JP2013233532A - 水処理システム - Google Patents

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正芳 佐久間
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Abstract

【課題】被処理水をオゾンで液相にて直接酸化処理するコンパクトな水処理システムを提供する。
【解決手段】水処理システム100Bは、複数のオゾン反応処理ユニット110で構成されたバッチ式の水処理システムである。循環配管系統33Cは、ヒータ6、混合されたオゾンガスを気体源としてマイクロバブルを発生するノズル7A、オゾン反応槽11Bに導入する被処理水をオゾンによる分解反応に適した温度範囲に調節する熱交換器43を有する。オゾン反応槽11Bは、オゾンによる分解反応に適した温度範囲に調節する温度調節ジャケット37を有している。制御装置10Bは、循環配管系統33Cにより被処理水を均一に撹拌し、被処理水中のホルムアルデヒドの濃度を分析装置20Bにより分析させ、被処理水のホルムアルデヒドの濃度が、排出可能な目標値以下になる推定処理時間及び要求オゾン量を算出し、オゾン反応槽11Bにオゾンを注入するように制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、工場排水に含まれる処理対象の有機化合物、例えば、ホルムアルデヒドを分解して河川等に排出可能なレベルにまで処理対象の有機化合物の濃度を低減するに好適なマイクロバブル、ナノバブルを利用した水処理システムに関する。
例えば、缶詰製品等の工場では、缶詰に内容物を充填する前に、缶詰を水洗浄する。缶詰の内面は合成樹脂によりコーティングされており、洗浄水をフィルタリングしながら繰り返し使用すると、合成樹脂の表面から洗浄除去された有機化合物、例えば、ホルムアルデヒドが洗浄水中に溶け込む。
現在、日本において排水規制としての具体的な数値基準は無いが、水道水には水質基準を補う監視項目としてホルムアルデヒド(ホルマリン)がある。その値を超えないように監視する指針値は、1リットル当たり80μg(マイクログラム)となっている。
特許文献1には、ホルムアルデヒドのガスを分解する技術として、上段に気液混合部が、中段に放電ユニットを有する放電部が、下段には、循環水を溜める受水槽が設けられたほぼ角柱形状のガス処理装置の技術が記載されている。それは、受水槽の循環水をポンプで汲み上げ、気液混合部の上部から散水ノズルにより散水して、受水槽に注入したオゾンガスと放電によりホルムアルデヒドを分解するものである。
特開2000−279977号公報(段落[0050]〜[0053]、及び図7参照)
特許文献1に記載の従来技術では、ホルムアルデヒドを含む被処理水又は被処理ガスを一旦、角柱形状の処理装置に導入し、受水槽の循環水にオゾンガスを導入し、受水槽の水を上部から散水して循環させる構造であり、処理装置の高さが高くなり、結果として処理装置そのものの体積が大きくなる欠点がある。また、ホルムアルデヒドの分解を促進するため、放電ユニットを有しており、この点も処理装置においてホルムアルデヒドを含む被処理水をオゾンだけで直接酸化処理するということができない複雑な構成となっている。
本発明の目的は、以上の問題に鑑み、処理対象の有機化合物を含む被処理水をオゾンによって液相で直接酸化処理するコンパクトな水処理システムを提供することにある。
上記目的を達成するため第1の発明の水処理システムは、処理対象の有機化合物を含む被処理水を連続的に流入させて受け入れるオゾン反応槽と、オゾンガスを発生させるオゾン発生装置と、オゾン反応槽内の被処理水の一部を循環させ、それにオゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合してオゾン反応槽内に連続供給する第1の循環配管系統と、オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生を制御する制御装置と、を備えた水処理システムであって、
第1の循環配管系統に混合されたオゾンガスを活性化させるためのオゾン反応槽の近傍に設けられたヒータと、混合されたオゾンガスを気体源としてマイクロバブルを発生する第1の循環配管系統に設けられた第1のマイクロバブル生成装置と、オゾン反応槽の被処理水を、被処理水中の処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節する被処理水温度調節手段と、オゾン反応槽に流入する被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度を検出する第1の有機化合物濃度検出センサと、オゾン反応槽の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度を検出する第2の有機化合物濃度検出センサと、を備え、
制御装置は、
被処理水温度調節手段を制御して、被処理水中の処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲にオゾン反応槽内の被処理水の温度を調節するとともに、
第2の有機化合物濃度検出センサによるオゾン反応槽内の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度に基づいて、オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生量をフィードバック制御し、
第1の有機化合物濃度検出センサによる流入する被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度が、第2の有機化合物濃度検出センサによるオゾン反応槽内の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度よりも増大するときには、その濃度の増大量に基づいて、オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生量をフォワード制御し、
オゾン反応槽から排出される被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度が目標値以下になるように設定することを特徴とする。
被処理水温度調節手段は、オゾン反応槽に流入する被処理水を、被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節する流入被処理水温度調節手段と、オゾン反応槽の外周を囲むようにジャケットが設けられ、ジャケットに熱源又は冷熱源からの媒体を流通させることによりオゾン反応槽内の被処理水の温度を、被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節するオゾン反応槽温度調節手段と、ジャケットの外周を囲むように設けられた保温材と、を含んで構成されることが望ましい。
そして、オゾン反応槽は、複数の仕切板で前段から後段へと流れることが可能な仕切区画に分けられ、被処理水を最前段の仕切区画に受け入れ、第2の有機化合物濃度検出センサは、最前段の仕切区画の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度を検出し、第1の循環配管系統は、最前段の仕切区画から抽水された被処理水中にオゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合させ、第1のマイクロバブル生成装置においてオゾンのマイクロバブルを生成させて、再び前記最前段の仕切区画に注入する構成とすることが望ましい。
第1の発明により、処理対象の有機化合物、例えば、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドは、水に極めて溶けやすいので、それらの一方を含む被処理水は、オゾン反応槽内の最前段の仕切区画に滞留してほぼ均一化されている被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度に基づいて、オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生量がフィードバック制御され、オゾン反応槽から排出される被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度が目標値以下になるように制御できる。
しかも、第1の有機化合物濃度検出センサによる流入する被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度が、第2の有機化合物濃度検出センサによるオゾン反応槽内の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度よりも増大するときには、その濃度の増大量に基づいて、オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生量をフォワード制御するので、オゾン反応槽の最前段の仕切区画に流入する被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度が増大したときに、最前段の仕切区画に注入するオゾンガスを迅速に増大させることができ、連続的に被処理水を処理して排出する際に、オゾン反応槽から排出される被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度が目標値以下に制御できる。
更に、第1の発明において、オゾン反応槽の最後段の仕切区画より少なくとも1段上流側の仕切区画における、被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度を検出する第3の有機化合物濃度検出センサ及び被処理水中のオゾン濃度を検出するオゾンセンサと、前記最後段の仕切区画より少なくとも1段上流側の仕切区画から抽水された被処理水中にオゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合させ、第2のマイクロバブル生成装置においてオゾンのマイクロバブルを生成させて、抽水した仕切区画より上流側の仕切区画に注入する第2の循環配管系統と、を更に備え、
制御装置は、第3の有機化合物濃度検出センサの検出した被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度、オゾンセンサが検出した被処理水中のオゾン濃度及びオゾン反応槽に流入する被処理水の流量に基づいて、第2の循環配管系統における被処理水の循環流量とオゾン発生装置で発生されたオゾンガスの第2の循環配管系統への混合量を、オゾン反応槽から排出される被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度が目標値以下になるように設定する構成とすることが望ましい。
その結果、最後段の仕切区画から排出される処理された被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度を確実に目標値以下にすることができる。
第2の発明の水処理システムは、処理対象の有機化合物を含む被処理水を流入させて受け入れる複数のオゾン反応槽と、オゾンガスを発生させるオゾン発生装置と、複数のオゾン反応槽内の被処理水をそれぞれ独立に循環させ、それにオゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合してオゾン反応槽内に連続供給する循環配管系統と、オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生を制御する制御装置と、を備えたバッチ式の水処理システムであって、
循環配管系統に混合された前記オゾンガスを活性化させるためのオゾン反応槽の近傍に設けられたヒータ、及び混合されたオゾンガスを気体源としてマイクロバブルを発生する循環配管系統に設けられたマイクロバブル生成装置と、オゾン反応槽の被処理水を、被処理水中の処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節する被処理水温度調節手段と、複数のオゾン反応槽内の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度をそれぞれ個別に検出する第4の有機化合物濃度検出センサと、を備え、
制御装置は、
