JP2009036424A - 空調用ダクト - Google Patents
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Abstract
【課題】強度に優れ、圧損の増大を抑制でき、かつ安価に製造できる空調用ダクトを提供すること。
【解決手段】空調用ダクトを、筒状をなす外筒部1と筒状をなし外筒部1に取り付けられている内筒部3とで構成し、内筒部3の軸方向の一端部である内筒側取付部31を外筒部1に取り付け、内筒部の軸方向の他端部である自由端部32を外筒部の内周面から離間させ、内筒部3の一部である自由端部32および内側区画部33の外周面と外筒部1の内周面とでサイドブランチ型消音室4を区画する。そして、内筒部3の外周面にリブ35を設けるとともに、内筒部3を射出成形する。さらに、外筒部1を、軸方向の一端側を構成する第1分体10と、軸方向の他端側を構成する第2分体20と、で構成し、第1分体10における第2分体20側の端部である第1取付部11と、第2分体20における第1分体10側の端部である第2取付部21と、内筒側取付部31と、から選ばれる2つで、他の1つを挟み込む。
【選択図】図2
【解決手段】空調用ダクトを、筒状をなす外筒部1と筒状をなし外筒部1に取り付けられている内筒部3とで構成し、内筒部3の軸方向の一端部である内筒側取付部31を外筒部1に取り付け、内筒部の軸方向の他端部である自由端部32を外筒部の内周面から離間させ、内筒部3の一部である自由端部32および内側区画部33の外周面と外筒部1の内周面とでサイドブランチ型消音室4を区画する。そして、内筒部3の外周面にリブ35を設けるとともに、内筒部3を射出成形する。さらに、外筒部1を、軸方向の一端側を構成する第1分体10と、軸方向の他端側を構成する第2分体20と、で構成し、第1分体10における第2分体20側の端部である第1取付部11と、第2分体20における第1分体10側の端部である第2取付部21と、内筒側取付部31と、から選ばれる2つで、他の1つを挟み込む。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用空調装置の空気流路下流側に接続され、車両用空調装置から流出した空気を所定の方向に導く空調用ダクトに関する。
車両用空調装置(所謂エアコンディショナー)に接続される空調用ダクトは、筒状をなす。空調用ダクトの内部には、車両用空調装置から吹き出した空気が流通する。したがって、空調用ダクトには、車両用空調装置に由来する騒音が伝達する。この騒音を低減するために、空調用ダクトにレゾネータやサイドブランチなどの共鳴器を設ける技術がある。しかし、一般的なレゾネータやサイドブランチは、空調用ダクトの外部に大きく突出する。したがって、一般的なレゾネータやサイドブランチを設けた空調用ダクトは、著しく大型化する。このため車両によっては、この種の空調用ダクトを搭載する空間を確保できない場合がある。
吸気ダクトの内部に、サイドブランチまたはレゾネータとして機能する部分を設けることで、吸気ダクトを大型化せずに騒音を低減する技術もある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に紹介されている吸気ダクトを模式的に表す図を図9に示す。図9に示すように、特許文献1に紹介されている吸気ダクトは、筒状をなす外ダクト901と、筒状をなし外ダクト901の内周側に設けられている絞りダクト902と、が一体化されてなる。絞りダクト902の軸方向長さは外ダクト901の軸方向長さよりも短い。また、絞りダクト902の空気流路上流側端部903は外ダクト901と一体化されている。絞りダクト902は、軸方向の一部に、径方向断面積が部分的に小さい最挟部904を持つ。
特許文献1に紹介されている吸気ダクトによると、外ダクト901と絞りダクト902との間の空間をサイドブランチ型消音器として利用することで、騒音を低減できる。詳しくは、絞りダクト902の空気流路下流側端部905と外ダクト901の内周面とは離間している。このため、吸気ダクトを伝搬する騒音は、この隙間904をとおってサイドブランチ型消音器の内部(すなわち、外ダクト901の内周面と絞りダクト902の外周面との間に区画形成されている空間)に進入する。このため、特許文献1に紹介されている吸気ダクトによると、騒音を低減できる。また、この吸気ダクトを空調用ダクトとして転用すれば、車両用空調装置に由来する騒音を低減できると考えられる。以下、図9に示す吸気ダクトを転用してなる空調用ダクトを、図9に示す空調用ダクトと略する。
