JP2013224929A5 - - Google Patents
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本発明は、アミノ酸の立体異性体を区別した定量法に基づく疾患サンプル分析装置、分析システム及び分析方法に関する。具体的には、被検者の生物学的材料のアミノ酸立体異性体を分離・定量する手段と、該アミノ酸立体異性体の定量値を判別式に代入して計算し、病態指標値を得る手段と、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力する手段とを含む疾患サンプル分析装置と、被検者の生物学的材料のアミノ酸立体異性体を分離・定量する定量分析部と、該アミノ酸立体異性体の定量値を判別式に代入して計算し、病態指標値を得る病態指標値演算部と、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力する病態情報出力部とを含む疾患サンプル分析システムと、被検者の生物学的材料のアミノ酸立体異性体を分離・定量するステップと、該アミノ酸立体異性体の定量値を判別式に代入して計算し、病態指標値を得るステップと、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を得るステップとを含む疾患サンプル分析方法とに関する。
グリシン以外の全てのアミノ酸にはD−体とL−体という2種類の立体異性体が存在する。L−アミノ酸は生物のタンパク質の構成要素であり、タンパク質に含まれるアミノ酸は原則的にL−アミノ酸である。これに対してD−アミノ酸は下等生物の一部の生理活性ペプチドに含まれるが、その多くは翻訳後修飾のプロセスを経て生合成される。そこで、タンパク質又はペプチドを構成するアミノ酸は主にL−アミノ酸であり、D−アミノ酸は例外的な存在である。
D−アミノ酸は細菌の細胞壁のペプチドグリカンの構成成分の1つである。また、ペプチドを構成しない遊離のD−アミノ酸については、水棲動物や昆虫などの下等な動物において存在することは以前から報告されていた。しかし、高等動物に存在するアミノ酸はL体であって、D体は生理活動に関与しないと信じられていた時代があった(非特許文献1)。
しかし、ヒトを含む哺乳類におけるD−アミノ酸の存在とその役割については、近年の分析技術の進歩による分解能・感度の向上に伴いようやく明らかになってきた(非特許文献2)。D−アスパラギン酸は抗D−アスパラギン酸抗体を用いた二重染色法などにより、ラット下垂体においてプロラクチン産生細胞に局在することが明らかになった。また、ラット下垂体由来の細胞株でプロラクチンを合成、分泌する細胞にD−アスパラギン酸を与えることによりプロラクチン分泌が用量依存的に増加した。以上のことからプロラクチン産生細胞においてD−アスパラギン酸がプロラクチンの分泌を制御していると考えられている(非特許文献3)。
一方、ラット精巣の静脈では他の静脈血よりも常に高濃度のD−アスパラギン酸が検出されていることに加え、ラット精巣から単離、精製したLeydig細胞にD−アスパラギン酸を加えることによりテストステロンの合成及び分泌が用量依存的に促進されることが報告されている(非特許文献4)。
D−セリンは統合失調症に関連すると推察されているNMDA型グルタミン酸受容体のグリシン結合部位を選択的に刺激し、グルタミン酸の本受容体を介する作用を増強することで神経伝達を促進することが報告されている(非特許文献5)。実際にD−セリンの投与により統合失調症が改善することや、統合失調症患者では血清中のD−セリン濃度が健常者よりも低いことが報告されている。さらにD−セリンは筋萎縮性側索硬化症(ALS)における運動神経の変性に関与することも最近報告された(非特許文献6)。
財津らは、D、L−アミノ酸一斉高感度分析システム(特許文献1、非特許文献7−9)を開発し、アミノ酸立体異性体の一斉高感度分析技術を実用化した。これにより、ヒトの生物学的材料に含まれる極微量のD−アミノ酸と、比較的大量に存在するL−アミノ酸とを同一サンプルから網羅的に分離・定量することが可能になった。
本発明は、各種疾患患者のアミノ酸立体異性体の定量分析結果から、健常者の生物学的材料中のD−アミノ酸及びL−アミノ酸の量は一定のバランスを保っていること、個体差が小さいこと、及び、患者の生物学的材料中のD−アミノ酸及びL−アミノ酸を分離・定量することによってはじめて差を確認することができるバランスの崩れが一部にあることを発見した。本発明はかかる予想外の発見に基づいて想到された。
Corrigan J.J.、Science 164:142(1969)
Hamase K, Morikawa A, and Zaitsu K. 、 J Chromatogr B 781: 73(2002)
D’Aniello Aら、FASEB J 14: 699(2000)
Nagata Yら、FEBS Lett. 444:160(1999)
Nishikawa T、Biol. Pharm. Bull. 28: 1561(2005)
Sasabe,J.、ら、Proc.Natl.Acad.Sci. 109:627(2012)
Hamase K.、ら、J.Chromatogr.A, 1143:105(2007)
HamaseK.、ら、J.Chromatogr.A, 1217:1056(2010)
MiyoshiY.、ら、J.Chromatogr.B, 879:3184(2011)
アミノ酸立体異性体の全分析により、アミノ酸立体異性体量、変化と疾患との相関を明かにして、新規な疾患診断方法と、該疾患診断方法を実行する新規な疾患診断装置とを開発する必要がある。
