JP2013230713A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの初爆の際に駆動軸に生じるトルク変動をより適正に抑制する。
【解決手段】エンジンの始動中にエンジンの初爆が生じる初爆タイミングを含む期間として定められた初爆期間内のときには、第1,第2モータの回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtや第1モータの出力トルクTm1に対して初爆期間外のときの第1時定数T1より小さい第2時定数T2を用いたなまし処理を適用して回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtや出力トルク処理値Tgを演算し(S130,S140)、各処理値を用いてエンジンおよび第1モータから駆動軸への直達トルクTerを推定し(S150,S160)、要求トルクTr*から直達トルクTerを減じることにより第2モータのトルク指令Tm2*を設定する(S170,S180)。これにより、エンジン22の初爆の際に第2モータから駆動軸に出力されるトルクの応答性を高めることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、車両の駆動軸に機械的に連結されたエンジンと、駆動軸に接続された走行用モータと、駆動軸に要求される要求トルクに基づいてエンジンおよび走行用モータからそれぞれエンジン目標トルクおよびモータ目標トルクが出力されるようエンジンおよび走行用モータを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、遊星歯車機構を介して駆動軸に接続されたエンジンと、駆動軸に接続されたモータと、を備え、エンジンを始動する際にエンジンの初爆によって駆動軸に生じるトルク変動を抑制するための抑制トルクをモータから出力するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、モータの回転数に基づいてエンジンの初爆によって生じるモータの回転数変動量を計算し、計算した回転数変動量が値0を中心とする閾値範囲を超えているときには抑制トルクを補正することにより、次回以降のエンジンの始動の際に補正された抑制トルクを用いることでエンジンの初爆の際に駆動軸に生じるトルク変動を抑制している。
特開2007−137228号公報
上述した構成のハイブリッド自動車では、一般に、走行に要求されるパワーやバッテリの状態などに基づいてエンジンから出力すべき目標トルクなどを設定し、エンジンをこの目標トルクなどで運転したときにエンジンから駆動軸に出力されるトルクを駆動軸に要求される要求トルクから減じることによってモータから出力すべき目標トルクを設定し、エンジンから目標トルクが出力されると共にモータからこの目標トルクが出力されるよう制御することが行なわれる。この場合、モータの回転数変動量などの検出値からノイズなどを除去した値を用いて、エンジンから駆動軸に出力されるトルクを推定しようとすると、エンジンの初爆の際に駆動軸に生じるトルク変動を十分に抑制できなくなる場合がある。
本発明のハイブリッド自動車は、エンジンの初爆の際に駆動軸に生じるトルク変動をより適正に抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
車両の駆動軸に機械的に連結されたエンジンと、前記駆動軸に接続された走行用モータと、前記駆動軸に要求される要求トルクに基づいて前記エンジンおよび前記走行用モータからそれぞれエンジン目標トルクおよびモータ目標トルクが出力されるよう前記エンジンおよび前記走行用モータを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
前記エンジンの出力軸の回転角加速度に対応する検出値に所定の緩変化処理を適用して得られる処理値と前記エンジンを含む回転系の慣性モーメントとの積を用いて前記エンジンから前記駆動軸に伝達されるエンジン駆動トルクを推定するエンジン駆動トルク推定手段と、
前記要求トルクから前記推定されたエンジン駆動トルクを減じることにより前記モータ目標トルクを設定するモータ目標トルク設定手段と、
を備え、
前記エンジン駆動トルク推定手段は、前記エンジンの始動中に前記エンジンの初爆が生じる初爆タイミングを含む期間として定められた初爆期間内のときには、前記初爆期間外のときに比して急速に変化する変化程度を用いて前記検出値に前記所定の緩変化処理を適用する手段である、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド自動車では、エンジンの出力軸の回転角加速度に対応する検出値に所定の緩変化処理を適用して得られる処理値とエンジンを含む回転系の慣性モーメントとの積を用いてエンジンから駆動軸に出力されるエンジン駆動トルクを推定し、駆動軸に要求される要求トルクから推定されたエンジン駆動トルクを減じることによりモータ目標トルクを設定する。したがって、エンジンを含む回転系の慣性に基づくトルクが反映されるようにエンジン駆動トルクを推定することができる。また、検出値に所定の緩変化処理を適用して得られる処理値を用いてエンジン駆動トルクを推定するから、検出値をそのまま用いてエンジン駆動トルクを推定するものに比して、検出値の変動をより反映されにくくした状態でモータ目標トルクを設定する、即ちモータ目標トルクをより安定した値に設定することができ、モータから駆動軸に出力されるトルクを制御上より安定させることができる。しかも、要求トルクからエンジン駆動トルクを減じてモータ目標トルクを設定するから、エンジン駆動トルクの変動をモータからのモータ目標トルクの出力によって抑制することができ、駆動軸に生じるトルク変動を抑制することができる。そして、エンジンの始動中にエンジンの初爆が生じる初爆タイミングを含む期間として定められた初爆期間内のときには、初爆期間外のときに比して急速に変化する変化程度を用いて検出値に所定の緩変化処理を適用する。これにより、初爆期間内のときには、初爆期間外のときに比して検出値の変動をより反映されやすくした状態でモータ目標トルクを設定するから、モータから駆動軸に出力されるトルクの応答性を高めることができる。この結果、エンジンの初爆の際に駆動軸に生じるトルク変動をより適正に抑制することができる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、動力を入出力可能な発電用モータと、前記駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記発電用モータの回転軸とに3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、を備え、前記エンジン駆動トルク推定手段は、前記走行用モータの回転角加速度および前記発電用モータの回転角加速度の各検出値に前記所定の緩変化処理を適用した値と前記遊星歯車機構のギヤ比とを用いて得られる前記処理値と前記エンジンを含む回転系の慣性モーメントとの積を用いて前記エンジン駆動トルクを推定すると共に、前記初爆期間内のときには前記初爆期間外のときに比して急速に変化する変化程度を用いて前記各検出値に前記所定の緩変化処理を適用する手段である、ものとすることもできる。
