JP2013231266A - 繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱処理後での力学的物性の低下が小さい繊維を提供すること。
【解決手段】(A)熱可塑性ポリマーと、(B)式(1)で示される化合物と、(C)化合物群S[グルコース;フルクトース;トレハロース;スクロース;ラクトース;マルトース;メレチトース;スタキオース;カードラン;グリコーゲン;式(S1)で示される化合物;Cp+2(OH)で示される化合物;C2rで示される化合物のヒドロキシ基がアルコキシ基で置き換わった化合物]から選ばれる少なくとも一つの化合物とを含有する繊維。
Figure 2013231266

(式中の記号の意味は、明細書に記載した通りである。)
【選択図】なし

Description

本発明は、繊維およびその製造方法に関する。
特許文献1には、ポリウレタン弾性糸またはポリウレタン紡糸に、住友化学社製のスミライザーGA−80(即ち、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)等を配合させてもよい旨が記載されている。
特開2011−144491号
3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンは有効な酸化防止剤であるが、この単独使用では、熱処理後の繊維の力学的物性(弾性回復率、引張強度等)の低下を、充分に抑えることができない場合があった。本発明はこのような事情に着目してなされたものであって、その目的は、熱処理後での力学的物性の低下が小さい繊維を提供することにある。
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、下記式(1)で示される化合物(3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを含む)と、下記化合物群Sから選ばれる少なくとも一つとを併用することによって、上記目的を達成し得ることを見出した。この知見に基づく本発明は、以下の通りである。
[1] (A)熱可塑性ポリマーと、
(B)式(1):
Figure 2013231266
(式中、各Rは、それぞれ独立に、C1−8アルキル基、C6−12アリール基またはC7−18アラルキル基を表す。
各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−3アルキル基を表す。
は、m価のC1−26有機基を表す。
kは、0〜4の整数を表す。
mは、1〜4の整数を表す。)
で示される化合物と、
(C)下記化合物群S:
(i)グルコース、
(ii)フルクトース、
(iii)トレハロース、
(iv)スクロース、
(v)ラクトース、
(vi)マルトース、
(vii)メレチトース、
(viii)スタキオース、
(ix)カードラン、
(x)グリコーゲン、
(xi)式(S1):
Figure 2013231266
(式中、nは2以上の整数を表す。)
で示される化合物、
(xii)Cp+2(OH)(式中、pは4以上の整数を表す。)で示される化合物(S2)、および
(xiii)C2r(式中、rは3以上の整数を表す。)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびr−1個のヒドロキシ基を有する化合物(S3a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−ORS3(式中、RS3は、C1−12アルキル基を表す。)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(S3)
から選ばれる少なくとも一つの化合物と、
を含有する繊維。
[2] 式(1)で示される化合物が、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]およびトリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸からなる群から選ばれる少なくとも一つである上記[1]に記載の繊維。
[3] 式(1)で示される化合物が、式(1−1):
Figure 2013231266
(式中、各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。
は、m価のC1−24有機基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。)
で示される化合物である上記[1]に記載の繊維。
[4] 式(1)で示される化合物と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物との合計量が、熱可塑性ポリマー100重量部に対して0.001〜3重量部である上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の繊維。
[5] 化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物が、トレハロースおよび式(S1)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つである上記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の繊維。
[6] 熱可塑性ポリマーが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つである上記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の繊維。
[7] nが5である上記[1]〜[6]のいずれか一つに記載の繊維。
[8] (A)熱可塑性ポリマーと、
(B)式(1):
Figure 2013231266
(式中、各Rは、それぞれ独立に、C1−8アルキル基、C6−12アリール基またはC7−18アラルキル基を表す。
各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−3アルキル基を表す。
は、m価のC1−26有機基を表す。
kは、0〜4の整数を表す。
mは、1〜4の整数を表す。)
で示される化合物と、
(C)下記化合物群S:
(i)グルコース、
(ii)フルクトース、
(iii)トレハロース、
(iv)スクロース、
(v)ラクトース、
(vi)マルトース、
(vii)メレチトース、
(viii)スタキオース、
(ix)カードラン、
(x)グリコーゲン、
(xi)式(S1):
Figure 2013231266
(式中、nは2以上の整数を表す。)
で示される化合物、
(xii)Cp+2(OH)(式中、pは4以上の整数を表す。)で示される化合物(S2)、および
(xiii)C2r(式中、rは3以上の整数を表す。)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびr−1個のヒドロキシ基を有する化合物(S3a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−ORS3(式中、RS3は、C1−12アルキル基を表す。)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(S3)
から選ばれる少なくとも一つの化合物と、
を含有する熱可塑性ポリマー組成物を口金から吐出させることを含む、繊維の製造方法。
[9] (A)熱可塑性ポリマーと、
(B)式(1−1):
Figure 2013231266
(式中、各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。
は、m価のC1−24有機基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。)
で示される化合物と、
(C)下記化合物群S:
(i)グルコース、
(ii)フルクトース、
(iii)トレハロース、
(iv)スクロース、
(v)ラクトース、
(vi)マルトース、
(vii)メレチトース、
(viii)スタキオース、
(ix)カードラン、
(x)グリコーゲン、
(xi)式(S1):
Figure 2013231266
(式中、nは2以上の整数を表す。)
で示される化合物、
(xii)Cp+2(OH)(式中、pは4以上の整数を表す。)で示される化合物(S2)、および
(xiii)C2r(式中、rは3以上の整数を表す。)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびr−1個のヒドロキシ基を有する化合物(S3a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−ORS3(式中、RS3は、C1−12アルキル基を表す。)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(S3)
から選ばれる少なくとも一つの化合物と、
を含有する繊維。
[10] 式(1−1)で示される化合物と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物との合計量が、熱可塑性ポリマー100重量部に対して0.001〜3重量部である上記[9]に記載の繊維。
[11] 化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物が、式(S1)で示される化合物である上記[9]または[10]に記載の繊維。
[12] 熱可塑性ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ナイロンおよびポリエステルからなる群から選ばれる少なくとも一つである上記[9]〜[11]のいずれか一つに記載の繊維。
[13] 式(1−1)で示される化合物が、オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンまたはペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である上記[9]〜[12]のいずれか一つに記載の繊維。
[14] nが5である上記[9]〜[13]のいずれか一つに記載の繊維。
[15] (A)熱可塑性ポリマーと、
(B)式(1−1):
Figure 2013231266
(式中、各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。
は、m価のC1−24有機基を表す。
mは、1〜4の整数を表す。)
で示される化合物と、
(C)下記化合物群S:
(i)グルコース、
(ii)フルクトース、
(iii)トレハロース、
(iv)スクロース、
(v)ラクトース、
(vi)マルトース、
(vii)メレチトース、
(viii)スタキオース、
(ix)カードラン、
(x)グリコーゲン、
(xi)式(S1):
Figure 2013231266
(式中、nは2以上の整数を表す。)
で示される化合物、
(xii)Cp+2(OH)(式中、pは4以上の整数を表す。)で示される化合物(S2)、および
(xiii)C2r(式中、rは3以上の整数を表す。)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびr−1個のヒドロキシ基を有する化合物(S3a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−ORS3(式中、RS3は、C1−12アルキル基を表す。)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(S3)
から選ばれる少なくとも1種の化合物と、
を含有する熱可塑性ポリマー組成物を、口金から紡糸筒中に吐出させ、得られた吐出糸をワインダーで巻き取る繊維の製造方法。
なお、本発明において、「Ca−b」とは、炭素数がa以上b以下であることを意味する。また、上述の「式(1)で示される化合物」等を、以下では「化合物(1)」等と略称することがある。同様に、後述する「式(5a)で示される2価の基」等を、「2価の基(5a)」等と略称することがある。
化合物(1)と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物とを含有する本発明の繊維は、熱処理後での力学的物性(弾性回復率および引張強度等)の低下が小さい。
本発明の繊維は、熱可塑性ポリマー、化合物(1)、化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物を含有する。以下、各成分を順に説明する。
熱可塑性ポリマーは、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン樹脂[例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)]、ポリプロピレン樹脂(例えば、結晶性プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体等)、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9T、ナイロンM5T等のナイロン)、ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート)、生分解性樹脂[例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸/3−ヒドロキシヘキサン酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート]等が挙げられる。
紡糸性の良さから、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が好ましく、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
ポリエチレン樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)が好ましい。
ポリプロピレン樹脂としては、結晶性プロピレン単独重合体が好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、末端ヒドロキシ基を2以上有する重合体(ポリヒドロキシ重合体)と有機ジイソシアネート化合物とからなるポリウレタンが好ましい。ポリヒドロキシ重合体としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコールが好ましく、有機ジイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好ましい。
ポリアミド樹脂としては、ナイロンが好ましく、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66がより好ましい。なお、ナイロンは、もともと商品名であったが、現在では、脂肪族骨格を含むポリアミド樹脂の総称として使用されている。
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレートが好ましい。
ポリプロピレン樹脂のメルトインデックス(メルトインデクサーを用いて測定した値)は、本発明の繊維がモノフィラメントの場合、0.1〜10であることが好ましく、本発明の繊維がマルチフラメントの場合、5〜80が好ましい。
ポリウレタン樹脂は、数平均分子量が500〜5,000であることが好ましく、1,500〜4,000であることがより好ましい。
ポリアミド樹脂の粘度は、ギ酸に溶解させてオストワルドの粘度計を用いて測定した相対粘度が2.0〜5.0であることが好ましい。
ポリエステル樹脂の粘度は、フェノール/テトラクロロエタン溶液に溶解させてオストワルドの粘度計を用いて測定した固有粘度の値が、0.5から0.9dl/Lであることが好ましい。
次に、化合物(1)について説明する。化合物(1)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
式(1)中の各Rは、それぞれ独立に、C1−8アルキル基、C6−12アリール基またはC7−18アラルキル基を表し、kは、0〜4の整数を表す。kは、好ましくは1〜4の整数、より好ましくは2または3である。kが2以上である場合、またはmが2以上である場合、各Rは互いに同じものでも、異なるものでもよい。
1−8アルキル基は、鎖状または環状のいずれでもよく、好ましくは鎖状(直鎖状または分枝鎖状)である。C1−8アルキル基としては、直鎖状C1−8アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基(アミル基とも呼ばれる)など)、分枝鎖状C3−8アルキル基(例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、2−エチルヘキシル基など)、環状C3−8アルキル基(即ち、C3−8シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基など)が挙げられる。
6−12アリール基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
7−18アラルキル基としては、例えばベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基等が挙げられる。
式(1)中のRは、水素原子またはC1−3アルキル基を表す。C1−3アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1−3アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等を挙げることができる。Rは、好ましくは、水素原子またはメチル基である。
式(1)中のLは、m価のC1−26有機基を表し、mは、1〜4の整数を表す。m価のC1−26有機基に特に限定は無く、その例示としては、後述する化合物(1)の下位概念に含まれる有機基が挙げられる。mは、好ましくは1〜3、より好ましくは1または2である。
好ましい化合物(1)としては、化合物(1−1)が挙げられる。化合物(1−1)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。以下、化合物(1−1)について説明する。
式(1−1)中の各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。mが2以上である場合、各Rは互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各Rも同様である。C1−6アルキル基としては、上述のものが挙げられる。各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、好ましくは直鎖状C1−6アルキル基または分枝鎖状C3−6アルキル基、より好ましくはメチル基またはt−ブチル基である。
式(1−1)中のLは、m価のC1−24有機基を表し、mは1〜4の整数を表す。mは、好ましくは1〜3、より好ましくは1または2である。
m価のC1−24有機基としては、例えば、
m個のヒドロキシ基を有するC1−24アルコールの、前記m個のヒドロキシ基の全てから水素原子を除いた残りの基(以下「m価のC1−24アルコール残基」と略称することがある);
m個のアミノ基(イミノ基を含む)を有するC1−24アミンの、前記m個のアミノ基の全てから一つずつ水素原子を除いた残りの基(以下「m価のC1−24アミン残基」と略称することがある)
等が挙げられる。
m価のC1−24アルコール残基およびm価のC1−24アミン残基は、いずれも、ヘテロ原子を含んでいてもよい。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられ、これらヘテロ原子が、m価のC1−24アルコール残基およびm価のC1−24アミン残基中の炭素原子と置き換わっていてもよい。また、m価のC1−24アルコール残基およびm価のC1−24アミン残基は、いずれも、鎖状または環状でもよく、これらの組合せでもよい。鎖状は、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。
1価のC1−24アルコール残基としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール等の残基が挙げられる。
2価のC1−24アルコール残基としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等の残基が挙げられる。
3価のC1−24アルコール残基としては、例えば、グリセロール等の残基が挙げられる。
4価のC1−24アルコール残基としては、例えば、エリスリトール、ペンタエリスリトール等の残基が挙げられる。
1価のC1−24アミン残基としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エイコシルアミン等の残基が挙げられる。
2価のC1−24アミン残基としては、例えば、メタンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン等の残基が挙げられる。
3価のC1−24アミン残基としては、例えば、ジエチレントリアミン、1,2,4−ベンゼントリアミン等の残基が挙げられる。
4価のC1−24アミン残基としては、例えば、トリエチレンテトラミン、1,2,4,5−ベンゼンテトラアミン等の残基が挙げられる。
化合物(1)としては、例えば、
(i)3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸、または3−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、m個のヒドロキシ基を有するアルコール(m=1〜4)とのエステル、
(ii)3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸、または3−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と、m個のアミノ基(イミノ基を含む)を有するアミン(m=1〜4)とのアミド
等が挙げられる。前記(i)のエステルおよび前記(ii)のアミドは、いずれも、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、前記(i)のエステルおよび前記(ii)のアミドの混合物を使用してもよい。
前記(i)のエステルを形成するm個のヒドロキシ基を有するアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等が挙げられる。
前記(ii)のアミドを形成するm個のアミノ基を有するアミンとしては、例えば、メタンジアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン等が挙げられる。
好ましい化合物(1−1)としては、
オクタデシル 3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(以下「化合物(1−1−1)」と略称することがある)、
3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(以下「化合物(1−1−2)」と略称することがある)、
ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](以下「化合物(1−1−3)」と略称することがある)、
ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)](以下「化合物(1−1−4)」と略称することがある)、および
N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド](以下「化合物(1−1−5)」と略称することがある)
が挙げられる。
これらの中でも、化合物(1−1−2)、化合物(1−1−4)および化合物(1−1−5)がより好ましく、化合物(1−1−2)および化合物(1−1−4)がさらに好ましい。
化合物(1−1−1)は「イルガノックス(登録商標)1076」(BASFジャパン社製)として、化合物(1−1−2)は「スミライザー(登録商標)GA−80」(住友化学社製)として、化合物(1−1−3)は「イルガノックス(登録商標)1010」(BASFジャパン社製)として、化合物(1−1−4)は「イルガノックス(登録商標)245」(BASFジャパン社製)として、化合物(1−1−5)は「イルガノックス(登録商標)1098」(BASFジャパン社製)として市販されている。
化合物(1−1)は、市販品を使用するか、または公知の方法(例えば、米国特許第3330859号、米国特許第3644482号または特開昭59−25826号に記載の方法等)に準じて製造することができる。
また、別の好ましい化合物(1)としては、式(1−2):
Figure 2013231266
(式中、各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、C1−8アルキル基、C6−12アリール基またはC7−18アラルキル基を表す。
は、水素原子またはC1−3アルキル基を表す。
は、水素原子またはメチル基を表す。)
で示される化合物が挙げられる。化合物(1−2)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。以下、化合物(1−2)について説明する。
式(1−2)中の各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、C1−8アルキル基、C6−12アリール基またはC7−18アラルキル基を表す。C1−8アルキル基、C6−12アリール基およびC7−18アラルキル基としては、上述のものが挙げられる。Rは二つ存在するが、各Rは、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各Rも同様である。各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、好ましくは分枝鎖状C3−8アルキル基、より好ましくは3級炭素原子を有するC4−8アルキル基、さらに好ましくはt−ブチル基またはt−ペンチル基、特に好ましくはt−ペンチル基である。
式(1−2)中のRは、水素原子またはC1−3アルキル基を表す。C1−3アルキル基としては、上述のものが挙げられる。Rは、好ましくは、水素原子またはメチル基である。
式(1−2)中のRは、水素原子またはメチル基を表し、好ましくは水素原子である。
化合物(1−2)としては、例えば、2,4−ジ−t−ブチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル (メタ)アクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル (メタ)アクリレート、2,4−ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル (メタ)アクリレート、2,4−ジ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシ−ベンジル)フェニル (メタ)アクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−エチルフェニル (メタ)アクリレート、2−t−ペンチル−6−(3−t−ペンチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル (メタ)アクリレート等が挙げられる。ここで「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレートおよびメタクリレート」を意味する。
好ましい化合物(1−2)としては、
2,4―ジ−t−ペンチル−6−[1−(3,5−ジ−t−ペンチル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニル アクリレート(以下「化合物(1−2−1)」と略称することがある)、および
2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート(以下「化合物(1−2−2)」と略称することがある

が挙げられる。
化合物(1−2−1)は「スミライザー(登録商標)GS(F)」(住友化学社製)として、化合物(1−2−2)は「スミライザー(登録商標)GM」(住友化学社製)として市販されている。
化合物(1−2)は、市販品を使用するか、または公知の方法(例えば特開平1−168643号または特開昭58−84835号に記載の方法)に準じて製造することができる。
また、別の好ましい化合物(1)としては、トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸が挙げられる。該化合物は、「サイアノックス(登録商標)CY−1790」(サイテック・インダストリーズ社製)として市販されている。
化合物(1)のその他の具体例としては、以下の[1]〜[8]に記載するもの等が挙げられる。
[1]2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノールなどのアルキル化モノフェノール。
[2]2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−イソブチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−t−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール ビス[3,3−ビス(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス[2−(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−t−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタンなどのビスフェノール誘導体。
[3]3,5,3’,5’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル 4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテートなどのO−ベンジル誘導体、N−ベンジル誘導体およびS−ベンジル誘導体。
[4]トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどのヒドロキシベンジル基含有トリアジン誘導体。
[5]ジオクタデシル 2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル 2−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ビス(ドデシルメルカプトエチル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル] 2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネートなどのヒドロキシベンジル基含有マロネート誘導体。
[6]1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノールなどの芳香族ヒドロキシベンジル誘導体。
[7]ジメチル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル 5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエステルのカルシウム塩などのヒドロキシベンジルホスホネート誘導体。
[8]N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]トリメチレンジアミンなどのβ−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド。
化合物(1)は、
好ましくは、化合物(1−1)、化合物(1−2)およびトリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸からなる群から選ばれる少なくとも一つであり;
より好ましくは、化合物(1−1)およびトリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸からなる群から選ばれる少なくとも一つであり;
さらに好ましくは、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]およびトリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸からなる群から選ばれる少なくとも一つである。
本発明は、化合物(1)と、化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物とを併用することを特徴とする。この化合物群Sは、糖(グルコース、フルクトース、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン)と、糖から合成することができる化合物[化合物(S1)〜化合物(S3)]とに分類できる。但し、化合物(S1)〜化合物(S3)は、糖以外から合成された化合物であってもよい。以下、化合物群Sを順に説明する。
単糖であるグルコースおよびフルクトースは、D体、L体またはこれらの混合物のいずれでもよく、好ましくはD体である。グルコースおよびフルクトースは、α体、β体またはこれらの混合物のいずれでもよい。グルコースおよびフルクトースは、ピラノース型、フラノース型またはこれらの混合物のいずれでもよく、好ましくはピラノース型である。グルコースは、無水物、水和物またはこれらの混合物のいずれでもよい。グルコースおよびフルクトースは市販されており、市販品をそのまま使用することができる。
二糖であるトレハロース、スクロース、ラクトースおよびマルトース、三糖であるメレチトース(メレジトースとも呼ばれる)、並びに四糖であるスタキオースは、無水物、水和物またはこれらの混合物のいずれでもよい。これらは市販されており、いずれも、市販品をそのまま使用することができる。
カードランおよびグリコーゲンは、多糖に分類される。ここで、カードランとは、微生物が生産するβ1−3グリコシド結合だけからなるグルカン(D−グルコースからなる多糖)である。グリコーゲンは、動物(例えば、カキ)の体内に存在する多糖である。カードランの重量平均分子量[レーザー回折式絶対分子量測定装置(昭光通商社製、Shodex−GPC付き、Wyatt DAWN型)での測定値]は、好ましくは、800〜800000である。グリコーゲンの重量平均分子量[レーザー回折式絶対分子量測定装置(昭光通商社製、Shodex−GPC付き、Wyatt DAWN型)での測定値]は、好ましくは、2.4×10〜4.4×10である。カードランおよびグリコーゲンは、市販されており、いずれも、市販品をそのまま使用することができる。
次に、化合物(S1)について説明する。化合物(S1)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。式(S1)において、nは2以上の整数を表し、好ましくは2〜6を表し、より好ましくは5を表す。
化合物(S1)としては、例えば、1,2,3−シクロプロパントリオール、1,2,3,4−シクロブタンテトラオール、1,2,3,4,5−シクロペンタンペンタオール、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサオール、1,2,3,4,5,6,7−シクロヘプタンヘプタオール、1,2,3,4,5,6,7,8−シクロオクタンオクタオール等が挙げられる。これらの中でnが5である1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサオールが好ましい。1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサオールは、イノシトールとも呼ばれる。このイノシトールは、生体内でグルコースから合成される。但し、本発明では、人工的に合成されたイノシトールを使用してもよい。
イノシトールには、ヒドロキシ基の位置によって、9種の異性体(7種の光学不活性体および1対の鏡像異性体)が存在する。イノシトールとしては、1種の異性体のみを使用してもよく、2種以上の異性体を併用してもよい。イノシトール異性体としては、myo−イノシトール、epi−イソイノシトール、allo−イノシトール、muco−イノシトール、neo−イノシトール、chiro−イノシトール、scyllo−イノシトールおよびcis−イノシトールのいずれも使用することができる。これらの中で、下記式で示されるmyo−イノシトールおよびscyllo−イノシトールがより好ましく、myo−イノシトールがさらに好ましい。なお、chiro−イノシトールは、D体(即ち、D−chiro−イノシトール)でも、L体(即ち、L−chiro−イノシトール)でもよく、また、D体およびL体の混合物であってもよい。
Figure 2013231266
化合物(S1)は、市販品をそのまま使用すればよい。また、化合物(S1)は、無水物、水和物またはこれらの混合物のいずれでもよい。
次に、化合物(S2)について説明する。式(S2)において、pは4以上の整数を表し、好ましくは4〜8を表し、より好ましくは4〜6を表す。化合物(S2)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(S2)は、好ましくは糖アルコールであり、より好ましくはテトリトール(p=4)、ペンチトール(p=5)、ヘキシトール(p=6)、ヘプチトール(p=7)、オクチトール(p=8)であり、さらに好ましくはテトリトール、ペンチトール、ヘキシトールである。テトリトールとしては、例えば、エリトリトール、トレイトール等が挙げられる。ペンチトールとしては、例えば、アラビニトール、キシリトール等が挙げられる。ヘキシトールとしては、例えば、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。化合物(S2)は、市販されており、市販品をそのまま使用することができる。
次に、化合物(S3)について説明する。化合物(S3)は、化合物(S3a)の少なくとも一つのヒドロキシ基がアルコキシ基(−ORS3a;RS3aはC1−12アルキル基を表す)で置き換わった化合物である。この化合物(S3a)は、C2r(式中、rは3以上の整数を表す。)で表され、r−1個のヒドロキシ基を有する単糖である。rは、好ましくは3〜10、より好ましくは6である。即ち、化合物(S3a)は、好ましくは、トリオース(r=3)、テトロース(r=4)、ペントース(r=5)、ヘキソース(r=6)、ヘプトース(r=7)、オクトース(r=8)、ノノース(r=9)またはデコース(r=10)である。
化合物(S3a)は、環状でも鎖状でもよく、好ましくは環状である。環状の化合物(S3a)は、ピラノース型でもフラノース型でもよく、好ましくはピラノース型である。また化合物(S3a)は、D体でもL体でもよく、好ましくはD体である。さらに化合物(S3a)は、アルデヒド基(ホルミル基とも呼ばれる)を有するアルドースでも、ケトン基(カルボニル基とも呼ばれる)を有するケトースでもよく、好ましくはアルドースである。化合物(S3a)は、上述した物の混合物でもよい。
アルドースとしては、例えば、アルドトリオース(グリセルアルデヒド);アルドテトロース(エリトロース、トレオース);アルドペントース(リボース、アラビノース、キシロース、リキソース);アルドヘキソース(グルコース、マンノース、ガラクトース、アロース、アルトロース、グロース、イドース、タロース);およびアルドヘプトース(例えばD−グリセロ−D−ガラクト−ヘプトースなど)が挙げられる。
ケトースとしては、例えば、ケトトリオース(ジヒドロキシアセトン);ケトテトロース(エリトルロース);ケトペントース(リブロース、キシルロース);ケトヘキソース(プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース);およびケトヘプトース(例えばセドヘプツロース、D−マンノ−ヘプツロースなど)が挙げられる。
化合物(S3a)は、好ましくはヘキソース(六炭糖とも呼ばれる)であり、より好ましくはアルドヘキソースであり、さらに好ましくはグルコースである。アルドヘキソースは、好ましくはピラノース型である。以下、「ヘキソースのヒドロキシ基が−ORS3a基で置き換わった化合物」等を「ヘキソース−化合物(S3)」等と呼ぶことがある。
化合物(S3)中の−ORS3a基の数は、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは1である。複数の−ORS3a基が存在する場合、各RS3aは、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。−ORS3a基は、好ましくは、化合物(S3a)の1位の炭素原子と結合している。−ORS3a基が環状の化合物(S3a)の1位の炭素原子と結合している場合、−ORS3a基の結合方向は、αでもβでもよく、好ましくはαである。なお、結合方向および位置番号の付け方は単糖の基準に従う。
S3aは、C1−12アルキル基を表す。C1−12アルキル基は、鎖状または環状のいずれでもよく、好ましくは鎖状(直鎖状または分枝鎖状)、より好ましくは直鎖状である。C1−12アルキル基の炭素数は、好ましくは1以上8以下である。C1−12アルキル基としては、例えば、直鎖状C1−12アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基)、分枝鎖状C3−12アルキル基(例えばイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基など)、環状C3−12アルキル基(即ちC3−12シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基など)が挙げられる。C1−12アルキル基は、好ましくはメチル基、エチル基、またはオクチル基であり、より好ましくはメチル基である。
化合物(S3)は、好ましくはヘキソース−化合物(S3)であり、より好ましくはアルドヘキソース−化合物(S3)(即ちグルコース−化合物(S3)、マンノース−化合物(S3)、ガラクトース−化合物(S3)、アロース−化合物(S3)、アルトロース−化合物(S3)、グロース−化合物(S3)、イドース−化合物(S3)、またはタロース−化合物(S3))である。前記アルドヘキソースは、いずれも、ピラノース型であることが好ましい。
グルコース−化合物(S3)としては、例えば、メチル α−D−グルコピラノシド、エチル α−D−グルコピラノシド、プロピル α−D−グルコピラノシド、ブチル α−D−グルコピラノシド、ペンチル α−D−グルコピラノシド、ヘキシル α−D−グルコピラノシド、ヘプチル α−D−グルコピラノシド、オクチル α−D−グルコピラノシド、ノニル α−D−グルコピラノシド、デシル α−D−グルコピラノシド、ウンデシル α−D−グルコピラノシド、ドデシル α−D−グルコピラノシド等が挙げられる。
マンノース−化合物(S3)としては、例えば、メチル α−D−マンノピラノシド、エチル α−D−マンノピラノシド、プロピル α−D−マンノピラノシド、ブチル α−D−マンノピラノシド、ペンチル α−D−マンノピラノシド、ヘキシル α−D−マンノピラノシド、ヘプチル α−D−マンノピラノシド、オクチル α−D−マンノピラノシド、ノニル α−D−マンノピラノシド、デシル α−D−マンノピラノシド、ウンデシル α−D−マンノピラノシド、ドデシル α−D−マンノピラノシド等が挙げられる。
ガラクトース−化合物(S3)としては、例えば、メチル α−D−ガラクトピラノシド、エチル α−D−ガラクトピラノシド、プロピル α−D−ガラクトピラノシド、ブチル α−D−ガラクトピラノシド、ペンチル α−D−ガラクトピラノシド、ヘキシル
α−D−ガラクトピラノシド、ヘプチル α−D−ガラクトピラノシド、オクチル α−D−ガラクトピラノシド、ノニル α−D−ガラクトピラノシド、デシル α−D−ガラクトピラノシド、ウンデシル α−D−ガラクトピラノシド、ドデシル α−D−ガラクトピラノシド等が挙げられる。
アロース−化合物(S3)としては、例えば、メチル α−D−アロピラノシド、エチル α−D−アロピラノシド、プロピル α−D−アロピラノシド、ブチル α−D−アロピラノシド、ペンチル α−D−アロピラノシド、ヘキシル α−D−アロピラノシド、ヘプチル α−D−アロピラノシド、オクチル α−D−アロピラノシド、ノニル α−D−アロピラノシド、デシル α−D−アロピラノシド、ウンデシル α−D−アロピラノシド、ドデシル α−D−アロピラノシド等が挙げられる。
アルトロース−化合物(S3)としては、例えば、メチル α−D−アルトロピラノシド、エチル α−D−アルトロピラノシド、プロピル α−D−アルトロピラノシド、ブチル α−D−アルトロピラノシド、ペンチル α−D−アルトロピラノシド、ヘキシル
α−D−アルトロピラノシド、ヘプチル α−D−アルトロピラノシド、オクチル α−D−アルトロピラノシド、ノニル α−D−アルトロピラノシド、デシル α−D−アルトロピラノシド、ウンデシル α−D−アルトロピラノシド、ドデシル α−D−アルトロピラノシド等が挙げられる。
グロース−化合物(S3)としては、例えば、メチル α−D−グロピラノシド、エチル α−D−グロピラノシド、プロピル α−D−グロピラノシド、ブチル α−D−グロピラノシド、ペンチル α−D−グロピラノシド、ヘキシル α−D−グロピラノシド、ヘプチル α−D−グロピラノシド、オクチル α−D−グロピラノシド、ノニル α−D−グロピラノシド、デシル α−D−グロピラノシド、ウンデシル α−D−グロピラノシド、ドデシル α−D−グロピラノシド等が挙げられる。
イドース−化合物(S3)としては、例えば、メチル α−D−イドピラノシド、エチル α−D−イドピラノシド、プロピル α−D−イドピラノシド、ブチル α−D−イドピラノシド、ペンチル α−D−イドピラノシド、ヘキシル α−D−イドピラノシド、ヘプチル α−D−イドピラノシド、オクチル α−D−イドピラノシド、ノニル α−D−イドピラノシド、デシル α−D−イドピラノシド、ウンデシル α−D−イドピラノシド、ドデシル α−D−イドピラノシド等が挙げられる。
タロース−化合物(S3)としては、例えば、メチル α−D−タロピラノシド、エチル α−D−タロピラノシド、プロピル α−D−タロピラノシド、ブチル α−D−タロピラノシド、ペンチル α−D−タロピラノシド、ヘキシル α−D−タロピラノシド、ヘプチル α−D−タロピラノシド、オクチル α−D−タロピラノシド、ノニル α−D−タロピラノシド、デシル α−D−タロピラノシド、ウンデシル α−D−タロピラノシド、ドデシル α−D−タロピラノシド等が挙げられる。
前記具体例では−ORS3a基の結合方向がαである化合物(S3)を列挙したが、同じ−ORS3a基を有し、結合方向がβであるアルドヘキソース−化合物(S3)も具体例として挙げられる。なお以下では「−ORS3a基の結合方向がαである化合物(S3)」等を「α体」等と略称することがある。同様に、前記具体例ではD体を列挙したが、同じ−ORS3a基を有するL体も具体例として挙げられる。
アルドヘキソース−化合物(S3)の中でも、グルコース−化合物(S3)が好ましく、C1−12アルキル D−グルコピラノシド(α体およびβ体の両方)がより好ましく、メチル α−D−グルコピラノシドおよびオクチル β−D−グルコピラノシドがさらに好ましく、メチル α−D−グルコピラノシドが特に好ましい。
化合物(S3)は、水和物でもよく、無水和物でもよい。また、化合物(S3)は、1種のみを使用してもよく、2種以上の混合物を使用してもよい。化合物(S3)の混合物としては、例えば、化合物(S3a)の平衡混合物(例えばグリセルアルデヒドとジヒドロキシアセトンとの平衡混合物であるグリセロース)から、公知の製造方法で得られる化合物(S3)の混合物等が挙げられる。またα体とβ体との混合物、およびD体とL体との混合物も使用することができる。
化合物(S3)は、公知の方法(例えば、新実験化学講座14 有機化合物の合成と反応V(丸善株式会社、昭和53年7月20日発行)第2426頁に記載の方法)に準じて製造することができる。例えば、(i)化合物(S3a)(即ち、単糖)を、−ORS3a基に対応するアルカノールに溶解させ、−10℃〜室温の温度で該溶液に塩化水素ガスを流通させることによって、化合物(S3a)をアルコキシ化する方法;(ii)化合物(S3a)、−ORS3a基に対応するアルカノールおよび塩酸の混合溶液を加熱還流することによって、化合物(S3a)をアルコキシ化する方法;等が挙げられる。また化合物(S3)は市販されている。例えば、メチル α−D−グルコピラノシド等は東京化成工業株式会社から入手することができる。
化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物は、好ましくは、トレハロースおよび化合物(S1)からなる群から選ばれる少なくとも一つであり、より好ましくは化合物(S1)であり、さらに好ましくはnが5である化合物(S1)(即ち、イノシトール)である。
繊維中の化合物(1)と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物との合計量は、熱可塑性ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、紡糸時の操業の安定性および繊維の力学的物性の観点から、より好ましくは0.001〜3重量部、さらに好ましくは0.02〜2重量部、特に好ましくは0.02〜1重量部である。
化合物(1)と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物との重量比(即ち、化合物(1):化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物)は、紡糸時の操業の安定性および繊維の力学的物性の観点から、好ましくは1000:1〜1:100である。この重量比は、より好ましくは1000:1〜1:10である。またこの重量比は、繊維の変色を抑制するために、特に好ましくは1000:1〜1:1である。
本発明の繊維は、上記成分以外の添加剤(以下「他の添加剤」と略称することがある)を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、化合物(1)以外の酸化防止剤(以下「他の酸化防止剤」と略称することがある)、紫外線吸収剤、光安定剤、安定剤、滑剤、金属不活性化剤、造核剤、帯電防止剤、難燃剤、充填剤、顔料、無機充填剤などが挙げられ、他の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、安定剤および滑剤が好ましく、他の酸化防止剤、紫外線吸収剤および光安定剤がより好ましい。他の添加剤は、いずれも、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
他の酸化防止剤としては、例えば、化合物(1)以外のフェノール系酸化防止剤(以下「他のフェノール系酸化防止剤」と略称することがある)、リン系酸化防止剤、ヒドロキノン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、他のフェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤が好ましい。
他のフェノール系酸化防止剤としては、例えば、以下の[1]〜[7]に記載するもの等が挙げられる。
[1]2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−t−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジノニル−4−メチルフェノールなどのアルキル化モノフェノール。
[2]2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−t−ブチルフェノール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−メチルフェノール、2,4−ビス(オクチルチオメチル)−6−エチルフェノール、2,6−ビス(ドデシルチオメチル)−4−ノニルフェノールなどのアルキルチオメチルフェノール。
[3]2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエンなどのビスフェノール誘導体。
[4]4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチル−N−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメートなどのアシルアミノフェノール誘導体。
[5]2,2’−チオビス(6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィドなどのビス(ヒドロキシフェニル)スルフィドまたはビス(ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
[6]2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−n−オクチルチオ−4,6−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−n−オクチルチオ−4,6−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−フェノキシ)−1,3,5−トリアジン、トリス[2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレートなどのトリアジン誘導体。
[7]α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールなどのトコフェロール。
次に、リン系酸化防止剤について説明する。好ましいリン系酸化防止剤としては、下記の式(2)〜式(7)のいずれかで示される化合物が挙げられる。
Figure 2013231266
(式中、各Rおよび各R10は、それぞれ独立に、水素原子、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。)
Figure 2013231266
(式中、各R11は、それぞれ独立に、水素原子、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。)
Figure 2013231266
(式中、各R12は、それぞれ独立に、C1−18アルキル基、またはC1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基およびC7−12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基を表す。)
Figure 2013231266
(式中、各R13および各R14は、それぞれ独立に、水素原子、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。
各Lは、それぞれ独立に、単結合、硫黄原子または式(5a):
Figure 2013231266
{式中、R15およびR16は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1−7アルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。
各Lは、それぞれ独立に、C2−8アルキレン基を表す。)
Figure 2013231266
(式中、各R17および各R18は、それぞれ独立に、水素原子、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。
19は、C1−8アルキル基、またはC1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基およびC7−12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つで置換されていてもよいフェニル基を表す。
は、単結合、硫黄原子または式(6a):
Figure 2013231266
{式中、R20およびR21は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1−7アルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。)
Figure 2013231266
(式中、各R22、各R23、R25およびR26は、それぞれ独立に、水素原子、C1−8アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。
各R24は、それぞれ独立に、水素原子またはC1−8アルキル基を表す。
は、単結合、硫黄原子または式(7a):
Figure 2013231266
{式中、R27は、水素原子、C1−8アルキル基またはC5−8シクロアルキル基を表す。}で示される2価の基を表す。
は、C2−8アルキレン基または式(7b):
Figure 2013231266
{式中、Lは、単結合またはC1−8アルキレン基を表す。*は酸素原子側に結合していることを表す。}で示される2価の基を表す。
およびZのいずれか一方は、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基またはC7−12アラルキルオキシ基を表し、他方は、水素原子またはC1−8アルキル基を表す。)
以下、化合物(2)〜(7)について、化合物(2)から順に説明する。
化合物(2)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。式(2)中の各Rおよび各R10は、それぞれ独立に、水素原子、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。Rは三つ存在するが、各Rは、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R10も同様である。RおよびR10の位置は、2位および4位であることが好ましい。
1−9アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1−9アルキル基の炭素数は、好ましくは3以上5以下である。C1−9アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、t−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基等が挙げられる。
5−8シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
6−12アルキルシクロアルキル基としては、例えば、1−メチルシクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシル基等が挙げられる。
7−12アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基(1−フェニルエチル基とも呼ばれる)、α,α−ジメチルベンジル基(1−メチル−1−フェニルエチル基またはクミル基とも呼ばれる)等が挙げられる。
各Rおよび各R10は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子またはC1−9アルキル基、より好ましくは水素原子、t−ブチル基またはノニル基、さらに好ましくはt−ブチル基である。
化合物(2)としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(以下「化合物(2−1)」と略称することがある)、トリフェニルホスファイト、トリス(4−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジノニルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。これらの中でも、化合物(2−1)が好ましい。化合物(2−1)は、「イルガフォス(登録商標)168」(BASFジャパン社製)として市販されている。
次に、化合物(3)について説明する。化合物(3)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。式(3)中の各R11は、それぞれ独立に、水素原子、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。R11は四つ存在するが、各R11は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。なお、R11のC1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基およびC7−12アラルキル基としては、上述のものが挙げられる。各R11は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子またはC1−9アルキル基、より好ましくは水素原子である。
化合物(3)としては、例えば、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスホナイト(以下「化合物(3−1)」と略称することがある)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4−ビフェニレンジホスホナイト(以下「化合物(3−2)」と略称することがある)等が挙げられる。これらの中でも、化合物(3−1)が好ましい。化合物(3−1)は、「サンドスタブ(登録商標)P−EPQ」(クラリアント社製)として、化合物(3−2)は、「ヨシノックス(登録商標)GSY−P101」(API社製)として市販されている。
次に、化合物(4)について説明する。化合物(4)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。式(4)中の各R12は、それぞれ独立に、C1−18アルキル基またはフェニル基を表す。R12のフェニル基は、置換基として、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基およびC7−12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。なお、これらのフェニル基の置換基としては、上述のものが挙げられる。また、R12は二つ存在するが、各R12は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。
1−18アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1−18アルキル基の炭素数は、好ましくは12以上18以下である。C1−18アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。
1−9アルキル基で置換されているフェニル基としては、例えば、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−t−ブチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、2−ノニルフェニル基、4−ノニルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−ノニルフェニル基、2,6−ジ−t−ブチルフェニル基、2−t−ブチル−4−メチルフェニル基、2−t−ブチル−4−エチルフェニル基、2,5−ジ−t−ブチルフェニル基、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル基等が挙げられる。
5−8シクロアルキル基で置換されているフェニル基としては、例えば、2−シクロペンチルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、2,4−ジシクロヘキシルフェニル基等が挙げられる。
6−12アルキルシクロアルキル基で置換されているフェニル基としては、例えば、2−(2−メチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(2−メチルシクロヘキシル)フェニル基、2,4−ジ−(2−メチルシクロヘキシル)フェニル基等が挙げられる。
7−12アラルキル基で置換されているフェニル基としては、例えば、2−ベンジルフェニル基、2−クミルフェニル基、4−クミルフェニル基、2,4−ジクミルフェニル基等が挙げられる。
1−9アルキル基およびC5−8シクロアルキル基で置換されているフェニル基としては、例えば、2−メチル−4−シクロへキシルフェニル基等が挙げられる。C1−9アルキル基およびC6−12アルキルシクロアルキル基で置換されているフェニル基としては、例えば、2−メチル−4−(2−メチルシクロヘキシル)フェニル基等が挙げられる。C1−9アルキル基およびC7−12アラルキル基で置換されているフェニル基としては、例えば、2−ベンジル−4−メチルフェニル基等が挙げられる。
各R12は、それぞれ独立に、好ましくは、オクタデシル基(ステアリル基とも呼ばれる)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基または2,4−ジクミルフェニル基である。
化合物(4)としては、例えば、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト(以下「化合物(4−1)」と略称することがある)、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト(以下「化合物(4−2)」と略称することがある)、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト(以下「化合物(4−3)」と略称することがある)、ジステアリルペンタエリスリトール ジホスファイト(以下「化合物(4−4)」と略称することがある)、ジイソデシルペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト等が挙げられる。これらの中でも、化合物(4−1)、化合物(4−2)および化合物(4−3)が好ましい。化合物(4−1)は「アデカスタブ(登録商標)PEP−36」(アデカ社製)として、化合物(4−2)は「ウルトラノックス(登録商標)626」(GEプラスチック社製)として、化合物(4−3)は「ドーヴァーフォスS9228T」(ドーヴァーケミカル社製)として、化合物(4−4)は「アデカスタブ(登録商標)PEP−8」(アデカ社製)として市販されている。
次に、化合物(5)について説明する。化合物(5)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。式(5)中の各R13および各R14は、それぞれ独立に、水素原子、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。R13およびR14のC1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基およびC7−12アラルキル基としては、上述のものが挙げられる。R13は六つ存在するが、各R13は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R14も同様である。R13およびR14の位置は、Lが結合しているベンゼン環の炭素原子の位置をそれぞれ1位とした場合、3位および5位であることが好ましい。各R13および各R14は、それぞれ独立に、好ましくはC1−9アルキル基、より好ましくはt−ブチル基である。
式(5)中の各Lは、それぞれ独立に、単結合、硫黄原子または式(5a)で示される2価の基を表し、式(5a)中のR15およびR16は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1−7アルキル基を表す。Lは三つ存在するが、各Lは、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。
1−7アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1−7アルキル基の炭素数は、好ましくは1以上3以下である。R15およびR16の炭素数合計は、好ましくは3以下である。C1−7アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等が挙げられる。
2価の基(5a)としては、例えば、−CH−、−CH(CH)−、−CH(C)−、−C(CH−、−CH(n−C)−等が挙げられる。
各Lは、好ましくは−CH−または単結合、より好ましくは単結合である。
式(5)中の各Lは、それぞれ独立に、C2−8アルキレン基を表す。Lは三つ存在するが、各Lは、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。
2−8アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基(−CH(CH)CH−、−CHCH(CH)−)、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基が挙げられる。
各Lは、それぞれ独立に、好ましくは、エチレン基またはトリメチレン基、より好ましくはエチレン基である。
化合物(5)としては、6,6’,6”−[ニトリロトリス(エチレンオキシ)]トリス(2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン)(以下「化合物(5−1)」と略称することがある)が好ましい。化合物(5−1)は「イルガフォス(登録商標)12」(BASFジャパン社製)として市販されている。
次に、化合物(6)について説明する。化合物(6)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。式(6)中の各R17および各R18は、それぞれ独立に、水素原子、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。R17およびR18のC1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基およびC7−12アラルキル基としては、上述のものが挙げられる。R17は二つ存在するが、各R17は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R18も同様である。R17およびR18の位置は、Lが結合しているベンゼン環の炭素原子の位置をそれぞれ1位とした場合は3位および5位であること(即ち、Oが結合しているベンゼン環の炭素原子の位置をそれぞれ1位とした場合は2位および4位であること)が好ましい。各R17および各R18は、それぞれ独立に、好ましくはC1−9アルキル基、より好ましくはt−ブチル基である。
式(6)中のR19は、C1−8アルキル基またはフェニル基を表す。R19のフェニル基は、置換基として、C1−9アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基およびC7−12アラルキル基からなる群から選ばれる少なくとも一つを有していてもよい。R19のC1−8アルキル基および置換基を有するフェニル基としては、上述のものが挙げられる。但し、R19のC1−8アルキル基の炭素数は、好ましくは4以上8以下である。R19は、好ましくはC1−8アルキル基、より好ましくはオクチル基である。
式(6)中のLは、単結合、硫黄原子または式(6a)示される2価の基を表し、式(6a)中のR20およびR21は、これらの炭素数合計が7以下であることを条件として、それぞれ独立に、水素原子またはC1−7アルキル基を表す。R20およびR21のC1−7アルキル基としては、上述のものが挙げられる。R20およびR21の炭素数合計は、好ましくは3以下である。2価の基(6a)の具体例としては、2価の基(5a)と同じものが挙げられる。Lは、好ましくは−CH−または単結合、より好ましくは−CH−である。
化合物(6)としては、例えば、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト(以下「化合物(6−1)」と略称することがある)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)2−エチルヘキシルホスファイト等が挙げられる。これらの中で化合物(6−1)が好ましい。化合物(6−1)は「アデカスタブ(登録商標)HP−10」(アデカ社製)として市販されている。
次に、化合物(7)について説明する。化合物(7)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。式(7)中の各R22、各R23、R25およびR26は、それぞれ独立に、水素原子、C1−8アルキル基、C5−8シクロアルキル基、C6−12アルキルシクロアルキル基、C7−12アラルキル基またはフェニル基を表す。R22は二つ存在するが、各R22は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R23も同様である。
1−8アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1−8アルキル基の炭素数は、好ましくは1以上5以下である。C1−8アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、イソオクチル基(6−メチルヘプチル基とも呼ばれる)、t−オクチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基とも呼ばれる)、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
5−8シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基が挙げられる。
6−12アルキルシクロアルキル基としては、例えば、1−メチルシクロペンチル基、2−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、1−メチル−4−イソプロピルシクロヘキシル基等が挙げられる。
7−12アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、α−メチルベンジル基(1−フェニルエチル基とも呼ばれる)、α,α−ジメチルベンジル基(1−メチル−1−フェニルエチル基またはクミル基とも呼ばれる)等が挙げられる。
各R22およびR25は、それぞれ独立に、好ましくは、C1−8アルキル基(より好ましくは3級炭素原子を有するC4−8アルキル基)、C5−8シクロアルキル基(より好ましくはシクロヘキシル基)またはC6−12アルキルシクロアルキル基(より好ましくは1−メチルシクロヘキシル基)である。3級炭素原子を有するC4−8アルキル基としては、t−ブチル基、t−ペンチル基およびt−オクチル基がさらに好ましい。
各R23は、それぞれ独立に、好ましくはC1−8アルキル基、C5−8シクロアルキル基またはC6−12アルキルシクロアルキル基であり、より好ましくはC1−5アルキル基である。C1−5アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。C1−5アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基等が挙げられる。各R23は、それぞれ独立に、メチル基、t−ブチル基またはt−ペンチル基であることがさらに好ましい。
26は、好ましくは水素原子またはC1−5アルキル基であり、より好ましくは水素原子またはメチル基である。なお、R26のC1−5アルキル基としては上述のものが挙げられる。
式(7)中の各R24は、それぞれ独立に、水素原子またはC1−8アルキル基を表す。R24は二つ存在するが、各R24は、互いに同じものでも、異なるものでもよく、好ましくは同じものである。各R24は、好ましくは水素原子またはC1−5アルキル基であり、より好ましくはメチル基または水素原子である。なお、R24のC1−8アルキル基およびC1−5アルキル基としては上述のものが挙げられる。
式(7)中のLは、単結合、硫黄原子または式(7a)で示される2価の基を表し、式(7a)中のR27は、水素原子、C1−8アルキル基またはC5−8シクロアルキル基を表す。R27は、好ましくは水素原子またはC1−5アルキル基である。なお、R27のC1−8アルキル基、C1−5アルキル基およびC5−8シクロアルキル基としては上述のものが挙げられる。Lは、好ましくは単結合または2価の基(7a)であり、より好ましくは単結合である。
式(7)中のLは、C2−8アルキレン基または式(7b)示される2価の基を表し、式(7b)中のLは、単結合またはC1−8アルキレン基を表す。C2−8アルキレン基およびC1−8アルキレン基は、いずれも、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。C2−8アルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基(−CH(CH)CH−、−CHCH(CH)−)、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基等が挙げられ、プロピレン基が好ましい。C1−8アルキレン基としては、例えば、メチレン基および上述のC2−8アルキレン基等が挙げられる。
は、好ましくは、C2−8アルキレン基、Lが単結合である2価の基(7b)(即ち、カルボニル基)、またはLがエチレン基である2価の基(7b)であり;より好ましくはC2−8アルキレン基であり;さらに好ましくはトリメチレン基である。
式(7)中のZおよびZのいずれか一方は、ヒドロキシ基、C1−8アルキル基、C1−8アルコキシ基またはC7−12アラルキルオキシ基を表し、他方は、水素原子またはC1−8アルキル基を表す。なお、ZおよびZのC1−8アルキル基としては上述のものが挙げられる。
1−8アルコキシ基は、直鎖状でも分枝鎖状でもよい。C1−8アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、t−ペンチルオキシ基、イソオクチルオキシ基(6−メチルヘプチルオキシ基とも呼ばれる)、t−オクチルオキシ基(1,1,3,3−テトラメチルブチルオキシ基とも呼ばれる)、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
7−12アラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、α−メチルベンジルオキシ基、α、α−ジメチルベンジルオキシ基等が挙げられる。
およびZのいずれか一方がヒドロキシ基であり、他方が水素原子であることが好ましい。
置換基の好ましい組合せとしては、各R22およびR25が、それぞれ独立に、3級炭素原子を有するC4−8アルキル基、シクロヘキシルまたは1−メチルシクロヘキシル基であり、各R23が、それぞれ独立にC1−5アルキル基であり、各R24が、それぞれ独立に水素原子またはC1−5アルキル基であり、R26が水素原子またはC1−5アルキル基であり、Lが単結合であり、LがC2−8アルキレン基であり、ZおよびZのいずれか一方がヒドロキシ基であり、他方が水素原子である組合せが挙げられる。この好ましい組合せにおいて、各R22は互いに同じものであることがより好ましい。各R23および各R24も同様である。また、この好ましい組合せにおいて、各R22、各R24およびR25は、共通して、t−ブチル基またはt−ペンチル基(特にt−ブチル基)であることがさらに好ましい。