本発明は疾患サンプル分析装置を提供する。本発明の疾患サンプル分析装置は、被検者の生物学的材料中のアミノ酸立体異性体を分離・定量する手段と、該アミノ酸立体異性体の量を判別式に代入して計算し、病態指標値を得る手段と、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力する手段とを含む。
本発明の疾患サンプル分析装置において、前記判別式は、
病態指標値=(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/(健常者の生物学的材料中の前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)か、
病態指標値=[(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/{(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)+(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの測定値)}]÷[(健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)/{(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)+(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの基準値)}]かの場合がある。
病態指標値=(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/(健常者の生物学的材料中の前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)か、
病態指標値=[(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/{(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)+(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの測定値)}]÷[(健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)/{(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)+(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの基準値)}]かの場合がある。
本発明の疾患サンプル分析装置において、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力する手段は、前記病態指標値が2.0又はこれ以上のとき、前記被検者は前記疾患に罹患しているとの前記被検者の病態情報を出力する手段の場合がある。
本発明の疾患サンプル分析装置において、前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体は、前記疾患が腎臓病のとき、D−セリン、D−スレオニン、D−アラニン、D−アスパラギン、アロD−スレオニン、D−グルタミン、D−プロリン及びD−フェニルアラニンからなるグループから選択される1種類又は2種類以上のアミノ酸であり、前記疾患が前立腺がんのとき、D−ヒスチジン及び/又はD−アスパラギンであり、前記疾患が骨粗鬆症のとき、D−アスパラギンであり、前記疾患が拡張型心筋症のとき、D−セリン、L−アルギニン、D−グルタミン酸及びD−プロリンであり、前記疾患が更年期障害のとき、L−ヒスチジン、L−フェニルアラニン及びD−アスパラギン酸であり、前記疾患が肉腫のとき、D−アルギニンであり、前記疾患がアルツハイマー病のとき、D−アロ−イソロイシン、D−セリン、D−アラニン、D−メチオニン、D−ロイシン、D−アスパラギン酸、D−フェニルアラニン及びL−フェニルアラニンであり、DAO欠損のとき、D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンであり、DDO欠損のとき、D−アスパラギン、D−アスパラギン酸及びD−アルギニンであり、フェニルケトン尿症のとき、L−フェニルアラニンであり、メープルシロップ尿症のとき、L−バリン、L−アロ−イソロイシン、D−イソロイシン、L−イソロイシン及びL−ロイシンであり、関節リウマチのとき、L−グルタミン酸、L−グルタミン及びL−システインであり、腎臓がんのとき、D−セリン及びD−アラニンであり、肺がんのとき、D−アラニンであり、心血管疾患のとき、L−アルギニン及びL−グルタミン酸であり、多発性硬化症のとき、D−セリン及びL−システインであり、急性骨髄性白血病のとき、L−システインであり、リンパ腫のとき、L−システインであり、急性リンパ性白血病のとき、L−グルタミン酸及びL−システインであり、乾癬のとき、L−アルギニン及びL−システインであり、糖尿病のときD−アラニン、L−システイン及びL−グルタミン酸の場合がある。
本発明は疾患サンプル分析システムを提供する。本発明の疾患サンプル分析システムは、被検者の生物学的材料中のアミノ酸立体異性体を分離・定量する定量分析部と、該アミノ酸立体異性体の量を判別式に代入して計算し、病態指標値を得る病態指標値演算部と、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力する病態情報出力部とを含む。
本発明の疾患サンプル分析システムにおいて、前記判別式は、
病態指標値=(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/(健常者の生物学的材料中の前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)か、