被処理水温度調節手段を制御して、被処理水中の処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に、オゾン反応槽内の被処理水の温度を調節するとともに、
複数のオゾン反応槽のうちの当該の1つに被処理水が導入された際、そのオゾン反応槽の循環配管系統によりオゾン反応槽内の被処理水を均一に撹拌し、
その後、当該のオゾン反応槽内の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度を第4の有機化合物濃度検出センサにより検出し、検出された処理対象の有機化合物の濃度に基づき、当該のオゾン反応槽内の被処理水の処理対象の有機化合物の濃度が、排出可能な目標値以下になる推定処理時間及びオゾン発生装置で発生されたオゾンガスを当該のオゾン反応槽の循環配管系統に注入する要求オゾン量を算出し、
当該のオゾン反応槽の循環配管系統に、算出された要求オゾン量が推定処理時間内に当該のオゾン反応槽に注入されるように注入オゾン流量を設定して制御することを特徴とする。
被処理水温度調節手段は、オゾン反応槽に流入する被処理水を、被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節する流入被処理水温度調節手段と、オゾン反応槽の外周を囲むようにジャケットが設けられ、ジャケットに熱源又は冷熱源からの媒体を流通させることによりオゾン反応槽内の被処理水の温度を、被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節するオゾン反応槽温度調節手段と、ジャケットの外周を囲むように設けられた保温材と、を含んで構成されることが望ましい。
そして、制御装置は、少なくとも当該のオゾン反応槽の被処理水の温度、設定された注入オゾン流量及び算出された推定処理時間に基づいて、水処理の経過時間依存の当該のオゾン反応槽の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度の推移を推定する水処理経過推定手段を有し、
該水処理経過推定手段が推定した水処理の経過時間依存の当該のオゾン反応槽の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度の推移における、予め設定された経過時間時点の被処理水中の推定された処理対象の有機化合物の濃度と、第4の有機化合物濃度検出センサにより検出された当該のオゾン反応槽の被処理水中の処理対象の有機化合物の濃度との差分に基づき、設定された注入オゾン流量を補正する構成とすることが望ましい。
第2の発明によれば、オゾン反応槽で処理された被処理水中の処理対象の有機化合物、例えば、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドの濃度を確実に目標値以下にすることができる。
本発明によれば、処理対象の有機化合物を含む被処理水をオゾンによって液相で直接酸化処理するコンパクトな水処理システムを提供することができる。
第1の実施形態に係わる水処理システムの構成をオゾン反応槽の縦断面図で示す概要図である。 第2の実施形態に係わる水処理システムの全体構成図である。 第2の実施形態に係わる水処理システムの構成をオゾン反応槽の縦断面図で表す概要図である。 第2の実施形態に係わる水処理システムの水処理の制御の流れを示すフローチャートである。 図4の続きのフローチャートである。 図5の続きのフローチャートである。 図6の続きのフローチャートである。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態に係わる水処理システムについて、図1を参照しながら説明する。図1は第1の実施形態に係わる水処理システムの構成をオゾン反応槽の縦断面図で示す概要図である。
本実施形態の水処理システム100Aは、例えば、飲料水メーカ等の工場で、飲料缶や飲料用のペットボトル等に内容物を充填する前に、飲料缶や飲料用のペットボトル等を水洗浄する工程において排出される汚染水を処理して、一般河川に排出することが可能なようにする水処理システムである。
飲料缶の内面は合成樹脂によりコーティングされており、又、ペットボトルは合成樹脂製であることから、洗浄水をフィルタリングしながら繰り返し使用すると、合成樹脂の表面から洗浄除去された有機化合物、例えば、ホルムアルデヒドが洗浄水中に溶け込む。
そのため、洗浄水をそのまま一般河川に排出することはできない。日本の水道水においては、水質基準を補う監視項目として、ホルムアルデヒド(ホルマリン)の濃度の監視する指針値は、1リットル当たり80μg(マイクログラム)となっているので、これを準用して、水処理システム100Aでは、この指針値(目標値)以下に洗浄水に含まれるホルムアルデヒドの濃度を低下させることを目標としている。
水処理システム100Aは、図1に示すように、主に、水処理システム100A全体を統括制御する制御装置10Aと、被処理水供給配管系31、循環配管系統(第1の循環配管系統)33A及び循環配管系統(第2の循環配管系統)33Bを有する処理対象の有機化合物、具体的には、例えば、ホルムアルデヒドをオゾンの酸化反応で炭酸ガスと水に分解するオゾン反応槽11Aと、分析装置20Aと、曝気系統(気相ガス注入手段)35と、を含んで構成される。
(被処理水供給配管系31)
オゾン反応槽11Aには、被処理水X(原水)を供給する被処理水供給配管系31の被処理水供給配管32が接続され、後記する第1の区画(最前段の仕切区画)11aに開口部32aから被処理水Xを供給する。
被処理水供給配管系31は、被処理水供給配管32と、制御装置10Aでその開度を制御される流量制御弁41と、被処理水中の異物、懸濁質等をろ過するフィルタ42と、熱交換器43を有している。
熱交換器43には、流量制御弁45Aを有する排熱供給管44を通じて、工場の熱源から生じる排蒸気や廃蒸気(以下、排蒸気、廃蒸気を含めて「排蒸気」と称する)(媒体)、又は排温水や廃温水(以下、排温水、廃温水を含めて「排温水」と称する)(媒体)の形で排熱Yが供給され、排熱出口管46により排出される過程で、熱交換器43により被処理水Xが、所要の水温の範囲(特許請求の範囲に記載の「該被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲」に対応)に制御される。
なお、以下では、被処理水の原水を「被処理水X」と称し、オゾン反応槽11Aで処理されているものは単に「被処理水」と称する。
この熱交換器43による被処理水Xの温度の制御は、例えば、被処理水供給配管系31において、熱交換器43の上流側に設けられた温度センサST1、熱交換器43の下流側に設けられた温度センサST2、流量センサSF1からの各信号が制御装置10Aに入力され、制御装置10Aが流量制御弁45Aの開度を制御することで行われる。
これは、被処理水Xは、例えば、水道水を洗浄水として用いたものであり、比較的低い温度であり、その中に含まれるホルムアルデヒドをオゾンで酸化分解するのに効率の良い温度よりも低いことから、オゾンで酸化分解するのに効率の良い所要の水温の範囲に加温してからオゾン反応槽11Aに供給するものである。
熱交換器43の下流側の被処理水供給配管32には、サンプル取水配管47A、サンプル戻り配管49Aが接続している。サンプル取水配管47Aに設けられた取水ポンプ48Aにより、被処理水Xの一部を被処理水供給配管32から抽出してホルムアルデヒドの濃度を分析する分析装置20Aに常時送り、サンプル戻り配管49Aで取水された被処理水Xを被処理水供給配管32に戻す。サンプル取水配管47A、サンプル戻り配管49Aは、抽出された被処理水の保温のため保温材で外装されている。
分析装置20Aについては、後記する。
ちなみに、フィルタ42にとしては、例えば、限外ろ過膜装置を用いると、水の濁り成分が除去され、後記する処理対象の有機化合物の濃度を測定する第1、第2及び第3の有機化合物濃度検出センサであるところの分析装置20Aとして、IR分析(infrared absorption spectrometry(赤外吸収分析))を用いる場合に、サンプル水の透明度を維持する上で好都合である。
なお、被処理水Xが、限外ろ過膜装置等で十分ろ過された後に供給される場合は、当然にフィルタ42は不要である。
ここで、熱交換器43、排熱供給管44、流量制御弁45A、排熱出口管46が、特許請求の範囲に記載の「流入被処理水温度調節手段」を構成する。
(循環配管系統33A)
循環配管系統33Aは、循環配管1Aと、後記するオゾン発生装置2から供給されるオゾンガスを混合するオゾンガス混合装置3Aと、オゾンガス混合装置3Aの後流側に配され、被処理水を昇圧して吐出するポンプ4Aと、ポンプ4Aの吐出側に配された気水分離装置5Aと、オゾンガスが混合された被処理水を加熱するヒータ6と、ヒータ6の後流側に配置されたノズル(第1のマイクロバブル生成装置)7Aと、ポンプ入口圧力を調整するためにオゾンガス混合装置3Aの上流側に配された流量制御弁51Aと、を含んで構成されている。
循環配管1Aは、オゾン反応槽11Aの第1の区画11aの下部の吸水口1aから被処理水の一部を吸引して抽水し、流量制御弁51A、オゾンガス混合装置3Aを経由してポンプ4Aの吸込口に接続し、ポンプ4Aの吐出口から気水分離装置5A、ヒータ6、ノズル7Aを経由して、オゾンガスをマイクロバブルの形で含んだ被処理水を、オゾン反応槽の第1の区画11aの上下方向中央部近傍に開口した吐出口1bへ戻す。
ここで、ヒータ6は、オゾン反応槽11Aにできるだけ近づけて配置される。
循環配管系統33Aにおける流量制御弁51Aとオゾンガス混合装置3Aとの間の循環配管1Aには、流量センサSF2が設けられ、その流量信号は、制御装置10Aに入力される。また、気水分離装置5Aの下流側には、その通電加熱を制御装置10Aで制御されるヒータ6が配置され、その上下流側の循環配管1Aには、温度センサST3,ST4が設けられている。温度センサST3,ST4のそれぞれの温度信号は、制御装置10Aに入力される。
ここで、オゾンガス混合装置3Aには、エゼクタ形式、散気管方式、直接混合等の気液混合方式のものが適用される。
気水分離装置5Aは、タンク構造であり上部に図示しないエアベントが設けられており、オゾンガス混合装置3Aで混合されたオゾンガスのうち被処理水に溶解しなかった気泡を気水分離装置5Aの上部に集め、前記したエアベントから図示しないバッファタンクに配管で集められる。前記したバッファタンクには図示しない減圧弁とそれに接続する配管が設けられ、その配管はオゾンガス混合装置3Aにつながるオゾンガス供給管63に接続されている。
なお、図示しないバッファタンクから更にもう一本の配管が分岐され、この配管がリリーフ弁を通してオゾン反応槽11Aの底部に設けた図示しない散気管に接続され、溶解しなかったオゾンを、散気管からオゾン反応槽11A内に放出するようにしても良い。
ヒータ6による被処理水の加熱制御は、流量センサSF2、温度センサST3,ST4からの各信号が制御装置10Aに入力され、制御装置10Aが、温度センサST4の温度信号が、被処理水に溶けたオゾンガスが活性化する所定の温度範囲に入るように制御する。
これは、水処理システム100Aが屋外に設置され、オゾン反応槽11Aから抽出された被処理水が、例えば、冬場において冷えてしまい、それに溶解したオゾンガスの活性度が低下した状態で、オゾン反応槽11Aに供給されることを防止し、効率的にホルムアルデヒドを酸化分解するように活性化させるためである。
ノズル7Aは、例えば、オゾンガスが溶解した状態で昇圧された被処理水を急減圧し、マイクロバブル、又はナノバブルを被処理水中に生成するようになっている。
なお、以下では、マイクロバブル、ナノバブルを総称して、単に「マイクロバブル」と称する。
ちなみに、ポンプ4Aは、図示しないインバータからの電力により所定の回転速度で駆動される。
(オゾン発生装置2)
次に、オゾン発生装置2について説明する。
オゾン発生装置2は、オゾンガス供給管63を介して前記した循環配管系統33Aのオゾンガス混合装置3Aにオゾンガスを供給する。そして、オゾンガス供給管63の根元には、制御装置10Aによりその開度が制御される流量制御弁60が配置され、その下流側で分岐したオゾンガス供給管64、流量制御弁65を介して前記した循環配管系統33Bの後記するオゾンガス混合装置3Bにもオゾンガスを供給することが可能な構成となっている。
オゾンガス供給管63からオゾンガス供給管64が分岐した下流側のオゾンガス供給管63には、オゾン流量計SOF1が設けられ、その流量信号が制御装置10Aに入力される。オゾンガス供給管64には、制御装置10Aによりその開度を制御される流量制御弁65が設けられている。オゾンガス供給管64の流量制御弁65の下流側には、オゾン流量計SOF2が設けられ、その流量信号が制御装置10Aに入力される。
