JP2013234527A - 採光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋内外を貫通する貫通孔等を形成せずに、採光装置の設置に伴う建物の美観の低下を軽減して、導光効率の低下を抑制し且つ採光効率を向上し易くした採光装置を提供する。
【解決手段】本発明は、光入射面3aを有した採光板3と、採光板3で採光した光を建物30の開口部35から屋内に照射する光照射部15と、採光板3から光照射部15に前記光を伝送する伝送部11と、備え、伝送部11が建物30用の外壁材33の屋内側となる部位に配置されるものである。これによって、本発明は、伝送部11に設置に伴う建物30の外観の変化を軽減することができて、建物30の美観を既設の状態から低下し難くすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽光等を採光する採光装置に関するものである。
従来から、採光装置として、特許文献1に示すように、導光フィルムを用いた装置がある。この装置では、導光フィルムが、可撓性を持つ透明フィルムからなる。そして、透明フィルムは、その長手方向の一部の一側面に光導入手段が設けられ、他の部分の一側面に光出射手段が設けられ、その間の中間部の両面が平滑面となっている。これによって、この装置では、光導入手段で透明フィルム内部に導入された光が、中間部を経て、光出射手段に導かれ、光出射手段より外部に出射される。そして、光導入手段は家屋の屋根上に設置され、光出射手段は屋内に設置され、中間部は屋根と屋内とを繋ぐように家屋の壁や屋根(天井)に貫通して設置される。
また、採光装置としては、特許文献2に示すように、光ファイバーの束で日光を室内に取り込む装置がある。この装置では、家屋の屋根にグラスファーバー(光ファイバー)の束の一端を設置し、他端を室内の天窓のガラスに取り付けてある。これによって、この装置では、光ファイバーの一端で受けた光を天窓から室内に導いている。
特開2003−215348号公報 実開昭62−37104号公報
ところで、特許文献1や特許文献2等の採光装置では、導光フィルムや光ファイバーの束等の光を伝送する部位(伝送部)が外観に露出して設けてある。そのため、このような採光装置では、化粧パネル等で一体感を与えた既設の外壁が、伝送部によって違和感のある(一体感をえ難い)外観になる恐れがある。そして、このような従来の採光装置では、伝送部が外観に露出するために、風で巻き上がった砂等の異物が伝送部に接触したり付着したりし易く、これによる伝送部の破損等で導光効率の低下を生じる恐れもある。
更に、特許文献1の採光装置では、中間部(伝送部)が建物の屋内外に貫通して設けてあるために、施工時に屋内外を貫通する貫通孔を形成したり、貫通孔や伝送部を介した漏水を防止するために防水構造をさらに設けたりすることになる。そのため、この採光装置では、建物の強度低下の恐れや、施工時に手間がかかり易くなる等の問題がある。また、特許文献2の採光装置では、光ファイバー毎に点で採光するために、前記一端を面状に配置しても、光ファイバー間の境界等の非採光部位の占める面積当たりの割合が多くなり易く、採光効率があまり高くない。
そこで、本発明は、前記従来の問題点に鑑みて発明したものである。その目的とするところは、屋内外を貫通する貫通孔等を形成せずに、採光装置の設置に伴う建物の外観性(美観)の低下を軽減して、導光効率の低下を抑制し且つ採光効率を向上し易くした採光装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、光入射面を有した採光板と、この採光板で採光した光を建物の開口部から屋内に照射する光照射部と、前記採光板から前記光照射部に前記光を伝送する伝送部と、を備え、前記伝送部が、前記建物用の外壁材の屋内側となる部位に配置されるものであることを特徴とする。
この採光装置として、前記採光板と前記伝送部とを光学的に接続する連結部と、前記連結部及び前記連結部と前記採光板との接続部位を覆うカバー部と、をさらに備え、前記カバー部がその下端で前記外壁材の上端を覆って配置されるものであることが好ましい。
