JP2013230952A - 紫外可視域透過ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外領域から可視領域の光に対して透過率が高く、かつ紫外線照射後において透過率の減少が抑制されたガラスを提供する。
【解決手段】ガラス全体量を100重量%とし、
(1)SiO:20〜70重量%、
(2)Al:2〜30重量%、
(3)B:15〜40重量%、
(4)R O(但し、RはLi、Na、K、Rb又はCs):5〜20重量%、
(5)RO(但し、RはMg、Ca、Sr、Ba又はZn):0〜15重量%、
(6)As及び/又はSb:0〜1重量%、
を含有し、
前記B及び前記Alの合計モル数と、前記R O及び前記ROの合計モル数との比が2.5:1〜3.5:1であり、
前記Alのモル数と、前記R O及びROの合計モル数との比が1:1である、
ことを特徴とする紫外可視域透過ガラス。
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外領域から可視領域の光に対して透過率が高く、かつ紫外線照射後において前記透過率の減少が抑制されているガラスに関する。
従来、紫外線(紫外光)を透過させるガラスとして、石英ガラス(SiOガラス)がある。この石英ガラスは、耐光性、耐熱性、耐食性に優れ、紫外領域(紫外域)から近赤外領域の光に対して非常に高い透光性を有する。この石英ガラスの製造方法として、水晶の粉末を2000℃以上で溶融、冷却しガラス化する方法が挙げられる。しかしながら、前記記載の製造方法では、非常に高い温度で溶融させなければならず、製造しにくいという欠点がある。また、上記製造方法以外の石英ガラス製造方法として、CVD法やゾル−ゲル法などが挙げられる。しかしながら、CVD法やゾル−ゲル法では、大きなバルク体(塊)を得ることが困難である。
また、紫外線を透過するガラスとして、ケイ酸塩ガラスにV、Fe、CeO又はTiOを含有するガラスが知られている(特許文献1、2及び3)。しかしながら、これらのガラスは積極的に紫外線を透過させることを目的としておらず、可視光線(可視光)をできるだけ透過させることを目的としている。実際に、当該ガラスは波長350nmの光の透過率を30%以下に抑えているだけであって、一部の紫外線については遮断(吸収)してしまうという問題がある。
一方、紫外線及び可視光線を効率よく透過させるガラスとして、ホウケイ酸塩ガラスに、FやClを含有したガラスが知られている(特許文献4、5)。当該ガラスは、紫外領域から可視領域(可視域)の光をより多く透過し、かつ耐食性に優れたガラスである。しかしながら、当該ガラスはF(フッ素)を含有するため、製造する際に大規模で複雑な製造装置が必要である。また、当該ガラスにフッ素を除外したガラスにおいても、紫外領域から可視領域の光をより多く透過するガラスを作製することはできる(特許文献6)。しかしながら、このようなフッ素を除外したガラスは、長時間紫外線を含む光を照射すると、紫外線のエネルギーによってガラスの非架橋酸素の電子が欠落する。その結果、ガラスが着色してしまい、紫外領域から可視領域の光に対して透過率が減少する(いわゆるソラリゼーション)という問題が生じる。
また、紫外線及び可視光線を効率よく透過させるガラスとして、アルミノケイ酸塩ガラスが挙げられる(特許文献7)。当該ガラスは、紫外領域から可視領域の光をより多く透過するガラスである。しかしながら、当該ガラスもまた、長時間紫外線を含む光を照射すると、紫外線のエネルギーによってガラスが着色してしまい、紫外領域から可視領域の光に対して透過率が減少するという問題が生じる。しかも、当該ガラス組成では、1450℃以上の溶融温度を必要とし、高い粘性のためにガラス成形しにくいという問題がある。
特開昭61−270234 特開平6−56467 特開昭63−248738 特開平6−157067 特開昭64−79035 特開平3−218940 特開2007−137705
本発明は、紫外領域から可視領域の光に対して透過率が高く、かつ紫外線照射後において透過率の減少が抑制されたガラスを提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定組成のガラスによれば上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の紫外可視域透過ガラスに関する。
1. ガラス全体量を100重量%とし、
(1)SiO:20〜70重量%、
(2)Al:2〜30重量%、
(3)B:15〜40重量%、
(4)R O(但し、RはLi、Na、K、Rb又はCs):5〜20重量%、
(5)RO(但し、RはMg、Ca、Sr、Ba又はZn):0〜15重量%、
(6)As及び/又はSb:0〜1重量%、
を含有し、
前記B及び前記Alの合計モル数と、前記R O及び前記ROの合計モル数との比が2.5:1〜3.5:1であり、
