JP2013234580A - 作動ガス循環型エンジンの制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】作動ガス循環型水素エンジンにおいて未燃水素の検出を容易に行う。
【解決手段】作動ガス循環型水素エンジンの制御システムにおいて、燃焼室内の圧力に基づいて該燃焼室内での水素燃焼による熱発生率を推定する熱発生率推定手段と、作動ガス循環型水素エンジンの燃焼サイクルにおける圧縮開始から前記水素噴射手段による水素噴射までの期間の早期熱発生率に基づいて、循環通路を介して作動ガスとともに燃焼室に循環された未燃水素を検出する未燃水素検出手段とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料となる水素に作動ガスを混合して燃焼するとともに、燃焼後のガスに含まれる作動ガスを再び燃焼に供するように構成された作動ガス循環型水素エンジンに関する。
従来から、燃焼室に水素と酸素と作動ガスとしてのアルゴンガスとを供給して水素を燃焼させるとともに、燃焼室から排出された排ガス中の作動ガスを燃焼室に循環通路を通して循環させる作動ガス循環型水素エンジンが提案されている。アルゴンガス等の単原子分子からなるガスは、空気よりも比熱比が大きいため、アルゴンガスを作動ガスとして用いる上記水素エンジンは非常に高い熱効率にて運転することができる。また、燃焼室での燃焼に窒素が含まれないことから、NOxが排出されず、通常の内燃機関と比べて良好なエミッションを得ることができる。
そこで、作動ガス循環型水素エンジンの一例として、特許文献1に示すエンジンが挙げられる。当該作動ガス循環型水素エンジンでは、高圧タンクに貯留されている水素がその畜圧を利用して燃焼室内に噴射されるが、タンク内の水素圧力が低下した場合でも継続的な水素噴射を可能とする構成が開示されている。また、当該作動ガス循環型水素エンジンでは、燃焼室内の圧力を検出する筒内圧センサ、作動ガスを循環させる循環通路内の酸素濃度、および水素濃度を検出する酸素濃度センサ、水素濃度センサ等、各種のセンサが配置されている。
特開2009−68392号公報 特開2007−332940号公報 特開2007−120392号公報 特開2006−144643号公報
水素を燃料として用いる作動ガス循環型水素エンジンでは、燃焼室での燃料噴霧と酸素との混合状態等に起因して、噴射供給された水素が全て燃焼に供されず、作動ガスとともに燃焼室内に再び循環される可能性がある。なお、本明細書では、このように燃焼室内に噴射された水素が、その噴射時期に適合した燃焼サイクルでは燃焼されず、一度排出された後循環通路を介して再び燃焼室に供給される場合、当該循環水素を「未燃水素」と称する。ここで、未燃水素が燃焼室に存在すると、主となる燃焼室内への燃料噴射よりも前に当該未燃水素が自着火してしまい、その後に、主となる燃料噴射が行われることになる。その結果、主となる燃料噴射より早いタイミングで燃焼室内で熱発生するため、エンジンの出力が不安定となるおそれがある。したがって、安定したエンジン駆動のために、未燃水素を検出する必要性は高い。
一方で、従来技術に示すように、未燃水素が循環されてくる循環通路に水素センサを設けて、未燃水素を把握しようとする場合、循環通路内は比較的高温の雰囲気に晒される。そのため、水素センサに耐熱処理等を施す必要があり、水素センサの設置に起因するコストの増大を招き、以て従来技術では、実用的な水素センサの設置は困難な状況にあると言わざるを得ない。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、作動ガス循環型水素エンジンにおいて未燃水素の検出を容易に行い得る制御システムを提供することを目的とする。
本発明において、上記課題を解決するために、燃焼室内に水素を噴射する時期より進角側の時期での、燃焼室内での熱発生率に着目した。作動ガス循環型水素エンジンの燃料として用いられる水素は着火遅れが非常に短いため、燃焼室内の噴射後、直ちに着火時期を迎え、その結果、燃焼室に燃焼熱が発生する。しかし、燃焼室への水素噴射に対応した熱発生よりも進角側の時期に燃焼室内に熱発生が認められる場合には、循環通路を経て燃焼室内に未燃水素が循環されていると合理的に判断することができる。
そこで、詳細には、本発明は、酸素と、燃料としての水素と、作動ガスとしての単原子分子ガスと、を燃焼室に供給し、該燃焼室に供給された水素を燃焼させて作動ガスを膨張させることにより動力を取り出すとともに、該燃焼室から排出された燃焼ガスに含まれる作動ガスを、循環通路を介して該燃焼室に循環させる作動ガス循環型水素エンジンの制御システムであって、水素を前記燃焼室内に噴射する水素噴射手段と、前記燃焼室内の圧力に基づいて該燃焼室内での水素燃焼による熱発生率を推定する熱発生率推定手段と、前記作動ガス循環型水素エンジンの燃焼サイクルにおける圧縮開始から前記水素噴射手段による水素噴射までの期間の早期熱発生率に基づいて、前記循環通路を介して作動ガスとともに前記燃焼室に循環された未燃水素を検出する未燃水素検出手段と、を備える。
