JP6659441B2 - 消音器付き通気ダクト - Google Patents

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Description

本発明は、消音器付き通気ダクトに関する。特に共鳴型消音器が備えられた消音器付き通気ダクトに関する。
内燃機関への空気の供給や、集合電池等への冷却風の供給や、空調用など、多様な用途に、通気ダクトが用いられている。通気ダクトの内部に設けられた通気経路に空気が通流して、必要な空気が送られる。また、通気ダクトは、騒音の伝達経路や騒音の発生源となることもあるため、消音器が設けられることがある。
通気ダクトには、消音器として、共鳴型消音器(いわゆるレゾネータやサイドブランチなど)が設けられることがある。共鳴型消音器は、通気ダクトの通気経路から分岐するように設けられる。共鳴型消音器を使用すると、特定の周波数の騒音を効率的に消音できる。
共鳴型消音器を備える通気ダクトにおいて、いわゆる笛吹き音が発生することがある。笛吹き音は、空気の流量が大きい(流速が高い)使用条件で発生しやすく、笛吹き音が発生すると非常にうるさい騒音となる。そのため共鳴型消音器付きの通気ダクトでは、笛吹き音の発生を防止することが求められている。
笛吹き音の発生を防止する技術としては、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたような技術がある。特許文献1には、ダクト本体内面に、レゾネータ連通孔の上流側周辺に空気の流れ制御突起を空気流路内に突出して形成し、笛吹き音の発生を抑えることが開示されている。また、特許文献2には、共鳴型消音器が分岐する部分に近接した位置に、ダクト本体に貫通穴を設けることによって、笛吹き音の発生を抑えることが開示されている。
特開2008−267210号公報 特開2013−224644号公報
発明者が検討したところ、特許文献1に開示された技術は、流れ制御突起を空気流路内に突出して形成するため、その部分で通気経路の断面が小さくなり、空気の通気抵抗が大きくなりやすいことが判明した。
また、特許文献2に開示された技術は、ダクト本体の内部が負圧となる吸気ダクトでは有効であるが、ダクト本体の内部が正圧となるようなダクトでは笛吹き音発生抑制効果が損なわれてしまう。
本発明の目的は、他の技術的手段によって、共鳴型消音器を備える通気ダクトの笛吹き音の発生を抑制・予防することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、共鳴型消音器がダクト本体に接続される管状部の管壁に特定の形態で突起を形成すると、笛吹き音の発生が抑制されることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、内部に空気を通流させるダクト本体と共鳴型消音器が一体化された消音器付き通気ダクトであって、共鳴型消音器はダクト本体から分岐するように設けられており、共鳴型消音器はダクト本体から分岐する部分に中空管状の管状部を有しており、前記管状部には、ダクト本体を通流する空気の下流側となる位置に突起が設けられている一方で、ダクト本体を通流する空気の上流側となる位置では突起が設けられておらず、前記突起は前記管状部に一体成形されており、前記突起は、ダクト本体と管状部が接続している接続部からダクト本体の半径方向に所定距離だけ離間した位置に、管状部の内側に向かって突出するように設けられ、前記突起がダクト本体の内部空間に面する面と、前記接続部近傍のダクト本体の内周面とが、階段状に設けられている消音器付き通気ダクトである(第1発明)。
第1発明においては、管状部の長さ方向の位置において、突起が管状部の長さ方向中央よりも前記接続部に近い側に設けられており、かつ、
管状部の下流側の内周面が、突起よりもダクト本体側の部分と、その反対側の部分とで、略同一の面に合致するように形成されていることが好ましい(第2発明)。
本発明の消音器付き通気ダクト(第1発明)によれば、共鳴型消音器を備える通気ダクトの笛吹き音の発生を抑制・予防できる。さらに、第2発明のようにすれば、より効果的に笛吹き音の発生を抑制・予防できると共に、突起による共鳴型消音器の共鳴周波数の変化も少なくできる。
