上記のような調湿装置では、空気の流路を切り換えるために多数のダンパ(特許文献1では、8つのダンパ)が必要となる。その結果、調湿装置の複雑化、大型化、高コスト化を招いてしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、空気の流路を切り換える機構の簡素化を図り、ひいては調湿装置の簡素化、小型化、低コスト化を図ることである。
第1の発明は、空気が流れる空気流路(70,73,76,79)と、2つの熱交換器室(19a,19b)とが内部に形成されるケーシング(11)と、上記各熱交換器室(19a,19b)にそれぞれ収容され、表面に水分を吸着する吸着剤が担持される2つの吸着熱交換器(29a,29b)とを備えた調湿装置を対象とし、上記ケーシング(11)の内部には、上記空気流路(70,73,76,79)と各熱交換器室(19a,19b)とをそれぞれ連通させる2つの連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)が隣り合うように形成され、1つの駆動機構(101,121)と、上記2つの連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)の間に配置され、該駆動機構(101,121)に駆動される1本の駆動軸(102,122)と、該1本の駆動軸(102,122)に連結し、上記2つの連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)のそれぞれを閉鎖するように回動する1枚の仕切板(103,104,123,124)とを有する流路切換機構(100,120)を備えていることを特徴とする。
第1の発明では、ケーシング(11)の内部に、2つの熱交換器室(19a,19b)と空気流路(70,73,76,79)とが形成される。流路切換機構(100,120)は、空気流路(70,73,76,79)と各熱交換器室(19a,19b)とを断続させる。具体的に、流路切換機構(100,120)では、駆動機構(101,121)によって駆動軸(102,122)が駆動され、これに伴い仕切板(103,104,123,124)が回動する。仕切板(103,104,123,124)が一方の連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)を閉鎖すると、もう一方の連通路(71,72,74,75,77,78,80,81)が開放される。これにより、空気流路(70,73,76,79)と一方の熱交換器室(第1熱交換器室(19a))とが連通する。また、仕切板(103,104,123,124)が他方の連通口(72,71,75,74,78,77,81,80)を閉鎖すると、もう一方の連通路(71,72,74,75,77,78,80,81)が開放される。これにより、空気流路(70,73,76,79)と他方の熱交換器室(第2熱交換器室(19b))とが連通する。
第2の発明は、第1の発明において、上記ケーシング(11)の内部には、互いに隣り合う2つの空気流路(70,73,76,79)と、各空気流路(70,73,76,79)にそれぞれ対応する2つずつの上記連通路(71,72,74,75,77,78,80,81)とが形成され、上記流路切換機構(100,120)は、1つの駆動機構(101,121)と、上記2つの空気流路(70,73,76,79)に亘って延び、該駆動機構(101,121)に駆動される1本の駆動軸(102,122)と、各々が該1本の駆動軸(102,122)に連結する2枚の上記仕切板(103,104,123,124)とを備えていることを特徴とする。
第2の発明では、ケーシングの内部に2つの空気流路(70,73,76,79)が隣り合って形成される。一方、流路切換機構(100,120)の駆動軸(102,122)は、これらの空気流路(70,73,76,79)に亘って延びて形成される。また、駆動軸(102,122)には、各空気流路(70,73,76,79)に対応する2枚の仕切板(103,104,123,124)が連結される。このため、本発明では、1つの駆動機構(101,121)により1本の駆動軸(102,122)を駆動することで、2つの空気流路(70,73,76,79)と、各熱交換器室(19a,19b)との断続状態を同時に切り換えることができる。
第3の発明は、第2の発明において、上記ケーシング(11)の内部には、室内空気を上記各熱交換器室(19a,19b)に供給する内気流路(76)と、室外空気を上記各熱交換器室(19a,19b)に供給する外気流路(70)と、各熱交換器室(19a,19b)を通過した空気を室内へ供給する給気流路(79)と、各熱交換器室(19a,19b)を通過した空気を室外へ排出する排気流路(73)とからなる4つの空気流路(70,73,76,79)が、該4つの空気流路(70,73,76,79)のいずれか2つずつが互いに隣り合うように形成され、隣り合う空気流路(70,73,76,79)にそれぞれ対応するように上記2つの上記流路切換機構(100,120)が設けられることを特徴とする。
第3の発明では、内気流路(76)、外気流路(70)、給気流路(79)、及び排気流路(73)のいずれか2つが互いに隣り合うように形成される。そして、隣り合う2組の空気流路(70,73,76,79)にそれぞれ対応して、2つの流路切換機構(100,120)が設けられる。このため、2つの駆動機構(101,121)を用いて2本の駆動軸(102,122)を回転駆動させることで、4つの空気流路(70,73,76,79)と各熱交換器室(19a,19b)の断続状態を切り換えることができる。
第4の発明は、第3の発明において、上記ケーシング(11)の内部では、上記内気流路(76)と上記給気流路(79)とが隣り合って形成され、上記外気流路(70)と上記排気流路(73)とが隣り合って形成されることを特徴とする。
第4の発明では、内気流路(76)と給気流路(79)とが隣り合って形成される。内気流路(76)は、室内空気が流通し、給気流路(79)は、熱交換器室(19a,19b)を通過して室内へ供給される空気が流通する。両者の空気の温度差は、例えば室内空気と室外空気の温度差と比べて小さい。このため、給気流路(79)側の空気の熱が、駆動軸(102,122)を介して内気流路(76)側の空気へ伝わったり、内気流路(76)側の空気の熱が、駆動軸(102,122)を介して給気流路(79)側の空気へ伝わったりすることを抑制できる。また、第4の発明では、外気流路(70)と排気流路(73)とが隣り合って形成される。外気流路(70)は、熱交換器室(19a,19b)を通過して室外へ排出される空気が流通する。両者の空気の温度差は、例えば室内空気と室外空気の温度差と比べて小さい。このため、外気流路(70)側の空気の熱が、駆動軸(102,122)を介して内気流路(76)側の空気へ伝わったり、内気流路(76)側の空気の熱が、駆動軸(102,122)を介して外気流路(70)側の空気へ伝わったりすること抑制できる。
