JP2013226885A - 車両用ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のランプのそれぞれに設けられるソレノイド型アクチュエータを駆動するための電流制御装置の数を低減して車両用ランプ全体の小型化及び低コスト化を実現する。
【解決手段】配光を制御するためのソレノイド型のアクチュエータ6R,6Lを備える複数個のランプRHL,LHLを装備した車両用ランプであって、アクチュエータ6R,6Lを駆動するための1つの電流制御装置ICを備え、複数個のアクチュエータ6R,6Lは当該1つの電流制御装置ICに直列に接続され、当該電流制御装置ICで制御される定電流によって各アクチュエータ6R,6Lが同期して制御される構成とする。
【選択図】 図4
【解決手段】配光を制御するためのソレノイド型のアクチュエータ6R,6Lを備える複数個のランプRHL,LHLを装備した車両用ランプであって、アクチュエータ6R,6Lを駆動するための1つの電流制御装置ICを備え、複数個のアクチュエータ6R,6Lは当該1つの電流制御装置ICに直列に接続され、当該電流制御装置ICで制御される定電流によって各アクチュエータ6R,6Lが同期して制御される構成とする。
【選択図】 図4
Description
本発明は可変シェード(遮光板)を駆動する等して配光を切り替える車両用ランプに関し、特に複数のランプにそれぞれ配光を切り替えるためのソレノイド型のアクチュエータを備えた車両用ランプに関するものである。
車両用ランプでは、配光を切り替えるためにランプ内に可変シェードを配設し、この可変シェードを駆動することによって光源から出射された光の遮光領域を切り替えるようにしたランプが提供されている。このような可変シェードを駆動するためのアクチュエータとして、従来ではモータを駆動源とするアクチュエータやソレノイドを駆動源とするアクチュエータが提案されている。例えば、前者の例として特許文献1に記載の技術があり、後者の例として特許文献2に記載の技術がある。これらのアクチュエータには一長一短があり、例えば、モータ型のアクチュエータは可変シェードを駆動させるのに必要とされる駆動力を得る場合でも小型に構成できるが、モータを回転、停止させる際の電流変化に伴う電磁波ノイズが発生し、この電磁波ノイズが車両に搭載している電子機器、特に電子制御機器の誤作動を生じさせる原因となる。一方、ソレノイド型のアクチュエータは、これとは反対に電磁波ノイズは発生しないが、可変シェードを駆動させるのに必要な駆動力を得るためにはアクチュエータを構成しているコイルの径寸法や軸長寸法を長くし、あるいはコイルの巻数を多くする必要がありモータ型のアクチュエータに比較して大型化することになる。
このようなことから、本願出願人は先に特願2012−47480(以下、先願と称する)において、ソレノイド型アクチュエータ(以下、単にアクチュエータと称することもある)を採用するとともに、このアクチュエータを駆動するための配光制御装置として新規な電流制御装置を構築し、アクチュエータに要求される駆動力を確保する一方で当該アクチュエータに通流する電流を抑制してアクチュエータの小型化を実現した技術を提案している。しかし、従来の車両用ランプにおいては、1つのアクチュエータを1つの電流制御装置により駆動する構成がとられているため、例えば自動車の左右に配設されるヘッドランプのように2つのランプが装備されているランプの場合には、各ランプのアクチュエータに対応してそれぞれ1つの電流制御装置、すなわち左右で2つの電流制御装置が必要になる。この種の電流制御装置は比較的に高価な半導体装置が必要とされているため、これら電流制御装置がランプ数に対応する数だけ必要になると、電流制御装置にかかるコスト、すなわち配光制御装置にかかるコストの増加ないし当該配光制御装置を含む車両用ランプ全体のコストの増加を生じる要因になる。また、車両用ランプを車両に配設する際に複数の電流制御装置を配設するためのスペースを確保しなければならず車両用ランプ全体の大型化を生じる要因にもなっている。
本発明の目的は複数のソレノイド型のアクチュエータを備える車両用ランプにおいて、当該アクチュエータを駆動するための電流制御装置の数を低減して車両用ランプ全体の小型化及び低コスト化を実現した車両用ランプを提供するものである。