この発電用モータと遊星歯車機構とを備える態様の本発明のハイブリッド自動車において、前記エンジン駆動トルク推定手段は、前記走行用モータの回転角加速度と前記発電用モータの回転角加速度と前記発電用モータの出力トルクとにそれぞれ前記所定の緩変化処理を適用して得られる各値をそれぞれ「dωm/dt」,「dωg/dt」,「Tg」とすると共に前記遊星歯車機構のギヤ比を「ρ」とし、前記遊星歯車機構より前記エンジンの出力軸側の回転系の慣性モーメントと前記遊星歯車機構より前記発電用モータの回転軸側の回転系の慣性モーメントとをそれぞれ「Ie」,「Ig」とした場合、前記エンジンの出力トルク「Te」を次式(1)により算出し、前記エンジン駆動トルク「Ter」を次式(2)により推定する手段である、ものとすることもできる。
Figure 2013230713
また、本発明のハイブリッド自動車において、前記エンジン駆動トルク推定手段は、前記初爆期間内のときには、前記初爆期間外のときに用いる第1の時定数より小さい第2の時定数を用いて前記所定の緩変化処理としてのなまし処理を適用する手段である、ものとすることもできる。なお、エンジン駆動トルク推定手段は、前記所定期間内のときには、前記初爆期間外のときに用いる第1のレートより大きい第2のレートを用いて前記所定の緩変化処理としてのレート処理を適用する手段である、ものとしてもよい。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行されるモータトルク指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン22と、エンジン22を駆動制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22のクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸36に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42を制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、インバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、HVECUという)70と、を備える。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサからのクランクポジションθcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサからの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた圧力センサからの筒内圧力Pin,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブや排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサからのカムポジションθca,スロットルバルブのポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサからのスロットルポジションSP,吸気管に取り付けられたエアフローメータからの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサからの吸気温Ta,排気系に取り付けられた空燃比センサからの空燃比AF,同じく排気系に取り付けられた酸素センサからの酸素信号O2などが入力ポートを介して入力されており、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁への駆動信号やスロットルバルブのポジションを調節するスロットルモータへの駆動信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイルへの制御信号,吸気バルブの開閉タイミングの変更可能な可変バルブタイミング機構への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、エンジンECU24は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力ポートを介して入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。また、モータECU40は、HVECU70と通信しており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転角加速度ωm1,ωm2や回転角加速度dω1/dt,dω2/dt,回転数Nm1,Nm2を演算したりしている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧Vbやバッテリ50の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流Ib,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりHVECU70に送信する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流Ibの積算値に基づいてそのときのバッテリ50から放電可能な電力の容量の全容量に対する割合である蓄電割合SOCを演算したり、演算した蓄電割合SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算したりしている。