ところで、吸気ダクトや空調用ダクトの製造方法としては、一般にブロー成形法が用いられる。図9に示す空調用ダクトを製造する際には、図10に示すように、外ダクト901と絞りダクト902とを別体でブロー成形し、外ダクト901の空気流路上流側端面907を絞りダクト902に固着すればよいと考えられる。しかし、外ダクト901の空気流路上流側端面907の面積は小さいために、外ダクト901と絞りダクト902とを精度高く固着するのは困難である。このため、図9〜図10に示す空調用ダクトを製造する際には、外ダクト901および絞りダクト902を寸法精度高く成形することが要求される。このため、図9〜図10に示す空調用ダクトを安価に製造するのは困難である。
また、特許文献1に紹介されている空調用ダクトでは、絞りダクト902が片持ち梁状をなす。すなわち、絞りダクト902の空気流路上流側端部903は外ダクト901に一体化されているが、絞りダクト902の空気流路下流側端部905は自由端になっている。このため、絞りダクト902は強度に劣る。
絞りダクトの外周面にリブを形成すれば、絞りダクトの強度を高め得ると考えられる。しかし、外周面にリブを持つ絞りダクトをブロー成形すると、絞りダクトの内周面にヒケが生じる。このため、絞りダクトの内周面において乱流が生じ、空調用ダクトの圧損が増大する。
特開2001−248508号公報
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、強度に優れ、圧損の増大を抑制でき、かつ安価に製造できる空調用ダクトを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の空調用ダクトは、車両用空調装置の空気流路下流側に接続され、筒状をなす外筒部1と、筒状をなし、軸方向の一端部であり外筒部1に取り付けられている内筒側取付部31と、軸方向の他端部であり内筒側取付部31よりも空気流路下流側に位置する自由端部32と、内筒側取付部31と自由端部32との間の部分である内側区画部33と、を持ち、少なくとも自由端部32および内側区画部33が外筒部1の内部に位置し、自由端部32の外周面と外筒部1の内周面とが離間している内筒部3と、外筒部1の内周面と自由端部32および内側区画部33の外周面とで区画されてなるサイドブランチ型消音室4と、を持ち、内筒部3は、外周面にリブ35を持ち、射出成形されてなり、外筒部1は、軸方向の一端側を構成する第1分体10と、軸方向の他端側を構成する第2分体20と、からなり、第1分体10における第2分体20側の端部である第1取付部11と、第2分体20における第1分体10側の端部である第2取付部21と、内筒側取付部31と、から選ばれる2つは、他の1つを挟み込んでいることを特徴とする。
本発明の空調用ダクトは、下記の(1)〜(4)の少なくとも一つを備えるのが好ましい。
(1)上記内筒側取付部31は、上記第1取付部11と上記第2取付部21と上記内筒側取付部31とのなかで最内周側に位置し、凸状をなす内側嵌合凸部311を外周面に持ち、上記第2取付部21は、上記内筒側取付部31よりも外周側に位置し、凹状をなし内側嵌合凸部311と嵌合する中側嵌合凹部211を内周面に持ち、中側嵌合部212を外周面に持ち、上記第1取付部11は、上記第1取付部11と上記第2取付部21と上記内筒側取付部31とのなかで最外周側に位置し、中側嵌合部212と嵌合する外側嵌合部111を内周面に持つ。
(2)上記中側嵌合部212は凸状をなし、上記外側嵌合部111は凹状をなす。
(3)上記中側嵌合凹部211および上記外側嵌合部111は貫通穴状をなす。
(4)上記第1分体10は上記外筒部1における空気流路上流側の端部を含み、上記第2分体20は上記外筒部1における空気流路下流側の端部を含み、上記中側嵌合凹部211は上記中側嵌合部212よりも空気流路上流側に位置する。
(1)上記内筒側取付部31は、上記第1取付部11と上記第2取付部21と上記内筒側取付部31とのなかで最内周側に位置し、凸状をなす内側嵌合凸部311を外周面に持ち、上記第2取付部21は、上記内筒側取付部31よりも外周側に位置し、凹状をなし内側嵌合凸部311と嵌合する中側嵌合凹部211を内周面に持ち、中側嵌合部212を外周面に持ち、上記第1取付部11は、上記第1取付部11と上記第2取付部21と上記内筒側取付部31とのなかで最外周側に位置し、中側嵌合部212と嵌合する外側嵌合部111を内周面に持つ。
