JP2013227643A - 製膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロールツーロールタイプで長尺状の薄板基材上に所定の処理を行って基材表面に製膜する製膜装置において、ネルソンローラによる基材の搬送を円滑にし、基材の損傷や装置の故障を防止した製膜装置を提供する。
【解決手段】製膜装置1は、製膜材料供給部と、第1ローラ51と、第2ローラ52とを備えている。製膜材料供給部は、チャンバ内に配置され、搬送される基材2に対して所定の製膜処理を実行する。第1ローラ51は、チャンバの外から供給される基材2を製膜材料供給部に送出し、製膜処理後の基材2をチャンバの外に排出する。第2ローラ52は、第1ローラ51の回転軸と所定の角度で傾斜する回転軸を有し、第1ローラ51との間で基材2が複数回巻回されて基材2を所定の間隔で複数列整列させる。ここで、第1ローラ51と第2ローラ52のうち少なくとも一方が、自由回転する複数の個別ローラ51a〜51nに分割されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、基材の表面に薄膜を形成するための製膜装置に関し、特に、ロールツーロールタイプで長尺状の薄板基材上に所定の処理を行って基材表面に製膜する製膜装置に関する。
太陽電池モジュールとして、複数枚の短冊状の太陽電池セルを直列に並べて接合したもの(以下、”スラット構造型”と称する)が知られている(例えば、特願2011−270465)。このような太陽電池モジュールに用いられる太陽電池セルは、金属材料からなる基材上に、下部導電膜(Ag、ZnO等)、光電変換膜(アモルファスシリコン等)及び上部導電膜(ITO等)の薄膜を積層したものが用いられる。下部導電膜、光電変換膜、上部導電膜は、それぞれ製膜装置の各チャンバ内において、スパッタリングやCVD(Chemical Vapor Deposition)法、蒸着法等によって形成される。
スラット構造型の太陽電池モジュールに用いられる太陽電池セルは、比較的厚みが薄く幅の狭い短冊状である。したがって、この種の太陽電池セルの製造には、製膜材料供給部側に基材を送出する送出ロールと、製膜処理が終了した後の製膜基材を巻き取る巻取ロールとを備えるロールツーロールタイプの製膜装置を用いることが有利である。
例えば、送出ロールと巻取ロールとの間に、第1〜第3チャンバを設け、第1〜第3チャンバにそれぞれ下部導電膜、光電変換膜、上部導電膜を製膜するための製膜材料供給部を設けるものとする。
送出ロールには、導電性材料からなるテープ状の基材が巻回状態で収納されている。送出ロールから送出される基材は、第1チャンバに導入されて、スパッタリング、蒸着法等により表面に下部導電膜が形成される。
表面に下部導電膜が形成された基材は、さらに、第2チャンバに導入されて、CVD法、蒸着法等により、下部導電膜上にアモルファスシリコンなどの光電変換膜が形成される。
表面に下部導電膜及び光電変換膜が形成された基材は、第3チャンバに導入されて、スパッタリングにより、表面に上部導電膜が形成される。
製膜処理後の基材は、巻取ロールによって巻き取られる。
巻取ロールに巻き取られた製膜処理後の基材は、切断工程、接合工程を経て、スラット構造型の太陽電池モジュールとなる。
上述した製膜装置は、チャンバ内の所定の位置において基材を停止して製膜処理を実行し、製膜後の基材位置が次のチャンバ内の所定の位置になるように基材を搬送する。そして、製膜装置は、次のチャンバ内の所定の位置に基材を停止させ、次の製膜処理を行う。
このような製膜装置では、チャンバ間の間隙の分だけ製膜されない部分が生じることとなり、製膜されない基材部分が無駄になるという問題がある。また、このような製膜されない部分を少なくするためにはチャンバを大型化する必要がある。
また、このような製膜装置では、それぞれの膜の製膜レートに偏りがあると、その膜の製膜時間に、全体の製膜処理時間が律速されてしまうという問題がある。これを解決するために、一般に製膜レートが遅い膜、若しくは厚く積層する膜については、同じ膜を製膜するチャンバをいくつも並べることが多く、その結果、装置コストが増大するという問題があった。
このような問題点を解決するために、チャンバ内に回転軸が互いに傾斜した2つのローラを配置したネルソンローラを設け、このネルソンローラの間に基材を複数回巻回して、製膜処理による製膜処理が連続的に実行されて、所定の膜厚になるような製膜装置が提案されている(例えば、特願2011−270465)。
図13は、ロールツーロールタイプの製膜装置の全体構成を示す説明図である。図14は、製膜処理部の主要構成を示す説明図である。
製膜装置Aは、基材送出ロールBと、基材巻取ロールCと、製膜処理部Dとを備えている。
基材送出ロールBには、太陽電池セルの基材となる導電性の薄板長尺状の基材Eが巻回状態で収納されている。
基材送出ロールBから送出される基材Eは、複数の製膜処理部Dを通過することにより、基材E上に太陽電池セルを構成するための所定の処理が連続的に実行され、基材巻取ロールCに巻き取られる。基材巻取ロールCに巻き取られた基材Eは、その表面に太陽電池セルに必要な薄膜が積層された太陽電池セル母材がロール状になったものである。