オゾン発生装置2は、制御装置10Aによって制御されたオゾン放電電流の調整によりオゾン発生量が制御される。そして、吐出されるオゾンガスの流量を計測する図示しないオゾン流量計やオゾンガス濃度計が設けられている。
オゾン発生装置2におけるオゾン発生量の制御については、制御装置10Aの説明の中で後記する。
(オゾン反応槽11A)
次に、オゾン反応槽11Aの構造について説明する。オゾン反応槽11Aは、複数の仕切板13によって複数の区画(仕切区画)11a,11b,11c,11dに分割されている。仕切板13は、オゾン反応槽11Aの底部との間に連通路を有する仕切板13A,13Cと下部がオゾン反応槽11Aの底部と接続し上部を被処理水が乗り越えて連通する仕切板13Bが交互に流れ方向に配置されるように構成されている。水処理システム100Aのオゾン反応槽11Aの第1の区画(最前段の仕切区画)11aに導入された被処理水Xは、先ず仕切板13Aの下部の連通路11fから下流側の次の第2の区画11bに流れ、仕切板13Bを乗り越えて下流側の次の第3の区画11cに流れる。更に、第3の区画11cから仕切板13Cの下部の連通路11gを通過して最後段の仕切区画である第4の区画11dに流れ込み、オゾン反応槽11Aの第4の区画11dの壁に開口した流出孔34aからオゾン処理された被処理水(オゾン処理水とも称する)として、オゾン処理水流出路34を経て、例えば、一般河川に排出される。
オゾン反応槽11Aの第4の区画11dの壁には水位測定用の配管が接続され水位センサSL1が設けられている。水位センサSL1からの水位信号は、信号線を図示省略してあるが制御装置10Aに入力され、制御装置10Aが、オゾン反応槽11Aの水位が高くなり過ぎることの無いように流量制御弁41の開度を調節する。
ここで、基本的に第1から第4の区画11a,11b,11c,11dの容積は、原則的に同じとすることが基本であるが、第4の区画11dの容積については第1から第3の区画11a,11b,11c容積よりも小さくし、仕切板13Cの下端とオゾン反応槽11Aの底部との連通路11gの開口面積を仕切板13Aの下端とオゾン反応槽11Aの底部との連通路11fの開口面積より小さくし、第3の区画11cから第4の区画11dへの被処理水の流れる量を抑制するようにしても良い。このようにすることにより連通路11gの流量で被処理水Xの最大処理量が決まることになる。
この連通路11f,11gの開口面積の調整は、例えば、仕切板13Cの下端とオゾン反応槽11Aの底部との隙間d2を、仕切板13Aの下端とオゾン反応槽11Aの底部との隙間d1より小さくすることで容易に実現できる。
前記したように第1の区画11aのオゾン反応槽11Aの壁の水深レベルにおける中央よりやや下方には、オゾンのマイクロバブルを含んだ被処理水を第1の区画11aに注入するために循環配管1Aの吐出口1bが開口している。また、第1の区画11aのオゾン反応槽11Aの壁の、前記した吐出口1bの位置より下方で、オゾン反応槽11Aの底部より上方には、被処理水を循環配管系統33Aに取り込む吸水口1aが開口している。
第1の区画11aには、例えば、オゾン反応槽11Aの天板側の壁から被処理水中に挿入されたサンプル取水配管47B、サンプル戻り配管49Bの取水口、戻し口が開口するように配置されている。サンプル取水配管47Bに設けられた取水ポンプ48Bにより、第1の区画11a内の吐出口1bより上方の被処理水の一部を抽出してホルムアルデヒドの濃度を分析する分析装置20Aに常時送り、サンプル戻り配管49Bで取水された被処理水を第1の区画11aに戻す。サンプル取水配管47Bには、温度センサST5が設けられ、サンプル用に抽出された被処理水の温度を測定し、制御装置10Aに温度信号を入力する。サンプル取水配管47B、サンプル戻り配管49Bは、抽出された被処理水の保温のため保温材で外装されている。
なお、図1では、サンプル取水配管47B及びサンプル戻り配管49Bは、第1の区画11a内の被処理水を吸水し、第1の区画11a内に戻す構成とされているが、それに限定されるものではなく、吸水口1aと流量制御弁51Aとの間の循環配管1Aに接続するようにしても良い。
次にオゾン反応槽11Aの曝気系統35について説明する。オゾン反応槽11Aは、上部が蓋で覆われており、被処理水から離脱してオゾン反応槽11Aの上部気相空間内に溜まったオゾンガス、ホルムアルデヒド等のガス(オゾン反応槽の気相のガス)をオゾン反応槽11Aの液相に散気するために導く気体循環流路14が設けられ、ブロワ15によってオゾン反応槽11Aの上部気相空間内のガスが吸引され、第1の区画11aの底部に配置された散気管16から被処理水中に散気される。
オゾン反応槽11Aの上部気相空間内には、オゾン反応槽11A内の被処理水から分離して気相に上昇したオゾンガスや、ホルムアルデヒドがオゾンで酸化分解したときに生成される炭酸ガス(CO)のうち被処理水に溶け込まなかった炭酸ガス、被処理水中から蒸発したホルムアルデヒドが、空気とともに溜まるので、ブロワ15で吸引して気体循環流路14及び散気管16を介し、被処理水中に散気し、ホルムアルデヒド及びオゾンガスを被処理水中に混合することが好ましい。
ちなみに、ホルムアルデヒドは水に良く溶けるので被処理水中のオゾンにより酸化分解される。
ここで、気体循環流路14、ブロワ15が、曝気系統35を構成している。ちなみに、曝気系統35の散気管16は、図1に示すような第1の区画11aに配置されることに限定されるものではなく、少なくなくとも第4の区画11dよりも上流側の区画(第1から第3の区画11a〜11cのいずれかに配置されれば良い。
なお、オゾン反応槽11Aの上部気相空間内に溜まったガスの量が増えると、オゾン反応槽11Aの水位が低下し、それが水位センサSL1からの水位信号として制御装置10A送られるので、制御装置10Aは、ブロワ15の吐出側の気体循環流路14から分岐して接続された排気配管17、流量制御弁18を介して排ガス処理装置19に接続している。
排ガス処理装置19は、排オゾンを、例えば、触媒により分解処理したり、ホルムアルデヒドを水にトラップしたりして、図示しない配管でトラップされたホルムアルデヒドは循環配管系統33Bに戻し、空気や炭酸ガス、酸素等は大気へ放出するための装置である。排気配管17、流量制御弁18、排ガス処理装置19が、「排気処理系」を構成する。
オゾン反応槽11Aの壁の外周は、配管を引き回して構成された温度調節ジャケット(ジャケット)37で囲われており、更にその外側は、例えば、発泡スチロールやグラスウール等の断熱材で構成された保温層(保温材)38で覆われている。保温層38の外側は、鋼板等で雨水等が侵入しないように外装されている。
温度調節ジャケット37の入口側には、排熱供給管44が接続され、出口側には排熱出口管46が接続されている。温度調節ジャケット37の入口側に接続された排熱供給管44には、制御装置10Aによりその開度が制御される流量制御弁45Bが配されており、前記した被処理水供給配管系31と同じく排熱Y’が供給される。
これはオゾン反応槽11A中の被処理水に含まれるホルムアルデヒドをオゾンで酸化分解するのに効率の良い所要の水温の範囲に保つためのものである。例えば、冬場においては、オゾン反応槽11Aが冷えて、被処理水供給配管系31でホルムアルデヒドをオゾンで酸化分解するのに効率の良い所要の水温の範囲にして被処理水Xを供給しても、外気に冷却されオゾン反応槽11A中の被処理水の温度がホルムアルデヒドをオゾンで酸化分解するのに効率の良い所要の水温の範囲よりも低下してしまう可能性があるためである。
オゾン反応槽11A中の被処理水の温度は、後記する温度センサST6からの温度信号が制御装置10Aに入力され、流量制御弁45Bの開度を制御して、例えば、工場の熱源から生じる排蒸気(媒体)や排温水(媒体)等である排熱Y’の流量を制御することで被処理水の温度がホルムアルデヒドをオゾンで酸化分解するのに効率の良い所要の水温の範囲に保たれる。
この排熱供給管44、流量制御弁45B、温度調節ジャケット37、排熱供給管44は、特許請求の範囲に記載の「オゾン反応槽温度調節手段」を構成する。
また、前記した「流入被処理水温度調節手段」を構成する熱交換器43、排熱供給管44、流量制御弁45A及び排熱出口管46と、「オゾン反応槽温度調節手段」を構成する排熱供給管44、流量制御弁45B、温度調節ジャケット37及び排熱供給管44、並びに保温層38が、特許請求の範囲に記載の「被処理水温度調節手段」に対応する。
なお、屋外にオゾン反応槽11Aを設置の場合は、夏場に外気によりオゾン反応槽11Aが加熱され、被処理水中のホルムアルデヒドやオゾンが気相に移行して、オゾンのマイクロバブルによるホルムアルデヒドの酸化分解に不都合の場合も考えられるので、排熱Y’としては工場の排蒸気、排温水に限定されること無く、工場に設置の冷房装置(冷熱源)等から供給される冷水(媒体)の冷却水配管をも接続して、図示しない切替弁により、オゾン反応槽11Aの加熱又は冷却を切換可能とすると好都合である。
(循環配管系統33B)
次に、循環配管系統33Bについて説明する。循環配管系統33Bは、循環配管1Bと、前記したオゾン発生装置2からオゾンガス供給管64、流量制御弁65を介して供給されるオゾンガスを混合するオゾンガス混合装置3Bと、オゾンガス混合装置3Bの後流側に配され、被処理水を昇圧して吐出するポンプ4Bと、ポンプ4Bの吐出側に配された気水分離装置5Bと、気水分離装置5Bの後流側に配置されたノズル(第2のマイクロバブル生成装置)7Bと、ポンプ入口圧力を調整するためにオゾンガス混合装置3Bの上流側に配された流量制御弁51Bと、を含んで構成されている。
循環配管1Bは、オゾン反応槽11Aの第3の区画11c内の下部の連通路11gよりも上流側に突出して設けられた循環配管1Bの吸水口1cから被処理水の一部を吸引して抽水し、流量制御弁51B、オゾンガス混合装置3Bを経由してポンプ4Bの吸込口に接続し、ポンプ4Bの吐出口から気水分離装置5B、ノズル7Bを経由して、オゾンガスをマイクロバブルの形で含んだ被処理水を、オゾン反応槽11Aの第1の区画11aの下部近傍に開口した吐出口1dへ戻す。
循環配管系統33Bにおける流量制御弁51Bとオゾンガス混合装置3Bとの間の循環配管1Bには、流量センサSF3が設けられ、その流量信号は、制御装置10Aに入力される。
ここで、オゾンガス混合装置3B、ポンプ4B、気水分離装置5Bは、循環配管系統33Aにおけるオゾンガス混合装置3A、ポンプ4A、気水分離装置5Bとそれぞれ同じ構成であり、重複する説明は省略する。
気水分離装置5Bの上部に集められ、前記したエアベントから図示しないバッファタンクに配管で集められる。前記したバッファタンクには図示しない減圧弁とそれに接続する配管が設けられ、その配管はオゾンガス混合装置3Bにつながる循環配管1Bに接続されている。
なお、図示しないバッファタンクから更にもう一本の配管が分岐され、この配管がリリーフ弁を通してオゾン反応槽11Aの底部に設けた図示しない散気管に接続され、溶解しなかったオゾンを、散気管からオゾン反応槽11A内に放出するようにしても良い。
循環配管系統33Bの循環配管1Bの流量制御弁51Bよりも吸水口1c寄りにおいて、サンプル取水配管47Cが接続している。サンプル取水配管47Cに設けられた取水ポンプ48Cにより、第3の区画11cの底部の被処理水を抽出して、分析装置20Aに常時送り、サンプル戻り配管49Cで取水された被処理水を第3の区画11cの底部に戻す。サンプル取水配管47Cには、溶存オゾン濃度計(オゾンセンサ)12と温度センサST6が設けられ、溶存オゾン濃度計12、温度センサST6から第3の区画11cの出口近傍のオゾン処理水の溶存オゾン濃度と被処理水の温度が計測され、制御装置10Aに溶存オゾン濃度を示す信号、被処理水の温度信号がそれぞれ送られる。サンプル取水配管47C、サンプル戻り配管49Cは、抽出された被処理水の保温のため保温材で外装されている。
(酸化剤供給系)
次に酸化剤供給系70について説明する。酸化剤供給系70は、図示省略の酸化剤タンク(図示せず)、制御装置10Aにその起動・停止及び回転速度を制御される酸化剤供給ポンプ(図示せず)、制御装置10Aにその開度を制御される流量制御弁71、流量センサSF4、酸化剤タンクから酸化剤供給ポンプ、流量制御弁71を介してオゾン反応槽11Aの開口72aから被処理水に酸化剤を供給する酸化剤供給管72を含んで構成されている。
酸化剤としては、例えば、所定濃度の過酸化水素水が考えられる。酸化剤は、ホルムアルデヒドの酸化をする作用がオゾン同様にある。
