANYA GLASS FABRIC社製)の代わりに、開繊加工を施したガラス織布(厚さ0.16mm、坪量208.0g/m2、通気度5.1cm3/cm2/sec、日東紡マカオ社製)を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてプリプレグを製造した。
樹脂組成物のワニスの調製において、フラスコ中に入れるトルエン54.0質量部以外の成分を、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、5047、エポキシ当量560)を43.6質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、82
8、エポキシ当量190)を31.0質量部、ビスフェノールAノボラック樹脂(DIC社製、VH−4170、水酸基当量105)を25.3質量部、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製)を0.1質量部とした以外は実施例1と同様にしてプリプレグを製造した。樹脂組成物中におけるカルシウムイオン濃度は、47ppmであった。
樹脂組成物のワニスの調製において、フラスコ中に入れるトルエン54.0質量部以外の成分を、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、5047、エポキシ当量560)を48.3質量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、830
S、エポキシ当量170)を26.4質量部、フェノールノボラック樹脂(DIC社製、
TD−2090、水酸基当量105)を25.2質量部、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製)を0.1質量部とした以外は実施例1と同様にしてプリプレグを製造した。樹脂組成物中におけるカルシウムイオン濃度は、48ppmであった。
樹脂組成物のワニスの調製において、フラスコ中に入れるトルエン54.0質量部以外の成分を、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、5047、エポキシ当量560)を43.6質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、82
8、エポキシ当量190)を55.7質量部、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製)を0.7質量部とした以外は実施例1と同様にしてプリプレグを製造した。樹脂組成物中におけるカルシウムイオン濃度は、58ppmであった。
1.樹脂組成物のワニスの調製
フラスコ中に、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、5047、エポキシ当量560)を56.5質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製
、828、エポキシ当量190)を40.1質量部、ジシアンジアミド(DEGUSA社製、DICYANEDIAMIDE、硬化剤当量21)を3.3質量部、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成社製)を0.1質量部、メチルセルソルブ54.0質量部を加え、高速撹拌装置を用い撹拌して、固形分が65質量%の樹脂組成物のワニスを得た。樹脂組成物中におけるカルシウムイオン濃度は、105ppmであった。
上述のワニスを用いて、開繊加工を施していないガラス織布(厚さ0.16mm、坪量208.0g/m2、通気度10.1cm3/cm2/sec、NANYA GLASS
FABRIC社製)208.0質量部に対して、ワニスを樹脂組成物の固形分で192.0質量部含浸させて、180℃の乾燥炉で5分間乾燥させ、樹脂組成物含有量48.0質量%のプリプレグを作製した。
1.積層板の製造
上記各実施例および比較例で得られたプリプレグをそれぞれ4枚重ね、上下に厚さ18μmの電解銅箔(古河サーキットホイル社製、GTSMP)を重ねて、圧力4MPa、温度200℃で180分間加熱加圧成形を行い、厚さ0.8mmの両面銅張積層板を得た。
上記で得られた両面銅張積層板に、65μmのドリルビットを用いてスルーホール加工を行った後、70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップセキュリガントP)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレートコンパクトCP)に15分浸漬後、中和してスルーホール内のデスミア処理を行った。次に、フラッシュエッチングにより電解銅箔層表面を1μm程度エッチングした後、無電解銅メッキを厚さ0.5μm形成し、電解銅メッキ用レジス
ト層を厚さ18μm形成し、パターン銅メッキし、温度200℃、60分間加熱してポストキュアした。次いで、メッキレジストを剥離し全面をフラッシュエッチングして、L/S=75/75μmのパターンを形成した。最後に回路表面にソルダーレジスト(太陽インキ社製PSR4000/AUS308)を厚さ20μm形成し両面プリント配線板を得た。
上記で得られた両面銅張積層板の表裏の銅箔を引きはがし、1×1mmに切断し、液体窒素中で凍結粉砕した。得られた粉末試料2.0gを秤量し、テフロン(「テフロン」は登録商標)製抽出容器に入れ、さらに超純水40gを加えた。手動で振とうさせた後、125℃の恒温器に投入し、連続20時間の熱水抽出を行なって、室温まで放冷後、検液とした。
(1)半田耐熱性
上記のようにして得られた各プリント配線板を、50mm×50mmにグラインダーソーで切断し、85℃85%で96時間処理したのち、260℃の半田槽にサンプルを30秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
:膨れあり(全体的に膨れの箇所がある)
上記のようにして得られた各プリント配線板のスルーホール部分に85℃85%条件下で32V印加し、300時間処理後の絶縁抵抗を測定した。なお、スルーホールとスルーホールの壁間の距離は0.35μmである。ここで、5.0MΩ以下に絶縁低下したものを「絶縁低下」とした。
上記のようにして得られた各プリント配線板のスルーホール部分で−50℃で10分、125℃で10分を1サイクルとする温度サイクル(TC)試験を実施した。TC試験1000サイクル後の断線不良有無を評価した。
評価結果を表1に合わせて示した。
11 シート状基材
12 樹脂組成物
2 樹脂層
3 回路基板
31 絶縁基板
32 回路パターン
33 バンプ
4 半導体装置
41 半導体素子
42 はんだボール
Claims (10)
- 基材に含浸させてシート状のプリプレグを形成するために用いる樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂と、硬化剤とを含み、
カルシウムイオン濃度が70ppm以下であることを特徴とする樹脂組成物。 - 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記硬化剤は、フェノール樹脂である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記フェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂である請求項3に記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
- 前記基材は、開繊加工されたガラス繊維基材である請求項5に記載のプリプレグ。
- 前記プリプレグ中における前記樹脂組成物の反応率は、50%以下である請求項5または6に記載のプリプレグ。
- 前記プリプレグ中のカルシウムイオン濃度は、80ppm以下である請求項5ないし7のいずれか1項に記載のプリプレグ。
- 請求項5ないし8のいずれか1項に記載のプリプレグを備えることを特徴とする回路基板。
- 請求項9に記載の回路基板を備えることを特徴とする半導体装置。
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