本発明は、配光を制御するためのソレノイド型のアクチュエータを備えるランプを複数個装備した車両用ランプであって、アクチュエータを駆動するための1つの電流制御装置を備えており、複数個のランプの各アクチュエータは当該1つの電流制御装置に接続され、当該電流制御装置によって複数のアクチュエータが同期して制御されるように構成したことを特徴とする。
本発明において、電流制御装置は、各アクチュエータを駆動する電流として当該アクチュエータの駆動状態を保持するために必要とされる定電流を出力し、アクチュエータの駆動初期には当該定電流よりも相対的に大きな電流を出力する定電流回路で構成される。また、アクチュエータは当該定電流を定格電流とするソレノイドで構成される。その上で、複数のアクチュエータは1つの電流制御装置に対して直列に接続される。
本発明において、好ましくは、複数のランプは車両のヘッドランプであり、アクチュエータは電流制御装置よって駆動されたときにそれぞれのヘッドランプをロービーム配光からハイビーム配光に切り替える構成とする。また、電流制御装置は、複数のランプのいずれか1つのランプと一体に設けられることが好ましい。例えば、電流制御装置は1つのランプのランプハウジング内に内装される。
本発明によれば、1つの電流制御装置で複数のアクチュエータを同期して駆動するので、複数のランプの配光を当該1つの電流制御装置で切り替えることができ、複数のランプで構成される車両用ランプを低コストにかつ小型に構成することができる。特に、電流制御装置はアクチュエータを駆動するための定常電流を小電流に設定し、駆動初期の初期電流を定常電流よりも大電流に設定する構成としているので、アクチュエータを駆動する際の消費電力を低減することができる。さらに、アクチュエータのソレノイドは、当該電流制御装置の定常電流に対応した定格電流で設計しているので、ソレノイドないしアクチュエータの小型化が実現できる。また、複数のアクチュエータは電流制御装置に対して直列接続され、当該電流制御装置から出力される定電流により駆動されるので、複数のアクチュエータは同期して駆動され、複数のランプにおいて同期した配光の切替えが実現できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明をヘッドランプに適用した自動車の概略構成図である。自動車CARの車体前部の左右にそれぞれ右ヘッドランプRHLと左ヘッドランプLHLが装備されている。これら左右のヘッドランプRHL,LHLは左右対称であることを除けば概ね同じ構成であり、それぞれランプハウジング10R,10L内にプロジェクタ型ランプとして構成されたランプユニットLUを備えている。そして、これら左右のランプユニットLUは共に一方のヘッドランプ、ここでは右ヘッドランプRHLのランプハウジング10R内に配設された1つの電流制御装置ICに電気接続されており、後述するようにこの電流制御装置ICによって両ランプユニットLUの配光が同時に切替えられるようになっている。
前記左右のヘッドランプRHL,LHLの各ランプユニットLUは同じ構成であり、図2に光軸Lxに沿った縦断面を示すように、ランプベース1上に光源としてのLED2が搭載されるとともに、このLED2を覆うように回転楕円面の一部で構成されたリフレクタ3が配設されている。また、前記ランプベース1の前端部には照射レンズ4が支持されている。さらに、前記ランプベース1には、前記リフレクタ3と照射レンズ4との間に可変シェード5と、この可変シェード5を駆動するためのアクチュエータ6が配設されている。このランプユニットLUでは、LED2が発光したときに出射された光をリフレクタ3により前方に向けて反射し、当該反射光3ないしLED2から直接出射された光を照射レンズ4によりランプユニットLUの前方に向けて照射する。また、可変シェード5をアクチュエータ6によって駆動することによりLED2から出射した光の一部を遮光して当該照射レンズ4に入射する光束を制御し、照射する光の配光を切り替えることができる。
