JP2013234717A - ガス充填装置及びガス充填方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制する。
【解決手段】ガス供給先(例えば、FCV等)にガスを充填するガス充填装置(例えば、水素(ガス)ステーション等)において、ガス供給先が備える接続部に嵌合されてガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガス充填経路を連通させてガスを充填するノズル部を、ガス充填装置が備えるガス冷却手段よりも上流側に連通する循環通路が備える嵌合部に嵌合させて、冷却手段によって冷却されたガスを循環させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填装置に関する。より詳しくは、本発明は、充填開始時点から十分に冷却されたガスをガス貯蔵容器に充填することができるガス充填装置に関する。更に、本発明は、ガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填方法にも関する。より詳しくは、本発明は、充填開始時点から十分に冷却されたガスをガス貯蔵容器に充填することができるガス充填方法にも関する。
ガスを使用する種々の用途において、限られた大きさ及び重量を有する貯蔵容器に大量のガスを貯蔵することを可能とする技術に対する要求が存在する。かかる要求に応えるための1つの方策として、例えば、高い耐圧性を有するガス貯蔵容器の内部にガスを高圧で貯蔵することが広く行われている。
例えば、当業者には周知であるように、燃料電池においては、アノードに水素等の燃料ガスが供給され、カソードに酸素等の酸化剤ガスが供給され、これらを反応させることにより、発電する。従って、例えば、燃料電池を電源として搭載する燃料電池自動車(以降、「FCV」と称する場合がある)においては、一般的に、水素が充填されたガス貯蔵容器が搭載され、当該ガス貯蔵容器から供給される水素と酸化剤ガスとしての大気とを燃料電池において反応させて発電し、斯くして発電された電力によって駆動される電動機等を動力源として走行する。
従って、上記のようなFCVの航続距離を長くするためには、上記ガス貯蔵容器の耐圧性を高め、貯蔵される水素ガスの圧力を高めることにより、上記ガス貯蔵容器における水素ガスの貯蔵量を増大させることが望ましい。
しかしながら、上記に示した例のように高い耐圧性を有するガス貯蔵容器中にガスを高圧で貯蔵する場合、当該ガス貯蔵容器中にガスを充填する際に、断熱圧縮に伴ってガスの温度上昇が発生する。この際の温度上昇幅は、充填圧力が高いほど大きくなり、過度の温度上昇が生ずると、例えば、ガス貯蔵容器の変形、ガス貯蔵容器を構成する部材の脱離や破損等の問題の発生を招く虞がある。
また、相対的に高い圧力にてガスを供給するガス供給装置(例えば、FCVのための水素(ガス)ステーション等)から、相対的に低い圧力にてガスを貯蔵するガス貯蔵容器(例えば、FCVに搭載される高圧水素タンク等)へとガスを充填する際には、ジュール−トムソン効果(Joule−Thomson effect)によりガスの温度が変化する。当業者に周知であるように、ジュール−トムソン効果によりガスの温度が上昇するか低下するかは、当該ガスの種類によって定まる。例えば、前述のように燃料電池の反応ガスとして使用される水素は、ガス供給装置からガス貯蔵容器へと充填する際にジュール−トムソン効果により温度が上昇することが知られている。
従って、上記のようにジュール−トムソン効果により温度が上昇するガス(例えば、水素等)においては、ガス供給装置からガス貯蔵容器へと充填する際にガスの温度が上昇する要因として、前述した断熱圧縮に伴う温度上昇のみならず、ジュール−トムソン効果による温度上昇もまた、考慮する必要がある。そのため、ジュール−トムソン効果により温度が上昇するガス(例えば、水素等)においては、温度上昇に起因するガス貯蔵容器の変形、ガス貯蔵容器を構成する部材の脱離や破損等の問題が更に深刻である。
一方、上記のように温度が上昇したガスの温度を下降させる要因としては、例えば、ガスからガス貯蔵容器への熱伝導、ガス貯蔵容器から外部への放熱を挙げることができる。ところで、例えば、前述のようなFCVの稼働率や利便性の向上の観点からは、ガス供給装置からガス貯蔵容器へのガスの充填速度を高めて、充填に要する時間を短縮することが望ましい。しかしながら、ガスの充填速度を高めて充填時間を短縮するほど、ガスからガス貯蔵容器への熱伝導やガス貯蔵容器から外部への放熱によるガスの温度降下がより小さくなり、結果としてガスの温度が上昇する。
上記のように、ジュール−トムソン効果により温度が上昇するガス(例えば、水素等)をガス供給装置からガス貯蔵容器へと急速に充填する場合、ガスの温度上昇に起因するガス貯蔵容器の変形、ガス貯蔵容器を構成する部材の脱離や破損等の問題がより一層深刻なものとなる。また、当業者に周知であるように、水素は可燃性ガスであり、かかる可燃性ガスの貯蔵においては、ガス貯蔵容器の温度が過度に上昇しないように管理することが安全上望まれる。例えば、前述のようなFCVにおける反応ガスとしての水素のガス貯蔵容器としての高圧水素タンクについては、水素充填時に同タンク内の温度が許容上限温度を超えないことが求められている。
そこで、当該技術分野においては、ガス供給先(例えば、FCV等)が備えるガス貯蔵容器(例えば、高圧水素タンク等)等にガスを充填するガス充填装置(例えば、水素(ガス)ステーション等)において、ガス貯蔵容器へとガスを供給する経路に例えば熱交換器等の冷却手段を配設することが提案されている。これにより、ガス充填装置からガス貯蔵容器に充填されるガスの温度を下げることができるので、結果として、充填後のガスの温度を下げることができる。
しかしながら、従来技術に係るガス充填装置においては、ガスの充填経路における冷却手段の下流側にある構成要素(例えば、ガスを供給するための配管やバルブ、ノズル等)は特段の冷却手段を備えていないものが一般的である。従って、ガスの充填を開始した直後においては、当該下流側の構成要素の温度は、例えば、周囲雰囲気と同等の温度となっていることが多い。その結果、少なくとも、冷却手段によって冷却されたガスによって当該下流側の構成要素が冷却されて平衡温度に到達するまでの期間においては、冷却手段によって一旦冷却されたガスが当該下流側の構成要素によって再び温められることとなる。このように、かかる従来技術に係るガス充填装置においては、ガス貯蔵容器へのガスの充填に伴う温度上昇を十分に抑制することが困難となる虞があった。
そこで、当該技術分野においては、例えば、ガスの充填経路における冷却手段よりも下流側の部分に充填機及び分岐部を配設し、当該充填機を使用して、当該分岐部からガスの充填経路における冷却手段よりも上流側の部分へとガスを循環させることにより、冷却手段よりも下流側の充填経路の一部を含む循環経路を冷却することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、かかる構成においては、上記循環経路にガスを循環させるための動力源(例えば、ポンプ等)を追加する必要があり、ガス充填装置の大型化やコスト増大を招く虞がある。また、ガスの充填経路における上記分岐部よりも下流側の部分は上記循環経路に含まれないため、当該部分は冷却されない。結果として、かかる従来技術に係るガス充填装置においては、ガス貯蔵容器へのガスの充填に伴う温度上昇を未だ十分に抑制することができない。
