JP2013237642A - エアゾール組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水性原液が、水95重量%以上と、界面活性剤および乳化助剤を含み、かつ、アルコール類、油脂類および水溶性高分子を含まず、液化ガスが、液化石油ガスとジメチルエーテルからなり、水性原液と液化ガスとの重量配合比が50/50〜10/90であること。
【選択図】なし
Description
特許文献2には、炭素原子数1〜3の低級アルコールおよび炭素原子数10〜22の直鎖モノカルボン酸を含む原液と液化ガスとからなり、吐出物がシャーベット状の凍結体を形成するエアゾール組成物が記載されている。
特許文献3には、炭素数1〜3の低級アルコールおよび非イオン性界面活性剤を含む原液と液化ガスとからなり、吐出物がシャーベット状の凍結体を形成するエアゾール組成物が記載されている。
特許文献4には、炭素数1〜3の低級アルコールおよび炭素数12以上の高級アルコールを含む原液と液化ガスとからなり、吐出物がシャーベット状の凍結体を形成するエアゾール組成物が記載されている。
特許文献5には、ジメチルエーテル、水および0〜5重量%の炭素数2〜3のアルコールからなり、ジメチルエーテルの気化熱により、水とジメチルエーテルとの凍結体を形成するエアゾール組成物が記載されている。
そのため、皮膚等に直接吐出した場合は、ベタつきや固体の残留感等により使用感を低下させ、布等に吐出する場合も、液体あるいは固体で残留した成分が布等に付着したままとなり、それらの除去に手間がかかるという問題があった。
さらに、界面活性剤、乳化助剤、油脂類、水溶性高分子等の成分量を減らした場合、高温の環境下では均一な凍結体を得ることができないという問題があった。
液化ガスは、ジメチルエーテル30重量%以上で残部が液化石油ガスからなることが好ましい。
また、水性原液が界面活性剤および乳化助剤を含み、液化ガスが液化石油ガスとジメチルエーテルからなり、かつ、水性原液と液化ガスとの重量配合比が50/50〜10/90であることにより、水性原液と液化ガスの混合、乳化が容易で、高温の環境下でも確実に均一な凍結体の形成が可能となる。
液化ガスが、ジメチルエーテル30重量%以上で残部が液化石油ガスからなることで、水性原液の比率を高めても、高温の環境下でも確実に均一な凍結体の形成が可能となる。
水性原液が、99重量%以下の水を含むことで、水性原液と液化ガスの混合、乳化を妨げることがない。
水の配合量は、水性原液中95重量%以上であり、さらには99重量%以下であることが好ましい。
水の配合量が95重量%よりも少ない場合は、吐出物によって形成された凍結体が溶けた際に、液体あるいは固体で残留する水以外の成分によって、ベタつきや固体の残留感等による使用感の低下をまねくとともにその除去に手間がかかる。
また、水性原液の水の配合量が95重量%以上であっても、油脂類および水溶性高分子が含まれると、凍結体が溶けた際にそれらが残留し、ベタつきや固体の残留感等による使用感の低下をまねくとともにその除去に手間がかかる。
また、アルコール類が含まれると塊状の凍結体が得にくく、凍結体の表面積が増加して融けやすくなる。
界面活性剤の配合量が水性原液中0.01重量%よりも少ない場合は、水性原液と液化ガスとが乳化しにくくなり、吐出物が均一な凍結体を形成しにくい。
また、水性原液中の水が95重量%以上のため、界面活性剤は5重量%よりも少なく、残留が少なく使用感の低下を抑制できる。
前記乳化助剤の配合量が0.1重量%よりも少ない場合は、前記乳化助剤を配合する効果が得られにくい。
また、水性原液中の水が95重量%以上のため、乳化助剤は5重量%よりも少なく、吐出時にバルブや吐出部材の吐出孔で詰まることはなく、また長期間保存した場合でも、乳化助剤が容器底部で固まって均一な吐出を阻害することもない。
大気中に吐出されると液化ガスは気化し、気化熱により吐出物を冷却して水性原液を主体とする凍結体を形成する。
ジメチルエーテルを混合することで、水性原液中の水が95重量%以上であっても、吐出時の気化熱で確実に水を冷却し、均一な凍結体を形成することができる。
また、ジメチルエーテルを液化ガス中に30重量%以上含有することが好ましく、このことで吐出時の気化熱を大きくし、水性原液と液化ガスとの配合の際の水性原液の配合比を増加させて、エアゾール容器内の水の絶対量を増加させ多量の凍結体を得ることが可能となる。
水性原液と液化ガスとの重量配合比が50/50より大きくなると、液化ガスによって水性原液を凍結させるだけの気化熱が得られない。
また、10/90より小さくなると、液化ガスを乳化しにくく、乳化が不安定になりやすく、得られる凍結体の量も少なくなり、また、容器に充填した際に圧力が高くなるとともに、気化する液化ガス量が多くなるため、匂いが強くなるとともに引火の危険も増大し、使用上の支障が大きくなる。
また、エアゾール容器内の圧力を調整するために、加圧剤として炭酸ガス、チッ素ガス、亜酸化窒素ガス、圧縮空気、酸素ガスなどの圧縮ガスを用いても良い。
各実施例および比較例は、水性原液と噴射剤としての液化ガスをアルミニウム製の耐圧容器(φ45×157)に充填し、耐圧容器の開口部にエアゾールバルブを固着し、耐圧容器を上下に振り、水性原液と液化石油ガス(LPG)およびジメチルエーテル(DME)とを乳化させてエアゾール組成物を製造した。
エアゾールバルブはステム孔がφ0.4、ハウジングのアンダータップがφ2.0であるものを用い、吐出部材は吐出孔がφ1.2であるものを用いた。
なお、下記の乳化状態の評価は、耐圧容器内の目視が必要なため、ガラス製の透明耐圧容器を用いた。
水性原液および液化ガスの成分は以下のものであり、それぞれの成分比を変えたものを各実施例および比較例として評価を行った。
水:精製水