前記可変シェード5は、図3(a)に概略外観図を示すように、ランプ光軸Lxと直交する左右方向に沿って前記ランプベース1の両側に立設した支持片1aに両端支持された傾動軸51を有し、この傾動軸51には当該傾動軸51を中心にして所要の角度範囲で上下方向に傾動可能なシェード体52が支持されている。このシェード体52は前記LED2側に向けて凸状に湾曲した板状に形成され、その左右両端部において前記傾動軸51に支持されるとともに、その上縁52aはロービーム配光パターンのカットオフラインに対応した形状に形成されている。なお、このシェード体52は、傾動軸51に軸装されかつ前記支持片1aとシェード体52との間に掛装されている捩じりスプリングからなる戻りばね54のばね力によって同図の反時計方向に付勢され、常態では起立した位置、すなわち後述するようにロービーム配光の位置に付勢位置されるように構成されている。
前記アクチュエータ6は、ランプユニットLUの小型化に対応した小型のソレノイド型アクチュエータとして構成されている。このアクチュエータ6は、通電されたときに磁界を形成するソレノイド60(コイル:図4参照)を一体的に内装したケーシング61と、このケーシング61内に基端部が内挿されるとともに、先端部がケーシング61から突出されている円柱ロッド状をした金属製のアーマチュア62とを備えている。このアーマチュア62は前記ソレノイド60が非通電のときには先端部がケーシング61から突出状態にあり、当該ソレノイド60に通電されて磁力が発生したときには、当該磁力によってケーシング61の内方向に吸引移動される構成である。さらに、前記アーマチュア62の先端部には連結ロッド63の一端が係合されており、この連結ロッド63の他端は後方に向けて延長された上で前記シェード体52の下辺の一部に一体に設けられた連結片53に掛合されている。この連結ロッド63は長さ方向の中間一部において前記ケーシング61の一部に立設したガイド片64に設けた上向きU字溝64aに内挿されており、当該連結ロッド63がランプ光軸Lxに沿った方向に移動されるように案内保持されている。
したがって、このアクチュエータ6を備えた可変シェード5によれば、アクチュエータ6に非通電のときには、図3(a)のように、アーマチュア62は先端部がケーシング61から突出した状態にあり、シェード体52は戻りばね54のばね力によってランプ前方向に回動されて図2の実線のように起立状態にある。また、連結ロッド63は前方に移動された位置にある。したがって、LED2から出射された光の一部はシェード体52によって遮光され、ランプユニットLUの配光は図6(a)に示すようにシェード体52の上縁52aの形状に倣ったカットオフラインを有するロービーム配光PLとなる。一方、アクチュエータ6に通電されると、図3(b)に示すように、アーマチュア62はケーシング61に吸引移動されてランプ後方向のM方向に移動され、連結ロッド63もM方向に移動される。そのため、シェード体52は戻りばね54のばね力に抗して図2の鎖線のように傾動軸51を中心にR方向に回動され、ランプ後方向に傾動される。これにより、シェード体52はLED2から出射された光の光路から退避され、当該光を遮光しない傾倒状態となり、ランプユニットLUの配光は図6(b)に示すようにハイビーム配光PHとなる。
前記アクチュエータ6は図1に示した電流制御装置ICによりソレノイド60に通電される電流が制御され、その電流制御によって前記したようにシェード体52を傾動制御し、可変シェード5によるランプユニットLUの配光の切り替えが行われる。ここで、図1に示したように、前記電流制御装置ICは右ヘッドランプRHLのランプハウジング10内に配設されている。また、前記各ランプユニットLUに設けられたアクチュエータ6について、右ヘッドランプRHL側のアクチュエータを符号6Rで、左ヘッドランプLHL側のアクチュエータを符号6Lでそれぞれ示すと、前記電流制御装置ICは右ヘッドランプRHLのアクチュエータ6Rに電気接続されるとともに、このアクチュエータ6Rから引き出されたハーネスによって左ヘッドランプLHLのアクチュエータ6Lに電気接続されている。さらに、前記電流制御装置ICは自動車CARに設けられて当該自動車の各部を制御するための電子制御ユニットECUに接続されており、運転席に設けた配光切替用のディマースイッチDIMの操作によって当該電子制御ユニットECUから出力される信号、ここでは後述するようにハイビーム配光への切替えを行うためのHiV(ハイビーム電圧)に基づいて定電流制御が行われ、この定電流制御によって左右のヘッドランプRHL,LHLの各アクチュエータ6R,6Lを駆動するようになっている。