この採光装置として、前記建物用の棟部材を、前記カバー部に用いるものであることが好ましい。
この採光装置として、前記カバー部が、前記建物の棟の少なくとも一部を覆って配置されるものであることが好ましい。
本発明は、前記構成を備えたことで、光ファイバー等の点で採光するものに比べて、太陽光等の自然光を広い面積で採光することができる。これによって、本発明は、点で採光するものに比べて、採光効率を向上し易くすることができる。そして、本発明は、伝送部を外壁の屋内側に配置したことで、内壁や屋内の天井等に屋内外を貫通する貫通孔を形成せずにすみ、屋内への漏水や貫通孔等の形成に伴う強度低下や施工の手間の増加等の恐れを軽減し易くすることができる。更に、本発明は、前記構成によって、伝送部を外壁の外面で覆い隠して、伝送部を外観に露出し難くすることができる。これによって、本発明は、砂等の異物による伝送部の導光効率の低下を抑制することができる。また、本発明は、伝送部を外観に露出し難くしたことで、採光装置設置に伴う建物の既設の外観からの変化を軽減し易くすることができて、外観性(美観)の低下を軽減し易くすることができる。
第1例の採光装置の模式的な正面図である。 (a)が同上の採光装置を設けた建物の模式的な斜視図であり、(b)が外装パネルを透過した状態の模式的な斜視図である。 採光部の斜視図である。 (a)が透光抑制部にプリズム構造を用いた場合の図3のM−M線の断面図であり、(b)が図3(a)の変形例であり、(c)が透光抑制部に光拡散構造を用いた場合の断面図である。 連結部周辺の模式的な正面図である。 図5の変形例の模式的な正面図である。 伝送部に導光板を用いた場合の模式的な側断面図である。 光照射部の正面図であり、(a)がルーバーを用いた場合であり、(b)が反射フィルムを用いた場合であり、(c)が導光板を用いた場合である。 採光部が導光板を複数有した場合であり、採光部の一部を拡大した断面図である。
本発明を、添付図面に示す一実施形態に基づいて説明する。
本実施形態の採光装置1は、例えば、太陽光等の自然光を採光する。そして、この採光装置1は、図1乃至図2に示すように、採光部2と、連結部10と、伝送部11と、光照射部15と、カバー部20とを備える。採光装置1は、図5乃至図8に示すように、採光部2が建物30の屋根31に配置され、連結部10及びカバー部20が棟に配置され、伝送部11が建物30の外壁材33に配置され、光照射部15が建物30の開口部35に配置される。建物30は、例えば、屋根31が一方向に傾斜(勾配)を有しており、所謂片流れ屋根の建物になっている。具体的には、例えば、日本国等の北半球の場合、南側程下向きに傾斜(勾配)を付けた屋根31を有する建物30になっている。
採光部2は、図3に示すように、略矩形状になっている。採光部2は、矩形の底面を屋根31の勾配と略平行にして、この底部を載置する等で、屋根31に取り付けてある。そして、採光部2は、略矩形の導光板4と、この導光板4を覆う矩形箱状の反射部8とを備える。
導光板4は、内部で導光可能な透明材で形成してある。この透明材としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等のアクリル樹脂や、ポリカーボネート(PC)等が好適に用いられる。なお、後述の伝送部11や光照射部15等の導光板13,18も、前記透明材を好適に用いることができる。
また、導光板4は、図3や図4に示すように、第1板面4aが屋外側を向き、反対側の第2板面4bが屋根31(屋内側)を向く。第1板面4aは、略平らな面になっている。そして、第1板面4aは略全体が、導光板4内に光を取り込む光入射面3aになっており、第1板面4aの略全体で導光板4内に光を入射可能になっている。言い換えると、導光板4は、光入射面3aを有した採光板3になっている。
