JP6184429B2 - 光入射調整部材からなる太陽光入射構造 - Google Patents

光入射調整部材からなる太陽光入射構造 Download PDF

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Description

本発明は、採光部における太陽入射光の採光割合を、高高度太陽光の昼間よりも低高度太陽光の朝(午前),夕(午後)の方が相対的に大きくなるようにして、屋内などにおける一日の時間帯の太陽光照度の変動を小さくするための太陽光入射構造に関する。
特に、同一形状からなる例えば長方形状平板で鏡面仕様の複数の光入射調整部材を、採光部の東サイトおよび西サイトに、それぞれ南北方向で、全体としてはサイト境界に近いほど上方となる平面視東西直線方向の位置態様で配設した太陽光入射構造である(図1,図2参照)。
東サイトの光入射調整部材は東上がりの傾斜態様で、西サイトの光入射調整部材は西上がりの傾斜態様でそれぞれ配設されている(図2,図4参照)。
また、任意の第一の光入射調整部材は、そのサイト境界側の平面大部分(例えば後述の3/4)が隣上方に位置する離間対向状態の第二の光入射調整部材で覆われた形になっている。
採光部へ進む太陽光は、第一の光入射調整部材の上表面初期反射光の一部がそのサイト境界側隣上方の第二の光入射調整部材の下裏面にて反射した、下裏面再反射光の形で採光部に入射する。
この第一の光入射調整部材の上表面初期反射光に対する第二の光入射調整部材での下裏面再反射光の割合を、昼間の高高度太陽光よりも朝(午前),夕(午後)の低高度太陽光の方が大きくなるようにしている。
なお、上述の上表面初期反射光の中、第二の光入射調整部材での下裏面再反射光に移行しない部分は、採光部に入射せずに、太陽光入射構造の上方空間域へ伝搬する。
すなわち、採光部に配設される複数の同一形状の光入射調整部材(長方形状平板など)は、
(11)その一つ一つをみれば、それぞれ略南北方向に、かつ、朝方太陽光に対する東サイトの光入射調整部材が東上がりの傾斜態様で、夕方太陽光に対する西サイトの光入射調整部材が西上がりの傾斜態様で、水平面に対する例えば略同じ傾斜角度により配設され、
(12)その全体をみれば、平面視での略東西直線方向の横並び態様で配設され、
(13)採光部の東西各サイトの複数の光入射調整部材は、それぞれの上端側が当該各サイトの東西方向の外側端部よりもサイト境界(例えば採光部の東西方向中間部分)に近いほど高くなるように、サイト境界側の光入射調整部材をいわばせり上げた態様で設置され、
(14)第一の光入射調整部材のサイト境界側平面は隣上方に位置する離間対向状態の第二の光入射調整部材で覆われている。
ここで、東側からの朝方太陽光は西上がりの傾斜態様で配設された光入射調整部材で上方に反射され、西サイトから採光されない。また同様に、西側からの夕方太陽光は東サイトから採光されない。
また、採光部の東西各サイトにおける光入射調整部材の上端部分のいわば包絡面は、これら各サイトの上記外側端部からサイト境界への東西方向の上り傾斜となる。
この東西各サイト包絡面の上り傾斜によって、当該傾斜がないときよりも、朝方太陽光の入射方向からみたときの東サイトの採光部面積や、夕方太陽光の入射方向からみたときの西サイトの採光部面積が大きくなり、朝夕の採光量を増大させることができる。
また、この光入射調整部材として例えば方形平板状のものを用いる場合、それが太陽光入射構造として建屋などに設置される前のいわば部品段階では光入射調整部材自体の表裏,前後,左右の違いも生じない。これにより光入射調整部材管理の容易化が図れる。
本発明は、低高度太陽光および高高度太陽光それぞれの採光量(屋内照度など)の一日の時間帯変動を少なくする機能を備えた太陽光入射構造のいわば簡略化、およびこれにともなうコスト低減化や設置工事簡単化を図ったものである。