病態指標値=[(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/{(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)+(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの測定値)}]÷[(健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)/{(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)+(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの基準値)}]かの場合がある。
病態指標値=(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/(健常者の生物学的材料中の前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)か、
病態指標値=[(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/{(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)+(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの測定値)}]÷[(健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)/{(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)+(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの基準値)}]かの場合がある。
本発明の疾患サンプル分析システムにおいて、前記病態情報出力部は、前記病態指標値が2.0又はこれ以上のとき、前記被検者は前記疾患に罹患しているとの前記被検者の病態情報を出力する場合がある。
本発明の疾患サンプル分析システムにおいて、前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体は、前記疾患が腎臓病のとき、D−セリン、D−スレオニン、D−アラニン、D−アスパラギン、アロD−スレオニン、D−グルタミン、D−プロリン及びD−フェニルアラニンからなるグループから選択される1種類又は2種類以上のアミノ酸であり、前記疾患が前立腺がんのとき、D−ヒスチジン及び/又はD−アスパラギンであり、前記疾患が骨粗鬆症のとき、D−アスパラギンであり、前記疾患が拡張型心筋症のとき、D−セリン、L−アルギニン、D−グルタミン酸及びD−プロリンであり、前記疾患が更年期障害のとき、L−ヒスチジン、L−フェニルアラニン及びD−アスパラギン酸であり、前記疾患が肉腫のとき、D−アルギニンであり、前記疾患がアルツハイマー病のとき、D−アロ−イソロイシン、D−セリン、D−アラニン、D−メチオニン、D−ロイシン、D−アスパラギン酸、D−フェニルアラニン及びL−フェニルアラニンであり、DAO欠損のとき、D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンであり、DDO欠損のとき、D−アスパラギン、D−アスパラギン酸及びD−アルギニンであり、フェニルケトン尿症のとき、L−フェニルアラニンであり、メープルシロップ尿症のとき、L−バリン、L−アロ−イソロイシン、D−イソロイシン、L−イソロイシン及びL−ロイシンであり、関節リウマチのとき、L−グルタミン酸、L−グルタミン及びL−システインであり、腎臓がんのとき、D−セリン及びD−アラニンであり、肺がんのとき、D−アラニンであり、心血管疾患のとき、L−アルギニン及びL−グルタミン酸であり、多発性硬化症のとき、D−セリン及びL−システインであり、急性骨髄性白血病のとき、L−システインであり、リンパ腫のとき、L−システインであり、急性リンパ性白血病のとき、L−グルタミン酸及びL−システインであり、乾癬のとき、L−アルギニン及びL−システインであり、糖尿病のときD−アラニン、L−システイン及びL−グルタミン酸の場合がある。
本発明は疾患サンプル分析方法を提供する。本発明の疾患サンプル分析方法は、被検者の生物学的材料中のアミノ酸立体異性体の量を測定するステップと、該アミノ酸立体異性体の量を判別式に代入して計算し、病態指標値を得るステップと、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力するステップとを含む。
本発明の疾患サンプル分析方法において、前記判別式は、
病態指標値=(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/(健常者の生物学的材料中の前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)か、
病態指標値=[(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/{(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)+(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの測定値)}]÷[(健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)/{(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)+(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの基準値)}]かの場合がある。
