JP2013227787A - 建物の基礎構造とその設計用プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】各基礎梁12は、両端部または一方の端部にオス型接合金具20を備えたもの、両端部または一方の端部にメス型接合金具22を備えたもの、もしくは、一方の端部にオス型接合金具20を備え他方の端部にメス型接合金具22を備えたもののいずれかとする。基礎梁12は許容最大長以下に選定され、オス型接合金具20とメス型接合金具22の連結部を介して相互に連結される。外側基礎部を構成するいずれかの基礎梁12には、その両端部以外の側面に、独立したメス型接合金具22が設けられ、そこに、内側基礎部のオス型接合金具20が連結される。
【選択図】図1
Description
上記の課題を解決するために、本発明は、基礎梁の配列や基礎梁間を接続するための金具等を最適化し、全体として強度と施工性やコストの最適化を図った、建物の基礎構造とその設計方法と設計システムと設計用プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
〈構成1〉
複数の基礎梁を配列しスラブ筋を敷設した状態で、スラブコンクリートを打設して構成される建物の基礎構造であって、前記各基礎梁はプレキャストコンクリート製で、両端部または一方の端部にオス型接合金具を備えたもの、両端部または一方の端部にメス型接合金具を備えたもの、もしくは、一方の端部にオス型接合金具を備え他方の端部にメス型接合金具を備えたもののいずれかを含み、前記基礎梁は予め指定された許容最大長以下に選定されており、前記基礎梁が、前記オス型接合金具とメス型接合金具の連結部を介して相互に連結され、前記各基礎梁は、建物の外周壁相当部分を支持する外側基礎部と、前記建物の外周壁相当部分以外を支持する内側基礎部のいずれかを構成しており、前記外側基礎部を構成するいずれかの基礎梁には、その両端部以外の側面に、独立したメス型接合金具が設けられ、前記外側基礎部と前記内側基礎部とは、内側基礎部の端部に設けられたオス型接合金具と、前記独立したメス型接合金具により連結されることを特徴とする建物の基礎構造。
構成1に記載の建物の基礎構造において、前記内側基礎部は、建物の床が存在しない区画を囲む部分以外に環状部を有しないことを特徴とする建物の基礎構造。
構成1または2に記載の建物の基礎構造において、前記外側基礎部には、外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面にその端部を挟まれ、前記外側基礎部の側面方向に張り出した枝状の基礎梁が含まれており、前記枝状の基礎梁は、その端部の一方の側面と他方の側面にメス型接合金具を配置し、これら一対のメス型接合金具を連結する連結部を備え、前記一対のメス型接合金具が、前記外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面に設けられたオス型接合金具と連結されていることを特徴とする建物の基礎構造。
構成3に記載の建物の基礎構造において、前記連結部には、前記枝状の基礎梁と建物の上部構造とを連結する金物を垂直上方に貫通させる透孔が設けられていることを特徴とする建物の基礎構造。
構成1に記載の基礎構造を設計するためのものであって、建物の基礎構造を構成する各基礎梁に加わる応力を計算する応力計算手段と、応力計算の結果得られた応力を支えるために必要な基礎梁の配列場所を計算する配列計算手段と、前記計算の結果得られた基礎梁の配列場所に、許容最大長以下の長さの基礎梁を割り付ける割り付け手段と、前記基礎梁と建物の上部構造とを連結する金物と、各基礎梁間を連結するオス型接合金具とメス型接合金具の位置が互いに干渉しないように、各金物と金具を取り付ける位置を計算して位置座標を求める位置座標計算手段と、外側基礎部の基礎梁の側面に内側基礎部を連結する位置を検出して、検出した位置を 独立したメス型接合金具を取り付ける位置座標に加える座標追加手段と、前記各基礎梁の端部に取り付ける金具を、オス型接合金具またはメス型接合金具に決定する金具選択手段と、前記建物の基礎構造を構成する全ての基礎梁の長さと、取り付ける金具の種別と取り付け位置座標とを含む設計データを出力する設計データ出力手段を備えたことを特徴とする建物の基礎構造設計システム。
構成5に記載の基礎構造設計システムにおいて、前記メス型接合金具を含む基礎梁を、当該メス型接合金具にオス型接合金具を連結する基礎梁よりも先に施工するように、各基礎梁の施工順を決定して、施工順データを生成して、前記設計データに含める施工順指定手段を備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。
