JP2013228323A - フェロシアン化金属化合物を含有する樹脂組成物及びそれを用いてなるセシウム除去材 - Google Patents
フェロシアン化金属化合物を含有する樹脂組成物及びそれを用いてなるセシウム除去材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2013228323A JP2013228323A JP2012101606A JP2012101606A JP2013228323A JP 2013228323 A JP2013228323 A JP 2013228323A JP 2012101606 A JP2012101606 A JP 2012101606A JP 2012101606 A JP2012101606 A JP 2012101606A JP 2013228323 A JP2013228323 A JP 2013228323A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cesium
- resin
- mass
- resin composition
- livestock
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Housing For Livestock And Birds (AREA)
- Fodder In General (AREA)
- Glanulating (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
【解決手段】水分により可塑化することができ、かつ、水に難溶性である樹脂(A)60〜99.9質量%及びフェロシアン化金属化合物(B)40〜0.1質量%を含有する樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、以下の樹脂組成物、その樹脂組成物を含むセシウム除去材、その樹脂組成物を用いるペレットの製造方法、そのペレットを用いた家畜用飼料及びそのペレットを用いたセシウムの除去方法を提供するものである。
1.水分により可塑化することができ、かつ、水に難溶性である樹脂(A)60〜99.9質量%及びフェロシアン化金属化合物(B)40〜0.1質量%を含有する樹脂組成物。
2.前記樹脂(A)がポリビニルブチラール樹脂である上記1に記載の樹脂組成物。
3.前記フェロシアン化金属化合物(B)が、一般式AxMy[Fe(CN)6]で示される上記1又は2に記載の樹脂組成物。
(式中、Aは、K、Na、NH4のいずれかであり、Mは、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのいずれかであり、かつx、yは式x+ny=4(xは0〜3の数である)を満たす。nはMの価数を表す。)
4.前記樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)との合計量100質量部に対して、磁性酸化鉄(C)5〜70質量部を含む上記1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5.上記1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を含むセシウム除去材。
6.水分により可塑化することができ、かつ、水に難溶性である樹脂(A)60〜99.9質量%及びフェロシアン化金属化合物(B)40〜0.1質量%の合計量100質量部に対して、水分を20〜90質量部を添加することにより可塑化させて混練し、フェロシアン化金属化合物を含有する樹脂混練物を得て、得られた該樹脂混練物を造粒してペレットとし、該ペレットを該樹脂(A)の軟化点以下の温度で乾燥させることを特徴とするペレットの製造方法。
7.上記6の製造方法で得られたペレットを家畜の飼料に混合してなる家畜用飼料。
8.前記ペレットの最大径が0.1〜2mmである上記7に記載の家畜用飼料。
9.上記6の製造方法で得られたペレットからなる土壌中のセシウムを吸着分離させるセシウム除去材。
10.前記樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)との合計量100質量部に対して、さらに磁性酸化鉄(C)15〜50質量部を添加する上記6に記載のペレットの製造方法。
11.上記10で得られるペレットを家畜の飼料に混合してなる家畜用飼料。
12.上記10の製造方法で得られたペレットを家畜に与えて、該家畜から排泄される糞を磁石で回収する家畜から排泄される糞の回収方法。
13.上記10の製造方法で得られたペレットからなる土壌中のセシウムを吸着分離させるセシウム除去材。
14.上記13のセシウム除去材を用いて土壌中からのセシウムを除去する方法であって、セシウムを吸着した後、該セシウム除去材を磁石で回収させる土壌中からのセシウムの除去方法。
(1)樹脂(A)