病態指標値=(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/(健常者の生物学的材料中の前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)か、
病態指標値=[(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/{(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)+(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの測定値)}]÷[(健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)/{(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)+(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの基準値)}]かの場合がある。
本発明の疾患サンプル分析方法において、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力するステップは、前記病態指標値が2.0又はこれ以上のとき、前記被検者は前記疾患に罹患しているとの前記被検者の病態情報を出力するステップの場合がある。
本発明の疾患サンプル分析方法において、前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体は、前記疾患が腎臓病のとき、D−セリン、D−スレオニン、D−アラニン、D−アスパラギン、アロD−スレオニン、D−グルタミン、D−プロリン及びD−フェニルアラニンからなるグループから選択される1種類又は2種類以上のアミノ酸であり、前記疾患が前立腺がんのとき、D−ヒスチジン及び/又はD−アスパラギンであり、前記疾患が骨粗鬆症のとき、D−アスパラギンであり、前記疾患が拡張型心筋症のとき、D−セリン、L−アルギニン、D−グルタミン酸及びD−プロリンであり、前記疾患が更年期障害のとき、L−ヒスチジン、L−フェニルアラニン及びD−アスパラギン酸であり、前記疾患が肉腫のとき、D−アルギニンであり、前記疾患がアルツハイマー病のとき、D−アロ−イソロイシン、D−セリン、D−アラニン、D−メチオニン、D−ロイシン、D−アスパラギン酸、D−フェニルアラニン及びL−フェニルアラニンであり、DAO欠損のとき、D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンであり、DDO欠損のとき、D−アスパラギン、D−アスパラギン酸及びD−アルギニンであり、フェニルケトン尿症のとき、L−フェニルアラニンであり、メープルシロップ尿症のとき、L−バリン、L−アロ−イソロイシン、D−イソロイシン、L−イソロイシン及びL−ロイシンであり、関節リウマチのとき、L−グルタミン酸、L−グルタミン及びL−システインであり、腎臓がんのとき、D−セリン及びD−アラニンであり、肺がんのとき、D−アラニンであり、心血管疾患のとき、L−アルギニン及びL−グルタミン酸であり、多発性硬化症のとき、D−セリン及びL−システインであり、急性骨髄性白血病のとき、L−システインであり、リンパ腫のとき、L−システインであり、急性リンパ性白血病のとき、L−グルタミン酸及びL−システインであり、乾癬のとき、L−アルギニン及びL−システインであり、糖尿病のときD−アラニン、L−システイン及びL−グルタミン酸の場合がある。
本発明は疾患の診断方法を提供する。本発明の疾患の診断方法は、被検者の生物学的材料中のアミノ酸立体異性体の量を測定するステップと、該アミノ酸立体異性体の量の測定値と健常者の基準値とに基づいて前記疾患の診断をするステップとを含む。
本発明は疾患の診断方法を提供する。本発明の疾患の診断方法は、被検者の生物学的材料中のアミノ酸立体異性体を分離・定量するステップと、該アミノ酸立体異性体の量を判別式に代入して計算し、病態指標値を得るステップと、前記病態指標値に基づいて前記被検者を診断するステップとを含む。
本発明の疾患の診断方法において、前記判別式は、
病態指標値=(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/(健常者の生物学的材料中の前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)か、
病態指標値=[(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/{(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)+(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの測定値)}]÷[(健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)/{(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)+(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの基準値)}]かの場合がある。
病態指標値=(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/(健常者の生物学的材料中の前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)か、
