JP2013227419A - 紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物およびそれを用いた画像表示装置、並びに画像表示装置の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】映像品位に関して輝度やコントラストに悪影響を及ぼさず、透明性等に優れるとともに、低硬化収縮性に優れた紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物、およびそれを用いた画像表示装置、並びに画像表示装置の製法を提供する。
【解決手段】画像表示パネルと保護カバープレートとの間等の隙間を埋めるための光学樹脂接着剤組成物であって、(メタ)アクリレート系化合物(A)と光重合開始剤(B)とを必須成分とし、かつその硬化収縮率が1%未満である紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物である。
【選択図】なし
【解決手段】画像表示パネルと保護カバープレートとの間等の隙間を埋めるための光学樹脂接着剤組成物であって、(メタ)アクリレート系化合物(A)と光重合開始剤(B)とを必須成分とし、かつその硬化収縮率が1%未満である紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物である。
【選択図】なし
Description
本発明は、画像表示装置における保護カバープレートと画像表示パネルとの間の隙間を埋めるために用いられる接着剤組成物であって、紫外線硬化性,光透過性等に優れた特性を示す紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物、およびそれを用いた画像表示装置、並びに画像表示装置の製法に関するものである。
従来、液晶表示装置,有機EL表示装置等の画像表示装置における、画像表示パネル(LCDモジュール等)、タッチセンサー、保護カバープレート(フロントカバー:ガラスやアクリル樹脂等からなる)の相互間には、画像表示パネル表面やタッチセンサーを保護するため、0.5〜1.5mm程度の空隙からなるエアーギャップ構造(中空構造)が構成されている(特許文献1参照)。
しかし、上記エアーギャップ構造部分の空気の屈折率が約1であるのに対して、画像表示パネルの偏光板や保護カバープレートの屈折率が1.5近傍にあることから、画像表示パネルから発した映像光がパネル内で拡散・散乱したり、太陽光等の外光が反射したりしやすく、総じて輝度の低下やコントラストの悪化が避けられないといった問題がある。
上記のような問題を解消するため、近年、上記エアーギャップ構造部分に、ガラスやアクリル樹脂と屈折率が近い透明な光学樹脂を充填することが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。このように、光学樹脂を用いて上記エアーギャップを埋め、画像表示パネル,タッチセンサーおよび保護カバープレートの相互間の光学的界面を無くすことによって、映像光の拡散・散乱等が減少し、輝度の向上やコントラストの向上に大きく貢献するため、従来よりも高品位の映像を映し出すことが可能となる。また、上記エアーギャップに光学樹脂を充填することにより、画像表示装置全体の強度が増すため、万が一、保護カバープレートが破損した場合であっても、形成材料であるガラスが飛散することを防ぐといった効果も得られる。
上記光学樹脂には、その用途上、透明性、低硬化収縮性、接着性等の特性が求められる。しかしながら、従来の光学樹脂(光学樹脂接着剤組成物)においては、これらの特性に関して未だ改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、映像品位に関して輝度やコントラストに悪影響を及ぼさず、透明性等に優れるとともに、低硬化収縮性に優れた紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物、およびそれを用いた画像表示装置、並びに画像表示装置の製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、画像表示パネルと保護カバープレートとの間に用いられる光学樹脂接着剤組成物であって、(メタ)アクリレート系化合物(A)と光重合開始剤(B)とを必須成分とし、かつその硬化収縮率が1%未満である紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を、第一の要旨とする。
また、本発明は、画像表示パネルと、上記画像表示パネル上に配置された透光性の保護カバープレートとを備えた画像表示装置であって、上記画像表示パネルと保護カバープレートとの間が、上記第一の要旨の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物からなる樹脂硬化物層で埋められている画像表示装置を、第二の要旨とする。
さらに、本発明は、画像表示パネルと、上記画像表示パネル上に配置された透光性の保護カバープレートとの間を、上記第一の要旨の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物で埋めた後、紫外線照射によって上記光学樹脂接着剤組成物を硬化させる工程を備えている画像表示装置の製法を、第三の要旨とする。
本発明者は、透明性等に優れるとともに低硬化収縮性に優れた、層間充填用の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を得るために一連の研究を重ねた。その結果、(メタ)アクリレート系化合物(A)と、光重合開始剤(B)とを必須構成成分とし、かつその硬化収縮率を1%未満とする光学樹脂組成物を用いると、所期の目的が達成できることを見いだし、本発明に到達した。
このように、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、(メタ)アクリレート系化合物(A)と、光重合開始剤(B)とを必須成分として含有し、かつその硬化収縮率を1%未満とするものである。このため、透明性等に優れるとともに、低硬化収縮性に優れることから、液晶表示装置や有機EL表示装置等の画像表示パネルと保護カバープレートとの間の隙間を埋めるための層間充填用材料として、非常に有用である。
