JP2013233533A - スティック型固定式洗浄装置 - Google Patents

Abstract

【課題】主に食品・医薬品製造分野における定置式タンク内部の洗浄装置として、回転運動や昇降運動を伴わず固定式の構造で、加工誤差、取付精度等による悪影響を受けずに狙った場所を確実に洗浄することが可能な、洗浄精度の高い洗浄装置を提供する。
【解決手段】丸棒材より削り出して穴あけを行う精密パイプ構造の噴射ノズルを、噴射パターンが円錐状だけではなく、ノズル先端を扁平状に加工し、広角扁平状の噴霧パターンを持つ形状で、噴射ノズルの先端を微調整によって曲げることにより、洗浄液の噴霧方向が微調整可能で、溶接によって複数箇所に取り付けられた噴霧ノズルを提供する。
【選択図】図１

Description

この発明は、食品・医薬産業界における、定置式タンクの洗浄装置に関するものである。食品・医薬業界では主に液の調合、反応等を目的とした容器を使用するが、内容液を入れ替えて使用する際には、必ず容器内部を洗浄し、乾燥、滅菌等を施した上で次の製品を使用する。製品の特性上、容器内を確実に洗浄する必要があるため、密閉状態において自動洗浄装置を使用して洗浄を実施することを求められ、製品の特質によっては特に高いサニタリー性を要求され、洗い残しの無いように検証を行う必要がある。

従来の技術・背景

従来の洗浄装置においては、固定式のスプレーボール（全球型）をはじめ回転式、旋回式、昇降式などがあるが、食品や医薬品は製品中に異物の混入を嫌うため、一般的には固定式のスプレーボールが多く使用される。しかしながら固定式スプレーボールの穴あけ精度や、取付ノズルの精度、ノズルの傾きなどによる誤差が災いして、なかなか設計通りの位置を狙って洗浄することは困難である。一方ではこの精度による誤差の影響を受けにくい回転式洗浄装置等は非常に有効ではあるが、水流等による駆動方式が主流であるために、圧力変動等による水流の変化や、回転駆動不良等による洗浄不具合などが発生する可能性が高く、かつ異物混入の潜在的な抵抗もあって、実際には採用されるケースは少ない。

食品・医薬産業界においては、洗浄装置本体そのものにおける洗浄不良等による雑菌の繁殖、コンタミネーションを嫌うため、洗浄装置の構造が複雑なものは敬遠される傾向にあり、構造がシンプルで取外し分解手洗浄などが容易なものが望ましい。

従来は取付パイプと噴射穴の開いた薄板製球体をピンと止具で組付けていたが、本発明は主パイプに複数の噴射ノズルが溶接された一体構造であるため組付け時の間違いは無く、組付け部分からの洗浄液漏れも無く、又組付け部分の隙間による誤方向噴射も無い構造である。

オリフィス状の穴からは洗浄液が飛散して洗浄すべき点に到達する洗浄液量が少ないが、本発明は主パイプに溶接したパイプ状噴射ノズルから噴射するので、噴射方向が正確で飛散の少ない洗浄液がまとまって、強い衝撃力で洗浄すべき個所に到達する。

従来は球体にドリルで開けた丸穴だけなので、噴射パターンが狭い円錐状であるが、本発明は噴射ノズル先端を扁平にも加工するので、洗浄液を広角で扁平に噴射して広い範囲を万遍なく洗浄が可能である。

本発明は食品・医薬品業界向けの洗浄装置として、まったく新しい発想で容器を洗浄する固定式の洗浄装置である。従来の固定式洗浄ボールは、複数の部品を組付けているので、組付け間違い、隙間からの液漏れ、隙間寸法による振れがあり洗浄不良が発生している。

従来の薄板製球体構造の固定式洗浄ボールに開いた穴では、噴射方向の精度が不正確で、しかも修正が事実上不可能であった。

従来の薄板製球体構造の固定式洗浄ボールに開いた穴では、洗浄液が円錐状に飛散して散らばってしまうため、実際には洗浄すべき点に到達する洗浄液が少なく洗浄不良となる。

本発明による固定式洗浄装置は、主パイプに複数の噴射ノズルを溶接しただけの単一部品の一体構造である。

単一部品一体構造の主パイプに溶接された複数の噴射ノズルは、溶接後に治具を使用して曲げ加工が可能なので、噴射ノズルを洗浄すべき個所方向へ曲げて修正可能である。

噴射ノズルは、丸棒材より削り出して穴あけを行う精密パイプ構造としたため、ノズル先端部分を扁平形状等に加工することにより噴射パターンを変化する事が可能である。

単一部品一体構造なので、組付け時の付け間違い等が無く、組付け部分の隙間からの洗浄液漏れも無い。また洗浄精度に悪影響を与える組付け部分の隙間による振れも無くなる。

本品は、単一部品一体構造の主パイプに、丸棒材より削り出して穴あけを行う精密パイプ構造の噴射ノズルを溶接した単純な構造であるため、本発明の完成品をタンクに取付けた後でも、噴射ノズルの先端を微調整によって曲げることにより、洗浄液の噴霧方向を微調整して、正確に洗浄すべき個所への噴射方向の修正が可能である。

噴射液の噴射パターンが円錐状だけではなく、ノズル先端を扁平状に加工すれば、広角扁平状に噴射された広角で広範囲な洗浄が可能となり、洗浄ノズルが最適化され、結果的に洗浄に使用する水量を節約することが可能となる。

洗浄液を分配する主パイプの周囲に、洗浄すべき個所方向へ最適化された方向へ向けて、先端を加工したノズルを複数溶接する。

スティック型固定式洗浄装置の図である。

ノズルの断面図である。 ノズルの立体イメージ図である。

Claims (1)

1. 固定式洗浄装置として、単一部品一体構造のパイプ形状本体から、丸棒材より削り出して穴あけを行う精密パイプ構造の噴射ノズルを、噴射パターンが円錐状だけではなく、ノズル先端を扁平状に加工し、広角扁平状の噴霧パターンを持つ形状で、噴射ノズルの先端を微調整によって曲げることにより、洗浄液の噴霧方向を微調整可能な、溶接によって複数箇所に取り付けられた噴霧ノズルを有する洗浄装置。