(2)上記中側嵌合部212は凸状をなし、上記外側嵌合部111は凹状をなす。
(3)上記中側嵌合凹部211および上記外側嵌合部111は貫通穴状をなす。
(4)上記第1分体10は上記外筒部1における空気流路上流側の端部を含み、上記第2分体20は上記外筒部1における空気流路下流側の端部を含み、上記中側嵌合凹部211は上記中側嵌合部212よりも空気流路上流側に位置する。
本発明の空調用ダクトは外筒部と内筒部とを持つ。内筒部の少なくとも一部(内側区画部および自由端部)は外筒部の内部に位置する。また、内筒部の一端部(内筒側取付部)は外筒部に取り付けられている。内筒部の他端部(自由端部)の外周面と外筒部の内周面とは離間している。このため本発明の空調用ダクトは、自由端部および内側区画部の外周面と、外筒部の内周面と、でサイドブランチ型消音室(すなわちサイドブランチ型消音器として機能する部分)を区画している。このサイドブランチ型消音室は、空調用ダクトに沿って延びる。したがって本発明の空調用ダクトは、騒音を低減でき、かつ嵩張らない。
また、本発明の空調用ダクトは、内筒部の外周面にリブが形成されている。このため本発明の空調用ダクトは、内筒部の強度に優れる。
さらに、内筒部は射出成形されてなる。このため本発明の空調用ダクトは内筒部にリブを持つにもかかわらず、内筒部の内周面にヒケが生じ難い。ブロー成形品に比べて射出成形品にはヒケが生じ難いためである。
さらに、外筒部を第1分体と第2分体とで構成し、第1分体の端部である第1取付部と、第2分体の端部である第2取付部と、内筒部の端部である内筒側取付部と、から選ばれる2つで他の1つを挟み込むことで、外筒部(第1分体および第2分体)と内筒部とを容易に取り付けることができる。このため、本発明の空調用ダクトは安価に製造できる。さらに、第1取付部と第2取付部と内筒側取付部とは、このうち2つで他の1つを挟み込み得る形状であれば良いため、内筒部と第1分体と第2分体とに過度に高い寸法精度を要求しない。このため、本発明の空調用ダクトは安価に製造できる。
上記(1)〜(2)の何れか一方を備える本発明の空調用ダクトは、内筒部と第1分体と第2分体とそれぞれ嵌合させて取り付けることができるため、内筒部と第1分体と第2分体とを容易に取り付けることができ、安価に製造できる。
上記(3)を備える本発明の空調用ダクトは、内側嵌合凸部と中側嵌合凹部とが嵌合したか否か、および、中側嵌合部と外側嵌合部とが嵌合したか否かを作業者が目視で確認できるため、第1分体と第2分体と内筒部とを容易に取り付けることができる。よって、上記(3)を備える本発明の空調用ダクトは安価に製造できる。
上記(4)を備える本発明の空調用ダクトは、内側嵌合凸部と中側嵌合凹部との隙間および中側嵌合部と外側嵌合部との隙間を経てサイドブランチ型消音室から空調用ダクトの外部に至る空気の漏出経路が、ラビリンス状をなす。このため、この漏出経路を経た空気の漏出を抑制でき、車両用空調装置に由来する騒音をより一層低減できる。
本発明の空調用ダクトにおいて、第1分体および第2分体は射出成形法で成形しても良いが、ブロー成形法で成形するのが好ましい。第1分体および第2分体をブロー成形する場合には、本発明の空調用ダクトをさらに安価に製造できる利点がある。
第1分体と第2分体と内筒部とは接着、溶着、バンド締結などの方法で一体化しても良いが、第1分体と第2分体と内筒部とを嵌合して一体化する場合には、第1分体と第2分体と内筒部とを容易に一体化でき、空調用ダクトの製造コストをさらに低減できる利点がある。
以下、図面を基に本発明の空調用ダクトを説明する。
(実施例1)
実施例1の空調用ダクトは、上記(1)〜(4)を備える。実施例1の空調用ダクトを模式的に表す斜視図を図1に示す。実施例1の空調用ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図を図2に示す。
実施例1の空調用ダクトは、上記(1)〜(4)を備える。実施例1の空調用ダクトを模式的に表す斜視図を図1に示す。実施例1の空調用ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図を図2に示す。