病態指標値=[(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)/{(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の測定値)+(前記被検者の生物学的材料中の測定値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの測定値)}]÷[(健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)/{(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値)+(前記健常者の基準値のうち前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体のエナンチオマーの基準値)}]かの場合がある。
本発明の疾患の診断方法において、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力するステップは、前記病態指標値が2.0又はこれ以上のとき、前記被検者は前記疾患に罹患している診断するステップの場合がある。
本発明の疾患の診断方法において、前記疾患と相関するアミノ酸立体異性体は、前記疾患が腎臓病のとき、D−セリン、D−スレオニン、D−アラニン、D−アスパラギン、アロD−スレオニン、D−グルタミン、D−プロリン及びD−フェニルアラニンからなるグループから選択される1種類又は2種類以上のアミノ酸であり、前記疾患が前立腺がんのとき、D−ヒスチジン及び/又はD−アスパラギンであり、前記疾患が骨粗鬆症のとき、D−アスパラギンの場合がある。
本発明のアミノ酸立体異性体とは、タンパク質の翻訳に用いられる20種類のアミノ酸と、該アミノ酸のうちグリシンを除く19種類のL−アミノ酸の光学異性体であるD−アミノ酸19種類と、アロL−スレオニン、アロD−スレオニン及びアロD−イソロイシンとをいう。
本発明の疾患サンプル分析装置は、生物学的材料中のアミノ酸立体異性体の量を測定する手段と、該アミノ酸立体異性体の量を判別式に代入して計算し、病態指標値を得る手段と、前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力する手段とを含む。前記物学的材料中のアミノ酸立体異性体の量を測定する手段は、サンプルの自動分取部と、逆相カラム等によるHPLC分離及びピーク検出部である。前記アミノ酸立体異性体の量を判別式に代入して計算し、病態指標値を得る手段は、前記判別式、疾患ごとの健常者の基準値等のデータを格納する記憶部と、該データに基づいて判別式の計算を行う演算部とである。前記病態指標値に基づいて前記被検者の病態情報を出力する手段は、病態情報選択部及び病態情報出力部である。この他、全体を統括的に制御するCPU等の制御部と、入力装置及び出力装置に接続する入出力インターフェース部と、ネットワークに通信可能に接続する通信インターフェース部とが本発明の疾患サンプル分析装置には含まれる。
本発明において生物学的材料とは、血液、血漿、血清、腹水、羊水、リンパ液、唾液、精液、尿等の体液と、糞便、汗、鼻汁等の排泄物と、体毛、爪、皮膚組織、内臓組織等の体組織とをいうが、これらに限定されない。
本発明において、判別式とは、アミノ酸立体異性体量の被検者測定値が、予め健常者の測定値から設定される基準値の何倍であるかを算出する式の場合がある。また、アミノ酸立体異性体の量と、該異性体のエナンチオマーの量との和に対する前記アミノ酸立体異性体の量の割合又は百分率を算出する式の場合がある。さらに、複数種類のアミノ酸立体異性体の量の組み合わせから病態指標値を算出する式の場合がある。前記複数のアミノ酸立体異性体は、D−アミノ酸酸化酵素又はD−アスパラギン酸酸化酵素の基質となる等の共通点があるアミノ酸のグループの場合がある。例えば、同一の酵素の基質となるアミノ酸立体異性体のうち、疾患と相関するアミノ酸の量を疾患と相関しないアミノ酸の量で正規化される場合がある。
本発明の判別式において、健常者の生物学的材料中の疾患と相関するアミノ酸立体異性体の基準値とは、疾患と相関するアミノ酸立体異性体について、健常者の生物学的材料と、該アミノ酸立体異性体が相関性がない他の疾患患者の生物学的材料とのうちいずれか又は両方の生物学的材料中の量の平均値又は中央値から決定される。前記基準値は、予め設定される場合があるが、本発明の実施の際に対照実験として用意され、同時に試験される生物学的材料の測定値か、その平均値又は中央値の場合もある。
本発明の病態情報として、本発明の判別式で算出される病態指標値が1.0又はその近傍のとき、被検者は健常者であると出力される。前記病態指標値が2.0又はこれ以上のとき、被検者は疾患に罹患している可能性が大と出力される場合がある。しかし、前記病態指標値が2.0未満でも、被検者が前記疾患に罹患している可能性があると出力される場合がある。
本発明の疾患サンプル分析装置、分析システム及び分析方法により得られる被検者の生物学的材料中のアミノ酸立体異性体の定量データは、さまざまな疾患の診断及び予防の指標として用いられる。また、前記定量データは、前記疾患の病状の進行の指標として用いられる。さらに、前記定量データは、前記疾患の治療及び/又は予防のための医薬の薬効を判断するための指標として用いられる。さらに、前記定量データは、医薬、医薬部外品、化粧料、食品その他の化学物質の生体への影響や、その他の物理的及び/又は生物学的な環境要因の成体への影響を判断するための指標として用いられる。
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。
以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