これによって、採光部2は、面で採光を行うことができて、集光部材等で太陽光を集めなくても、採光を行い易くすることができる。そのため、採光装置1は、集光部等で点状の採光部位に太陽光を集める光ファイバー等の点で採光を行う場合に比べて、簡素な構成で採光部2の採光効率を向上し易くすることができる。
言い換えると、採光装置1は、採光可能な領域を面で有する採光部2を備えるため、光ファイバー(点状の採光部位)を束ねる等で採光可能な領域を形成したものに比べて、この領域における採光部毎の境界線等(非採光部位)を生じ難くすることができる。これによって、採光装置1は、例えば前記非採光部位に光が入射する等で採光部2内に光が入射し難くなる等の、採光時の損失を軽減し易くすることができて、採光効率を向上し易くすることができる。
また、採光板3(導光板4)は、図4に示すように、第2板面4b側に、採光板3内の光の採光板3外への透過を抑制する透光抑制部5が設けてある。そのため、採光板3は、内部の光が第2板面4b側から出射し難くなっている。これによって、採光装置1は、第2板面4bからの出射による採光部2の集光効率の低下を抑制し易くすることができる。そして、透光抑制部5の具体的な構成例としては、例えば、図4(a)に示すように、第2板面4bにプリズム構造を設けたものや、図4(c)に示すように、光拡散構造を設けたもの等がある。
プリズム構造の場合では、例えば、図4(a)に示すように、複数の突起6(プリズム)が第2板面4bに一体で且つ略同じ部材で設けてある。突起6は集光方向(導光方向)に沿って略等間隔で並ぶ。そして、突起6は正面視略直角三角形状になっており、斜辺が集光方向に向けて下り傾斜(第1板面4aから離れる向きに傾斜)する。
そのため、透光抑制部5は、採光板3内の光を突起6の傾斜面6a(斜辺に沿った面)で反射等させることで、この光を集光方向側に向かい易くすることができる。これによって、採光部2は、採光板3の第2板面4b側に透光抑制部5が無い場合に比べて、集光効率(後述の光出射面3bへの光の導入効率)を向上し易くすることができる。
更に、図4(b)に示すプリズム構造の変形例では、突起6の前記斜辺に段部6bが設けてある。段部6bは前記略直角三角形の斜辺(傾斜面6a)の傾きと異なる傾斜角度の斜辺(傾斜面)、或いは第1板面4aに略平行した辺(非傾斜面)になっている。これによって、採光板3は、突起6の第2板面4b側における突出量を抑えて集光方向の寸法を大きくすることができる。そのため、採光部2は、透光抑制部5での集光効率の低下を抑制して、第2板面4b上の突起6の数を削減したり、第2板面4bを反射部8(詳細は後述する)に近づけてコンパクトにしたりし易くすることができる。
光拡散構造の場合では、例えば、図4(c)に示すように、第2板面4bに所定の間隔で、光を拡散させる光拡散印刷部7が設けてある。光拡散印刷部7は、採光板3内の光が照射されると、この光を採光板3内に拡散させる。これによって、採光板3は、光拡散印刷部7(第2板面4b)から採光板3外への透光を抑制し易くすることができる。そのため、採光板3は、採光板3の第2板面4b側に透光抑制部5が無い場合に比べて、第2板面4b側から透光し難くなり、集光効率を向上し易くすることができる。
また、採光板3は、図3に示すように、四周の一端面が、連結部10に光を出射する光出射面3bになっている。そして、採光板3は、第2板面4bと、光出射面3bを除く四周の他の端面とが、反射部8で覆われている。更に、採光板3は、反射部8を介して屋根31に支持される。反射部8は、箱の底部の屋内側の面を屋根31に載置する等で、屋根31に取り付けられる。言い換えると、反射部8は、上面及び四周の一端面が開口した箱状になっている。そして、反射部8は、採光板3の第1板面4a(光入射面3a)及び光出射面3bを露出した状態で支持する。更に、反射部8は、箱の底部の屋内側を向く面が、採光部2を屋根31に取り付ける採光部2の底面になっている。