本発明によれば、2つの連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)の間に配置した駆動軸(102,122)を回転させ、各連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)をそれぞれ閉鎖するように仕切板(103,104,123,124)を回動させるため、2つの連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)にそれぞれダンパを設けることなく、空気流路(70,73,76,79)と各熱交換器室(19a,19b)の断続状態を相互に切り換えることができる。従って、流路切換機構(100,120)の簡素化を図ることができ、ひいては調湿装置の簡素化、小型化、低コスト化を図ることができる。
特に第2の発明では、駆動軸(102,122)に並設した2枚の仕切板(103,104,123,124)を回動させることで、4つ連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)にそれぞれダンパを設けることなく、2つの空気流路(70,73,76,79)と各熱交換器室(19a,19b)の断続状態を相互に切り換えることができる。従って、流路切換機構(100,120)の更なる簡素化を図ることができる。
更に第3の発明では、隣り合う2組の空気流路(70,73,76,79)に対応してそれぞれ流路切換機構(100,120)を設けている。このため、8つの連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)にそれぞれダンパを設けることなく、4つの空気流路(70,73,76,79)と各熱交換器室(19a,19b)の断続状態を相互に切り換えることができる。従って、流路切換機構(100,120)の更なる簡素化を図ることができる。
第4の発明では、隣り合う2つの空気流路(70,73,76,79)において、一方の空気流路(70,73,76,79)の空気の熱が駆動軸(102,122)を介して他方の空気流路(70,73,76,79)の空気へ移動するのを抑制できる。このため、例えば夏季において、給気流路(79)へ供給される空気が加熱され、冷房負荷が増大してしまうのを回避できる。また、夏季において、例えば外気流路(70)を流れる空気が冷却され、外気流路(70)で結露が生じるのを防止できる。また、例えば冬季において、給気流路(79)へ供給される空気が冷却され、暖房負荷が増大したり、給気流路(79)で結露が生じてしまうのを防止できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態の調湿装置(10)は、室内空間の湿度調節と共に室内空間の換気を行うものであり、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内空間へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を室外空間へ排出する。
調湿装置(10)について、図1〜図5を参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、図1に示す調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
図1及び図2に示すように、調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。ケーシング(11)は、上下の高さが低い直方体状に形成されている。ケーシング(11)には、底板(12)と天板(13)と前面パネル(14)と後面パネル(15)と第1側面パネル(16)と第2側面パネル(17)とが形成される。前面パネル(14)は手前寄りに、後面パネル(15)は奥寄りに、第1側面パネル(16)は右寄りに、第2側面パネル(17)は左寄りに形成される。
前面パネル(14)には、第1側面パネル(16)寄りに外気ダクト(21)が接続され、第2側面パネル(17)寄りに排気ダクト(22)が接続される。また、後面パネル(15)には、第1側面パネル(16)寄りに給気ダクト(23)が接続され、第2側面パネル(17)寄りに内気ダクト(24)が接続される。外気ダクト(21)及び排気ダクト(22)は、室外空間と連通している。給気ダクト(23)及び内気ダクト(24)は、室内空間と連通している。
ケーシング(11)の内部には、前面パネル(14)寄りに前側流路形成ユニット(30)が収容され、後面パネル(15)寄りに後側流路形成ユニット(50)が収容される。また、ケーシング(11)の内部では、前側流路形成ユニット(30)と後側流路形成ユニット(50)との間の空間が、中央仕切板(18)によって左右に2つの空間に仕切られている。ケーシング(11)の内部では、中央仕切板(18)と第1側面パネル(16)との間に第1熱交換器室(19a)が区画され、中央仕切板(18)と第2側面パネル(17)との間に第2熱交換器室(19b)が区画される。
第1熱交換器室(19a)には、第1吸着熱交換器(29a)が収容され、第2熱交換器室(19b)には、第2吸着熱交換器(29b)が収容される。各吸着熱交換器(29a,29b)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤を担持されたものである。これらの吸着熱交換器(29a,29b)は、全体として直方体状に形成される。また、本実施形態の吸着熱交換器(29a,29b)は、空気の通過方向(フィンの幅方向)が上下を向くように横置きの状態で設置される。また、各吸着熱交換器(29a,29b)に担持される吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性の官能基を有する有機高分子材料等が用いられる。また、この吸着剤としては、水分を吸着するだけで機能だけなく、水分を吸収する機能を有する材料(いわゆる収着剤)を用いてもよい。
図3に示すように、調湿装置(10)は、圧縮機(26)と四方切換弁(27)と膨張弁(28)と上述した2つの吸着熱交換器(29a,29b)とが接続される冷媒回路(25)を備えている。圧縮機(26)、四方切換弁(27)、及び膨張弁(28)は、ケーシング(11)の内部に収容してもよいし、ケーシング(11)の外部の別のユニットに収容してもよい。冷媒回路(25)は、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる閉回路である。