明細書および特許請求の範囲の記載では、本発明を北半球で実施する場合を前提としている。すなわち、実施する場所を通る子午線の低緯度側方向を「南」、高緯度側方向を「北」とする。本発明を南半球で実施する場合は、「南」を「北」と読み替え、かつ、「北」を「南」と読み替える。
また、必要に応じて、採光部へ配設した状態における光入射調整部材の東西の幅方向を「横」,「左右」、南北の長手方向を「縦」と記す。また、南側を「前」、北側を「後」と記す。
本件出願人は、すでに低高度太陽光および高高度太陽光それぞれの採光量(屋内照度など)の一日の時間帯変動を少なくする機能を備えた太陽光入射構造を提案している(下記特許文献1参照)。
この提案済みの太陽光入射構造は、朝夕の低高度の太陽光を採光部に積極的に取り込み、かつ昼間の高高度の太陽光のいわば採光部入射率を抑えるための入射態様調整についての検討,シミュレーションに基づくものである。
ここでは本発明と同様に上方に開いた採光部に対し、それぞれ光反射用下裏面と光遮蔽用上表面とを備えた複数の光入射調整部材(湾曲板)が、その一つ一つは南北方向に東上がり,西上がりの傾斜状態で、その全体は略東西方向の横並び態様で配設されている。
また、光入射調整部材の設定位置に応じて、すなわち採光部の東西方向外側端部から東西のサイト境界までのどの部分に設定されるかに応じて、そこで使用する光入射調整部材のサイズや傾斜角度を選択的に異ならせている。
この選択対象のサイズは採光部に設置した光入射調整部材自体の横方向の幅である。光入射調整部材の水平面との傾斜角度は、採光部のサイト境界に近いほど大きな角度に設定されている。すなわち東西中央のサイト境界に近いほど、光入射調整部材はより起立した状態になっている。
このように複数の湾曲版状の光入射調整部材を、その横方向の幅サイズや、採光部水平面との傾斜角度が異なる状態で用いている。
これにより、光入射調整部材それぞれの下端部分が水平面上に位置し、かつ、当該それぞれの上端部分が東西外端側から東西方向中央のサイト境界に向かって順次高くなっていく形に設定している。
特許第5281198号公報
このように提案済みの太陽光入射構造は、複数の異なる湾曲板形状の光入射調整部材をそれぞれ、下端部分が水平面上で、かつ、上端部分が東西の外端側から中央のサイト境界に向かって順次高くなっていく形で配設する。この配設により、一日の各時間帯の太陽光入射量(照度)変動の平均化を図れるといった利便性を備えている。
本発明は、この太陽光入射構造の利便性を少なくとも実用レベルで維持しつつ、その構成部分の簡略化,生産コストの低減化,設置工事の簡単化および光入射調整部材管理の簡単化などを図ることを目的とする。
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)鏡面仕様で同一形状からなる複数の光入射調整部材(例えば後述の西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′,変形フィン2k,低傾斜フィン2m)が、それぞれ南北方向で、全体としては平面視東西直線方向の位置態様により採光部(例えば後述の採光部1a)の東サイトおよび西サイトに配設された太陽光入射構造において、
前記東サイトの前記光入射調整部材は(例えば後述の東側フィン2b,2b′)、
それぞれ東上がりに傾斜しそれぞれの東西方向に離間した上端縁部分(例えば後述の上端縁部分2c)が前記東サイトと前記西サイトとのサイト境界(例えば後述のサイト境界1b)に近いほど上方に位置して、全体が東西方向の形で配設され、
前記西サイトの前記光入射調整部材(例えば後述の西側フィン2a,2a′)は、
それぞれ西上がりに傾斜しそれぞれの東西方向に離間した上端縁部分(例えば後述の上端縁部分2c)が前記サイト境界に近いほど上方に位置して、全体が東西方向の形で配設され、
前記光入射調整部材の全体は、
それぞれの上表面のサイト境界側部分へ入射して反射した太陽光が、その隣上方光入射調整部材の下裏面で再反射することにより前記採光部に取り込まれ、