そこで、当該技術分野においては、例えば、圧縮手段、貯蔵容器、冷却手段、回収容器、及びこれらの構成要素間でのガスの流れを制御する複数のバルブ等を備える充填経路を有するガス充填装置において、例えば、冷却手段によって冷却されたガスを、充填経路の最も下流側の部分(例えば、ガス供給先(例えば、FCV等)が備えるガス貯蔵容器(例えば、高圧水素タンク等)等にガスを充填するための接続部(例えば、充填口、レセプタクル等)に嵌合させるノズル部等)にまで満たすことにより当該部分を冷却した後、冷却に使用したガスを回収容器に回収するというサイクルを繰り返す等して、ガスの充填経路における冷却手段からガス供給先との接続部分までの部分全体を冷却することが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら、かかる構成においては、上記のように複雑な循環経路におけるガスの流れを制御するためのバルブや回収容器等を追加する必要があり、ガス充填装置の大型化やコスト増大を招く虞がある。また、ガスの充填経路の最も下流側の部分を十分に冷却するためには上記サイクルを複数回繰り返す必要があるため、ガス供給先(例えば、FCV等)へのガスの充填を迅速に開始することができない。
上記のように、当該技術分野においては、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填装置やガス充填方法に対する継続的な要求が存在する。
特開2009−127853号公報 特開2007−239956号公報
前述のように、当該技術分野においては、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填装置やガス充填方法に対する継続的な要求が存在する。本発明は、かかる要求に応えるために為されたものである。即ち、本発明は、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填装置を提供することを1つの目的とする。また、本発明は、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填方法を提供することをもう1つの目的とする。
上記1つの目的は、
ガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填装置であって、
前記ガスを供給するガス供給源と、前記ガスを冷却する冷却手段と、前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とを、この順序で上流側から備えるガス充填経路と、
前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部と、
前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路と、
を備え、
前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることができる、
ガス充填装置によって達成される。
また、上記もう1つの目的は、
ガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填方法であって、
前記ガスを供給するガス供給源と、前記ガスを冷却する冷却手段と、前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とを、この順序で上流側から備えるガス充填経路と、
前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部と、
前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路と、
を備えるガス充填装置において、
前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させて、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることにより、前記ノズル部をも含む前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも下流側にある全ての構成要素を冷却し、
斯くして冷却された前記ノズル部を前記接続部に嵌合させて、前記ガス供給先が備える前記ガス貯蔵容器に前記ガスを充填する、
ガス充填方法によって達成される。
本発明によれば、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填装置及びガス充填方法を提供することができる。
従来技術に係るガス充填装置におけるガス供給源から、冷却手段、ガス充填経路(配管)、及びノズル部を介して、ガス供給先にガスを充填する際の、ガスの温度遷移を表す模式的なグラフである。 ガス供給先に充填されるガスの温度(充填ガス温度)が、充填開始直後は高く、その後、ガスの充填を開始した以降の経過時間(充填経過時間)の増大に伴って、冷却手段によって冷却されたガスによって冷却手段よりも下流側の構成要素が冷却されるに従って充填ガス温度が低下し、やがて平衡温度に到達する様子を表す模式的なグラフである。 本発明の1つの実施態様に係るガス充填装置の構成を示す模式図である。 本発明のもう1つの実施態様に係るガス充填装置の構成を示す模式図である。 本発明の更にもう1つの実施態様に係るガス充填装置の構成を示す模式図である。
前述のように、本発明の1つの目的は、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填装置を提供することである。また、本発明のもう1つの目的は、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填方法を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、ガス供給先(例えば、FCV等)が備えるガス貯蔵容器(例えば、高圧水素タンク等)等にガスを充填するガス充填装置(例えば、水素(ガス)ステーション等)において、ガス供給先が備える接続部に嵌合されてガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガス充填経路を連通させてガスを充填するノズル部を、ガス充填装置が備えるガス冷却手段よりも上流側に連通する循環通路が備える嵌合部に嵌合させて、冷却手段によって冷却されたガスを循環させることにより、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。
即ち、本発明の第1の実施態様は、
ガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填装置であって、
前記ガスを供給するガス供給源と、前記ガスを冷却する冷却手段と、前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とを、この順序で上流側から備えるガス充填経路と、
前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部と、
前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路と、
を備え、
前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることができる、
ガス充填装置である。
上記のように、本実施態様に係るガス充填装置は、ガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填装置であって、前記ガスを供給するガス供給源と前記ガスを冷却する冷却手段と前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とをこの順序で上流側から備えるガス充填経路、前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部、及び前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路を備える。