圧縮機(26)は、圧縮機構とそれを駆動する電動機とが一つのケーシングに収容された全密閉型の圧縮機である。この圧縮機(26)の電動機には、インバータを介して交流電力が供給される。インバータの出力周波数(即ち、圧縮機の運転周波数)を変更すると、電動機とそれによって駆動される圧縮機構の回転速度が変化し、圧縮機(26)の運転容量が変化する。
四方切換弁(27)は、第1から第4までのポートを備えている。四方切換弁(27)の第1ポートは圧縮機(26)の吐出側に接続し、四方切換弁(27)の第2ポートは圧縮機(26)の吸入側に接続している。また、四方切換弁(27)の第3ポートは、第1吸着熱交換器(29a)の一端に接続し、四方切換弁(27)の第4ポートは、第2吸着熱交換器(29b)の一端に接続している。四方切換弁(27)では、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図3に示す実線の状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図3に示す破線の状態)とに切り換え可能となっている。
膨張弁(28)は、冷媒回路(25)において、第1吸着熱交換器(29a)と第2吸着熱交換器(29b)との間に接続されている。膨張弁(28)は、開度が調節可能な電子膨張弁で構成される。
また、図3に示すように、調湿装置(10)は、圧縮機(26)、四方切換弁(27)、膨張弁(28)、及び詳細は後述するダンパユニット(100,120)を制御するための制御部(コントローラ(90))を備えている。
図1及び図2に示すように、前側流路形成ユニット(30)と、後側流路形成ユニット(50)の形状は、略同一となっている。また、前側流路形成ユニット(30)と、後側流路形成ユニット(50)の配置は、ケーシング(11)の左右及び前後の中心を通る鉛直方向(上下方向)の仮想線を基準として点対称な関係となっている。
〈前側流路形成ユニットの構成〉
図1及び図2に示すように、前側流路形成ユニット(30)では、前側上段ユニット(31)と前側下段ユニット(40)とが上下に2段に積み重ねられている。前側上段ユニット(31)は、天板(13)に接するように配設され、前側下段ユニット(40)は、底板(12)に接するように配設される。
前側上段ユニット(31)では、前側底板部(32)と、前側ファンケース部(33)と、前側上部隔壁部(34)と、前側中間仕切部(35)とが、ポリスチレン等の樹脂製の断熱材によって一体に成形されている。
図1、図2(A)、及び図4(A)に示すように、前側底板部(32)は、ケーシング(11)の内部空間のうち外気ダクト(21)から2つの熱交換器室(19a,19b)に亘るまでの空間を上下に仕切っている。
前側ファンケース部(33)は、ケーシング(11)の前側左寄りの角部に対応する位置に形成される。前側ファンケース部(33)は、略矩形状のケース本体部(33a)と、該ケース本体部(33a)の前端から前面パネル(14)に沿って右方向に延出する上部縦壁部(33b)とが形成される。
前側上部隔壁部(34)は、前面パネル(14)から第1熱交換器室(19a)に亘って、第1側面パネル(16)に沿うように形成される。前側上部隔壁部(34)は、左右方向の幅が第1熱交換器室(19a)に向かうにつれて徐々に小さくなっている。前側上部隔壁部(34)の左側の内壁には、第2側面パネル(17)に向かって突出する上側凸部(34a)が形成される。
前側中間仕切部(35)は、前側ファンケース部(33)と前側上部隔壁部(34)の間に形成されている。前側中間仕切部(35)は、横断面の形状が略弓型に形成されている。前側中間仕切部(35)の一端部は、前面パネル(14)側に向かって突出し、前側中間仕切部(35)の他端部は、第2熱交換器室(19b)側に向かって突出している。
前側上段ユニット(31)の内部には、外気流路(70)と、外気流路(70)に対応する2つの連通路(外気側第1連通路(71)及び外気側第2連通路(72))とが形成される。
外気流路(70)は、外気ダクト(21)の内側開口部から前側中間仕切部(35)の前端部に亘って形成された、横断面が矩形状の空気流路である。外気流路(70)の流入端は、外気ダクト(21)に接続し、外気流路(70)の流出端は2手に分岐して各外気側連通路(71,72)に接続している。
外気側第1連通路(71)は、前側上部隔壁部(34)と前側中間仕切部(35)の間に形成される。外気側第1連通路(71)の流入端は、外気流路(70)に接続し、外気側第1連通路(71)の流出端は、第1熱交換器室(19a)における第1吸着熱交換器(29a)の上側の空間に接続している。つまり、外気側第1連通路(71)は、外気流路(70)と第1熱交換器室(19a)とを連通させている。外気側第1連通路(71)の左右方向の流路幅は、第1熱交換器室(19a)に向かうにつれて徐々に広くなっている。
外気側第2連通路(72)は、前側ファンケース部(33)と前側中間仕切部(35)の間に形成される。外気側第2連通路(72)の流入端は、外気流路(70)に接続し、外気側第2連通路(72)の流出端は、第2熱交換器室(19b)における第2吸着熱交換器(29b)の上側の空間に接続している。つまり、外気側第2連通路(72)は、外気流路(70)と第2熱交換器室(19b)とを連通させている。外気側第2連通路(72)の流出開口部は、第2熱交換器室(19b)に沿うように左右に拡大している。
図2(B)及び図4(B)に示すように、前側下段ユニット(40)では、前側下部隔壁部(41)と、前側下部第1縦板部(42)と、前側下部第2縦板部(43)と、前側ファン仕切部(44)とが、ポリスチレン等の樹脂製の断熱材によって一体に成形されている。
前側下部隔壁部(41)は、前側下段ユニット(40)の右側寄りに形成される。前側下部隔壁部(41)は、第1側面パネル(16)に沿って形成された、横断面が矩形状の第1壁部(41a)と、第1壁部(41a)から第2側面パネル(17)側に向かって突出した、横断面が三角形状の第2壁部(41b)とを有している。
前側下部第1縦板部(42)は、第1壁部(41a)の前端部から前面パネル(14)に沿って第2側面パネル(17)側に延出して形成される。前側下部第1縦板部(42)の内壁には、後側に突出した下側凸部(42a)が形成される。前側下部第2縦板部(43)は、前側下部隔壁部(41)の第2壁部(41b)の突端部から第2側面パネル(17)に亘って第2熱交換器室(19b)に沿って左右に延びている。前側ファン仕切部(44)は、前側下段ユニット(40)の内部空間のほぼ中央に形成される。前側ファン仕切部(44)は、前側下部第2縦板部(43)から前面パネル(14)側に向かって円弧状に屈曲した曲板部(44a)と、該曲板部(44a)の前端から第1側面パネル(16)側に向かって右方向に延出した平板部(44b)とで構成される。