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の蓄電割合SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。HVECU70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を計算し、この要求トルクTr*に対応する要求動力が駆動軸36に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや、要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード,エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸36に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードとは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸36に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
エンジン運転モードでは、HVECU70は、エンジン運転モード用の図示しない駆動制御ルーチンを実行することにより、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算し、計算した走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定する。そして、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とからなる目標運転ポイントを設定し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によってモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共に、モータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルク(即ち、エンジン22からのトルクを受け止めるモータMG1からのトルクがプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクとしての直達トルク)を要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、設定した目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてはエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行ない、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を効率よく運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。
モータ運転モードでは、HVECU70は、モータ運転モード用の図示しない駆動制御ルーチンを実行することにより、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*を設定し、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を運転停止した状態でバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸36に出力して走行することができる。
エンジン運転モードからモータ運転モードへの切り替えは、エンジン運転モードで、エンジン22の要求パワーPe*がエンジン22を運転停止した方がよい要求パワーPe*の範囲の上限として定められた停止用閾値Pstop以下に至ったときなどに、エンジン22の停止条件が成立したと判定して、エンジン22の運転を停止してモータ運転モードに移行する、ことによって行なわれる。モータ運転モードからエンジン運転モードへの切り替えは、モータ運転モードで、要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Nrを乗じて得られる走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*を減じて得られるエンジン22の要求パワーPe*がエンジン22を始動した方がよい要求パワーPe*の範囲の下限として定められた始動用閾値Pstart以上に至ったときなどに、エンジン22の始動条件が成立したと判定して、エンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する、ことにより行なわれる。エンジン22の始動は、HVECU70によりエンジン始動用の図示しない駆動制御ルーチンを実行することにより、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22をクランキングするためのクランキングトルクをモータMG1から出力すると共にこのトルクの出力に伴って駆動軸36に作用する直達トルクをキャンセルするためのトルクをモータMG2から出力することによってエンジン22をクランキングし、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nest(例えば1000rpm)に至ったときに燃料噴射制御や点火制御などを開始する、ことによって行なわれる。実施例のハイブリッド自動車20では、こうしてエンジン運転モードとモータ運転モードとを切り替えてエンジン22とモータMG1,MG2とを駆動制御することによって、エンジン22の運転と運転停止とを行ないながら(即ち、エンジン22の間欠運転を伴って)走行する。なお、実施例では、駆動軸36に出力される直達トルクは、エンジン22の運転中にはエンジン22の運転を伴ってモータMG1からのトルクがプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクであり、エンジン22の始動中にはエンジン22の回転を伴ってモータMG1からのトルクがプラネタリギヤ30を介して駆動軸36に作用するトルクであるから、エンジン22およびモータMG1から駆動軸36に伝達されるトルクということができる。