本発明の樹脂組成物には、水分により可塑化することができ、かつ、水に難溶性である樹脂(A)が使用される。本発明の樹脂組成物に使用される樹脂(A)は、水分により可塑化することができるために、水を添加することにより80℃以下の比較的低温で可塑化でき、押出造粒機等により容易に造粒して、ペレット状(粒子状を含む)とすることができる。本発明の樹脂組成物に使用される樹脂(A)は、セシウム除去材として水中や水を多量に含む箇所において使用され、水に浸漬してもフェロシアン化金属化合物(B)粒子の離脱がないことが望まれるため、水に難溶性であることが必要である。水に溶解しやすいと、使用されたフェロシアン化金属化合物(B)が、水中に分散する可能性があり好ましくない。なお、水に難溶性であるとは、50℃の温水中に24時間浸漬した後の質量減少が1%以下であることが望ましい。また、水分を吸収し、質量が増加する性質を有するものであってもよい。
このような性質を有する樹脂(A)としては、ポリビニルアセタール樹脂を挙げることができる。ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールにアルデヒドを反応させて得られる樹脂であり、その分子構造中にビニルアルコール単位、酢酸ビニル単位及びビニルアセタール単位を有している。ビニルアセタール単位の割合(アセタール化度)が多くなると耐水性、軟化性等が向上し、ビニルアルコール単位の量が多いと接着性や親水性が向上し、また、酢酸ビニル単位の量が多くなるとガラス転移温度が低下するという性質を有する。ポリビニルアセタール樹脂は、反応時に使用されるアルデヒドの種類、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、アミルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド等の各種のアルデヒドを用いることができる。これらのポリビニルアセタール樹脂の中でもポリビニルブチラール樹脂が多く市販されていて好適に使用することができるが、これより高融点のポリビニルアセタール樹脂も市販されており、本発明で規定する樹脂(A)として使用することができる上記記載の条件を満たせば、もちろん使用することができる。
上記のポリビニルアセタール樹脂の中でもポリビニルブチラール樹脂は、家畜等に対する毒性が低い樹脂であり、本願発明の樹脂組成物から得られたペレットを家畜用の飼料に混合して家畜用飼料とする場合は、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。ポリビニルブチラール樹脂を用いる場合、通常、水酸基含有量は10〜30質量%程度、アセチル基の含有量は0.5〜5質量%程度を有するものを使用することができる。
本願発明に用いられるポリビニルアセタール樹脂以外の他の樹脂としては、ポリピバリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル等の樹脂を挙げることができる。
本発明の樹脂組成物には、フェロシアン化金属化合物(B)が使用される。
本発明において使用されるフェロシアン化金属化合物(B)は、一般式AxMy[Fe(CN)6]で示される金属塩である。ここで、式中のAは、K、Na、NH4のいずれかであり、Mは、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのいずれかであり、式x+ny=4(xは0から3の数)を満たす。また、nはMの価数を表す。
この中の代表的な化合物であり、種々のフェロシアン化金属化合物の中で、特に化学式NH4Fe[Fe(CN)6]の紺青は、工業的に量産され、極めて微粒子状の顔料であり、その用途としてインキ、絵の具、化粧品などに広く使用されている安全性の高い化合物である。これらのフェロシアン化金属化合物は結晶構造として立方晶形を有し、格子内に一価の陽イオン、特にセシウムを選択的に取り込みやすい化合物である。
本発明のセシウム除去材に使用されるフェロシアン化金属化合物は、その形態が微粒子状であっても、水分等を含んだウェット状であってもよい。なお、市販の微粉品には吸着水が含まれている。
本発明の樹脂組成物には、更に、前記樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)との合計量100質量部に対して、磁性酸化鉄(C)を5〜70質量部を必要に応じて添加することができる。磁性酸化鉄(C)を添加することにより、セシウムを吸着した後の樹脂組成物、それから成形されるペレット等の各種成形物を磁石を用いることにより、回収して分離することが容易となる。
本発明の樹脂組成物は、上記の樹脂(A)と上記のフェロシアン化金属化合物(B)を含有するものであり、樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)との合計量に基づいて、樹脂(A)は60〜99.9質量%、フェロシアン化金属化合物(B)は40〜0.1質量%を含有するものである。樹脂(A)が60質量%未満であると、フェロシアン化金属化合物(B)の含有量が多くなり、樹脂組成物をペレット等に造粒した際に、形状安定性がよくなく、型崩れ等を起しやすくなるので望ましくない。また、樹脂(A)が99.9質量%を超えると、フェロシアン化金属化合物(B)の含有量が少なくなりすぎて、セシウムの吸着能力が低下するので望ましくない。樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)との比率は、好ましくは、樹脂(A)が65〜95質量%、フェロシアン化金属化合物(B)は35〜5質量%であることが好ましい。