ここで、ガス供給先とは、例えば、FCV等、ガスを使用又は消費する装置又は設備等を指す。一般に、かかるガス供給先は、例えば、高圧水素タンク等、ガスを貯蔵するガス貯蔵容器を備える。前記のように、ガス貯蔵容器への1回の充填当たりのガス供給先におけるガスの使用期間を長くしてガス貯蔵容器への充填頻度を低減するためには、ガス貯蔵容器の耐圧性を高め、貯蔵されるガスの圧力を高めることにより、ガス貯蔵容器におけるガスの貯蔵量を増大させることが望ましい。
しかしながら、前述のように、高い耐圧性を有するガス貯蔵容器中にガスを高圧で貯蔵する場合、ガス貯蔵容器へのガスの充填時に、断熱圧縮に伴ってガスの温度が上昇する。この際の温度上昇幅は、充填圧力が高いほど大きくなり、過度の温度上昇が生ずると、例えば、ガス貯蔵容器の変形、ガス貯蔵容器を構成する部材の脱離や破損等の問題の発生を招く虞がある。
また、前述のように、例えば、水素等、相対的に高い圧力にてガスを供給するガス供給装置から、相対的に低い圧力にてガスを貯蔵するガス貯蔵容器へとガスを充填する際に、ジュール−トムソン効果により温度が上昇するガスにおいては、上記のような断熱圧縮に伴う温度上昇のみならず、ジュール−トムソン効果による温度上昇もまた考慮する必要がある。即ち、ジュール−トムソン効果により温度が上昇するガス(例えば、水素等)においては、温度上昇に起因するガス貯蔵容器の変形、ガス貯蔵容器を構成する部材の脱離や破損等の問題が更に深刻である。
一方、前述のように、上記のように温度が上昇したガスの温度を下降させる要因としては、例えば、ガスからガス貯蔵容器への熱伝導、ガス貯蔵容器から外部への放熱を挙げることができる。しかしながら、例えば、前述のようなFCVの稼働率や利便性の向上の観点から、ジュール−トムソン効果により温度が上昇するガス(例えば、水素等)をガス供給装置からガス貯蔵容器へと急速に充填すると、ガスからガス貯蔵容器への熱伝導やガス貯蔵容器から外部への放熱によるガスの温度降下がより小さくなり、結果としてガスの温度が上昇して、ガスの温度上昇に起因するガス貯蔵容器の変形、ガス貯蔵容器を構成する部材の脱離や破損等の問題がより一層深刻なものとなる。特に、例えば水素等の可燃性ガスの貯蔵においては、ガス貯蔵容器の温度が過度に上昇しないように管理することが安全上望まれる。
そこで、当該技術分野においては、前述のように、ガス供給先(例えば、FCV等)が備えるガス貯蔵容器(例えば、高圧水素タンク等)等にガスを充填するガス充填装置(例えば、水素(ガス)ステーション等)において、ガス貯蔵容器へとガスを供給する経路に例えば熱交換器等の冷却手段を配設することが提案されている。これにより、ガス充填装置からガス貯蔵容器に充填されるガスの温度を下げることができるので、結果として、充填後のガスの温度を下げることができる。
しかしながら、上記のように冷却手段をガスの充填経路に増設するのみでは、前述のように、ガスの充填経路における冷却手段の下流側にある構成要素(例えば、ガスを供給するための配管やバルブ、ノズル等)については十分に冷却することができない。従って、ガスの充填を開始した直後においては当該下流側の構成要素の温度は周囲雰囲気と同等の温度となっていることが多く、少なくとも冷却手段によって冷却されたガスによって当該下流側の構成要素が冷却されて平衡温度に到達するまでは、冷却手段によって一旦冷却されたガスが下流側の構成要素によって再び温められる問題が生ずる。
上記問題について、添付図面を参照しながら、以下に詳しく説明する。図1は、前述のように、従来技術に係るガス充填装置におけるガス供給源から、冷却手段、ガス充填経路(配管)、及びノズル部を介して、ガス供給先にガスを充填する際の、ガスの温度遷移を表す模式的なグラフである。図1に示すように、ガス供給源から冷却手段に至るまでのガスは周囲雰囲気と同等の温度(外気温度)となっている。次に、冷却手段による冷却によりガスは放熱し、ガスの温度は冷却温度にまで低下する。
しかしながら、冷却手段をガスの充填経路に増設しただけの従来技術に係るガス充填装置においては、上述のように、ガスの充填経路における冷却手段の下流側にある構成要素(例えば、ガスを供給するための配管やバルブ、ノズル等)については十分に冷却することができない。その結果、上記のように冷却温度にまで冷却されたガスの温度は、ガス充填経路(配管)を介してノズル部に到達するまでの間に、配管との熱交換によって上昇し、少し温まった温度となる。最後に、ノズル部を通ってガス供給先に充填されるまでの間においては、ノズル部との熱交換により、ガスの温度が更に上昇し、結構温まった温度となる。かかる状況は、少なくとも、冷却手段によって冷却されたガスとの熱交換により、冷却手段よりも下流側にある構成要素(図1においては配管及びノズル部)が十分に冷却されるまで継続する。
即ち、冷却手段をガスの充填経路に増設しただけの従来技術に係るガス充填装置においては、図2のグラフに示すように、ガス供給先に充填されるガスの温度(実線によって表される充填ガス温度)が充填開始直後は高く、その後、冷却手段によって冷却されたガスによって冷却手段よりも下流側の構成要素が冷却されるに従って低下し、やがて平衡温度(破線によって表される)に到達する。つまり、冷却手段をガスの充填経路に増設しただけの従来技術に係るガス充填装置においては、図2のグラフに示す白抜きの両矢印によって表されるように、充填開始から暫くの期間においては、充填ガス温度が平衡温度よりも高い状態が継続する。
上記の結果、冷却手段をガスの充填経路に増設しただけの従来技術に係るガス充填装置においては、ガスの充填経路における冷却手段の下流側にある構成要素を十分に冷却することができず、その結果、ガス貯蔵容器へのガスの充填に伴う温度上昇を十分に抑制することができず、過度の温度上昇が生ずると、前述のように、例えば、ガス貯蔵容器の変形、ガス貯蔵容器を構成する部材の脱離や破損等の問題の発生を招く虞がある。
尚、従来技術の1つの実施態様に係るガス充填装置においては、前述のように、ガスの充填経路における冷却手段よりも下流側の部分に充填機及び分岐部を配設し、当該充填機を使用して、当該分岐部からガスの充填経路における冷却手段よりも上流側の部分へとガスを循環させることにより、冷却手段よりも下流側の充填経路の一部を含む循環経路を冷却することが提案されている。これにより、ガスの充填経路における冷却手段から分岐部までの部分も冷却することができるので、ガス充填装置からガス貯蔵容器への充填開始直後のガスの温度をある程度は下げることができる。しかしながら、ガスの充填経路における分岐部よりも下流側の部分は、循環経路に含まれないため冷却されない。結果として、かかる従来技術に係るガス充填装置においては、ガス貯蔵容器へのガスの充填に伴う温度上昇を未だ十分に抑制することができない。加えて、かかる構成においては、上記循環経路にガスを循環させるための動力源(例えば、ポンプ等)を追加する必要があり、ガス充填装置の大型化やコスト増大を招く虞がある。
また、従来技術のもう1つの実施態様に係るガス充填装置においては、前述のように、複雑な循環経路におけるガスの流れを制御してガスの充填経路における冷却手段の下流側にある構成要素をも冷却することも提案されている。しかしながら、かかる構成においては、冷却のために使用したガスの回収容器や循環経路におけるガスの流れを制御するためのバルブ等を増設する必要があり、且つ、ガスの充填経路の最も下流側の部分を十分に冷却するためには当該部分へのガスの充填及び回収のサイクルを複数回繰り返す必要がある。従って、かかる構成においては、ガス充填装置の大型化やコスト増大を招く虞があることに加えて、ガス供給先(例えば、FCV等)へのガスの充填を迅速に開始することができない問題がある。