本発明に係る作動ガス循環型エンジンの制御システムは、上記の通り、燃料としての水素の燃焼により作動ガスを膨張させて出力を得るとともに、その作動ガスは循環通路を介して再び燃焼室内に循環させる作動ガス循環型水素エンジン(以下、単に「水素エンジン」ともいう)の制御を司る。ここで、当該水素エンジンでは、水素噴射手段により燃焼室内へ水素が噴射される構成が採用されている。燃焼室内に噴射された水素は、燃焼室内の圧力により自着火し、燃焼する。このとき生成される燃焼ガスは、燃焼室外へ排出されるが、その中に含まれる作動ガスは循環通路を介して燃焼室に循環され、以降の燃焼に供されることで、作動ガスに関する循環サイクルが形成されている。なお、水素燃焼により生成される水は、循環通路の途中で可及的に取り除かれるのが好ましい。
ここで、水素エンジンにおいては、水素の燃焼に十分な酸素が燃焼室に供給されていれば、原理的には、燃焼ガスには作動ガスと燃焼により生成された水が含まれることになるが、燃焼室内での燃焼に関する様々な要因により、燃焼ガス中に燃焼反応が行われなかった水素、すなわち未燃水素が含まれる可能性も少なからずある。この未燃水素は、作動ガスとともに、循環通路を介して燃焼室内に再び供給されることになるため、水素エンジンの出力に幾ばくかの影響を与える可能性がある。
そこで、本発明に係る作動ガス循環型水素エンジンの制御システムは、熱発生率推定手段と未燃水素検出手段を備えることで、簡便に未燃水素の検出を可能としている。燃焼室内の圧力は、水素エンジンにおける燃焼サイクルの進行に応じて周期的に変動するとともに、水素燃焼により放出される燃焼エネルギーで変動する。そこで、熱発生率推定手段は、燃焼室内の圧力に基づいて燃焼室内の水素燃焼に起因する熱発生率を推定する。なお、熱発生率とは、水素エンジンのクランク角に対する、水素燃焼で発生した熱エネルギーの変化を示すパラメータである。
そして、燃焼サイクルにおいて圧縮開始から水素噴射手段による水素噴射までの期間に、すなわち燃焼サイクルにおいて水素噴射手段による水素噴射時期よりも早い時期に、燃焼室内で水素燃焼による熱発生があると、それに関連する熱発生率は熱発生率推定手段に
よって推定されるとともに、当該熱発生は、水素噴射手段による水素噴射時期より早い時期での水素燃焼によるものであることから、未燃水素に起因して発生したものと合理的に判断することができる。そこで、未燃水素検出手段は、水素噴射時期よりも早い時期での熱発生率である早期熱発生率を未燃水素によるものとして捉え、当該未燃水素の検出を行う。なお、未燃水素検出手段は、未燃水素が燃焼室に存在していることを検出してもよく、また、どの程度燃焼室に存在しているか、すなわち未燃水素量を検出するように構成されてもよい。
このように燃焼室内の熱発生率に着目することで、水素エンジンにおける未燃水素を簡便な構成で検出することが可能となる。本発明によれば、特に、水素検出のための専用のセンサを設けないで済むことから、水素エンジンの構成に要するコストを効果的に抑制することができる。
ここで、上記の作動ガス循環型水素エンジンの制御システムにおいて、前記未燃水素検出手段によって前記燃焼室内に前記未燃水素が検出されたとき、前記水素噴射手段による水素噴射に対応する水素着火時期である第一着火時期と、前記未燃水素の着火時期であって該第一着火時期より早い第二着火時期との差分である着火時期間隔に基づいて、前記燃焼室に供給される酸素量を制御する酸素供給制御手段を、更に備えるようにしてもよい。
未燃水素検出手段によって未燃水素が検出された場合、未燃水素による水素エンジンの出力の不安定化等を避けるために、速やかに燃焼室内の未燃水素量を減少させるのが好ましい。そこで、酸素供給制御手段による燃焼室への酸素供給量の制御が行われる。第一着火時期と第二着火時期の差分である着火時期間隔が長くなるほど、例えば、第一着火時期が概ね一定の場合には第二着火時期が早くなるほど、未燃水素の自着火が早期に生じていることになり、以て、燃焼室内の未燃水素量が増加していると考えられる。そこで、このような場合には、酸素供給制御手段によって、上記のように燃焼室内への酸素供給量を増量することで、燃焼室内のガス温度を低下させることができ、以て、未燃水素の自着火を遅らせることができる。この結果、未燃水素の燃焼と、水素噴射手段による噴射水素の燃焼との間隔(着火時期間隔)を狭めることになるため、後者に対する前者の出力的影響を軽減することができる。また、燃焼室内の酸素量が、水素量に対して増加されることから、水素燃焼が促進され、未燃水素量を減少させることが可能となる。