次に、実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に走行中にエンジン22が始動されている最中またはエンジン22が始動され運転されている最中の動作について説明する。図2は、HVECU70により実行される、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定するためのモータトルク指令設定ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン始動用またはエンジン運転モード用の図示しない駆動制御ルーチンの一部の処理として所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
モータトルク指令設定ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1,駆動軸36に出力すべき要求トルクTr*,モータMG1のトルク指令Tm1*,モータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2max,現在がエンジン22の初爆が生じる初爆タイミングを含む初爆期間内であるか否かを示す初爆期間フラグFなど、モータMG2のトルク指令Tm2*の設定に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtは、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。モータMG1の出力トルクTm1としては、図示しない駆動制御ルーチンを前回実行したときに設定されたモータMG1のトルク指令Tm1*を入力し用いるものとした。要求トルクTr*としては、本ルーチンによるモータMG2のトルク指令Tm2*の設定に先立って図示しない駆動制御ルーチンによりアクセル開度Accと車速Vとに基づいて設定されたものを入力し用いるものとした。モータMG1のトルク指令Tm1*としては、本ルーチンによるモータMG2のトルク指令Tm2*の設定に先立って上述の回転数フィードバック制御によって設定されたものを入力し用いるものとした。モータMG2のトルク制限Tm2min,Tm2maxは、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと、図示しない駆動制御ルーチンにより設定されているモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差を、モータMG2の回転数Nm2で割ることにより計算されたもの(即ち、Tm2min=(Win−Tm1*・Nm1)/Nm2,Tm2max=(Wout−Tm1*・Nm1)/Nm2)を入力するものとした。初爆期間フラグFは、現在時刻が初爆期間外であるときに値0が設定されると共に現在時刻が初爆期間内であるときに値1が設定されるフラグであり、実施例では、図示しないフラグ設定ルーチンにより、エンジン22の始動(クランキング)が開始されてからの経過時間がエンジン22の初爆が生じ得る時間範囲として予め実験などにより定められた所定の時間範囲内(例えば、始動開始後200〜300msecの間や始動開始後300〜400msecの間など)のときに値1が設定され、エンジン22の始動中であってもエンジン22の始動が開始されてからの経過時間が所定の時間範囲外のとき及びエンジン22の始動後(完爆後)の運転中のときには値0が設定されたものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した初爆期間フラグFを調べ(ステップS110)、初爆期間フラグFが値0のときには、次に説明するなまし処理(フィルタ処理)で用いる実行用時定数TxにモータMG2のトルク制御の安定性が確保されるよう予め実験などにより定められた第1時定数T1を設定する(ステップS120)。一方、初爆期間フラグFが値1のときには、モータMG2のトルク制御の安定性よりも応答性が優先されるよう予め実験などにより第1時定数T1より小さい値として定められた第2時定数T2を実行用時定数Txに設定する(ステップS130)。第1時定数Tx1,第2時定数Tx2は、値0より大きく値1より小さい値である。
続いて、次式(1)ないし式(3)により、入力したモータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtとモータMG1の出力トルクTm1とにそれぞれ実行用時定数Txを用いたなまし処理を適用してモータMG1,MG2の回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtとモータMG1の出力トルク処理値Tgとを演算する(ステップS140)。
Figure 2013230713
次に、演算したモータMG1,MG2の回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dt,モータMG1の出力トルク処理値Tg,プラネタリギヤ30のギヤ比ρ(サンギヤの歯数/リングギヤの歯数),プラネタリギヤ30よりエンジン22側の回転系(キャリア系)の慣性モーメントIe,プラネタリギヤ30よりモータMG1側の回転系(サンギヤ系)の慣性モーメントIgを用いて次式(4)によりエンジン22の出力トルクTeを推定する(ステップS150)。式(4)は、プラネタリギヤ30を中心とする回転系の力学的な関係式(運動方程式)である。図3に、エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときのプラネタリギヤ30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤの回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリアの回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2に等しいリングギヤの回転数Nrを示す。R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1が駆動軸36に作用するトルクと、モータMG2から駆動軸36に出力されるトルクTm2とを示す。式(4)中、右辺第3項は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。