前記上表面のサイト境界反対側部分に入射して反射した太陽光が前記下裏面で再反射することなく前記隣上方光入射調整部材の上方に逃げ、
かつ、前記上表面の入射太陽光に対する前記採光部への取込み太陽光の割合が、高仰角の昼間入射太陽光よりも低仰角の朝夕入射太陽光の方で大きくなる態様により配設されている、
構成態様のものを用いる。
(2)上記(1)において、
前記採光部に配設された前記光入射調整部材の前記傾斜態様は、
すべて水平面に対する同一角度の傾斜状態である、
(3)上記(1)において、
前記採光部に配設された前記光入射調整部材は、
少なくとも、水平面に対する第一の角度の傾斜状態のもの(例えば後述の西側フィン2a,東側フィン2b)と、当該第一の角度とは異なる第二の角度の傾斜状態のもの(例えば後述の低傾斜フィン2m)とからなる、
構成態様のものを用いる。
(4)上記(1),(2),(3)において、
前記光入射調整部材は、
前記東サイトおよび前記西サイトのそれぞれに北上がりの傾斜態様で配設され(例えば後述の西側フィン2a′,東側フィン2b′)、
前記採光部の北側部分に、
前記光入射調整部材への太陽光反射用の北側起立部材(例えば後述の北側起立平板2e)が南傾斜状態で設置された、
構成態様のものを用いる。
本発明は、以上の構成からなる光入射調整部材を用いた太陽光入射構造を対象としている。
本発明は以上の課題解決手段により、
(21)一日の各時間帯(朝方,昼間,夕方など)における採光部からの太陽入射光の照度変化分の縮小化を図る、
(22)この照度変化分の縮小化機能を備えた太陽光入射構造の構成の簡略化,生産コストの低減化,設置工事の簡単化および光入射調整部材管理の簡単化などを図る、
ことができる。
太陽光入射構造の平面状態を示す説明図である。 太陽光入射構造の東西方向の断面状態を示す説明図である。 太陽光入射構造の斜視平面状態を示す説明図である。 昼間太陽光および夕方太陽光それぞれの入反射状態を示す説明図であり、(a)は入反射状態の概要を示し、(b)は入反射状態の詳細を示している。 北側起立面を備え、すべての光入射調整部材が北上がりの傾斜態様で配設された太陽光入射構造の南北方向の断面状態を示す説明図である。 図5の太陽光入射構造の斜視平面状態を示す説明図である。 長方形状の光入射調整部材の別の実施形態を示す説明図であり、(a)は光入射調整部材それぞれの横方向短辺の下端側を縦方向長辺の全体にわたって下方に折り曲げた状態を示し、(b)は採光部水平面に対する光入射調整部材それぞれの傾斜角度をθ,θ′の二種類に設定した状態を示している。 天井に埋設するかたちで設けられた太陽光入射構造の東西方向の断面状態を示す説明図であり、(a)は太陽光入射構造周囲の天井に上方が広くなる態様の傾斜面を設けた場合を示し、(b)は太陽光入射構造周囲に鏡面ダクトを設けた場合を示している。
図1〜図8を用いて本発明の実施形態を説明する。
図1〜図8で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば採光部1a)は原則として当該参照番号の数字部分の構成要素(例えば天井1)の一部である、ことを示している。
図1〜図8において、
1はビル,家屋,工場などの各種建屋における採光対象部分としての天井,
1aは当該天井の一部に形成され、太陽光入射部分として作用するいわば開口天窓態様の採光部,
1bは採光部1aを東サイトと西サイトに区分けして南北方向に延びる仮想の東西中央のサイト境界,
1cは採光部1aの内周面に設けられた上方が広くなる態様の傾斜面(図8(a)のみで使用),
1dは採光部1aの内周面に設けられた鏡面ダクト(図8(b)のみで使用),
をそれぞれ示している。
また、
2は採光部1aに設置された太陽光入射構造,
2a,2a′は当該太陽光入射構造の西サイトを構成する計13枚の長方形状平板であって、それぞれ縦方向(長辺)が南北を向いた西上がりの傾斜態様で、かつ、その全体はサイト境界1bに近いほど高位置となる状態で東西方向の一列に配設された西側フィン(西サイトの光入射調整部材:2a′は図5,図6のみで使用),