基材送出ロールBから基材巻取ロールCに向けて基材Eを搬送しながら、中間に位置する複数の製膜処理部Dにおいて基材Eに対する所定の処理を実行する。
製膜処理部Dは、それぞれスパッタリング又はCVD法、蒸着法等による製膜装置で構成されており、図14に示すように、チャンバFと、このチャンバF内に収容されるローラ部G及び製膜材料供給部Hとを備えている。
チャンバFは、その内部を真空環境に維持するものである。真空環境に維持されたチャンバF内に製膜材料供給部Hから特定の原料ガスが供給されることにより、基材E上に所定の薄膜が形成される。
ローラ部Gは、第1ローラI、第2ローラJを備えている。
第1ローラIは、軸回りに回転可能であって、外周面に沿って基材Eを走行させる。第2ローラJは、第1ローラIと所定距離離間して配置されており、第1ローラIとの間で基材Eが複数回巻回されることにより、第1ローラIの外周面に位置する基材Eを所定の間隔で複数列整列させる。
第1ローラIと第2ローラJとは、それぞれの回転軸が所定の角度で傾斜しているネルソンローラを構成している。
図15は、第1ローラIと第2ローラJとを外周面側方から見た説明図である。
図示した例では、第1ローラIと第2ローラJとの外径がほぼ同一の場合について考察している。
図15に示すように、チャンバFの外から供給される基材Eが、第1ローラIと第2ローラJの外周面に複数回巻回される。このとき、第1ローラIと第2ローラJの回転軸が傾斜していることから、所定の間隔で複数列の基材Eが整列状態で、第1ローラIと第2ローラJの外周面に巻回される。
第1ローラIと第2ローラJとの距離は、中央部では小さく、端部に行くに従って大きくなる。
したがって、第1ローラIと第2ローラJの間に巻回される複数列の基材Eは、それぞれ異なる距離を同一速度で搬送されることになる。
この場合、基材Eは、第1ローラI及び第2ローラJの外周面を摺動しながら移動することとなり、基材Eに損傷を発生するおそれがある。また、基材Eの配列位置における搬送速度の差が大きくなると、第1ローラI、第2ローラJが正常に回転しなくなるおそれがあり、特に、基材Eと第1ローラI、第2ローラJとの摩擦係数が大きい場合には、装置の故障及び基材Eの破断を招くおそれもある。
本発明の課題は、ロールツーロールタイプで長尺状の薄板基材上に所定の処理を行って基材表面に製膜する製膜装置において、ネルソンローラによる基材の搬送を円滑にし、基材の損傷や装置の故障を防止することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地による製膜装置は、搬送中の薄板長尺状の基材にチャンバ内において所定の処理を行って、基材の表面に薄膜を形成する製膜装置であって、製膜材料供給部と、第1ローラと、第2ローラとを備える。製膜材料供給部は、チャンバ内に配置され、搬送される基材に対して所定の製膜処理を実行する。第1ローラは、チャンバの外から供給される基材を製膜材料供給部に送出し、製膜処理後の基材をチャンバの外に排出する。第2ローラは、第1ローラの回転軸と所定の角度で傾斜する回転軸を有し、第1ローラとの間で基材が複数回巻回されて基材を所定の間隔で複数列整列させる。ここで、第1ローラと第2ローラのうち少なくとも一方が、自由回転する複数の個別ローラに分割されている。
第1ローラと第2ローラとは、回転軸が傾斜した、いわゆるネルソンローラを構成するものであり、所定の幅を有する薄板長尺状の基材を複数列整列した状態で巻回される。したがって、第1ローラ及び第2ローラに巻回される複数列の基材は、その位置に応じて搬送速度が異なる。第1ローラと第2ローラのうち、少なくとも一方は自由回転する複数の個別ローラで構成されていることから、基材の搬送速度の差分が、個別ローラの自由回転により吸収される。
よって、第1ローラと第2ローラ間に複数列整列される基材の搬送速度の差に起因して、基材が第1ローラ又は第2ローラの外周面に擦れて損傷することが防止される。
複数の個別ローラは、ローラ部に整列された基材の列と同数配列することができる。
また、第1ローラを複数の個別ローラに分割することができ、この場合、第2ローラが基材を搬送するために回転駆動されるように構成できる。
さらに、第2ローラを複数の個別ローラに分割することができる。
本発明によれば、ネルソンローラを用いてロールツーロールの製膜処理を連続的に実行する製膜装置において、ネルソンローラによる基材の搬送を円滑にし、基材の損傷や装置の故障を防止できる。
図1は、本発明の製膜装置の全体構成を示す説明図である。 図2は、製膜処理部の主要構成を示す説明図である。 図3は、第1実施形態のローラ部5を示す斜視図である。 図4は、第1実施形態の第1ローラ51と第2ローラ52とを上方から見た説明図である。 図5は、第2実施形態の第1ローラ51と第2ローラ52とを上方から見た説明図である。 図6は、第3実施形態の第1ローラ51と第2ローラ52とを上方から見た説明図である。 図7は、第4実施形態の第1ローラ51と第2ローラ52とを上方から見た説明図である。 図8は、第1実施形態のローラ部5の要部説明図である。 図9は、比較例1のローラ部の要部説明図である。 図10は、比較例2のローラ部の要部説明図である。 図11は、製膜処理後の基材の一例を模式的に示す説明図である。 図12は、スラット構造の太陽電池モジュールの説明図である。 図13は、従来例によるロールツーロールタイプの製膜装置の全体構成を示す説明図である。 図14は、従来例による製膜処理部の主要構成を示す説明図である。 図15は、従来例による第1ローラIと第2ローラJとを外周面側方から見た説明図である。