第1実施形態の消音器付き通気ダクトの空気の流れ方向に沿った断面図である。 第1実施形態の消音器付き通気ダクトの連通管部分を空気の流れ方向に沿って見た部分断面図である。 第1実施形態の消音器付き通気ダクトにおけるダクト内部の空気の流れを示す模式図である。 従来の消音器付き通気ダクトにおけるダクト内部の空気の流れを示す模式図である。 第2実施形態の消音器付き通気ダクトの空気の流れ方向に沿った部分断面図である。 第2実施形態の消音器付き通気ダクトの空気の流れ方向に沿って見た部分断面図である。 実施例における笛吹き音防止効果を示す騒音測定結果である。
以下図面を参照しながら、自動車のエンジンに供給する空気を通流する通気ダクトを例として、本発明の第1実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1及び図2に示すダクト部材は、自動車エンジン吸気系の通気経路の一部に用いられる合成樹脂製の通気ダクト(特に吸気ダクト)である。通気ダクト1は、中空管状のダクト本体2と共鳴型消音器3が一体成形された部材である。ダクト本体2の両端部には、他のダクト部材やエアクリーナなどが接続されて、その内部に空気が通流し、ダクト本体2は、自動車エンジン吸気系の通気経路の一部を形成する。図1では、上流側や下流側に接続される部品は省略して、通気ダクト1のみを図示し、ダクト本体2の両端部も図示を省略している。図1中の白抜き矢印は一連の通気経路を通流する空気が流れる向きを示している。
通気ダクト1に備えられた共鳴型消音器3はダクト本体2から分岐するように設けられている。そして、ダクト本体2から共鳴型消音器3が分岐する部分に、共鳴型消音器3は中空管状の管状部31を有している。このような共鳴型消音器としては、例えばヘルムホルツ型レゾネータやサイドブランチ(1/4波長共鳴管)などが例示されるが、これらに限定されない。
本実施形態においては、通気ダクト1に一体化された共鳴型消音器3は、チャンバー(容積室)32と連通管(31)を備える、ヘルムホルツ型レゾネータであり、連通管の部分が管状部31に対応する。チャンバー32の内部空間は連通管(管状部)31の内部を通じて、ダクト本体2の空気通路と連通している。共鳴型消音器3は、特定の周波数で共鳴し、その共鳴周波数付近で消音効果を有する。
管状部31には、ダクト本体2を通流する空気の下流側となる位置31aの管壁に突起4が設けられている。一方で、管状部31において、ダクト本体2を通流する空気の上流側となる位置31bでは管壁に突起が設けられていない。すなわち突起4は管状部31の下流側31aにだけ設けられていて、管状部の上流側31bは単純な筒状の管壁とされている。図2に示すように、突起4は、管状部の下流側31aから管状部の周方向に所定の長さ(例えば管状部の直径d程度の長さ)に延在するように設けられることが好ましい。突起4の管状部周方向の長さは、管状部の周長の1/8〜1/2程度にされることが好ましい。
突起4は、管状部31の内側に向かって突出するように設けられている。突起4が管状部から突出する量eは、管状部の直径をdとして、d/5≦e≦d/2程度とされることが好ましい。
また、突起4は、ダクト本体2と管状部31が接続している接続部からダクト本体の半径方向に所定距離だけ離間した位置に設けられている。そして、図1に示すように、突起4がダクト本体2の内部空間に面する面(突起の上面)4aと、接続部近傍のダクト本体の内周面2aとが、階段状に設けられている。すなわち、図1における突起4の上面4aとダクト本体内周面2aの間には、ギャップgが存在する。ギャップgは、管状部の直径をdとして、d/6≦g≦d/4程度とされることが好ましい。また、突起4の上面4aは、本実施形態のようにダクト本体2の中心線と略平行に設けられていてもよいが、突起の先端に向かうにつれてダクト本体2から遠ざかるように、傾いて形成されていてもよい。突起4の上面4aが傾いている場合には、上面4aと管状部の管壁31aが接続する部分を基準にギャップgの大きさを決定すればよい。