界面活性剤:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル[20E.O][8P.O](商品名:NIKKOL PBC−44)
乳化助剤:タルク(商品名:クラウンタルク)
防腐剤:メチルパラペン(商品名:メッキンスM)
<液化ガス>
LPG
ジメチルエーテル
評価は、乳化状態、吐出物温度、吐出物状態、凍結保持時間および残留感について、以下のよう行った。
<乳化状態>
各成分を充填した耐圧容器を一定温度条件下に1時間静置した後、同一温度条件下で60回/分で耐圧容器を振盪して乳化状態を目視確認した。
振盪時間1分以内で乳化したものを「◎」、1〜3分で乳化したものを「○」、3分で乳化しなかったものを「×」とした。
なお、温度条件は、25℃、5℃および45℃の3条件とした。
<吐出物温度>
各成分を充填した耐圧容器を25℃の条件下で1時間静置した後、60回/分で3分間振盪し、さらに1時間静置した後に、60回/分で10秒間振盪し、内容物を紙ウエス(パルプ100%、シートサイズ380×330mm)に対して垂直方向10cmの位置から吐出させて、紙ウエス上に置いた熱電対によってその温度を測定した。
<吐出物状態>
各成分を充填した耐圧容器を25℃の条件下で1時間静置した後、60回/分で3分間振盪し、さらに1時間静置した後に、60回/分で10秒間振盪し、内容物1gを吐出させ、吐出物の状態を観察した。
吐出物が凍結しているものを「○」、吐出物が凍結せず泡状であったり、水相のものがそのまま霧状になっているものを「×」とした。
各成分を充填した耐圧容器を25℃の条件下で1時間静置した後、60回/分で3分間振盪し、さらに1時間静置した後に、60回/分で10秒間振盪し、紙ウエス(パルプ100%、シートサイズ380×330mm)に対して垂直方向10cmの位置から内容物5gを吐出させて凍結体を形成し、その直後に該紙ウエスを40℃の恒温室に静置して形成された凍結体の状態を観察した。
紙ウエス上の凍結体が溶けるまでの時間が1分以上のものを「○」、1分未満のものを「×」とした。
<残留感>
各成分を充填した耐圧容器を25℃の条件下で1時間静置した後、60回/分で3分間振盪し、さらに1時間静置した後に、60回/分で10秒間振盪し、内容物1gを手の甲に向かって吐出させ、溶けた後に残留した吐出物に触れた時の感触を観察した。
ベタつき等の残留感がないものを「○」、あるものを「×」とした。
また、吐出物は均一な凍結体となって付着し、その凍結保持時間も充分に確保される。
これに対し、水性原液:液化ガス(噴射剤)=20:80および水性原液:液化ガス(噴射剤)=30:70でジメチルエーテルが含まれない組成物(比較例1、11)では、凍結体は形成されるものの、その凍結保持時間が充分ではなく、水性原液:液化ガス(噴射剤)=40:60でジメチルエーテルが含まれない組成物(比較例21)では、吐出物が凍結しておらず、凍結体を形成することができない。
また、水性原液の水の比率を93重量%としたもの(比較例2、12、22)は、凍結体は形成されるものの、凍結体が溶けた後の界面活性剤および乳化助剤の残留によるベタつきの感覚が顕著であった。
さらに、水性原液の水の比率を99.35重量%としたもの(比較例23、24)は、いずれの温度条件でも水性原液と液化ガスとの乳化が不十分であり、吐出状態も不均一であり充分な凍結体が得られず、その凍結保持時間も充分ではなかった。
また、凍結体が溶けた際に液体あるいは固体で残留する成分が極めて少なく、ベタつきや固体の残留感等による使用感の低下を抑制し、布等に付着させた場合でもその除去が極めて容易となる。
Claims (4)
- 水性原液と液化ガスとを含み、吐出時に凍結体を形成するエアゾール組成物であって、
前記水性原液が、水95重量%以上と、界面活性剤および乳化助剤を含み、かつ、アルコール類、油脂類および水溶性高分子を含まず、
前記液化ガスが、液化石油ガスとジメチルエーテルからなり、
前記水性原液と液化ガスとの重量配合比が50/50〜10/90であることを特徴とするエアゾール組成物。 - 前記水性原液が、界面活性剤0.01重量%以上、乳化助剤0.1重量%以上、防腐剤0〜0.3重量%を含むことを特徴とする請求項1に記載のエアゾール組成物。
- 前記液化ガスが、ジメチルエーテル30重量%以上で残部が液化石油ガスからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアゾール組成物。
- 前記水性原液が、99重量%以下の水を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のエアゾール組成物。
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JP2015218149A (ja) * | 2014-05-20 | 2015-12-07 | 株式会社ダイゾー | エアゾール組成物および該エアゾール組成物を含むエアゾール製品 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH02255890A (ja) * | 1988-12-28 | 1990-10-16 | Osaka Aerosol Ind Corp | エアゾール用組成物 |
JP2008031097A (ja) * | 2006-07-28 | 2008-02-14 | Daizo:Kk | エアゾール組成物および該エアゾール組成物を含むエアゾール製品 |
JP2012001465A (ja) * | 2010-06-15 | 2012-01-05 | Daizo:Kk | エアゾール製品および該エアゾール製品の噴射方法 |
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