本発明の製膜装置の実施形態について、図に基づいて説明する。
(1)概要構成
図1は、本発明の製膜装置の全体構成を示す説明図である。図2は製膜処理部30の主要構成を示す説明図である。
製膜装置1は、基材送出ロール10と、基材巻取ロール20と、製膜処理部30とを備えている。
基材送出ロール10には、太陽電池セルの基材となる導電性の薄板長尺状の基材2が巻回状態で収納されている。
基材送出ロール10から送出される基材2は、複数の製膜処理部30を通過することにより、基材2上に太陽電池セルを構成するための所定の処理が連続的に実行され、基材巻取ロール20に巻き取られる。基材巻取ロール20に巻き取られた基材2は、その表面に太陽電池セルに必要な薄膜が積層された太陽電池セル母材がロール状になったものである。
以上に述べたように、基材送出ロール10から基材巻取ロール20に向けて基材2を搬送しながら、中間に位置する複数の製膜処理部30において基材2に対する所定の処理を実行する。したがって、以後、基材送出ロール10側を上流とし、基材巻取ロール20側を下流として説明する。
基材送出ロール10は、基材2を下流側に供給するためのものであり、この基材送出ロール10を制御装置(図示せず)によって回転制御することにより、基材2の送出量の調整を行う。例えば、基材2が下流側から引張力を受けた状態で基材送出ロール10を回転させることにより、基材2が下流側に送出される。また、基材送出ロール10に適宜ブレーキをかけることによって、基材2が撓むことなく一定速度で送出できる。
基材2は、厚み0.01mm〜0.2mm、幅5mm〜50mmであり、ステンレス、銅などの導電性材料を薄板長尺状にしたものを用いることができる。ただし、厚さ、幅、材質については、ここに記載したものに限定されるものではない。
基材巻取ロール20は、制御装置(図示せず)により駆動制御されることにより、基材2の巻取量を増減することができるようになっている。例えば、送出された基材2が撓むのを抑えながら、逆に基材2に必要以上の張力がかからないように、巻き取られるように構成される。本実施形態では、基材送出ロール10から送出された基材2が一定速度で搬送され、基材巻取ロール20に巻き取られるように駆動制御されている。
なお、これら基材送出ロール10と基材巻取ロール20は、それぞれ真空環境を形成するチャンバ11a、11b内に配置される。
(2)製膜処理部30
製膜処理部30は、基材2上に太陽電池に必要な薄膜を形成するためのものである。本実施形態では、複数の製膜処理部30が設けられている。具体的には、基材送出ロール10と基材巻取ロール20との間に、複数の製膜処理部30が直線状に配置されている。基材送出ロール10から送出された基材2が各製膜処理部30を走行して通過する際に、基材2上に順次薄膜が形成される。
製膜処理部30は、それぞれスパッタリング又はCVD法、蒸着法等による製膜装置で構成されており、図2に示すように、チャンバ3と、このチャンバ3内に収容されるローラ部5及び製膜材料供給部6とを備えている。
チャンバ3は、その内部を真空環境に維持するものである。真空環境に維持されたチャンバ3内に製膜材料供給部6から特定の製膜材料が供給されることにより、基材2上に所定の薄膜が形成される。なお、本実施形態では、チャンバ3を真空環境に維持しているが、真空環境でなくても製膜対象に応じた環境(例えば、大気圧環境)に維持することものであってもよい。
チャンバ3には、上流側から搬送される基材2を受け入れるための基材導入口3aと、製膜処理後の基材2を下流側に送出するための基材導出口3bとが設けられている。
これら基材導入口3aと基材導出口3bとは、基材2が通過可能にシールされており、基材2が搬送により走行した場合でも、各チャンバ3内は薄膜を形成するために適切な真空度を維持するように構成される。
ローラ部5は、第1ローラ51、第2ローラ52を備えている。
第1ローラ51は、軸回りに回転可能であって、外周面に沿って基材2を走行させる。第2ローラ52は、第1ローラ51と所定距離離間して配置されており、第1ローラ51との間で基材2が複数回巻回されることにより、第1ローラ51の外周面に位置する基材2を所定の間隔で複数列整列させる。
第1ローラ51と第2ローラ52とは、それぞれの回転軸が所定の角度で傾斜しているネルソンローラを構成している。ここで、ネルソンローラは、2つのローラの回転軸が捩れの位置関係(回転軸が平行ではなく、かつ回転軸及びその延長線が交差しない位置関係)にあるものを指すこととする。
(3)ローラ部5
(3−1)第1実施形態
図3は、第1実施形態のローラ部5を示す斜視図であり、図4は、第1実施形態の第1ローラ51と第2ローラ52とを上方から見た説明図である。