本願発明の前記にて説明した樹脂組成物は、樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)とが均一に混合された状態として得ることが好ましい。均一に混合された状態として得る方法として、例えば、樹脂(A)の特性である水分より可塑化することができる性質を利用することが好ましい。例えば、スタティクミキサー、バンバリーミキサー、二軸押出混練機等の混合機内で、樹脂(A)に水分を添加して可塑化状態にある樹脂(A)の中にフェロシアン化金属化合物(B)を添加することにより均一な混合物として、造粒機を用いて任意の形状を有するペレットとする。水分の添加量は、樹脂(A)60〜99.9質量%及びフェロシアン化金属化合物(B)40〜0.1質量%の比率からなる樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)との混合物100質量部に対して、水分を20〜90質量部、好ましくは30〜80質量部の範囲内で添加することが好ましい。この際の可塑化温度は、樹脂(A)の分子量や構造にもよるが、常温〜100℃程度で可塑化することができ、混合機に外部からの加熱手段等を特別設ける必要はなく、攪拌時のせん断熱の発生等により十分に可塑化することができる。造粒機により得られる造粒物中には、可塑化する際に使用された水分を含んでいるので、使用した樹脂(A)の軟化点以下の温度で乾燥することが好ましい。通常は、60〜140℃程度、好ましくは70〜100℃の温度範囲内で乾燥して水分を除去することが好ましい。軟化点以下の温度で乾燥することより、造粒物同士が溶着したりする恐れがないので望ましい。
なお、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、他の無機充填材、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、他の有機顔料等を本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、フェロシアン化金属化合物(B)を含むことからセシウム除去材として用いることができる。セシウム除去材として用いる際は、本発明の樹脂組成物を任意の形状(例えば、フイルム、シート、繊維状物、ペレット)等にして用いることができる。本発明の樹脂組成物を含むセシウム除去材は、住宅地、農耕地等の土壌、河川、溜池、沼地等のセシウムで汚染された土壌、水を浄化するのに有効である。土壌を浄化するには、セシウムで汚染された土壌を事前に水で洗って、その分離された水を浄化することが好ましい。
本発明の樹脂組成物を用いて得られるペレットの製造方法で得られたペレットは、家畜の飼料に混合して家畜用飼料として用いることができる。ペレットに含まれる必須成分の樹脂(A)は、家畜に有害となる樹脂ではないことが必要であり、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。また、フェロシアン化金属化合物(B)は、家畜をはじめとした動物に対しては、体内に摂取されても分解等はせず、安全な化合物である。発明の樹脂組成物を用いて得られるペレットを家畜に飼料と一緒に与えた場合、所定時間後に糞として排出される。従って、このペレットを家畜の飼料に混合して用いて、家畜に食べさせることにより、家畜の体内に存在するセシウムを吸着し、糞として排出させることができる。なお、家畜としては特に限定されるものではないが、牛、豚、馬、山羊、鶏等を挙げることができる。家畜の飼料に混合する際のペレット大きさは、家畜の大きさにもよるが、通常、0.1〜2mmの範囲内とすることが望ましい。この大きさの範囲内であると家畜からペレットを糞として排出させることが容易にできる。また、磁性酸化鉄(C)を含むペレットを用いた場合には、家畜から排泄された糞を、好ましくは乾燥した後、磁石を用いることにより、セシウムを吸着したペレットを回収して分離することが容易となる。
実施例1
紺青顔料(商品名:ミロリブルー905、前記化学式中のMはNH4、大日精化工業株式会社製)10gとポリビニルブチラール樹脂(株式会社クラレ製 商品名:モビタール30H、不揮発分は97.5質量%以上、水酸基含量は18〜21質量%、アセチル基含量は1〜4質量%、10%エタノール溶液粘度は35〜60mPa・s)100gを秤量し、ポリ袋内で混合した後、1リットルのポリビーカーに移して、水86gを加えスパチェラで均一になるまで混練し、造粒機(ダルトン マルチグランMG−55−1)を用いて、1mmメッシュサイズのスクリーンにて造粒し、80℃で5時間乾燥後放冷した。得られた造粒物の平均粒子径は、0.8mmであった。得られた造粒物10gを500μg/リットルの硝酸セシウムを含む水溶液1リットルに浸し、撹拌した。24時間経過後に、その水溶液をサンプリングし原子吸光分析により硝酸セシウム濃度を測定した。その測定結果から水溶液中のセシウムの除去率を得た。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であった。