また、上記作動ガス循環型水素エンジンの制御システムにおいて、酸素供給量の増量により上記着火時期間隔が短くなれば、その後は、酸素供給制御手段によって燃焼室への酸素供給量を減量すればよい。作動ガス循環型水素エンジンでは、燃焼室内に窒素を含まない酸素を供給することで、燃焼ガスとしてNOxが生成されるのを回避することができる。そのため、燃焼に供する酸素を限られた容量しか搭載できない場合には、上記のように着火時期間隔の長さに応じて酸素供給量を適切に調整し、効率的な酸素の使用を図るのが好ましい。
ここで、酸素供給制御手段による酸素供給について、詳細に言及する。上記作動ガス循環型水素エンジンの制御システムにおいて、前記酸素供給制御手段は、前記着火時期間隔が所定間隔を超えると、前記燃焼室に供給される酸素量を、前記未燃水素検出手段によって前記未燃水素が検出されなかった場合の供給酸素量より増量してもよい。着火時期間隔が長くなることは、未燃水素の自着火が早期に生じていることを意味することから、着火時期間隔が閾値である所定間隔を超えると、未燃水素の自着火によるエンジン出力への影響を緩和する必要があると捉え、上記のように酸素供給量を、未燃水素が検出されていない場合と比べて増量するようにしてもよい。また、酸素供給量の増量については、このように着火時期間隔が所定間隔を超えた場合、もしくは着火時期間隔と所定間隔との相関にかかわらず、着火時期間隔が長くなるに従い、燃焼室への酸素供給量を増量してもよい。
ここで、上述までの作動ガス循環型水素エンジンの制御システムにおいて、前記循環通路に、前記燃焼室から排出された燃焼後のガスに含まれる所定ガスに関する所定パラメータを検出するセンサであって、且つ該センサを暖機するためのヒータを有するセンサが設けられ、そして、前記未燃水素検出手段は、前記熱発生率推定手段によって推定された前記早期熱発生率が、前記ヒータによる前記センサの暖機温度に基づいて設定された所定の熱発生率を超えたとき、前記未燃水素を検出するようにしてもよい。
センサの検出精度を速やかに上げるために、センサにヒータが設けられる場合がある。このような場合、ヒータによる加熱で未燃水素が引火すると好ましくないことから、ヒータによる暖機温度に基づいて、未燃水素を検出するための閾値である、上記所定の熱発生率が設定されることで、未燃水素への引火の可能性を適切に把握することが可能となる。なお、このように所定の熱発生率が設定されたときに未燃水素が検出された場合には、循環通路内を掃気する等して、未燃水素を外部に排出するのが好ましく、また、別法により未燃水素への引火が回避されるように手段を講じるのが好ましい。
また、上述までの作動ガス循環型水素エンジンの制御システムにおいて、前記未燃水素検出手段は、前記熱発生率推定手段によって推定された前記早期熱発生率が、前記未燃水素の着火時期と、前記水素噴射手段による水素噴射に対応する水素着火時期との相関に基づいて設定された所定の熱発生率を超えたとき、前記未燃水素を検出するようにしてもよい。未燃水素の着火時期と、水素噴射手段による水素噴射に対応する水素着火時期との相関(以下、「着火時期相関」という)において、未燃水素の着火によって発生する出力が、水素噴射時の水素エンジンの出力に与える影響(出力の安定性の低下等)が大きくなり、好ましくない場合がある。そこで、着火時期相関に基づいて未燃水素を検出するための閾値として設定された上記所定の熱発生率を利用することで、適切に未燃水素の着火による影響を把握することが可能となる。
本発明によれば、作動ガス循環型水素エンジンにおいて未燃水素の検出を容易に行い得る制御システムを提供することができる。
本発明に係る作動ガス循環型エンジンの制御システムの概略構成を示す図である。 図1に示す作動ガス循環型エンジンにおける未燃水素検出を導く、燃焼室での熱発生率の推移を示す図である。 図1に示す作動ガス循環型エンジンの制御システムにおいて実行される、未燃水素を検出するための制御のフローチャートである。 図3に示す未燃水素検出制御で未燃水素が検出された際に行われる、未燃水素を抑制するための制御のフローチャートである。 図4に示す出力変動抑制制御で行われる酸素供給量の増量に関連する係数を算出するためのマップである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明の実施例に係る作動ガス循環型エンジンの制御システムの概略構成を示す図である。当該システムに対応する作動ガス循環型水素エンジンは、4サイクル・多気