一方、本実施態様に係るガス充填装置は、上述のように、前記ガスを供給するガス供給源と前記ガスを冷却する冷却手段と前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とをこの順序で上流側から備えるガス充填経路、前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部、及び前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路を備える。
従って、本実施態様に係るガス充填装置においては、上述のように、前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることができる。つまり、本実施態様に係るガス充填装置においては、ガスの充填経路において最も下流側にある構成要素であるノズル部をも含む、ガスの充填経路における冷却手段の下流側にある全ての構成要素を冷却することができる。従って、冷却手段によって一旦冷却されたガスが下流側の構成要素によって再び温められることが回避され、ガス貯蔵容器へのガスの充填に伴う温度上昇を十分に抑制することができる。
尚、上記ガス充填経路は、上述のように、前記ガスを供給するガス供給源と、前記ガスを冷却する冷却手段と、前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とを、この順序で上流側から備える。ガス供給源は、例えば、化学反応や電気化学反応等により水素を発生させる装置等であってもよく、あるいは上記ガスが充填された密閉容器等であってもよい。ガス供給源の構成は、ガス充填経路に供給しようとするガスの圧力に応じた十分な耐圧性及び気密性を有する限り、如何なるものであってもよい。
例えば、ガス供給源が上記ガスが充填された密閉容器である場合、当該密閉容器を構成する材料としては、例えば、耐圧容器の材料として広く使用されている種々の材料(例えば、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属、ガラスFRPやカーボンFRP等の樹脂、又はこれらを含む多種多様な材料から選ばれる複数の材料を含んでなる複合材料等)を挙げることができる。即ち、この場合、本実施態様に係るガス充填装置が備えるガス供給源は、例えば、高圧ボンベや高圧タンク等の高圧容器と同様の構成を有する密閉容器とすることができる。
また、上記冷却手段は、ガス供給源から供給されるガスを冷却することが可能である限り、如何なる構成を有するものであってもよい。具体的には、冷却手段は、例えば、熱媒体とガスとの間での熱交換によってガスを冷却する熱交換器であってもよく、この場合、熱媒体は、例えば水や油等の液体であってもよく、あるいは、例えば空気や窒素等の気体であってもよい。加えて、ガスの冷却に当たっては、ガス充填経路における冷却手段の下流側のガス又はガス充填経路の温度を検出し、検出されたガスの温度が予め設定された閾値を超えた場合に、例えば、熱媒体の温度を下げたり、熱媒体の循環量を増大したりすることによって熱交換の効率を高めるように制御してもよい。
更に、上記ノズル部は、上述のように、例えば、FCV等、ガスを使用又は消費する装置又は設備等である前記ガス供給先が備える接続部(例えば、充填口、レセプタクル等)に脱着可能に嵌合することができる。即ち、本実施態様に係るガス充填装置からガス供給先にガスを充填する際には、当該ノズル部をガス供給先が備える接続部に嵌合させて、ガス供給先が備えるガス貯蔵容器(例えば、高圧水素タンク等)に連通する経路と、本実施態様に係るガス充填装置が備えるガス充填経路とを連通させ、これらの経路を介して、ガス供給先が備えるガス貯蔵容器の内部にガスを充填することができる。
また更に、これらの構成要素を上記の順序で連通する上記ガス充填経路は、これらの構成要素間でのガスの流通を可能とすることができる限り、如何なる構成を有するものであってもよい。具体的には、ガス充填経路は所謂「配管」であってもよく、この場合、当該配管を構成する材料としては、例えば、耐圧容器の材料として広く使用されている種々の材料(例えば、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属、ガラスFRPやカーボンFRP等の樹脂、又はこれらを含む多種多様な材料から選ばれる複数の材料を含んでなる複合材料等)を挙げることができる。
尚、当然のことながら、本実施態様に係るガス充填装置は、上述した構成要素に加えて、例えば、ガス供給源からノズル部に至るガス充填経路やガス充填経路における冷却手段よりも上流側と嵌合部とを連通するガス循環経路を介するガスの流れを制御するバルブ、これらの経路における気密性を保つパッキンや封止材等、ガス充填装置の構成要素として一般的に用いられる種々の部材を更に備えていてもよい。
上記に加えて、本実施態様に係るガス充填装置は、上述のように、前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部、及び前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路を更に備える。上記嵌合部は、上記ノズル部に脱着可能に嵌合可能である限り、如何なる構成を有するものであってもよい。従って、ガス供給先が備える接続部(例えば、充填口、レセプタクル等)として使用される部材を、嵌合部として使用することもできる。この場合、本実施態様に係るガス充填装置が備える嵌合部のための専用の部材を開発・製造する必要性が無く、既存の部材をそのまま流用することができるので、製造コスト削減等の観点からも望ましい。
また、上記ガス循環経路は、前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通することができる限り、如何なる構成を有するものであってもよい。具体的には、ガス循環経路は所謂「配管」であってもよく、この場合、当該配管を構成する材料としては、例えば、耐圧容器の材料として広く使用されている種々の材料(例えば、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属、ガラスFRPやカーボンFRP等の樹脂、又はこれらを含む多種多様な材料から選ばれる複数の材料を含んでなる複合材料等)を挙げることができる。
以上のように、本実施態様に係るガス充填装置によれば、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができる。
ところで、上述のように、本実施態様に係るガス充填装置が備えるガス供給源は、例えば、化学反応や電気化学反応等により水素を発生させる装置等であってもよく、あるいは上記ガスが充填された密閉容器等であってもよい。何れの場合であっても、ガス供給先へのガスの充填を安定的に実行する観点からは、ガス充填経路に供給されるガスの圧力が、ガス供給先への充填に必要とされるレベルにおいて安定していることが望ましい。このようにガス充填経路に供給されるガスの圧力を充填に必要とされるレベルに維持するための1つの方策として、ガス充填経路におけるガス供給源と冷却手段との間に、例えば、コンプレッサ等のガス圧縮手段を配設することが挙げられる。
即ち、本発明の第2の実施態様は、
本発明の前記第1の実施態様に係るガス充填装置であって、
前記ガス充填経路における前記ガス供給源と前記冷却手段との間に、前記ガスを圧縮するガス圧縮手段を更に備え、
前記ガス循環経路が、前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通する、