また、必須ではないが、本実施形態における突起4のように、管状部31の長さ方向の位置において、突起4が管状部31の長さ方向中央よりも前記接続部に近い側に設けられていることが好ましい。また、必須ではないが、管状部31の下流側の内周面31aが、突起4よりもダクト本体側の部分(31a1)と、その反対側の部分(31a2)とで、略同一の面(例えば、突起4が存在しない場合の単純な管状の面)に合致するように形成されていることが好ましい。突起4の幅(管状部31の長さ方向の幅)は特に限定されないが、前述したギャップgと同程度であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、通気ダクト1のダクト本体2は直管状に形成されている。ダクト本体2は、曲がった形状(曲がり管形状)に形成されていてもよい。
本実施形態の通気ダクト1は、例えば、合成樹脂(例えばポリプロピレン樹脂)のブロー成形により、一体成形して製造することができる。合成樹脂の種類は特に限定されないが、製造の効率性の点から、熱可塑性樹脂であることが好ましい。なお、通気ダクトの製造方法は、ブロー成形に限定されず、樹脂の射出成形や他の製造方法を利用して製造しても良い。なお、通気ダクト1は必ずしも一体成形されなければならないわけではなく、複数の部材に分けて分割成形した上で、それら部材を組み立てて通気ダクト1を製造してもよい。
通気ダクト1の作用及び効果を説明する。
通気ダクト1は、通気経路中に置かれて使用される。共鳴型消音器3の管状部31の下流側の管壁31aに特定の形態で突起4が設けられ、上流側にはそのような突起が設けられないことにより、通気ダクト1内部の空気の流れが変化して、笛吹き音の発生が抑制される。以下に、それを説明する。
図4は、従来の共鳴型消音器付き通気ダクト9内部の空気の流れを模式的に示した断面図である。第1実施形態の通気ダクト1との違いは、突起4の有無である。従来の通気ダクト9では、ダクト内部を流れる空気流の一部が、レゾネータ92の連通管が分岐する部分の下流側で連通管の管壁にぶつかり、流れの一部が連通管に流れ込もうとする乱れが生じやすい。空気流の流速が高くなって、この流れの乱れが大きくなると、この乱れが原因となる自励振動が起きて笛吹き音が発生すると考えられる。また、連通管の接続部で発生した渦が、連通管が分岐する部分の下流側の角部Cにぶつかり、流れを乱しやすく、この乱れもまた、笛吹き音が発生する原因となる。
上記実施形態の通気ダクト1においては、共鳴型消音器3の管状部31には、ダクト本体2を通流する空気の下流側となる位置31aに突起4が設けられていて、さらに、突起4は、ダクト本体と管状部が接続している接続部からダクト本体の半径方向に所定距離だけ離間した位置に、管状部の内側に向かって突出するように設けられ、突起4がダクト本体の内部空間に面する面4aと、接続部近傍のダクト本体の内周面2aとが、階段状に設けられているため、ダクト本体2を流れる流れが、管状部31の内側に入り込みにくくなる。すなわち、ダクト本体内周面2aに対し隔たって、階段状に設けられた突起の面4aが存在することにより、管状部31の下流側で管状部の奥方向に向かおうとする流れがせき止められることになり、従来技術のような連通管への流れ込む乱れが抑制される。
また、上記構成により、上記実施形態の通気ダクトでは、管状部(31a)がダクト本体(2a)と接続する接続部Cから、突起4の上面4aの部分にかけて、流れのよどみ領域Qが生じ、このよどみ領域Qがスロープ状のクッションのようになり、ダクト本体内部の流れを管状部から遠ざけるように導くため、流れが管状部が分岐する部分の下流側の角部(接続部)Cにぶつかりにくくなる。図3ではこのよどみ領域Qを破線で示している。
そして、上記実施形態の通気ダクト1においては、管状部31の下流側31aに突起が設けられる一方で、上流側31bには突起が設けられておらず、ダクト本体内部の流れが管状部31の側に引き込まれにくくなっている。このような上流側の構成と下流側の構成が相乗的に作用して、連通管接続部の流れが乱れにくくなることに貢献している。
これらの作用により、上記実施形態の通気ダクト1においては、管状部31への気流の流れ込みや、管状部とダクト本体との接続部(角部C)への流れの吹付けが抑制され、笛吹き音の発生が抑制される。