(制御装置10A)
次に制御装置10Aの制御機能について説明する。制御装置10Aは、制御用コンピュータであり、予め設定された制御用のマップデータ等のデータとともに、制御プログラムを記憶部に記憶しており、制御プログラムを実行することにより、以下に示すような多岐の機能を実現し、水処理システム100A全体を統括制御する。
(1)被処理水注入温度制御機能
制御装置10Aは、被処理水供給配管系31の説明の中で記載したように、流量制御弁45Aの開度を制御し、排熱Yの流量を調整して、被処理水Xに含まれるホルムアルデヒドをオゾンで酸化分解するのに効率の良いようにするために、被処理水Xの温度を所要の水温の範囲(特許請求の範囲に記載の「該被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲」に対応)に制御する。
(2)オゾン反応槽の温度制御機能
制御装置10Aは、オゾン反応槽11Aの説明の中で記載したように、流量制御弁45Bの開度を制御し、排熱Y’の流量を調整して、被処理水の温度がホルムアルデヒドをオゾンで酸化分解するのに効率の良い所要の水温の範囲に保つ(特許請求の範囲に記載の「前記被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に前記オゾン反応槽内の被処理水の温度を調節する」に対応)ように制御する。
(3)第1の循環配管系統における注入オゾンの活性化機能
制御装置10Aは、循環配管系統33Aの説明の中で記載したように温度センサST3,ST4からの温度信号、流量センサSF2からの流量信号に基づいて、被処理水中に溶解したオゾンガスの活性度を良好ならしめるために、必要に応じてヒータ6に通電させ、オゾンガスが活性化する所定の温度範囲に入るように制御する。
(4)第1の循環配管系統における注入オゾン量のフィードバック制御による設定機能
制御装置10Aは、オゾン反応槽11Aの第1の区画11aからサンプル取水配管47B、取水ポンプ48Bにより抽出された被処理水について、分析装置20Aが分析した被処理水中のホルムアルデヒドの濃度(処理対象の有機化合物の濃度)の分析結果を通信で受け、流入する被処理水Xのある程度の時間平均的なホルムアルデヒドの濃度XA1(μg/リットル)を取得する。そして、制御装置10Aは、流量センサSF2からの体積流量を示す信号に基づいて、循環配管系統33Aにおける被処理水の循環流量を、例えば、ポンプ4Aを、流量センサSF1の示す流量の時間的な平均値での循環流量とするような、ほぼ一定回転速度の運転とする。
その後、制御装置10Aは、分析装置20Aから取得したホルムアルデヒドの濃度XA1(μg/リットル)と循環配管系統33Aにおける被処理水の体積流量に基づいて、所定の比率(倍率)の被処理水1リットル当たりのオゾン濃度XO1(μg/リットル)となるようにオゾン発生装置2におけるオゾン発生量を設定するとともに、オゾン発生量に対応するオゾン流量F1とするようにオゾン流量計SOF1からの信号に基づいて流量制御弁60の開度を設定する。
ここで所定の比率(倍率)とは、ホルムアルデヒドの濃度XA1(μg/リットル)よりも大きなオゾン濃度XO1(μg/リットル)となる1.0よりも大きな実験的に予め定められた値である。
ちなみに、制御装置10Aによるオゾン発生装置2におけるオゾン発生量の制御は、オゾン放電電流を調整して行われる。
以上のようにして、制御装置10Aは、オゾンガスの発生量をフィードバック制御する。
なお、制御装置10Aは、ホルムアルデヒドの濃度XA1と循環配管系統33Aの被処理水の体積流量から算出される必要なオゾン発生量が、オゾン発生装置2の能力を超えるおそれのある場合は、オゾン発生装置2の能力の範囲内のオゾン発生量の設定とし、流量制御弁41の開度を調整し、オゾン発生装置2の能力の範囲内のオゾン流量F1に対応する被処理水Xの流量に絞り込んでも良い。
(5)第1の循環配管系統における注入オゾン量のフィードフォワード制御による補正機能
制御装置10Aは、オゾン反応槽11Aの被処理水供給配管32からサンプル取水配管47A、取水ポンプ48Aにより抽出された被処理水Xについて、分析装置20Aが分析した被処理水中のホルムアルデヒドの濃度(処理対象の有機化合物の濃度)の分析結果を通信で受ける。そして、制御装置10Aは、流量センサSF1からの体積流量を示す信号に基づいて、流入する被処理水Xのホルムアルデヒドの濃度XA2(μg/リットル)を取得する。そして、ある程度の時間平均的なホルムアルデヒドの濃度XA1(μg/リットル)と、流入する被処理水Xのホルムアルデヒドの濃度XA2(μg/リットル)との差分ΔX(=XA2−XA1)を演算し、差分(増大量)ΔXが正の数値である場合は、差分ΔX基づいて循環配管系統33Aのオゾンガス混合装置3Aにおいて被処理水の循環流量に混合されるべきオゾン流量F1を、被処理水Xに含まれるホルムアルデヒドの濃度XA2(μg/リットル)に対して、所定の比率(倍率)の被処理水1リットル当たりのオゾン濃度XO2(μg/リットル)となるように、前記(4)で設定したオゾン発生量とオゾン流量F1に対して、フィードフォワード制御により補正して新たな補正されたオゾン発生量とオゾン流量F1を設定する。
差分ΔXが0以下の数値である場合は、このフィードフォワード制御は行わない。
これにより、流入する被処理水Xの含むホルムアルデヒドの濃度XA2(μg/リットル)が急激に増加方向に変化したときに、オゾン反応槽11Aの第1の区画11aの被処理水中に迅速にオゾン濃度を高めて供給することができ、オゾン処理水流出路34から一般河川に直接排出されるオゾン処理済みの被処理水1リットル当りのホルムアルデヒドの濃度を目標値の80μg以下に低減できる。
(6)酸化剤供給系の制御
制御装置10Aは、オゾン反応槽11Aの第1の区画11aからサンプル取水配管47B、取水ポンプ48Bにより抽出された被処理水について、分析装置20Aが分析した被処理水中のホルムアルデヒドの濃度(処理対象の有機化合物の濃度)の分析結果を通信で受け、流入する被処理水Xのある程度の時間平均的なホルムアルデヒドの濃度XA1(μg/リットル)を取得する。その被処理水Xのある程度の時間平均的なホルムアルデヒドの濃度XA1(μg/リットル)が所定の上限閾値以上の場合、その上限閾値を超えた差分に比例した流量となるように流量センサSF4からの信号に基づいて所定の濃度の過酸化水素水を流量制御弁71の開度を制御してオゾン反応槽11Aに流入させる。この酸化剤である過酸化水素水の流量は、所定の濃度の過酸化水素水に対して、ホルムアルデヒドの濃度の上限閾値を超えた差分との関係を予め実験的に得て設定したものである。
(7)被処理水出口のホルムアルデヒドの濃度の目標値達成確実化機能
制御装置10Aは、オゾン反応槽11Aの第3の区画11c内の下部の連通路11gよりも上流側から抽出された被処理水に対して分析装置20Aが分析したホルムアルデヒドの濃度XA3(処理対象の有機化合物の濃度)(μg/リットル)の結果を受信する。また、この被処理水中に含まれるオゾン濃度を溶存オゾン濃度計12から受信し、被処理水の温度を温度センサST6から受信する。
制御装置10Aは、現在の被処理水Xの時間的な平均流量(流量センサSF1からの流量信号の移動平均処理により容易に求まる)、温度センサST6の示す温度及び溶存オゾン濃度計12の示す温度を参照して、予め実験データにより作成されたマップデータに基づいて、第4の区画11dの流出孔34aにおける出口の被処理水中のホルムアルデヒドの濃度XAesを推定する。推定されたホルムアルデヒドの濃度XAesと目標値よりも保守的に小さく設定した閾値X Aexitとの差分ΔXAexit(=XAes−X Aexit)が正値の場合は、制御装置10Aは、循環配管系統33Bに対して、現在の被処理水Xの時間的な平均流量の一定の比率(倍率)(1.0より小さい正の値、例えば、0.5)の循環流量とするように、流量制御弁51Bの開度とし、ポンプ4Bを起動して設定した循環流量に応じた回転速度とするとともに、差分ΔXAexitと、循環配管系統33Bの流量センサSF3の示す流量と、流量センサSF1の示す流量を参照して、予め設定された追加オゾン注入量のマップデータによりオゾン流量F2を設定する。
そして、制御装置10Aは、設定されたオゾン流量F2に応じてオゾン発生装置2の放電電流を増加制御するとともに、流量制御弁60,65の開度を制御する。よって、オゾンガス混合装置3Bに追加のオゾンガスが被処理水に混合供給され、ノズル7Bにおいて被処理水中にオゾンのマイクロバブルとなって、第1の区画11aの底部の吐出口1dから放出される。
この結果、元々連通路11gの流路面積は連通路11fの流路面積より小さく設定されているので、第4の区画11dへ流れ込む被処理水の量が減少し、少なくとも第4の区画11dの水位が一時的に下がり、第1及び第2の区画11a,11bの水位が上昇するとともに、第2及び第3の区画11b,11cの溶存オゾン濃度が増加する。
この後、第3の区画11cの水位も上昇し、第4の区画11dへの流量は被処理水Xの平均流量に応じたものに戻っていくが、被処理水中の溶存オゾン濃度が増加することにより、ホルムアルデヒドの分解が促進され、オゾン処理水流出路34から一般河川に直接排出されるオゾン処理済みの被処理水1リットル当りのホルムアルデヒドの濃度を目標値の80μg以下に確実に低減できる。
なお、閾値X Aexitは、被処理水Xの平均流量を参照して予め設定された閾値のマップデータに基づいて可変としても良い。被処理水Xの平均流量が大きいほど閾値X Aexitは低く設定される。これは、循環配管系統33Aの起動と、オゾン発生装置2によるオゾン発生量の増加の応答遅れを考慮してそのように設定するものである。
ちなみに、制御装置10Aは、差分ΔXAexitが0以下になった場合、予め設定された所定の時間遅れで追加のオゾン注入の制御を停止する。もし、この時間遅れの最中に差分ΔXAexitが正値になったときは、時間遅れ処理を止めて、差分ΔXAexitの値に応じたこの制御機能を続ける。これは、この追加オゾン注入という制御機能のオン・オフが頻発しないように安定な運転とするためである。
(8)排ガス処理装置19の制御機能
制御装置10Aは、オゾン反応槽11Aの上部気相空間内に溜まったガスにより被処理水の水位が押し下げられ、水位センサSL1からの水位信号が所定の下限水位閾値よりも低くなったとき、それまで閉状態であった流量制御弁18を開として開度を調整して排ガス処理装置19にオゾン反応槽11Aの上部気相空間内に溜まったガスを導き、下限水位閾値よりも高い通常水位となるまで上部気相空間内に溜まったガスの処理を行う。
下限水位閾値は、オゾン反応槽11Aの第4の区画11dの壁に開口した流出孔34aより上に設定される。そして、オゾン反応槽11A内の被処理水の水位が流出孔34aより下に低下し、オゾン反応槽11A内の上部気相空間内のガスが流出孔34aから抜け出ることのないようにするための制御をするものである。
(分析装置20A)
次に分析装置20Aについて説明する。
分析装置20Aは、オンラインで常時被処理水中のホルムアルデヒドの濃度(μg/リットル)を計測して、制御装置10Aに計測結果を通信で送信するものが好ましい。ここでは、連続測定に近い方法としてIR分析(infrared absorption spectrometry(赤外吸収分析))を用いることとする。被処理水Xは、前述のようにフィルタ42でろ過されており、異物の混入していない透明な水であり、その中にホルムアルデヒドが溶け込んでいるものである。従って、赤外線吸光分析装置を用いた分析装置20Aとして説明をする。ホルムアルデヒドが有するアルデヒドの結合は、特徴的なIR伸縮振動の波数(単位:cm−1)領域を示す。
ホルムアルデヒドの異なる濃度に同定された複数の標準サンプルに対するアルデヒド特有の吸収による透過率の低下度合と、サンプルとして分析装置20Aに送られた被処理水の示す透過率が示すアルデヒド特有の波数領域における吸収による透過率の低下度合いとを比較することによって、容易に被処理水中のホルムアルデヒドの濃度が測定できる。
ちなみに、分析装置20Aには、複数のサンプル取水配管47A,47B,47Cにより送られてくる被処理水を、赤外線を当てる3つのセルにそれぞれ導入する。そして、例えば、制御装置10Aによって指令を受けて動作する可動式のミラーによって赤外線を照射するセルを切換えて、例えば、秒オーダーの所定時間の短時間、透過する赤外線のスペクトルをそれぞれ測定し、どのサンプル取水配管のものかを示す識別符号と測定結果を分析装置20Aが制御装置10Aに送ることによって、ほぼ連続的に複数のサンプル取水配管47A,47B,47Cのホルムアルデヒドの濃度を測定することができる。