図4は電流制御装置ICの回路図である。なお、以下の説明において、FETは電界効果トランジスタ、Cはコンデンサ、Rは抵抗、Dはダイオード、OPはオペアンプである。ランプユニットLUをハイビーム配光に切り替えるべくディマースイッチDIMが操作されると、電流制御装置ICの入力端INには前記電子制御ユニットECUから前記HiVが入力される。このHiVとして、ここではバッテリ電圧を入力するように構成している。また、出力端OUTには左右のヘッドランプRHL,LHLの各ランプユニットLUのアクチュエータ6R,6Lのソレノイド60が直列に接続され、当該出力端OUTから出力する駆動電流によって両方のアクチュエータ6R,6Lが同期して駆動されるようになっている。
前記電流制御装置ICを図5のタイミング図を併せて参照して具体的に説明すると、前記したようにディマースイッチDIMの操作により入力端INにHiVが入力されるとOSC(発振器)が発振を開始し、その立ち上がりエッジでRS型のFF(フリップフロップ)をセットする(S信号)。FFがセットされると、FET1がON状態になり、シャント抵抗R1を通してL(インダクタ)に電流が流れ、当該Lに磁気エネルギが蓄電される。R1の降下電圧はOP1(反転増幅器)により増幅されたa電圧となり、このa電圧が徐々に高くなってCMP(コンパレータ)の比較電圧(b電圧)よりも高くなるとCMPの出力が反転し、FFがリセットされてFET1がOFF状態になる。FET1のOFFによりLに蓄電された電磁エネルギはC2に充電されるとともに、出力端OUTから駆動電流として出力され、各アクチュエータ6R,6Lに通電される。このFET1のON,OFFを繰り返すことにより、C2の充電量が増大して行きアクチュエータ6R,6Lのソレノイド60に通電される電流が増加される。この電流が増加するとシャント抵抗R5端の電圧(c電圧)が低下するので、OP2(反転増幅器)の出力のd電圧が高くなる。OP3(反転増幅器)はこのd電圧と、ZD(ツェナーダイオード)による基準電圧(e電圧)の差電圧を反転出力するので、d電圧が増加されるとb電圧が低下される。CMPはこのb電圧を鋸歯状のa電圧と比較しているのでFFの反転時間が早くなり、Qで示すFET1のゲート電圧によってFET1のON時間が短くなり、出力端OUTから出力される駆動電流は低下する。一方、FET1のON時間が短くなると、Lに蓄積される磁気エネルギが低減され、C2の充電量が低下されてR5端のc電圧が上昇され、OP2により前記とは逆にd電圧が低くなる。これにより、b電圧が高くなってFET1のON時間が長くなり、出力端OUTから出力される駆動電流は増加する。この一連の動作によってHiVが変動した場合でもR5端のc電圧が一定に制御され、出力端OUTから出力される駆動電流は所定の定電流にフィードバック制御され、この定電流に制御された定常電流によって各アクチュエータ6R,6Lを駆動する。
ここで、この電流制御装置ICにおいては、HiVが入力されるのと同時に、D1−C22−R15の経路でも電流が流れるのでFET2のゲート電圧が上昇し、所定の電圧まで上昇するとFET2がONする。FET2がONすると、OP2の出力電圧はR13とR14で分圧されるので、d電圧はOP2の出力電圧よりも低くなる。その結果、OP3の出力電圧が上昇し、FET1のON時間が長くなり、駆動電流が増大する。この状態から所定時間経過してC22がフル充電されるとFET2のゲート電圧が低下してFET2はOFFされる。したがって、d電圧はOP2の出力電圧と同じになり、前記したように出力端OUTから出力される駆動電流は所定の定電流に制御される。すなわち、HiVを入力してから所定時間の間は前記した定常電流よりも大きな電流の初期電流が出力され、その後は所定の定電流が出力されることになる。
このように、この電流制御装置ICは、HiVを入力してから所定時間の間は大きな初期電流が出力され、当該所定時間を経過した後は相対的に小さい所定の定電流に制御された定常電流となる。このような電流制御を行う理由は次のとおりである。すなわち、ソレノイド型アクチュエータは、通電を開始した駆動初期にはアーマチュアを駆動させる際の駆動負荷が大きく、したがってアーマチュを駆動するための駆動電流に大きな電流が必要である。しかし、一旦アーマチュアが駆動したときにはその駆動状態を継続して保持するための負荷は低下し、その駆動電流は相対的に小さな電流で済むという特性を有している。すなわち、非通電時はアーマチュアがソレノイドから離れた位置にあるので、アーマチュアを吸引動作するのに大きな電流が必要であるが、アーマチュアが一旦吸引動作された後はアーマチュアがソレノイドに近づくので小さい電流でもその状態を保持することができる。