右辺第1項は、モータMG1(サンギヤ)の回転変化に応じたキャリアの回転変化によりエンジン22を含む回転系の慣性に基づいてエンジン22のクランクシャフト(キャリア)に作用するトルクと、モータMG1(サンギヤ)の回転変化によりモータMG1を含む回転系の慣性に基づいて生じるトルクがエンジン22のクランクシャフト(キャリア)に作用するトルクとの和を示す。右辺第2項は、モータMG2(リングギヤ)の回転変化に応じたキャリアの回転変化によりエンジン22を含む回転系の慣性に基づいてエンジン22のクランクシャフト(キャリア)に作用するトルクを示す。したがって、右辺第1項の値(ρ/(1+ρ))と回転角加速度処理値dωg/dtとの積、及び、右辺第2項の値(1/(1+ρ))と回転角加速度処理値dωm/dtとの積は、エンジン22のクランクシャフトの回転角加速度に対応する検出値になまし処理を適用して得られる処理値ということができる。こうした処理により、エンジン22を含む回転系の慣性に基づくトルクが反映されるようにエンジン22の出力トルクTeを推定することができる。
Figure 2013230713
更に、推定したエンジン22の出力トルクTe,モータMG1のトルク指令Tm1*,プラネタリギヤ30のギヤ比ρ,慣性モーメントIe,Igを用いて次式(5)により駆動軸36の直達トルクTerを算出する(ステップS160)。
Figure 2013230713
ここで、式(5)は、慣性モーメントIe,Ig,プラネタリギヤ30より駆動軸36側の回転系(リングギヤ系)の慣性モーメントIm(車両重量の換算値を含む),プラネタリギヤ30のギヤ比ρ,走行抵抗N(基本的に負の値),プラネタリギヤ30のキャリアがリングギヤとサンギヤとから受けるトルクTc,モータMG1,MG2の出力トルクTm1,Tm2,エンジン22の出力トルクTe,モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dt,プラネタリギヤ30のキャリアの回転角加速度dωe/dtを用いた式(6)〜(9)からトルクTcを消去してモータMG2の回転角加速度dωm2/dtについて得られる式(10)に基づいて導くことができる。即ち、式(10)に基づくと、モータMG2の回転角加速度dωm2/dt即ち車両加速度を所望の値にするために駆動軸36上で直達トルクを相殺するのに必要なモータMG2のトルクTm2reqは、式(11)により表すことができ、このトルクTm2reqに値−1を乗じることによって式(5)を導出することができる。
Figure 2013230713
こうして直達トルクTerを算出すると、要求トルクTr*から直達トルクTerを減じてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを計算し(ステップS170)、計算した仮トルクTm2tmpを次式(12)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS180)、本ルーチンを終了する。したがって、エンジン22の初爆期間外のときには、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1に第1時定数T1を用いたなまし処理を適用して得られる回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtや出力トルク処理値Tgを用いて直達トルクTerを推定してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するから、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1をそのまま用いて直達トルクTerを推定してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するものに比して、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1の変動をより反映されにくくした状態でモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することができる。即ち、モータMG2のトルク指令Tm2*をより安定した値に設定することができ、モータMG2から駆動軸36に出力されるトルクを制御上より安定させることができる。しかも、要求トルクTr*から直達トルクTerを減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するから、直達トルクTerの変動をモータMG2からのトルク指令Tm2*に相当するトルクの出力によって抑制することができる。さらに、エンジン22の初爆期間内のときには、第1時定数T1より小さい第2時定数T2によるなまし処理を適用して得られる各処理値を用いて直達トルクTerを推定してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するから、初爆期間外のときに比して、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1の変動をより反映されやすくした状態でモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することができ、モータMG2から駆動軸36に出力されるトルクの応答性を高めることができる。この結果、エンジン22の初爆の際に駆動軸36に生じるトルク変動をより適正に抑制することができる。
Figure 2013230713