前記Alのモル数と、前記R O及びROの合計モル数との比が1:1である、
ことを特徴とする紫外可視域透過ガラス。
2. Fe、WO、PbO、CeO及びTiOの合計含有量が50重量ppm以下である、上記項1に記載の紫外可視域透過ガラス。
3. 厚さ2.5mmの前記紫外可視域透過ガラスに、波長200〜800nmの光を入射して透過率を測定した場合に、透過率5%の波長と透過率72%の波長との中心波長が220〜290nmの範囲にあり、
透過率5%の波長と透過率72%の波長との間隔が40nm以内である、
上記項1又は2に記載の紫外可視域透過ガラス。
4. 厚さ2.5mmの前記紫外可視域透過ガラスに対して波長300nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記透過率が60%以上であって、
紫外線を照射した後の前記紫外可視域透過ガラスに対して波長300nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記紫外線照射前を基準として前記透過率の減少が5%以下である、
上記項1又は2に記載の紫外可視域透過ガラス。
5. 厚さ2.5mmの前記紫外可視域透過ガラスに対して波長355nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記透過率が85%以上であって、
紫外線を照射した後の前記紫外可視域透過ガラスに対して波長355nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記紫外線照射前を基準として前記透過率の減少が3%以下である、
上記項1又は2に記載の紫外可視域透過ガラス。
以下、本発明の紫外可視域透過ガラスについて詳細に説明する。
紫外可視域透過ガラス
本発明の紫外可視域透過ガラスは、ガラス全体量を100重量%とし、酸化物組成として、
(1)SiO:20〜70重量%、
(2)Al:2〜30重量%、
(3)B:15〜40重量%、
(4)R O(但し、RはLi、Na、K、Rb又はCs):5〜20重量%、
(5)RO(但し、RはMg、Ca、Sr、Ba又はZn):0〜15重量%、
(6)As及び/又はSb:0〜1重量%
を含有し、
前記B及び前記Alの合計モル数と、前記R O及び前記ROの合計モル数との比が2.5:1〜3.5:1であり、
前記Alのモル数と、前記R O及びROの合計モル数との比が1:1である、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の紫外可視域透過ガラスは、紫外領域から可視領域の光(紫外線及び可視光線)に対して透過率が高い。また、本発明の紫外可視域透過ガラスは、紫外線照射後において前記透過率の減少が抑制されている。即ち、紫外線照射後においても前記透過率が高い。
多成分系ガラス材料においては、各成分が相互に影響して、ガラス材料の固有の特性を決定するため、各成分の量的範囲を各成分の特性に応じて論じることは必ずしも妥当ではないが、以下に、上記組成において各成分の量的範囲を規定した根拠を述べる。
SiOは、ガラス網目を構成する成分である。また化学的耐久性を向上させる成分である。SiOの含有量は20〜70重量%であり、30〜60重量%が好ましい。SiOの含有量が70重量%を超える場合、ガラスの溶融性が悪化するおそれがある。SiOの含有量が20重量%未満の場合、化学的耐久性が不充分で変色の原因となるおそれがある。
Alは、ガラスの失透を抑制し、化学的耐久性を高める成分である。Alの含有量は2〜30重量%であり、5〜30重量%が好ましい。Alの含有量が30重量%を超える場合、ガラスの溶融性が悪くなり、失透し易くなる。Alの含有量が2重量%未満の場合、十分な効果が得られ難い。
は、ガラス網目を構成する主成分である。またガラスの溶融性を向上させる成分である。Bの含有量は15〜40重量%であり、20〜40重量%が好ましい。Bの含有量が40重量%を超える場合、ガラスの化学的耐久性が不十分となるおそれがある。Bの含有量が15重量%未満の場合、光透過特性及びガラスの溶融性が悪化するおそれがある。
O(但し、RはLi、Na、K、Rb又はCs)は、ガラスの溶融性を向上させる成分である。また、これらの成分は、一種又は二種以上で使用できる。これらの含有量は、合計量で5〜20重量%であり、7〜20重量%が好ましい。R Oの含有量が20重量%を超える場合、ガラスの化学的耐久性が不十分となるおそれがある。R Oの含有量が5重量%未満の場合、ガラスの溶融性が不十分となるおそれがある。
O(但し、RはMg、Ca、Sr、Ba又はZn)は、ガラスの化学的耐久性を向上させる成分である。これらの成分は、一種又は二種以上で使用できる。これらの含有量は、合計量で0〜15重量%であり、0〜10重量%が好ましい。これらの含有量が15重量%を超える場合、ガラスの溶融性が低下するおそれがある。