また、上記効果は、ダクト本体に突起や孔を設けなくても得られるものである。特許文献1の技術のようにしても笛吹き音の抑制効果は得られるが、これら技術では、ダクト本体に突起が設けられるため、ダクト本体の流れが絞られることになって、通気抵抗が大きくなりがちである。上記実施形態の通気ダクト1では、ダクト本体に突起や孔を用いることなく流れを整流でき、通気抵抗をさほど悪化させることなく、笛吹き音の発生を抑制することができる。また、特許文献2の技術のようにダクト本体に穴を設けると、穴から外気が入り込むため、吸気温度が高くなったり、穴からダストが侵入したりといった問題が生じうるが、上記第1実施形態の通気ダクト1では、笛吹き音の抑制のために穴を設ける必要がないので、そのような問題を生じない。そのため、上記第1実施形態の通気ダクト1は、エアクリーナよりも下流側に設けられるダクト、いわゆるクリーンサイドのダクトとしても使用できる。
笛吹き音の発生を抑制する観点からは、管状部31の長さ方向の位置において、突起4が管状部31の長さ方向中央よりも、管状部31とダクト本体2の接続部に近い側に設けられることが特に好ましい。突起が接続部に近い方が、流れの整流効果が高められる。また、管状部31の下流側の管壁31aの内周面が、突起4よりもダクト本体側部分(31a1)と、その反対側部分(31a2)とで、略同一の面に合致するように形成されていると、突起4を設けたことによる、共鳴型消音器3の共鳴周波数の変化が少なくなる。したがって、突起4の設定に伴う消音器の共鳴周波数の変化をあまり気にせずに、笛吹き音の抑制対策ができ、技術の適用性に優れる。
また、笛吹き音の発生を抑制しつつ、共鳴型消音器の共鳴周波数の変化が少なくするという観点からは、突起4が管状部から突出する量eを、管状部の直径をdとして、d/5≦e≦d/2程度として、突起4の管状部周方向の長さを、管状部の周長の1/8〜1/3程度にすることが好ましい。このような高さと長さの突起を下流側に配することで、共鳴周波数の変化を抑制しながら、笛吹き音の発生をより効果的に抑制できる。
発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
上記実施形態では、自動車の内燃機関に供給する空気を吸引するための吸気ダクトにおける例を示したが、発明はこれに限定されない。本発明の消音器付き通気ダクトは、負圧をかけて吸引する吸気ダクトのみならず、正の圧力をかけて空気を送るダクトにも適用でき、同様の効果を奏する。また、通気ダクトが用いられる用途は、内燃機関の燃焼空気の送風用途に限定されず、例えば、燃料電池に供給する空気や、ハイブリッド自動車などの組電池を冷却するための空気を送るための送風ダクトや、各種エアコンディショナーの空調用の空気を送るためのエアコンダクトなどの用途であってもよい。
図5、図6には、発明の第2実施形態の消音器付き通気ダクトを示す。本実施形態では、第1実施形態に対し、主に突起5の形態が異なっており、他は同様である。
図5に示すように、本実施形態では、突起5は、突出端部に管状部31の中心軸と略平行に延在する面5bを有している。また、突起5は面5bが存在することにより、図5において、略四角形状の突起の断面を呈するように形成されている。
この様な形態の突起5であると、管状部31の中心軸と略平行に延在する面5bが存在することにより、ダクト本体2を流れる流れが、より、管状部31の内側に流れ込みにくくなって、笛吹き音の抑制効果が高められ、好ましい。
また、第2実施形態の消音器付き通気ダクトにおいては、図6に示すように、ダクト本体の中心線に沿って見て、突起5が湾曲して形成されている。具体的には、突起5がダクト本体の内部空間に面する面(上面)5aと、ダクト本体の内周面2aの間のギャップgが、ダクト本体の周方向にわたって一定のギャップになるようにされている。このような形状の突起とされていると、ダクト本体内の流れが管状部31に入り込みにくくなる効果がより顕著に発揮され、笛吹き音の発生抑制効果が特に高められる。