また、本発明の画像表示装置は、画像表示パネルと、上記画像表示パネル上に配置された透光性の保護カバープレートとを備えた画像表示装置であって、上記画像表示パネルと保護カバープレートとの間が、上記特定の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物からなる樹脂硬化物層で埋められている。このため、映像光の拡散・散乱等が少なく、輝度の向上やコントラストの向上がみられ、その結果、従来品よりも高品位の映像を映し出すことができる。さらに、上記樹脂硬化物層により画像表示装置全体の強度が増すため、例えば、万が一、保護カバープレートが破損した場合であっても、形成材料であるガラスが飛散することを防ぐといった効果も得られる。
さらに、本発明の画像表示装置の製法は、画像表示パネルと、上記画像表示パネル上に配置された透光性の保護カバープレートとの間を、上記特定の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物で埋めた後、紫外線照射によって上記光学樹脂接着剤組成物を硬化させる工程を備えている。そして、上記特定の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物の特性より、硬化収縮率が非常に小さいことから、高品質の画像表示装置を製造することができる。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、(メタ)アクリレート系化合物(A成分)と、光重合開始剤(B成分)とを必須成分とし、かつその硬化収縮率が1%未満を示すものである。なお、本発明において、(メタ)アクリレート系化合物とは、アクリレート系化合物あるいはメタクリレート系化合物を意味するものである。また、上記硬化収縮率は、光学樹脂接着剤組成物の硬化前(樹脂液)の比重αと、硬化後(固体)の比重βとを、電子比重計(例えば、MIRAGE社製のSD−200L等)を用いて測定し、その値α,βを次式に当てはめることにより算出することができる。
硬化収縮率(%)=〔(β−α)/β〕×100
硬化収縮率(%)=〔(β−α)/β〕×100
特に、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、その硬化物の厚み150μmに対する全光線透過率が98%以上であることが、光透過性が良好となるため、その用途の点から好ましい。なお、上記全光線透過率の測定は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、厚み150μmのスペーサーを介した2枚のスライドガラス板間に紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を充填し挟み込んだ後、スライドガラス板越しに水銀ランプを照射等することにより紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を硬化させて、測定用試料を作製し、この試料について、日本電色工業社製のNHM−2000型ヘイズメーター等を用いて、全光線透過率の測定が行われる。
また、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、積算光量10000mJ/cm2の紫外線照射による硬化率が80%以上であることが、その用途の点から好ましい。なお、このときの紫外線硬化率の測定は、例えば、次のようにして行われる。すなわち、紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物に対し、レオロジカインスツルメンツ社製の粘弾性測定装置VAR−200ADを用いて、照度10mW/cm2、周波数:1Hzで、積算光量10000mJ/cm2になるまで光照射しながら貯蔵弾性率を測定し、積算光量が1000mJ/cm2の時の貯蔵弾性率Xと、積算光量が10000mJ/cm2の時の貯蔵弾性率Yとから、以下の式に従い、積算光量10000mJ/cm2の紫外線照射による硬化率A(%)を算出することができる。
A(%)=(X/Y)×100
A(%)=(X/Y)×100
上記(メタ)アクリレート系化合物(A成分)としては、特に限定はないが、中でも、下記の一般式(1)に示す化合物が、紫外線硬化性に優れることから好ましい。
上記一般式(1)において、R1およびR2がメチル基であることが、紫外線硬化性が良好になる点から好ましい。また、上記一般式(1)において、X1およびX2が炭素数3〜4のアルキレン基であることが、光透過性が良好になる点から好ましい。さらに、上記一般式(1)において、m+n=10〜20であることが、光透過性が良好になる点から好ましい。
さらに、上記一般式(1)において、X1およびX2が−CH(CH3)−CH2−であり、Yが単結合であることが、光透過性が良好になる点から好ましい。
上記(メタ)アクリレート系化合物(A成分)の配合量は、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物全体の0.1〜50重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは1〜40重量%の範囲である。すなわち、上記(メタ)アクリレート系化合物の配合量が少な過ぎると、紫外線硬化性に劣る傾向がみられ、逆に多過ぎると、低硬化収縮性に劣る傾向がみられるからである。
そして、上記(メタ)アクリレート系化合物(A成分)とともに用いられる光重合開始剤(B成分)は、紫外線(UV)硬化剤として作用するものであり、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤等の各種光重合開始剤が用いられる。本発明では、液晶表示装置にITO(酸化インジウム−スズ)等の透明電極が形成されているタッチパネルが使用される場合には、光重合開始剤由来のイオン(特に対アニオン)によるITO腐食を避ける目的から、より好適には、光ラジカル重合開始剤が用いられる。