構成5または6に記載の基礎構造設計システムにおいて、基礎梁の金物と連結する建物の上部構造のプレカットデータを生成して出力するプレカットデータ生成手段を備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。
構成5乃至7のいずれかに記載の基礎構造設計システムにおいて、外側基礎部を構成する基礎梁の両端部以外の側面に独立したメス型接合金具を設けて、内側基礎部の端部に設けられたオス型接合金具と連結する第1の連結構造と、外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面に挟まれて、外側基礎部とブリッジ状金具を介して連結され、前記外側基礎部の側面方向に一部を張り出している枝状の基礎梁に、内側基礎部を連結する第2の連結構造のいずれかを選択できるとき、内側基礎部に加わる側面に垂直な方向の応力を計算して、この応力が一定の閾値以下のときは、第1の連結構造を選択し、この応力が一定の閾値を越えるときは、第2の連結構造を選択する連結構造選択手段を備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。
構成5乃至8のいずれかに記載の基礎構造設計システムにおいて、前記内側基礎部に、複数の基礎梁が相互に直角に交差しもしくは突き当たる部分があるとき、各基礎梁の側面に垂直な方向の応力を計算して、より大きな応力を受ける基礎梁の側面にメス型接合金具を設けて、他の基礎梁の端部に設けられたオス型接合金具と連結する構造を選択する連結構造選択手段を備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。
構成5乃至9のいずれかに記載の基礎構造設計システムにおいて、予め定められた上限長以下のものであって、両端にオス型接合金具を設けた基礎梁と、両端にメス型接合金具を設けた基礎梁とを組み合わせて設計された基礎構造の中で、いずれかのオス型接合金具を設けた基礎梁とメス型接合金具を設けた基礎梁とを直線的に連結した部分で、隣接する一対の基礎梁の加算長を算出する加算長算出手段と、前記加算長が、前記上限長以下のものである場合に、前記一対の基礎梁を、前記加算長の長さを有し一端にオス型接合金具を設け他端にメス型接合金具を設けた基礎梁と置き換える変更処理手段とを備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。
構成1に記載の基礎構造を設計するための方法であって、応力計算手段が、建物の基礎構造を構成する各基礎梁に加わる応力を計算するステップと、配列計算手段が、応力計算の結果得られた応力を支えるために必要な基礎梁の配列場所を計算するステップと、割り付け手段が、前記計算の結果得られた基礎梁の配列場所に、許容最大長以下の長さの基礎梁を割り付けするステップと、位置座標計算手段が、前記基礎梁と建物の上部構造とを連結する金物と、各基礎梁間を連結するオス型接合金具とメス型接合金具の位置が互いに干渉しないように、各金物と金具を取り付ける位置を計算して位置座標を求めるステップと、座標追加手段が、外側基礎部の基礎梁の側面に内側基礎部を連結する位置を検出して、検出した位置を 独立したメス型接合金具を取り付ける位置座標に加えるステップと、金具選択手段が、前記各基礎梁の端部に取り付ける金具を、オス型接合金具またはメス型接合金具に決定するステップと、設計データ出力手段が、前記建物の基礎構造を構成する全ての基礎梁の長さと、取り付ける金具の種別と取り付け位置座標とを含む設計データを出力するステップと、を含むことを特徴とする基礎構造設計方法。
構成11に記載の基礎構造設計方法において、外側基礎部を構成する基礎梁の両端部以外の側面に独立したメス型接合金具を設けて、内側基礎部の端部に設けられたオス型接合金具と連結する第1の連結構造と、外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面に挟まれて、外側基礎部とブリッジ状金具を介して連結され、前記外側基礎部の側面方向に一部を張り出している枝状の基礎梁に、内側基礎部を連結する第2の連結構造のいずれかを選択できるとき、連結構造選択手段が、内側基礎部に加わる側面に垂直な方向の応力を計算して、この応力が一定の閾値以下のときは、第1の連結構造を選択し、この応力が一定の閾値を越えるときは、第2の連結構造を選択するステップと、を含むことを特徴とする基礎構造設計方法。
コンピュータを、構成5に記載のシステムの各手段として機能させる基礎構造設計プログラム。
構成13に記載の基礎構造設計プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
プレキャストコンクリート製の基礎梁を組み合わせることにより、基礎構造のどの部分も最適な寸法で、必要な場所だけに基礎梁を配置できる。基礎の各部に加わる荷重を、例えば有限要素法等を利用して計算し、最小限の基礎で十分な強度を備えた基礎構造を実現でき、基礎全体のコストも低減できる。各基礎梁を金具で強固に連結するとともに、外側基礎部の基礎梁の側面に独立した金具を配置して、最適な位置に内側基礎部を連結できる。内側基礎部の一端が金具を介して外側基礎部に強固に固定されるから、内側基礎部についても、必要最小限の最適な形状にすることができる。
〈構成2の効果〉
外側基礎部に一端を連結固定した内側基礎部は、外側基礎部に支えられるから、環状に構成しなくても十分な強度を有する。だから、環状部を設けない枝状の不連続な構造にすることができる。建物の床が存在しない部分とは、ユニットバス等が納められる部分である。この部分は床下の点検作業は要らない。この区画は基礎梁で四方を囲む。これが環状部である。建物の床が存在する部分は、枝状の不連続な構造にして、環状部を設けないから、四方の基礎梁のうちの1個を省略して点検孔にすることができる。
〈構成3の効果〉
外側基礎部の直線部分をから、外側基礎部の側面方向に張り出した枝状の基礎梁を、外側基礎部の一部に使用する。外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面にその端部を挟まれるように構成すると、強度の高い連結部を実現できる。例えば、これに内側基礎部を連結すると、内側基礎部の強度を高めることができる。
〈構成4の効果〉
枝状の基礎梁において、ブリッジ状金具の透孔を貫通させて、ホールダウン金物等を取り付けることができる。
〈構成5の効果〉
金具の配置や種別を自動的に決定する。使用する全ての基礎梁の長さと、取り付ける金具の種別と取り付け位置座標とを含む設計データを出力して、基礎梁の生産ラインの制御に使用する。外側基礎部の基礎梁の側面の最適位置に、独立したメス型接合金具を配置する設計をすることができる。
〈構成6の効果〉
金具の種類に応じた施工順も自動的に決定して、作業指示書の作成等に利用することができる。
〈構成7の効果〉
プレキャストコンクリート製の基礎梁を使用すると、金物の配置等に狂いがないので、基礎梁の金物と連結する建物の上部構造に、プレカット工程で、予め連結孔を設けておくことができる。従来の現場施工に比べて作業性が格段に向上する。
〈構成8の効果〉
内側基礎部の要求される強度を考慮して、枝状の基礎梁を設けるかどうかを自動的に判断することができる。
〈構成9の効果〉
内側基礎部の基礎が交差する部分の連結部の構造を自動的に選択できる。
図の(a)は、基礎梁を含む一体化された基礎の部分縦断面図である。図のように、複数の基礎梁12を配列し、スラブ筋14を敷設した状態で、スラブコンクリート16を打設して、建物の基礎構造10が形成される。
図2(a)はオス型接合金具20と、これを基礎梁12(図1)の側面に支持固定するアンカー用の鉄筋34の平面図、図2(b)はその側面図である。図2(c)はメス型接合金具22とこれを基礎梁12の側面に支持固定する鉄筋34の平面図、図2(d)はその側面図である。鉄筋34の外周には凹凸面等による抜け止め加工部32が設けられている。
図のような台状の高さ調整金具17を、図1(a)に示すように基礎梁12の下面に固定する。水平部19(図3(a))で基礎梁12を支える。ボルト18のねじ込み量を調整すると、図1(a)のスラブ筋14の上方で、基礎梁12の高さを調整できる。これにより、隣接する基礎梁12の相互の高さをそろえることができる。なお、高さ調整金具の形状は任意であって、この実施例に限定されない。
図4(a)に示す基礎梁12Aは、両端にオス型接合金具20を設けたものである。図4(b)に示す基礎梁12Bは、両端にメス型接合金具22を設けたものである。図4(c)に示すように、先に基礎梁12Bを施工しておき、その間に基礎梁12Aを上方から真下に下ろすようにして施工する。こうして、基礎梁12Aと基礎梁12Bとを相互に接続する。図4(d)がその接続後の状態を示している。基礎梁12Aと基礎梁12Bとはほぼ隙間なく直線的に連結される。
既に説明したように、プレキャストコンクリート製の基礎梁を組み合わせることにより、基礎構造のどの部分も最適な寸法で、必要な場所だけに基礎梁を配置できる。従来は桝目状の基礎構造が主流であったが、基礎全体を小面積の区画に区分して、各区画に加わる荷重を、例えば有限要素法等を利用して計算すると、区画毎に基礎に必要な支持力を判断できる。その結果を利用すると、基礎を部分的に省略することができる箇所が増える。即ち、この図5の例に示すような、枝状の基礎構造を実現できる。これで、基礎全体のコストも低減できる。なお、図中、黒丸はオス型接合金具20とメス型接合金具22の連結部である。黒丸の位置を見れば、どの基礎梁がメス型接合金具22を有しているか区別がつく。
(a)は一方の端部の側面にメス型接合金具22を設けた例を示す。基礎梁12の端部には、その端面だけでなく、側面にも接合金具を取り付けることができる。外側基礎部を構成する基礎梁が相互に直角に端部を接する部分に配置される。さらに、その両端部以外の側面に、独立したメス型接合金具22Aが設けられている。この独立したメス型接合金具22Aに、内側基礎部を構成するいずれかの基礎梁の端部に設けられたオス型接合金具20が接続される。こうして、最小限の基礎で十分な強度を備えた内側基礎部を実現できる。
上記のような基礎構造の設計をこの装置によって自動化する。図の設計装置42は演算処理装置44と記憶装置46とを備えている。設計装置42はディスプレイやキーボードやマウス等のマンマシンインタフェースを備えたパーソナルコンピュータ等により実現する。
基礎梁の金具と連結する建物の上部構造に、プレカット工程で、予め連結孔を設けておくことができる。従来の現場施工に比べて作業性が格段に向上する。
まず、ステップS11で、基礎構造設計手段50が記憶装置46から建物の設計データ76を読み取る。ステップS12では、応力計算手段52が各基礎梁に加わる応力を計算をする。ステップS13では、配列計算手段54が基礎梁の配列場所を計算する。ステップS14では、割り付け手段56が基礎梁の長さを選択し、ステップS15で、配列場所の割り付けをする。ステップS16では、位置座標計算手段58が金物の取り付け位置座標の計算をする。
まず、ステップS31で、施工順指定手段66は、メス型接合金具を含む基礎梁を選択する。図4(b)に示した構造の基礎梁を選択する処理である。次のステップS32で、この金具にオス型接合金具を連結する基礎梁を選択する。図4(a)に示した構造の基礎梁を選択する処理である。そして、メス型接合金具を含む基礎梁が先で、オス型接合金具を有するほうを後にするというように、隣接する基礎梁の施工順を決定する(ステップS33)。
連結構造選択手段70は、ステップS41で、枝状に伸びる内側基礎部が必要な部分を選択をする。この処理は基礎構造設計データ78を読みとって行う。ステップS42では、選択した部分の内側基礎部の側面に加わる応力を計算する。この応力は、外側基礎部と内側基礎部の連結部近傍のものである。ステップS43で、連結構造選択手段70は、その応力が一定の閾値以下かどうかという判断をする。
連結構造選択手段70は、ステップS51で、複数の基礎梁が直角に交差する内側基礎部を検出する。次に、ステップS52で、交差する部分にある各基礎梁の側面に加わる応力を計算する。ステップS53では、より大きな応力を受ける基礎梁の側面を選択する。ステップS54で、その側面にメス型接合金具を設けることにして、取り付け位置座標を決定する。ステップS55では、他の基礎梁の端部にオス型接合金具を設けることにして、取り付け位置座標を決定する。その後、決定した位置座表を、基礎構造設計データ78に書き加えるために出力する。
まず、ステップS61で、基礎梁の上限長Kを選択をする。この処理は加算長算出手段72が、記憶装置46に記憶された基礎梁の上限長データ82を読みとって行う。ステップS62では、基礎構造設計データ78を参照して、基礎梁の直線的連結部分の検出をする。ステップS63では、隣接する一対の基礎梁の加算長を算出する。ステップS64では、加算長算出手段72が、加算長Lが上限長K以下かどうかという判断をする。この判断の結果がイエスのときはステップS65の処理に移行し、ノーのときはステップS67の処理に移行する。
12 基礎梁
14 スラブ筋
16 スラブコンクリート
17 高さ調整金具
18 ボルト
19 水平部
20 オス型接合金具
22 メス型接合金具
22A 独立したメス型接合金具
23 底板
24 連結部
25 透孔
26 シアコッター
28 固定枠
32 抜け止め加工部
34 鉄筋
35 溝
36 溝
42 設計装置
44 演算処理装置
46 記憶装置
50 基礎構造設計手段
52 応力計算手段
54 配列計算手段
56 割り付け手段
58 位置座標計算手段
60 座標追加手段
62 金具選択手段
64 設計データ出力手段
66 施工順指定手段
68 プレカットデータ生成手段
70 連結構造選択手段
72 加算長算出手段
74 変更処理手段
76 建物設計データ
78 基礎構造設計データ
80 施工順データ
82 基礎梁の上限長データ
84 上部構造のプレカットデータ
86 金物の連結孔の位置座標
Claims (14)
- 複数の基礎梁を配列しスラブ筋を敷設した状態で、スラブコンクリートを打設して構成される建物の基礎構造であって、
前記各基礎梁はプレキャストコンクリート製で、両端部または一方の端部にオス型接合金具を備えたもの、両端部または一方の端部にメス型接合金具を備えたもの、もしくは、一方の端部にオス型接合金具を備え他方の端部にメス型接合金具を備えたもののいずれかを含み、
前記基礎梁は予め指定された許容最大長以下に選定されており、
前記基礎梁が、前記オス型接合金具とメス型接合金具の連結部を介して相互に連結され、
前記各基礎梁は、建物の外周壁相当部分を支持する外側基礎部と、前記建物の外周壁相当部分以外を支持する内側基礎部のいずれかを構成しており、
前記外側基礎部を構成するいずれかの基礎梁には、その両端部以外の側面に、独立したメス型接合金具が設けられ、
前記外側基礎部と前記内側基礎部とは、内側基礎部の端部に設けられたオス型接合金具と、前記独立したメス型接合金具により連結されることを特徴とする建物の基礎構造。 - 請求項1に記載の建物の基礎構造において、
前記内側基礎部は、建物の床が存在しない区画を囲む部分以外に環状部を有しないことを特徴とする建物の基礎構造。 - 請求項1または2に記載の建物の基礎構造において、
前記外側基礎部には、外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面にその端部を挟まれ、前記外側基礎部の側面方向に張り出した枝状の基礎梁が含まれており、
前記枝状の基礎梁は、その端部の一方の側面と他方の側面にメス型接合金具を配置し、これら一対のメス型接合金具を連結する連結部を備え、
前記一対のメス型接合金具が、前記外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面に設けられたオス型接合金具と連結されていることを特徴とする建物の基礎構造。 - 請求項3に記載の建物の基礎構造において、
前記連結部には、前記枝状の基礎梁と建物の上部構造とを連結する金物を垂直上方に貫通させる透孔が設けられていることを特徴とする建物の基礎構造。 - 請求項1に記載の基礎構造を設計するためのものであって、
建物の基礎構造を構成する各基礎梁に加わる応力を計算する応力計算手段と、
応力計算の結果得られた応力を支えるために必要な基礎梁の配列場所を計算する配列計算手段と、
前記計算の結果得られた基礎梁の配列場所に、許容最大長以下の長さの基礎梁を割り付ける割り付け手段と、
前記基礎梁と建物の上部構造とを連結する金物と、各基礎梁間を連結するオス型接合金具とメス型接合金具の位置が互いに干渉しないように、各金物と金具を取り付ける位置を計算して位置座標を求める位置座標計算手段と、
外側基礎部の基礎梁の側面に内側基礎部を連結する位置を検出して、検出した位置を 独立したメス型接合金具を取り付ける位置座標に加える座標追加手段と、
前記各基礎梁の端部に取り付ける金具を、オス型接合金具またはメス型接合金具に決定する金具選択手段と、
前記建物の基礎構造を構成する全ての基礎梁の長さと、取り付ける金具の種別と取り付け位置座標とを含む設計データを出力する設計データ出力手段を備えたことを特徴とする建物の基礎構造設計システム。 - 請求項5に記載の基礎構造設計システムにおいて、
前記メス型接合金具を含む基礎梁を、当該メス型接合金具にオス型接合金具を連結する基礎梁よりも先に施工するように、各基礎梁の施工順を決定して、施工順データを生成して、前記設計データに含める施工順指定手段を備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。 - 請求項5または6に記載の基礎構造設計システムにおいて、
基礎梁の金物と連結する建物の上部構造のプレカットデータを生成して出力するプレカットデータ生成手段を備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。 - 請求項5乃至7のいずれかに記載の基礎構造設計システムにおいて、
外側基礎部を構成する基礎梁の両端部以外の側面に独立したメス型接合金具を設けて、内側基礎部の端部に設けられたオス型接合金具と連結する第1の連結構造と、
外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面に挟まれて、外側基礎部とブリッジ状金具を介して連結され、前記外側基礎部の側面方向に一部を張り出している枝状の基礎梁に、内側基礎部を連結する第2の連結構造のいずれかを選択できるとき、
内側基礎部に加わる側面に垂直な方向の応力を計算して、この応力が一定の閾値以下のときは、第1の連結構造を選択し、この応力が一定の閾値を越えるときは、第2の連結構造を選択する連結構造選択手段を備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。 - 請求項5乃至8のいずれかに記載の基礎構造設計システムにおいて、
前記内側基礎部に、複数の基礎梁が相互に直角に交差しもしくは突き当たる部分があるとき、各基礎梁の側面に垂直な方向の応力を計算して、より大きな応力を受ける基礎梁の側面にメス型接合金具を設けて、他の基礎梁の端部に設けられたオス型接合金具と連結する構造を選択する連結構造選択手段を備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。 - 請求項5乃至9のいずれかに記載の基礎構造設計システムにおいて、
予め定められた上限長以下のものであって、両端にオス型接合金具を設けた基礎梁と、両端にメス型接合金具を設けた基礎梁とを組み合わせて設計された基礎構造の中で、いずれかのオス型接合金具を設けた基礎梁とメス型接合金具を設けた基礎梁とを直線的に連結した部分で、隣接する一対の基礎梁の加算長を算出する加算長算出手段と、
前記加算長が、前記上限長以下のものである場合に、前記一対の基礎梁を、前記加算長の長さを有し一端にオス型接合金具を設け他端にメス型接合金具を設けた基礎梁と置き換える変更処理手段とを備えたことを特徴とする基礎構造設計システム。 - 請求項1に記載の基礎構造を設計するための方法であって、
応力計算手段が、建物の基礎構造を構成する各基礎梁に加わる応力を計算するステップと、
配列計算手段が、応力計算の結果得られた応力を支えるために必要な基礎梁の配列場所を計算するステップと、
割り付け手段が、前記計算の結果得られた基礎梁の配列場所に、許容最大長以下の長さの基礎梁を割り付けするステップと、
位置座標計算手段が、前記基礎梁と建物の上部構造とを連結する金物と、各基礎梁間を連結するオス型接合金具とメス型接合金具の位置が互いに干渉しないように、各金物と金具を取り付ける位置を計算して位置座標を求めるステップと、
座標追加手段が、外側基礎部の基礎梁の側面に内側基礎部を連結する位置を検出して、検出した位置を 独立したメス型接合金具を取り付ける位置座標に加えるステップと、
金具選択手段が、前記各基礎梁の端部に取り付ける金具を、オス型接合金具またはメス型接合金具に決定するステップと、
設計データ出力手段が、前記建物の基礎構造を構成する全ての基礎梁の長さと、取り付ける金具の種別と取り付け位置座標とを含む設計データを出力するステップと、
を含むことを特徴とする基礎構造設計方法。 - 請求項11に記載の基礎構造設計方法において、
外側基礎部を構成する基礎梁の両端部以外の側面に独立したメス型接合金具を設けて、内側基礎部の端部に設けられたオス型接合金具と連結する第1の連結構造と、外側基礎部の直線部分を構成する一対の基礎梁の端面に挟まれて、外側基礎部とブリッジ状金具を介して連結され、前記外側基礎部の側面方向に一部を張り出している枝状の基礎梁に、内側基礎部を連結する第2の連結構造のいずれかを選択できるとき、
連結構造選択手段が、内側基礎部に加わる側面に垂直な方向の応力を計算して、この応力が一定の閾値以下のときは、第1の連結構造を選択し、この応力が一定の閾値を越えるときは、第2の連結構造を選択するステップと、
を含むことを特徴とする基礎構造設計方法。 - コンピュータを、
請求項5に記載のシステムの各手段として機能させる基礎構造設計プログラム。 - 請求項13に記載の基礎構造設計プログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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