前側下段ユニット(40)の内部には、排気ファン室(46)と、排気流路(73)と、該排気流路(73)に対応する2つの連通路(排気側第1連通路(74)及び排気側第2連通路(75))とが形成される。
排気ファン室(46)は、前側ファン仕切部(44)の曲板部(44a)の左側において、前面パネル(14)から前側下部第2縦板部(43)に亘って形成される。排気ファン室(46)には、排気ファン(47)が設置される。排気ファン(47)は、遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。排気ファン(47)は、吸込口が上方を向き、且つ吐出口が排気ダクト(22)に接続するように横置きに配置される。
排気流路(73)は、前側ファン仕切部(44)の平板部(44b)と前面パネル(14)との間に形成された、横断面が矩形状の空気流路である。排気流路(73)の流出端は、排気ファン室(46)に接続し、排気流路(73)の流入端は2手に分岐して各排気側連通路(74,75)に接続している。
排気側第1連通路(74)は、前側下段ユニット(40)の下部に形成された前側溝(48)の内部に形成される。つまり、前側溝(48)は、前側下段ユニット(40)の下面において、下方に開放された溝が前後に延びて形成される。そして、排気側第1連通路(74)は、ケーシング(11)の底板(12)と前側溝(48)との間に形成される。排気側第1連通路(74)の流入端は、第1熱交換器室(19a)における第1吸着熱交換器(29a)の下側の空間に連通している。排気側第1連通路(74)の流出端は、前側ファン仕切部(44)の平板部(44b)の下側に形成された開口を介して排気流路(73)に接続している。
排気側第2連通路(75)は、前側下部隔壁部(41)、前側下部第1縦板部(42)、前側下部第2縦板部(43)、及び前側ファン仕切部(44)の間に形成されている。排気側第2連通路(75)の底面は、流入側(後側)に向かうにつれて斜め下方に傾斜している。そして、排気側第2連通路(75)の流入端は、前側下部第2縦板部(43)の下側に形成された開口を介して、第2熱交換器室(19b)における第2吸着熱交換器(29b)の下側の空間に接続している。排気側第2連通路(75)の流出端は、排気流路(73)に接続している。
〈後側流路形成ユニットの構成〉
図1及び図2に示すように、後側流路形成ユニット(50)では、後側上段ユニット(51)と後側下段ユニット(60)とが上下に2段に積み重ねられている。後側上段ユニット(51)は、天板(13)に接するように配設され、後側下段ユニット(60)は、底板(12)に接するように配設される。
図2及び図4(A)に示すように、後側上段ユニット(51)では、後側底板部(52)と、後側ファンケース部(53)と、後側上部隔壁部(54)と、後側中間仕切部(55)とが、ポリスチレン等の樹脂製の断熱材によって一体に成形されている。
後側底板部(52)は、ケーシング(11)の内部空間のうち内気ダクト(24)から2つの熱交換器室(19a,19b)に亘るまでの空間を上下に仕切っている。
後側ファンケース部(53)は、ケーシング(11)の後側右寄りの角部に対応する位置に形成される。後側ファンケース部(53)は、略矩形状のケース本体部(53a)と、該ケース本体部(53a)の後端から後面パネル(15)に沿って左方向に延出する上部縦壁部(53b)とが形成される。
後側上部隔壁部(54)は、後面パネル(15)から第2熱交換器室(19b)に亘って、第2側面パネル(17)に沿うように形成される。後側上部隔壁部(54)は、左右方向の幅が第2熱交換器室(19b)に向かうにつれて徐々に小さくなっている。後側上部隔壁部(54)の左側の内壁には、第1側面パネル(16)に向かって突出する上側凸部(54a)が形成される。
後側中間仕切部(55)は、後側ファンケース部(53)と後側上部隔壁部(54)の間に形成されている。後側中間仕切部(55)は、横断面の形状が略弓型に形成されている。後側中間仕切部(55)の一端部は、後面パネル(15)側に向かって突出し、後側中間仕切部(55)の他端部は、第1熱交換器室(19a)側に向かって突出している。
後側上段ユニット(51)の内部には、内気流路(76)と、内気流路(76)に対応する2つの連通路(内気側第1連通路(77)及び内気側第2連通路(78))とが形成される。
内気流路(76)は、内気ダクト(24)の内側開口部から後側中間仕切部(55)の後端部に亘って形成された、横断面が矩形状の空気流路である。内気流路(76)の流入端は、内気ダクト(24)に接続し、内気流路(76)の流出端は2手に分岐して各内気側連通路(77,78)に接続している。
内気側第1連通路(77)は、後側上部隔壁部(54)と後側中間仕切部(55)の間に形成される。内気側第1連通路(77)の流入端は、内気流路(76)に接続し、内気側第1連通路(77)の流出端は、第2熱交換器室(19b)における第2吸着熱交換器(29b)の上側の空間に接続している。つまり、内気側第1連通路(77)は、内気流路(76)と第2熱交換器室(19b)とを連通させている。内気側第1連通路(77)の左右方向の流路幅は、第2熱交換器室(19b)に向かうにつれて徐々に広くなっている。
内気側第2連通路(78)は、後側ファンケース部(53)と後側中間仕切部(55)の間に形成される。内気側第2連通路(78)の流入端は、内気流路(76)に接続し、内気側第2連通路(78)の流出端は、第1熱交換器室(19a)における第1吸着熱交換器(29a)の上側の空間に接続している。つまり、内気側第2連通路(78)は、内気流路(76)と第1熱交換器室(19a)とを連通させている。内気側第1連通路(77)の流出開口部は、第1熱交換器室(19a)に沿うように左右に拡大している。
図2(B)に示すように、後側下段ユニット(60)では、後側下部隔壁部(61)と、後側下部第1縦板部(62)と、後側下部第2縦板部(63)と、後側ファン仕切部(64)とが、ポリスチレン等の樹脂製の断熱材によって一体に成形されている。
後側下部隔壁部(61)は、後側下段ユニット(60)の左寄りに形成される。後側下部隔壁部(61)は、第2側面パネル(17)に沿って形成された、横断面が矩形状の第1壁部(61a)と、第1壁部(61a)から第1側面パネル(16)側に向かって突出した、横断面が三角形状の第2壁部(61b)とを有している。
