JP2013231284A - ヒンジ構造 - Google Patents

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Keiji Iwata
圭司 岩田
Kenichi Tanaka
健一 田中
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Abstract

【課題】操作ボタンの軸方向への移動量に比して開閉体を持ち上げる或いは押し開く回転範囲を大きく取ヒンジ構造を提供する。
【解決手段】本体2と、開閉体4とから成り、本体と開閉体とを回動可能に連結する支持軸31及び開閉体用スイング助勢機構Yを備えるヒンジ構造に於いて、レバーカム40を本体に組み込み、該レバーカムに摩擦係合するように操作ボタン50を設け、開閉体を開く際、操作ボタンを該操作ボタン用復帰バネ51のバネ力に抗して支持軸の軸方向へプッシュすると、該操作ボタンの押圧部分とレバーカムの受け面との摩擦係合により該レバーカムは前記当接部分で開閉体の内面を押圧しながらかつ開閉体用スイング助勢機構の復帰力に抗しながら所要量回転し、該所要量回転後、開閉体は開閉体用スイング助勢機構のトルクにより全開範囲まで自動回転する。
【選択図】図9

Description

本発明は、建物の扉、家具・制御盤・ロッカーの扉、折畳み式の携帯型通信端末の蓋体に利用することができるヒンジ構造に関する。
まず特許文献1は、特に折畳み式の携帯型電話機などの電子機器においてワンタッチ操作が可能なヒンジ構造に関するもので、その構成は、「第1の部分3と第2の部分5とを回動中心の周りで互いに回動可能なように結合させるヒンジ構造であって、前記第1の部分3に対して前記回動中心に沿って往復移動可能に取り付けられた第1係合部2と、前記第2の部分に取り付けられた第2係合部22とを備えており、前記第1係合部2には当該第1係合部を外部から前記回動中心に沿って前記第2係合部の方へと押圧するための操作部10が接続されており、前記第1係合部と前記第2係合部とは、前記第1係合部の前記第2係合部の方への移動に基づき前記第2係合部が前記回動中心の周りで第1段階の回転を行うように係合しており、前記第2係合部22にはカム部21が接続されており、該カム部21には前記第1係合部に対する前記回動中心の周りの回動を阻止されたカム付勢部材30が当接しており、前記カム部21と前記カム付勢部材30とは、前記第2係合部22が前記第1段階の回転に続いて前記カム付勢部材30の付勢力に基づき前記第1段階の回転と同一の向きに前記回動中心の周りで第2段階の回転を行うように当接している。」ものである。
上記構成に於いて、操作部10が、本発明の操作ボタン50に相当し、また第1係合部2(固定カムに相当)の中心部と楕円形状カム部21(レバーカムに相当)の中心部とに架設された軸13が本発明の支持軸31に相当し、さらに、本発明の開閉体用スイング助勢機構Yを構成する駆動バネ32が、カム付勢部材としてのクリップ形状の板バネ30に相当するものと認められるものの、特許文献1は、図4で示すように楕円形状カム部21(レバーカムに相当)の短径側の両曲面と長径側の両曲面(カム面)をクリップ形状の板バネ30で挟むように圧接する必要がある、支持軸31の先端部で板バネ30のバネ力に抗して楕円形状カム部21を回動させるので、支持軸31の先端部が変形する恐れがある、楕円形状カム部21を大きくしなければ蓋体を持ち上げる或いは押し開く回転範囲を大きく取ることができない、部品点数が多いので組み合わせが面倒である等の問題点があった(符号は特許文献1のもの)。
次に特許文献2に記載のヒンジ構造21は、フック1を蓋体22に設けた筒状部に係止し、一方、筒体8を本体23の筒状部に固定的に嵌入し、前記本体23に前記蓋体22を開閉自在にしたものである(段落0016)。