ここで、サンプル取水配管47A、サンプル戻り配管49A、分析装置20Aが、特許請求の範囲に記載の「第1の有機化合物濃度検出センサ」に対応し、サンプル取水配管47B、サンプル戻り配管49B、分析装置20Aが、特許請求の範囲に記載の「第2の有機化合物濃度検出センサ」に対応し、サンプル取水配管47C、サンプル戻り配管49C,分析装置20Aが、特許請求の範囲に記載の「第3の有機化合物濃度検出センサ」に対応する。
本実施形態によれば、処理対象の有機化合物であるホルムアルデヒドは、水に極めて溶けやすいので、ホルムアルデヒドを含む被処理水Xを連続的に、オゾン反応槽11Aに導入し、制御装置10Aにおける制御機能(4)で記載したように、被処理水は、オゾン反応槽11A内の第1の区画11aにしばらく滞留してほぼ均一化されている被処理水中のホルムアルデヒドの濃度XA1(μg/リットル)に基づいて、オゾン発生装置2におけるオゾンガスの発生量、オゾン流量F1がフィードバック制御され、オゾン反応槽11Aから排出される被処理水中のホルムアルデヒドの濃度が目標値以下になるようできる。
また、制御装置10Aにおける制御機能の(5)で記載したように被処理水供給配管32から供給される被処理水X中のホルムアルデヒドの濃度XA2(μg/リットル)と、ある程度の時間平均的なホルムアルデヒドの濃度XA1(μg/リットル)との差分ΔX(=XA2−XA1)を演算し、差分ΔXが正の数値である場合は、差分ΔX基づいて循環配管系統33Aのオゾンガス混合装置3Aにおいて被処理水の循環流量に混合されるべきオゾン流量F1を、被処理水に含まれるホルムアルデヒドの濃度XA2(μg/リットル)に対して、所定の比率(倍率)の被処理水1リットル当たりのオゾン濃度XO2(μg/リットル)となるように、前記(4)設定したオゾン流量F1に対して、フィードフォワード制御により補正して新たな補正されたオゾン流量F1を設定する。
これにより、流入する被処理水Xの含むホルムアルデヒドの濃度XA2(μg/リットル)が急激に増加方向に変化したときに、オゾン反応槽11Aの第1の区画11aの被処理水中に迅速にオゾン濃度を高めて供給することができ、オゾン処理水流出路34から一般河川に直接排出されるオゾン処理済みの被処理水1リットル当りのホルムアルデヒドの濃度を目標値の80μg以下に低減できる。
更に、制御装置10Aにおける制御機能の(7)に前記した制御機能により、オゾン反応槽11Aの第3の区画11c内の下部の連通路11gよりも上流側から抽出された被処理水のホルムアルデヒドの濃度XA3(μg/リットル)に基づいて、制御装置10Aにおいて推定された第4の区画11dの流出孔34aにおける出口の被処理水中のホルムアルデヒドの濃度XAesが、目標値よりも保守的に小さく設定した閾値X Aexitとの差分ΔXAexit(=XAes−X Aexit)が正値の場合は、循環配管系統33Bを起動し、追加オゾン注入を行う。その結果、オゾン処理水流出路34から一般河川に直接排出されるオゾン処理済みの被処理水1リットル当りのホルムアルデヒドの濃度を目標値の80μg以下に確実に低減できる。
ちなみに、本実施の形態では、被処理水中に混ぜるオゾンをヒータ6で加熱して活性化させるとともに、熱交換器43で流入する被処理水Xをオゾンによる酸化分解反応に適した温度に温度調節し、更に、オゾン反応槽11A内の被処理水を温度調節ジャケット37でオゾンによる酸化分解反応に適した温度に温度調節できるので、ホルムアルデヒドの酸化分解が効率的にできる。特に、ホルムアルデヒドが溶けた水溶液中にマイクロバブル又はナノバブルの形のオゾンを分散させるので、ガスが水溶液中に長く存在し、気相への分離を抑制するとともに、ホルムアルデヒドとマイクロバブル又はナノバブルのオゾンとの接触面積が極めて大きくなり、効率よくホルムアルデヒドと接触して酸化分解できる。
その結果、被処理水Xを例えば、加熱又は減圧沸騰させて、被処理水Xから得て、ガス状のホルムアルデヒドとオゾンガスとを気相状態で酸化分解するよりもコンパクトなホルムアルデヒドの処理装置を得ることができる。
なお、制御装置10Aは、特開2007−21393号公報に記載されているように、ノズル7A,7Bの開度を制御し、循環配管系統33A,33Bを流れる流量やポンプ4A,4Bの吐出圧等に応じて適切にオゾンのマイクロバブルが生成されるように制御しても良い。その場合、ノズル7A,7Bの上流側には圧力計が設けられ、その圧力信号が制御装置10Aに入力される。
また、本実施形態では、循環配管系統33Bにおいてオゾンガスをマイクロバブルの形で含んだ被処理水を、オゾン反応槽11Aの第1の区画11aの下部近傍に開口した吐出口1dへ戻す構成としたが、それに限定されるものではない。オゾン反応槽11Aの第2の区画11bの底部近傍に吐出口1dを開口させて戻す構成としても良い。
また、第1から第3の有機化合物濃度検出センサとして分析装置20Aは、IR分析(infrared absorption spectrometry(赤外吸収分析))を用いることとしたが、それに限定されるものではない。迅速に液相中のホルムアルデヒドの濃度を測定できれば、他の公知の測定方法でも良い。
《第1の実施形態の変形例》
本実施形態では、被処理水X中の処理対象の有機化合物としてホルムアルデヒドを例に説明したがそれに限定されるものではない。被処理水X中のアセトアルデヒドの分解にも適用可能である。
その場合は、アセトアルデヒドはオゾンにより先ず酢酸になり、その酢酸が最終的に炭酸ガスと水に分解される2段階の反応となるので、オゾン反応槽11Aの区画の数を増やし、更に、最後段の区画よりも前段の区画、例えば、前区画数を6段としたときに、第3の区画11cにも常時、酢酸の濃度に応じたオゾン流量をマイクロバブル又はナノバブルで注入するようにすることが好ましい。
また、被処理水の温度は、アセトアルデヒドのオゾンによる酸化分解に適した温度に調節することが好ましい。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態に係わる水処理システムについて図2から図7を参照しながら説明する。
図2は、第2の実施形態に係わる水処理システムの全体構成図である。図3は、第2の実施形態に係わる水処理システムの構成をオゾン反応槽の縦断面図で表す概要図である。
第2の実施形態に係る水処理システム100Bは、オゾン反応槽11Bを有する複数のオゾン反応処理ユニット110を備え、それぞれのオゾン反応槽11Bに被処理水Xを所定量導入後、オゾン反応槽11Bの被処理水に循環配管系統33Cにおいてオゾンガスを混合して、オゾンガスをマイクロバブル又はナノバブルとしてオゾン反応槽11Bに拡散させる、バッチ処理方式である。
図1、図2に示すように水処理システム100Bは、主に、全体を統括制御する制御装置10B、オゾン反応処理ユニット110、オゾン発生装置2、オゾンガス供給母管63M、流量制御弁60M、オゾン流量計SOFM、被処理水供給母管32M、オゾン処理水排水母管34M、排熱供給母管44M、排熱戻り母管46M、排気処理系39、分析装置(第4の有機化合物濃度検出センサ)20B、分析装置20C、酸化剤供給系70を含んで構成されている。
制御装置10Bは、制御用コンピュータであり、予め設定された制御用のマップデータ等のデータとともに、制御プログラムをその気億部に記憶しており、制御プログラムを実行することにより、水処理システム100B全体を統括制御する。
第1の実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
ここで、熱交換器43、排熱供給管44、流量制御弁45A、排熱出口管46が、特許請求の範囲に記載の「流入被処理水温度調節手段」を構成し、排熱供給管44、流量制御弁45B、温度調節ジャケット(ジャケット)37、排熱供給管44は、特許請求の範囲に記載の「オゾン反応槽温度調節手段」を構成する。
また、前記した「流入被処理水温度調節手段」を構成する熱交換器43、排熱供給管44、流量制御弁45A及び排熱出口管46と、「オゾン反応槽温度調節手段」を構成する排熱供給管44、流量制御弁45B、温度調節ジャケット37及び排熱供給管44、並びに保温層(保温材)38が、特許請求の範囲に記載の「被処理水温度調節手段」に対応する。
水処理システム100Bは、バッチ処理方式のため、被処理水X(原水)は、被処理水供給母管32Mから各オゾン反応処理ユニット110の被処理水供給配管32に分岐して、各オゾン反応槽11Bに被処理水供給配管系31を介して供給される。被処理水供給母管32Mから被処理水供給配管32が分岐した根元部分に、制御装置10Bにより全閉から適度の開度に開度調整されて、各オゾン反応処理ユニット110のオゾン反応槽11Bへ被処理水Xの注入速度を調整する流量制御弁41B(図3参照)が配置されている。そして、オゾン反応槽11Bに所定量の被処理水Xが導入されると、流量制御弁41Bは全閉される。この被処理水Xのオゾン反応槽11Bへの導入の際には、制御装置10Bにより流量制御弁45Aの開度が制御されて第1の実施形態と同様に、被処理水Xは、適切な温度に熱交換器43により温度調節される。
工場の排蒸気や排温水の排熱Yが、排熱供給母管44Mで各オゾン反応処理ユニット110の排熱供給管44に供給され、オゾン反応処理ユニット110の排熱出口管46から排熱戻り母管46Mにより戻される。熱交換器43(図3参照)の出口側及び温度調節ジャケット37の出口側のそれぞれの排熱出口管46には、制御装置10Bにより開閉が制御される止弁45D,45Dが設けられ、オゾン処理をしていないオゾン反応処理ユニット110への排熱Yの供給が止められるようになっている。
ちなみに、図2、図3では省略してあるが、温度調節ジャケット37には、工場に設置の冷房装置(冷熱源)等から供給される冷水(媒体)の冷却水配管をも接続して、図示しない切替弁により、オゾン反応槽11Bの加熱又は冷却を切換可能とすると好都合である。
オゾン発生装置2は、それに接続するオゾンガス供給母管63Mにオゾンガスを供給する。そのオゾンガス供給母管63Mの根元には、制御装置10Bにその開度を制御される流量制御弁60M、オゾンガス供給母管63Mのオゾンガスの流量を検出するオゾン流量計SOFMが設けられている。
そして、オゾンガス供給母管63Mから各オゾンガス供給管63が分岐し、各オゾンガス供給管63のオゾンガスの流量は、制御装置10Bによりその開度が制御される流量制御弁60(図3参照)で制御される。
オゾン発生装置2は、制御装置10Bによって各オゾン反応処理ユニット110において必要とされる総量のオゾンガスを発生するようにオゾン放電電流を制御されて、そのオゾン発生量が制御される。そして、吐出されるオゾンガスの流量を計測する図示しないオゾン流量計やオゾンガス濃度計が設けられている。そして、その発生オゾン量に応じたオゾンガス供給母管63Mからのオゾンガスの供給量となるように、流量制御弁60Mの開度が制御装置10Bにより制御される。
各オゾン反応処理ユニット110において処理された被処理水は、オゾン処理水排出管34Bを介してオゾン処理水排水母管34Mで一般河川等に排出される。このため各オゾン反応処理ユニット110は、オゾン処理水排出管34Bには、制御装置10Bにより開閉制御される排水弁53と、制御装置10Bにより起動停止の制御をされる排水ポンプ54が設けられている。
各オゾン反応処理ユニット110のオゾン反応槽11Bの気相空間に接続している排気配管17は、排気母管17Mに接続し、排ガス処理装置19によって処理される。
各オゾン反応処理ユニット110の排気配管17には、制御装置10Bで開閉制御と排気ガスの流量を調整される流量制御弁18が設けられている。
図2に示すように酸化剤供給系70は、酸化剤を貯留する酸化剤タンク70a、制御装置10Bにその起動・停止及び回転速度を制御される酸化剤供給ポンプ70b、制御装置10Bにその開度を制御される流量制御弁71M、流量センサSF4M、酸化剤タンク70aから流量制御弁71Mを介して各オゾン反応処理ユニット110のオゾン反応槽11Bの被処理水に酸化剤を供給する酸化剤供給母管72Mを含んで構成されている。
酸化剤供給ポンプ70b、流量制御弁71Mは、制御装置10Bにより各オゾン反応処理ユニット110の酸化剤要求量に応じてその合計の流量を満足するように制御される。
図3に示すように分析装置20Bは、第1実施形態の分析装置20Aとほぼ同じ構成であり、各オゾン反応処理ユニット110の循環配管系統33Cの循環配管1Aからサンプル取水配管47B、取水ポンプ48B、サンプル戻り配管49Bにより取水された被処理水中のホルムアルデヒドの濃度を測定するように構成されている。
なお、バッチ処理であるため、オゾン処理の開始されていないオゾン反応処理ユニット110に対しては、分析装置20Bにサンプルである被処理水を送る必要がないため、取水ポンプ48Bを停止したとき、サンプル取水配管47B、サンプル戻り配管49Bの中の被処理水の流れを停止させるために、循環配管1Aからサンプル取水配管47Bに分岐した直後に止弁81Aを設け、循環配管1Aからサンプル戻り配管49Bに分岐した直後に止弁81Bを設けてある。
ここで、分析装置20B、サンプル取水配管47B、サンプル戻り配管49Bが特許請求の範囲に記載の「第4の有機化合物濃度検出センサ」に対応する。
(オゾン反応処理ユニット110)
次に、図3を参照しながらオゾン反応処理ユニット110の詳細な説明を行う。オゾン反応処理ユニット110は、被処理水供給配管系31と、オゾン反応槽11Bと、循環配管系統33Cと、曝気系統(気相ガス注入手段)35と、オゾン処理の終わった被処理水を排出するオゾン処理水排出管34B、排水弁53、排水ポンプ54を含むオゾン処理水排出系と、排気配管17、流量制御弁18を含む排気ガス配管系と、止弁81D、逆止弁82を含む吸気系と、を備えている。
ちなみに、図2では、曝気系統35を省略してある。
オゾン反応槽11Bは、第1の実施形態と同じく仕切板13(13A,13B,13C)を有し、第1の区画(最前段の仕切区画)11a、第2の区画11b、第3の区画11c、第4の区画(最後段の仕切区画)11dに仕切られている。そして、第1の区画11aを介して被処理水Xがオゾン反応槽11B内へ導入される。オゾン反応槽11Bの仕切板13Aの下部の連通路の面積と、仕切板13Cの下部の連通路の面積は同じである。この仕切板13(13A,13B,13C)は単にオゾンと被処理水を一様に攪拌するためのものである。
なお、曝気系統35の散気管16は、図3に示すような第1の区画11aに配置されることに限定されるものではなく、少なくなくとも第4の区画11dよりも上流側の区画(第1から第3の区画11a〜11cのいずれかに配置されれば良い。
また、循環配管系統33Cの循環配管1Aは、その吸水口1aが第4の区画11dの通常水位より少し下に設けられている点と、吸水口1a近傍の循環配管1Aにオゾン反応槽11B内の被処理水の温度を計測する温度センサST6が設けられている点とが、第1の実施形態における循環配管系統33Aと主に異なるだけであり、他の点はオゾンガス混合装置3A、気水分離装置5A,ヒータ6、ノズル(マイクロバブル生成装置)7A、流量制御弁51A等については以下の点を除いて第1の循環配管系統33Aと同じ構成である。ちなみに、温度センサST6からの温度信号は制御装置10Bに入力される。
つまり、循環配管系統33Cの循環配管1Aには、サンプル取水配管55を介して、取水ポンプ56により分析装置20Cに被処理水を送ることができるようになっている。循環配管1Aからサンプル取水配管55に分岐した直後には、制御装置10Bに開閉制御される止弁81Cが設けられている。また、サンプル取水配管55には、取水された被処理水の温度を計測する温度センサST7が設けられ、その温度信号は制御装置10Bに入力される。
また、循環配管系統33Cの循環配管1Aには、サンプル取水配管47B、サンプル戻り配管49Bを介して、取水ポンプ48bにより分析装置20Bに被処理水を送ることができるようになっている。そして、前記したように循環配管1Aからサンプル取水配管47Aに分岐した直後及び循環配管1Aからサンプル戻り配管49Bに分岐した直後には、制御装置10Bに開閉制御される止弁81A,81Bが設けられている。
分析装置20Cは、制御装置10Bと通信回線で接続されており、制御装置10Bは分析装置20Cを制御して、被処理水のホルムアルデヒドの濃度を計測させる。ここで、分析装置20Cは、例えば、液体クロマトグラフィー分析装置である。
次に、図4から図7を参照しながら制御装置10Bによるオゾン反応処理ユニット110の制御の流れについて説明する。図4から図7は、第2の実施形態に係わる水処理システムの水処理の制御の流れを示すフローチャートである。
この制御は、制御装置10Bにおいてなされる。
ステップS01は、新しく被処理水X(原水)を処理するために導入可能な空のオゾン反応槽11Bを検索し、検索した当該のオゾン反応槽11Bは空か否かをチェックする。当該のオゾン反応槽11Bが空の場合(Yes)は、ステップS03へ進み、空でない場合(No)は、ステップS02へ進む。当該のオゾン反応槽11Bが空か否かは、そのオゾン反応槽11Bに設けられた水位センサSL1からの信号で容易に判断できる。ステップS02では、別のオゾン反応槽11BをチェックするためステップS01に戻る。
ステップS03では、IFLAG=0とし、タイマtを0と初期化する。IFLAG=0は、後記する被処理水をオゾン処理に要する処理時間tが所定の要求時間tよりも長いと判定された場合を示すフラグである。
ステップS04では、流量制御弁41Bを閉状態から開状態にし、開度を調整して、被処理水Xを被処理水供給母管32Mからオゾン反応槽11Bへ注入し、オゾン反応槽11Bの空気を、流量制御弁18を開いて排気処理系39(図2参照)へ送る。
ステップS05では、温度センサST1からの信号に基づき、注入している被処理水Xの温度T1は、所定の温度Tmin以上か否かをチェクする。これは、オゾン反応槽11Bにおいて被処理水Xを効率的にオゾンで酸化分解処理するのに適した温度とするためである。所定の温度Tmin以上の場合(Yes)は、ステップS07へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS06へ進む。
ステップS06では、温度センサST1,ST2、流量センサSF1からの信号に基づいて、止弁45Dを全開状態とし、熱交換器43に流す排熱Yの流量を流量制御弁45Aの開度で調整し、被処理水Xの温度を所定の温度Tmin以上とする(「工場排熱により被処理水を加熱し、温度を所定の温度Tmin以上とする」)。
ステップS07では、オゾン反応槽11Bの被処理水の水位Lは所定の水位L0に達したか否かをチェックする。水位Lが所定の水位L0に達した場合(Yes)は、ステップS08へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS04へ戻る。この水位Lは水位センサSL1からの信号で容易に判定できる。所定の水位L0は、図3における吸水口1aよりも十分上に設定された水位である。
ステップS08では、流量制御弁41Bを全閉にして、被処理水Xの注入を停止し、オゾン反応槽11Bの空気の排出を、流量制御弁18を全閉にして停止する。
ちなみに、制御装置10Bの制御により、流量制御弁45Aと、止弁45Dは全閉にされる。
ステップS09では、制御装置10Bは、流量制御弁51Aを所定の開度に開き、ポンプ4Aを起動し、その後、止弁81A,81Bを開状態とし、取水ポンプ48Bを起動し、被処理水中のホルムアルデヒドの初期の濃度D0を、分析装置20Bで測定させる(「循環ポンプを起動し、被処理水中のホルムアルデヒドの濃度D0分析」)。分析装置20Bで測定された被処理水中のホルムアルデヒドの初期の濃度D0は、制御装置10Bに入力される。
ステップS10では、温度センサST6からの温度信号に基づいて、循環配管1Aを循環する被処理水の温度T2が、所定の温度T以上か否かをチェックする。この所定の温度は、オゾン反応槽11B内の被処理水の温度が、オゾンで酸化分解するのに効率の良い所要の水温の範囲の温度の要求最低値である所定の温度T以上か否かをチェクするものである。
循環する被処理水の温度T2が、所定の温度T以上の場合(Yes)は、結合子(A)に従って、図5のステップS12へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS11へ進む。ステップS11では、流量制御弁45Bを開として、温度調節ジャケット37に排熱Y(工場排熱)を導入し、循環する被処理水の温度T2が所定の温度範囲(オゾンによる酸化分解反応が効率よく進む予め設定された温度範囲)とするように温度センサST6からの温度信号に基づいて流量制御弁45Bの開度を調節する。フローチャートでは、省略されているが、この被処理水の温度制御は、オゾン反応処理ユニット110において被処理水の処理が継続している間継続される。
ここで、前記した循環する被処理水の所定の温度範囲が、特許請求の範囲に記載の「該被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲」に対応する。
ステップS12では、ホルムアルデヒドの初期の濃度D0と、オゾン反応槽11Bに注入された被処理水Xの体積とに基づいて、そのオゾン反応槽11Bに導入された被処理水Xに対して必要な要求オゾン量を算出する。オゾン反応槽11B中の被処理水Xのホルムアルデヒドの初期の濃度D0(μg/リットル)に対して、実験的に予め設定された比率(倍率)(1.0より大)のオゾン濃度(μg/リットル)が予めマップデータで制御装置10Bの記憶部に記憶されている。また、実験的にそのホルムアルデヒドの濃度D0の被処理水に対しては分解処理にどれだけの時間(処理時間t)が必要かも予めマップデータで制御装置10Bの記憶部に記憶されている。従って、容易に制御装置10Bは、要求オゾン量を算出し、その処理時間tを推定することができる。ここで、処理時間tが、特許請求の範囲に記載の「推定処理時間」に対応する。
そして、循環配管系統33Cにおいて被処理水に混合できる最大オゾン流量には、ノズル7Aにおいてマイクロバブル又はナノバブル(以下単に「マイクロバブル」と称する)を効率良く生成する上での上限があるので、オゾンガス混合装置3Aにおいて混合するオゾンガスの流量(注入オゾン流量)は、前記した最大オゾン流量に対して後記する追加注入オゾン流量を混合できる予め設定された所定の余裕を持たせたオゾン流量であり、処理時間tの間に要求オゾン量を注入完了できるように設定する(「ホルムアルデヒドの濃度D0に基づいて、要求オゾン量を算出するとともに、処理時間を推定する。また、注入オゾン流量を設定する。」)。
ステップS13では、ステップS12において算出された処理時間tが、要求時間tよりも長いか否かをチェックする。算出された処理時間tが、要求時間tよりも長い場合(Yes)は、ステップS14へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS17へ進む。ステップS14では、IFLAG=1とし、ステップS15では、t=tとする。
ステップS15において、t=tとされることにより、処理時間t(=t)内に循環配管系統33Cを介してオゾン反応槽11B内の処理水に注入されるオゾン量は、ステップS12で設定された注入オゾン流量の処理時間t(=t)の時間積分だけの量である。
そして、ステップS16では、処理時間t(=t)の間に注入されるオゾン量を反映して酸化剤供給系70から供給すべき必要酸化剤注入量MOXを算出する。この必要酸化剤注入量MOXも、被処理水X中のホルムアルデヒドの初期の濃度D0、オゾン反応槽11Bに注入された被処理水Xの体積、前記した処理時間t(=t)の間に注入されるオゾン量をパラメータとして、予め制御装置10Bの記憶部に格納されたマップデータに基づき容易に算出できる。
このとき、要求時間t内に適度な流量で酸化剤を注入するように所定の濃度の酸化剤注入速度の設定もする。この所定の濃度の酸化剤注入速度の設定は、例えば、(要求時間t)/2の時間内に必要酸化剤注入量MOXの注入が完了する速度とする。
これは、処理時間tが長すぎると、未処理の被処理水Xの量が増大し、図示省略の被処理水を溜めるバッファタンクが満杯になってしまうからである。そのため、処理時間を短縮して要求時間t内に処理が完了するように酸化剤を用いる。
ステップS17では、IFLAG=0か否かをチェックする。IFLAG=0の場合(Yes)は、ステップS18Aへ進み、IFLAG≠0の場合(No)は、ステップS18Bへ進む。
ステップS18Aでは、被処理水の温度T2、注入オゾン流量及び処理時間(推定処理時間)tに基づいて、経過時間依存のホルムアルデヒドの濃度の推移を推定する。このデータもホルムアルデヒドの初期の濃度D0、被処理水の温度T2、注入オゾン流量をパラメータとして、所定の被処理水の量に対する経過時間依存のホルムアルデヒドの濃度の推移データが予め実験的に得られており、それが記憶部にマップデータとして格納されているので容易に推定できる。
ステップS19Aでは、タイマtをスタートさせる。そして、ステップS20Aでは、オゾン流量計SOF1からの信号が注入オゾン流量にとなるように流量制御弁60の弁開度を制御して、循環配管1Aを循環する被処理水にオゾンを注入し、ホルムアルデヒドの分解処理を行う。ステップS19Aの後、結合子(B)に従って、図6のステップS23へ進む。
ステップS17からステップS18Bへ進むと、被処理水の温度T2、注入オゾン流量、酸化剤注入速度、必要酸化剤注入量MOX及び要求時間tに基づいて、経過時間依存のホルムアルデヒドの濃度の推移を推定する。このデータもホルムアルデヒドの初期の濃度D0、被処理水の温度T2、注入オゾン流量、所定濃度の酸化剤注入速度、必要酸化剤注入量MOXをパラメータとして、所定の被処理水の量に対する経過時間依存のホルムアルデヒドの濃度の推移データが予め実験的に得られており、それが記憶部にマップデータとして格納されているので容易に推定できる。
ステップS19Bでは、タイマtをスタートさせる。そして、ステップS20Bでは、オゾン流量計SOF1からの信号が注入オゾン流量にとなるように流量制御弁60の弁開度を制御して、循環配管1Aを循環する被処理水にオゾンを注入するとともに、所定濃度の酸化剤をステップS16で設定された所定の注入速度でオゾン反応槽11Bに注入し、ホルムアルデヒドの分解処理を行う。
ステップS21では、流量センサSF4の信号とタイマtとに基づいて、酸化剤の注入量が必要酸化剤注入量MOXに達したか否かをチェックする。酸化剤の注入量が必要酸化剤注入量MOXに達した場合(Yes)は、ステップS22へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS21の後、結合子(B)に従って、図6のステップS23へ進む。
ステップS22では、流量制御弁71(酸化剤注入弁)を閉じて、酸化剤のオゾン反応槽11Bへの注入を停止する。
ステップS23では、タイマtの示す経過時間が(t)/2を経過したか否かをチェックする。経過した場合(Yes)は、ステップS25へ進み、経過していない場合(No)は、ステップS24へ進む。
ここで、経過時間(t)/2は、この値に限定されるものではなく、適宜、処理時間tよりも短い時間で設定できる。
ステップS24では、IFLAG=1か否かをチェックする。IFLAG=1の場合(Yes)は、結合子(C)に従って、図5のステップS20Aへ戻り、IFLAG≠1の場合(No)は、結合子(D)に従って、図5のステップS20Bへ戻る。
ステップS23においてYesでステップS25へ進むと、制御装置10Bは、分析装置20Bに、循環配管1Aを循環している被処理水のホルムアルデヒドの濃度D1を分析させ、分析結果を通信させる。
ステップS26では、IFLAGの値に応じて、ステップS18A又はステップS18Bのいずれかにおいて推定された経過時間依存のホルムアルデヒドの濃度の推移に基づき、経過時間が(t)/2における推定されたホルムアルデヒドの濃度D1と、測定されたホルムアルデヒドの濃度D1との差分ΔD(=D1−D1)を算出する。
ステップS27では、差分ΔDが、判定誤差ε以上か否かをチェックする。差分ΔDが、判定誤差ε以上の場合(Yes)は、ステップS28へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS30へ進む。
ステップS28では、被処理水の温度及び差分ΔDに基づいて、追加必要オゾン量を算出する。また、処理時間の残り時間(t)/2内にステップS12で決定した注入オゾン流量に加えて、今回の追加必要オゾン量をも注入完了できるように追加注入オゾン流量を設定する。
ステップS29では、現在オゾン注入の場合は、それに追加注入オゾン流量を加算して、新たな注入オゾン流量とし、加算された注入オゾン流量に応じた流量制御弁60の弁開度として循環配管系統33Cを循環する被処理水にオゾンを注入する。
ステップS30では、タイマt示す経過時間が処理時間tに達したか否かをチェックする。処理時間tに達しない場合(No)は、ステップS30を繰り返す。つまり、IFLAG=0のときは、ステップS20Aのホルムアルデヒドの分解処理を継続するか、ステップS29で設定した新たな注入オゾン流量によるホルムアルデヒドの分解処理を継続する。IFLAG≠0のときは、ステップS18Bで設定された注入オゾン流量に基づき、ステップS20Bにおける酸化剤の注入が終わったオゾン注入のみによるホルムアルデヒドの分解処理を継続するか、ステップS29で設定した新たな注入オゾン流量のオゾン注入のみによるホルムアルデヒドの分解処理を継続する。
ステップS30においてタイマt示す経過時間が処理時間tに達した場合(Yes)は、ステップS31へ進み、タイマtをリセットし、結合子(E)に従って、図7のステップS32へ進む。
ステップS32では、制御装置10Bは、分析装置20Bにホルムアルデヒドの濃度D2を測定させ、その結果を、通信線を介して受信する。ステップS33では、ホルムアルデヒドの濃度D2が目標値を満たすかどうか判定するために予め設定された目標閾値Dminth以下か否かをチェックする。この目標閾値Dminthは、赤外分光法により判定する場合の誤差を加味しても、後記する目標値Dminth(例えば、80μg/リットル)を満足するように、厳し目に設定された値である。
ホルムアルデヒドの濃度D2が目標閾値以下の場合は、ステップS39へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS34へ進む。
ステップS34では、差分(D2−Dminth)及び被処理水の温度T2に基づいて、追加必要オゾン量を算出する。また、追加注入オゾン流量及び追加処理時間tP1を設定する。この追加必要オゾン量及び追加処理時間tP1は、ステップS12において、要求オゾン量と処理時間tを設定する際に用いられた同じマップデータを利用して、追加注入オゾン流量を前記した最大オゾン流量として設定することで容易に設定できる。
ステップS35では、タイマtをスタートさせ、ステップS36では、ステップS34において設定された追加注入オゾン流量に応じた流量をオゾン流量計SOF1が示すように流量制御弁51Aの開度を調整して、循環配管系統33Cを循環する被処理水にオゾンを注入する。
ステップS37では、タイマtの示す経過時間が追加処理時間tP1を経過したか否かをチェックする。追加処理時間tP1を経過した場合(Yes)は、ステップS38へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS36へ戻る。
ステップS38では、タイマtをリセットし、ステップS39では、流量制御弁51A(オゾン注入弁)を閉じる。
ステップS40では、制御装置10Bは、排水記録確認用に、分析装置20Cに循環配管系統33Cを循環する被処理水のホルムアルデヒドの濃度D2を高精度測定(高精度分析)させ、その結果を通信連絡させる。
ステップS41では、スッテップS40で測定されたホルムアルデヒドの濃度D2が目標値Dminth(例えば、80μg/リットル)以下か否かを判定する。スッテップS40で測定されたホルムアルデヒドの濃度D2が目標値Dminth以下の場合(Yes)は、ステップS42に進み、そうでない場合(No)は、ステップS34へ戻る。
ここで、ステップS34において「(D2−Dminth)」は、「(D2−Dminth)」と読み替える。
これは、分析装置20Cにより分析されたホルムアルデヒドの濃度の方が分析装置20Bにより分析されたホルムアルデヒドの濃度より精度が高いので、オゾン処理後の排水のホルムアルデヒドの濃度が目標値を確実に満足することを確認してから排水するようにするためである。
ステップS42では、ステップS40において測定された目標値Dminth以下の被処理水のホルムアルデヒドの濃度D2を日時情報とともに記憶部に記憶する。ステップS43では、ポンプ4A(循環ポンプ)を停止する。また、それまで全閉状態であった排水弁53を開らかせ、排水ポンプ54を起動し、被処理水をオゾン処理水排出管34B、オゾン処理水排水母管34Mを介して、一般河川等に放出する。また、その際に止弁81Dを開かせ、外気をオゾン反応槽11Bに吸気させる。ステップS44では、オゾン反応槽11Bの水位L所定の水位Lminに達したか否かをチェックする。水位Lminは、図3においてオゾン処理水排出管34Bの吸込み側の端部より水位が低くならないように予め設定されて入る。
オゾン反応槽11Bの水位L所定の水位Lminに達した場合(Yes)は、ステップS45へ進み、そうでない場合(No)は、ステップS43の制御を継続する。
ステップS45では、排水ポンプ54を停止し、排水弁53を全閉とする。また、止弁81Dを全閉とする。
なお、オゾン反応槽11Bにおいて循環配管系統33Cによりホルムアルデヒドの酸化処理を行っている際に、オゾン反応槽11Bの気相側に圧力センサ(図示せず)を設け、その圧力が所定値以上の過圧を示したときは、流量制御弁18の開度を調整して排気ガス配管系により排ガスを処理することが好ましい。
以上により制御装置10Bによるオゾン反応処理ユニット110のバッチ処理の制御が終了する。
ちなみに、フローチャートにおけるステップS18A,S18Bが、特許請求の範囲に記載の「水処理経過推定手段」に対応する。また、ステップS23における(t)/2が、特許請求の範囲に記載の「予め設定された経過時間」に対応する。
本実施形態によれば、処理対象の有機化合物であるホルムアルデヒドは、水に極めて溶けやすいので、ホルムアルデヒドを含む被処理水Xをオゾン反応槽11Bに導入し、バッチ式に、オゾン反応槽11Bに導入された被処理水X中のホルムアルデヒドの初期濃度D0(μg/リットル)に基づいて、オゾン発生装置2からオゾン反応槽11Bに注入されるべき要求オゾン量と処理時間tが容易に決定され、被処理水中のホルムアルデヒドの濃度が目標値Dminth(例えば、80μg/リットル)以下になるようできる。
更に、処理時間tが長くなり過ぎないように、必要に応じて酸化剤である過酸化水素水を被処理水に加え、処理時間tが要求時間tを超えないように制御するので、ホルムアルデヒドを含む被処理水Xを排出する側の要求に応えることができる。
また、第1の実施形態と同様に、循環配管系統33Cのヒータ6によりオゾンを活性化させているので、オゾンによるホルムアルデヒドの酸化分解が促進される。
更に、被処理水Xのオゾン反応槽11Bへの導入の際に、熱交換器43により被処理水Xをオゾンによるホルムアルデヒドの酸化分解に適した温度範囲に調整するとともに、オゾン反応槽11B中の被処理水も、オゾン処理の間中は温度調節ジャケット37、保温層38によりオゾンによるホルムアルデヒドの酸化分解に適した温度範囲に保たれるのでルムアルデヒドの酸化分解の効率を高く維持できる。
本実施形態では、被処理水X中の処理対象の有機化合物としてホルムアルデヒドを例に説明したがそれに限定されるものではない。被処理水X中のアセトアルデヒドの分解にも適用可能である。
その場合は、アセトアルデヒドはオゾンにより先ず酢酸になり、その酢酸が最終的に炭酸ガスと水に分解される2段階の反応となるので、オゾン反応槽11Bの区画の数を増やし、更に、最後段の区画よりも前段の区画、例えば、全区画数を6段としたときに、第3の区画にも常時、酢酸の濃度に応じたオゾン流量をマイクロバブル又はナノバブルで注入するようにすることが好ましい。
また、被処理水の温度は、アセトアルデヒドのオゾンによる酸化分解に適した温度に調節することが好ましい。
1A,1B 循環配管
2 オゾン発生装置
3A,3B オゾンガス混合装置
4A,4B ポンプ
6 ヒータ
7A ノズル(第1のマイクロバブル生成装置、マイクロバブル生成装置)
7B ノズル(第2のマイクロバブル生成装置)
10A,10B 制御装置
11A,11B オゾン反応槽
11a 第1の区画(最前段の仕切区画)
11b 第2の区画
11c 第3の区画
11d 第4の区画(最後段の仕切区画)
11f,11g 連通路
12 溶存オゾン濃度計(オゾンセンサ)
13,13A,13B,13C 仕切板
14 気体循環流路
15 ブロワ
16 散気管
17 排気配管
18 流量制御弁
19 排ガス処理装置
20A 分析装置(第1から第3の有機化合物濃度検出センサ)
20B 分析装置(第4の有機化合物濃度検出センサ)
20C 分析装置
31 被処理水供給配管系
32 被処理水供給配管
33A 循環配管系統(第1の循環配管系統)
33B 循環配管系統(第2の循環配管系統)
33C 循環配管系統
34 オゾン処理水流出路
34B オゾン処理水排出管
35 曝気系統
37 温度調節ジャケット(ジャケット)
38 保温層(保温材)
39 排気処理系
41,41B,45A,45B 流量制御弁
42 フィルタ
43 熱交換器
44 排熱供給管
45A,45B 流量制御弁
46 排熱出口管
47A,47B,47C,55 サンプル取水配管
48A,48B,48C,56 取水ポンプ
49A,49B,49B,49C サンプル戻り配管
51A,51B 流量制御弁
53 排水弁
54 排水ポンプ
60,60M,65 流量制御弁
63,64 オゾンガス供給管
70 酸化剤供給系
70a 酸化剤タンク
70b 酸化剤供給ポンプ
71,71M 流量制御弁
72 酸化剤供給管
100A,100B 水処理システム
110 オゾン反応処理ユニット
X 被処理水

Claims (12)

  1. 処理対象の有機化合物を含む被処理水を連続的に流入させて受け入れるオゾン反応槽と、オゾンガスを発生させるオゾン発生装置と、前記オゾン反応槽内の被処理水の一部を循環させ、それに前記オゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合して前記オゾン反応槽内に連続供給する第1の循環配管系統と、該オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生を制御する制御装置と、を備えた水処理システムであって、
    前記第1の循環配管系統に混合された前記オゾンガスを活性化させるための前記オゾン反応槽の近傍に設けられたヒータと、
    前記混合されたオゾンガスを気体源としてマイクロバブルを発生する前記第1の循環配管系統に設けられた第1のマイクロバブル生成装置と、
    前記オゾン反応槽の被処理水を、該被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節する被処理水温度調節手段と、
    前記オゾン反応槽に流入する被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度を検出する第1の有機化合物濃度検出センサと、
    前記オゾン反応槽の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度を検出する第2の有機化合物濃度検出センサと、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記被処理水温度調節手段を制御して、前記被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に前記オゾン反応槽内の被処理水の温度を調節するとともに、
    前記第2の有機化合物濃度検出センサによる前記オゾン反応槽内の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度に基づいて、前記オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生量をフィードバック制御し、
    前記第1の有機化合物濃度検出センサによる前記流入する被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度が、前記第2の有機化合物濃度検出センサによる前記オゾン反応槽内の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度よりも増大するときには、その濃度の増大量に基づいて、前記オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生量をフォワード制御し、
    前記オゾン反応槽から排出される被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度が目標値以下になるように設定することを特徴とする水処理システム。
  2. 前記被処理水温度調節手段は、
    前記オゾン反応槽に流入する被処理水を、該被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節する流入被処理水温度調節手段と、
    前記オゾン反応槽の外周を囲むようにジャケットが設けられ、該ジャケットに熱源又は冷熱源からの媒体を流通させることにより前記オゾン反応槽内の被処理水の温度を、前記被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節するオゾン反応槽温度調節手段と、
    前記ジャケットの外周を囲むように設けられた保温材と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記オゾン反応槽は、複数の仕切板で前段から後段へと流れることが可能な仕切区画に分けられ、前記被処理水を最前段の仕切区画に受け入れ、
    前記第2の有機化合物濃度検出センサは、前記最前段の仕切区画の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度を検出し、
    前記第1の循環配管系統は、前記最前段の仕切区画から抽水された前記被処理水中に前記オゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合させ、前記第1のマイクロバブル生成装置においてオゾンのマイクロバブルを生成させて、再び前記最前段の仕切区画に注入する構成とすることを特徴とする請求項1に記載の水処理システム。
  4. 前記オゾン反応槽の気相のガスを吸引して、少なくとも最後段の仕切区画より上流側の仕切区画に注入する気相ガス注入手段を有することを特徴とする請求項3に記載の水処理システム。
  5. 前記オゾン反応槽の最後段の仕切区画より少なくとも1段上流側の仕切区画における、被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度を検出する第3の有機化合物濃度検出センサ及び被処理水中のオゾン濃度を検出するオゾンセンサと、
    前記最後段の仕切区画より少なくとも1段上流側の仕切区画から抽水された前記被処理水中に前記オゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合させ、第2のマイクロバブル生成装置においてオゾンのマイクロバブルを生成させて、前記抽水した仕切区画より上流側の仕切区画に注入する第2の循環配管系統と、を更に備え、
    前記制御装置は、
    前記第3の有機化合物濃度検出センサの検出した被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度、オゾンセンサが検出した被処理水中のオゾン濃度及び前記オゾン反応槽に流入する被処理水の流量に基づいて、前記第2の循環配管系統における被処理水の循環流量と前記オゾン発生装置で発生されたオゾンガスの前記第2の循環配管系統への混合量を、前記オゾン反応槽から排出される被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度が目標値以下になるように設定することを特徴とする請求項3に記載の水処理システム。
  6. 前記処理対象の有機化合物とは、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水処理システム。
  7. 処理対象の有機化合物を含む被処理水を流入させて受け入れる複数のオゾン反応槽と、オゾンガスを発生させるオゾン発生装置と、前記複数のオゾン反応槽内の被処理水をそれぞれ独立に循環させ、それに前記オゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合して前記オゾン反応槽内に連続供給する循環配管系統と、該オゾン発生装置におけるオゾンガスの発生を制御する制御装置と、を備えたバッチ式の水処理システムであって、
    前記循環配管系統に混合された前記オゾンガスを活性化させるための前記オゾン反応槽の近傍に設けられたヒータ、及び前記混合されたオゾンガスを気体源としてマイクロバブルを発生する前記循環配管系統に設けられたマイクロバブル生成装置と、
    前記オゾン反応槽の被処理水を、該被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節する被処理水温度調節手段と、
    前記複数のオゾン反応槽内の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度をそれぞれ個別に検出する第4の有機化合物濃度検出センサと、を備え、
    前記制御装置は、
    前記被処理水温度調節手段を制御して、前記被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に、前記オゾン反応槽内の被処理水の温度を調節するとともに、
    前記複数のオゾン反応槽のうちの当該の1つに被処理水が導入された際、そのオゾン反応槽の前記循環配管系統により前記オゾン反応槽内の被処理水を均一に撹拌し、
    その後、当該のオゾン反応槽内の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度を前記第4の有機化合物濃度検出センサにより検出し、検出された前記処理対象の有機化合物の濃度に基づき、当該のオゾン反応槽内の被処理水の前記処理対象の有機化合物の濃度が、排出可能な目標値以下になる推定処理時間及び前記オゾン発生装置で発生されたオゾンガスを当該のオゾン反応槽の前記循環配管系統に注入する要求オゾン量を算出し、
    当該のオゾン反応槽の前記循環配管系統に、前記算出された要求オゾン量が推定処理時間内に当該のオゾン反応槽に注入されるように注入オゾン流量を設定して制御することを特徴とする水処理システム。
  8. 前記被処理水温度調節手段は、
    前記オゾン反応槽に流入する被処理水を、該被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節する流入被処理水温度調節手段と、
    前記オゾン反応槽の外周を囲むようにジャケットが設けられ、該ジャケットに熱源又は冷熱源からの媒体を流通させることにより前記オゾン反応槽内の被処理水の温度を、前記被処理水中の前記処理対象の有機化合物のオゾンによる分解反応に適した所定の温度範囲に温度調節するオゾン反応槽温度調節手段と、
    前記ジャケットの外周を囲むように設けられた保温材と、を含んで構成されることを特徴とする請求項7に記載の水処理システム。
  9. 前記制御装置は、
    少なくとも当該のオゾン反応槽の被処理水の温度、前記設定された注入オゾン流量及び前記算出された推定処理時間に基づいて、水処理の経過時間依存の当該のオゾン反応槽の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度の推移を推定する水処理経過推定手段を有し、
    該水処理経過推定手段が推定した水処理の経過時間依存の当該のオゾン反応槽の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度の推移における、予め設定された経過時間時点の被処理水中の推定された前記処理対象の有機化合物の濃度と、前記第4の有機化合物濃度検出センサにより検出された当該のオゾン反応槽の被処理水中の前記処理対象の有機化合物の濃度との差分に基づき、前記設定された注入オゾン流量を補正することを特徴とする請求項7に記載の水処理システム。
  10. 前記オゾン反応槽は、複数の仕切板で前段から後段へと流れることが可能な仕切区画に分けられ、前記被処理水を最前段の仕切区画に受け入れ、
    前記循環配管系統は、最後段の仕切区画から抽水された前記被処理水中に前記オゾン発生装置で発生されたオゾンガスを混合させ、前記マイクロバブル生成装置においてオゾンのマイクロバブルを生成させて、前記最前段の仕切区画に注入する構成であることを特徴とする請求項7に記載の水処理システム。
  11. 前記オゾン反応槽の気相のガスを吸引して、少なくとも前記最後段の仕切区画より上流側の仕切区画に注入する気相ガス注入手段を有することを特徴とする請求項10に記載の水処理システム。
  12. 前記処理対象の有機化合物とは、ホルムアルデヒド又はアセトアルデヒドであることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の水処理システム。
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