ガス充填装置である。
上記のように、本実施態様に係るガス充填装置は、前記ガス充填経路における前記ガス供給源と前記冷却手段との間に、前記ガスを圧縮するガス圧縮手段を更に備える。これにより、本実施態様に係るガス充填装置においては、ガス充填経路に供給されるガスの圧力を、ガス供給先へのガスの充填に必要とされるレベルに、より確実に維持することができる。また、本実施態様に係るガス充填装置においては、前記ガス循環経路が、前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通する。これにより、本実施態様に係るガス充填装置においては、上述のようにノズル部を嵌合部に嵌合させることにより、冷却手段から流出するガスを、ガス循環経路を介して、ガス充填経路における冷却手段よりも上流側に、より確実に循環させることができる。
即ち、本実施態様に係るガス充填装置においては、ガスの充填経路において最も下流側にある構成要素であるノズル部をも含む、ガスの充填経路における冷却手段の下流側にある全ての構成要素を冷却することを目的として、ガス循環経路を介してガスを循環させる際に、ガス循環経路にガスを循環させるための動力源として、ガス圧縮手段を使用することができる。従って、本実施態様に係るガス充填装置においては、ガス圧縮手段の吐出量等を制御することにより、ガス循環経路を介するガスの循環量を調整することができる。結果として、ガス充填経路における冷却手段の下流側にある構成要素(例えば、ガスを供給するための配管やバルブ、ノズル等)をより確実に冷却することができるので、冷却手段によって一旦冷却されたガスが下流側の構成要素によって再び温められることがより確実に回避され、ガス貯蔵容器へのガスの充填に伴う温度上昇をより確実に抑制することができる。
尚、上記ガス圧縮手段は、上記ガスを圧縮することができる限り、如何なる構成を有するものであってもよい。例えば、上記ガス圧縮手段は、ガス充填経路において、その上流側にあるガスを、その下流側に吐出して、その下流側におけるガスの圧力を、その上流側にあるガスの圧力よりも増大させるものであってもよい。具体的には、上記ガス圧縮手段は、上述のように、例えば、コンプレッサ等であってもよい。より具体的には、上記ガス圧縮手段は、例えば、アイオニックフリュードコンプレッサ等の液圧式コンプレッサであってもよい。この場合、ガスの圧縮に使用される液体は、上記ガスに溶け込み難く、上記ガスに対して不活性であることが望ましい。尚、水素用の液圧式コンプレッサにおいては、かかる不溶性且つ不活性な液体として、例えば、「アイオニック液」として当該技術分野において知られているものを使用することができる。
ところで、上述のように、本実施態様に係るガス充填装置は、ガス充填経路におけるガス供給源と冷却手段との間にガス圧縮手段を更に備える。これにより、本実施態様に係るガス充填装置においては、ガス充填経路に供給されるガスの圧力を、ガス供給先へのガスの充填に必要とされるレベルに、より確実に維持することができる。この場合、例えば、ガス圧縮手段の作動に伴うガスの圧力変動の抑制等、ガス充填経路におけるガス圧縮手段の下流側におけるガスの圧力の平準化等を目的として、ガス充填経路におけるガス圧縮手段と冷却手段との間に、ガスを貯蔵するガス貯蔵容器を更に設けてもよい。
従って、本発明の第3の実施態様は、
本発明の前記第2の実施態様に係るガス充填装置であって、
前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段と前記冷却手段との間に、前記ガス圧縮手段から流出する前記ガスを貯蔵する第1ガス貯蔵容器を更に備える、
ガス充填装置である。
上記のように、本実施態様に係るガス充填装置は、前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段と前記冷却手段との間に、前記ガス圧縮手段から流出する前記ガスを貯蔵する第1ガス貯蔵容器を更に備える。これにより、本実施態様に係るガス充填装置においては、上述のように、例えば、ガス圧縮手段の作動に伴うガスの圧力変動の抑制等、ガス充填経路におけるガス圧縮手段の下流側におけるガスの圧力の平準化等を達成することができる。
尚、上記第1ガス貯蔵容器を構成する材料としては、例えば、耐圧容器の材料として広く使用されている種々の材料(例えば、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属、ガラスFRPやカーボンFRP等の樹脂、又はこれらを含む多種多様な材料から選ばれる複数の材料を含んでなる複合材料等)を挙げることができる。即ち、この場合、本実施態様に係るガス充填装置が備える第1ガス貯蔵容器は、例えば、高圧ボンベや高圧タンク等の高圧容器と同様の構成を有する密閉容器とすることができる。
ところで、上述のように、本実施態様に係るガス充填装置が備えるガス供給源は、上記ガスが充填された密閉容器等であってもよい。
即ち、本発明の第4の実施態様は、
本発明の前記第2又は前記第3の実施態様の何れか1つに係るガス充填装置であって、
前記ガス供給源が、前記ガスを貯蔵する第2ガス貯蔵容器である、
ガス充填装置である。
上記のように、本実施態様に係るガス充填装置においては、前記ガス供給源が、前記ガスを貯蔵する第2ガス貯蔵容器である。この場合、ガス供給先への充填に伴い、本実施態様に係るガス充填装置が備えるガス供給源(即ち、第2ガス貯蔵容器)に貯蔵されるガスの量は減少す。従って、例えば、第2ガス貯蔵容器におけるガスの貯蔵量が予め定められた閾値となる量を下回った場合は、例えば、本実施態様に係るガス充填装置以外のガス供給施設等から、本実施態様に係るガス充填装置が備える第2ガス貯蔵容器にガスを充填する運用を敷いてもよい。
尚、上記第2ガス貯蔵容器を構成する材料としては、例えば、耐圧容器の材料として広く使用されている種々の材料(例えば、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属、ガラスFRPやカーボンFRP等の樹脂、又はこれらを含む多種多様な材料から選ばれる複数の材料を含んでなる複合材料等)を挙げることができる。即ち、この場合、本実施態様に係るガス充填装置が備えるガス供給源は、例えば、高圧ボンベや高圧タンク等の高圧容器と同様の構成を有する密閉容器とすることができる。
ところで、本実施態様に係るガス充填装置が備えるガス充填経路においては、圧縮手段を挟んで、上流側には第2ガス貯蔵容器(即ち、ガス供給源)が、下流側には第1ガス貯蔵容器が、それぞれ配設されている。従って、圧縮手段の作動により、上流側にある第2ガス貯蔵容器に貯蔵されるガスの圧力よりも、下流側にある第1ガス貯蔵容器に貯蔵されるガスの圧力の方が、より高くなる。
従って、本実施態様に係るガス充填装置においては、ノズル部を嵌合部に嵌合させて、冷却手段から流出するガスをガス循環経路を介してガス充填経路における冷却手段よりも上流側に循環させる際に、第1ガス貯蔵容器に貯蔵されるガスの圧力と第2ガス貯蔵容器に貯蔵されるガスの圧力との差によって、ガスを循環させることができる。これにより、本実施態様に係るガス充填装置においては、ガス充填経路における冷却手段の下流側にある構成要素(例えば、ガスを供給するための配管やバルブ、ノズル等)を冷却することを目的として、ノズル部を嵌合部に嵌合させて冷却手段から流出するガスをガス循環経路を介して循環させる際に、圧縮手段を作動させる必要が無い。結果として、かかる実施態様に係るガス充填装置によれば、複雑な構成や制御を必要とすることが無いだけではなく、極めて省エネルギ−な方式により、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができる。