第1ローラ51と第2ローラ52とは、ともに円筒形状で形成されており、それぞれ軸回りに回転可能に支持されている。図示した例では、説明の便宜上、第1ローラ51と第2ローラ52とが、ほぼ同一の外径を有するものを例示しているが、特にこれに限定されるものではない。
また、第2ローラ52は、第1ローラ51の下方に(より具体的には、真下に)所定距離離間して配置されている。第2ローラ52の配置についても、第1ローラ51の斜め下方、水平方向側方などに配置することが可能であり、特に限定されるものではない。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸はそれぞれ所定角度傾斜した状態で配置される。
第1ローラ51及び第2ローラ52の外周面には、上流側から供給された基材2が複数回巻回されることにより、複数列の基材2が軸方向に所定間隔で整列される。
図2に示すように、第1ローラ51の外周面に対向して製膜材料供給部6が配置されている。第1ローラ51の外周面に複数列で整列した基材2に対して、製膜材料供給部6から製膜材料を供給することにより、基材2を走行状態で連続的に製膜処理を実行することができる。
図3,4に示すように、第1ローラ51は、少なくともローラ部に配列される基材2の整列数と同数又はそれ以上の複数の個別ローラ51a、51b、・・・51nに分割されている。各個別ローラ51a〜51nは、1つの回転軸(図示せず)の軸回りに自由回転するものであり、外周面に当接する基材2の移動に伴って回転する。
第2ローラ52は、基材2を搬送するために、図示しない駆動部により回転駆動される。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸が傾斜していることから、基材2の通過する位置によって、第1ローラ51と第2ローラ52の距離が異なる。したがって、各個別ローラ51a〜51nを通過する基材2の速度はそれぞれ異なる。
この実施形態では、複数の個別ローラ51a〜51nがそれぞれ自由回転するように回転軸に支持されていることから、各個別ローラ51a〜51nが、外周面に接触する基材2の搬送速度に応じた回転速度で回転する。
したがって、基材2が第1ローラ51又は第2ローラ52の外周面との間で擦れ合ってストレスを生じることがなくなる。その結果、基材2の損傷や装置の故障が防止される。
(3−2)第2実施形態
図5は、第2実施形態の第1ローラ51と第2ローラ52とを上方から見た説明図である。
第1実施形態と同様に、第1ローラ51と第2ローラ52とは、ともに円筒形状で形成されており、それぞれ軸回りに回転可能に支持されている。図示した例では、説明の便宜上、第1ローラ51と第2ローラ52とが、ほぼ同一の外径を有するものを例示しているが、特にこれに限定されるものではない。
また、第2ローラ52は、第1ローラ51の下方に所定距離離間して配置されている。第2ローラ52の配置についても、第1ローラ51の斜め下方、水平方向側方などに配置することが可能であり、特に限定されるものではない。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸はそれぞれ所定角度傾斜した状態で配置される。
第1ローラ51及び第2ローラ52の外周面には、上流側から供給された基材2が複数回巻回されることにより、複数列の基材2が軸方向に所定間隔で整列される。
図5に示すように、第2ローラ52は、少なくともローラ部に配列される基材2の整列数と同数又はそれ以上の複数の個別ローラ52a、52b、・・・52nに分割されている。各個別ローラ52a〜52nは、1つの回転軸(図示せず)の軸回りに自由回転するものであり、外周面に当接する基材2の移動に伴って回転する。
第1ローラ51は、基材2を搬送するために、図示しない駆動部により回転駆動される。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸が傾斜していることから、基材2の通過する位置によって、第1ローラ51と第2ローラ52の距離が異なる。したがって、各個別ローラ52a〜52nを通過する基材2の速度はそれぞれ異なる。
この実施形態では、複数の個別ローラ52a〜52nがそれぞれ自由回転するように回転軸に支持されていることから、各個別ローラ52a〜52nが、外周面に接触する基材2の搬送速度に応じた回転速度で回転する。
したがって、基材2が第1ローラ51又は第2ローラ52の外周面との間で擦れ合って、ストレスを生じることがなくなる。その結果、基材2の損傷や装置の故障が防止される。
(3−3)第3実施形態
図6は、第3実施形態の第1ローラ51と第2ローラ52とを上方から見た説明図である。
第1実施形態と同様に、第1ローラ51と第2ローラ52は、ともに円筒形状で形成されており、それぞれ軸回りに回転可能に支持されている。図示した例では、説明の便宜上、第1ローラ51と第2ローラ52とが、ほぼ同一の外径を有するものを例示しているが、特にこれに限定されるものではない。
また、第2ローラ52は、第1ローラ51の下方に(より具体的には、真下に)所定距離離間して配置されている。第2ローラ52の配置についても、第1ローラ51の斜め下方、水平方向側方などに配置することが可能であり、特に限定されるものではない。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸はそれぞれ所定角度傾斜した状態で配置される。