紺青顔料(商品名:ミロリブルー905、前記化学式中のMはNH4、大日精化工業株式会社製)10gとポリビニルブチラール樹脂(株式会社クラレ製 商品名:モビタール30HH、不揮発分は97.5質量%以上、水酸基含量は11〜14質量%、アセチル基含量は1〜4質量%、10%エタノール溶液粘度は35〜60mPa・s)100gを秤量し、ポリ袋内で混合した後、1リットルのポリビーカーに移して、水86部を加えスパチェラで均一になるまで混練し、造粒機(ダルトン マルチグランMG−55−1)を用いて、1mmメッシュサイズのスクリーンにて造粒し、80℃で5時間乾燥後放冷した。得られた造粒物の平均粒子径は、0.8mmであった。得られた造粒物10gを500μg/リットルの硝酸セシウムを含む水溶液1リットルに浸し、撹拌した。24時間経過後に、その水溶液をサンプリングし原子吸光分析により硝酸セシウム濃度を測定した。その測定結果から水溶液中のセシウムの除去率を得た。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であった。
紺青顔料(商品名:ミロリブルー905、前記化学式中のMはNH4、大日精化工業株式会社製)30gとポリビニルブチラール樹脂(株式会社クラレ製 商品名:モビタール30H)70gを秤量し、ポリ袋内で混合した後、1リットルのポリビーカーに移して、水63gを加えスパチェラで均一になるまで混練し、造粒機(ダルトン マルチグランMG−55−1)を用いて、1.5mmメッシュサイズのスクリーンにて造粒し、80℃で5時間乾燥後放冷した。得られた造粒物の平均粒子径は、1.2mmであった。得られた造粒物10gを500μg/リットルの硝酸セシウムを含む水溶液1リットルに浸し、撹拌した。24時間経過後に、その水溶液をサンプリングし原子吸光分析により硝酸セシウム濃度を測定した。その測定結果から水溶液中のセシウムの除去率を得た。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であった。
ポリビニルブチラール樹脂(株式会社クラレ製 商品名:モビタール30H)100gをポリ袋で秤量した後、1リットルのポリビーカーに移して、水86gを加えスパチェラで均一になるまで混練し、この混練物を造粒機(ダルトン マルチグランMG−55−1)を用いて、1mmメッシュサイズのスクリーンにて造粒した。得られた造粒物を80℃で5時間乾燥後放冷した。得られた造粒物の平均粒子径は、0.8mmであった。この造粒物10gを500μg/リットルの硝酸セシウムを含む水溶液1リットルに浸し、撹拌した。24時間経過後に、その水溶液をサンプリングし原子吸光分析により硝酸セシウム濃度を測定した。その測定結果から水溶液中のセシウムの除去率を得た。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であった。
ポリビニルブチラール樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂(株式会社クラレ製 商品名:モビタール30HH)を使用した以外、比較例1と同様に実施した。水溶液中のセシウムの除去率は、1%未満であった。
紺青顔料(商品名:ミロリブルー905、前記化学式中のMはNH4、大日精化工業株式会社製)10g、黒鉄(戸田ビグメント KN−320)20g、ポリビニルブチラール樹脂(株式会社クラレ製 商品名:モビタール30H)70gを秤量し、ポリ袋内で混合した後、1リットルのポリビーカーに移して、水86gを加えスパチェラで均一になるまで混練し、造粒機(ダルトン マルチグランMG−55−1)を用いて、1mmメッシュサイズのスクリーンにて造粒し、80℃で5時間乾燥後放冷した。得られた造粒物の平均粒子径は、1.2mmであった。得られた造粒物10gを500μg/リットルの硝酸セシウムを含む水溶液1リットルに浸し、撹拌した。24時間経過後に、その水溶液をサンプリングし原子吸光分析により硝酸セシウム濃度を測定した。その測定結果から水溶液中のセシウムの除去率を得た。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であった。また、50ミリリットルのガラス容器に水30ミリリットルと得られた造粒物2gを入れ、容器外部から磁石をあてて、捕集可能であるかどうか調べた結果、捕集可能であることを確認した。
実施例4において、ポリビニルブチラール樹脂を70g及び水63gに変更した以外は、実施例4と同様に実施した。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であり、磁石をあてることにより、造粒物を捕集可能であることを確認した。
紺青顔料(商品名:ミロリブルー905、前記化学式中のMはNH4、大日精化工業株式会社製)25g、黒鉄(戸田ビグメント KN−320)25g、ポリビニルブチラール樹脂(株式会社クラレ製 商品名:モビタール30H)50gを秤量し、ポリ袋内で混合した後、1リットルのポリビーカーに移して、水63gを加えスパチェラで均一になるまで混練し、造粒機(ダルトン マルチグランMG−55−1)を用いて、1.5mmメッシュサイズのスクリーンにて造粒し、80℃で5時間乾燥後放冷した。得られた造粒物の平均粒子径は、1.2mmであった。得られた造粒物10gを500μg/リットルの硝酸セシウムを含む水溶液1リットルに浸し、撹拌した。24時間経過後に、その水溶液をサンプリングし原子吸光分析により硝酸セシウム濃度を測定した。その測定結果から水溶液中のセシウムの除去率を得た。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であった。また、50ミリリットルのガラス容器に水30ミリリットルと得られた造粒物2gを入れ、容器外部から磁石をあてて、捕集可能であるかどうか調べた結果、捕集可能であることを確認した。