更に、反射部8は箱の内面の略全体が、反射面8aになっている。これによって、採光装置1は、光出射面3b以外の端面及び第2板面4bから漏れた光を、反射部8で反射して採光板3に戻り易くすることができる。そのため、採光装置1は、採光板3での採光効率(集光効率)を向上し易くすることができる。なお、反射部8の反射面8aは、例えば、アルミニウムの蒸着や、酸化チタン等での塗装、所謂白塗装や、鏡面金属等の鏡面部材の取付や、鏡面メッキ等によって、鏡面状に形成することが好ましい。
連結部10は、図5や図6に示すように、フレキシブル(軟質)で且つ内部で導光可能な透明板で形成してあり、この透明板は、例えば、透明な軟質ウレタン等となっている。そして、透明板は、例えば、二つの端面(後述の上流端面及び下流端面)を除く他の面が反射面になっており、前記二つの端面以外から光漏れを抑制してある。また、連結部10は、内部に鏡面部を有した光ダクトで形成してもよい。この鏡面部は、例えば、前述の反射面8aのように、光を反射可能な鏡面状の部位になっており、光ダクトの内面の略全体に設けてある。なお、後述の伝送部11の光ダクト12も、連結部11の光ダクトの構成を好適に用いることができる。
そして、連結部10は、透明板の一端面(光ダクトの一端部の開口面)が、採光板3の光出射面3bと略同形同寸になっており、光出射面3bに正対して位置する。そして、連結部10は、前記一端面(前記開口面)が、光出射面3bと光学的に接続してある。
これによって、連結部10は、前記一端面(前記開口面)から内部に光出射面3bからの光が導入される。言い換えると、連結部10は、前記一端面(前記開口面)が、導光における上流端面になっており、この上流端面で採光板3からの光を受ける(受光する)。そして、連結部10は、上流端面で受けた光を内部での反射や拡散等によって、上流端面と異なる透明板の他の端面(光ダクトの他の端部の開口面)に伝送する。連結部10は、この上流端面からの光が伝送される透明板の前記他の端面(光ダクトの前記他の端部の開口面)が、導光における下流端面になっている。
更に、連結部10はこの下流端面に、伝送部11が光学的に接続してある。そして、連結部10は、この下流端面から内部の光を、伝送部11に導出する(出射する)。言い換えると、連結部10は、採光部2からの光を、内部で伝送して、伝送部11に導入する。
伝送部11は、例えば、光ダクト12(図5や図6参照)や、導光板13(図7参照)等で形成してあり、上下に長尺になっている。伝送部11は、光ダクト12の上端部の開口面(導光板13の上端面)が、連結部10からの光を受光する受光面11aになっている。受光面11aは連結部10の下流端面と略同形同寸或いは下流端面より大形大寸になっており、連結部10の下流端面が正対して位置する。そして、伝送部11は、受光面11aと連結部10の下流端面とが光学的に接続してある。
そして、伝送部11は、採光板3(連結部10)からの光を面(受光面11a)で受けることで、内部に前記光が導入される。更に、伝送部11は、導入された光を、内部で反射等させることで、光ダクト12の下端部の開口面(導光板13の下端面)に伝送して、この開口面(下端面)から伝送した光を光照射部15に供給する。
このように、採光装置1は、採光部2で面状に受けた光を、面状の状態で、連結部10を介して、伝送部11に導入している。言い換えると、採光装置1は、採光板3からの光を面状に伝送する。これによって、採光装置1は、光ファイバー等の点で受光して伝送する場合に比べて、連結部10や伝送部11での受光時のロス等を軽減し易くすることができて、受光効率を向上し易くすることができる。そして、採光装置1は、前記点で伝送する場合に比べて連結部10や伝送部11内部の広い領域で光を伝送することができるため、内部での光拡散や反射による伝送ロス等を軽減し易くすることができて、光の伝送効率を向上し易くすることができる。以下、伝送部11において、光ダクト12の下端部の開口面や、導光板13の下端面を、伝送部11の出光面11bとする。