第1ローラ51及び第2ローラ52の外周面には、上流側から供給された基材2が複数回巻回されることにより、複数列の基材2が軸方向に所定間隔で整列される。
図6に示すように、第1ローラ51は、少なくともローラ部に配列される基材2の整列数と同数又はそれ以上の複数の個別ローラ51a、51b、・・・51nに分割されている。各個別ローラ51a〜51nは、1つの回転軸(図示せず)の軸回りに自由回転するものであり、外周面に当接する基材2の移動に伴って回転する。
また、第2ローラ52は、少なくともローラ部に配列される基材2の整列数と同数又はそれ以上の複数の個別ローラ52a、52b、・・・52nに分割されている。各個別ローラ52a〜52nは、1つの回転軸(図示せず)の軸回りに自由回転するものであり、外周面に当接する基材2の移動に伴って回転する。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸が傾斜していることから、基材2の通過する位置によって、第1ローラ51と第2ローラ52の距離が異なる。したがって、各個別ローラ51a〜51n及び52a〜52nを通過する基材2の速度はそれぞれ異なる。
この実施形態では、複数の個別ローラ51a〜51n、52a〜52nがそれぞれ自由回転するように回転軸に支持されていることから、各個別ローラ51a〜51n、52a〜52nが、外周面に接触する基材2の搬送速度に応じた回転速度で回転する。
したがって、基材2が第1ローラ51又は第2ローラ52の外周面との間で擦れ合って、ストレスを生じることがなくなる。その結果、基材2の損傷や装置の故障が防止される。
第3実施形態では、第1ローラ51及び第2ローラ52のいずれも駆動力を備えない構成を示している。したがって、チャンバ3内又はチャンバ3外に、基材2を搬送するための駆動力を伝達する駆動用ローラを設けることが好ましい。
又は、第1ローラ51の両端に位置する個別ローラ51a、51nのいずれか一方又は両方を駆動制御して、基材2に対して駆動力を伝達するように構成できる。
さらに、第2ローラ52の両端に位置する個別ローラ52a、52nのいずれか一方又は両方を駆動制御して、基材2に対して駆動力を伝達するように構成できる。
(3−4)第4実施形態
図7は、第4実施形態の第1ローラ51と第2ローラ52とを上方から見た説明図である。
第1ローラ51と第2ローラ52とは、ともに円筒形状で形成されており、それぞれ軸回りに回転可能に支持されている。図示した例では、説明の便宜上、第1ローラ51と第2ローラ52とが、ほぼ同一の外径を有するものを例示しているが、特にこれに限定されるものではない。
また、第2ローラ52は、第1ローラ51の下方に(より具体的には、真下に)所定距離離間して配置されている。第2ローラ52の配置についても、第1ローラ51の斜め下方、水平方向側方などに配置することが可能であり、特に限定されるものではない。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸はそれぞれ所定角度傾斜した状態で配置される。
第1ローラ51及び第2ローラ52の外周面には、上流側から供給された基材2が複数回巻回されることにより、複数列の基材2が軸方向に所定間隔で整列される。
図7に示すように、第1ローラ51は、複数の個別ローラ51a、51b、・・・51nに分割されている。各個別ローラ51a〜51nは、ローラ部5に配列される基材2の所定数の列が巻回されるものであって、図7に示す例では、3本の配列ごとに独立した個別ローラ51a〜51nが設けられる。各個別ローラ51a〜51nは、1つの回転軸(図示せず)の軸回りに自由回転するものであり、外周面に当接する基材2の移動に伴って回転する。
第2ローラ52は、基材2を搬送するために、図示しない駆動部により回転駆動される。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸が傾斜していることから、基材2の通過する位置によって、第1ローラ51と第2ローラ52の距離が異なる。ただし、ローラ部5に整列される基材2のうち、隣接する列に対応する第1ローラ51と第2ローラ52の距離は、ローラの両端と中央部の際に比して、大きく異なることはないと考えられる。
したがって、配列された基材2の数本ごとに対して、1つの個別ローラ51a〜51nを設けることで、基材2が第1ローラ51又は第2ローラ52の外周面との間で擦れ合う度合いを少なくしている。その結果、基材2の損傷や装置の故障が防止される。
(3−5)他の実施形態
第1実施形態において、第1ローラ51の両端に位置する個別ローラ51a、51nのいずれか一方又は両方を駆動制御して、基材2に対して駆動力を伝達するように構成できる。
同様に、第2実施形態において、第2ローラ52の両端に位置する個別ローラ52a、52nのいずれか一方又は両方を駆動制御して、基材2に対して駆動力を伝達するように構成できる。
第4実施形態の第1ローラ51と同様に、第2ローラ52を、基材2の複数列ごとに分割することができる。