紺青顔料(商品名:ミロリブルー905、前記化学式中のMはNH4、大日精化工業株式会社製)10g、黒鉄(戸田ビグメント KN−320)10g、ポリビニルブチラール樹脂(株式会社クラレ製 商品名:モビタール30H)100gを秤量し、ポリ袋内で混合した後、1リットルのポリビーカーに移して、水63gを加えスパチェラで均一になるまで混練し、造粒機(ダルトン マルチグランMG−55−1)を用いて、1.5mmメッシュサイズのスクリーンにて造粒し、100℃で2時間乾燥後放冷した。得られた造粒物の平均粒子径は、1.2mmであった。得られた造粒物10gを500μg/リットルの硝酸セシウムを含む水溶液1リットルに浸し、撹拌した。24時間経過後に、その水溶液をサンプリングし原子吸光分析により硝酸セシウム濃度を測定した。その測定結果から水溶液中のセシウムの除去率を得た。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であった。また、50ミリリットルのガラス容器に水30ミリリットルと得られた造粒物2gを入れ、容器外部から磁石をあてて、捕集可能であるかどうか調べた結果、捕集可能であることを確認した。
上記の実施例から、本発明の樹脂組成物及びその樹脂組成物から得られるペレットは、セシウム除去材として使用すれば、セシウムを効率よく捕集し、分離除去できることがわかる。
紺青顔料(商品名:ミロリブルー905、前記化学式中のMはNH4、大日精化工業株式会社製)30gとポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製 商品名:エスレックKS−10、Tgは106℃)70gを秤量し、ポリ袋内で混合した後、1リットルのポリビーカーに移して、水63gを加えスパチェラで均一になるまで混練し、造粒機(ダルトン マルチグランMG−55−1)を用いて、1.5mmメッシュサイズのスクリーンにて造粒し、110℃で1時間乾燥後放冷した。得られた造粒物の平均粒子径は、1.2mmであった。得られた造粒物10gを500μg/リットルの硝酸セシウムを含む水溶液1リットルに浸し、撹拌した。24時間経過後に、その水溶液をサンプリングし原子吸光分析により硝酸セシウム濃度を測定した。その測定結果から水溶液中のセシウムの除去率を得た。水溶液中のセシウムの除去率は99%以上であった。
Claims (14)
- 水分により可塑化することができ、かつ、水に難溶性である樹脂(A)60〜99.9質量%及びフェロシアン化金属化合物(B)40〜0.1質量%を含有する樹脂組成物。
- 前記樹脂(A)がポリビニルブチラール樹脂である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記フェロシアン化金属化合物(B)が、一般式AxMy[Fe(CN)6]で示される請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
(式中、Aは、K、Na、NH4のいずれかであり、Mは、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znのいずれかであり、かつx、yは式x+ny=4(xは0〜3の数である)を満たす。nはMの価数を表す。) - 前記樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)との合計量100質量部に対して、磁性酸化鉄(C)5〜70質量部を含む請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物を含むセシウム除去材。
- 水分により可塑化することができ、かつ、水に難溶性である樹脂(A)60〜99.9質量%及びフェロシアン化金属化合物(B)40〜0.1質量%の合計量100質量部に対して、水分を20〜90質量部を添加することにより可塑化させて混練し、フェロシアン化金属化合物を含有する樹脂混練物を得て、得られた該樹脂混練物を造粒してペレットとし、該ペレットを該樹脂(A)の軟化点以下の温度で乾燥させることを特徴とするペレットの製造方法。
- 請求項6の製造方法で得られたペレットを家畜の飼料に混合してなる家畜用飼料。
- 前記ペレットの最大径が0.1〜2mmである請求項7に記載の家畜用飼料。
- 請求項6の製造方法で得られたペレットからなる土壌中のセシウムを吸着分離させるセシウム除去材。
- 前記樹脂(A)とフェロシアン化金属化合物(B)との合計量100質量部に対して、さらに磁性酸化鉄(C)15〜50質量部を添加する請求項6に記載のペレットの製造方法。
- 請求項10で得られるペレットを家畜の飼料に混合してなる家畜用飼料。
- 請求項10の製造方法で得られたペレットを家畜に与えて、該家畜から排泄される糞を磁石で回収する家畜から排泄される糞の回収方法。
- 請求項10の製造方法で得られたペレットからなる土壌中のセシウムを吸着分離させるセシウム除去材。