2b,2b′は当該太陽光入射構造の東サイトを構成する計13枚の長方形状平板であって、それぞれ縦方向(長辺)が南北を向いた東上がりの傾斜態様で、かつ、その全体はサイト境界1bに近いほど高位置となる状態で東西方向の一列に配設された東側フィン(東サイトの光入射調整部材:2b′は図6のみで使用),
2cはそれぞれ幅方向に傾斜した西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′および後述の変形フィン2k,低傾斜フィン2mの各長手方向に延びる上端縁部分,
2dはそれぞれ幅方向に傾斜した西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′の各長手方向に延びる下端縁部分,
2eは天井1の採光部北側縁上表面に南傾斜状態(図5参照)で固定されて、南側からの入射太陽光を積極的に西側フィン2a′および東側フィン2b′の方へ反射する北側起立平板(光入射調整部材への太陽光反射用の北側起立部材),
2fは西側フィン2a,2a′および後述の変形フィン2k,低傾斜フィン2mなどの長手方向(南北方向)端部を取り付けるための細幅板状で一対の西側斜め支持部,
2gは東側フィン2b,2b′および後述の変形フィン2k,低傾斜フィン2mなどの長手方向(南北方向)端部を取り付けるための細幅板状で一対の東側斜め支持部,
2hは西側斜め支持部2fおよび東側斜め支持部2gそれぞれの上端側を連結する一対の水平支持部,
2jは西側斜め支持部2fおよび東側斜め支持部2gをそれぞれ天井1の採光部回り外側部分に固定するための計四個のL字状金具,
2kは西側フィン2a,2a′の横方向短辺の下端側を縦方向長辺の全体にわたって下方に折り曲げた形の変形フィン〔光入射調整部材:図7(a)のみで使用〕,
2mは西側フィン2a,2a′と同一形状からなり、水平面との傾斜角度がこれよりも小さい態様で配設された低傾斜フィン〔光入射調整部材:図7(b)のみで使用〕,
3は太陽光入射構造2の全体を覆うことによりこれを保護する形で天井1の上表面に固定された透光性で後方拡大形状のドーム,
4は太陽光入射構造2の全体を覆うことによりこれを保護する形で天井1の上表面に固定された透光性で平板形状の採光パネル(図8のみで使用),
をそれぞれ示している。
また、
Wは長方形状平板からなる西側フィン2a,2a′および東側フィン2b,2b′それぞれの横方向の幅,
Lは長方形状平板からなる西側フィン2a,2a′および東側フィン2b,2b′それぞれの縦方向の長さ,
θは採光部水平面に対する西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′および変形フィン2kの東西方向の傾斜角度,
θ′は採光部水平面に対する低傾斜フィン2mの東西方向の傾斜角度(<θ),
をそれぞれ示している。
ここで、西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′,変形フィン2kおよび低傾斜フィン2mは、同一形状,同一サイズの鏡面仕様である。また、鏡面ダクト1dは、その内面が鏡面仕様である。これらは、例えばアルミ製鏡面,ステンレス製鏡面,銀・アルミニウムの真空金属蒸着フィルム処理を施した樹脂製鏡面,ガラス鏡面などを用いる。
ドーム3および採光パネル4は、アクリル、ポリカーボネートなどからなるプラスチック製やガラス製のものである。
さらには、西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′および低傾斜フィン2mは互いに同一形状,同一サイズで、かつ、フィン長手方向中心軸およびフィン幅方向中心軸の双方に関して対称の平板部材である。
