JP2013235718A - 紫外線照射装置 - Google Patents

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Kenichi Hirose
賢一 廣瀬
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Abstract

【課題】光取出し面が矩形状に形成されたエキシマランプと、エキシマランプを収容し、光透過窓を備えた筐体と、筺体内に冷却風を供給する冷却風供給手段を備えた紫外線照射装置において、エキシマランプの冷却効果を向上し、かつ、その発光管の長手方向の中央部の温度上昇を抑制して、長手方向での温度均一性をもたらす構造を提供する。
【解決手段】筐体2には、2箇所の通風用の開口が設けられ、開口のうち、一方の開口は、エキシマランプの発光管3よりも下方に位置し、他方の開口は、エキシマランプの発光管よりも上方に位置するとともに、開口のうち、流出側開口の総面積が、流入側開口の総面積よりも小さく、かつ、エキシマランプの長手方向において、流入側開口から流出側開口に向けて冷却風の流路が中央側に絞られている。
【選択図】図3

Description

この発明は、紫外線照射処理に使用される紫外線照射装置に関し、特に、エキシマランプを用いた紫外線照射装置に係わるものである。
従来、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子等のフラットパネル型の表示装置においては、樹脂よりなるフィルム基材上に、有機物層が積層されてなるフィルムが設けられている(特許文献1)。このようなフィルムにおける有機物層を形成する材料としては、例えば光硬化性樹脂層に光を照射することにより、有機物層(硬化樹脂層)が積層されてなるフィルムが得られる。
硬化に必要な光は、主に紫外光であり、このような紫外領域の光を放射する光源として、エキシマランプが用いられている。
ところで、このようなエキシマランプを用いた紫外線照射装置においては、筺体内に冷却風を供給してエキシマランプを冷却することが行われている。
例えば、国際公開2010/032852(特許文献1)にその構造が示されている。図10に示されたこの従来技術によれば、扁平形状のエキシマランプ40に対して、筺体21の両側方の流入開口42から冷却風(窒素ガス)Kを導入してランプ40に当て、この冷却風Kは、筺体21の上方の流出開口43に排気させる構成を採用している。
ところで、例えば、前述した積層フィルムの光硬化の用途などに用いる紫外線照射装置においては、光透過窓を設けることが必要であり、上記特許文献1の構造を、光透過窓を有する紫外線照射装置に用いると、ランプの下方と光透過窓間には冷却風が流れることがなく、光透過窓が加熱された状態となり、該窓に近接対向するフィルムなどのワークWが加熱されてしまうという不都合がある。
国際公開公報2010/032852
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて、断面が扁平四角形状の発光管を備え、光取出し面が矩形状に形成されたエキシマランプと、当該エキシマランプを収容し、前記光取出し面に平行に伸びる光透過窓を備えた筐体と、該筺体内に冷却風を供給する冷却風供給手段を備えた紫外線照射装置において、冷却風をエキシマランプの全周囲に沿うように流し、しかも、もっとも高温となる発光管の中央部分に冷却風が絞られるように流れて的確に、かつ効率的に冷却することができ、それとともに、光透過窓をも冷却してワークに悪影響を与えることのない構造を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明では、前記筐体には、前記エキシマランプの長手方向軸に対して反対側に位置し、該エキシマランプの長手方向に沿って延在する2箇所の通風用の開口が設けられ、前記開口のうち、一方の開口は、前記エキシマランプの発光管よりも下方に位置し、他方の開口は、前記エキシマランプの発光管よりも上方に位置するとともに、前記開口のうち、流出側開口の総面積が、流入側開口の総面積よりも小さく、かつ、前記エキシマランプの長手方向において、流入側開口から流出側開口に向けて冷却風の流路が中央側に絞られていることを特徴とする。
また、前記一方の開口は、前記筺体の前記エキシマランプの長手方向に沿う一方の側壁に設けられるとともに、前記他方の開口は、前記筺体の他方の側壁または上壁に設けられていることを特徴とする。
また、前記流出側開口の前記長手方向に沿った形成領域の幅が、前記流入側開口の形成領域の幅よりも小さいことを特徴とする。
また、前記流出側開口において、前記長手方向における中央部での開口面積が、両端部での開口面積よりも大きいことを特徴とする。
また、前記流出側開口の前記長手方向に沿った形成領域の幅が、前記流入側開口の形成領域の幅よりも小さく、かつ、前記流出側開口において、前記長手方向における中央部での開口面積が、両端部での開口面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、透過窓を備えた筐体内に設けられたエキシマランプの扁平四角形状の発光管に対して、冷却風が発光管の上下に分流してその上下面に沿うように流れるので、発光管を全周囲から万遍なく冷却することができるという効果を奏するものである。