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルエトキシ−ホスフィンオキサイド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、イソプロピルチオキサントン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、エチルアントラキノン、ベンゾフェノンアンモニウム塩、チオキサントンアンモニウム塩、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、1,4−ジベンゾイルベンゼン、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラキス(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルジフェニルエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル〕チタニウム、o−メチルベンゾイルベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル、活性ターシャリアミン、アルバゾール・フェノン系光重合開始剤、アクリジン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、ベンゾイル系光重合開始剤等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記光重合開始剤(B成分)の配合量は、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物全体の0.1〜20重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.2〜20重量%の範囲である。すなわち、光重合開始剤(B成分)の配合量が少な過ぎると、紫外線硬化性に劣り、逆に多過ぎると、光透過性に劣る傾向がみられるからである。
本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、(メタ)アクリレート系化合物(A成分)と、光重合開始剤(B成分)とを必須成分とするものであるが、必要に応じて、これらとともに、1分子当たり平均1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する共役ジエン系ポリマー(C成分)を含有することが、光透過性が良好になる点から好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基あるいはメタクリロイル基を意味する。
そして、上記共役ジエン系ポリマー(C成分)が、ポリブタジエン,ポリイソプレン,およびブタジエンとイソプレンとの共重合体からなる群から選ばれた少なくとも一つからなり、かつ1分子当たり平均1個以上の(メタ)アクリロイル基を備えたポリマーであることが、光透過性が良好になる点から好ましい。
上記共役ジエン系ポリマー(C成分)の配合量は、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物全体の0〜99重量%の範囲に設定することが好ましい。すなわち、上記共役ジエン系ポリマーの配合量が多過ぎると、紫外線硬化性に劣る傾向がみられるからである。
また、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物には、上記各成分に加え、可塑剤として、数平均分子量が2000〜20000の液状ポリブタジエンを配合することが、光透過性が良好になる点から好ましい。
上記液状ポリブタジエンの配合量は、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物全体の0〜90重量%の範囲に設定することが好ましい。すなわち、上記液状ポリブタジエンの配合量が多過ぎると、接着性が劣る傾向がみられるからである。
さらに、本発明の紫外線硬化型光学樹脂組成物には、上記各成分以外の(メタ)アクリレートモノマーを配合することができる。
上記(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルネン(メタ)アクリレートを例示できる。これらの(メタ)アクリレートフェノキシエチル(メタ)アクリレート(PO)、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート(CH)、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記(メタ)アクリレートモノマーの配合量は、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物全体の0〜50重量%の範囲に設定することが好ましい。すなわち、上記(メタ)アクリレートモノマーの配合量が多過ぎると、低硬化収縮性に劣る傾向がみられるからである。
また、本発明の紫外線硬化型光学樹脂組成物には、上記各成分に加え、酸化防止剤を配合することができる。
上記酸化防止剤としては、例えば、BHT、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル・テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−へキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−へキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)べンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、オクチル化ジフェニルアミン、2,4,−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジブチルヒドロキシトルエン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記酸化防止剤の配合量は、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物全体の0〜5重量%の範囲に設定することが好ましく、より好ましくは0.02〜3重量%の範囲である。
さらに、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物には、上記各成分以外に、その用途等に応じて、消泡剤、界面活性剤、着色剤、有機質充填剤、各種スペーサー、粘着・接着付与剤等を必要に応じて適宜配合することができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、例えば、(メタ)アクリレート系化合物(A成分),光重合開始剤(B成分)および他の配合成分を配合し、自公転型遊星撹拌混合機やガラス撹拌容器による撹拌によって、混合,混練することにより製造することができる。