即ち、本発明の第5の実施態様は、
本発明の前記第4の実施態様に係るガス充填装置であって、
前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記第1ガス貯蔵容器に貯蔵される前記ガスの圧力と前記第2ガス貯蔵容器に貯蔵される前記ガスの圧力との差によって、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることができる、
ガス充填装置である。
ところで、前述のように、相対的に高い圧力にてガスを供給するガス供給装置(例えば、FCVのための水素(ガス)ステーション等)から、相対的に低い圧力にてガスを貯蔵するガス貯蔵容器(例えば、FCVに搭載される高圧水素タンク等)へとガスを充填する際に、ジュール−トムソン効果により温度が上昇するガスの代表的な例として、水素を挙げることができる。また、水素は、前述のように、燃料電池を電源として搭載する燃料電池自動車(FCV)において反応ガスとして使用される。従って、例えば、今後のFCVの普及等に伴い、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填装置を提供することができる本発明を、高圧水素タンク等の水素貯蔵容器に水素を充填するガス充填装置に適用することの有効性は今後益々高まるものと考えられる。
従って、本発明の第6の実施態様は、
本発明の前記第1乃至前記第5の実施態様の何れか1つに係るガス充填装置であって、
前記ガスが水素である、
ガス充填装置である。
上記のように、本実施態様に係るガス充填装置においては、前記ガスが水素である。即ち、本実施態様に係るガス充填装置を用いてガス供給先に充填されるガスは水素である。従って、本実施態様に係るガス充填装置を用いて、例えば、FCVに搭載される高圧水素タンクに水素を充填することにより、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができ、FCVにおける信頼性及び安全性の向上、並びにコスト削減に寄与することができる。
以上説明してきたように、本発明によれば、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填装置を提供することができる。
ところで、前述のように、本発明のもう1つの目的は、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填方法を提供することである。かかるガス充填方法は、以上説明してきた幾つかの実施態様を始めとする本発明の種々の実施態様に係るガス充填装置を用いるガス充填方法によって実現することができる。
かかる本発明に係るガス充填方法の幾つかの実施態様につき以下に列挙する。但し、個々の実施態様に係るガス充填方法において用いられるガス充填装置の構成や動作の詳細については、本発明の上述の実施態様に係るガス充填装置に関する説明等から既に明らかであるので、以下に示す種々の実施態様に係るガス充填方法に関する説明においては、重複して説明することはしない。
先ず、本発明の第7の実施態様は、
ガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填方法であって、
前記ガスを供給するガス供給源と、前記ガスを冷却する冷却手段と、前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とを、この順序で上流側から備えるガス充填経路と、
前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部と、
前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路と、
を備えるガス充填装置において、
前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させて、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることにより、前記ノズル部をも含む前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも下流側にある全ての構成要素を冷却し、
斯くして冷却された前記ノズル部を前記接続部に嵌合させて、前記ガス供給先が備える前記ガス貯蔵容器に前記ガスを充填する、
ガス充填方法である。
また、本発明の第8の実施態様は、
本発明の前記第7の実施態様に係るガス充填方法であって、
前記ガス充填装置が、前記ガス充填経路における前記ガス供給源と前記冷却手段との間にガス圧縮手段を更に備え、
前記ガス循環経路が、前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通する、
ガス充填方法である。
更に、本発明の第9の実施態様は、
本発明の前記第8の実施態様に係るガス充填方法であって、
前記ガス充填装置が、前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段と前記冷却手段との間に、前記ガス圧縮手段から流出する前記ガスを貯蔵する第1ガス貯蔵容器を更に備える、
ガス充填方法である。
加えて、本発明の第10の実施態様は、
本発明の前記第8又は前記第9の実施態様の何れか1つに係るガス充填方法であって、
前記ガス供給源が、前記ガスを貯蔵する第2ガス貯蔵容器である、
ガス充填方法である。
また、本発明の第11の実施態様は、
本発明の前記第10の実施態様に係るガス充填方法であって、
前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させて、前記第1ガス貯蔵容器に貯蔵される前記ガスの圧力と前記第2ガス貯蔵容器に貯蔵される前記ガスの圧力との差によって、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させる、
ガス充填方法である。
更に、本発明の第12の実施態様は、
本発明の前記第7乃至前記第11の実施態様の何れか1つに係るガス充填方法であって、
前記ガスが水素である、
ガス充填方法である。
以上のように、本発明によれば、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部を含むガス充填経路を冷却して、充填に伴うガスの温度上昇を抑制することができるガス充填方法をも提供することができる。
本発明の幾つかの実施態様に関して、添付図面等を参照しつつ以下に説明する。但し、以下に述べる説明はあくまでも例示を目的とするものであり、本発明の範囲が以下の説明に限定されるものと解釈されるべきではない。
1−1.本発明の1つの実施態様に係るガス充填装置の構成
図3は、前述のように、本発明の1つの実施態様に係るガス充填装置の構成を示す模式図である。図3に示すように、本実施例に係るガス充填装置10は、ガス供給先(図示せず)が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填装置であって、ガス供給源(図示せず)と、冷却手段14と、ノズル部16とを、この順序で上流側から、ガス充填経路15上に備える。
上記に加えて、本実施例に係るガス充填装置10は、ノズル部16を脱着可能に嵌合することができる嵌合部17と、ガス充填経路15における冷却手段14よりも上流側(図示せず)と嵌合部17とを連通するガス循環経路18と、を更に備える。尚、図3においては、ノズル部16が嵌合部17に嵌合された状態を示す。
また、本実施例に係るガス充填装置10が備える上述の各種構成要素は、嵌合部17及びガス循環経路18を除き、何れも一般的なガス充填装置が備える構成要素であり、本実施例に係るガス充填装置10が複雑な構成や制御を必要とするものではないことは明らかである。
1−2.本発明の1つの実施態様に係るガス充填装置の冷却動作
上述のような構成を有する本実施例に係るガス充填装置10においては、ガス供給先(図示せず)へのガスの充填を行わないときには、図3に示す矢印によって表されるように、ノズル部16を嵌合部17に嵌合させることにより、冷却手段14から流出する低温のガスを、ガス充填経路15、ノズル部16、嵌合部17,及びガス循環経路18を介して、ガス充填経路15における冷却手段14よりも上流側(図示せず)に循環させることができる。
上記により、本実施例に係るガス充填装置10においては、ガス充填経路15において最も下流側にある構成要素であるノズル部16をも含む、ガス充填経路15における冷却手段14の下流側にある全ての構成要素を冷却することができる。結果として、本実施例に係るガス充填装置10によれば、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先(図示せず)にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部16を含むガス充填経路15を冷却することができる。
1−3.本発明の1つの実施態様に係るガス充填装置の充填動作
ガス供給先(図示せず)へのガスの充填時には、ノズル部16が嵌合部17から外され、ガス供給先が備える接続部に嵌合される。この際、本実施例に係るガス充填装置10においては、上記のように、ノズル部16を含むガス充填経路15における冷却手段14の下流側の全ての構成要素が冷却されている。従って、ガス供給先へのガスの充填直後においても、冷却手段14によって一旦冷却されたガスが下流側の構成要素によって再び温められる問題が生ずることを回避することができる。結果として、本実施例に係るガス充填装置10によれば、充填に伴うガスの温度上昇を確実に抑制することができる。
2−1.本発明のもう1つの実施態様に係るガス充填装置の構成
図4は、前述のように、本発明のもう1つの実施態様に係るガス充填装置の構成を示す模式図である。図4に示すように、本実施例に係るガス充填装置10は、ガス供給先(図示せず)が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填装置であって、ガス供給源11と、ガス圧縮手段12と、冷却手段14と、ノズル部16とを、この順序で上流側から、ガス充填経路15上に備える。
上記に加えて、本実施例に係るガス充填装置10は、ノズル部16を脱着可能に嵌合することができる嵌合部17と、ガス充填経路15における圧縮手段12よりも上流側(にある分岐部)と嵌合部17とを連通するガス循環経路18と、を更に備える。尚、図4においては、ノズル部16が嵌合部17に嵌合された状態を示す。
また、本実施例に係るガス充填装置10が備える上述の各種構成要素は、嵌合部17及びガス循環経路18を除き、何れも一般的な「直接昇圧タイプ」のガス充填装置が備える構成要素であり、本実施例に係るガス充填装置10が複雑な構成や制御を必要とするものではないことは明らかである。
2−2.本発明のもう1つの実施態様に係るガス充填装置の冷却動作
上述のような構成を有する本実施例に係るガス充填装置10においては、ガス供給先(図示せず)へのガスの充填を行わないときには、図4に示す矢印によって表されるように、ノズル部16を嵌合部17に嵌合させることにより、冷却手段14から流出する低温のガスを、ガス充填経路15、ノズル部16、嵌合部17,及びガス循環経路18を介して、ガス充填経路15における圧縮手段12よりも上流側(にある分岐部)に循環させることができる。
上記により、本実施例に係るガス充填装置10においては、ガス充填経路15において最も下流側にある構成要素であるノズル部16をも含む、ガス充填経路15における冷却手段14の下流側にある全ての構成要素を冷却することができる。尚、図4においては、ガス循環経路18の嵌合部17とは反対側の端部は、ガス充填経路15における圧縮手段12よりも上流側にある分岐部に連通しているが、例えば、ガス供給源11と圧縮手段12とを連通する部分の構成によっては、ガス循環経路18の嵌合部17とは反対側の端部が、ガス供給源11に連通してもよい。
また、本実施例に係るガス充填装置10においては、圧縮手段12の作動により、冷却手段14によって冷却されたガスを、ガス循環経路18を介して循環させることができる。結果として、本実施例に係るガス充填装置10によれば、複雑な構成や制御を必要とすること無く、ガス供給先(図示せず)にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部16を含むガス充填経路15を冷却することができる。
2−3.本発明のもう1つの実施態様に係るガス充填装置の充填動作
ガス供給先(図示せず)へのガスの充填時には、ノズル部16が嵌合部17から外され、ガス供給先が備える接続部に嵌合される。この際、本実施例に係るガス充填装置10においては、上記のように、ノズル部16を含むガス充填経路15における冷却手段14の下流側の全ての構成要素が冷却されている。従って、ガス供給先へのガスの充填直後においても、冷却手段14によって一旦冷却されたガスが下流側の構成要素によって再び温められる問題が生ずることを回避することができる。結果として、本実施例に係るガス充填装置10によれば、充填に伴うガスの温度上昇を確実に抑制することができる。
3−1.本発明の更にもう1つの実施態様に係るガス充填装置の構成
図5は、前述のように、本発明の更にもう1つの実施態様に係るガス充填装置の構成を示す模式図である。図5に示すように、本実施例に係るガス充填装置10は、ガス供給先(図示せず)が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填装置であって、ガス供給源としての第2ガス貯蔵容器11と、ガス圧縮手段12と、第1ガス貯蔵容器13と、冷却手段14と、ノズル部16とを、この順序で上流側から、ガス充填経路15上に備える。
上記に加えて、本実施例に係るガス充填装置10は、ノズル部16を脱着可能に嵌合することができる嵌合部17と、ガス充填経路15における圧縮手段12よりも上流側にある第2ガス貯蔵容器11と嵌合部17とを連通するガス循環経路18と、を更に備える。尚、図5においては、ノズル部16が嵌合部17に嵌合された状態を示す。
また、本実施例に係るガス充填装置10が備える上述の各種構成要素は、嵌合部17及びガス循環経路18を除き、何れも一般的な「差圧充填タイプ」のガス充填装置が備える構成要素であり、本実施例に係るガス充填装置10が複雑な構成や制御を必要とするものではないことは明らかである。
3−2.本発明の更にもう1つの実施態様に係るガス充填装置の冷却動作
上述のような構成を有する本実施例に係るガス充填装置10においては、ガス供給先(図示せず)へのガスの充填を行わないときには、図5に示す矢印によって表されるように、ノズル部16を嵌合部17に嵌合させることにより、冷却手段14から流出する低温のガスを、ガス充填経路15、ノズル部16、嵌合部17,及びガス循環経路18を介して、ガス充填経路15における圧縮手段12よりも上流側にある第2ガス貯蔵容器11に循環させることができる。
上記により、本実施例に係るガス充填装置10においては、ガス充填経路15において最も下流側にある構成要素であるノズル部16をも含む、ガス充填経路15における冷却手段14の下流側にある全ての構成要素を冷却することができる。尚、図5においては、ガス循環経路18の嵌合部17とは反対側の端部は、第2ガス貯蔵容器11の最も上流側の部位に連通しているが、第2ガス貯蔵容器11の他の部位に連通してもよい。また、第2ガス貯蔵容器11と圧縮手段12とを連通する部分の構成によっては、ガス循環経路18の嵌合部17とは反対側の端部が、ガス充填経路15における第2ガス貯蔵容器11と圧縮手段12とを連通する部分に連通してもよい。
更に、本実施例に係るガス充填装置10においては、上述のように、圧縮手段12の作動により、上流側にある第2ガス貯蔵容器11に貯蔵されるガスの圧力よりも、下流側にある第1ガス貯蔵容器13に貯蔵されるガスの圧力の方が、より高くなる。従って、本実施例に係るガス充填装置10においては、第1ガス貯蔵容器13に貯蔵されるガスの圧力と第2ガス貯蔵容器11に貯蔵されるガスの圧力との差により、ガス循環経路18を介して、ガスを循環させることができる。結果として、本実施例に係るガス充填装置10によれば、複雑な構成や制御を必要とすることが無いだけではなく、極めて省エネルギ−な方式により、ガス供給先(図示せず)にガスを供給するための接続部に嵌合させるノズル部16を含むガス充填経路15を冷却することができる。
3−3.本発明の更にもう1つの実施態様に係るガス充填装置の充填動作
ガス供給先(図示せず)へのガスの充填時には、ノズル部16が嵌合部17から外され、ガス供給先が備える接続部に嵌合される。この際、本実施例に係るガス充填装置10においては、上記のように、ノズル部16を含むガス充填経路15における冷却手段14の下流側の全ての構成要素が冷却されている。従って、ガス供給先へのガスの充填直後においても、冷却手段14によって一旦冷却されたガスが下流側の構成要素によって再び温められる問題が生ずることを回避することができる。結果として、本実施例に係るガス充填装置10によれば、充填に伴うガスの温度上昇を確実且つ有効に抑制することができる。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施態様について説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様に限定されるものではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることができることは言うまでも無い。
10…ガス充填装置、11…第2ガス貯蔵容器(ガス供給源)、12…ガス圧縮手段、13…第1ガス貯蔵容器、14…冷却手段、15…ガス充填経路、16…ノズル部、17…嵌合部、及び18…ガス循環経路。

Claims (12)

  1. ガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填装置であって、
    前記ガスを供給するガス供給源と、前記ガスを冷却する冷却手段と、前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とを、この順序で上流側から備えるガス充填経路と、
    前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部と、
    前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路と、
    を備え、
    前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることができる、
    ガス充填装置。
  2. 請求項1に記載のガス充填装置であって、
    前記ガス充填経路における前記ガス供給源と前記冷却手段との間に、前記ガスを圧縮するガス圧縮手段を更に備え、
    前記ガス循環経路が、前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通する、
    ガス充填装置。
  3. 請求項2に記載のガス充填装置であって、
    前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段と前記冷却手段との間に、前記ガス圧縮手段から流出する前記ガスを貯蔵する第1ガス貯蔵容器を更に備える、
    ガス充填装置。
  4. 請求項2又は3の何れか1項に記載のガス充填装置であって、
    前記ガス供給源が、前記ガスを貯蔵する第2ガス貯蔵容器である、
    ガス充填装置。
  5. 請求項4に記載のガス充填装置であって、
    前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させることにより、前記第1ガス貯蔵容器に貯蔵される前記ガスの圧力と前記第2ガス貯蔵容器に貯蔵される前記ガスの圧力との差によって、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることができる、
    ガス充填装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のガス充填装置であって、
    前記ガスが水素である、
    ガス充填装置。
  7. ガス供給先が備えるガス貯蔵容器にガスを充填するガス充填方法であって、
    前記ガスを供給するガス供給源と、前記ガスを冷却する冷却手段と、前記ガス供給先が備える接続部に脱着可能に嵌合されるノズル部とを、この順序で上流側から備えるガス充填経路と、
    前記ノズル部が脱着可能に嵌合される嵌合部と、
    前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通するガス循環経路と、
    を備えるガス充填装置において、
    前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させて、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させることにより、前記ノズル部をも含む前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも下流側にある全ての構成要素を冷却し、
    斯くして冷却された前記ノズル部を前記接続部に嵌合させて、前記ガス供給先が備える前記ガス貯蔵容器に前記ガスを充填する、
    ガス充填方法。
  8. 請求項7に記載のガス充填方法であって、
    前記ガス充填装置が、前記ガス充填経路における前記ガス供給源と前記冷却手段との間にガス圧縮手段を更に備え、
    前記ガス循環経路が、前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段よりも上流側と前記嵌合部とを連通する、
    ガス充填方法。
  9. 請求項8に記載のガス充填方法であって、
    前記ガス充填装置が、前記ガス充填経路における前記ガス圧縮手段と前記冷却手段との間に、前記ガス圧縮手段から流出する前記ガスを貯蔵する第1ガス貯蔵容器を更に備える、
    ガス充填方法。
  10. 請求項8又は9の何れか1項に記載のガス充填方法であって、
    前記ガス供給源が、前記ガスを貯蔵する第2ガス貯蔵容器である、
    ガス充填方法。
  11. 請求項10に記載のガス充填方法であって、
    前記ノズル部を前記嵌合部に嵌合させて、前記第1ガス貯蔵容器に貯蔵される前記ガスの圧力と前記第2ガス貯蔵容器に貯蔵される前記ガスの圧力との差によって、前記冷却手段から流出する前記ガスを前記ガス循環経路を介して前記ガス充填経路における前記冷却手段よりも上流側に循環させる、
    ガス充填方法。
  12. 請求項7乃至11の何れか1項に記載のガス充填方法であって、
    前記ガスが水素である、
    ガス充填方法。
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