後側下部第1縦板部(62)は、後側下部隔壁部(61)の前端部から後面パネル(15)に沿って第1側面パネル(16)側に延出して形成される。後側下部第1縦板部(62)の内壁には、前側に突出した下側凸部(62a)が形成される。後側下部第2縦板部(63)は、後側下部隔壁部(61)の第2壁部(61b)の突端部から第2側面パネル(17)に亘って第1熱交換器室(19a)に沿って左右に延びている。後側ファン仕切部(64)は、後側下段ユニット(60)の内部空間のほぼ中央に形成される。後側ファン仕切部(64)は、後側下部第2縦板部(63)から後面パネル(15)側に向かって円弧状に屈曲した曲板部(64a)と、該曲板部(64a)の後端から第2側面パネル(17)側に向かって左方向に延出した平板部(64b)とで構成される。
後側下段ユニット(60)の内部には、給気ファン室(66)と、給気流路(79)と、該給気流路(79)に対応する2つの連通路(給気側第1連通路(80)及び給気側第2連通路(81))とが形成される。
給気ファン室(66)は、後側ファン仕切部(64)の曲板部(64a)の左側において、後面パネル(15)から後側下部第2縦板部(63)に亘って形成される。給気ファン室(66)には、給気ファン(67)が設置される。給気ファン(67)は、遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(67)は、吸込口が上方を向き、且つ吐出口が給気ダクト(23)に接続するように横置きに配置される。
給気流路(79)は、後側ファン仕切部(64)の平板部(64b)と後面パネル(15)との間に形成された、横断面が矩形状の空気流路である。給気流路(79)の流出端は、給気ファン室(66)に接続し、給気流路(79)の流入端は2手に分岐して各給気側連通路(80,81)に接続している。
給気側第1連通路(80)は、後側下段ユニット(60)の下部に形成された後側溝(68)の内部に形成される。つまり、後側溝(68)は、後側下段ユニット(60)の下面において、下方に開放された溝が前後に延びて形成される。そして、給気側第1連通路(80)は、ケーシング(11)の底板(12)と後側溝(68)との間に形成される。給気側第1連通路(80)の流入端は、第2熱交換器室(19b)における第2吸着熱交換器(29b)の下側の空間に連通している。給気側第1連通路(80)の流出端は、後側ファン仕切部(64)の平板部(64b)の下側に形成された開口を介して給気流路(79)に接続している。
給気側第2連通路(81)は、後側下部隔壁部(61)、後側下部第1縦板部(62)、後側下部第2縦板部(63)、及び後側ファン仕切部(64)の間に形成されている。給気側第2連通路(81)の底面は、流入側(前側)に向かうにつれて斜め下方に傾斜している。そして、給気側第2連通路(81)の流入端は、後側下部第2縦板部(63)の下側に形成された開口を介して、第1熱交換器室(19a)における第1吸着熱交換器(29a)の下側の空間に接続している。給気側第2連通路(81)の流出端は、給気流路(79)に接続している。
〈流路切換機構の構成〉
図1及び図2に示すように、本実施形態の調湿装置(10)は、各空気流路(70,73,76,79)と、各熱交換器室(19a,19b)との連通状態を切り換えるための流路切換機構として、2つのダンパユニット(100,120)を備えている。具体的に、調湿装置(10)では、前側流路形成ユニット(30)に対応する前側ダンパユニット(100)と、後側流路形成ユニット(50)に対応する後側ダンパユニット(120)とが設けられている。前側ダンパユニット(100)と後側ダンパユニット(120)の基本的な構造は、同一となっている。
図1、図2、及び図4に示すように、前側ダンパユニット(100)は、駆動機構としての第1モータ(101)と、該第1モータ(101)に連結する第1駆動軸(102)と、該第1駆動軸(102)に連結する2枚の仕切板(外気側ダンパ(103)及び排気側ダンパ(104))とを備えている。
第1モータ(101)は、例えばケーシング(11)の天板(13)の上側に配設される。なお、この第1モータ(101)をケーシング(11)の内部に配置してもよいし、ケーシング(11)の底板(12)寄りに配置してもよい。第1モータ(101)は、第1駆動軸(102)を回転駆動する。
第1駆動軸(102)は、第1モータ(101)の下端部に連結されている。第1駆動軸(102)は、上下に隣接する2つの空気流路(即ち、外気流路(70)及び排気流路(73))のそれぞれに臨むように、前側上段ユニット(31)の前側底板部(32)を貫通して上下方向に延びている。第1駆動軸(102)には、外気流路(70)に臨む外気側軸部(102a)と、排気流路(73)に臨む排気側軸部(102b)とが形成される。
外気側軸部(102a)は、前側上段ユニット(31)の内部のうち前側中間仕切部(35)の前端付近に配置される。つまり、外気側軸部(102a)は、外気流路(70)と、この外気流路(70)から分岐する2つの連通路(71,72)との境界部に位置している。一方、排気側軸部(102b)は、前側下段ユニット(40)の内部のうち前側ファン仕切部(44)の平板部(44b)の先端付近に配置される。つまり、排気側軸部(102b)は、排気流路(73)と、この排気流路(73)から分岐する2つの連通路(74,75)との境界部に位置している。
外気側ダンパ(103)は、矩形板状に形成され、その一方の側端が外気側軸部(102a)に連結している。つまり、外気側ダンパ(103)は、外気側軸部(102a)を支点として、水平方向に回動可能に構成される。具体的に、外気側ダンパ(103)は、第1駆動軸(102)が第1回転角度位置になると、外気流路(70)と外気側第2連通路(72)とを遮断し且つ外気流路(70)と外気側第1連通路(71)とを連通する第1位置(図2(A)の破線で示す位置)となる。また、外気側ダンパ(103)は、第1駆動軸(102)が第2回転角度位置になると、外気流路(70)と外気側第1連通路(71)とを遮断し且つ外気流路(70)と外気側第2連通路(72)とを連通する第2位置(図2(A)の実線で示す位置)になる。外気側ダンパ(103)は、第1駆動軸(102)が第1回転角度位置と第2回転角度位置との間を相互に回転することに対応して、第1位置と第2位置との間を相互に変位する。また、第1位置の状態の外気側ダンパ(103)の外方端部は、前側ファンケース部(33)の上部縦壁部(33b)と当接する。第2位置の状態の外気側ダンパ(103)の外方端部は、前側上部隔壁部(34)の上側凸部(34a)と当接する。