しかも、流出側開口の総面積を流入側開口の総面積よりも小さくしたことにより、筐体内に導入された冷却風が流出側開口に向けて流速が速くなり、エキシマランプの周辺で停滞することなく、冷却効果が大きくなる。
そのうえ、冷却風が、発光管において最も高温となる長手方向の中央部に絞られて集中するように流れることにより、発光管全体の温度が均一化して効率的な発光が得られる。
加えて、光透過窓に沿っても冷却風が流れることになるので、該光透過窓を的確に冷却できる。
本発明の紫外線照射装置の全体図。 (A)図1のA矢視図、(B)B矢視図。 他の実施例の全体図。 (A)図3のA矢視図、(B)B矢視図。 本発明の冷却風の流れを示す模式図。 開口の他の実施例。 実験結果を表す表。 比較例。 (A)図7のA矢視図、(B)B矢視図。 従来技術による紫外線照射装置。
図1に示すように、本発明の紫外線照射装置1では、筺体2内に、長尺のエキシマランプ3が水平状態に支持されている。該エキシマランプ3は、その発光管4の断面が扁平四角形状をなし、その光取出し面5が矩形状に形成されていて、該光取出し面5が筐体2内で水平に配置されている。
そして前記筐体2には、石英ガラスからなる光透過窓6が設けられていて、前記エキシマランプ3の光取出し面5は該光透過窓6と平行に配置されている。光透過窓6の下方にはワークWが配置されていて、エキシマランプ3からの真空紫外線が光透過窓6を介して照射される。
筐体2の、エキシマランプ3の長手方向軸に沿った一方の側壁7には、前記エキシマランプ3の発光管4よりも下方に位置して一方の開口11が形成されており、この実施例では、該開口11が冷却風Kの流入側開口を形成している。
一方、筐体2の上壁9には、前記エキシマランプ3の発光管4よりも上方に位置するとともに、前記エキシマランプ3の長手方向軸に対して反対側に位置して、他方の開口12が形成されており、該開口12が流出側開口を形成している。なお、この流出側開口12は、エキシマランプ3の長手方向軸に沿った他方の側壁8の上部に設けられていてもよい。
このように、前記流入側開口11と流出側開口12は、前記エキシマランプの長手方向軸に対して反対側に位置するとともに、それぞれエキシマランプ3の下方および上方に位置するように設けられている。
そして、前記流出側開口12には冷却風供給手段13が設けられていて、冷却風Kを筐体2内に供給する。なお、この例では流出側開口12に設けられる吸引型の供給手段を示したが、流入側開口11に設けられる圧入型の供給手段であってもよい。
図2にこれらの開口の一詳細例が示されていて、(A)は図1のA矢視図で、流出側開口12を表し、(B)はB矢視図で、流入側開口11を表す。
流出側開口12は、エキシマランプ2の長手方向に沿って設けられた同一形状の複数の小開口12a,12a,12a,・・・からなる。同様に、流入側開口11も、上記小開口12aと同一形状の複数の小開口11a,11a,11a,・・・からなる。
そして、流出側開口12がエキシマランプ3の長手方向に沿って形成される領域Xは、流入側開口11が形成される領域Yよりも小さい。
これによって、流出側開口12の総面積は、流入側開口11の総面積よりも小さくなる。
図1、図2の実施例では、ランプ下方の開口11を流入側開口とし、上方の開口12を流出側開口としたが、逆であってもよく、その例が図3、図4に示されている。
即ち、図3に示されるように、筺体2の一方の側壁7に、エキシマランプ3の発光管4よりも下方に位置して形成された開口11が流出側開口を形成し、他方の側壁8に、発光管4よりも上方に位置して形成された開口12が流入側開口を形成している。なお、前記流入側開口11は、この例では側壁7に設けられたものを示したが、上記図1の実施例で述べたと同様に、上壁9に設けるものであってもよい。
この実施例の場合、図4(A)(B)に示されるように、側壁7の下方に設けた流出側開口11が形成される領域Xは、側壁8の上方に設けられた流入側開口12が形成される領域Yよりも小さい。
また、図1,2の実施例と同様に、流出側開口11の総面積は、流入側開口12の総面積よりも小さい。
図1および図3に示される構成において、流入側開口11(12)から供給された冷却風Kはエキシマランプ3の発光管4の上下面に分流して該発光管4の表面に沿って流れてこれを冷却し、これらが合流して流出側開口12(11)に排気される。
この時、流出側開口12(11)の開口形成領域Xが、流入側開口11(12)よりも小さいため、冷却風Kは、筐体2内で停滞することなく流出側開口12(11)に至るので、エキシマランプ3の冷却が効果的となる。
しかも、この間に光透過窓6に沿っても冷却風が流れるので、光透過窓6が的確に冷却される。
また、図5に流入側開口11(12)から流出側開口12(11)に至る冷却風の流れが模式的に示されていて、流入側開口11(12)からの冷却風Kは、エキシマランプ3の発光管4の中央部に向けて絞られるように集中して、流出側開口12(11)に至る。これにより、発光管4中で両端部より高温になる中央部分でより冷却されて、発光管4全体を均一な温度とすることができる。