- 請求項13のセシウム除去材を用いて土壌中からのセシウムを除去する方法であって、セシウムを吸着した後、該セシウム除去材を磁石で回収させる土壌中からのセシウムの除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012101606A JP5957276B2 (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | ポリビニルブチラール樹脂及びフェロシアン化金属化合物を含有するセシウム除去材及びセシウム除去材用ペレットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012101606A JP5957276B2 (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | ポリビニルブチラール樹脂及びフェロシアン化金属化合物を含有するセシウム除去材及びセシウム除去材用ペレットの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013228323A true JP2013228323A (ja) | 2013-11-07 |
JP5957276B2 JP5957276B2 (ja) | 2016-07-27 |
Family
ID=49676084
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012101606A Expired - Fee Related JP5957276B2 (ja) | 2012-04-26 | 2012-04-26 | ポリビニルブチラール樹脂及びフェロシアン化金属化合物を含有するセシウム除去材及びセシウム除去材用ペレットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5957276B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107337700A (zh) * | 2017-04-11 | 2017-11-10 | 中山大学 | 一种新型高温铁电体及其制备方法 |
WO2022269604A1 (en) * | 2021-06-22 | 2022-12-29 | Technion Research And Development Foundation Limited | A water purification system and uses thereof |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5679999A (en) * | 1979-12-06 | 1981-06-30 | Hitachi Ltd | Radioactive waste processing method |
JP2004279734A (ja) * | 2003-03-14 | 2004-10-07 | Ricoh Co Ltd | 電子写真画像形成装置および画像形成方法 |
JP2009072773A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-04-09 | Toda Kogyo Corp | 吸着剤 |
JP4932054B1 (ja) * | 2011-04-28 | 2012-05-16 | 学校法人慈恵大学 | 放射性物質類除染システム、及び放射性物質類の除染方法、及び除染用磁性複合粒子 |
JP3177185U (ja) * | 2012-03-29 | 2012-07-26 | 株式会社クラレ | 家畜用飼料添加剤 |
JP2013174502A (ja) * | 2012-02-24 | 2013-09-05 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | セシウム除去方法 |
-
2012
- 2012-04-26 JP JP2012101606A patent/JP5957276B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5679999A (en) * | 1979-12-06 | 1981-06-30 | Hitachi Ltd | Radioactive waste processing method |
JP2004279734A (ja) * | 2003-03-14 | 2004-10-07 | Ricoh Co Ltd | 電子写真画像形成装置および画像形成方法 |
JP2009072773A (ja) * | 2007-08-29 | 2009-04-09 | Toda Kogyo Corp | 吸着剤 |
JP4932054B1 (ja) * | 2011-04-28 | 2012-05-16 | 学校法人慈恵大学 | 放射性物質類除染システム、及び放射性物質類の除染方法、及び除染用磁性複合粒子 |
JP2013174502A (ja) * | 2012-02-24 | 2013-09-05 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | セシウム除去方法 |
JP3177185U (ja) * | 2012-03-29 | 2012-07-26 | 株式会社クラレ | 家畜用飼料添加剤 |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
JPN7013002656; 青木芳朗,渡利一夫: 人体内放射能の除去技術-挙動と除染のメカニズム 第1刷, 19960110, p.54-57,108,奥付, 株式会社講談社 * |