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の初爆期間外のときには、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1に第1時定数T1を用いたなまし処理を適用して得られる回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtや出力トルク処理値Tgを用いてエンジン22およびモータMG1から駆動軸36への直達トルクTerを推定し、駆動軸36に要求される要求トルクTr*から推定された直達トルクTerを減じることによりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する。したがって、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1をそのまま用いて直達トルクTerを推定するものに比して、モータMG2のトルク指令Tm2*をより安定した値に設定することができ、モータMG2から駆動軸36に出力されるトルクを制御上より安定させることができる。また、エンジン22の始動中にエンジン22の初爆が生じる初爆タイミングを含む期間として定められた初爆期間内のときには、初爆期間外のときの第1時定数T1より小さい第2時定数T2を用いたなまし処理を適用して得られる各処理値を用いて直達トルクTerを推定してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定するから、初爆期間内のときには、モータMG2から駆動軸36に出力されるトルクの応答性を高めることができる。この結果、エンジン22の初爆の際に駆動軸36に生じるトルク変動をより適正に抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1に第1時定数T1や第2時定数T2としての実行用時定数Txを用いたなまし処理を適用してモータMG1,MG2の回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtやモータMG1の出力トルク処理値Tgを演算するものとしたが、なまし処理に代えてレート処理を用いるものとしてもよい。即ち、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1に初爆期間外のときの第1レート値R1やこの第1レート値R1よりも各処理値を急速に変化させる初爆期間内のときの第2レート値R2(但し、R2>R1)を用いたレート処理を適用してモータMG1,MG2の回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtやモータMG1の出力トルク処理値Tgを演算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1,MG2の回転角加速度dωm1/dt,dωm2/dtやモータMG1の出力トルクTm1に第1時定数T1や第2時定数T2としての実行用時定数Txを用いたなまし処理を適用してモータMG1,MG2の回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtやモータMG1の出力トルク処理値Tgを演算するものとしたが、初爆期間内のときの時定数として初爆期間外のときの時定数より小さい時定数を用いるものであれば、モータMG1の回転角加速度dωm1/dtとモータMG2の回転角加速度dωm2/dtとモータMG1の出力トルクTmとに対して、それぞれ異なる時定数を用いたなまし処理を適用するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力するものとしたが、図4の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、エンジン22のクランクシャフトに接続されたインナーロータ132と駆動輪38a,38bに動力を出力する駆動軸36に接続されたアウターロータ134とを有しエンジン22からの動力の一部を駆動軸36に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機130を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸36に出力するものとしたが、図5の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸に変速機230を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ229を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機230とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機230を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。この場合、エンジン22から駆動軸36に伝達されるエンジン駆動トルクの推定は、エンジン22の応答性を考慮した所定時間前のエンジン22の目標トルクと、エンジン22を含む回転系の慣性モーメントとエンジン22のクランクシャフトの回転角加速度の検出値との積との和を算出することにより行なうなどとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「走行用モータ」に相当し、要求トルクTr*に応じた要求パワーPe*に基づいて設定された目標運転ポイントでエンジン22を運転制御するエンジンECU24とトルク指令Tm2*で駆動されるようモータMG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当し、エンジン22の初爆期間内のときには初爆期間外のときに用いる第1時定数T1より小さい第2時定数T2を用いたなまし処理によりモータMG1,MG2の回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtやモータMG1の出力トルク処理値Tgを演算しエンジン22の出力トルクTeを推定して直達トルクTerを算出する図2のモータトルク指令設定ルーチンのステップS110〜S160の処理を実行するHVECU70が「エンジン駆動トルク推定手段」に相当し、要求トルクTr*から直達トルクTerを減じてモータMG2の仮トルクTm2tmpを計算してトルク指令Tm2*を設定する図2のモータトルク指令設定ルーチンのステップS170,180の処理を実行するHVECU70が「モータ目標トルク設定手段」に相当する。また、モータMG1が「発電用モータ」に相当し、プラネタリギヤ30が「遊星歯車機構」に相当する。