したがって、この電流制御装置ICでは、ランプユニットLUをハイビームに切り替えるためにHiVを入力したときの初期にはアクチュエータ6R,6Lに大きな駆動電流(初期電流)を供給してアーマチュア62の駆動を可能にし、可変シェード5のシェード体52をロービーム配光位置からハイビーム配光位置に迅速に駆動することができ、配光の切り替えを迅速に行うことができる。その一方で、アーマチュア62が駆動した後はアクチュエータ6R,6Lに通流する駆動電流を相対的に小さな電流(定常電流)に制御することでアーマチュア62の駆動状態を保持して可変シェード5のシェード体52をハイビーム配光位置に保持し、ハイビーム配光を維持することができる。また、この定常電流を小さな定電流に制御してアクチュエータ6R,6Lの駆動状態を保持することで、ハイビーム配光の状態が長時間にわたる場合でも当該アクチュエータ6R,6Lの過熱を防止することが可能になる。
このように実施形態の電流制御装置ICを用いることにより、アクチュエータ6R,6Lを設計する際、特にソレノイド60を設計する際には、前記した定常電流、すなわちアーマチュア62を駆動位置に保持することが必要かつ十分な小さい電流に対応した定格電流となるように設計すればよく、ソレノイド60の小型化、すなわちアクチュエータ6R,6Lの小型化を実現することができる。したがって、当該アクチュエータ6R,6Lを配設したランプユニットLUを小型化することも可能になる。なお、アクチュエータの駆動初期には定常電流よりも大きな初期電流が通流されるが、当該初期電流は定格電流よりも極端に大きな電流ではないこと、並びにその通流時間が短いことからソレノイド60における焼損等の問題が生じるおそれは殆どない。
また、実施形態では、左右のヘッドランプRHL,LHLの各ランプユニットLUに設けたアクチュエータ6R,6Lは一方のヘッドランプ、ここでは右ヘッドランプRHL内に一体的に配設された1つの電流制御装置ICの出力端OUTに直列に接続されており、当該出力端OUTから出力される駆動電流は定電流に制御されているので、両アクチュエータ6R,6Lは同等にかつ同期して駆動されることになる。したがって、電流制御装置ICによって右ヘッドランプRHLのアクチュエータ6Rを駆動したときには、同じ定電流によって左ヘッドランプLHLのアクチュエータ6Lも同期して駆動されることになり、左右のヘッドランプRHL,LHLにおけるロービーム配光とハイビーム配光の切替えを同時に行うことが可能になる。そのため、他方のランプ、ここでは左ヘッドランプLHLに電流制御装置を配設する必要がなくなり、その分だけ車両用ランプを構成するのに必要とされる電流制御装置の低コスト化並びに小型化が実現できる。さらには、アクチュエータの小型化、すなわちソレノイドの小型化に伴って消費電力を低減することもでき、特に長時間にわたって配光の切替え状態を維持する走行時において有効である。
さらに、実施形態では、アクチュエータ6(6R,6L)に駆動電流が通流されたときに可変シェード5がハイビーム配光に切替えられる構成としているので、電流制御装置ICに異常が生じた場合にはアクチュエータ6に通流する電流が遮断され、アクチュエータ6は初期位置に復帰され、可変シェード5はロービーム配光の位置に復帰される。このとき可変シェード5の戻りばね54のばね力によってシェード体52を確実にロービーム配光位置に戻すことができる。これにより、異常時には左右のヘッドランプRHL,LHLは自動的にしかも同時にロービーム配光に切替えられ、ハイビーム配光に固定されることもなく対向車等の他車に対する眩惑を防止し、安全走行を確保することができる。このことは、左右のヘッドランプRHL,LHLのいずれか一方のアクチュエータ6においてソレノイド60が断線する等の異常が生じた場合でも同じであり、断線によって駆動電流が通流されなくなるので異常となったアクチュエータ6と同時に他方のアクチュエータ6も復帰される状態となり、左右のヘッドランプRHL,LHLはロービーム配光に維持され、他車に対する眩惑を防止する。なお、ソレノイド60の短絡等の異常が生じた場合には電流制御装置ICの内部において過電流が発生するおそれがあるが、これに対処するためには、図4に示した電流制御装置ICの出力端OUTにつながる線路、例えばLと直列にフューズを介装し、過剰な電流が流れたときに当該フューズを溶断するように構成すればよい。