このヒンジ構造は、筒体8に内装したコイルバネ5のバネ力により、筒体内装の中枠体4、円盤2、筒状フック1を一緒に自動的に回転させ蓋体22を展開させるものであるが、蓋体22の展開時、操作ボタン12を可動軸11の方向へプッシュして、係止体7の係止凸部46を前記筒体8の底部52に形成した係止凹所58から離脱させてロックを解消すると、前記蓋体22は、閉止位置から展開位置まで前記コイルバネ5のバネ力によって回転する構造である(図1、段落0038乃至段落0042を参照)。したがって、固定側部材に対する回転側部材のロック機構を複雑に構成しなければならないという問題点がある。
特開11−62372号公報 特開2003−120651号公報
本願発明の所期の目的は、特許文献1の問題点に鑑み、操作ボタンをワンタッチ操作しても、支持軸が変形することなく、開閉体を全開範囲まで自動回転させることができることである。また、開閉体が閉じる際に該開閉体を本体に係止させるためのロック機構を特別に設ける必要がないことである。第2の目的は、操作ボタンの軸方向への移動量に比して開閉体を持ち上げる或いは押し開く回転範囲を大きく取ることができることである。第3の目的は、スイング助勢機構を構成する駆動バネ及び可動カムを蓋体の第2筒状部分に簡単に組み込むことができることである。第4の目的は、起動部材(操作ボタン及びレバーカム)を本体の第1筒状部分に簡単に組み込むことができることである。その他部品点数を少なくすることである。
本発明のヒンジ構造は、第1筒状部分を有する本体と、第2筒状部分を有する開閉体とから成り、前記第1筒状部分と前記第2筒状部分とを互いに回動可能に連結する支持軸及び開閉体用スイング助勢機構を備えるヒンジ構造に於いて、前記支持軸に回動自在に嵌合すると共に前記開閉体の内面に当接する当接部分を有するレバーカムを前記第1筒状部分に組み込み、該レバーカムに摩擦係合するように前記第1筒状部分に操作ボタンを設け、また前記開閉体用スイング助勢機構は、固定カムと、駆動バネと、該駆動バネにより前記固定カムの方向へ付勢される可動カムとから成り、前記開閉体を開く際、前記操作ボタンを該操作ボタン用復帰バネのバネ力に抗して前記支持軸の軸方向へプッシュすると、該操作ボタンの押圧部分と前記レバーカムの受け面との摩擦係合により該レバーカムは前記当接部分で開閉体の内面を押圧しながらかつ前記開閉体用スイング助勢機構の復帰力に抗しながら所要量回転し、該所要量回転後、前記開閉体は前記スイング助勢機構のトルクにより全開範囲まで自動回転する。
上記構成に於いて、開閉体の第2筒状部分には、該開閉体と一緒に回転する収納筒が組み込まれ、該収納筒の側壁及び該側壁の反対側に配設された固定カムに支持軸が架設され、前記収納筒に、少なくとも駆動バネ及び可動カムが軸方向に内装されていることを特徴とする。さらに、第1筒状部分は本体の一端部の左右部位にそれぞれ突出形成され、一方の第1筒状部分と対向する他方の第1筒状部分は、本体に一体成形された下側被係合部分と、該下側被係合部分にオス・メス係合手段を介して一体的に結合する上側係合部分とから成ることを特徴とする。ここでは「開閉体」とは、建具の扉や動産の蓋体を含む。
(a)操作ボタンをワンタッチ操作しても、支持軸が変形することなく、開閉体を全開範囲まで自動回転させることができると共に、開閉体を閉じる際、開閉体が所要角度まで戻ると、開閉体用スイング助勢機構の復帰力により、本体に対して自動的に閉じるので、特許文献2の如く、複雑なロック機構を設ける必要がない。また起動手段として、操作ボタンと共に開閉体の内面に当接する当接部分を有するレバーカムを用いているので、操作ボタンの軸方向への移動量に比して開閉体を持ち上げる或いは押し開く回転範囲を大きく取ることができる。さらに、操作ボタンの押圧部分とレバーカムの受け面との摩擦係合により、レバーカムはその当接部分で開閉体の内面を押圧しながらかつ開閉体用スイング助勢機構の復帰力に抗しながら所要量回転するので、部品点数を少なくすることができる。
(b)請求項2に記載の発明は、開閉体と一緒に回転する収納筒を介して開閉体用スイング助勢機構を構成する部材を該開閉体の第2筒状部分に装着することができるので、組み合わせが容易である。