以下の実施例は、アメリカ国立衛生研究所(National Institutes of Health(NIH))のガイドラインに従って資生堂リサーチセンターの倫理委員会によって承認された後に実施された。
各種疾患患者由来のサンプルのアミノ酸立体異性体の全分析(1)
1.材料及び方法
(1)サンプル
健常人及び各種疾患由来の血清サンプルは、米国バイオサーブ社(BioServe Biotechnologies, Ltd、米国、メリーランド州、Beltsville)から入手された。前記サンプルは、現在バイオサーブ社に買収されたGenomicCollaborative Inc.社によって採取された。採血は患者の医師による管理の下で行われ、米国の医療保険の相互運用性及び説明責任に関する法律(HIPAA)に沿った書類による採血者の同意が確認済みである。今回の分析に用いられたサンプルの提供者のうち健常者は、男女各4名全員が50歳の白人で、検討対象疾患の既往歴のない者が選ばれた。腎臓病患者は糖尿病を併発していない者が選ばれた。認知症患者は、アルツハイマー病協会による7段階の重症度のステージ5(日々の生活に他人の補助が必要となり始める段階)と診断された男性4名が選ばれた。大腸がん患者はステージIIと診断された男性4名が選ばれた。乳がん患者は、片側のみで発生しステージIIと診断された女性4名が選ばれた。前立腺がんはステージIIと診断され、ホルモン療法及び化学療法を受けていない男性が選ばれた。肝障害患者は、片側のみで発生しステージIIと診断された女性が選ばれた。骨粗鬆症患者は女性が選ばれた。卵巣がん患者はステージIIの女性が選ばれた。今回の分析に用いられたサンプルの提供者には喫煙者は除外された。
1.材料及び方法
(1)サンプル
健常人及び各種疾患由来の血清サンプルは、米国バイオサーブ社(BioServe Biotechnologies, Ltd、米国、メリーランド州、Beltsville)から入手された。前記サンプルは、現在バイオサーブ社に買収されたGenomicCollaborative Inc.社によって採取された。採血は患者の医師による管理の下で行われ、米国の医療保険の相互運用性及び説明責任に関する法律(HIPAA)に沿った書類による採血者の同意が確認済みである。今回の分析に用いられたサンプルの提供者のうち健常者は、男女各4名全員が50歳の白人で、検討対象疾患の既往歴のない者が選ばれた。腎臓病患者は糖尿病を併発していない者が選ばれた。認知症患者は、アルツハイマー病協会による7段階の重症度のステージ5(日々の生活に他人の補助が必要となり始める段階)と診断された男性4名が選ばれた。大腸がん患者はステージIIと診断された男性4名が選ばれた。乳がん患者は、片側のみで発生しステージIIと診断された女性4名が選ばれた。前立腺がんはステージIIと診断され、ホルモン療法及び化学療法を受けていない男性が選ばれた。肝障害患者は、片側のみで発生しステージIIと診断された女性が選ばれた。骨粗鬆症患者は女性が選ばれた。卵巣がん患者はステージIIの女性が選ばれた。今回の分析に用いられたサンプルの提供者には喫煙者は除外された。
(2)アミノ酸立体異性体の全分析
前記サンプルは、財津らが開発したD、L−アミノ酸一斉高感度分析システム(特許第4291628号)によるアミノ酸立体異性体の全分析に供された。各アミノ酸の分析条件の詳細は、Hamase K.ら、J.Chromatogr.A, 1143:105(2007)、HamaseK.、ら、J.Chromatogr.A, 1217:1056(2010)、MiyoshiY.、ら、J.Chromatogr.B, 879:3184(2011)に説明される。簡潔には、サンプルは、その20倍の容積のメタノール中で、4°C、3,500rpm、2分間マイクロホモジナイジングシステム(Micro Smash MS−100R、株式会社トミー精工)でホモジナイズされ、20,400×gで10分間遠心された。遠心上清10μLは、40°Cで減圧乾燥された。残渣に20μLの200mMホウ酸ナトリウムバッファー(pH8.0)と、40mM NBD−F(4−フルオロ−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール、東京化成工業株式会社)の無水シアン化メチル溶液の5μLとが添加され、60°C、2分間加熱された。反応後、75μLの2%(v/v)トリフルオロ酢酸水溶液が添加された。この混合液の2μLがHPLCシステム(NANOSPACE SI−2、株式会社資生堂、Sasabe,J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.、109:627(2012)の補足情報を参照せよ。)に供された。簡潔には、逆相分離用分析カラムは、40°Cに保温された自社製のモノリシックODSカラム(内径759mm×0.53mm、石英ガラス毛管に装填)が用いられた。移動相は、シアン化メチル−トリフルオロ酢酸−水(容積比5:0.05:95)が用いられた。流速は毎分35μLであった。逆相分離の後、150μLループが装着されたカラム切り替えバルブを経由して、目的のNBD化アミノ酸分画は自動的にエナンチオ選択性カラムに移された。エナンチオマー分離には、キラルセレクターとして(S)−ナフチルグリシンを用いるスミキラルOA−2500Sカラム(内径250mm×1.5mmI.D.、自家充填、材料は株式会社住化分析センター製)が使用された。蛍光検出は、励起波長470nm、検出波長530nmで実行された。