As及び/又はSbは、ガラスの清澄剤として作用する。これらの成分は、一種又は二種以上で使用できる。これらの含有量は、合計量で0〜1重量%であり、0〜0.5重量%が好ましい。これらの含有量が1重量%を超える場合、ガラスの溶融性が悪くなるおそれがある。
また、B及びAlの合計モル数(以下、当該合計モル数をMA+Bともいう)と、R O及びROの合計モル数(以下、当該合計モル数をMR1+R2ともいう)との比は、MA+B:MR1+R2=2.5:1〜3.5:1(モル比)である。当該モル比が上記範囲内にあることにより、ガラス形成を容易にし、かつ化学的耐久性が向上されるという効果が奏される。MR1+R21モルに対してMA+Bが3.5モルを超える場合、化学的耐久性が不充分となるおそれがある。MR1+R21モルに対してMA+Bが2.5モル未満である場合、ガラスの溶融性が悪化するおそれがある。
また、Alのモル数(以下、当該モル数をMともいう)と、R O及びROの合計モル数(MR1+R2)との比は、M:MR1+R2=1:1(モル比)である。当該モル比が1:1であることにより、紫外線照射後において紫外領域から可視領域の光を照射したときの透過率の減少を抑制する効果が奏される。MR1+R21モルに対してMが1モルを超える場合、もしくはMR1+R21モルに対してMが1モル未満である場合、紫外線照射後において紫外領域から可視領域の光を照射したときの透過率が減少するおそれがある。
その他、本発明の紫外可視域透過ガラスは、任意成分として、Fe、WO、PbO、CeO及びTiOからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有しても良い。これらの成分は、透過率5%の波長(λ)と透過率72%の波長(λ)との中心波長の選択等の目的で、ガラス全体量を100重量%として、合計で50重量ppm以下となるように適宜含有することができる。
本発明の紫外可視域透過ガラスの好適な実施態様(実施態様1)としては、厚さ2.5mmの紫外可視域透過ガラスに、波長200〜800nmの光を入射して透過率を測定した場合に、透過率5%の波長(λ)と透過率72%の波長(λ)との中心波長(透過限界波長)((λ+λ)/2)が220〜290nmの範囲にあり、透過率5%の波長(λ)と透過率72%の波長(λ)との間隔(λ−λ)が40nm以内である紫外可視域透過ガラスが挙げられる。当該紫外可視域透過ガラスは、前記中心波長((λ+λ)/2)が220〜290nmの範囲にあるため、紫外領域から可視領域の光に対して透過率が高い。また、当該紫外可視域透過ガラスは、前記間隔(λ−λ)が40nm以内であるため、可視光線と紫外線の境界付近で波長傾斜幅が狭いシャープな遮断機能を有する。
本発明の紫外可視域透過ガラスの好適な実施態様(実施態様2)としては、厚さ2.5mmの紫外可視域透過ガラスに対して波長300nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記透過率が60%以上であって、紫外線を照射した後の前記紫外可視域透過ガラスに対して波長300nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記紫外線照射前を基準として前記透過率の減少が5%以下である紫外可視域透過ガラスが挙げられる。当該紫外可視域透過ガラスは、波長300nmの光を入射したときの透過率が60%以上であるため、紫外領域から可視領域の光に対して透過率が高い。また、当該紫外可視域透過ガラスは、紫外線を照射した後の前記紫外可視域透過ガラスに対して波長300nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記紫外線照射前を基準として前記透過率の減少が5%以下であるため、紫外線照射後において紫外領域から可視領域の光を照射したときの透過率の減少が抑制されている。
本発明の紫外可視域透過ガラスの好適な実施態様(実施態様3)としては、厚さ2.5mmの紫外可視域透過ガラスに対して波長355nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記透過率が85%以上であって、紫外線を照射した後の前記紫外可視域透過ガラスに対して波長355nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記紫外線照射前を基準として前記透過率の減少が3%以下である紫外可視域透過ガラスが挙げられる。当該紫外可視域透過ガラスは、波長355nmの光を入射したときの透過率が85%以上であるため、紫外領域から可視領域の光に対して透過率が高い。また、当該紫外可視域透過ガラスは、紫外線を照射した後の前記紫外可視域透過ガラスに対して波長355nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記紫外線照射前を基準として前記透過率の減少が3%以下であるため、紫外線照射後において紫外領域から可視領域の光を照射したときの透過率の減少が抑制されている。