このようにして得られる本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、例えば、UVランプ等を用いての紫外線照射により硬化体として供される。また、上記紫外線照射等の光照射後、必要に応じて所定の温度でのポストキュアを行ってもよい。
本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、主として、画像表示パネルと保護カバープレート(フロントカバー)等の隙間を埋めるために用いられる。具体的には、例えば、ガラスやアクリル樹脂等の保護カバープレート(フロントカバー)に本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を必要量塗布し、常圧または真空下で画像表示パネルと位置合わせをして貼り合わせる。この際、貼り合わせ圧力や高さを制御することにより、保護カバープレートと表示パネル間の距離を保ちながら部分的に紫外線照射を行い、仮固着を行う。その後必要に応じて外観検査を実施した後、再度紫外線照射を行い、上記光学樹脂接着剤組成物を硬化させることにより、目的とする画像表示装置を製造することができる。
上記のように、画像表示パネルと、上記画像表示パネル上に配置された透光性の保護カバープレートとの間を、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物で埋めた後、紫外線照射によって上記光学樹脂接着剤組成物を硬化させることにより、目的とする画像表示装置を製造することができる。なお、上記画像表示装置にタッチセンサーを設ける場合は、上記画像表示パネルと保護カバープレートとの間に、タッチセンサーを配置し、上記画像表示パネルとタッチセンサーとの間および上記保護カバープレートとタッチセンサーとの間の少なくとも一方を、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物で埋めた後、紫外線照射によって上記光学樹脂接着剤組成物を硬化させることにより、目的とする画像表示装置を製造することができる。また、上記画像表示パネルと保護カバープレートとの間には、必要に応じ、タッチセンサーの他、レンズプレート、偏光板等を積層することもできる。
上記紫外線照射に際して用いられる光源としては、公知の各種光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に照射するものが用いられる。
そして、本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物の特性より、硬化収縮率が非常に小さいことから、高品質の画像表示装置を製造することができる。
また、上記のようにして得られた画像表示装置は、映像光の拡散・散乱等が少なく、輝度の向上やコントラストの向上がみられ、その結果、従来品よりも高品位の映像を映し出すことができる。さらに、上記樹脂硬化物層により画像表示装置全体の強度が増すため、例えば、万が一、保護カバープレートが破損した場合であっても、形成材料であるガラスが飛散することを防ぐといった効果も得られる。
つぎに、実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔ポリマーa1〕
クラプレンUC−102(クラレ社製、メタクリロイル基含有ポリイソプレン、1分子当たりのメタクリロイル基数:2、重量平均分子量:19000)
クラプレンUC−102(クラレ社製、メタクリロイル基含有ポリイソプレン、1分子当たりのメタクリロイル基数:2、重量平均分子量:19000)
〔液状ポリブタジエンb1〕
ポリベスト110(エボニック社製、数平均分子量:2600)
ポリベスト110(エボニック社製、数平均分子量:2600)
〔(メタ)アクリレートc1〕
下記の一般式(1′)において、R1およびR2がメチル基、X1およびX2が−CH(CH3)−CH2−、Yが単結合、m+n=17となる(メタ)アクリレート化合物。
下記の一般式(1′)において、R1およびR2がメチル基、X1およびX2が−CH(CH3)−CH2−、Yが単結合、m+n=17となる(メタ)アクリレート化合物。
〔(メタ)アクリレートc2〕
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート
〔光重合開始剤〕
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
〔実施例1〜3、比較例1,2〕
上記各成分を、後記の表1に示す割合で配合し、遮光下、遊星撹拌脱泡機にて混合することにより、目的とする紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を作製した。
上記各成分を、後記の表1に示す割合で配合し、遮光下、遊星撹拌脱泡機にて混合することにより、目的とする紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を作製した。
このようにして得られた各紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物について、下記に示す方法に従って各種特性試験を行い評価した。その結果を後記の表1に併せて示す。
〔硬化収縮率〕
紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物の硬化前(樹脂液)の比重αと、硬化後(固体)の比重βとを、電子比重計(MIRAGE社製、SD−200L)を用いて測定し、その値α,βを次式に当てはめることにより硬化収縮率(%)を算出した。
硬化収縮率(%)=〔(β−α)/β〕×100
紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物の硬化前(樹脂液)の比重αと、硬化後(固体)の比重βとを、電子比重計(MIRAGE社製、SD−200L)を用いて測定し、その値α,βを次式に当てはめることにより硬化収縮率(%)を算出した。