(c)請求項3に記載の発明は、起動部材(操作ボタン及びレバーカム)を本体の第1筒状部分に簡単に組み込むことができる。
図1乃至図18は本発明の第1実施形態を示す各説明図。図19及び図20は本発明の要部の第2実施形態を示す各説明図。
本発明の主要部を適用した携帯型通信端末の全体を示す外観構成図(蓋体を折畳んだ状態)。 携帯型通信端末の全体を示す外観構成図(蓋体を全開位置まで開いた状態)。 図2に於いて、主要部を断面で示した平面視から説明図。 本体の斜視図(第1筒状部分は分解)。 開閉体の斜視図。 (a)、(b)は、本体の第1筒状部分の形成時の概略断面説明図(起動手段は省略)。 本体の第1筒状部分の概略断面説明図(起動手段は省略)。 主要部の斜視からの概略説明図(初期位置)。 主要部の概略断面説明図(初期位置)。 操作ボタンの説明図。 レバーカムの説明図。 操作ボタンの押圧部分とレバーカムの受け面との技術的原理を示す概略説明図。 (a)、(b)、(c)は作用の説明図。 可動カムの説明図。 固定カムの説明図。 スイング助勢機構を構成する部材の説明図。 操作ボタンをプッシュしたときの説明図。 開閉体の先端部が本体から浮き上がり(実線位置)、以後、全開位置(仮想線)まで回転した説明図。 本発明の要部の第2実施形態を示す説明図。 起動手段の分解斜視図。
まず、図1ないし図18を参照にして、携帯型通信端末Xの一端部にヒンジ構造1を適用した一例を説明する。図1は携帯型通信端末Xの蓋体4を折畳んだ状態を示し、一方、図2は携帯型通信端末の蓋体4を全開位置まで開いた状態を示し、図3は、図2に於いて、主要部を断面で示した平面視から説明図である。
ワンタッチ操作可能なヒンジ構造1は、例えば図4で示すように、本体2の一端部から突出する左右の第1筒状部分3,3Aと、開閉体(実施形態では蓋体)4の一端部の中央部位から突出する第2筒状部分5を構成要素とし、前記左右の第1筒状部分3,3Aと、これら第1筒状部分3,3Aの間に位置する前記第2筒状部分5とを互いに回動可能に連結する支持軸31及び開閉体用スイング助勢機構Yを備える(図3、図9参照)。
付言すると、ヒンジ構造1は、一端部の左右部位に第1筒状部分3,3Aを有する本体2と、同じく一端部の中央部に第2筒状部分5を有する開閉体4とから成り、前記第1筒状部分3,3Aと前記第2筒状部分5とを互いに回動可能に連結する支軸軸31は、本体2乃至開閉体4の一端部の内部に他の部材を介して架設され、さらに、前記本体2乃至開閉体4の一端部の内部に、支軸軸方向に一連に駆動バネ、可動カム及び固定カムを組み込んだ開閉体用スイング助勢機構Yを備えている。
ここで、図4を参照にして本体2の構成を説明する。6は一端部の中央部に形成された切欠で、該切欠6には、開閉体4の基端部に相当する長筒状の第2筒状部分5が収納される。この切欠6は本体2の手前の一端(先端面)2aから他端(後端面)2bの方向にかけて、かつ所定幅で平面視コ字形状に形成されている。
7は一端部の左側端部に前記切欠6連通する非真円形状(例えばトラック形状)の嵌合穴7を有する一方(左側)の第1筒状部分3である。この嵌合穴7にはスイング助勢機構(以下、「助勢機構」という)を構成する固定カムの一端部が収納される。したがって、この嵌合穴7は後述する固定カムの大きさに対応して形成されている。
本実施形態では、第1筒状部分3と対向する他方(右側)の第1筒状部分3Aは、下側被係合部分3aと、該下側被係合部分にオス・メス係合手段12を介して一体的に結合する上側係合部分3bとから成り、前記オス・メス係合手段12は、例えば図4、図6及び図7で示すように、前記下側被係合部分の上面に形成された前後一対の係合溝12a、12aと、半円弧状の前記上側係合部分3bの下端面に形成されかつ前記係合溝12a、12aに係止されるように変位する前後一対の弾性係合爪片12b、12bとから成る。なお、左側の第1筒状部分3も部材の組み込み容易性を考慮して、右側の第1筒状部分3Aと同様にニ分割型の態様に構成しても良い。