筒エンジンであり、本実施例では、単に「水素エンジン」と称する。図1に示す水素エンジン10は、燃焼室に「酸素(酸素ガス)」と「単原子分子からなる作動ガスであるアルゴンガス」とを供給するとともに、これらのガスを圧縮させることにより高圧となったガス中に「燃料としての水素(水素ガス)」を噴射(高圧噴射)することにより水素を自着火させ、拡散燃焼させることができるエンジンである。
更に、水素エンジン10は、燃焼室21から排出された排気ガス中の作動ガスを燃焼室21に循環通路61、62を通して循環(再供給)させるクローズドタイプのエンジンである。即ち、このエンジンは、水素と酸素との結合により生成される水蒸気以外の排ガスを大気中に排出しないエンジンである。なお、作動ガス(水蒸気及び余剰の酸素を除く主たる作動ガス)は、アルゴンガスに限定されず、例えば、He等のアルゴン以外の単原子分子ガス(不活性ガス)であっても構わない。
図1に示す制御システムは、水素エンジン10、ECU(電気制御装置)20、水素供給部40、酸素供給部50、作動ガス循環通路部60、凝縮器70を備えている。なお、図1は、水素エンジン10の特定気筒の断面と、該特定気筒に接続された吸気ポート31及び排気ポート32の断面と、を示しているが、他の気筒も同様な構成を備えている。排気ポート32から吸気ポート31へと作動ガス循環通路部60を通って循環されるガスは「循環ガス」とも称呼される。また、吸気ポート31には吸気ポート31を開閉するための吸気弁33が設けられ、排気ポート32には排気ポート32を開閉するための排気弁34が設けられている。
水素エンジン10は、シリンダ11と、その内部で往復運動を行うピストン12により、燃焼室13が形成される。シリンダ11のシリンダヘッドの頂部には、燃焼室13内に燃料である水素ガスを噴射する水素噴射弁14が設けられている。水素噴射弁14は、燃焼室13に露呈した噴射口(噴孔)、弁体及び電磁式弁体駆動装置等を備えた周知の電磁開閉式ガス噴射弁である。水素噴射弁14は指示信号に応答して電磁式弁体駆動装置によって弁体を駆動することにより噴射口を開閉する。
水素供給部40は、水素タンク41、水素ガス通路42、水素ガス圧レギュレータ43、水素ガス流量計44及びサージタンク45を備えている。水素タンク41は燃料としての水素(水素ガス)を高圧状態にて貯蔵するガス燃料貯蔵タンクである。水素ガス通路42は、水素タンク41と水素噴射弁14とを連通する通路であり、水素ガス通路42には、水素タンク41から水素噴射弁14に向かう順に、水素ガス圧レギュレータ43、水素ガス流量計44及びサージタンク45が設けられている。水素ガス圧レギュレータ43は、周知のプレッシャレギュレータであって、それにより水素ガス圧レギュレータ43は、水素タンク41内の水素ガスの圧力が水素ガス圧レギュレータ43の設定圧力よりも高いとき、水素ガス圧レギュレータ43よりも下流側の圧力を設定圧力にまで減圧・調整するようになっている。水素ガス流量計44は、水素ガス通路42を流れる水素ガスの量(水素ガス流量)を計測する。サージタンク45は、水素噴射弁14による水素噴射時に、水素ガス通路42内に発生する脈動を低減するよう構成されている。
次に、酸素供給部50は、酸素タンク51、酸素ガス通路52、酸素ガス圧レギュレータ53、酸素ガス流量計54及び酸素噴射弁55を備えている。酸素タンク51は酸素(酸素ガス)を高圧状態にて貯蔵するガス貯蔵タンクである。酸素ガス通路52は、酸素タンク51と酸素噴射弁55とを連通する通路であって、酸素ガス通路52には、酸素タンク51から酸素噴射弁55に向かう順に酸素ガス圧レギュレータ53及び酸素ガス流量計54が設けられている。酸素ガス圧レギュレータ53は、周知のプレッシャレギュレータであって、それにより酸素ガス圧レギュレータ53は、酸素タンク51内の酸素ガスの圧力が酸素ガス圧レギュレータ53の設定圧力よりも高いとき、酸素ガス圧レギュレータ5
3よりも下流側の圧力を設定圧力にまで減圧・調整するようになっている。酸素ガス流量計54は、酸素ガス通路52を流れる酸素ガスの量(酸素ガス流量)を計測する。酸素噴射弁55は、後述する作動ガス循環通路部60の第二通路62に酸素ガスを噴射可能となるように設けられている。
ここで、作動ガス循環通路部60は、第一通路61と、第二通路62と、からなっている。第一通路61は、排気ポート32と凝縮器70の入口とを連通し、第二通路62は、凝縮器70の出口と吸気ポート31とを連通することで、水素ガスエンジン10における作動ガスの循環通路が形成されている。また、凝縮器70は、排気ポート32を経て排出された燃焼ガスに含まれる水蒸気を冷却、凝縮させて液化し、その水分を排出口71からシステム外に排出する。したがって、凝縮器70を出て第二通路62を流れるガスには、原理的には、可及的に水分が除去され、その多くは作動ガスによって占められることになる。