ここで、「エンジン」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力するものに限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプであっても構わない。「走行用モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、他のタイプのモータであっても構わない。「制御手段」としては、要求トルクTr*に応じた要求パワーPe*に基づいて設定された目標運転ポイントでエンジン22を運転制御すると共にトルク指令Tm2*で駆動されるようモータMG2を制御するものに限定されるものではなく、駆動軸に要求される要求トルクに基づいてエンジンおよび走行用モータからそれぞれエンジン目標トルクおよびモータ目標トルクが出力されるようエンジンおよび走行用モータを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。「エンジン駆動トルク推定手段」は、エンジン22の初爆期間内のときには初爆期間外のときに用いる第1時定数T1より小さい第2時定数T2を用いたなまし処理によりモータMG1,MG2の回転角加速度処理値dωg/dt,dωm/dtやモータMG1の出力トルク処理値Tgを演算しエンジン22の出力トルクTeを推定して直達トルクTerを算出するものに限定されるものではなく、エンジンの出力軸の回転角加速度に対応する検出値に所定の緩変化処理を適用して得られる処理値とエンジンを含む回転系の慣性モーメントとの積を用いてエンジンから駆動軸に伝達されるエンジン駆動トルクを推定するものにおいて、エンジンの始動中にエンジンの初爆が生じる初爆タイミングを含む期間として定められた初爆期間内のときには、初爆期間外のときに比して急速に変化する変化程度を用いて検出値に所定の緩変化処理を適用するものであれば如何なるものとしても構わない。「モータ目標トルク設定手段」としては、要求トルクTr*から直達トルクTerを減じてモータMG2の仮トルクTm2tmpを計算してトルク指令Tm2*を設定するものに限定されるものではなく、要求トルクから推定されたエンジン駆動トルクを減じることによりモータ目標トルクを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。また、「発電用モータ」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば他のタイプのモータであっても構わない。「遊星歯車機構」としては、上述のプラネタリギヤ30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせたものなど、駆動軸とエンジンの出力軸と発電用モータの回転軸とに3つの回転要素が接続されたものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、130 対ロータ電動機、132 インナーロータ、134 アウターロータ、229 クラッチ、230 変速機、MG,MG1,MG2 モータ。

Claims (4)

  1. 車両の駆動軸に機械的に連結されたエンジンと、前記駆動軸に接続された走行用モータと、前記駆動軸に要求される要求トルクに基づいて前記エンジンおよび前記走行用モータからそれぞれエンジン目標トルクおよびモータ目標トルクが出力されるよう前記エンジンおよび前記走行用モータを制御する制御手段と、を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記エンジンの出力軸の回転角加速度に対応する検出値に所定の緩変化処理を適用して得られる処理値と前記エンジンを含む回転系の慣性モーメントとの積を用いて前記エンジンから前記駆動軸に伝達されるエンジン駆動トルクを推定するエンジン駆動トルク推定手段と、
    前記要求トルクから前記推定されたエンジン駆動トルクを減じることにより前記モータ目標トルクを設定するモータ目標トルク設定手段と、
    を備え、
    前記エンジン駆動トルク推定手段は、前記エンジンの始動中に前記エンジンの初爆が生じる初爆タイミングを含む期間として定められた初爆期間内のときには、前記初爆期間外のときに比して急速に変化する変化程度を用いて前記検出値に前記所定の緩変化処理を適用する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
    動力を入出力可能な発電用モータと、
    前記駆動軸と前記エンジンの出力軸と前記発電用モータの回転軸とに3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、
    を備え、
    前記エンジン駆動トルク推定手段は、前記走行用モータの回転角加速度および前記発電用モータの回転角加速度の各検出値に前記所定の緩変化処理を適用した値と前記遊星歯車機構のギヤ比とを用いて得られる前記処理値と前記エンジンを含む回転系の慣性モーメントとの積を用いて前記エンジン駆動トルクを推定すると共に、前記初爆期間内のときには前記初爆期間外のときに比して急速に変化する変化程度を用いて前記各検出値に前記所定の緩変化処理を適用する手段である、
    ハイブリッド自動車。
  3. 請求項2記載のハイブリッド自動車であって、
    前記エンジン駆動トルク推定手段は、前記走行用モータの回転角加速度と前記発電用モータの回転角加速度と前記発電用モータの出力トルクとにそれぞれ前記所定の緩変化処理を適用して得られる各値をそれぞれ「dωm/dt」,「dωg/dt」,「Tg」とすると共に前記遊星歯車機構のギヤ比を「ρ」とし、前記遊星歯車機構より前記エンジンの出力軸側の回転系の慣性モーメントと前記遊星歯車機構より前記発電用モータの回転軸側の回転系の慣性モーメントとをそれぞれ「Ie」,「Ig」とした場合、前記エンジンの出力トルク「Te」を次式(1)により算出し、前記エンジン駆動トルク「Ter」を次式(2)により推定する手段である、
    ハイブリッド自動車。
    Figure 2013230713
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
    前記エンジン駆動トルク推定手段は、前記初爆期間内のときには、前記初爆期間外のときに用いる第1の時定数より小さい第2の時定数を用いて前記所定の緩変化処理としてのなまし処理を適用する手段である、
    ハイブリッド自動車。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109543266A (zh) * 2018-11-13 2019-03-29 东南大学 一种多模混合动力汽车行星齿轮动力耦合装置模型构建方法

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