(3−6)ローラ部5における基材2の搬送状態に関する考察
ローラ部5における基材2の搬送状態について以下に説明する。
図8は、第1実施形態のローラ部5の要部説明図である。
図示したように、第1ローラ51は、複数の個別ローラ51a、51b、51c・・・に分割されており、1つの回転軸(図示せず)の軸回りに自由回転する。
第2ローラ52は、基材2を搬送するために、図示しない駆動部により回転駆動される。
第1ローラ51と第2ローラ52は、その回転軸が捩れの位置関係にあるネルソンローラを構成している。基材2は第1ローラ51と第2ローラ52に螺旋状態で巻回されていることから、基材2の長さ方向は、第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸に直交する方向に対して所定の角度で傾斜している。したがって、第1ローラ51の個別ローラ51a、51b、51c・・・の外周面上に接する基材2は、主に第1ローラ51の回転軸に直交する方向に引っ張られるとともに、回転軸に平行な方向に対しても引っ張られている。このことにより、基材2には、第1ローラ51の外周面上において回転軸と平行な方向に基材2を横滑りさせる力が加わっている。
たとえば、図示したように、第2ローラ52の外周面から第1ローラ51の外周面に向けて通過する基材2の搬送方向を矢印A方向であるとする。このとき、第1ローラ51の個別ローラ51a、51b,51c・・・の外周面に接する基材2は、それぞれ搬送方向の駆動力を受けるとともに、第1ローラ51の回転軸に平行な方向であって、図8の左方向(矢印B方向)に基材2を横滑りさせる力を受ける。
第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸が捩れの位置関係にあることから、第1ローラ51の外周面に接する基材2には、第1ローラ51の回転軸に平行な方向であって、図8の右方向(矢印B方向と逆方向)に基材2を横滑りさせる力が働くこととなる。このことより、搬送に伴う基材2を横滑りさせる力と、ネルソンローラにより基材2を横滑りさせる力とが相殺されて、基材2は、見かけ上第1ローラ51の外周面上の同一位置を走行する。
したがって、第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸の間隔、基材2を第1ローラ51及び第2ローラ52間に巻回する際の回転軸に対する傾斜角度、及び基材2の搬送速度などに応じて、第1ローラ51の外周面上において基材2を横滑りさせる力が相殺されるように、第1ローラ51と第2ローラの回転軸の傾斜角度を決定する。
第2ローラ52を個別ローラ52a、52b、52c・・・に分割するようにした第2実施形態の場合も同様であり、基材2を横滑りさせる力が相殺されるように、第1ローラ51と第2ローラ2の回転軸の傾斜角度を決定する。
図9は、比較例1によるローラ部5の要部説明図である。
図9に示すものは、本発明の第1実施形態と同様に、第1ローラ51を複数の個別ローラ51a、51b、51c・・・に分割している。ただし、第1ローラ51と第2ローラ52はネルソンローラを構成するものではなく、個別ローラ51a、51b、51c・・・の回転中心を結ぶ第1ローラ51の中心線と、第2ローラ52の回転軸とは、互いに平行である。また、個別ローラ51a、51b、51c・・・の回転軸は、それぞれ第1ローラ51の中心線及び第2ローラ52の回転軸を含む面内において、第1ローラ51の中心線に対して所定の角度で傾斜している。このことにより、第1ローラ51の外周面と第2ローラ52の外周面間を搬送される基材2が1ピッチずつずれるようなっている。
図9に示す例において、第2ローラ52の外周面から第1ローラ51の外周面に向けて通過する基材2の搬送方向を矢印A方向であるとする。このとき、第2ローラ52の外周面から第1ローラ51の外周面に向かう基材2の搬送方向は、第1ローラ51の各個別ローラ51a、51b、51c・・・の回転軸に対して直交方向となり、基材2は第1ローラ51の各個別ローラ51a、51b、51c・・・の外周面上を滑ることなく、各個別ローラ51a、51b、51c・・・を回転させながら、搬送されることとなる。
ここで、第1ローラ51の外周面から第2ローラ52の外周面に向けて通過する基材2の搬送方向は、個別ローラ51a、51b、51c・・・の回転軸に垂直な方向に対して傾斜している。したがって、個別ローラ51a、51b,51c・・・の外周面に接する基材2は、それぞれ搬送方向の駆動力を受けるとともに、第1ローラ51の回転軸に平行な方向であって、図9の左方向(矢印B方向)に基材2を横滑りさせる力を受ける。
この比較例1では、基材2に対して働く矢印B方向の力を相殺する力が働かないことから、基材2として摩擦係数の高い材料を用いるか、あるいは基材2のテンションを高く維持することによって、基材2の搬送と一体的に個別ローラ51a、51b、51c・・・を回転させる必要がある。
この場合、第1ローラ51及び第2ローラ52間を搬送される基材2のテンションをある程度高く維持する必要があり、基材2にかかるテンションが過大になると、基材2が損傷する、あるいは強いテンションにより第1ローラ51及び第2ローラ52の回転が阻害されて、搬送が不能になるおそれがある。