実施例1の空調用ダクトは、車両用空調装置(図略)の空気流路下流側に接続される。図1に示すように、実施例1の空調用ダクトは、外筒部1と内筒部3とを持つ。外筒部1は筒状をなし、ブロー成形されてなる。内筒部3は、筒状をなし、射出成形されてなる。詳しくは、内筒部3は図1中上下方向に2分割された形状に射出成形され、接着一体化されている。
図2に示すように、内筒部3は、軸方向の一端部である内筒側取付部31と、軸方向の他端部である自由端部32と、内筒側取付部31と自由端部32との間の部分である内側区画部33と、を持つ。内筒側取付部31は、外筒部1に取り付けられている。自由端部32は、内筒側取付部31よりも空気流路下流側に位置する。内筒部3は外筒部1の内部に位置する。また、自由端部32の外周面と外筒部1の内周面とは離間している。したがって、内側区画部33の外周面は、外筒部1の内周面とともに、サイドブランチ型消音室4を区画している。内側区画部33は、内周面の軸方向断面が軸方向の一部で急激に小さくなる絞り形状をなす。
内筒部3は、外周面に複数のリブ35を持つ。各リブ35は外筒部1の内周面に向けて突出している。また各リブ35は、互いに周方向に離間しつつ、内筒部3の外周面に沿って空気流路上流側から下流側に延びている。
外筒部1は、第1分体10と第2分体20とからなる。第1分体10は、外筒部1の軸方向の一端側を構成する。第2分体20は、外筒部1の軸方向の他端側を構成する。詳しくは、第1分体10は外筒部1における空気流路上流側の端部を含む。第2分体20は、外筒部1における空気流路下流側の端部を含む。
第1分体10における第2分体20側の端部(第1取付部11)と、内筒側取付部31とは、第2分体20における第1分体10側の端部(第2取付部21)を挟み込んでいる。すなわち、内筒側取付部31は、第1取付部11と第2取付部21と内筒側取付部31とのなかで空調用ダクトの最内周側に位置する。第1取付部11は、第1取付部11と第2取付部21と内筒側取付部31とのなかで空調用ダクトの最外周側に位置する。
第1取付部11と、第2取付部21と、内筒側取付部31とは、嵌合して一体化している。詳しくは、内筒側取付部31は、凸状をなす内側嵌合凸部311を外周面に持つ。第2取付部21は、凹状の中側嵌合凹部211を内周面に持ち、凸状の中側嵌合部212を外周面に持つ。第1取付部11は、凹状の外側嵌合部111を内周面に持つ。このうち中側嵌合凹部211および外側嵌合部111は貫通穴状をなす。さらに、中側嵌合凹部211は中側嵌合部212よりも空気流路上流側に配置されている。
実施例1の空調用ダクトでは、第1取付部11と内筒側取付部31とで第2取付部21を挟み込むことで、第1分体10と第2分体20と内筒部3とが取り付けられている。また、内側嵌合凸部311と中側嵌合凹部211とが嵌合し、凸状の中側嵌合部212と凹状の外側嵌合部111とが嵌合することで、第1分体10と第2分体20と内筒部3とが強固に取り付けられている。
実施例1の空調用ダクトは、自由端部32および内側区画部33の外周面と外筒部1の内周面とで区画されてなるサイドブランチ型消音室4を持つ。このサイドブランチ型消音室4は、車両用空調装置から実施例1の空調用ダクトに伝達した騒音を低減する。よって、実施例1の空調用ダクトは車両用空調装置に由来する騒音を低減できる。
また、実施例1の空調用ダクトにおける内側区画部33は絞り形状をなす。このため、車両用空調装置から実施例1の空調用ダクトに伝達した騒音は、内側区画部33を通過する際に減衰する。このことによっても、実施例1の空調用ダクトは騒音を低減できる。
また、第1分体10のなかで内筒部3の空気流路上流側に連続する部分(整流部15と呼ぶ)は、内周面の径方向断面形状が一定である。このため、空調用ダクト内の空気は、整流部15で整えられて内筒部3に流入する。このため、実施例1の空調用ダクトによると、内筒部3における乱流の発生を抑制でき、圧損の増大を抑制できる。
また、実施例1の空調用ダクトにおける内筒部3は、一端部である内筒側取付部31が外筒部1に取り付けられ、他端部である自由端部32が外筒部1から離れているため、片持ち梁状をなす。しかし内筒部3はリブ35を持つために、強度に優れる。また、リブ35は内筒部3の外周面に形成されているため内筒部3の内周面には張り出さず、かつ、内筒部3は射出成形されてなるため内筒部3の内周面にはヒケが生じないかまたはごく僅かのヒケが生じるのみである。よって、実施例1の空調用ダクトによると、リブ35やヒケに由来する乱流の発生を抑制できる。よって、実施例1の空調用ダクトは、内筒部3の強度に優れ、かつ、圧損の増大を抑制できる。