また、図1に示す制御システムには、水素エンジン10を制御するための電子制御ユニットであるECU20が併設されている。このECU20は、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子制御装置である。ECU20には、水素ガス流量計44、酸素ガス流量計54、アクセルペダル開度センサ21、エンジン回転速度センサ22、酸素濃度センサ23、筒内圧センサ24が接続されている。ECU20には、これらのセンサから各測定信号(検出信号)が入力される。
アクセルペダル開度センサ21は、アクセルペダルの操作量を検出するセンサであり、エンジン回転速度センサ22は、水素エンジン10のクランク軸の回転に基づいてエンジン回転速度を検出するセンサである。なお、特定気筒のピストン位置が圧縮上死点になったときに一つのパルスを発生する気筒判別センサと、エンジン回転速度センサ22とを使用して、特定気筒のクランク角度を検出することが可能である。また、酸素濃度センサ23は、第二通路62を流れる循環ガス中に含まれる酸素濃度を検出するセンサである。酸素濃度センサ23には、センサ素子を暖機し速やかに正確な酸素濃度検出を可能とするためのヒータが併設されている。筒内圧センサ24は、燃焼室21内のガス圧力(気筒内圧)を検出するセンサである。
更に、ECU20は、水素噴射弁14、酸素噴射弁55にも電気的に接続され、水素エンジン10における水素供給および酸素供給の制御が行われることになる。
このように構成される作動ガス循環型の水素エンジン10においては、酸素噴射弁55から噴射された酸素ガスと、第二通路62を流れる作動ガスとが吸気ポート31を経て燃焼室13に供給され、ピストン12による圧縮作用で圧縮された状態に水素噴射弁14から水素ガスが噴射される。これにより、水素の拡散燃焼が行われ、水素エンジン10の出力が発生することになる。ここで、燃焼後の排出ガスには、原理的には作動ガスと、水素燃焼に伴い発生した水(水蒸気)が含まれており、燃焼室13から排気ポート32を経て第一通路61へと流れる。排出ガスのうち作動ガスは、作動ガス循環通路部60を流れて再び燃焼室13へと供給されるが、水は作動ガス循環通路部60の途中に配置された凝縮器70によって排出ガスから分離され、系外に排出される。なお、図1に示す水素エンジン10では、燃焼室13での水素燃焼において失火が生じにくくするために、作動ガスとともに酸素も作動ガス循環通路部60を循環するように、第二通路62内の酸素濃度が、酸素濃度センサ23を介して調整されている。具体的には、第二通路62内の酸素濃度が失火防止に適した所定濃度となり、且つアクセルペダル開度センサ21等より算出される水素エンジン10の出力が発揮されるように、酸素噴射弁55の酸素噴射量が決定されることになる。
ここで、水素エンジン10では、水素噴射弁14から燃焼室13内に水素噴射されるが、水素は着火遅れが極めて短いため、水素噴射弁14から水素噴射されると、直ちに燃焼が生じることになる。そのため燃焼室13内での気流や水素噴霧の形状により酸素と水素との混合程度が影響され、噴射された水素の一部が燃焼に供されず排出ガスとして排出され、作動ガス循環通路部60を介して再び燃焼室13へ到達してしまう場合がある。本明細書では、水素噴射弁14からの水素噴射時に燃焼に供されず一度排出され、再び燃焼室13に到達する水素を「未燃水素」と称し、一方で、燃焼室13に噴射されるとともに直後の燃焼に供され出力を生み出す水素を「直接噴射水素」と称して区別することとする。
未燃水素が発生すると、水素噴射弁14からの水素噴射よりも前(水素噴射より早い時期)に燃焼室13に水素が存在することになる。そのため、燃焼室13内の未燃水素量が増加すると、ピストン13の圧縮作用により水素噴射弁14からの水素噴射時期よりも先んじて未燃水素が自着火してしまう可能性が高まる。このように未燃水素が自着火してしまうと、本来水素エンジン10の出力を担う直接噴射水素の燃焼による出力に対して、未燃水素の自着火による出力の程度が大きくなることで、水素エンジン10の出力が不安定な状態となる。また、作動ガス循環通路部60に未燃水素がある程度存在すると、未燃水素の引火等の問題を誘発しかねない。たとえば、上記のとおり酸素濃度センサ23には暖機のためにヒータが設置されているが、このヒータの加熱により未燃水素が引火してしまう可能性がある。そこで、水素エンジン10においては、未燃水素の発生を的確に検出するとともに、未燃水素の発生を抑制することが求められる。