排気側ダンパ(104)は、矩形板状に形成され、その一方の側端が排気側軸部(102b)に連結している。つまり、排気側ダンパ(104)は、排気側軸部(102b)を支点として、水平方向に回動可能に構成される。排気側ダンパ(104)は、第1駆動軸(102)を中心に外気側ダンパ(103)に対して時計回りに約90度シフトするように、排気側軸部(102b)に連結される。そして、排気側ダンパ(104)は、第1駆動軸(102)が第1回転角度位置になると、排気流路(73)と排気側第1連通路(74)とを遮断し且つ排気流路(73)と排気側第2連通路(75)とを連通する第1位置(図2(B)の破線で示す位置)となる。また、排気側ダンパ(104)は、第1駆動軸(102)が第2回転角度位置になると、排気流路(73)と排気側第2連通路(75)とを遮断し且つ排気流路(73)と排気側第1連通路(74)とを連通する第2位置(図2(B)の実線で示す位置)になる。排気側ダンパ(104)は、第1駆動軸(102)が第1回転角度位置と第2回転角度位置との間を相互に回転することに対応して、第1位置と第2位置との間を相互に変位する。また、第1位置の状態の排気側ダンパ(104)は、前側ファン仕切部(44)の平板部(44b)の前面に当接する。また、第2位置の状態の排気側ダンパ(104)は、前側下部第1縦板部(42)の下側凸部(42a)に当接する。
以上のように、前側ダンパユニット(100)では、第1駆動軸(102)が第1回転角度位置になることで、外気流路(70)と第1熱交換器室(19a)とが連通すると同時に排気流路(73)と第2熱交換器室(19b)とが連通する。また、第1駆動軸(102)が第2回転角度位置になることで、外気流路(70)と第2熱交換器室(19b)とが連通すると同時に排気流路(73)と第1熱交換器室(19a)とが連通する。
図1、図2、及び図4に示すように、後側ダンパユニット(120)は、駆動機構としての第2モータ(121)と、該第2モータ(121)に連結する第2駆動軸(122)と、該第2駆動軸(122)に連結する2枚の仕切板(内気側ダンパ(123)及び給気側ダンパ(124))とを備えている。
第2モータ(121)は、例えばケーシング(11)の天板(13)の上側に配設される。なお、この第2モータ(121)をケーシング(11)の内部に配置してもよいし、ケーシング(11)の底板(12)寄りに配置してもよい。第2モータ(121)は、第2駆動軸(122)を回転駆動する。
第2駆動軸(122)は、第2モータ(121)の下端部に連結されている。第2駆動軸(122)は、上下に隣接する2つの空気流路(即ち、内気流路(76)及び給気流路(79))のそれぞれに臨むように、後側上段ユニット(51)の後側底板部(52)を貫通して上下方向に延びている。第2駆動軸(122)には、内気流路(76)に臨む内気側軸部(122a)と、給気流路(79)に臨む給気側軸部(122b)とが形成される。
内気側軸部(122a)は、後側上段ユニット(51)の内部のうち後側中間仕切部(55)の後側付近に配置される。つまり、内気側軸部(122a)は、内気流路(76)と、この内気流路(76)から分岐する2つの連通路(77,78)との境界部に位置している。一方、給気側軸部(122b)は、後側下段ユニット(60)の内部のうち後側ファン仕切部(64)の平板部(64b)の先端付近に配置される。つまり、給気側軸部(122b)は、給気流路(79)と、この給気流路(79)から分岐する2つの連通路(80,81)との境界部に位置している。
内気側ダンパ(123)は、矩形板状に形成され、その一方の側端が内気側軸部(122a)に連結している。つまり、内気側ダンパ(123)は、内気側軸部(122a)を支点として、水平方向に回動可能に構成される。具体的に、内気側ダンパ(123)は、第2駆動軸(122)が第1回転角度位置になると、内気流路(76)と内気側第2連通路(78)とを遮断し且つ内気流路(76)と内気側第1連通路(77)とを連通する第1位置(図2(A)の破線で示す位置)となる。また、内気側ダンパ(123)は、第2駆動軸(122)が第2回転角度位置になると、内気流路(76)と内気側第1連通路(77)とを遮断し且つ内気流路(76)と内気側第2連通路(78)とを連通する第2位置(図2(A)の実線で示す位置)になる。内気側ダンパ(123)は、第2駆動軸(122)が第1回転角度位置と第2回転角度位置との間を相互に回転することに対応して、第1位置と第2位置との間を相互に変位する。また、第1位置の状態の内気側ダンパ(123)の外方端部は、後側ファンケース部(53)の上部縦壁部(53b)と当接する。第2位置の状態の内気側ダンパ(123)の外方端部は、後側上部隔壁部(54)の上側凸部(54a)と当接する。
給気側ダンパ(124)は、矩形板状に形成され、その一方の側端が給気側軸部(122b)に連結している。つまり、給気側ダンパ(124)は、給気側軸部(122b)を支点として、水平方向に回動可能に構成される。給気側ダンパ(124)は、第2駆動軸(122)を中心に内気側ダンパ(123)に対して時計回りに約90度シフトするように、給気側軸部(122b)に連結される。そして、給気側ダンパ(124)は、第2駆動軸(122)が第1回転角度位置になると、給気流路(79)と給気側第1連通路(80)とを遮断し且つ給気流路(79)と給気側第2連通路(81)とを連通する第1位置(図2(B)の破線で示す位置)となる。また、給気側ダンパ(124)は、第2駆動軸(122)が第2回転角度位置になると、給気流路(79)と給気側第2連通路(81)とを遮断し且つ給気流路(79)と給気側第1連通路(80)とを連通する第2位置(図2(B)の実線で示す位置)になる。給気側ダンパ(79)は、第2駆動軸(122)が第1回転角度位置と第2回転角度位置との間を相互に回転することに対応して、第1位置と第2位置との間を相互に変位する。また、第1位置の状態の給気側ダンパ(124)は、後側ファン仕切部(64)の平板部(64b)の後面に当接する。また、第2位置の状態の給気側ダンパ(124)は、後側下部第1縦板部(62)の下側凸部(62a)に当接する。
以上のように、後側ダンパユニット(120)では、第2駆動軸(122)が第1回転角度位置になることで、給気流路(79)と第1熱交換器室(19a)とが連通すると同時に内気流路(76)と第2熱交換器室(19b)とが連通する。また、第2駆動軸(122)が第2回転角度位置になることで、給気流路(79)と第2熱交換器室(19b)とが連通すると同時に内気流路(76)と第1熱交換器室(19a)とが連通する。
−運転動作−
調湿装置(10)は、室内を除湿する除湿運転と、室内を加湿する加湿運転とを行うように構成される。各運転では、給気ファン(67)及び排気ファン(47)が運転される。その結果、室外空気(EA)が供給空気(SA)として室内へ供給されると同時に、室内空気(RA)が排出空気(EA)として室外へ排出される。つまり、除湿運転や加湿運転では、室内の湿度の調節と同時に室内の換気が行われる。
〈除湿運転〉
除湿運転では、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に繰り返し行われることで、室内の除湿が連続的に行われる。