また、基材2のテンションを低くすると、搬送に伴う基材2を横滑りさせる力により、基材2が個別ローラ51a、51b、51c・・・の外周面から横滑りして抜け落ちるおそれがある。この場合には、基材2の少なくとも裏面側の摩擦係数を高くする必要があり、基材2として用いることができる材料が限定される。
さらに、基材2の搬送方向を矢印A方向と逆方向とした場合、個別ローラ51a、51b、51c・・・の外周面において矢印Bと逆方向に基材2を横滑りさせる力が働き、基材2のテンションが大きくなる。基材2にかかるテンションが過大になると、前述と同様に、基材2が損傷する、あるいは強いテンションにより第1ローラ51及び第2ローラ52の回転が阻害されて、搬送が不能になるおそれがある。
図10は、比較例2によるローラ部5の要部説明図である。
図10に示すものは、本発明の第3実施形態と同様に、第1ローラ51を複数の個別ローラ51a、51b、51c・・・に分割し、第2ローラ52を複数の個別ローラ52a、52b、52c・・・に分割している。第1ローラ51と第2ローラ52はネルソンローラを構成するものではなく、個別ローラ51a、51b、51c・・・の回転中心を結ぶ第1ローラ51の中心線と、個別ローラ52a、52b、52c・・・の回転中心を結ぶ第2ローラ52の中心線とは、互いに平行である。また、個別ローラ51a、51b、51c・・・の回転軸及び個別ローラ52a、52b、52c・・・は、第1ローラ51の中心線及び第2ローラ52の中心線を含む面内において、それぞれ第1ローラ51及び第2ローラ52の中心線に対して所定の角度で傾斜しており、第1ローラ51及び第2ローラ52の外周面間を搬送される基材2が1ピッチずつずれるようになっている。
図10に示す例において、第2ローラ52の外周面から第1ローラ51の外周面に向けて通過する基材2の搬送方向を矢印A方向であるとする。このとき、第2ローラ52の外周面から第1ローラ51の外周面に向かう基材2の搬送方向は、第1ローラ51の各個別ローラ51a、51b、51c・・・及び第2ローラ52の各個別ローラ52a、52b、52c・・・の回転軸に対して直交方向となり、基材2は第1ローラ51の各個別ローラ51a、51b、51c・・・及び第2ローラ52の各個別ローラ52a、52b、52c・・・の外周面上を滑ることなく、各個別ローラを回転させながら搬送されることとなる。
ここで、第1ローラ51の外周面から第2ローラ52の外周面に向けて通過する基材2の搬送方向は、個別ローラ51a、51b、51c・・・及び個別ローラ52a、52b、52c・・・の回転軸に垂直な方向に対して傾斜している。したがって、個別ローラ51a、51b,51c・・・の外周面に接する基材2は、それぞれ搬送方向の駆動力を受けるとともに、第1ローラ51の回転軸に平行な方向であって、図10の左方向(矢印B方向)に基材2を横滑りさせる力を受ける。個別ローラ52a、52b、52c・・・の外周面に接する基材2についても、同様の横滑りさせる力を受ける。
比較例2においても、基材2に対して働く矢印B方向の力を相殺する力が働かないことから、基材2として摩擦係数の高い材料を用いるか、あるいは基材2のテンションを高く維持することによって、基材2の搬送と一体的に個別ローラ51a、51b、51c・・・及び/又は個別ローラ52a、52b、52c・・・を回転させる必要がある。
この場合、第1ローラ51及び第2ローラ52間を搬送される基材2のテンションをある程度高く維持する必要があり、基材2にかかるテンションが過大になると、基材2が損傷する、あるいは強いテンションにより第1ローラ51及び第2ローラ52の回転が阻害されて、搬送が不能になるおそれがある。
また、基材2のテンションを低くすると、搬送に伴う基材2を横滑りさせる力により、基材2が個別ローラ51a、51b、51c・・・の外周面から横滑りして抜け落ちるおそれがある。この場合には、基材2の少なくとも裏面側の摩擦係数を高くする必要があり、基材2として用いることができる材料が限定される。
第2ローラ52側では、搬送に伴う基材2を横滑りさせる力により、基材2を第1ローラ51から遠ざける方向のテンションが高まるおそれがある。したがって、第2ローラ52側において、基材2のテンションが高くなり過ぎて、基材2の損傷または第1ローラ51及び第2ローラ52の回転が阻害されるおそれがある。
さらに、基材2の搬送方向を矢印A方向と逆方向とした場合、個別ローラ51a、51b、51c・・・の外周面において矢印Bと逆方向に基材2を横滑りさせる力が働き、基材2のテンションが大きくなる。基材2にかかるテンションが過大になると、前述と同様に、基材2が損傷する、あるいは強いテンションにより第1ローラ51及び第2ローラ52の回転が阻害されて、搬送が不能になるおそれがある。
また、第2ローラ52側では、搬送に伴う基材2を横滑りさせる力により、個別ローラ52a、52b、52c・・・から基材2が抜け落ちるおそれがある。