前記サンプルは、財津らが開発したD、L−アミノ酸一斉高感度分析システム(特許第4291628号)によるアミノ酸立体異性体の全分析に供された。各アミノ酸の分析条件の詳細は、Hamase K.ら、J.Chromatogr.A, 1143:105(2007)、HamaseK.、ら、J.Chromatogr.A, 1217:1056(2010)、MiyoshiY.、ら、J.Chromatogr.B, 879:3184(2011)に説明される。簡潔には、サンプルは、その20倍の容積のメタノール中で、4°C、3,500rpm、2分間マイクロホモジナイジングシステム(Micro Smash MS−100R、株式会社トミー精工)でホモジナイズされ、20,400×gで10分間遠心された。遠心上清10μLは、40°Cで減圧乾燥された。残渣に20μLの200mMホウ酸ナトリウムバッファー(pH8.0)と、40mM NBD−F(4−フルオロ−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール、東京化成工業株式会社)の無水シアン化メチル溶液の5μLとが添加され、60°C、2分間加熱された。反応後、75μLの2%(v/v)トリフルオロ酢酸水溶液が添加された。この混合液の2μLがHPLCシステム(NANOSPACE SI−2、株式会社資生堂、Sasabe,J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.、109:627(2012)の補足情報を参照せよ。)に供された。簡潔には、逆相分離用分析カラムは、40°Cに保温された自社製のモノリシックODSカラム(内径759mm×0.53mm、石英ガラス毛管に装填)が用いられた。移動相は、シアン化メチル−トリフルオロ酢酸−水(容積比5:0.05:95)が用いられた。流速は毎分35μLであった。逆相分離の後、150μLループが装着されたカラム切り替えバルブを経由して、目的のNBD化アミノ酸分画は自動的にエナンチオ選択性カラムに移された。エナンチオマー分離には、キラルセレクターとして(S)−ナフチルグリシンを用いるスミキラルOA−2500Sカラム(内径250mm×1.5mmI.D.、自家充填、材料は株式会社住化分析センター製)が使用された。蛍光検出は、励起波長470nm、検出波長530nmで実行された。
2.結果
図1は、健常者及び各種疾患患者のそれぞれ最初のサンプルについてのD−アミノ酸の分析結果をまとめた表である。表の各行はサンプル提供者の疾患名を表し、各列は分析されたD−アミノ酸の種類を表す。表の中でNDは検出限界以下であったことを表す。トリプトファン、システイン及びチロシンの列の粗い右上がりのハッチングはこれらのアミノ酸は今回のサンプルでは定量できなかったことを表す。上向き矢印はこのサンプルでは第1行の健常男性のサンプルよりアミノ酸量が高いことを表し、下向き矢印は第1行の健常男性のサンプルよりこのサンプルのアミノ酸量が低いことを表す。細かい右上がりのハッチング(例えば、腎臓病サンプルのアスパラギン等)は、これらのサンプルのアミノ酸量の前記健常男性のサンプルのアミノ酸量に対する割合が2倍以上(上向き矢印)か、あるいは、1/2以下(下向き矢印)かを表す。粗い左上がりのハッチング(例えば、腎臓病サンプルのグルタミン等)は、これらのサンプルのアミノ酸量の前記健常男性のサンプルのアミノ酸量に対する割合が2倍未満(上向き矢印)か、あるいは、1/2未満(下向き矢印)かを表す。
図1は、健常者及び各種疾患患者のそれぞれ最初のサンプルについてのD−アミノ酸の分析結果をまとめた表である。表の各行はサンプル提供者の疾患名を表し、各列は分析されたD−アミノ酸の種類を表す。表の中でNDは検出限界以下であったことを表す。トリプトファン、システイン及びチロシンの列の粗い右上がりのハッチングはこれらのアミノ酸は今回のサンプルでは定量できなかったことを表す。上向き矢印はこのサンプルでは第1行の健常男性のサンプルよりアミノ酸量が高いことを表し、下向き矢印は第1行の健常男性のサンプルよりこのサンプルのアミノ酸量が低いことを表す。細かい右上がりのハッチング(例えば、腎臓病サンプルのアスパラギン等)は、これらのサンプルのアミノ酸量の前記健常男性のサンプルのアミノ酸量に対する割合が2倍以上(上向き矢印)か、あるいは、1/2以下(下向き矢印)かを表す。粗い左上がりのハッチング(例えば、腎臓病サンプルのグルタミン等)は、これらのサンプルのアミノ酸量の前記健常男性のサンプルのアミノ酸量に対する割合が2倍未満(上向き矢印)か、あるいは、1/2未満(下向き矢印)かを表す。
図1の腎臓病患者サンプルで健常男性サンプルより血清濃度が高くなるD−アミノ酸のうち、セリン、アロD−スレオニン、スレオニン、アラニン、プロリン及びフェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素の基質であるが、アスパラギン酸及びグルタミンはD−アスパラギン酸酸化酵素の基質である。また、同じD−アミノ酸酸化酵素の基質でも、ヒスチジン、アルギニン、メチオニン、バリン、アロD−イソロイシン及びイソロイシンは腎臓病患者と健常男性とで血清濃度に変化がないと判断された。また、アスパラギン酸及びグルタミン酸はD−アスパラギン酸酸化酵素の基質であるが、腎臓病患者と健常男性とで血清濃度に変化がないと判断された。そこで、腎臓病患者サンプルで健常男性サンプルより血清濃度が高くなるD−アミノ酸の種類は従来知られてきたD−アミノ酸の代謝酵素の特異性だけでは説明ができない。前立腺がん患者サンプルで健常男性サンプルより血清濃度が高くなるD−アミノ酸がD−ヒスチジン及びD−アスパラギンであること、及び、骨粗鬆症患者サンプルで健常男性サンプルより血清濃度が高くなるD−アミノ酸がD−アスパラギンであることについても従来知られてきたD−アミノ酸の代謝酵素の特異性だけでは説明ができない。D−アミノ酸酸化酵素及びD−アスパラギン酸酸化酵素はともに腎臓の近位尿細管に局在することが知られている。そこで、腎臓病の患者ではこれらの酵素活性が低下することは予測できる。その場合、これらの酵素の基質となるD−アミノ酸すべての分解が抑制され、体内量が上昇すると考えられる。しかし、実際には全てのD−アミノ酸ではなく、一部のD−アミノ酸だけの体内量が上昇するに留まる。その機序は不明である。これらの疾患特異的なD−アミノ酸の血清濃度の変化は、疾患の診断に利用できることが示唆された。