除湿運転の第1バッチ動作では、四方切換弁(27)が第2状態(図3の破線で示す状態)となり、圧縮機(26)が運転され、膨張弁(28)が所定の開度で開放される。その結果、冷媒回路(25)では、第2吸着熱交換器(29b)が放熱器(凝縮器)となり、第1吸着熱交換器(29a)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
除湿運転の第1バッチ動作では、図5及び図6に示すように、前側ダンパユニット(100)の第1駆動軸(102)が第1回転角度位置になる。その結果、外気側ダンパ(103)及び排気側ダンパ(104)が第1位置になる。これにより、外気側第1連通路(71)が開状態に、外気側第2連通路(72)が閉状態に、排気側第1連通路(74)が閉状態に、排気側第2連通路(75)が開状態になる。同時に、除湿運転の第1バッチ動作では、図6に示すように、後側ダンパユニット(120)の第2駆動軸(122)が第1回転角度位置になる。その結果、内気側ダンパ(123)及び給気側ダンパ(124)が第1位置になる。これにより、内気側第1連通路(77)が開状態に、内気側第2連通路(78)が閉状態に、給気側第1連通路(80)が開状態に、給気側第2連通路(81)が閉状態になる。
除湿運転の第1バッチ動作において、室外空気(OA)は、外気ダクト(21)、外気流路(70)、外気側第1連通路(71)を順に通過して、第1熱交換器室(19a)に流入する。第1熱交換器室(19a)では、空気が蒸発器の状態の第1吸着熱交換器(29a)を通過する。第1吸着熱交換器(29a)では、空気の水分が吸着剤に吸着され、この際に生じる吸着熱によって冷媒が蒸発する。このようにして除湿された空気は、給気側第1連通路(80)、給気流路(79)、給気ダクト(23)を順に通過して、供給空気(SA)として室内へ供給される。
また、除湿運転の第1バッチ動作において、室内空気(RA)は、内気ダクト(24)、内気流路(76)、内気側第1連通路(77)を順に通過して、第2熱交換器室(19b)に流入する。第2熱交換器室(19b)では、空気が放熱器の状態の第2吸着熱交換器(29b)を通過する。第2吸着熱交換器(29b)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、吸着剤が再生される。吸着剤の再生に利用された空気は、排気側第2連通路(75)、排気流路(73)、及び排気ダクト(22)を順に通過し、排出空気(EA)として室外へ排出される。
除湿運転の第2バッチ動作では、四方切換弁(27)が第1状態(図3の実線で示す状態)となり、圧縮機(26)が運転され、膨張弁(28)が所定の開度で開放される。その結果、冷媒回路(25)では、第1吸着熱交換器(29a)が放熱器(凝縮器)となり、第2吸着熱交換器(29b)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
除湿運転の第2バッチ動作では、図4及び図7に示すように、前側ダンパユニット(100)の第1駆動軸(102)が第2回転角度位置になる。その結果、外気側ダンパ(103)及び排気側ダンパ(104)が第2位置になる。これにより、外気側第1連通路(71)が閉状態に、外気側第2連通路(72)が開状態に、排気側第1連通路(74)が開状態に、排気側第2連通路(75)が閉状態になる。同時に、図7に示すように、除湿運転の第2バッチ動作では、後側ダンパユニット(120)の第2駆動軸(122)が第2回転角度位置になる。その結果、内気側ダンパ(123)及び給気側ダンパ(124)が第2位置になる。これにより、内気側第1連通路(77)が閉状態に、内気側第2連通路(78)が開状態に、給気側第1連通路(80)が閉状態に、給気側第2連通路(81)が開状態になる。
除湿運転の第2バッチ動作において、室外空気(OA)は、外気ダクト(21)、外気流路(70)、外気側第2連通路(72)を順に通過して、第2熱交換器室(19b)に流入する。第2熱交換器室(19b)では、空気が蒸発器の状態の第2吸着熱交換器(29b)を通過する。第2吸着熱交換器(29b)では、空気の水分が吸着剤に吸着され、この際に生じる吸着熱によって冷媒が蒸発する。このようにして除湿された空気は、給気側第2連通路(81)、給気流路(79)、給気ダクト(23)を順に通過して、供給空気(SA)として室内へ供給される。
また、除湿運転の第2バッチ動作において、室内空気(RA)は、内気ダクト(24)、内気流路(76)、内気側第2連通路(78)を順に通過して、第1熱交換器室(19a)に流入する。第1熱交換器室(19a)では、空気が放熱器の状態の第1吸着熱交換器(29a)を通過する。第1吸着熱交換器(29a)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、吸着剤が再生される。吸着剤の再生に利用された空気は、排気側第1連通路(74)、排気流路(73)、及び排気ダクト(22)を順に通過し、排出空気(EA)として室外へ排出される。
〈加湿運転〉
加湿運転では、第1バッチ動作と第2バッチ動作とが交互に繰り返し行われることで、室内の加湿が連続的に行われる。
加湿運転の第1バッチ動作では、四方切換弁(27)が第1状態(図3の実線で示す状態)となり、圧縮機(26)が運転され、膨張弁(28)が所定の開度で開放される。その結果、冷媒回路(25)では、第1吸着熱交換器(29a)が放熱器(凝縮器)となり、第2吸着熱交換器(29b)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
加湿運転の第1バッチ動作では、図5及び図6に示すように、前側ダンパユニット(100)の第1駆動軸(102)が第1回転角度位置になる。その結果、外気側ダンパ(103)及び排気側ダンパ(104)が第1位置になる。これにより、外気側第1連通路(71)が開状態に、外気側第2連通路(72)が閉状態に、排気側第1連通路(74)が閉状態に、排気側第2連通路(75)が開状態になる。同時に、加湿運転の第1バッチ動作では、図6に示すように、後側ダンパユニット(120)の第2駆動軸(122)が第1回転角度位置になる。その結果、内気側ダンパ(123)及び給気側ダンパ(124)が第1位置になる。これにより、内気側第1連通路(77)が開状態に、内気側第2連通路(78)が閉状態に、給気側第1連通路(80)が開状態に、給気側第2連通路(81)が閉状態になる。