さらに、外筒部1を第1分体10と第2分体20とで構成し、第1分体10の端部である第1取付部11と、内筒部3の端部である内筒側取付部31とで、第2分体20の端部である第2取付部21を挟み込むことで、第1分体10と第2分体20と内筒部3とを容易に取り付けることができる。また、内筒部3と第1分体10と第2分体20とに過度に高い寸法精度を要求しない。
さらに、内筒部3と第2取付部21とが嵌合し、第2取付部21と第1取付部11とが嵌合することで、内筒部3と第2取付部21と第1取付部11とを容易に一体化できる。このため、実施例の空調用ダクトは安価に製造できる。
さらに、第2取付部21の中側嵌合凹部211および第1取付部11の外側嵌合部111は貫通孔状をなす。このため作業者は、内筒側取付部31と第2取付部21とを取り付ける際に、内側嵌合凸部311と中側嵌合凹部211とが嵌合しているか否かを目視で確認できる。すなわち、中側嵌合凹部211を見れば内側嵌合凸部311が中側嵌合凹部211と嵌合しているか否かを確認できる。同様に、作業者は、第2取付部21と第1取付部11とを取り付ける際に、中側嵌合部212と外側嵌合部111とが嵌合したか否かを目視で確認できる。すなわち、外側嵌合部111を見れば中側嵌合部212が外側嵌合部111と嵌合しているか否かを確認できる。よって、実施例1の空調用ダクトは、第1分体10と第2分体20と内筒部3とを容易に取り付けることができ、安価に製造できる。また、中側嵌合凹部211および外側嵌合部111は、切削加工などで容易に貫通孔状に形成できる。このことによっても、実施例1の空調用ダクトは安価に製造できる。
さらに、中側嵌合凹部211は中側嵌合部212よりも空気流路上流側に配置されている。このため、サイドブランチ型消音室4から空調用ダクトの外部に至る空気の漏出経路は、ラビリンス状をなす。すなわち、実施例1の空調用ダクトにおいて、サイドブランチ型消音室4から空調用ダクトの外部に至る空気の漏出経路は、
(a)サイドブランチ型消音室4を空気流路上流側(図2中右側)に向かって進み、
(b)内筒側取付部31と第2取付部21との径方向の隙間を通ってさらに空気流路上流側に進み、
(c)内側嵌合凸部311と中側嵌合凹部211との隙間を通って空調用ダクトの外周側(図2中上側)に進み、
(d)第2取付部21と第1取付部11との径方向の隙間を通って空気流路下流側(図2中左側)に進み、
(e)中側嵌合部212と外側嵌合部111との隙間を通って空調用ダクトの外周側に進み、空調用ダクトの外部に至る、
という複雑に屈曲した形状をなす。このため実施例1の空調用ダクトによると、この漏出経路を経た空気の漏出を抑制でき、車両用空調装置に由来する騒音をより一層低減できる。
(a)サイドブランチ型消音室4を空気流路上流側(図2中右側)に向かって進み、
(b)内筒側取付部31と第2取付部21との径方向の隙間を通ってさらに空気流路上流側に進み、
(c)内側嵌合凸部311と中側嵌合凹部211との隙間を通って空調用ダクトの外周側(図2中上側)に進み、
(d)第2取付部21と第1取付部11との径方向の隙間を通って空気流路下流側(図2中左側)に進み、
(e)中側嵌合部212と外側嵌合部111との隙間を通って空調用ダクトの外周側に進み、空調用ダクトの外部に至る、
という複雑に屈曲した形状をなす。このため実施例1の空調用ダクトによると、この漏出経路を経た空気の漏出を抑制でき、車両用空調装置に由来する騒音をより一層低減できる。
(実施例2)
実施例2の空調用ダクトは、上記(1)〜(4)を備える。実施例2の空調用ダクトは、第2分体のなかで内側区画部および自由端部に対面する部分の形状および内側区画部の形状以外は実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例2の空調用ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図を図3に示す。
実施例2の空調用ダクトは、上記(1)〜(4)を備える。実施例2の空調用ダクトは、第2分体のなかで内側区画部および自由端部に対面する部分の形状および内側区画部の形状以外は実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例2の空調用ダクトの軸方向断面を模式的に表す要部拡大図を図3に示す。