そのため作業者は、西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′および低傾斜フィン2mのそれぞれを採光部1aに設置するときや、設置前に当該フィンをまとめて保管するときに、個々のフィンについてその前後左右や表裏を特に意識しなくてもよい。
このように太陽光入射構造2は、採光部1aの東西各サイトの西側斜め支持部2fおよび東側斜め支持部2gに、それぞれ計13枚の西側フィン2a,2a′および東側フィン2b,2b′を固定したものである。なお、変形フィン2kや低傾斜フィン2mも西側斜め支持部2fおよび東側斜め支持部2gに固定される。
なお、各フィンを固定するには、ネジ止め,リベット止め,接着などの各種固定手段を適宜用いる。
西側フィン2a,2a′および東側フィン2b,2b′は、それぞれ南北を向いた西上がり(西側フィン)および東上がり(東側フィン)の傾斜状態で、上端部分が東西各サイトの東西外側端部よりもサイト境界1bに近いほど高い位置に配設されている。変形フィン2kや低傾斜フィン2mを用いる場合も同様である。
また、図1で明示されるように西側フィン2a,2a′および東側フィン2b,2b′は、サイト境界1bに直近の計二個のフィンを除き、それぞれの平面の略3/4の部分が隣上方の離間対向フィンでいわば覆われている。
すなわち、各フィンの上表面およびその隣上方フィンの下裏面それぞれの大半部分(略3/4)が対向している。この対向により当該上表面での反射光が当該下裏面の方に進んでいく。
西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′および変形フィン2kの傾斜角度θは水平面から5度から35度に設定し、低傾斜フィン2mの傾斜角度θ′はθよりも小さい水平面から4度から34度に設定する。
また、図5および図6の各フィンの北上がりの傾斜角度は例えば水平面から5度から35度に設定し、北側起立平板2eの南側への傾斜角度は例えば0度から20度(水平面から70度から90度)の角度に設定する。
図4において、
A(=A1+A2)は西側の空の高高度から任意の西側フィン2a,2a′の上表面に大きな仰角で入射する昼間太陽光,
A1は昼間太陽光Aの中、第一の西側フィンの上表面上側部分(上端縁部分2cに近い部分)で反射した後、その東隣上方の第二の西側フィンの下裏面で再反射することなくフィン上方にいわば逃げてしまう昼間逃げ反射光(採光部1aに入射しない太陽反射光),
A2は昼間太陽光Aの中、第一の西側フィンの上表面下側部分で反射した後、その東隣上方の第二の西側フィンの下裏面で再反射して採光部1aに入射する昼間取込み反射光(採光部1aへ入射する太陽光),
B(B1+B2)は西側の空の低高度から任意の西側フィン2a,2a′の上表面に小さな仰角で入射する夕方太陽光,
B1は夕方太陽光Bの中、第一の西側フィンの上表面上側部分(上端縁部分2cに近い部分)で反射した後、その東隣上方の第二の西側フィンの下裏面で再反射することなくフィン上方にいわば逃げてしまう夕方逃げ反射光(採光部1aに入射しない太陽反射光),
B2は夕方太陽光Bの中、第一の西側フィンの上表面下側部分で反射した後、その東隣上方の第二の西側フィンの下裏面で再反射して採光部1aに入射する夕方取込み反射光(採光部1aへ入射する太陽光),
をそれぞれ示している。
なお、東の空から任意の東側フィン2b,2b′に入射する昼間太陽光および朝方太陽光の場合にも、上述の西側フィン2a,2a′の昼間太陽光および朝方太陽光に対する反射作用と同様の採光状態が設定されるのは勿論である。また、変形フィン2kや低傾斜フィン2mを用いる場合も同様である。
このように朝方,昼間,夕方のいずれにおいても、図4のA,Bで示すように、西側フィン2a,2a′および東側フィン2b,2b′などの上表面で反射した太陽光はサイト境界1bに近い隣上方フィンの方に進む。
西側フィンの場合はその東隣上方に配設された別の西側フィンの方に進み、東側フィンの場合はその西隣上方に配設された別の東側フィンの方に進む。