そこで、本実施例においては、燃焼室13内での水素燃焼による熱発生率の推移に基づいて、水素エンジン10における未燃水素の検出が行われる。当該未燃水素の検出について、図2に基づいて説明する。図2の上段は、燃焼室13内での水素燃焼による熱発生率の推移を示すグラフであり、図2の下段は、ECU20から水素噴射弁14に出された噴射信号の推移を示すグラフである。これからも分かるように、圧縮上死点近傍の時期に、ECU20から水素噴射弁14に対して噴射信号が出されるとともに、その噴射による水素(直接噴射水素)が燃焼室13内での燃焼に供され、燃焼室13での熱発生率の推移として大きなピーク、すなわち、図2上段の後ろ側のピークとして現れる。この直接噴射水素に対応する熱発生率を、「噴射対応熱発生率」と称する。
なお、本実施例では、燃焼室13内の熱発生率は、筒内圧センサ24の検出値に基づいて算出される。具体的には、エンジン回転速度センサ22等から算出される水素エンジン10のクランク角θおよび筒内圧センサ24の検出値である筒内圧力Pcylに基づいて、下記の式1に従い熱発生率dQが算出される。
dQ={1/(k−1)}{kPcdV−VdPc} ・・・(式1)
k:燃焼室13内にある混合気の比熱比である。
Pc:筒内圧力である。
V:燃焼室容積であって、クランク角度θと水素エンジン10の諸源(シリンダボア径やクランク半径など)に基づいて算出され、クランク角度θの関数として設定される。
そして、水素エンジン10において未燃水素が発生し、作動ガス循環通路部60を経て燃焼室13内に未燃水素が循環されてくると、作動ガスを用いて比較的高い機械圧縮比により未燃水素の自着火を生じさせる水素エンジン10の特性により、当該未燃水素が、直接噴射水素の自着火による燃焼時期(図2に示すように、水素噴射弁14の噴射時期に対応する時期)よりも早い時期に自着火し、その結果、燃焼室13内にある程度早期の熱発生率の推移を見出すことができる。すなわち、未燃水素が存在する場合には、より早い時期に自着火することで燃焼室13内に熱発生率の推移を出現させることになり、当該未燃水素の自着火を「早期自着火」と称するとともに、未燃水素の早期自着火によって生じる
熱発生率を、「早期熱発生率」と称する。
以上より、本実施例に係る水素エンジン10の制御システムは、燃焼室13内の圧力に基づいて算出される熱発生率の推移に基づいて、未燃水素の検出を行う。具体的には、図3に示す未燃水素検出制御のフローに従った処理が行われる。当該未燃水素検出制御は、ECU20によって適宜繰り返し実行されるものである。S101では、筒内圧センサ24の検出値に基づいて、上記式1に従って、燃焼室13内での熱発生率の推定が行われる。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
S102では、S101で推定された熱発生率の推移に基づいて、燃焼室内で早期自着火が生じたか否かが判定される。具体的には、未燃水素による早期自着火が生じる場合には、図2の上段に示すように、直接噴射水素の着火時期よりも早い時期に燃焼室13内に熱発生率(早期熱発生率)の推移が出現する。この早い時期の早期熱発生率の出現をもって、燃焼室13内における未燃水素の検出が行われることになる。そこで、S102で肯定判定されると、S103へ進み、水素エンジン10において未燃水素が検出されていることを意味するフラグ、未燃水素検出フラグがONに設定される。一方で、S102で否定判定されると、S104へ進み、未燃水素検出フラグがOFFに設定される。
ここで、S102における早期自着火の発生の判断については、未燃水素による早期熱発生率の最大値が、所定の熱発生率を超えた場合に、早期自着火の発生と判断してもよい。比較的少量の未燃水素による早期自着火は、水素エンジン10に対して大きな影響を及ぼさないことから無視することも可能である。そこで、本実施例では、早期自着火の発生を判断するための熱発生率の最大値の閾値である上記所定の熱発生率を、次のように設定してもよい。
(1)ケース1
第二通路62に設けられている酸素濃度センサ23には暖機用のヒータが併設されている。ヒータによる暖機温度は数百度になるため、第二通路62を比較的多量の未燃水素が循環すると、ヒータの暖機熱によって水素が引火してしまう恐れがある。そこで、上記所定の熱発生率を、ヒータの暖機熱による未燃水素への引火が生じない程度の熱発生率に設定する。具体的には、失火防止のために第二通路62に流れる酸素流量と、ヒータの暖機熱とに基づいて、第二通路62において引火を生じ得る未燃水素濃度を実験的に算出する。そして、その第二通路62における未燃水素濃度に対応した燃焼室13内の熱発生率に、一定の安全率を考慮して、上記所定の熱発生率を設定する。
なお、このように設定された所定の熱発生率を超える熱発生率が、早期自着火による燃焼で生じた場合、すなわちS103により未燃水素検出フラグがONに設定された場合には、第二通路62内で未燃水素への引火の可能性が高まっていることを意味する。そこで、そのような場合には、未燃水素が存在する作動ガス循環通路部60内を、作動ガスで掃気するのが好ましい。なお、掃気用の作動ガスは、図示しない貯蔵タンクに貯蔵されている。