しかして、9は一端部の右側端部に垂直の支持壁8を介して形成された半円弧状の凹所で、この半円弧状凹所9には、起動手段としての操作ボタン50及びレバーカム40の一部が収納される。また前記支持壁8の上端部は助勢機構を構成するレバーカム40の円筒部分を支持するので、半円弧状に切欠されている。
さらに、10はレバーカム40を組み込むための平面視L形状のカム凹所で、該カム凹所10は前述した半円弧状凹所9に連通している。また、半円弧状凹所9の弧状面の中央部には、カム凹所10に連通するガイド小溝11が形成されている。このように、本実施形態では、例えば図3、図4等で示すように本体2の先端面2a前の一端部(先端部)に突出形成した他方(右側)の第1筒状部分3Aを形成する下側被係合部分3a及び上側係合部分3bの両方に、操作ボタン用の半円弧状凹所9及びガイド小溝11、レバーカム用のカム凹所10及びレバーカムを支持する支持壁8、開閉体の基端部用の切欠6、助勢機構を構成する固定カム用の嵌合凹所或いは嵌合穴7が連通状態に形成されている。なお、2cは裏面に相当する一側背面、2dは開閉体の下面と接合する面に相当する上面で、該上面の略全部或いは一部に入力手段としての操作パネル13が設けられている。
次に、図5を参照にして開閉体4を説明する。開閉体4は、例えば180度まで開閉する。しかして、4aは開閉体4の基端部側の先端面、4bは自由端部側の後端面、4cは下面、4dは上面である。前記先端面4aには長筒状の第2筒状部分5が突出形成され、該第2筒状部分5は本体2の第1筒状部分3,3Aの嵌合穴よりも大径の非真円形状(例えばトラック形状)の貫通孔14が形成されている。
ところで、実施形態の携帯型通信端末Xのヒンジ構造1は、例えば図9で示すように、支持軸31に回動自在に嵌合すると共に開閉体4の内面に当接する当接部分40dを有するレバーカム40を本体2の一方又は他方の第1筒状部分3Aに組み込み、該レバーカム40に摩擦係合するように前記第1筒状部分3Aに操作ボタン50を設け、またヒンジ構造に設けた開閉体用スイング助勢機構Yは、固定カム34と、駆動バネ32と、該駆動バネにより前記固定カム34の方向へ付勢される可動カム33とから成り、前記開閉体4を開く際、前記操作ボタン50を該操作ボタン用復帰バネ51のバネ力に抗して前記支持軸31の軸方向へプッシュすると、該操作ボタン50の押圧部分52と前記レバーカム40の受け面53との摩擦係合により、該レバーカム40は前記当接部分40dで開閉体4の内面を押圧しながらかつ前記開閉体用スイング助勢機構Yの復帰力に抗しながら所要量回転し、該所要量回転後、前記開閉体4は前記開閉体用スイング助勢機構Yのトルクにより全開範囲まで自動回転する(特徴事項1)。
そして、上記構成に於いて、開閉体4の第2筒状部分には、該開閉体4と一緒に回転する収納筒30が組み込まれ、該収納筒30の側壁及び該側壁の反対側に配設された固定カム34に支持軸31が架設され、前記収納筒30に、少なくとも駆動バネ32及び可動カム33が軸方向に内装されている(特徴事項2)。
付言すると、前記支持軸31は、その一端部寄りの部位が、図9で示すように収納筒30の側壁(例えば垂直壁)を貫通してレバーカム40の軸孔に嵌入する。一方、支持軸31の他端部(図9の左側)は、固定カム34の中心部に嵌入する。そして、実施形態では、支持軸31の収納筒30の垂直壁から突出する一端部には、図11で示すレバーカム40が回動自在に外嵌合している。
そこで、図9、図10、図11等を参照にして、起動手段としての操作ボタン50並びにレバーカム40、復帰バネ51及びスイング助勢機構Yを構成する各部材についてさらに説明する。