冷却風の中央部への絞り作用は、開口形成領域の幅の変化だけによらず、流出側開口の開口面積を変化させることによっても実現できる。
図6にその実施例が示されている。図6は、図4に対応する図であって、流出側開口11を構成する小開口11a,11a,11a,・・・の形態がそれぞれ異なる。即ち、長手方向の中央部に位置する小開口11aの開口面積が大きく、その両端側に位置する小開口11aの開口面積が小さくされている。
これにより、流出側開口11の中央部に流出する冷却風が、両端側に流出する冷却風よりも多量になり、発光管3の中央部分をより冷却することができる。
勿論、図4の形態と、図6の形態とを組み合わせた構造とすることもできる。
即ち、流出側開口の形成領域の幅を流入側開口の形成領域よりも小さくするとともに、流出側開口の長手方向における中央部での開口面積を、両端部での開口面積よりも大きくする構造としてもよい。
なお、流入側開口や流出側開口を複数の小開口からなる構造を示したが、これに限られず、一体的なスリット構造であってもよい。この場合、図6に示す例では、流出側のスリット状開口を、長手方向の中央部で幅を大きくし、その両端側で小さくすればよい。
本発明の効果を実証するために以下の実験を行った。
<本発明1>
図1、図2の構造に従い、下記仕様の紫外線照射装置を構成した。
筺体の寸法:1450×150×80mm
通風用の小開口の寸法:70×10mm
光透過窓の寸法:900×100mm
ランプの寸法:1200×50×15mm
冷却風量:5m/min
そして、流入側開口11における小開口11aの個数:8個(開口総面積5600mm)、流出側開口12における小開口12aの個数:6個(開口総面積4200mm
<本発明2>
図3、図4の構造に従って構成。即ち、エキシマランプ3の上方側の開口を流入側開口12とし、下方側の開口を流出側開口11とし、流入側開口12の小開口12aの個数を8個、流出側開口11の小開口11aの個数を6個とした。
<本発明3>
図6の構造に従って構成。即ち、流出側開口11を8個として、中央部の小開口4個が70×10mmであり、その両側の小開口2個が70×6mm、更にその両側の小開口2個が70×3mmとした(開口総面積4060mm)。
<比較例>
比較例として、図8、図9の構造に従い、下記仕様の紫外線照射装置を構成した。
この紫外線照射装置30においては、筐体31の、エキシマランプ3の発光管4の長手方向に沿う両方の側壁に流入側開口32、32を形成し、筐体31の上部中央に形成した流出側開口33よりダクトを介して吸引ファン35で吸気した。
筺体の寸法:1450×150×80mm
通風用の小開口の寸法:70×10mm
光透過窓の寸法:900×100mm
ランプの寸法:1200×50×15mm
ランプ入力:500W
冷却風量:5m/min
この比較例においては、小開口を、筐体の両側壁にそれぞれ8個(すなわち16個)形成し、上壁に8個形成した。
上記構成の紫外線照射装置を30分の駆動後に発光管のa点、b点、c点、および光出射窓のd点の温度をそれぞれ測定した。
その結果が図7の表1に示されている。
表1によれば、本発明1〜3のいずれもが(赤字加入は不要:この表で初めて、開口総面積の具体例が示されているので、それについて述べたもの。加入赤字部分はそれ以前で述べられている。)流出側開口の総面積が流入側より小さくされており、その結果、比較例に比べてランプ温度および光透過窓の温度が低く抑えられている。
また、ランプ温度も中央部b点の温度が、両端側の温度a点、c点との差が小さくなり、ランプの長手方向で均一化されている。
以上説明したように、本発明の紫外線照射装置では、前記筐体には、前記エキシマランプに対して反対側に位置する2箇所の通風用の開口が設けられ、前記開口のうち、一方の開口は、前記エキシマランプの発光管よりも下方に位置し、他方の開口は、前記エキシマランプの発光管よりも上方に位置するので、流入側開口から筺体内に供給された冷却風は、ランプの発光管の上下面に分流し、該上下面に沿うように流れるので、発光管の冷却が効果的に行われる。
そして、前記流出側開口の総面積が、流入側開口の総面積よりも小さいことにより、筺体内に供給された冷却風は筺体内に滞留することなく、円滑に流出側開口に向かうので、冷却効果が増大する。
さらに、前記エキシマランプの長手方向において、流入側開口から流出側開口に向けて冷却風の流路が発光管の中央側に絞られていることにより、発光管のうちもっとも温度高くなる中央部分を集中的に冷却できて、発光管長手方向での温度差がなくなり、均一化される。
加えて、光透過窓に沿って冷却風が流れることになり、該光透過窓を的確に冷却することができる。
1 紫外線照射装置
2 筺体
3 エキシマランプ
4 発光管
5 光取出し面
6 光透過窓
7 一方の側壁
8 他方の側壁
9 上壁
11 一方の開口
11a 小開口
12 他方の開口
12a 小開口
13 冷却風供給手段
X 流出側開口の形成領域
Y 流入側開口の形成領域
W ワーク
K 冷却風