(2)ケース2
未燃水素の早期自着火が生じた場合、その着火時期が、直接噴射水素の着火時期よりも早い時期になるほど、燃焼室13内の未燃水素量が増え、より早いタイミングで自着火しやすい状況になっていると考えられる。そして、早期自着火の時期が早くなることで、直接噴射水素の燃焼による出力に対する、未燃水素の燃焼による出力の影響が大きくなりやすい、すなわち、水素エンジン10の出力変動が顕著になりやすい。そこで、上記所定の熱発生率を、未燃水素の早期自着火の時期と、直接噴射水素の着火時期とに基づいて設定する。具体的には、水素エンジン10の出力変動が顕著となり得る早期のタイミング(す
なわち、出力変動が顕著となり得る着火時期間隔を有する未燃水素の着火タイミング)で、燃焼室13に生じ得る熱発生率を、上記所定の熱発生率とする。
なお、このように設定された所定の熱発生率を超える熱発生率を、早期自着火に係る早期熱発生率が超えた場合、すなわちS103により未燃水素検出フラグがONに設定された場合には、水素エンジン10の出力変動が顕著となっていることを意味する。そこで、そのような場合には、図4に示す出力変動抑制制御に従って、水素エンジン10に供給される酸素量の増量処理が行われるのが好ましい。当該出力変動抑制制御は、ECU20によって実行される。
先ず、S201では、図3に示す未燃水素検出制御の結果、未燃水素検出フラグがONであるか否かが判定される。S201で肯定判定されるとS202へ進み、否定判定されると当該出力変動抑制制御を終了する。ここで、S202へ進んだ場合、水素エンジン10において未燃水素が循環している状態にあることから、S202〜S204において、その未燃水素を抑制するための処理が行われる。具体的には、S202で、着火時期間隔Δtが算出される。着火時期間隔Δtは、図2に示すように未燃水素の早期自着火の時期と、圧縮上死点近傍の直接噴射水素の着火時期との間隔として定義される。上述したように、未燃水素の早期自着火が発生している場合であって、この着火時期間隔Δtが長くなるほど、水素エンジン10の出力変動が顕著となる。
そこで、S202の処理が終了するとS203へ進み、S203では、算出された着火時期間隔Δtが、基準となる所定間隔ΔT0より長いか否かが判定される。この所定間隔ΔT0は、直接噴射水素の燃焼による燃焼室13での熱発生に対して、未燃水素の燃焼による熱発生が及ぼす、出力安定の観点からの影響が大きくなると判断するための基準値である。着火時期間隔Δtが長くなると、未燃水素の燃焼による出力と、直接噴射水素の燃焼による出力とがより明確に水素エンジン10の出力として伝わることになるため、水素エンジン10の出力変動が顕著となる。そこで、S203においては、水素エンジン10の出力安定の観点から、着火時期間隔Δtに関する判定が行われる。S203で肯定判定されるとS204へ進み、否定判定されるとS205へ進む。
S204では、酸素噴射弁55を介して酸素供給量の増量処理が行われる。当該増量処理は、着火時期間隔Δtが所定間隔ΔT0より長くない場合と比べて、酸素噴射弁55から供給される酸素量を増量する処理であり、その増量の程度は、図5に示す制御マップに従う。図5は、横軸は着火時期間隔Δtを示し、縦軸は増量係数kを示す。増量係数kは、上記の「増量の程度」に相当する。したがって、図5の制御マップに従えば、着火時期間隔Δtが所定間隔ΔT0より長くない場合には増量係数は1とされ、増量処理は行われない。一方で、着火時期間隔Δtが所定間隔ΔT0より長い場合には、増量係数k(k>1)は、着火時期間隔Δtが長くなる従い、大きくされる。そして、増量処理が行われている場合の酸素供給量は、以下の式(2)に従って算出される。
増量後の酸素供給量=通常の酸素供給量×増量係数k・・・式(2)
通常の酸素供給量は、アクセルペダル開度センサ21、エンジン回転速度センサ22等の検出値から算出される水素エンジン10の運転状態に基づいて決定される。
図5の制御マップに従い、酸素噴射弁55を介して燃焼室13に供給される酸素量が増量されると、燃焼室13内の混合ガスの比熱比が下がるため混合ガスの温度が低下する。そのため、燃焼室13での未燃水素の早期自着火の時期が遅角側に移行することになる。一方で、直接噴射水素については、水素噴射弁14からの噴射時期は概ね圧縮上死点近傍であるため、噴射後直ちに着火することとなる。したがって、酸素供給量が増量されると、未燃水素の早期着火時期が相対的に直接噴射水素の着火時期に近づき、着火時期間隔Δtは短くなる。更に、未燃水素が発生する一つの要因である、燃焼室における酸素濃度の
不足についても、上記酸素増量処理を行うことで解消される方向に向かう。
