JP2013233062A - モータ制御装置およびモータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置およびモータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スイッチング回路およびバッテリを流れる電流により発熱する素子の過熱保護を行う。
【解決手段】検出されたモータ電流に基づいてバッテリ電流推定値を出力するバッテリ電流推定部15と、検出されたモータ電流に基づいてモータ電流指令値を制限するための第1判定値を求めるモータ電流制限値演算部13と、当該第1判定値によりモータ電流指令値を制限するモータ電流制御部14d、14qと、バッテリ電流推定部15からのバッテリ電流推定値を所定の第2判定値で制限するバッテリ電流制限値演算部16と、モータ電流制御部14d、14qからの出力とバッテリ電流制限値演算部16からの出力とを比較して、小さい方の電流値でモータ1に流れる電流を制御するモータ電圧指令値制限部18とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明はモータ制御装置およびモータ制御方法に関し、特に、PWM制御されたブラシレスモータのスイッチング回路およびバッテリを流れる電流により発熱する素子が過熱になることを防止するモータ制御装置およびモータ制御方法に関するものである。
ブラシレスモータのモータコイルに流れる電流はインバータ回路によって制御されている。インバータ回路は複数のスイッチング素子によって構成され、各スイッチング素子がオン・オフすることによって、モータコイルの各相に流れる電流を制御している。しかしながら、スイッチング素子は過熱することによって損傷するため、各スイッチング素子を流れる電流(各相のモータコイルを流れる電流)を常に監視し、各スイッチング素子が過熱状態となる前にスイッチング素子を流れる電流を制限または遮断する必要がある。
各スイッチング素子を流れる電流を制限する手段として、電流検出手段を各相のスイッチング素子に連結し、各相の電流を制限するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−254618号公報
しかしながら、従来のモータ制御装置に設けられた電流制限手段は、各相に対する電流検出手段にて検出したモータ電流のみにより電流を制限しており、過熱状態を引き起こす要因の一つであるバッテリ電流は検出していない。そのため、従来の制限値は、例えばバッテリ電流が考えられる実使用条件で一番多く流れることを想定した条件で、各素子が過熱状態とならないようにモータ電流による制限値を設定している。その結果、バッテリ電流が少ない場合においては過保護になり、必要以上に電流が制限されるという問題点があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、バッテリを流れる電流値とスイッチング回路を流れる電流値とに基づいて、それぞれに流れる電流値を別個に制限することで、必要以上に電流が制限されることなく、スイッチング回路およびバッテリを流れる電流により発熱する素子の過熱保護を行うことが可能なモータ制御装置およびモータ制御方法を提供することを目的とする。
この発明は、デューティ比に基づくPWM制御によりバッテリから多相モータに流れる電流をスイッチング回路により制御するモータ制御装置であって、前記スイッチング回路を流れる電流をモータ電流として検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された前記モータ電流に基づいて、前記バッテリに流れるバッテリ電流を推定してバッテリ電流推定値として出力する電流算出手段と、外部から入力されるトルク指令値および磁束指令値とに基づいてモータ電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、前記電流検出手段で検出された前記モータ電流に基づいて、前記モータ電流指令値を制限するための第1判定値を求め、前記モータ電流指令値が前記第1判定値より大きい場合には前記モータ電流指令値を前記第1判定値に制限し、そうでなければ、前記モータ電流指令値をそのまま出力する第1の電流制限手段と、前記電流算出手段で演算された前記バッテリ電流推定値が予め設定された所定の第2判定値より大きい場合には前記バッテリ電流推定値を前記第2判定値に制限し、そうでなければ、前記バッテリ電流推定値をそのまま出力する第2の電流制限手段と、前記第1の電流制限手段からの出力と前記第2の電流制限手段からの出力とを比較して、小さい方の電流値で前記多相モータに流れる電流を制御するモータ指令値制限手段とを備えたことを特徴とするモータ制御装置である。