なお、本発明にかかる電流制御装置ICは、先願においても提案されているように、アクチュエータ6を駆動する際の初期電流を定格電流に設定し、アクチュエータ6を駆動した後は当該定格電流を制限して相対的に小さい定電流となるように構成してもよい。ただし、この場合にはアクチュエータ6は当該定格電流に対応して設計することが必要とされるため、それだけ前記実施形態よりもソレノイドの定格が大きくなり、アクチュエータ6が大型化されることになる。したがって、アクチュエータ6の小型化を図る上では、この実施形態のようにアクチュエータ6の駆動状態を保持するための定常電流を定格電流に設定し、駆動時の初期電流を当該定常電流よりも大きな電流に制御する方式の電流制御装置の方が優れている。
実施形態では電流制御装置ICの出力端OUTに2つのアクチュエータ6R,6Lを直列に接続しているが、3つ以上のランプを備える車両用ランプの場合には、これら3つのランプのそれぞれに設けられたアクチュエータを1つの電流制御装置ICの出力端OUTに直列接続してもよく、当該1つの電流制御装置ICによって3つのアクチュエータを同期して駆動することができる。また、本発明は電流制御装置ICの出力端に複数のアクチュエータを並列に接続しても、各アクチュエータを同時に駆動することができる。この場合には、複数のアクチュエータに通流される電流はアクチュエータの個数分だけ低下するので、その分電流制御装置から出力する電流を大きくするように設計することは言うまでもない。
実施形態では電流制御装置ICを右ヘッドランプRHLのランプハウジング10R内に配設しているが、左ヘッドランプLHLのランプハウジング10Lに配設してもよい。あるいは、ランプハウジング10R,10Lの外部に配設してもよい。さらに、電流制御装置ICを複数のアクチュエータのうちのいずれか1つのアクチュエータと一体的に構成することも可能である。さらには、電流制御装置ICは左右のヘッドランプRHL,LHLとは独立した状態で車両の車体の一部に配設してもよい。なお、このように1つの電流制御装置を複数のアクチュエータに対して電気接続した場合に、当該電流制御装置と各アクチュエータを接続するハーネス長が相違するが、電流制御装置は各アクチュエータを定電流制御しているので各アクチュエータにおいてはハーネス長の違いによる電圧降下の影響を受けることはない。
本発明をランプの可変シェードを駆動するためのアクチュエータとして適用した場合には、可変シェードは前記した構成に限られるものではなく、例えば図示は省略するが2枚以上の複数のシェード板を複数の独立したソレノイド型のアクチュエータによりそれぞれ駆動させるようにし、これら複数のアクチュエータを個別に電流制御して各シェード板を選択的あるいは同時に傾動させることによって配光を切り替える構成の可変シェードであってもよい。このような場合でも複数のランプに設けられたそれぞれ複数のアクチュエータのうち、対応するアクチュエータ同士を電流制御装置に対して直列接続することにより、電流制御装置を複数のランプについて共用化し、アクチュエータの小型化とともに電流制御装置を含む配光制御装置の小型化を図ることができる。
また、本発明における可変シェードはロービーム配光とハイビーム配光を切り替えるための可変シェードに限られるものではなく、一の配光から他の配光に切り替える際に駆動される可変シェードであれば当該可変シェードを駆動するためのソレノイド型のアクチュエータを備える車両用ランプに適用することができる。
本発明のアクチュエータは実施形態に記載の可変シェードを駆動するためのアクチュエータに限られるものではなく、左右または複数のランプの配光を同時に制御するためのアクチュエータ、例えばランプユニット内における光源の位置を移動するためのアクチュエータ、あるいはリフレクタを上下方向、左右方向に傾動させるためのアクチュエータ、さらにはこれら以外の配光を変化させたるための光学部材を移動するためのアクチュエータを備える車両用ランプについても適用することが可能である。