S204の処理が終了すると、再びS202以降の処理が、着火時期間隔Δtが所定間隔ΔT0を超えない状態となるまで繰り返される。一方で、S203で否定判定された場合、S205では、酸素噴射弁55を介した酸素供給量の増量処理が停止され、通常の酸素供給が行われる。すなわち、図5に示す制御マップの、着火時期間隔Δtが所定間隔ΔT0以下である場合の酸素供給が行われる。この場合、増量係数kを1として、水素エンジン10の運転状態に基づいて通常の酸素供給が行われる。
このように出力変動抑制制御が行われると、酸素供給量の増量処理を介して未燃水素に起因する水素エンジン10の出力変動を抑制することが可能となる。また、それと同時に、未燃水素の要因である燃焼室13での酸素濃度不足を解消でき、出力変動の抑制が促進されることになる。
<変形例>
上記実施例では、図4に示す出力変動抑制制御は、上記ケース2、すなわち上記所定の熱発生率が、未燃水素の早期自着火の時期と、直接噴射水素の着火時期とに基づいて設定された場合に対応して、水素エンジン10の出力変動を抑制するための制御例として開示されている。しかし、当該出力変動抑制制御が実行されるのは、当該ケース2の場合だけではなく、上記ケース1の場合や、それ以外の場合であって、水素エンジン10において、図3に示す未燃水素検出制御によって未燃水素が検出された場合であってもよい。すなわち、図4に示す出力変動抑制制御は、水素エンジン10において未燃水素が検出された場合に生じ得る出力変動を抑制するために実行され得るものであるから、図3に示す未燃水素検出制御が行われる限りにおいて、未燃水素を検出するための閾値(上記所定の熱発生率)等がどのように設定されるかについては、特段の制限を受けるものではない。
10 作動ガス循環型水素エンジン(水素エンジン)
11 シリンダ
13 燃焼室
14 水素噴射弁
20 ECU
40 水素供給部
41 水素タンク
50 酸素供給部
51 酸素タンク
55 酸素噴射弁
60 作動ガス循環通路部
61 第一通路
62 第二通路
70 凝縮器

Claims (5)

  1. 酸素と、燃料としての水素と、作動ガスとしての単原子分子ガスと、を燃焼室に供給し、該燃焼室に供給された水素を燃焼させて作動ガスを膨張させることにより動力を取り出すとともに、該燃焼室から排出された燃焼ガスに含まれる作動ガスを、循環通路を介して該燃焼室に循環させる作動ガス循環型水素エンジンの制御システムであって、
    水素を前記燃焼室内に噴射する水素噴射手段と、
    前記燃焼室内の圧力に基づいて該燃焼室内での水素燃焼による熱発生率を推定する熱発生率推定手段と、
    前記作動ガス循環型水素エンジンの燃焼サイクルにおける圧縮開始から前記水素噴射手段による水素噴射までの期間の早期熱発生率に基づいて、前記循環通路を介して作動ガスとともに前記燃焼室に循環された未燃水素を検出する未燃水素検出手段と、
    を備える、作動ガス循環型エンジンの制御システム。
  2. 前記未燃水素検出手段によって前記燃焼室内に前記未燃水素が検出されたとき、前記水素噴射手段による水素噴射に対応する水素着火時期である第一着火時期と、前記未燃水素の着火時期であって該第一着火時期より早い第二着火時期との差分である着火時期間隔に基づいて、前記燃焼室に供給される酸素量を制御する酸素供給制御手段を、更に備える、
    請求項1に記載の作動ガス循環型エンジンの制御システム。
  3. 前記酸素供給制御手段は、前記着火時期間隔が所定間隔を超えると、前記燃焼室に供給される酸素量を、前記未燃水素検出手段によって前記未燃水素が検出されなかった場合の供給酸素量より増量する、
    請求項2に記載の作動ガス循環型エンジンの制御システム。
  4. 前記循環通路に、前記燃焼室から排出された燃焼後のガスに含まれる所定ガスに関する所定パラメータを検出するセンサであって、且つ該センサを暖機するためのヒータを有するセンサが設けられ、
    前記未燃水素検出手段は、前記熱発生率推定手段によって推定された前記早期熱発生率が、前記ヒータによる前記センサの暖機温度に基づいて設定された所定の熱発生率を超えたとき、前記未燃水素を検出する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の作動ガス循環型エンジンの制御システム。
  5. 前記未燃水素検出手段は、前記熱発生率推定手段によって推定された前記早期熱発生率が、前記未燃水素の着火時期と、前記水素噴射手段による水素噴射に対応する水素着火時期との相関に基づいて設定された所定の熱発生率を超えたとき、前記未燃水素を検出する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の作動ガス循環型エンジンの制御システム。
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