実施例として、上記第1実施形態の通気ダクト1を製作し、エアクリーナなどの一連の吸気系部品を接続してエンジンの吸気系とした。ダクト本体2の断面の等価直径は70mmであり、共鳴型消音器の管状部(連通管)の直径dは30mm、長さは50mmである。管状部の下流側の側壁に、突起4の上面がダクト本体の内周面から隔たる量(ギャップg)が6mmであり、突起の突出高さが9mmとなるように、突起4を設けた。得られた吸気系に対し、騒音試験や通気抵抗試験、レゾネータの共鳴周波数測定試験を行った。また、比較例として、突起4を設けていない通気ダクトを用いて同様の試験を行った。
(騒音試験)
一連の吸気系の空気吸い込み口から10cm隔たった位置で騒音を測定しながら、ブロワにより吸気系を通じて空気を吸引した。吸気系を通じて流れる空気流量を増大させていき、笛吹き音の発生を調べた。FFT分析した騒音測定結果を図7に示す。
空気流量が4立方メートル/分よりも小さい間は、実施例・比較例ともに笛吹き音の発生はなく、測定される騒音も同等レベルであった。空気流量が5立方メートル/分になると、実施例(突起4あり)では笛吹き音の発生はなかったが、比較例(突起なし)では笛吹き音が発生した。この時の騒音測定結果が図7(a)である。騒音測定結果では、比較例の330Hz付近に激しい騒音の発生が見られ、その周波数での騒音の音圧レベルが、実施例では84dBA、比較例では114dBAであり、実施例は約30dBの騒音低減効果があった。
また、空気流量が8立方メートル/分に達した時にも、比較例において激しい笛吹き音が発生した。一方、実施例(突起4あり)では笛吹き音の発生はなかった。この流量における騒音測定結果が図7(b)である。この流量では、笛吹き音は470Hz付近で発生しており、その周波数での騒音の音圧レベルで比べて、実施例は比較例に対し約30dBの騒音低減効果があった。
(通気抵抗試験)
吸気系に所定量の空気を流す際の通気抵抗の測定を行った。空気流量が5立方メートル/分のときの吸気系全体の通気抵抗は、実施例が0.98kPa、比較例が0.98kPaであって、通気抵抗の増加ほとんどなかった。
なお、特許文献1に開示されたように、ダクト本体に空気経路に突出するような突起を設けた場合(参考例1)に同様な通気抵抗の測定を行うと、通気抵抗は1.02kPaとなり、比較例と比べ、かなり通気抵抗が増加する。即ち、本発明の通気ダクトによれば、特許文献1に開示された技術(参考例1)に比べ、通気抵抗の増加を抑えることができるという効果も得られることが確認された。
また、実施例(管状部に突起あり)や比較例(突起無し)の通気ダクトにおいて、FFT装置を用いてレゾネータの共鳴周波数を測定した。実施例も比較例も、共鳴周波数は約370Hzであり、共鳴周波数の差は小さかった。
本発明の消音器付き通気ダクトは、空気が通流する空気経路を画成する吸気系の一部として使用でき、産業上の利用価値が高い。
1 消音器付き通気ダクト
2 ダクト本体
3 共鳴型消音器(レゾネータ)
31 管状部(連通管)
32 容積部(チャンバー)
4、5 突起

Claims (2)

  1. 内部に空気を通流させるダクト本体と共鳴型消音器が一体化された消音器付き通気ダクトであって、
    共鳴型消音器はダクト本体から分岐するように設けられており、
    共鳴型消音器はダクト本体から分岐する部分に中空管状の管状部を有しており、
    前記管状部には、ダクト本体を通流する空気の下流側となる位置に突起が設けられている一方で、ダクト本体を通流する空気の上流側となる位置では突起が設けられておらず、
    前記突起は前記管状部に一体成形されており、
    前記突起は、ダクト本体と管状部が接続している接続部からダクト本体の半径方向に所定距離だけ離間した位置に、管状部の内側に向かって突出するように設けられ、
    前記突起がダクト本体の内部空間に面する面と、前記接続部近傍のダクト本体の内周面とが、階段状に設けられている消音器付き通気ダクト。
  2. 管状部の長さ方向の位置において、突起が管状部の長さ方向中央よりも前記接続部に近い側に設けられており、かつ、
    管状部の下流側の内周面が、突起よりもダクト本体側の部分と、その反対側の部分とで、略同一の面に合致するように形成されている請求項1に記載の消音器付き通気ダクト。
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