伝送部11は、図3乃至図7に示すように、外壁(外壁材33)内に設けてある。具体的には、外壁が、複数の外壁材33を有しており、外壁材33は、外壁の外面33aを形成する外装パネル34を夫々有する。外装パネル34は、例えば、矩形の板状で、板面が上下に長尺になっている。外装パネル34は、板面を建物30の内壁32に略平行にして、板の端面を隣接して並べて設けられる。そして、外装パネル34は、内壁32から屋外側に所定の間隔離れた位置で、内壁32の略全面を屋外側から覆っている。そのため、外装パネル34は屋外側を向く板面(表面)が、外壁(外壁材33)の外面33aになっている。
更に、外装パネル34は、建物30の開口部35に設けた窓部36より屋外側に位置する。そして、外装パネル34は下端が、正面視開口部35の上部に重なって位置する。言い換えると、窓部36は、建物30の内壁32に設けてあり、外壁(外壁材33)は内壁32より屋外側に設けてある。そして、外壁(外壁材33)は開口部35の上端より下方に外装パネル34の下端が位置する。
一部の外壁材33は、外装パネル34の屋内側(外装パネル34と内壁32との間)に伝送部11が配置してある。言い換えると、一部の外壁材33は、外面33aを形成する外装パネル34と、外装パネル34の裏面に配置された伝送部11とで構成される。そのため、伝送部11は屋外側が外装パネル34に覆われる。伝送部11は、伝送方向(導光方向)を外面33a(外装パネル34の表面)に略平行にして(外面33aに沿って)配置してある。そして、伝送部11の出光面11bは外面33aに沿った左右寸法が、開口部35の左右寸法と略同じ寸法になっている。
伝送部11の出光面11bは、正面視開口部35の上縁と略同じ或いは上縁より下方に位置する。そして、伝送部11の出光面11bは、開口部35の上縁より下方に位置する場合、伝送部11を覆う外装パネル34の下端と略同じ或いは下端より若干上方に位置する。
このように、採光装置1は、伝送部11を外装パネル34より屋内側で且つ内壁32より屋外側に設けたことで、伝送部11が建物30の屋内外に露出し難く、且つ外壁や内壁32に伝送部11による凹凸を生じ難くすることができる。そのため、採光装置1は、建物30の採光装置1(伝送部11)の設置に伴う外観(美観)の変化を軽減し易くすることができる。言い換えると、採光装置1は、建物30の外観(美観)を損ない難く、建物30の既設の状態の美観を維持し易くすることができる。
なお、建物30は、外装パネル34のみで外壁の外面33aを形成したものに限らない。この場合、建物30は、内壁32の採光装置1を配置していない部位を、外装パネル34と同じ模様や色等の表面を有する外装材(他の外壁材)で覆い、外装パネル34の表面と前記外装材の表面とで外面33aを形成する。これによって、建物30は、外壁の外面33aにおいて、外装パネル34と外装材との外観の差(美観の低下)を生じ難くすることができる。
光照射部15は、伝送部11の伝送方向において、伝送部11より下流に配置してあり、左右寸法が伝送部11の出光面11bと略同じ寸法になっている。そして、光照射部15は、伝送部11の出光面11bと、光学的に接続してある。そのため、光照射部15は、光入射面3aで受けた太陽光が、連結部10及び伝送部11を介して、面状の状態で導入される。光照射部15は、例えば窓部36より屋外側等の、開口部35の屋外側に配置してある。そして、光照射部15は、採光部2からの光を、開口部35から屋内に照射する。
光照射部15は、例えば、図8(a)に示すように、開口部35の窓部36より屋外側に設けてある。そして、光照射部15は、矩形状の枠部(不図示)と、光学的機能を有した複数のルーバー16とを備える。枠部は矩形の内側に、複数のルーバー16が配置される。ルーバー16は、開口部35の左右寸法と略同寸の長尺な板状になっている。そして、ルーバー16は、上下に所定の間隔で並べて設けてあり、左右の端部で枠部に回動自在に支持される。この並ぶ複数のルーバー16のうち、最も上方に位置するルーバー16は、伝送部11の下端の屋外側の縁の下方に位置し、最も下方に位置するルーバー16は、伝送部11の下端の屋外側の縁の下方に位置する。そして、複数のルーバー16は下方に向かう程屋内側に位置して並ぶ。