まず図10は操作ボタン50の内側から見た斜視図である。図10に於いて、50aは指用の円形状操作部で、例えば図1、図2等で示すように本体1の側壁から多少突出状態に露呈している。50bは前記円形状操作部の内面に連設形成された短筒状のバネ収納部で、この短筒状バネ収納部50bには、図8で示すように復帰バネ51が組み込まれる。復帰バネ51の一端部は操作ボタン50に収納され、一方、他端部はレバーカム40に支持される。50cは短筒状バネ収納部50bの外面に連設形成された複数個のガイド突起で、これらのガイド突起50cは本体1のガイド小溝11に案内される。
したがって、操作ボタン50をレバーカム40の方向へプッシュすると、操作ボタン50は復帰バネ51のバネ力に抗して、例えば上下のガイド突起50cを介して直線移動可能である。さらに、短筒状バネ収納部50bの外面には、周方向に所定間隔を有して複数個(3個)の受け入れ溝50dが形成され、これらの受け入れ溝50dは軸方向にプッシュされた操作ボタン50の各突起部分をそれぞれ受け入れることができる。さらに50eは前記受け入れ溝50dを形成する少なくとも一つ突起部分で、これらの突起部分50eの一つ先端縁部(押圧部分)52は、これに対応するレバーカム40の一つの傾斜状受け面53と摩擦係合する。
次に、図11はレバーカム40の外側から見た斜視図である。このレバーカム40は、操作ボタン50が復帰バネ51のバネ力に抗して接近して来ると、図12で示す概略的な技術的原理により、操作ボタン50の押圧部分(押圧縁部)52によって該レバーカム40に設けた一つの突起部分(受け部分)40cの受け面53を介して押し上げられる。その結果、レバーカム40は支持軸31の一端部に支持された状態で所要角度(例えば30度)まで回転可能である。
しかして、レバーカム40は、図11で示すように靴べら形状の垂直ベース板40aと、この垂直ベース板40aの外壁面の幅広基端部の中央部に突出形成された筒状軸部40bと、この筒状軸部40bに対して同心円状に突出形成された合計3個の爪状突起部分40cと、垂直ベース板40aの先細り状自由端部の内壁面に突出形成された当接部分40dとから成り、前記爪状突起部分40cの少なくとも一つは、前述した操作ボタン50の押圧部分(押圧縁部)52と摩擦係合する傾斜状受け面53と成っている。
次に、図14は可動カム33の説明図、一方、図15は固定カム34の説明図である。そして、図16はスイング助勢機構Yを構成する駆動バネ32、可動カム33等の各部材の説明図である。これらの図から明らかなように、スイング助勢機構Yは、例えば蓋体4の第2筒状部分5の貫通孔14に組み込まれる収納筒30に内装された駆動バネ32と、該駆動バネに付勢されかつ凹凸のカム面33aを有する可動カム33と、その固定側凹凸のカム面34aが前記可動カム33の凹凸のカム面33aにかみ合う固定カム34とを備えている。
前記可動カム33と固定カム34の具体的構成の詳細説明は割愛するが、図8で示すように、長杆状の支持軸31の中央部には、可動カム33が駆動バネ32の付勢された状態で固定カム34に圧接している。実施形態では、蓋体4が本体2に対して閉じた初期状態に於いて、可動カム33の凹凸のカム面33aの頂点が、固定カム34の頂点付近に圧接するように駆動バネ32に常時付勢された状態で可動カム33が支持軸31に外嵌合している。
したがって、本実施形態では、操作ボタン50の押圧部分52とレバーカム40の受け面53との摩擦係合により、該レバーカム40は指状の当接部分40dで開閉体4の内面を押圧しながら、かつ開閉体用スイング助勢機構Yの復帰力に抗しながら所要量回転し(図17参照)、該所要量回転後、換言すると、開閉体4がレバーカム40の当接部分40dで所定角度まで持ち上げられ、かつ、可動カム33の凹凸カム面33aの頂点(山)が、固定凹凸34のカム面34aの頂点を乗り越えると、開閉体用助勢機構Yの助勢力により、開閉体4は図18で示すように使用する位置方向へと回転する一方、開閉体4を閉じる際、開閉体が所要角度まで戻ると、開閉体用スイング助勢機構Yの復帰力により、本体2に対して自動的に閉じる。
なお、図13は、開閉体4を使用する際、操作ボタン50の操作部50aを該操作ボタン用復帰バネのバネ力51に抗して支持軸31の軸方向へプッシュすると、該操作ボタン50の押圧部分52と支持軸31に軸支されたレバーカム40の傾斜状受け面53との摩擦係合により、該レバーカム40が所要量回転し、これによりレバーカム40の当接部分40dを介して前記開閉体21を回転させ、前記開閉体4の自由端部が本体2から浮き上がった状態を示している。
本実施形態では、支持軸31に外嵌する可動カム33は、図14で示すように不番の環状突壁を有する軸受けベース板部の一側面に、少なくとも、始端部に相当する一つの凸部(山)と、該凸部に傾斜状に連続すると共に終端部に相当する一つの凹部(谷)とを有する。また前記環状突壁の適宜箇所には、駆動バネ32の端部を受け入れるバネ端支持用の切欠部が形成されている。
したがって、可動カム33の前記一つの凸部(山)に対応する一つの凸部と、前記一つの凹部(谷)に対応する一つの凹部(谷)が、図15で示す固定カム34のカム面に設けられている。前記カム面は適宜に設計変更し得る事項である。
また本実施形態では、携帯型通信端末Xの一端部にヒンジ構造1を適用した一例を説明したが、「開閉体」には建具の扉や各種動産の蓋体が含まれるので、携帯型通信端末の蓋体以外に、建物の扉、家具・制御盤・ロッカーの扉にヒンジ構造1を適用することができる。
なお、図19及び図20は本発明の要部の第2実施形態を示す各説明図である。この第2実施形態では、操作ボタン50Aが箱型形態である点、操作ボタン50Aの前面から突出する押圧部分52Aが端面三角形状である点等である。このように操作ボタン50Aや押圧部分52Aの形状は、任意に設計変更し得る事項である。
本発明は、建物の扉、家具・制御盤・ロッカーの扉、折畳み式の携帯型通信端末の蓋体に利用することができる。
X…携帯型通信端末、Y…スイング助勢機構、1…ヒンジ構造、2…本体、3、3A…第1筒状部分、4…開閉体(蓋体、扉)、5…第2筒状部分、30…収納筒、31…支持軸、32…駆動バネ、33…可動カム、33a…可動カムの凹凸のカム面、34…固定カム、34a…固定側凹凸のカム面、40…レバーカム、40d…当接部分、50…操作ボタン、51…操作ボタン用復帰バネ、52…押圧部分、53…受け面。

Claims (3)

  1. 第1筒状部分を有する本体と、第2筒状部分を有する開閉体とから成り、前記第1筒状部分と前記第2筒状部分とを互いに回動可能に連結する支持軸及び開閉体用スイング助勢機構を備えるヒンジ構造に於いて、前記支持軸に回動自在に嵌合すると共に前記開閉体の内面に当接する当接部分を有するレバーカムを前記第1筒状部分に組み込み、該レバーカムに摩擦係合するように前記第1筒状部分に操作ボタンを設け、また前記開閉体用スイング助勢機構は、固定カムと、駆動バネと、該駆動バネにより前記固定カムの方向へ付勢される可動カムとから成り、前記開閉体を開く際、前記操作ボタンを該操作ボタン用復帰バネのバネ力に抗して前記支持軸の軸方向へプッシュすると、該操作ボタンの押圧部分と前記レバーカムの受け面との摩擦係合により該レバーカムは前記当接部分で開閉体の内面を押圧しながらかつ前記開閉体用スイング助勢機構の復帰力に抗しながら所要量回転し、該所要量回転後、前記開閉体は前記開閉体用スイング助勢機構のトルクにより全開範囲まで自動回転するヒンジ構造。
  2. 請求項1に於いて、開閉体の第2筒状部分には、該開閉体と一緒に回転する収納筒が組み込まれ、該収納筒の側壁及び該側壁の反対側に配設された固定カムに支持軸が架設され、前記収納筒に、少なくとも駆動バネ及び可動カムが軸方向に内装されていることを特徴とするヒンジ構造。
  3. 請求項1に於いて、第1筒状部分は本体の一端部の左右部位にそれぞれ突出形成され、一方の第1筒状部分と対向する他方の第1筒状部分は、本体に一体成形された下側被係合部分と、該下側被係合部分にオス・メス係合手段を介して一体的に結合する上側係合部分とから成ることを特徴とするヒンジ構造。
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