実施例2の空調用ダクトにおける内筒側取付部31、第1取付部11および第2取付部21の形状は、実施例1の空調用ダクトと同じである。
実施例2の空調用ダクトは、第2分体20のなかで内側区画部33および自由端部32に対面する部分(以下外側区画部25と呼ぶ)の形状、および、内側区画部33の形状が実施例1の空調用ダクトと異なる。詳しくは、外側区画部25の内周面は、空調用ダクトの外周側に張り出した膨れ形状をなす。内側区画部33の内周面は、軸方向断面が一定である。このため、実施例2の空調用ダクトにおけるサイドブランチ型消音室4は、空調用ダクトの外周側に張り出している。しかし、実施例2の空調用ダクトもまたサイドブランチ型消音室4を持つために、車両用空調装置に由来する騒音を低減できる。
なお、実施例2の空調用ダクトは、実施例1の空調用ダクトと同様に、外筒部1を第1分体10と第2分体20とで構成し、第1取付部11と内筒側取付部31とで第2取付部21を挟み込むことで、第1分体10と第2分体20と内筒部3とを容易に取り付けることができる。また、内筒部3と第1分体10と第2分体20とに過度に高い寸法精度を要求しない。また、第1取付部11と第2取付部21と内筒側取付部31とは嵌合するため、第1分体10と第2分体20と内筒部3とはさらに容易に取り付けられる。よって、実施例2の空調用ダクトもまた安価に製造できる。
(実施例3)
実施例3の空調用ダクトは、第1分体と第2分体と内筒部とが接着されて一体化していること、および、第1取付部と第2取付部とで内筒側取付部を挟み込んでいること以外は実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例3の空調用ダクトの軸方向断面の一部を模式的に表す要部拡大図を図4に示す。
実施例3の空調用ダクトは、第1分体と第2分体と内筒部とが接着されて一体化していること、および、第1取付部と第2取付部とで内筒側取付部を挟み込んでいること以外は実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例3の空調用ダクトの軸方向断面の一部を模式的に表す要部拡大図を図4に示す。
実施例3の空調用ダクトにおける内筒側取付部31、第1取付部11、第2取付部21は、それぞれ略直筒状をなす。第1取付部11は、第1取付部11と第2取付部21と内筒側取付部31とのなかで空調用ダクトの最内周側に位置する。第2取付部21は、第1取付部11と第2取付部21と内筒側取付部31とのなかで空調用ダクトの最外周側に位置する。第1取付部11と第2取付部21と内筒側取付部31とは、接着されている。詳しくは、第1取付部11と内筒側取付部31との間には接着材5が介在している。内筒側取付部31と第2取付部21との間にもまた接着材5が介在している。
実施例3の空調用ダクトは、外筒部1を第1分体10と第2分体20とで構成し、第1取付部11と第2取付部21とで内筒側取付部31を挟み込むことで、第1分体10と第2分体20と内筒部3とを容易に取り付けることができる。また、内筒部3と第1分体10と第2分体20とに過度に高い寸法精度を要求しない。よって、実施例3の空調用ダクトもまた安価に製造できる。
(実施例4)
実施例4の空調用ダクトは、第1分体と第2分体と内筒部とが外周側から締結されて一体化していること以外は実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例4の空調用ダクトの軸方向断面の一部を模式的に表す要部拡大図を図5に示す。
実施例4の空調用ダクトは、第1分体と第2分体と内筒部とが外周側から締結されて一体化していること以外は実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例4の空調用ダクトの軸方向断面の一部を模式的に表す要部拡大図を図5に示す。
実施例4の空調用ダクトにおける内筒側取付部31、第1取付部11、第2取付部21は、それぞれ略直筒状をなす。第1取付部11の外周側には、樹脂製の締結バンド6が取り付けられている。第1取付部11と第2取付部21と内筒側取付部31とは、この締結バンド6によって、外周側から締結されている。また、内筒側取付部31と第2取付部21との間にはシール材7が介在している。第2取付部21と第1取付部11との間にもまたシール材7が介在している。第1取付部11と第2取付部21と内筒側取付部31との隙間は、このシール材7によってシールされている。