更に、ルーバー16は、光を反射可能な反射面を有する反射部(不図示)を備える。そのため、光照射部15は、この反射面を窓部36側に向ける等で、この反射面で伝送部11からの光を窓部36側に反射することで、この光を開口部35(窓部36)から屋内に供給する(照射する)ことができる。言い換えると、光照射部15は、光照射方向を窓部36側に向けることで、光照射部15からの光を窓部36を介して屋内に供給することができる。
そして、光照射部15は、反射部の反射面の向きを変更する等で、開口部35から屋内に照射する光の照射角度を変化させることができる。なお、ルーバー16は、光を所定の向きに屈折可能な屈折部を有し、光照射部15が、この屈折部による光の屈折によって、採光部2からの光を、開口部35から屋内に照射してもよい。そして、ルーバー16は、開口部35を介して屋内外に流通する風の向きを変更させる風向板としての機能をさらに有したり、窓部36(窓ガラス36a)を保護する面格子としての機能を有したりしてもよい。
また、光照射部15は、例えば、図8(b)に示すように、窓部36に設けてもよい。この場合、光照射部15は、例えば、反射フィルム17で形成される。反射フィルム17は、窓部36の窓ガラス36aの屋外側の面に取り付けてあり、この屋外側の面の略全体を屋外側から覆う。なお、反射フィルム17は、窓ガラス36aに一体で設けてもよい。
反射フィルム17は、窓ガラス36aと略同じ左右寸法の反射面17aを複数有する。反射面17aは上下に所定の間隔で並ぶ。そのため、光照射部15は、伝送部11からの光を各反射面17aで反射する。そして、反射面17aは、伝送部11からの光を窓部36側に反射し易くなっている。言い換えると、反射フィルム17は、光照射方向が窓部36の屋内側を向く。
これによって、光照射部15は、伝送部11からの光を開口部35から屋内に供給することができる。なお、反射フィルム17は、光を所定の向きに屈折可能な屈折面を有し、光照射部15が、この屈折面による光の屈折によって、採光部2からの光を、開口部35から屋内に照射してもよい。
また、光照射部15は、例えば、図8(c)に示すように、導光板18で形成してもよい。光照射部15の導光板18は、矩形の板状になっており、開口部35に配置してある。導光板18は、板の上端面が伝送部11の出光面11bと略同じ寸法或いは若干小さい寸法になっている。そして、導光板18の上端面は、伝送部11の出光面11bと光学的に接続してあり、伝送部11からの光を受ける受光面になっている。
導光板18は開口部35の窓部36から屋外側に所定の距離離れた位置に設けてあり、窓部36の屋外側の略全体を覆う。そして、導光板18は板面が窓部36の窓ガラス36aと略平行に並ぶ。導光板18の板面のうち、窓部36側(屋内側)を向く板面は、導光板18内の光を出射(照射)可能な照射面になっている。言い換えると、導光板18は光照射方向が窓部36側を向く。そのため、導光板18は、伝送部11からの光が受光面(上端面)から内部に入射されて、この内部の光が屋内側を向く板面から窓部36を介して屋内に出射される(照射される)。これによって、光照射部15は、伝送部11からの光を開口部35(窓部36)から屋内に供給する(照射する)ことができる。
このように、採光装置1は、採光部2が面で採光している。そして、採光装置1は、採光部2と連結部10と伝送部11とが面で光学的に接続してある。そのため、採光装置1は、光ファイバー等の点で採光するものに比べて、例えば光ファイバーの端部の縁等の採光できない領域が占める範囲を低減し易くすることができる等で、採光効率を向上し易くすることができる。そして、採光装置1は、光ファイバー等の面に比べて狭い空間(点)で導光するものに比べて、例えば導光時の光の反射回数を低減して導光ロスを低減し易くなる等で、導光効率を向上し易くすることができる。