この発明は、デューティ比に基づくPWM制御によりバッテリから多相モータに流れる電流をスイッチング回路により制御するモータ制御装置であって、前記スイッチング回路を流れる電流をモータ電流として検出する電流検出手段と、前記電流検出手段で検出された前記モータ電流に基づいて、前記バッテリに流れるバッテリ電流を推定してバッテリ電流推定値として出力する電流算出手段と、外部から入力されるトルク指令値および磁束指令値とに基づいてモータ電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、前記電流検出手段で検出された前記モータ電流に基づいて、前記モータ電流指令値を制限するための第1判定値を求め、前記モータ電流指令値が前記第1判定値より大きい場合には前記モータ電流指令値を前記第1判定値に制限し、そうでなければ、前記モータ電流指令値をそのまま出力する第1の電流制限手段と、前記電流算出手段で演算された前記バッテリ電流推定値が予め設定された所定の第2判定値より大きい場合には前記バッテリ電流推定値を前記第2判定値に制限し、そうでなければ、前記バッテリ電流推定値をそのまま出力する第2の電流制限手段と、前記第1の電流制限手段からの出力と前記第2の電流制限手段からの出力とを比較して、小さい方の電流値で前記多相モータに流れる電流を制御するモータ指令値制限手段とを備えたことを特徴とするモータ制御装置であるので、バッテリを流れる電流値とスイッチング回路を流れる電流値とに基づいて、それぞれに流れる電流値を別個に制限することで、必要以上に電流が制限されることなく、スイッチング回路およびバッテリを流れる電流により発熱する素子の過熱保護を行うことができる。
本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置の構成図である。 図1のマイクロコントローラに内蔵されたソフトウェアのプログラムの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置のモータ電流制限値を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置の合成駆動電流対モータ電流制限値変化速度をモータの回転時および停止時について示す特性図である。 本発明の実施の形態1におけるバッテリ電流推定を説明する図である。 本発明の実施の形態1におけるモータ電圧指令値を制限する方法を説明する図である。
実施の形態1.
本発明は、PWM制御されたブラシレスモータのスイッチング回路やバッテリを流れる電流により発熱する素子が過熱になることを防止するためのモータ制御装置である。さらに詳細に説明すれば、バッテリを流れる電流値と各スイッチング素子を流れる電流値とに基づいて、スイッチング回路に流れる電流値およびバッテリに流れる電流値を制限し、当該電流値が流れることで過熱となるか否かを判定して、スイッチング回路およびバッテリを流れる電流により発熱する素子の過熱保護を行うモータ制御装置である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。各図において同一または相当する部材、部位については、同一符号を付して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置を周辺機器とともに示すブロック図である。図1において、このモータ制御装置は、多相モータである3相ブラシレスモータ1(以下「モータ1」と略称する)に接続されている。
モータ制御装置は、モータ1のロータの磁極位置を検出する位置センサ(位置検出手段)2と、バッテリBTから駆動電力を得てモータ1を駆動するPWMインバータ(インバータ装置)3と、PWMインバータ3からモータ1に入力される3相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwを検出する電流検出器(電流検出手段)4と、外部から与えられるトルク指令値T*と磁束指令値F*とに基づいてモータ1のモータ電流指令値であるd軸(磁束軸)指令電流Id*およびq軸(トルク軸)指令電流Iq*を生成する電流指令値演算部5と、モータ電流指令値(Id*、Iq*)を用いてPWMインバータ3を制御するマイクロコントローラ6(モータ制御手段)とを備えている。
マイクロコントローラ6は、モータ電流指令値(Id*、Iq*)を制限して過熱を防止する過熱保護部7と、電流検出器4の出力をディジタル値に変換するA/D変換器8u,8v,8w(以下「A/D変換器8」と総称する)と、A/D変換器8の出力を3相交流座標からd軸と(d軸に直交する)q軸とからなるdq座標に変換する3相−dq座標変換部9(図1では「座標変換部9」と略称にて示す)と、後述するモータ電流制限部14の出力と3相−dq座標変換部9の出力との差分を出力する減算器19d,19q(以下「減算器19」と総称する)からの出力に基づいてdq座標上でフィードバック制御を行う電流制御部10d,10q(以下「電流制御部10」と総称する)と、電流制御部10の出力をdq座標から3相交流座標に変換するdq−3相座標変換部11(図1では「座標変換部11」と略称にて示す)と、を備えている。
マイクロコントローラ6は、さらに、UVW各相のデューティ比Du,Dv,Dw、および、モータ1に流れる相電流Iu、Iv、Iwに基づいて、バッテリBTに流れるバッテリ電流Ibを推定し、バッテリ電流推定値Ib*を出力するバッテリ電流推定部(電流算出手段)15と、バッテリ電流推定値Ib*を、予め設定された所定のバッテリ電流制限値Ibr以下になるように制限し、バッテリ制限後電流Ibr*を出力するバッテリ電流制限値演算部16と、バッテリBTに流れるバッテリ電流Ibがバッテリ制限後電流Ibr*以下になるように、モータ電圧指令値に対する最大許容値であるモータ電圧指令制限値Vlimitを求めるモータ電圧指令制限値算出器17と、dq−3相座標変換部11から出力されるU相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、W相電圧指令値Vwに対して、モータ電圧指令制限値算出部17で算出されたモータ電圧指令制限値Vlimitと比較し、U相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、W相電圧指令値Vwがモータ電圧指令制限値Vlimitを超えている場合には、U相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、W相電圧指令値Vwをモータ電圧指令制限値Vlimitに制限するモータ電圧指令値制限部18とを備えている。
過熱保護部7は、ロータの磁極位置からモータ1の回転速度R1を演算するモータ回転速度演算部12と、予め設定された所定の過熱保護判定しきい値と3相−dq座標変換部9の出力との差分を出力する減算器20d,20q(以下「減算器20」と総称する)と、モータ回転速度演算部12の出力したモータ回転速度R1と減算器20の出力とが入力され、モータ電流指令値(Id*、Iq*)を制限するためのモータ電流制限値Idr,Iqrを演算するモータ電流制限値演算部13と、モータ電流制限値演算部13の出力したモータ電流制限値Idr,Iqrに基づいて、モータ電流指令値(Id*、Iq*)を制限するモータ電流制限部14d、14q(以下「モータ電流制限部14」と総称する)と、モータ電流制限部14の出力と3相−dq座標変換部9の出力との差分を出力する上述した減算器19とを備えている。
ここで、3相−dq座標変換部9、電流制御部10、dq−3相座標変換部11、モータ回転速度演算部12、モータ電流制限値演算部13、モータ電流制限部14、および、減算器19,20は、マイクロコントローラ6にソフトウェアとして内蔵されている。
図2は、図1のマイクロコントローラ6に内蔵されたソフトウェアのプログラムの動作を示すフローチャートである。このプログラムは、一定の周期で、周期的に繰り返し呼び出されるものである。
以下、上記構成のモータ制御装置についての動作を図2を用いて説明する。
まず、位置センサ2でモータ1のロータの磁極位置が所定時間毎に検出され、モータ回転速度演算部12で、位置センサ2による今回検出の磁極位置と前回検出の磁極位置との差分演算が行われ、当該差分からモータ回転速度R1が演算されて出力される(ステップS21)。
また、電流検出器4では、PWMインバータ3からモータ1に入力される3相のモータ駆動電流の、u相駆動電流Iuとv相駆動電流Ivとw相駆動電流Iwとが検出され、それらの3相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwが出力される(ステップS22)。
3相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwは、A/D変換器8でディジタル信号に変換された後に、3相−dq座標変換部9でdq座標に変換され、図3に示すd軸駆動電流(d軸成分電流)Idおよびq軸駆動電流(q軸成分電流)Iqとして出力される(ステップS23)。
モータ電流制限値演算部13では、d軸駆動電流Idとq軸駆動電流Iqとが次式(1)によってベクトル合成され、合成駆動電流(合成電流)Isが求められる(ステップS24)。
Figure 2013233062
ここで、合成駆動電流Isが一定である場合、図3に破線で示した半径一定の円をモータ電流制限値として表すことができる。このことは、3相のモータ駆動電流Iu、Iv、Iwを合成した結果が一定の電流値であることを示している。また、合成駆動電流Isは、モータ1のロータの磁極位置、即ちq軸と合成駆動電流Isとのなす位相角θ(以下、「電流位相角θ」と略称する)に影響されないものであって、モータ1に通電される電流値を代表することができる。
dq−3相座標変換部9から出力されたd軸駆動電流Idおよびq軸駆動電流Iqは、減算器20でそれぞれ過熱保護判定用しきい値と比較されて、偏差が求められる。各偏差の最大値は、例えば図4と同様の特性に従って、モータ電流制限値変化速度Vmとして出力される。このとき、図4に示した横軸は、合成駆動電流Isから、上記の偏差に読み替えられる。また、図4において、破線がモータ1が回転しているときに用いるモータ電流制限値変化速度Vmの値で、実線がモータ1が停止しているときに用いるモータ電流制限値変化速度Vmの値である。モータ1が回転しているか停止しているかの判定は、モータ回転速度R1を閾値判定することにより決定する。モータ電流制限値演算部13では、モータ1の回転/停止の別に基づいて2種類の中からモータ電流制限値変化速度Vmが選択され、選択されたモータ電流制限値変化速度Vmを積算して、モータ電流制限値(Idr、Iqr)が演算される(ステップS25)。なお、ステップS25の詳細な動作については後述する。
モータ電流制限部14では、電流指令値演算部5からd軸指令電流Id*およびq軸指令電流Iq*が入力されるとともに、モータ電流制限値演算部13からd軸モータ電流制限値Idrおよびq軸モータ電流制限値Iqrが入力され、d軸指令電流Id*およびq軸指令電流Iq*が、それぞれ、d軸モータ電流制限値Idrおよびq軸モータ電流制限値Iqr以下になるように制限され、d軸制限後電流Idr*およびq軸制限後電流Iqr*として出力される(ステップS26、ステップS27)。具体的には、d軸指令電流Id*およびq軸指令電流Iq*が、それぞれ、d軸モータ電流制限値Idrおよびq軸モータ電流制限値Iqr以下であれば、そのままの値が出力され、一方、d軸モータ電流制限値Idrおよびq軸モータ電流制限値Iqrを超えていれば、d軸モータ電流制限値Idrおよびq軸モータ電流制限値Iqrの値が出力される。
減算器19では、モータ電流制限部14からd軸制限後電流Idr*およびq軸制限後電流Iqr*が入力され、dq−3相座標変換部9からd軸駆動電流Idおよびq軸駆動電流Iqが入力されて、d軸制限後電流Idr*とd軸駆動電流Idの差分およびq軸制限後電流Iqr*とq軸駆動電流Iqの差分が演算され、電流制御部10に入力される。電流制御部10では、減算器19の出力に基づいて、フィードバック制御が行われる(ステップS28、ステップS29)。
dq−3相座標変換部11では、電流制御部10の出力がdq座標から3相交流座標に変換されて、モータ電圧指令値制限部18を介して、PWMインバータ3に出力される(ステップS30)。モータ1は、PWMインバータ3の出力によって駆動される。
続いて、ステップS25におけるモータ電流制限値演算部13の動作を詳細に説明する。
モータ電流制限値演算部13では、モータ回転速度演算部12からのモータ回転速度R1と自身が演算した合成駆動電流Isとを用いて、図4に示す特性(所定の関数)に基づいて、モータ1に許容する最大電流を漸減あるいは漸増するモータ電流制限値変化速度Vmが算出される。続いて、モータ電流制限値変化速度Vmを積算し、モータ電流制限値(Idr、Iqr)が演算される。モータ電流制限値(Idr、Iqr)は、dq座標上でモータ電流指令値(Id*、Iq*)を制限するものである。
ここで、モータ電流制限値演算部13では、モータ回転速度R1が、任意に設定される所定の回転速度ξ以上であるとき、モータ1が回転していると判断し、破線のモータ電流制限値変化速度Vm(図4参照)を用いて、モータ電流制限値(Idr、Iqr)を演算する。
また、モータ電流制限値演算部13では、モータ回転速度R1が任意に設定される所定の回転速度ξ未満であるとき、モータ1が停止していると判断し、実線のモータ電流制限値変化速度Vm(図4参照)を用いて、モータ電流制限値(Idr、Iqr)を演算する。
したがって、モータ1に許容する最大電流を漸減する際の勾配を、モータ回転速度R1に応じて切り替えることができるので、モータ1の回転時には、モータ1の停止時よりも漸減の勾配を小さくすることができる。
なお、モータ電流制限値(Idr、Iqr)を漸増する場合、モータ1の回転時および停止時にかかわらずマイクロコントローラ6またはモータ1の放熱特性によりモータ電流制限値(Idr、Iqr)が決まるため、モータ1の回転時および停止時を同一のパラメータとして設定する。
モータ電流制限値(Idr、Iqr)は、電流位相角θ(図3参照)が一定となるように、d軸電流制限値Idrおよびq軸電流制限値Iqrに分解されてモータ電流制限部14に出力される。d軸電流制限値Idrおよびq軸電流制限値Iqrは、例えば図4にモータの回転時および停止時について示した特性と同様の特性になる。
本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置によれば、モータ回転速度R1に応じてモータ電流制限値(Idr、Iqr)を演算することができるので、適切にモータ1を過熱保護することができる。
また、合成駆動電流Isに応じてモータ電流制限値(Idr、Iqr)を演算するので、モータ1の停止時における特定のモータ相への熱集中にも対応でき、またモータ1の回転時における発熱が平均化された状況にも対応することができる。
また、モータ電流制限値演算部13で算出されたモータ電流制限値(Idr、Iqr)は、dq座標上でモータ電流指令値(Id*、Iq*)を制限するものであり、3相交流座標に座標変換される前にモータ電流指令値(Id*、Iq*)を制限するため、モータ1の回転状況によって各モータ相の電流バランスが崩れることなく電流を漸減することができる。
バッテリ電流推定部15では、バッテリBTに流れるバッテリ電流Ibを推定する。
以下にバッテリ電流の推定方法を説明する。
図5は、バッテリ電流推定に係わるモータ駆動装置を示すブロック図である。図5に示すように、PWMインバータ3には、のべ6個のスイッチング素子30が設けられている。具体的には、上側に、各相に対応する3個のスイッチング素子30UU、30VU、30WU(以下、「上側スイッチング素子30UU、30VU、30WU」とする)が設けられ、下側に、各相に対応する3個のスイッチング素子30UL、30VL、30WL(以下、「下側スイッチング素子30UU、30VU、30WU」とする)が設けられている。これらのスイッチング素子は、例えばFET等の半導体素子から構成される。各スイッチング素子は、各相毎に、上側スイッチング素子と下側スイッチング素子とが直接に接続されており、のべ3つの直列体が構成されている。
図5において、UVW各相のデューティ比をDu、Dv、Dw、モータに流れる相電流をIu、Iv、Iwとすると、各上側スイッチング素子3UU、3VU、3WUに流れる平均電流(Iuu、Ivu、Iwu)は、次式(2)で表すことができる。
Iuu=Iu*Du・・・(2−1)
Ivu=Iv*Dv・・・(2−2)
Iwu=Iw*Dw・・・(2−3)
バッテリ電流Ibは、上側スイッチング素子3UU、3VU、3WUに流れる電流の和であることから、次式(3)で表すことができる。
Ib=Iuu+Ivu+Iwu・・・(3)
したがって、バッテリ電流Ibは、(2),(3)式より、次式(4)のように表すことができる。
Ib=Iu*Du+Iv*Dv+Iw*Dw・・・(4)
従って、式(4)に、UVW各相のデューティ比Du、Dv、Dw、および、モータに流れる相電流をIu、Iv、Iwの値を代入することにより、バッテリ電流推定値Ib*を求めることができる。
バッテリ電流制限値演算部16では、バッテリ電流推定値15で推定されたバッテリ電流推定値Ib*が、予め設定された所定のバッテリ電流制限値Ibr以下になるように制限され、バッテリ制限後電流Ibr*として出力される。具体的には、バッテリ電流推定値Ib*が、バッテリ電流制限値Ibr以下であれば、そのままの値が出力され、一方、バッテリ電流制限値Ibrを超えていれば、バッテリ電流制限値Ibrの値が出力される。
モータ電圧指令制限値算出部17は、バッテリBTに流れるバッテリ電流Ibがバッテリ制限後電流Ibr*以下になるように、モータ電圧指令値としての最大許容値であるモータ電圧指令制限値Vlimitを決める。
モータ電圧指令値制限部18は、dq−3相座標変換部11から出力されるU相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、W相電圧指令値Vwに対して、モータ電圧指令制限値算出部17より算出されたモータ電圧指令制限値Vlimitとの比較を行い、U相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、W相電圧指令値Vwがモータ電圧指令制限値Vlimitを超えている場合には、U相電圧指令値Vu、V相電圧指令値Vv、W相電圧指令値Vwをモータ電圧指令制限値Vlimitへと制限する。この処理は、すなわち、モータ電圧指令値制御部18が、電流制御部10からの出力とバッテリ電流制限値演算部16からの出力とを比較して、小さい方の電流値に基づいてモータ1に流れる電流を制御することを意味する。
モータ電圧指令値の制限方法は、図6に示すものと同じであり、モータ電圧指令値制限部18において、モータ電圧指令制限値Vlimit(Vu**、Vv**、Vw**)以下に制限された各相のモータ電圧指令値Du、Dv、DwはPWM制御器16に入力され、PWM制御器16によりPWMインバータ3を制御して、モータ1を回転駆動する。
以上のように、本発明の実施の形態1の発明によれば、デューティ比に基づくPWM制御をPWMインバータ3(スイッチング回路)にて行うことにより、バッテリBTからモータ1に流れる電流を制御するモータ制御装置であって、PWMインバータ3(スイッチング回路)を流れる電流をモータ電流値として検出する電流検出手段(電流検出器4)と、PWMインバータ3(スイッチング回路)に流れる電流をバッテリ電流値として推定する電流算出手段(バッテリ電流推定部15)と、モータ電流値が所定の第1判定値(Idr、Iqr)より大きい場合には、モータ電流を制限する第1の電流制限手段(モータ電流制限値演算部13、モータ電流制御部14)と、推定したバッテリ電流値が所定の第2判定値(Ibr)より大きい場合には、バッテリ電流を制限する第2の電流制限手段(バッテリ電流制限値演算部16)とを備え、PWMインバータ3に流れるモータ電流値とバッテリBTに流れるバッテリ電流値とを切り分けて制限することで、PWMインバータ3(スイッチング回路)を流れる電流により発熱するスイッチング素子30の過熱保護と、バッテリBTを流れる電流により発熱するスイッチング素子30の過熱保護を切り分けることができる。
したがって、過熱保護手段を素子に流れる電流により切り分けることで、素子の過保護をなくすことができ、最適な過熱保護を行うことで従来より連続通電時間を長くすることができる。
また、モータ指令値制限手段(モータ電圧指令値制限部18)により、PWMインバータを流れる電流により算出されるモータ電流制限値と、バッテリを流れる電流により算出されるバッテリ電流制限値を比較し、小さい方の電流値で電流を制限することで、電流により発熱する素子に対してより最適な過熱保護ができる。
1 3相ブラシレスモータ、2 位置センサ、3 PWMインバータ、4 電流検出器、5 電流指令値演算部、6 マイクロコントローラ、7 過熱保護部、8 A/D変換器、9 3相−dq座標変換部、10 電流制御部、11 dq−3相座標変換部、12 モータ回転速度演算部、13 モータ電流制限値演算部、14 モータ電流制限部、15 バッテリ電流推定部、16 バッテリ電流制限値演算部、17 モータ電圧指令制限値算出器、18 モータ電圧指令値制限部、19,20 減算器、Id d軸駆動電流、Iq q軸駆動電流、Id* d軸指令電流、Iq* q軸指令電流、Idr d軸モータ電流制限値、Iqr q軸モータ電流制限値、Idr* q軸制限後電流、Iqr* q軸制限後電流、Vu U相指令電圧、Vv V相指令電圧、Vw W相指令電圧、Du U相PWM駆動Duty、Dv V相PWM駆動Duty、Dw W相PWM駆動Duty、BT バッテリ。

Claims (5)

  1. デューティ比に基づくPWM制御によりバッテリから多相モータに流れる電流をスイッチング回路により制御するモータ制御装置であって、
    前記スイッチング回路を流れる電流をモータ電流として検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段で検出された前記モータ電流に基づいて、前記バッテリに流れるバッテリ電流を推定してバッテリ電流推定値として出力する電流算出手段と、
    外部から入力されるトルク指令値および磁束指令値とに基づいてモータ電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、
    前記電流検出手段で検出された前記モータ電流に基づいて、前記モータ電流指令値を制限するための第1判定値を求め、前記モータ電流指令値が前記第1判定値より大きい場合には前記モータ電流指令値を前記第1判定値に制限し、そうでなければ、前記モータ電流指令値をそのまま出力する第1の電流制限手段と、
    前記電流算出手段で演算された前記バッテリ電流推定値が予め設定された所定の第2判定値より大きい場合には前記バッテリ電流推定値を前記第2判定値に制限し、そうでなければ、前記バッテリ電流推定値をそのまま出力する第2の電流制限手段と、
    前記第1の電流制限手段からの出力と前記第2の電流制限手段からの出力とを比較して、小さい方の電流値で前記多相モータに流れる電流を制御するモータ指令値制限手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記多相モータの回転速度を検出する回転速度検出手段をさらに備え、
    前記第1の電流制限手段は、前記回転速度検出手段により検出された前記回転速度から、前記多相モータの回転の有無を判断して、当該多相モータの回転の有無に応じて前記第1判定値を演算することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記電流検出手段で検出された前記モータ電流を、d軸(磁束軸)成分電流と、前記d軸成分電流に直交するq軸(トルク軸)成分電流とに座標変換する座標変換手段をさらに備え、
    前記第1の電流制限手段は、前記d軸成分電流および前記q軸成分電流との合成駆動電流を求めて、当該合成駆動電流に基づいて前記第1判定値を演算することを特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記電流算出手段は、前記デューティ比、および、前記電流検出手段により検出された前記スイッチング回路に流れる電流に基づいて、前記バッテリ電流推定値を演算することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  5. デューティ比に基づくPWM制御によりバッテリから多相モータに流れる電流をスイッチング回路により制御するモータ制御方法であって、
    前記スイッチング回路を流れる電流をモータ電流として検出する電流検出ステップと、
    前記電流検出ステップで検出された前記モータ電流に基づいて、前記バッテリに流れるバッテリ電流を推定してバッテリ電流推定値として出力する電流算出ステップと、
    外部から入力されるトルク指令値および磁束指令値とに基づいてモータ電流指令値を演算する電流指令値演算ステップと、
    前記電流検出ステップで検出された前記モータ電流に基づいて、前記モータ電流指令値を制限するための第1判定値を求め、前記モータ電流指令値が前記第1判定値より大きい場合には前記モータ電流指令値を前記第1判定値に制限し、そうでなければ、前記モータ電流指令値をそのまま出力する第1の電流制限ステップと、
    前記電流算出ステップで演算された前記バッテリ電流推定値が予め設定された所定の第2判定値より大きい場合には前記バッテリ電流推定値を前記第2判定値に制限し、そうでなければ、前記バッテリ電流推定値をそのまま出力する第2の電流制限ステップと、
    前記第1の電流制限ステップによる出力と前記第2の電流制限ステップによる出力とを比較して、小さい方の電流値で前記多相モータに流れる電流を制御するモータ指令値制限ステップと
    を備えたことを特徴とするモータ制御方法。
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