実施例4の空調用ダクトは、外筒部1を第1分体10と第2分体20とで構成し、第1取付部11と内筒側取付部31とで第2取付部21を挟み込むことで、第1分体10と第2分体20と内筒部3とを容易に取り付けることができる。また、内筒部3と第1分体10と第2分体20とに過度に高い寸法精度を要求しない。よって、実施例4の空調用ダクトもまた安価に製造できる。
(実施例5)
実施例5の空調用ダクトは、上記(1)〜(3)を備える。実施例5の空調用ダクトは、第1分体が外筒部における空気流路下流側端部を含むこと、および、第2分体が外筒部における空気流路上流側端部を含むこと以外は、実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例5の空調用ダクトの軸方向断面の一部を模式的に表す要部拡大図を図6に示す。
実施例5の空調用ダクトは、上記(1)〜(3)を備える。実施例5の空調用ダクトは、第1分体が外筒部における空気流路下流側端部を含むこと、および、第2分体が外筒部における空気流路上流側端部を含むこと以外は、実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例5の空調用ダクトの軸方向断面の一部を模式的に表す要部拡大図を図6に示す。
実施例5の空調用ダクトにおける第1分体10は、外筒部1における空気流路下流側端部を含む。第2分体20は、外筒部1における空気流路上流側端部を含む。第1取付部11は、第1分体10における第2分体20側の端部(すなわち第1分体10の空気流路下流側端部)からなる。第2取付部21は、第2分体20における第1分体10側の端部(すなわち第2分体20の空気流路上流側端部)からなる。第2取付部21は、第1取付部11と内筒側取付部31とで挟み込まれている。第2取付部21は、実施例1の空調用ダクトにおける第2取付部と同形状の中側嵌合凹部211と中側嵌合部212とを持つ。第1取付部11は、実施例1の空調用ダクトにおける第1取付部と同形状の外側嵌合部111を持つ。実施例5の空調用ダクトにおける第1分体10と第2分体20と内筒部3とは、中側嵌合凹部211と内側嵌合凸部311とが嵌合し、中側嵌合部212と外側嵌合部111とが嵌合して取り付けられている。
実施例5の空調用ダクトは、実施例1の空調用ダクトと同様に、外筒部1を第1分体10と第2分体20とで構成し、第1取付部11と内筒側取付部31とで第2取付部21を挟み込むことで、第1分体10と第2分体20と内筒部3とを容易に取り付けることができる。また、内筒部3と第1分体10と第2分体20とに過度に高い寸法精度を要求しない。また、第1取付部11と第2取付部21と内筒部3とは嵌合するため、第1分体10と第2分体20と内筒部3とはさらに容易に取り付けられる。よって、実施例5の空調用ダクトもまた安価に製造できる。
(実施例6)
実施例6の空調用ダクトは、上記(1)〜(2)を備える。実施例6の空調用ダクトは、中側嵌合凹部および外側嵌合部が行き止まり穴状をなすこと以外は実施例5の空調用ダクトと同じである。実施例6の空調用ダクトの軸方向断面の一部を模式的に表す要部拡大図を図7に示す。
実施例6の空調用ダクトは、上記(1)〜(2)を備える。実施例6の空調用ダクトは、中側嵌合凹部および外側嵌合部が行き止まり穴状をなすこと以外は実施例5の空調用ダクトと同じである。実施例6の空調用ダクトの軸方向断面の一部を模式的に表す要部拡大図を図7に示す。
実施例6の空調用ダクトにおける中側嵌合凹部211および外側嵌合部111は行き止まり穴状をなす。このため、実施例5の空調用ダクトにおいて、サイドブランチ型消音室4から空調用ダクトの外部に至る空気の漏出経路は、ラビリンス状をなす。よって、実施例5の空調用ダクトにおいて、サイドブランチ型消音室4から空調用ダクトの外部に至る空気の漏出経路は、複雑に屈曲した形状をなす。このため実施例5の空調用ダクトによると、この漏出経路を経た空気の漏出を抑制でき、車両用空調装置に由来する騒音をより一層低減できる。
(実施例7)
実施例7の空調用ダクトは、リブの形状以外は実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例7の空調用ダクトにおける内筒部を模式的に表す要部拡大斜視図を図8に示す。