更に、採光装置1は、屋根31に照射された光を、外壁に沿って伝送して、外壁の開口部35から屋内に導入する。これによって、採光装置1は、太陽光等の自然光を屋内照明等として利用することができる。そして、採光装置1は、例えば日本国等の北半球であれば、光照射部15を北側の開口部35(窓部36)の屋外側に設けることで、太陽光が照射され難い北側の開口部35から、屋内に太陽光を照射し易くすることができる。
また、採光装置1は、屋内外を貫通する貫通孔等を形成しなくても、建物30に設置して、採光部2の光を屋内に導入することができる。そのため、採光装置1は、前記貫通孔の形成や、前記貫通孔や伝送部11を介した漏水に対する防水構造の増設等を行わずにすみ、施工時の手間を軽減し易くすることができる。そして、採光装置1は、伝送部11を外装パネル34が覆うため、風に飛ばされた落ち葉や巻き上げられた砂や雹や霰等の異物から、伝送部11を保護し易くすることができる。これによって、採光装置1は、前記異物による伝送部11の破損や変形等を生じ難くすることができて、この破損等の影響による導光性能の変化や導光効率の低下等を抑制し易くすることができる。
また、カバー部20は、図5や図6に示すように、連結部10を覆うと共に、下端部が外壁(外壁材33)の上端(外装パネル34の上端)を覆う。
例えば、図5に示すように、屋根31の頂(棟)において、連結部10を棟部材38より屋内側に配置した場合を説明する。この場合、棟部材38は、採光部2と連結部10との接続部位及び連結部10を覆って配置してあり、前記接続部位及び連結部10を外観に露出させない。そのため、連結部10等を覆う棟部材38が、カバー部20になっている。更に、棟部材38は、外壁(外装パネル34)の上端を覆い、且つ下端部が外面33a(外装パネル34の表面)に当接或いは近接して位置している。そのため、棟部材38は、連結部10と伝送部11との接続部位を覆っている。
このように、採光装置1は、連結部10や連結部10との各接続部位等を棟部材38で覆うことで、前記異物等から、連結部10や前記各接続部位等を保護することができる。これによって、採光装置1は、連結部10や前記各接続部位等において、前記異物等による破損や変形等を生じ難くすることができて、この破損等の影響による導光性能の変化や導光効率の低下等を抑制し易くすることができる。
そして、採光装置1は、棟部材38で外壁(外装パネル34)の上端を覆ったことで、外装パネル34の上方に隙間を生じ難くすることができる。これによって、採光装置1は、簡素な構成で外壁の上端側に防水構造を形成し易くすることができて、外壁の上端側から屋内側への雨水等の流入を抑制し易くすることができる。
また、例えば、図6に示すように、連結部10を棟部材38より屋外側に配置した場合を説明する。この場合、棟部材38とは別にカバー部20を設けてある。カバー部20は、連結部10と、連結部10の二箇所の前記接続部位と、連結部10より屋内側の棟部材38とを覆う。そのため、カバー部20は、前記屋内側の棟部材38の代わりに棟として機能する。更に、カバー部20は下端部が外壁の外面33aより屋外側で、且つ外壁(外装パネル34)の上端より下方に位置する。
このように、採光装置1は、カバー部20で連結部10や前記接続部位等を覆うことで、異物から連結部10や前記各接続部位等を保護することができる。そのため、採光装置1は、連結部10や前記各接続部位等において、前記異物による破損や変形を抑制し易くすることができて、この破損等の影響による導光性能の変化や導光効率の低下等を抑制し易くすることができる。
更に、採光装置1は、外装パネル34の上端側を覆ってカバー部20を配置したことで、棟より屋外側の連結部10を外壁の屋外側の伝送部11と接続するための外壁と棟部材38との隙間を、カバー部20で覆い隠すことができる。これによって、採光装置1は、前記隙間(外壁の上端側)から屋内側への雨水等の流入を抑制し易くすることができる。
もちろん、カバー部20は、連結部10を屋外側に配置した棟部材38(棟の一部)だけでなく、棟部材38で形成した棟の略全体を覆い、新たな棟として機能可能なものであってもよい。この場合、採光装置1は、棟の一部におけるカバー部20による突出等での外観の差異を軽減し易くすることができる。