すなわち、太陽光入射構造の各フィンへ入射する昼間,夕方の太陽光A,Bはいわば初期反射光としてそのサイト境界側の隣上方フィンの方に進む。
この初期反射光は、
(31)サイト境界側の隣上方フィンの裏面で再反射せずにフィン上方へと伝搬する逃げ反射光A1,B1と、
(32)この隣上方フィンの裏面で再反射して採光部1aへと伝搬する取込み反射光A2,B2とに、
区別されえる。
そして図4で明示されるごとく、昼間太陽光Aおよび夕方太陽光Bに対する、それぞれの逃げ反射光A1,B1の割合比率は昼間太陽光Aの方が格段に大きくなっている。
これは、
(41)西上がりの傾斜態様の西側フィン2a,2a′の上表面に対する昼間太陽光Aの入射角度(表面法線と入射光との間の角度)が夕方太陽光Bのそれよりも小さく、
(42)この西側フィン2a,2a′の上端縁部分2cが東西中央のサイト境界1bに近いほど上方位置に設定されている、
ためである。
上述の逃げ反射光A1,B1の割合比率の大小関係および(41),(42)に記載のことは、(図示省略の)東の空からの高高度の昼間太陽光と低高度の朝方太陽光との間においても、勿論いえる。また、この大小関係や記載内容は変形フィン2kや低傾斜フィン2mを配設する場合も同様に妥当する。
図5および図6の太陽光入射構造2は、それぞれ北上がり傾斜のフィンおよび南傾斜の北側起立平板2eを備えている。
この各フィンの北上がり傾斜によって、南北方向に水平状態の場合(図3参照)よりも、南寄り太陽光の入射方向からみたときに、太陽光入射構造2の東西各サイトの採光部面積が大きくなり、採光量を増大させることができる。
また、夏季における高い入射角度の太陽光は、その一部が南傾斜している北側起立平板2eの北側面に当たり、太陽光入射構造2の東西各サイトの採光部へ入射しないので、季節による屋内採光量照度の平均化を図ることができる。
また、太陽光入射構造2の東西各サイトの採光部へ直接入射しない低い入射角度の太陽光が、北側起立平板2eの南側面に反射して当該採光部へ入射するので、より採光量を増大させることができる。
図7(a)の複数の変形フィン2kは、それぞれ横方向短辺の下端側を縦方向長辺の全体にわたって下方に折り曲げた形のフィンである。
この折り曲げ形状により、変形フィン2kは自らの大きな強度を保持でき、曲り部分での反射光方向のいわば複雑化を図ることができる。
図7(b)の(西側フィン2a+低傾斜フィン2m)を用いた太陽光入射構造では、これら傾斜角度の異なる二種類のフィンを用いているので、当該フィン全体からの錯綜した反射光方向感をえることができる。
太陽光入射構造2では、上述したように西側フィン2a,2a′および東側フィン2b,2b′などで太陽光を採光部1aへ再反射するに際して、低高度太陽光に対する再反射割合が高高度太陽光のそれよりも大きく設定される。
この再反射割合の大小設定により、一日の時間帯における屋内採光量照度のできるだけの平均化を図っている。
図8(a)および図8(b)の太陽光入射構造2は、いずれも天面1に埋設される態様で設けられている。太陽光入射構造2を保護する採光パネル4は平板形状なので天面1から上に突出する部分がない。
さらに、図8(a)の太陽光入射構造2では、図示矢印のような低い入射角度の太陽光がより多く太陽光入射構造2に入射するように、太陽光入射構造2の周囲の天井1に上方が広くなるような傾斜面1cを設けている。
また、図8(b)の太陽光入射構造2では、低い入射角度の太陽光がより多く太陽光入射構造2に入射するように、太陽光入射構造2の周囲に鏡面ダクト1dを設けている。図示矢印のように太陽光入射構造2の上を越える低い入射角度の太陽光は、鏡面ダクト1dで反射してから太陽光入射構造2に入射する。
本発明が以上の実施形態に限定されないことは勿論であり例えば、
(51)採光部1aに各種タイプの光ダクトを取り付ける、
(52)西側フィン2a,2a′,東側フィン2b,2b′,変形フィン2kおよび低傾斜フィン2mとして各種形状のフィンを用いる。