前記実施態様2又は3において、紫外線の照射とは、例えば80mW/cmの紫外線を100時間程度照射することが挙げられる。
本発明の紫外可視域透過ガラスの用途は限定的ではないが、例えば、下記が挙げられる。
(1)紫外線殺菌ランプ用ガラス材
紫外線殺菌ランプは、殺菌能力が大きい253.7nmの紫外線を発生するランプである。よって使用されるガラス材はこの波長を効率よく透過する必要がある。
本発明の紫外可視域透過ガラスは、紫外線の透過性能が高いため、紫外線殺菌ランプ用ガラス材として使用できる。
(2)光学用フィルター材、証明用フィルター材、レンズ材
紫外線を利用するなどの光学機器類においては、従来、光学用フィルター、照明用フィルター、レンズ材が用いられている。これらの部材は、紫外線の透過効率を高めることにより、紫外域から可視域にかけて広範囲の波長領域の光を利用することができる。
本発明の紫外可視域透過ガラスは、紫外線を選択的且つシャープに透過できる。そのため、紫外線を効率よく得るために有利な光学用フィルター材、照明用フィルター、レンズ材等として使用することができる。
(3)フォトレジスト露光用ガラス材料
紫外線感光用フォトレジストを用いた、基板へのパターニングには、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の、高エネルギーの紫外線を照射する光源を用いる。かかる高エネルギー紫外線は、紫外線露光に不可欠ではある。
本発明の紫外可視域透過ガラスは、かかる露光装置における紫外線透過用ガラス材として有用である。紫外線露光用ガラス材として用いることにより、各種マイクロデバイス(トランジスタ、水晶振動子、リードフレーム、シリコンウェハー等、各種光学素子に、効率よく露光し、パターニングを形成することが可能である。
(4)紫外線硬化型樹脂用露光装置におけるガラス材
紫外線硬化型樹脂を硬化させるためには、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の、高エネルギーの紫外線を照射する光源を用いる。かかる高エネルギー紫外線は、樹脂の硬化に不可欠ではある。
本発明の紫外可視域透過ガラスは、かかる硬化設備における紫外線透過用ガラス材として有用である。紫外線露光用ガラス材として用いることにより、液晶ガラスの張り合わせ封止やCD、DVDドライブの光ピックアップレンズや電子製品の接着等を効率よく行うことが可能となる。
紫外可視域透過ガラスの製造方法
本発明の紫外可視域透過ガラスの製造方法は特に限定されず、上記所定の組成となるように原料を配合し、公知のガラス製造方法に従って処理すればよい。
ガラス中の各成分の原料(ガラス原料)としては特に限定されないが、各金属の酸化物、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、水酸化物等が挙げられる。
紫外可視域透過ガラスの製造に際しては、例えば、最終的に所定の組成となるように上記原料を調合し、1200〜1500℃程度の温度で溶融・撹拌・清澄後、型に流し込み、冷却中又は冷却後、450〜700℃程度の温度で0.1〜5時間程度熱処理を行ない、切断、研磨等の加工を経る。
冷却・熱処理工程では、ガラスに熱的歪みが生じないように温度条件を管理することが好ましい。冷却速度としては10〜100℃/hr程度が好ましく、30〜50℃/hr程度がより好ましい。加熱速度としては10〜100℃/hr程度が好ましく、30〜70℃/hr程度がより好ましい。
本発明の紫外可視域透過ガラスは、紫外領域から可視領域の光に対して透過率が高く、かつ紫外線照射後において前記透過率の減少が抑制されている。
実施例1、比較例1及び比較例2の各ガラスの分光特性を示すグラフである。 実施例1、比較例1及び比較例2の各ガラスの分光特性、並びに当該各ガラスに対してUV照射を100時間行った後の分光特性を示すグラフである。 実施例1、比較例1及び比較例2の各ガラスに対してUV照射した時間と、前記UV照射の後に波長300nmの光を入射したときの透過率との関係を示すグラフである。 実施例1、比較例1及び比較例2の各ガラスに対してUV照射した時間と、前記UV照射の後に波長355nmの光を入射したときの透過率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の紫外可視域透過ガラスを実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は実施例に限定されない。
実施例1、比較例1及び比較例2
下記表1に示される組成となるように、ガラス原料を秤量及び調合した。
原料混合物を、白金坩堝中、1400℃で溶融、清澄及び撹拌した。次に、溶融物を炭素型に流し込み、室温まで冷却した。冷却後、ガラスを切断及び研磨することにより、厚さ(肉厚)2.5mmの紫外可視域透過ガラスを得た。