なお、本発明は、前述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更を行うことや、各例の構成を組み合わせて用いることが可能である。例えば、採光装置1は、採光板3の端面を光入射面3aとしたものであってもよい。この場合でも、採光部2が面で採光するため、光ファイバー等の点やこの点を集めた状態で採光するものに比べて、採光効率を向上し易くすることができる。また例えば、採光装置1は、複数の採光部2や複数の連結部10から一つの伝送部11に光を導入したり、複数の伝送部11から一つの光照射部15に光を導入したりしてもよい。また例えば、一つの連結部10から分岐する等で複数の伝送部11に光を導入したり、一つの伝送部11から分岐する等で複数の光照射部15に光を導入したりしてもよい。また例えば、採光部2は矩形状に限らない。
また例えば、採光装置1は、連結部10や伝送部11等に用いる光ダクトが、内面の略全体を鏡面状としたものに限らない。この場合としては、例えば、前記光ダクトが内部に光学レンズ等を有して、この光学レンズ等によって内面への光の拡散(照射)を抑制する等で、内面の鏡面状とする部位を規定して、一部を鏡面状としたもの等であってもよい。また例えば、採光装置1は、連結部10を採光板3や伝送部11と一体に設けたものや、伝送部11と光照射部15とを同一の導光板で形成したもの等であってもよい。
また例えば、採光装置1は、伝送部11が外装パネル34に一体で設けられたものや、施工前に外装パネル34に取付可能なもの等であってもよい。この場合、採光装置1は、施工時の伝送部11や外装パネル34の建物30への取付を纏めて行うことができて、施工時の手間を軽減し易くすることができる。
また例えば、採光装置1は、採光板3を複数備えてもよい。この場合、図9に示すように、板面を略平行にして重ねて配置してもよい。そして、採光装置1は、前記重ねて配置した場合、屋内側の採光板3の突起6が、屋外側の採光板3の突起6に比べて、斜辺の鋭角の角度を小さくしたり、底辺の寸法を大きくしたりする等が好ましい。このように角度や寸法を異ならせることで、採光装置1は、屋外側と屋内側とで採光板3が突起6で反射可能な光の角度(反射角)を異ならせることができて、採光板3の両方ともを透過して反射部8に至る光を低減し易くすることができる。これによって、採光装置1は、採光効率を向上し易くすることができる。もちろん、採光装置1は、複数の採光板3を重ねるにあたって、板面を略平行したものに限らず、太陽の季節や時間等での照射角の変化に対応させる等で、採光板3毎に屋根31に対する設置角度を異ならせてもよい。
1 採光装置
3 採光板
3a 光入射面
10 連結部
11 伝送部
15 光照射部
20 カバー部
30 建物
31 屋根
32 内壁
33 外壁材
34 外装パネル
35 開口部
36 窓部
38 棟部材

Claims (4)

  1. 光入射面を有した採光板と、この採光板で採光した光を建物の開口部から屋内に照射する光照射部と、前記採光板から前記光照射部に前記光を伝送する伝送部と、を備え、
    前記伝送部が、前記建物用の外壁材の屋内側となる部位に配置されるものである
    ことを特徴とする採光装置。
  2. 前記採光板と前記伝送部とを光学的に接続する連結部と、前記連結部及び前記連結部と前記採光板との接続部位を覆うカバー部と、をさらに備え、
    前記カバー部がその下端で前記外壁材の上端を覆って配置されるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の採光装置。
  3. 前記建物用の棟部材を、前記カバー部に用いるものである
    ことを特徴とする請求項2に記載の採光装置。
  4. 前記カバー部が、前記建物の棟の少なくとも一部を覆って配置されるものである
    ことを特徴とする請求項2に記載の採光装置。
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