化合物(7)としては、例えば、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ペンチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−12−メチル−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジメチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,10−ジエチル−4,8−ジ−t−ブチル−6−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[2,2−ジメチル−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
化合物(7)の中でも、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン(以下「化合物(7−1)」と略称することがある)が好ましい。化合物(7−1)は「スミライザー(登録商標)GP」(住友化学社製)として市販されている。
化合物(7)は、市販品を使用するか、または公知の方法(例えば特開平10−273494号公報に記載の方法)に準じて製造することができる。
化合物(2)〜化合物(7)の中では、化合物(2)および化合物(7)が好ましい。本発明の繊維が、化合物(2)〜化合物(7)からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有する場合、繊維中のこれらの含有量(二つ以上の場合はこれらの合計量)は、紡糸時の操業の安定性および繊維の力学的物性の観点から、好ましくは0.001〜3重量%、より好ましくは0.02〜2重量%である。
その他のリン系酸化防止剤としては、例えば、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ジイソデシル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル) ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル) ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル) ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル) ペンタエリスリトール ジホスファイト、トリステアリル
ソルビトール トリホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) 2−エチルヘキシル ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フルオロ ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル) エチル ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル) メチル ホスファイト、2−(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−5−エチル−5−ブチル−1,3,2−オキサホスホリナン、2,2’,2”−ニトリロ[トリエチル−トリス(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト]等が挙げられる。
ヒドロキノン系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ペンチルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル ステアレート、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル) アジペート等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル 3,3’−チオジプロピオネート、トリデシル 3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ラウリル ステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ネオペンタンテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、以下の[1]〜[3]に記載するもの等が挙げられる。
[1]フェニル サリシレート、4−t−ブチルフェニル サリシレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、4−t−オクチルフェニル サリシレート、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、ヘキサデシル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ−t−ブチルフェニル 3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエートなどのサリシレート誘導体。
[2]2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどの2−ヒドロキシベンゾフェノン誘導体。
[3]2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−t−ペンチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[(3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールと2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールとの混合物、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス[4−t−ブチル−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、ポリ(3〜11)(エチレングリコール)と2−[3’−t−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールとの縮合物、ポリ(3〜11)(エチレングリコール)とメチル 3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物、2−エチルヘキシル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、オクチル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、メチル 3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート、3−[3−t−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸などの2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体。
光安定剤としては、例えば、以下の[1]〜[5]に記載するもの等が挙げられる。
[1]ヒンダードアミン系光安定剤、例えば、以下の[a]〜[c]に記載するもの等。
[a]ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル メタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート。
[b]1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび1−トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールおよび1−トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールおよび3、9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールおよび3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物。
[c]ジメチルサクシネートと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの重縮合物、N,N’,4,7−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10ジアミン、N,N’,4−トリス[4,6−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、N,N’,4,7−テトラキス[4,6−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、N,N’,4−トリス[4,6−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン。
[2]エチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、イソオクチル α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル α−カルボメトキシシンナメート、メチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチル α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチル α−カルボメトキシ−p−メトキシシンナメートおよびN−(β−カルボメトキシ−β−シアノビニル)−2−メチルインドリンなどのアクリレート系光安定剤。
[3]2,2’−チオビス−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ケトキシムのニッケル錯体などのニッケル系光安定剤。
[4]4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルアニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−t−ブチルアニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エトキシアニリド、2−エトキシ−5,4’−ジ−t−ブチル−2’−エチルオキサニリドなどのオキサミド系光安定剤。
[5]2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン系光安定剤。
安定剤としては、例えば、N,N−ジベンジルヒドロキシアミン、N,N−ジエチルヒドロキシアミン、N,N−ジオクチルヒドロキシアミン、N,N−ジラウリルヒドロキシアミン、N,N−ジテトラデシルヒドロキシアミン、N,N−ジヘキサデシルヒドロキシアミン、N,N−ジオクタデシルヒドロキシアミン、N−ヘキサデシル−N−オクタデシルヒドロキシアミン、N−ヘプタデシル−N−オクタデシルヒドロキシアミンなどのヒドロキシアミン類等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、パラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、C8−22脂肪酸、C8−22脂肪酸の金属(Al、Ca、Mg、Zn)塩、C8−22脂肪族アルコール、ポリグリコール、C4−22脂肪酸とC4−18脂肪族1価アルコールとのエステル、C8−22脂肪族アミド、シリコーン油、ロジン誘導体等が挙げられる。
本発明の繊維は、
(A)熱可塑性ポリマーと、
(B)化合物(1)と、
(C)化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物と、
(D)必要に応じて、他の添加剤と
を含有する熱可塑性ポリマー組成物を口金から吐出させることを含む方法により製造することができる。本発明の繊維の製造方法としては、乾式紡糸法、湿式紡糸法および溶融紡糸法が挙げられ、溶融防止法が好ましい。口金から吐出させて得られる繊維ないし糸状物は、紡糸筒等で受けることが好ましい。また、得られた繊維をさらに延伸してもよい。得られた繊維は、ワインダーで巻き取ることが好ましい。
乾式紡糸法とは、熱可塑性ポリマー組成物を溶剤に溶解させ、得られた溶液を口金から加熱雰囲気中に吐出させ、得られた糸状物を加熱乾燥させて繊維を製造する方法である。加熱雰囲気は、好ましくは、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気である。なお、不活性ガスは、水分などを含んでいてもよい。
湿式紡糸法とは、熱可塑性ポリマー組成物を溶剤に溶解させ、得られた溶液を口金から吐出させ、得られた糸状物を凝固浴中に通過させて繊維を製造する方法である。得られた繊維を、さらに、洗浄し、加熱乾燥し、延伸してもよい。凝固浴に特に限定は無く、例えば、水、メタノール、アセトン等の有機溶剤、有機物および/または無機物の水溶液(有機溶剤の水希釈物を含む)等が挙げられる。凝固浴は、好ましくは水或いは有機物および/または無機物の水溶液であり、より好ましくは水または有機溶剤の水希釈物であり、さらに好ましくは水である。
溶融紡糸法とは、熱可塑性ポリマー組成物を溶融して、口金から吐出させ、冷却(放冷を含む)して繊維を製造する方法である。冷却後に得られた繊維を、さらに延伸してもよい。
本発明の繊維は、
(a)化合物(1)と、化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物と、使用予定量の一部の熱可塑性ポリマーと、必要に応じて他の添加剤とを混合することによって、繊維製造用マスターバッチを調製し、