実施例7の空調用ダクトは、リブの形状以外は実施例1の空調用ダクトと同じである。実施例7の空調用ダクトにおける内筒部を模式的に表す要部拡大斜視図を図8に示す。
実施例7の空調用ダクトにおけるリブ35は、図8に示すように、内筒部3の周方向に沿って延びている。しかし、実施例7の空調用ダクトもまた、リブ35を持つことによって、内筒部3の強度に優れる。
なお、本発明の空調用ダクトにおいて、リブ35は内側区画部33の外周面のみに形成しても良いし、自由端部32の外周面に形成しても良い。また、リブ35は一つのみであっても良い。さらに、リブ35の形状は上述した形状に限定されない。例えば、リブ35は内筒部3の外周側を取り囲む螺旋状でも良いし、それ以外の形状であっても良い。
1:外筒部 3:内筒部 4:サイドブランチ型消音室
10:第1分体 11:第1取付部 20:第2分体
21:第2取付部 31:内筒側取付部 32:自由端部
33:内側区画部 35:リブ 111:外側嵌合部
311:内側嵌合凸部 211:中側嵌合凹部 212:中側嵌合部
10:第1分体 11:第1取付部 20:第2分体
21:第2取付部 31:内筒側取付部 32:自由端部
33:内側区画部 35:リブ 111:外側嵌合部
311:内側嵌合凸部 211:中側嵌合凹部 212:中側嵌合部
Claims (5)
- 車両用空調装置の空気流路下流側に接続され、
筒状をなす外筒部と、
筒状をなし、軸方向の一端部であり該外筒部に取り付けられている内筒側取付部と、軸方向の他端部であり該内筒側取付部よりも空気流路下流側に位置する自由端部と、該内筒側取付部と該自由端部との間の部分である内側区画部と、を持ち、少なくとも該自由端部および該内側区画部が該外筒部の内部に位置し、該自由端部の外周面と該外筒部の内周面とが離間している内筒部と、
該外筒部の内周面と該自由端部および該内側区画部の外周面とで区画されてなるサイドブランチ型消音室と、を持ち、
該内筒部は、外周面にリブを持ち、射出成形されてなり、
該外筒部は、軸方向の一端側を構成する第1分体と、軸方向の他端側を構成する第2分体と、からなり、
該第1分体における該第2分体側の端部である第1取付部と、該第2分体における該第1分体側の端部である第2取付部と、該内筒側取付部と、から選ばれる2つは、他の1つを挟み込んでいることを特徴とする空調用ダクト。 - 前記内筒側取付部は、前記第1取付部と前記第2取付部と前記内筒側取付部とのなかで最内周側に位置し、凸状をなす内側嵌合凸部を外周面に持ち、
前記第2取付部は、前記内筒側取付部よりも外周側に位置し、凹状をなし該内側嵌合凸部と嵌合する中側嵌合凹部を内周面に持ち、中側嵌合部を外周面に持ち、
前記第1取付部は、前記第1取付部と前記第2取付部と前記内筒側取付部とのなかで最外周側に位置し、該中側嵌合部と嵌合する外側嵌合部を内周面に持つ請求項1に記載の空調用ダクト。 - 前記中側嵌合部は凸状をなし、前記外側嵌合部は凹状をなす請求項2に記載の空調用ダクト。
- 前記中側嵌合凹部および前記外側嵌合部は貫通穴状をなす請求項1〜請求項3の何れか一つに記載の空調用ダクト。
- 前記第1分体は前記外筒部における空気流路上流側の端部を含み、
前記第2分体は前記外筒部における空気流路下流側の端部を含み、
前記中側嵌合凹部は前記中側嵌合部よりも空気流路上流側に位置する請求項4に記載の空調用ダクト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007200876A JP2009036424A (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | 空調用ダクト |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007200876A Pending JP2009036424A (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | 空調用ダクト |
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2007
- 2007-08-01 JP JP2007200876A patent/JP2009036424A/ja active Pending
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