(53)平板状フィンに代えて湾曲板状フィンを用いる、
(54)ドーム3として、南北方向にも対称なお椀形状や、十分な大きさの北側起立平板2eを収容できるいわば角型空間域を備えた形状のものを用いる、
(55)傾斜角度の異なる三種類以上のフィンを用いる、
(56)鏡面ダクト1dを下方に延長する、
ようにしてもよい。
〔図1〜図8〕
1:天井
1a:採光部
1b:採光部の東西のサイト境界
1c:傾斜面(図8(a)のみで使用)
1d:鏡面ダクト(図8(b)のみで使用)
2:太陽光入射構造
2a,2a′:西側フィン(2a′は図5,図6のみで使用)
2b,2b′:東側フィン(2b′は図6のみで使用)
2c:上端縁部分
2d:下端縁部分
2e:北側起立平板
2f:一対の西側斜め支持部
2g:一対の東側斜め支持部
2h:一対の水平支持部
2j:計四個のL字状金具
2k:変形フィン〔図7(a)のみで使用〕
2m:低傾斜フィン〔図7(b)のみで使用〕
3:透光性のドーム
4:透光性の採光パネル(図8のみで使用)
W:各フィンの横方向の幅
L:各フィンの縦方向の長さ
θ:水平面に対する西側フィン,東側フィンおよび変形フィンの東西方向の傾斜角度
θ′:水平面に対する低傾斜フィンの東西方向の傾斜角度(<θ)
〔図4〕
A(=A1+A2):昼間太陽光
A1:昼間逃げ反射光(採光部に入射しない太陽反射光)
A2:昼間取込み反射光(採光部に入射する太陽光)
B(B1+B2):夕方太陽光
B1:夕方逃げ反射光(採光部に入射しない太陽反射光)
B2:夕方取込み反射光(採光部へ入射する太陽光)

Claims (4)

  1. 鏡面仕様で同一形状からなる複数の光入射調整部材が、それぞれ南北方向で、全体としては平面視東西直線方向の位置態様により採光部の東サイトおよび西サイトに配設された太陽光入射構造において、
    前記東サイトの前記光入射調整部材は、
    それぞれ東上がりに傾斜しそれぞれの東西方向に離間した上端縁部分が前記東サイトと前記西サイトとのサイト境界に近いほど上方に位置して、全体が東西方向の形で配設され、
    前記西サイトの前記光入射調整部材は、
    それぞれ西上がりに傾斜しそれぞれの東西方向に離間した上端縁部分が前記サイト境界に近いほど上方に位置して、全体が東西方向の形で配設され、
    前記光入射調整部材の全体は、
    それぞれの上表面のサイト境界側部分へ入射して反射した太陽光が、その隣上方光入射調整部材の下裏面で再反射することにより前記採光部に取り込まれ、
    前記上表面のサイト境界反対側部分に入射して反射した太陽光が前記下裏面で再反射することなく前記隣上方光入射調整部材の上方に逃げ、
    かつ、前記上表面の入射太陽光に対する前記採光部への取込み太陽光の割合が、高仰角の昼間入射太陽光よりも低仰角の朝夕入射太陽光の方で大きくなる態様により配設されている、
    ことを特徴とする太陽光入射構造。
  2. 前記採光部に配設された前記光入射調整部材の前記傾斜態様は、
    すべて水平面に対する同一角度の傾斜状態である、
    ことを特徴とする請求項1記載の太陽光入射構造。
  3. 前記採光部に配設された前記光入射調整部材は、
    少なくとも、水平面に対する第一の角度の傾斜状態のものと、当該第一の角度とは異なる第二の角度の傾斜状態のものとからなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の太陽光入射構造。
  4. 前記光入射調整部材は、
    前記東サイトおよび前記西サイトのそれぞれに北上がりの傾斜態様で配設され、
    前記採光部の北側部分に、
    前記光入射調整部材への太陽光反射用の北側起立部材が南傾斜状態で設置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の太陽光入射構造。
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