JPN7015002974; 'The use of Prussian Blue to reduce radiocaesium contamination of milk and meat produced on territori' IAEA-TECDOC-926 , 199702, 19p * |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107337700A (zh) * | 2017-04-11 | 2017-11-10 | 中山大学 | 一种新型高温铁电体及其制备方法 |
CN107337700B (zh) * | 2017-04-11 | 2019-07-26 | 中山大学 | 一种高温铁电体及其制备方法 |
WO2022269604A1 (en) * | 2021-06-22 | 2022-12-29 | Technion Research And Development Foundation Limited | A water purification system and uses thereof |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5957276B2 (ja) | 2016-07-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5658097B2 (ja) | 吸着剤組成物、放射性セシウム吸着剤及びそれを用いた放射性セシウムの分離方法 | |
EP1957193B1 (de) | Geruchsbindende superabsorbierende zusammensetzung | |
EP2915548B1 (de) | Superabsorbierende polymere mit verbesserter geruchskontrolleigenschaft sowie verfahren zu deren herstellung | |
JP2620506B2 (ja) | 液体を吸収するための収着剤の製造方法 | |
Zong et al. | Facile synthesis of potassium copper ferrocyanide composite particles for selective cesium removal from wastewater in the batch and continuous processes | |
JP5653847B2 (ja) | 発泡性樹脂組成物 | |
JP5957276B2 (ja) | ポリビニルブチラール樹脂及びフェロシアン化金属化合物を含有するセシウム除去材及びセシウム除去材用ペレットの製造方法 | |
CN108355619A (zh) | 一种用于去除水污染物的纳米吸附材料 | |
JP5649534B2 (ja) | セシウム除去材 | |
JP6525927B2 (ja) | ペット用排尿処理材 | |
CN111036170B (zh) | 净水污泥复合吸附剂及其应用 | |
JP2013155289A (ja) | セシウム除去用樹脂組成物及びそれを成形してなるセシウム除去材 | |
KR101579795B1 (ko) | 고정화된 견운모를 이용한 세슘 제거방법 | |
CN109310983A (zh) | 固体去污组合物、获得方法及其用途 | |
JP2014108379A (ja) | セシウム吸着材 | |
JP2000300102A (ja) | ペット用排泄物処理剤 | |
JP5723715B2 (ja) | セシウム除去材 | |
Naushad et al. | Ion exchange materials and environmental remediation | |
JP2022003311A (ja) | 水不溶性懸濁微粒子の濃縮方法及び下水中のウイルスの測定方法 | |
JP2005102674A (ja) | 使用済みイオン交換樹脂を用いた消臭剤と製造方法 | |
CN1409740A (zh) | 使添加剂的分离及其迁移尽可能小的添加方法 | |
Takahashi et al. | Prussian blue nanoparticles and nanocomposites for Cs decontamination | |
JP2527558B2 (ja) | 水溶性粒剤の製造方法 | |
Soliman et al. | Removal of Radioactive Waste from Water Using Polymer Nanocomposites | |
CN109089905B (zh) | 一种多功能石墨烯-膨润土猫砂及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151104 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151224 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160607 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160620 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5957276 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |