JP2013234614A - 吸気ダクト - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成で通気抵抗を低減することができ、チューニングホールからの水やダストなどの異物の侵入の防止や、チューニングホールから外気が吸い込まれることによる気流音の発生の抑制及び、内燃機関で生じた脈動音の放射音を小さくすることができる吸気ダクトを提供する。
【解決手段】筒状に形成されて少なくとも外気の導入経路に沿って2分割された第1の分割体及び第2の分割体によって形成され、導入経路の内周側に外気を整流する整流板を備える吸気ダクトにおいて、第1の分割体は、内壁面から突出するとともに導入経路に沿って延びる第1の整流リブが形成され、第2の分割体は、内壁面から突出するとともに導入経路に沿って延びる一対の第2の整流リブが形成され、整流板は、一対の第2の整流リブの間に第1の整流リブが挿入されることで形成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、吸気ダクトに係り、特に、車両用内燃機関へ外気を導入するために、エアクリーナの上流側に設置される吸気ダクトに関する。
従来、内燃機関用の吸気ダクトとして、吸気ダクト内を流れる空気の吸気ダクトの曲り部での流れの急変による剥離流れを抑制するために、該曲り部に整流板を形成した吸気ダクトが知られている。
特開平7−128107号公報
特許文献1に記載されたエンジン用吸気装置は、エアクリーナと、該エアクリーナに流れ込んだ空気の下流側に設けられてエンジンに流れ込む空気流量を測定する熱式エアフロメータとを備えたエンジン用吸気装置であって、前記エアクリーナは、エアクリーナケースと、該エアクリーナケース内に収納され通過する空気から除塵するエレメントと、該エレメントの各部分から流れ出て合流した空気をエアクリーナケースから前記熱式エアフロメータに導くダクトとから構成され、前記ダクトは前記合流した空気を前記エアクリーナケースの平面部に設けた開口から自身の内部に取り入れ前記平面部と平行な方向へと導くために曲げられた流路を有し、かつ、該ダクト内部に整流板が設けられており、該整流板は、前記曲げられた流路に沿って長く伸長し一端が前記エアクリーナケースの開口側に曲げられて該開口と対向し、他端が前記熱式エアフロメータ側に向かって伸び出した板状の部材よりなることを特徴とする。
このように特許文献1に記載された吸気装置は、ダクト内の整流板によりエンジンの出力を低下することなく、熱式エアフロメータの出力変動を小さく抑えることができ、高精度なエンジン制御が可能となる。
上述した従来の吸気ダクトの構成によると、図6に示すように、整流板は、外気の導入経路に沿って2分割された分割体120,130の内壁面から互いに突出するようにリブ121,131を形成し、該リブ121,131の先端同士を当接させて形成しているので、リブ121,131の寸法精度によっては、該リブ121,131間に隙間140が生じたり、リブ121,131同士が突っ張ることで整流板が撓んでしまうという問題が生じる。リブ121,131間に隙間140が生じた場合には、該隙間140によって異音となる風切音が生じ、整流板が撓んだ場合には、十分な整流効果が得られないばかりか、分割体120,130の組付けに悪影響を及ぼす可能性もある。したがって、これを回避するために、リブ121,131の寸法精度を極めて厳密に管理する必要があった。
また、分割体120,130は、整流板の根本近傍にチューニングホール133と呼ばれる小径の貫通孔を穿孔して内燃機関で生じた異音を消音することが知られているが、チューニングホール133を形成した場合、低騒音化のニーズに対しては効果的に消音効果を奏するものの、チューニングホール133から水等が吸気ダクト100内部に侵入してしまう可能性があるといった問題もあった。また、チューニングホール133を形成した場合、チューニングホール133から外気が吸い込まれることによって生じる気流音及び、内燃機関で生じた脈動音がチューニングホール133から放射することによる放射音が発生してしまうといった問題もあった。
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、簡便な構成で通気抵抗を低減することができ、チューニングホールからの水やダストなどの異物の侵入の防止や、チューニングホールから外気が吸い込まれることによる気流音の発生の抑制及び、内燃機関で生じた脈動音の放射音を小さくすることができる吸気ダクトを提供することを目的とする。
本発明に係る吸気ダクトは、一端がエアクリーナに接続され、他端に外気を導入する開口部を有する筒状に形成するように少なくとも前記外気の導入経路に沿って2分割された第1の分割体及び第2の分割体によって形成され、前記導入経路の内周側に前記外気を整流する整流板を備える吸気ダクトにおいて、前記第1の分割体は、内壁面から突出するとともに前記導入経路に沿って延びる第1の整流リブが形成され、前記第2の分割体は、内壁面から突出するとともに前記導入経路に沿って延びる一対の第2の整流リブが形成され、前記整流板は、前記一対の第2の整流リブの間に前記第1の整流リブが挿入されることで形成されることを特徴とする。
また、本発明に係る吸気ダクトにおいて、前記第2の整流リブの間は、吸気ダクトの外部と連通していると好適である。
また、本発明に係る吸気ダクトにおいて、前記第1の整流リブと前記第2の整流リブは所定の間隙を有して配置されると好適である。
また、本発明に係る吸気ダクトにおいて、前記導入経路と直交する断面において、前記第1の整流リブは、前記第1の整流リブ及び前記第2の整流リブのそれぞれの先端部において互いに重複するように挿入されると好適である。
また、本発明に係る吸気ダクトにおいて、前記整流板は、前記導入経路の曲り部に形成されると好適である。
上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
本発明に係る吸気ダクトは、整流板が一対の第2の整流リブの間に第1の整流リブが挿入されることで形成されているので、第1及び第2の整流リブの寸法精度を厳密に管理することなく、簡便な構成で整流板を構成することができる。
また、本発明に係る吸気ダクトは、第2の整流リブの間は、吸気ダクトの外部と連通しまた、所定の間隙を持って互いに組み付けられているので、第1及び第2の整流リブの間の間隙がチューニングホールとして作用することができるので、内壁面に貫通孔を穿孔した場合と比べて吸気ダクトの内部に水等が浸入することを防止することができる。
また、本発明に係る吸気ダクトは、第1の整流リブが第2の整流リブに比べて十分に短く形成されているので、第1の分割体と第2の分割体を互いに組み合わせることで、第1の整流リブを第2の整流リブ間に容易に挿入することができる。
また、本発明に係る吸気ダクトは、整流板が導入経路の曲り部に形成されているので、曲り部で空気が渦を巻くことを抑制し、該渦を巻くことで圧損が高くなることを防止することができる。
本実施形態に係る吸気ダクトの概要を説明するための斜視図。 本実施形態に係る吸気ダクトの第1の分割体の構成を説明するための斜視図。 本実施形態に係る吸気ダクトの第2の分割体の構成を説明するための拡大図。 図1におけるA−A断面図。 (a)は本実施形態に係る吸気ダクトの断面図、(b)は従来の吸気ダクトの断面図。 従来の吸気ダクトの構成を説明するための断面図。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る吸気ダクトの概要を説明するための斜視図であり、図2は、本実施形態に係る吸気ダクトの第1の分割体の構成を説明するための斜視図であり、図3は、本実施形態に係る吸気ダクトの第2の分割体の構成を説明するための拡大図であり、図4は、図1におけるA−A断面図であり、図5は、(a)は本実施形態に係る吸気ダクトの断面図であり、(b)は従来の吸気ダクトの断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る吸気ダクト10は、筒状部材を半割に分割した第1の分割体20と第2の分割体30を互いに組み合わせた筒状に形成されており、一端が図示しないエアクリーナに接続されるとともに、他端に外気を導入する開口部11が形成されている。また、吸気ダクト10は、開口部11から導入された外気の流れを曲げてエアクリーナに接続できるように、曲り部13が形成されている。
第1の分割体20と第2の分割体30は、互いに溶着されて組み合わされている。溶着は、振動溶着、超音波溶着及び熱溶着などを適用することができる。また、互いに溶着せずにボルト・ナットで締結しても構わないし、クリップなどの係止手段を用いても構わない。第1の分割体20及び第2の分割体30は、合成樹脂によって形成されており、具体的には、夫々ポリプロピレン系樹脂やポリアミド系樹脂等の熱可塑性の合成樹脂が好適に用いられる。
図2に示すように、第1の分割体20の内壁面20aには、導入経路Fに沿って延びる第1の整流リブ21が形成されている。該第1の整流リブ21は、曲り部13に相当する位置に形成されており、導入経路Fと同様に約90°に曲げられた略L字形に形成されている。また、第1の分割体20の外縁部には、溶着リブ22が形成されている。
図3に示すように、第2の分割体30の内壁面30aには、第1の整流リブ21に対応するように導入経路Fに沿って延びる一対の第2の整流リブ31,31が形成されている。第2の整流リブ31,31の間隔は、上述した第1の整流リブ21が容易に挿入可能なように、第1の整流リブ21の厚さよりも広く形成されている。また、第2の整流リブ31,31の間には、導入経路Fに沿った貫通孔33が形成されており、該貫通孔33を介して吸気ダクト10の内部と外部とは連通している。さらに、第2の整流リブ31,31の端部は、連続リブ32,32によって互いに連続して形成されており、貫通孔33の周縁は第2の整流リブ31,31及び連続リブ32,32によって囲繞されている。
さらに、第2の分割体30の外縁部には、上述した第1の分割体20に形成された溶着リブ22に対応するように溶着リブ34が形成されている。これらの溶着リブ22,34は互いに圧接した状態で振動や熱を加えることで溶融及び固化して互いに溶着される。
図4に示すように、第1の整流リブ21と第2の整流リブ31,31は、互いに組み合わされて整流板12を形成しており、第1の整流リブ21は、一対の第2の整流リブ31,31の間に挿入されている。上述したように、第2の整流リブ31,31の間隔は、第1の整流リブ21の厚さよりも広く形成されているので、第1の整流リブ21の両側には、第2の整流リブ31,31との間に所定の間隙40,40が形成されている。なお、上述したように、整流板12は、吸気ダクト10の曲り部13に形成されているので、吸気ダクト10の内部を流れる外気の剥離流れを抑制することで通気抵抗を低減することができる。
また、導入経路と直交する断面において、第1の整流リブ21は、第1の整流リブ21の先端部21a及び第2の整流リブ31,31のそれぞれの先端部31a,31aのみが互いに重複するように挿入されている。このように、第1の整流リブ21及び第2の整流リブ31,31の先端部21a,31aのみが重複するように挿入されているので、第1の整流リブ21及び第2の整流リブ31,31が成形条件によって若干変形した場合であっても、第1の分割体20及び第2の分割体30を組み合わせるだけで、第1の整流リブ21を第2の整流リブ31,31の間に容易に挿入して組み合わせることができる。また、第1の整流リブ21を第2の整流リブ31,31の間に挿入した後も第1の整流リブ21及び第2の整流リブ31,31が互いに衝突することがなく、これらが衝突することによって異音が生じることがない。
このように、本実施形態に係る吸気ダクト10は、第1の整流リブ21が第2の整流リブ31,31の間に挿入されて整流板12を構成しているので、それぞれの寸法精度を厳密に管理することなく、容易に整流板12を形成することができる。
また、第2の整流リブ31,31の間に貫通孔33を形成しているので、第1の整流リブ21及び第2の整流リブ31,31との間の間隙40,40をチューニングホールとして作用させることが可能となる。したがって、チューニングホールを別途形成することが不要となり、製造コストを抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態に係る吸気ダクト10は、貫通孔33の周縁に第2の整流リブ31,31及び連続リブ32,32が形成されているので、大気中のダストや車輪によって跳ね上げられた水が間隙40,40から吸気ダクト10内へ侵入することを防止できる。
また、第2の整流リブ31,31の間に貫通孔33を形成し、第1の整流リブ21及び第2の整流リブ31,31との間の間隙40,40をチューニングホールとして作用させているので、間隙40,40を介して吸気ダクト10の外部から内部に外気が入り込みづらいラビリンス構造となっており、外気の吸入によって生じる気流音を抑制することができる。
さらに、図5(a)に示すように、内燃機関で生じた脈動音の放射音が生じた場合でも、第1の整流リブ21及び第2の整流リブ31,31との間に間隙40,40が形成されていることにより、放射音の測定点Mから間隙40,40までの測定距離Lが、図5(b)に示すように、従来の吸気ダクト100のように、吸気ダクト100の管壁にチューニングホール133を穿孔した場合の測定距離L´に比べて大きくすることができ、放射音を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る吸気ダクト10では、吸気ダクト10を第1の分割体20及び第2の分割体30で2分割に形成した場合について説明したが、分割する方法は2分割に限られず、求められる外形形状に応じて3分割やそれ以上に分割して形成しても構わない。また、本実施形態に係る吸気ダクト10では、第1の分割体20と第2の分割体30とを溶着によって組み合わせた場合について説明したが、第1の分割体20と第2の分割体30とは、周知の係止手段を適用して互いに組み合わせても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 吸気ダクト, 11 開口部, 12 整流板, 13 曲り部, 20 第1の分割体, 21 第1の整流リブ, 21a,31a 先端部, 22,34 溶着リブ, 30 第2の分割体, 31 第2の整流リブ, 32 接続リブ, 33 貫通孔, 40 間隙, F 導入経路, L,L´ 測定距離, M 測定点。

Claims (5)

  1. 一端がエアクリーナに接続され、他端に外気を導入する開口部を有する筒状に形成するように少なくとも前記外気の導入経路に沿って2分割された第1の分割体及び第2の分割体によって形成され、前記導入経路の内周側に前記外気を整流する整流板を備える吸気ダクトにおいて、
    前記第1の分割体は、内壁面から突出するとともに前記導入経路に沿って延びる第1の整流リブが形成され、
    前記第2の分割体は、内壁面から突出するとともに前記導入経路に沿って延びる一対の第2の整流リブが形成され、
    前記整流板は、前記一対の第2の整流リブの間に前記第1の整流リブが挿入されることで形成されることを特徴とする吸気ダクト。
  2. 請求項1に記載の吸気ダクトにおいて、
    前記第2の整流リブの間は、吸気ダクトの外部と連通していることを特徴とする吸気ダクト。
  3. 請求項1又は2に記載の吸気ダクトにおいて、
    前記第1の整流リブと前記第2の整流リブは所定の間隙を有して配置されることを特徴とする吸気ダクト。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の吸気ダクトにおいて、
    前記導入経路と直交する断面において、前記第1の整流リブは、前記第1の整流リブ及び前記第2の整流リブのそれぞれの先端部において互いに重複するように挿入されることを特徴とする吸気ダクト。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の吸気ダクトにおいて、
    前記整流板は、前記導入経路の曲り部に形成されることを特徴とする吸気ダクト。
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