Figure 2013230952
試験例1:分光特性測定
各ガラスの分光特性を調べた。具体的には、波長200〜800nmの光を照射することにより、各波長における透過率を測定した。実施例1、比較例1及び比較例2で得られた各ガラスの分光特性(波長と透過率(%)との関係)を図1に示す。
表1中、中心波長は、各ガラスの分光特性における透過率5%の波長(λ)と透過率72%の波長(λ)との中心波長((λ+λ)/2)を示す。また、波長傾斜幅は、各分光特性での透過率5%の波長(λ)と透過率72%の波長(λ)との間隔(λ−λ)を示し、波長傾斜幅が小さい方がシャープな遮断機能を有すると評価される。
試験例2:耐ソラリゼーション評価
各ガラスを、ウシオ製メタルハライドランプを使用した80mW/cmの強さの紫外線(UV)を1時間から100時間照射後、30分装置内で自然冷却した。その後、得られた各ガラスに対して上記試験例1と同様の測定を行い、分光特性を調べた。当該分光特性を図2に示す。また、前記UVの照射時間と、前記UV照射の後に波長300nmの光を照射したときの透過率との関係を図3に示す。また、前記UVの照射時間と、前記UV照射の後に波長355nmの光を照射したときの透過率との関係を図4に示す。
照射距離:130mm(ランプ−ハウジング=40mm、ハウジング−サンプル=90mm)。
図1から、実施例1の紫外可視域透過ガラスは、比較例1及び2のガラスよりも紫外領域から可視領域の光に対して透過率が高いことがわかる。
図2から、実施例1の紫外可視域透過ガラスは、比較例1及び2のガラスよりもUV照射による劣化が極めて少ない(即ち、透過率の減少が抑制されている)ことがわかる。
図3から、実施例1の紫外可視域透過ガラスは、比較例1及び2のガラスよりも波長300nmの光の透過率が高く、UV照射の後においても同様に透過率が高いことがわかる。また、実施例1の紫外可視域透過ガラスは、比較例1及び2のガラスよりもUV照射による劣化が極めて少ない(即ち、透過率の減少が抑制されている)ことがわかる。
図4から、実施例1の紫外可視域透過ガラスは、比較例1及び2のガラスよりも波長355nmの光の透過率が高く、UV照射の後においても同様に透過率が高いことがわかる。また、実施例1の紫外可視域透過ガラスは、比較例1及び2のガラスよりもUV照射による劣化が極めて少ない(即ち、透過率の減少が抑制されている)ことがわかる。

Claims (5)

  1. ガラス全体量を100重量%とし、
    (1)SiO:20〜70重量%、
    (2)Al:2〜30重量%、
    (3)B:15〜40重量%、
    (4)R O(但し、RはLi、Na、K、Rb又はCs):5〜20重量%、
    (5)RO(但し、RはMg、Ca、Sr、Ba又はZn):0〜15重量%、
    (6)As及び/又はSb:0〜1重量%、
    を含有し、
    前記B及び前記Alの合計モル数と、前記R O及び前記ROの合計モル数との比が2.5:1〜3.5:1であり、
    前記Alのモル数と、前記R O及びROの合計モル数との比が1:1である、
    ことを特徴とする紫外可視域透過ガラス。
  2. Fe、WO、PbO、CeO及びTiOの合計含有量が50重量ppm以下である、請求項1に記載の紫外可視域透過ガラス。
  3. 厚さ2.5mmの前記紫外可視域透過ガラスに、波長200〜800nmの光を入射して透過率を測定した場合に、透過率5%の波長と透過率72%の波長との中心波長が220〜290nmの範囲にあり、
    透過率5%の波長と透過率72%の波長との間隔が40nm以内である、
    請求項1又は2に記載の紫外可視域透過ガラス。
  4. 厚さ2.5mmの前記紫外可視域透過ガラスに対して波長300nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記透過率が60%以上であって、
    紫外線を照射した後の前記紫外可視域透過ガラスに対して波長300nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記紫外線照射前を基準として前記透過率の減少が5%以下である、
    請求項1又は2に記載の紫外可視域透過ガラス。
  5. 厚さ2.5mmの前記紫外可視域透過ガラスに対して波長355nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記透過率が85%以上であって、
    紫外線を照射した後の前記紫外可視域透過ガラスに対して波長355nmの光を入射して透過率を測定した場合に、前記紫外線照射前を基準として前記透過率の減少が3%以下である、
    請求項1又は2に記載の紫外可視域透過ガラス。
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