(b)該マスターバッチと、残りの熱可塑性ポリマーと、必要に応じて他の添加剤とを混合することによって、熱可塑性ポリマー組成物を調製し、
(c)該熱可塑性ポリマー組成物を口金から吐出させる
ことを含む方法によっても製造することができる。
繊維の製造に用いる熱可塑性ポリマー組成物中における化合物(1)と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物との合計量は、熱可塑性ポリマー100重量部に対して、好ましくは0.001〜10重量部、より好ましくは0.001〜3重量部、さらに好ましくは0.02〜2重量部、特に好ましくは0.02〜1重量部である。また、繊維製造用マスターバッチ中における化合物(1)と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物との合計量は、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは5〜35重量部、さらに好ましくは10〜20重量部である。繊維製造用マスターバッチと残りの熱可塑性ポリマーとを混合して熱可塑性ポリマー組成物を調製する場合、繊維製造用マスターバッチの使用量は、残りの熱可塑性ポリマー100重量部あたり、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。
熱可塑性ポリマー組成物中における化合物(1)と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物との重量比(即ち、化合物(1):化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物)は、好ましくは1000:1〜1:100、より好ましくは1000:1〜1:10、特に好ましくは1000:1〜1:1である。繊維製造用マスターバッチ中における重量比も、上述の熱可塑性ポリマー組成物における場合と同じである。
本発明の繊維の繊度は、0.01〜1000dtexであり、好ましくは0.05〜500dtexであり、より好ましくは0.1〜100dtexである。
以下、実施例、比較例および参考例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の「部」は、特に説明がない限り、「重量部」を意味する。
化合物(1)として、以下のものを用いた。
化合物(1−a):3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(住友化学社製、スミライザー(登録商標)GA−80)
化合物(1−b):トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸(サイテック・インダストリーズ社製、サイアノックス(登録商標)CY−1790)
化合物(1−c):ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)](BASFジャパン社製、イルガノックス(登録商標)245)
化合物(1−d):N,N’−ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド](BASFジャパン社製、イルガノックス(登録商標)1098)
化合物群Sに含まれる化合物として、以下のものを用いた。
化合物(S−a):myo−イノシトール
化合物(S−b):トレハロース
熱可塑性ポリマーとして、以下のものを用いた。
熱可塑性ポリマー(P−a):ポリウレタン樹脂(日本ミラクトラン製、商品名:KHT−302)
熱可塑性ポリマー(P−b):ナイロン6(宇部興産製、商品名:UBE NYLON
SF1018A、相対粘度3.2)
熱可塑性ポリマー(P−c):ポリエステル樹脂(ベルポリエステル プロダクツ製、商品名:TK3、固有粘度0.65)
実施例1〜3、比較例1および参考例1(ポリウレタン繊維の製造)
(繊維の製造)
化合物(1)、化合物群Sおよび熱可塑性ポリマーを表1の組成でドライブレンドした後に、スクリュー径40mmの単軸押出機にノズル(孔径:0.5mm、孔の数:60個)を装着した紡糸装置を用いて、設定温度C1(シリンダー温度):190℃、C2(シリンダー温度):190℃、C3(シリンダー温度):190℃、AD(アダプター温度):200℃、D(ダイス温度):205℃で紡出させて、冷却して、第一ロールの回転数48m/分、第二ロールの回転数50m/分で、繊度100dtexのスパンデックス繊維(ポリウレタン弾性糸)をワインダーで巻き取った。
(熱処理後の弾性回復率の測定)
得られた長さLの繊維を100℃で1分間熱処理した。その後、島津製作所製オートグラフAGS−20KNGを用いて繊維を200%伸長させて1分間放置した後に、徐重して、3分放置後の繊維の長さLを測定し、下記式(I)から弾性回復率を算出した。結果を表1に示す。
弾性回復率(%)=100×(L−L)/L (I)
Figure 2013231266
実施例4および5、比較例2並びに参考例2(ナイロン6繊維の製造)
(繊維の製造)
化合物(1)、化合物群Sおよび熱可塑性ポリマーを表2の組成でドライブレンドした後に、スクリュー径40mmの単軸押出機にノズル(孔径:0.5mm、孔の数:60個)を装着した紡糸装置を用いて、設定温度C1:270℃、C2:270℃、C3:270℃、AD:27℃、D:270℃で紡出させて、冷却して、温度85℃の延伸槽で第一ロールの回転数78m/分、第二ロールの回転数21m/分で延伸を行い、125℃の熱セットを行い、繊度7.1dtexのナイロン6繊維を200m/分で巻き取った。
(強度低下率の測定方法)
得られた繊維の熱処理前の引張強度Sと、空気雰囲気下190℃で5分間熱処理した後の引張強度Sとを測定し、下記式(II)から強度低下率を算出した。なお、熱処理前後の引張強度は、島津製作所製オートグラフAGS−20KNGを使用して、つかみ間隔25cm、引張り速度25cm/分の条件で測定した。結果を表2に示す。
強度低下率(%)=100×(S−S)/S (II)
Figure 2013231266
実施例6〜9および参考例3(ポリエステル繊維の製造)
(繊維の製造)
化合物(1)、化合物群Sおよび熱可塑性ポリマーを表3の組成でドライブレンドした後に、スクリュー径40mmの単軸押出機にノズル(孔径:0.5mm、孔の数:60個)を装着した紡糸装置を用いて、設定温度C1:285℃、C2:285℃、C3:285℃、AD:290℃、D:285℃で紡出させて、冷却して、第一ロールの回転数56m/分、第二ロールの回転数205m/分で、繊度6.3dtexのポリエステル繊維をワインダーで巻き取った。
(強度低下率の測定)
得られた繊維の熱水処理前の引張強度Sと、100℃で30分間の熱水処理後の引張強度Sとを測定し、下記式(III)から強度低下率を算出した。なお、熱水処理前後の引張強度は、島津製作所製オートグラフAGS−20KNGを使用して、つかみ間隔25cm、引張り速度25cm/分の条件で測定した。結果を表3に示す。
強度低下率(%)=100×(S−S)/S (III)
Figure 2013231266
実施例10〜17(繊維製造用マスターバッチを用いる繊維の製造)
化合物(1)、化合物群Sおよび熱可塑性ポリマーを表4の組成で溶融混練することにより、繊維製造用マスターバッチが得られる。該マスターバッチ1〜30重量部と、該マスターバッチに含まれるものと同じ熱可塑性ポリマー100重量部とをドライブレンドすることにより、熱可塑性ポリマー組成物が得られる。熱可塑性ポリマー(P−a)を含む組成物は実施例1〜3と同様に紡糸することにより、熱可塑性ポリマー(P−b)を含む組成物は実施例4および5と同様に紡糸することにより、熱可塑性ポリマー(P−c)を含む組成物は実施例6〜9と同様に紡糸することにより、繊維を製造することができる。
Figure 2013231266
本発明の繊維は、熱処理後での力学的物性(弾性回復率、引張強度等)の低下が小さい。

Claims (8)

  1. (A)熱可塑性ポリマーと、
    (B)式(1):
    Figure 2013231266
    (式中、各Rは、それぞれ独立に、C1−8アルキル基、C6−12アリール基またはC7−18アラルキル基を表す。
    各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−3アルキル基を表す。
    は、m価のC1−26有機基を表す。
    kは、0〜4の整数を表す。
    mは、1〜4の整数を表す。)
    で示される化合物と、
    (C)下記化合物群S:
    (i)グルコース、
    (ii)フルクトース、
    (iii)トレハロース、
    (iv)スクロース、
    (v)ラクトース、
    (vi)マルトース、
    (vii)メレチトース、
    (viii)スタキオース、
    (ix)カードラン、
    (x)グリコーゲン、
    (xi)式(S1):
    Figure 2013231266
    (式中、nは2以上の整数を表す。)
    で示される化合物、
    (xii)Cp+2(OH)(式中、pは4以上の整数を表す。)で示される化合物(S2)、および
    (xiii)C2r(式中、rは3以上の整数を表す。)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびr−1個のヒドロキシ基を有する化合物(S3a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−ORS3(式中、RS3は、C1−12アルキル基を表す。)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(S3)
    から選ばれる少なくとも一つの化合物と、
    を含有する繊維。
  2. 式(1)で示される化合物が、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸][エチレンビス(オキシエチレン)]およびトリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の繊維。
  3. 式(1)で示される化合物が、式(1−1):
    Figure 2013231266
    (式中、各Rおよび各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−6アルキル基を表す。
    は、m価のC1−24有機基を表す。
    mは、1〜4の整数を表す。)
    で示される化合物である請求項1に記載の繊維。
  4. 式(1)で示される化合物と化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物との合計量が、熱可塑性ポリマー100重量部に対して0.001〜3重量部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維。
  5. 化合物群Sから選ばれる少なくとも一つの化合物が、トレハロースおよび式(S1)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維。
  6. 熱可塑性ポリマーが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維。
  7. nが5である請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維。
  8. (A)熱可塑性ポリマーと、
    (B)式(1):
    Figure 2013231266
    (式中、各Rは、それぞれ独立に、C1−8アルキル基、C6−12アリール基またはC7−18アラルキル基を表す。
    各Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1−3アルキル基を表す。
    は、m価のC1−26有機基を表す。
    kは、0〜4の整数を表す。
    mは、1〜4の整数を表す。)
    で示される化合物と、
    (C)下記化合物群S:
    (i)グルコース、
    (ii)フルクトース、
    (iii)トレハロース、
    (iv)スクロース、
    (v)ラクトース、
    (vi)マルトース、
    (vii)メレチトース、
    (viii)スタキオース、
    (ix)カードラン、
    (x)グリコーゲン、
    (xi)式(S1):
    Figure 2013231266
    (式中、nは2以上の整数を表す。)
    で示される化合物、
    (xii)Cp+2(OH)(式中、pは4以上の整数を表す。)で示される化合物(S2)、および
    (xiii)C2r(式中、rは3以上の整数を表す。)で示され、1個のアルデヒド基またはケトン基およびr−1個のヒドロキシ基を有する化合物(S3a)の少なくとも1個のヒドロキシ基が−ORS3(式中、RS3は、C1−12アルキル基を表す。)で示されるアルコキシ基で置き換わった化合物(S3)
    から選ばれる少なくとも一つの化合物と、
    を含有する熱可塑性ポリマー組成物を口金から吐出させることを含む、繊維の製造方法。
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