Claims (5)

  1. 断面が扁平四角形状の発光管を備え、光取出し面が矩形状に形成されたエキシマランプと、当該エキシマランプを収容し、前記光取出し面に平行に伸びる光透過窓を備えた筐体と、該筺体内に冷却風を供給する冷却風供給手段を備えた紫外線照射装置において、
    前記筐体には、前記エキシマランプの長手方向軸に対して反対側に位置し、該エキシマランプの長手方向に沿って延在する2箇所の通風用の開口が設けられ、
    前記開口のうち、一方の開口は、前記エキシマランプの発光管よりも下方に位置し、他方の開口は、前記エキシマランプの発光管よりも上方に位置するとともに、
    前記開口のうち、流出側開口の総面積が、流入側開口の総面積よりも小さく、かつ、前記エキシマランプの長手方向において、流入側開口から流出側開口に向けて冷却風の流路が中央側に絞られている
    ことを特徴とする紫外線照射装置。
  2. 前記一方の開口は、前記筺体の前記エキシマランプの長手方向に沿う一方の側壁に設けられるとともに、前記他方の開口は、前記筺体の他方の側壁または上壁に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
  3. 前記流出側開口の前記長手方向に沿った形成領域の幅が、前記流入側開口の形成領域の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
  4. 前記流出側開口において、前記長手方向における中央部での開口面積が、両端部での開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。
  5. 前記流出側開口の前記長手方向に沿った形成領域の幅が、前記流入側開口の形成領域の幅よりも小さく、かつ、前記流出側開口において、前記長手方向における中央部での開口面積が、両端部での開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の紫外線照射装置。


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