比較例のように、第1ローラ51と第2ローラ52の回転軸が互いに平行である場合には、搬送に伴う横滑りが生じないように個別ローラに分割して各個別ローラの回転軸を傾斜させたとしても、基材2のテンションを高く維持する必要があり、基材2の損傷やローラの回転不良などの問題が生じるおそれがあり、基材2のテンションが足りない場合にはローラから抜け落ちるおそれがある。
これに対して、本発明の各実施形態では、第1ローラ51と第2ローラ52は、その回転軸がねじれの位置関係にあるネルソンローラを構成していることから、ローラの長さ方向位置による基材2の搬送速度に差があり、搬送位置に応じて基材2にかかるテンションに差が生じる。このような基材2のテンションの差を、自由回転する個別ローラ51a〜51n及び/又は52a〜52nによって吸収し、基材2の損傷や装置の故障などを防止している。したがって、基材2に過度のテンションにより損傷することを防止できる。また、搬送に伴い基材2を横滑りさせる力は、回転軸が捩れの位置関係であるネルソンローラにより基材2の作用する力と相殺されて、過度のテンションがかかることが防止でき、また基材2がローラから脱落することを防止できる。
(4)太陽電池モジュール
図11は、製膜処理後の基材の一例を模式的に示す説明図であり、図12は、スラット構造の太陽電池モジュールの説明図である。
前述したような製膜処理部30は、それぞれチャンバ3内においてスパッタリング又はCVD法、蒸着法等により、基材2上に薄膜を形成するものである。
複数のチャンバ3内において、所定の製膜処理が実行された基材2上には、図11に示すように、下部導電膜4a、光電変換膜4b、上部導電膜4c等が積層された長尺状の太陽電池セル母材を構成している。
基材2上に下部導電膜4a、光電変換膜4b、上部導電膜4cが製膜された太陽電池セル母材は、切断工程において所定の長さの太陽電池セル21に切断される。所定の長さに切断された短冊状の太陽電池セル21は、2つの電極24、25の間に複数配列されて幅方向両側部が接合され、裏面側カバー部材22と受光面側カバー部材23の間に充填されるEVA26によって一体的に形成される。
(5)実施形態の作用効果
製膜装置1(製膜装置の一例)は、製膜材料供給部6(製膜材料供給部の一例)と、第1ローラ51(第1ローラの一例)と、第2ローラ52(第2ローラの一例)とを備えている。製膜材料供給部6は、チャンバ3(チャンバの一例)内に配置され、搬送される基材2(基材の一例)に対して所定の製膜処理を実行する。第1ローラ51は、チャンバ3の外から供給される基材2を製膜材料供給部6に送出し、製膜処理後の基材2をチャンバ3の外に排出する。第2ローラ52は、第1ローラ51の回転軸と所定の角度で傾斜する回転軸を有し、第1ローラ51との間で基材2が複数回巻回されて基材2を所定の間隔で複数列整列させる。ここで、第1ローラ51と第2ローラ52のうち少なくとも一方が、自由回転する複数の個別ローラ51a〜51n及び/又は52a〜52n(個別ローラの一例)に分割されている。
本実施形態によれば、第1ローラ51と第2ローラ52との間に複数回巻回される基材2を搬送しながら、製膜材料供給部6から製膜材料を供給して、所定の製膜処理を実行することができる。
このとき、第1ローラ51、第2ローラ52のうち少なくとも一方が、自由回転する個別ローラ51a〜51n及び/又は52a〜52nに分割されており、第1ローラ51及び第2ローラ52間に配列された複数列の基材2の搬送速度の差分を吸収(ローラ上で基材2が滑る、及び個別ローラが独立して回転)して、基材2の損傷や装置の故障を防止できる。
本発明は、ロールツーロールで製膜処理を実行する製膜装置に広く適用することができる。
1 製膜装置
2 基材
3 チャンバ
5 ローラ部
6 製膜材料供給部
10 基材送出ロール
11a チャンバ
11b チャンバ
20 基材巻取ロール
21 太陽電池セル
30 製膜処理部
51 第1ローラ
51a〜51n 個別ローラ
52 第2ローラ
52a〜52n 個別ローラ

Claims (5)

  1. 搬送中の薄板長尺状の基材にチャンバ内において所定の処理を行って、前記基材の表面に薄膜を形成する製膜装置であって、
    前記チャンバ内に配置され、前記搬送される基材に対して所定の製膜処理を実行する製膜材料供給部と、
    前記チャンバの外から供給される基材を前記製膜材料供給部に送出し、製膜処理後の前記基材を前記チャンバの外に排出する第1ローラと、
    前記第1ローラの回転軸と所定の角度で傾斜する回転軸を有し、前記第1ローラとの間で前記基材が複数回巻回されて前記基材を所定の間隔で複数列整列させる第2ローラと、
    を備え、前記第1ローラと前記第2ローラのうち少なくとも一方が、自由回転する複数の個別ローラに分割されている、製膜装置。
  2. 前記複数の個別ローラは、前記ローラ部に整列された基材の列と同数配列される、請求項1に記載の製膜装置。
  3. 前記第1ローラが前記複数の個別ローラに分割されている、請求項1又は2に記載の製膜装置。
  4. 前記第2ローラが基材を搬送するために回転駆動される、請求項3に記載の製膜装置。
  5. 前記第2ローラが前記複数の個別ローラに分割されている、請求項1〜4のいずれかに記載の製膜装置。
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