加湿運転の第1バッチ動作において、室外空気(OA)は、外気ダクト(21)、外気流路(70)、外気側第1連通路(71)を順に通過して、第1熱交換器室(19a)に流入する。第1熱交換器室(19a)では、空気が放熱器の状態の第1吸着熱交換器(29a)を通過する。第1吸着熱交換器(29a)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この水分が空気へ放出される。このようにして加湿された空気は、給気側第1連通路(80)、給気流路(79)、給気ダクト(23)を順に通過して、供給空気(SA)として室内へ供給される。
また、加湿運転の第1バッチ動作において、室内空気(RA)は、内気ダクト(24)、内気流路(76)、内気側第1連通路(77)を順に通過して、第2熱交換器室(19b)に流入する。第2熱交換器室(19b)では、空気が蒸発器の状態の第2吸着熱交換器(29b)を通過する。第2吸着熱交換器(29b)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この際に生じる吸着熱によって冷媒が蒸発する。吸着剤に水分を付与した空気は、排気側第2連通路(75)、排気流路(73)、及び排気ダクト(22)を順に通過し、排出空気(EA)として室外へ排出される。
加湿運転の第2バッチ動作では、四方切換弁(27)が第2状態(図3の破線で示す状態)となり、圧縮機(26)が運転され、膨張弁(28)が所定の開度で開放される。その結果、冷媒回路(25)では、第2吸着熱交換器(29b)が放熱器(凝縮器)となり、第1吸着熱交換器(29a)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
加湿運転の第2バッチ動作では、図4及び図7に示すように、前側ダンパユニット(100)の第1駆動軸(102)が第2回転角度位置になる。その結果、外気側ダンパ(103)及び排気側ダンパ(104)が第2位置になる。これにより、外気側第1連通路(71)が閉状態に、外気側第2連通路(72)が開状態に、排気側第1連通路(74)が開状態に、排気側第2連通路(75)が閉状態になる。同時に、加湿運転の第2バッチ動作では、後側ダンパユニット(120)の第2駆動軸(122)が第2回転角度位置になる。その結果、内気側ダンパ(123)及び給気側ダンパ(124)が第2位置になる。これにより、内気側第1連通路(77)が閉状態に、内気側第2連通路(78)が開状態に、給気側第1連通路(80)が閉状態に、給気側第2連通路(81)が開状態になる。
加湿運転の第2バッチ動作において、室外空気(OA)は、外気ダクト(21)、外気流路(70)、外気側第2連通路(72)を順に通過して、第2熱交換器室(19b)に流入する。第2熱交換器室(19b)では、空気が放熱器の状態の第2吸着熱交換器(29b)を通過する。第2吸着熱交換器(29b)では、冷媒によって加熱された吸着剤から水分が脱離し、この水分が空気へ放出される。このようにして加湿された空気は、給気側第2連通路(81)、給気流路(79)、給気ダクト(23)を順に通過して、供給空気(SA)として室内へ供給される。
また、加湿運転の第2バッチ動作において、室内空気(RA)は、内気ダクト(24)、内気流路(76)、内気側第2連通路(78)を順に通過して、第1熱交換器室(19a)に流入する。第1熱交換器室(19a)では、空気が蒸発器の状態の第1吸着熱交換器(29a)を通過する。第1吸着熱交換器(29a)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この際に生じる吸着熱によって冷媒が蒸発する。吸着剤に水分を付与した空気は、排気側第1連通路(74)、排気流路(73)、及び排気ダクト(22)を順に通過し、排出空気(EA)として室外へ排出される。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、外気側ダンパ(103)、排気側ダンパ(104)、内気側ダンパ(123)、及び給気側ダンパ(124)のそれぞれを、第1位置と第2位置の間で回動させて、2つの連通口(71,72,74,75,77,78,80,81)の開閉状態を相互に切り換えるようにしている。これにより、従来例の調湿装置と比較して、調湿装置(10)の全体のダンパの枚数を8枚から4枚まで減らすことができ、部品点数の削減、ひいては調湿装置(10)の構造の簡素化を図ることができる。
また、上記実施形態では、外気側ダンパ(103)と排気側ダンパ(104)との双方を1本の第1駆動軸(102)に連結し、1つの第1モータ(101)によって駆動させている。また、内気側ダンパ(123)と給気側ダンパ(124)との双方を1本の第2駆動軸(122)に連結し、1つの第2モータ(121)によって駆動させている。このため、従来例の調湿装置と比較して、調湿装置(10)の全体のモータや駆動軸の数量を減らすことができ、調湿装置(10)の構造の簡素化を図ることができる。
また、上記実施形態では、前側流路形成ユニット(30)及び後側流路形成ユニット(50)を樹脂製の断熱材で構成している。このため、これらのユニット(30,50)の内部を流れる空気が、周囲の空気によって冷やされて結露水が生じることを防止できる。また、これらのユニット(30,50)は、比較的軽量且つ安価であるため、調湿装置(10)の軽量化、低コスト化を図ることができる。
また、上記実施形態では、内気流路(76)と給気流路(79)とを上下に隣接させている。仮に、給気流路(79)を、排気流路(73)や外気流路(70)と上下に隣接させるように配置すると、両者の流路を流れる空気の温度差が大きくなってしまう。その結果、両者の流路の一方の空気の熱が、駆動軸(102,122)を介して他方の空気へ移動してしまう可能性がある。このことに起因して、例えば夏季において、給気流路(79)の空気が加熱されてしまい、室内の冷房負荷の増大を招く虞がある。また、冬季において、給気流路(79)の空気が冷却され、結露水が発生したり、室内の暖房負荷の増大を招く虞がある。これに対し、本実施形態では、給気流路(79)を流れる空気と、内気流路(76)を流れる空気の温度差が比較的小さいため、給気流路(79)や内気流路(76)での結露水の発生を防止できる。同様に、本実施形態では、排気流路(73)と外気流路(70)とを上下に隣接させているため、両者を流れる空気の温度差が比較的小さくなる。従って、排気流路(73)や外気流路(70)での結露水の発生も防止できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、外気側ダンパ(103)と排気側ダンパ(104)とを1本の駆動軸(102)に連結し、内気側ダンパ(123)と給気側ダンパ(124)とを1本の駆動軸(122)に連結している。しかし、各ダンパ(103,104,105,106)に対して1つずつ駆動軸を設け、これらに対応する駆動機構(即ち、4つのモータ)により駆動するようにしてもよい。