硬化収縮率(%)=〔(β−α)/β〕×100
〔全光線透過率〕
厚み150μmのスペーサーを介した2枚のスライドガラス板(厚み1mm)間に紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を充填し挟み込んだ後、スライドガラス板越しに水銀ランプ(10mW/cm2)を照射(積算光量が10000mJ/cm2となるよう照射)することにより紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を硬化させ、測定用試料を作製した。得られたこの両面スライドガラス板の試料について、日本電色工業社製のNHM−2000型ヘイズメーターを用いて、全光線透過率を測定した。
厚み150μmのスペーサーを介した2枚のスライドガラス板(厚み1mm)間に紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を充填し挟み込んだ後、スライドガラス板越しに水銀ランプ(10mW/cm2)を照射(積算光量が10000mJ/cm2となるよう照射)することにより紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物を硬化させ、測定用試料を作製した。得られたこの両面スライドガラス板の試料について、日本電色工業社製のNHM−2000型ヘイズメーターを用いて、全光線透過率を測定した。
〔紫外線硬化率〕
紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物に対し、レオロジカインスツルメンツ社製の粘弾性測定装置VAR−200ADを用いて、照度10mW/cm2、周波数:1Hzで、積算光量10000mJ/cm2になるまで光照射しながら貯蔵弾性率を測定した。そして、積算光量が1000mJ/cm2の時の貯蔵弾性率Xと、積算光量が10000mJ/cm2の時の貯蔵弾性率Yとから、以下の式に従い、積算光量10000mJ/cm2の紫外線照射による硬化率A(%)を算出した。
A(%)=(X/Y)×100
紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物に対し、レオロジカインスツルメンツ社製の粘弾性測定装置VAR−200ADを用いて、照度10mW/cm2、周波数:1Hzで、積算光量10000mJ/cm2になるまで光照射しながら貯蔵弾性率を測定した。そして、積算光量が1000mJ/cm2の時の貯蔵弾性率Xと、積算光量が10000mJ/cm2の時の貯蔵弾性率Yとから、以下の式に従い、積算光量10000mJ/cm2の紫外線照射による硬化率A(%)を算出した。
A(%)=(X/Y)×100
上記表の結果から、実施例の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、その硬化収縮率が1%未満と小さい。そして、実施例では、全光線透過率が高く、紫外線硬化性も良好な評価結果が得られた。このことから、実施例の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、透明性に優れるとともに、低硬化収縮性に優れていることは明らかである。
これに対して、比較例1,2では、全光線透過率は高かったが、紫外線硬化性に劣る結果となった。
本発明の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物は、液晶表示装置,有機EL表示装置等の画像表示パネルと保護カバープレート(フロントカバー)との隙間等を埋める光学充填樹脂材料として有用であるが、それ以外にも、例えば、有機EL照明装置,光学素子,光導波路等の光学デバイス、薄膜シリコン太陽電池,有機薄膜太陽電池や色素増感型太陽電池等の太陽電池等、多くの機能性デバイスへの適用が可能である。
Claims (8)
- 画像表示パネルと保護カバープレートとの間に用いられる光学樹脂接着剤組成物であって、(メタ)アクリレート系化合物(A)と光重合開始剤(B)とを必須成分とし、かつその硬化収縮率が1%未満であることを特徴とする紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物。
- その硬化物の厚み150μmに対する全光線透過率が98%以上である、請求項1記載の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物。
- 積算光量10000mJ/cm2の紫外線照射による硬化率が80%以上である、請求項1または2記載の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物。
- 画像表示パネルと、上記画像表示パネル上に配置された透光性の保護カバープレートとを備えた画像表示装置であって、上記画像表示パネルと保護カバープレートとの間が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物からなる樹脂硬化物層で埋められていることを特徴とする画像表示装置。
- 上記画像表示パネルと保護カバープレートとの間に、タッチセンサーが配置され、上記画像表示パネルとタッチセンサーとの間および上記保護カバープレートとタッチセンサーとの間の少なくとも一方が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物からなる樹脂硬化物層で埋められている、請求項5記載の画像表示装置。
- 画像表示パネルと、上記画像表示パネル上に配置された透光性の保護カバープレートとの間を、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物で埋めた後、紫外線照射によって上記光学樹脂接着剤組成物を硬化させる工程を備えていることを特徴とする画像表示装置の製法。
- 上記画像表示パネルと保護カバープレートとの間に、タッチセンサーを配置し、上記画像表示パネルとタッチセンサーとの間および上記保護カバープレートとタッチセンサーとの間の少なくとも一方を、請求項1〜4のいずれか一項に記載の紫外線硬化型光学樹脂接着剤組成物で埋めた後、紫外線照射によって上記光学樹脂接着剤組成物を硬化させる工程を備えている、請求項7記載の画像表示装置の製法。
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