本発明は複数のランプにそれぞれ配光を制御するために用いるアクチュエータを備える車両用ランプであって、これらのアクチュエータを電流制御装置によって同期して制御するための車両用ランプに採用することができる。
1 ランプベース
2 光源(LED)
3 リフレクタ
4 照射レンズ
5 可変シェード
6(6R,6L) ソレノイド型のアクチュエータ
10R,10L ランプハウジング
52 シェード体
60 ソレノイド(コイル)
62 アーマチュア
RHL,LHL ヘッドランプ
LU ランプユニット
ECU 電子制御ユニット
IC 電流制御装置
CAR 自動車
DIM ディマースイッチ(配光切替スイッチ)
2 光源(LED)
3 リフレクタ
4 照射レンズ
5 可変シェード
6(6R,6L) ソレノイド型のアクチュエータ
10R,10L ランプハウジング
52 シェード体
60 ソレノイド(コイル)
62 アーマチュア
RHL,LHL ヘッドランプ
LU ランプユニット
ECU 電子制御ユニット
IC 電流制御装置
CAR 自動車
DIM ディマースイッチ(配光切替スイッチ)
Claims (7)
- 配光を制御するためのソレノイド型のアクチュエータを備えるランプを複数個装備した車両用ランプであって、前記アクチュエータを駆動するための1つの電流制御装置を備え、前記複数個のランプの各アクチュエータは前記1つの電流制御装置に接続され、当該電流制御装置によって前記複数のアクチュエータが同期して制御されるように構成したことを特徴とする車両用ランプ。
- 前記電流制御装置は、前記各アクチュエータを駆動する電流として当該アクチュエータの駆動状態を保持するために必要とされる定電流を出力し、アクチュエータの駆動初期には当該定電流よりも相対的に大きな電流を出力する定電流回路で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用ランプ。
- 前記アクチュエータは前記定電流を定格電流とするソレノイドで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用ランプ。
- 前記複数のアクチュエータは前記1つの電流制御装置に対して直列に接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用ランプ。
- 前記複数のランプは車両のヘッドランプであり、前記アクチュエータは前記電流制御装置よって駆動されたときにそれぞれのヘッドランプをロービーム配光からハイビーム配光に切り替える構成であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用ランプ。
- 前記電流制御装置は、前記複数のランプのいずれか1つのランプと一体に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用ランプ。
- 前記電流制御装置は前記1つのランプのランプハウジング内に内装されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用ランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012099377A JP2013226885A (ja) | 2012-04-25 | 2012-04-25 | 車両用ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2012
- 2012-04-25 JP JP2012099377A patent/JP2013226885A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108045299A (zh) * | 2017-12-25 | 2018-05-18 | 中国重汽集团济南动力有限公司 | 一种带保护功能的汽车灯光自动控制装置 |
CN108045299B (zh) * | 2017-12-25 | 2024-03-26 | 中国重汽集团济南动力有限公司 | 一种带保护功能的汽车灯光自动控制装置 |
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