図1から、大半の種類のD−アミノ酸は、健常男性と各種疾患患者とで差がないが、一部のアミノ酸では健常男性と比較して2倍以上高いか1/2以下低いものがみられた。そこでまず、比較的多くのD−アミノ酸で健常男性サンプルと比較して大きい変化がみられた腎臓病に注目して、同じ疾患について4名の提供者のサンプルが詳しく調べられた。
図2−1、図2−2、図2−3、図2−4、図2−5及び図2−6は、それぞれ、D−セリン、L−セリン、D−スレオニン、L−スレオニン、D−アラニン及びL−アラニンの血清濃度の疾患サンプルごとの分布図である。サンプル1は健常男性、サンプル2は腎臓病患者、サンプル3は認知症患者、サンプル4は健常女性、サンプル5は大腸がん患者、そして、サンプル6は乳がん患者である。図2−1では、健常者の男性及び女性と、認知症、大腸がん及び乳がんとのD−セリンの血清濃度はほぼ一定で低いのに対し、腎臓病患者のD−セリンの血清濃度は他のサンプルより少なくとも2倍以上高いことが示された。図2−3では、健常者の男性及び女性と、認知症、大腸がん及び乳がんとのD−スレオニンの血清濃度はほぼ一定で低いのに対し、腎臓病患者のD−スレオニンの血清濃度は他のサンプルより少なくとも2倍以上高いことが示された。同様に図2−5では、健常者の男性及び女性と、認知症、大腸がん及び乳がんとのD−アラニンの血清濃度はほぼ一定で低いのに対し、腎臓病患者のD−アラニンの血清濃度は4名のうち3名については他のサンプルより少なくとも2倍以上高いことが示された。これに対し図2−2、図2−4及び図2−6では、L−セリン、L−スレオニン及びL−アラニンのいずれも、健常者と今回調べた4種類の疾患患者とのアミノ酸量の分布は個体差により分布範囲が広がった。そして腎臓病患者のサンプルでは健常者の男女と、他の疾患患者とのサンプルに比べてやや低い傾向はあるが、全体として、D−セリン、D−スレオニン及びD−アラニンのような顕著な相違は認められなかった。
図2−1ないし図2−6から明らかになるD−アミノ酸血清濃度の特徴は、健常者の男性及び女性のサンプルではいずれのD−アミノ酸の血清濃度が非常に低く、偏差も小さい点である。この点は他のD−アミノ酸についても同じである(データは示されない)。また、患者サンプルのD−アミノ酸の血清濃度は、疾患と相関する変動が認められない場合には、健常者の場合と同様に、いずれのD−アミノ酸についても血清濃度が非常に低い量で、偏差も小さい。これは診断の際に偽陽性が少ないことにつながるので、D−アミノ酸量による診断の有用性の重要な根拠となる。また、疾患特異的に変化するD−アミノ酸量を他の因子と組み合わせたパラメーターで表すとき、該他の因子そのものが前記D−アミノ酸量より疾患との相関が低い場合には、実質的に前記D−アミノ酸量だけに基づいて診断するのと同じ診断特性しか得られない。
図3−1、図3−2及び図3−3は、それぞれ、セリン、スレオニン及びアラニンのサンプルのD−体及びL−体の量の和に対するD−体量の百分率(%D)の分布図である。図3−1では、健常者の男性及び女性と、認知症、大腸がん及び乳がんとのセリンの全血清濃度に占めるD−セリンの血清濃度の百分率はほぼ一定で低いのに対し、腎臓病患者のセリンの全血清濃度に占めるD−セリンの血清濃度の百分率は他のサンプルより4倍以上高いことが示された。図3−2では、健常者の男性及び女性と、認知症、大腸がん及び乳がんとのスレオニンの全血清濃度に占めるD−スレオニンの血清濃度の百分率はほぼ一定で低いのに対し、腎臓病患者のスレオニンの全血清濃度に占めるD−スレオニンの血清濃度の百分率は他のサンプルより4倍以上高いことが示された。同様に図3−3では、健常者の男性及び女性と、認知症、大腸がん及び乳がんとのアラニンの全血清濃度に占めるD−アラニンの血清濃度の百分率はほぼ一定な低い値であるのに対し、腎臓病患者のアラニンの全血清濃度に占めるD−アラニンの血清濃度の百分率は、4名のうち3名については、他のサンプルより4倍以上高いことが示された。
マウス疾患モデルでの由来のサンプルのアミノ酸立体異性体の全分析
1.材料と方法
1.1 アミノ酸立体異性体の全分析
アミノ酸立体異性体の全分析は、実施例1で説明されたD、L−アミノ酸一斉高感度分析システムと同様のシステムが用いられたが、送液ポンプにダンパーを有さないMSを用いたこと、MPSと低用量デガッサーとの採用により、2次元目の移動相を幅広く選択できるようになったことが異なる。
1.材料と方法
1.1 アミノ酸立体異性体の全分析
アミノ酸立体異性体の全分析は、実施例1で説明されたD、L−アミノ酸一斉高感度分析システムと同様のシステムが用いられたが、送液ポンプにダンパーを有さないMSを用いたこと、MPSと低用量デガッサーとの採用により、2次元目の移動相を幅広く選択できるようになったことが異なる。
1.2 マウス疾患モデル
本実施例で用いられたマウス疾患モデルは、拡張型心筋症モデルマウス、卵巣摘出による更年期モデルマウス、肉腫移植マウス、アルツハイマー病モデルマウス、DAO欠損マウス及びDDO欠損マウスである。以下に詳しくそれぞれのマウスについて説明する。マウスを用いる実験は九州大学大学院薬学研究院にて行われた。
本実施例で用いられたマウス疾患モデルは、拡張型心筋症モデルマウス、卵巣摘出による更年期モデルマウス、肉腫移植マウス、アルツハイマー病モデルマウス、DAO欠損マウス及びDDO欠損マウスである。以下に詳しくそれぞれのマウスについて説明する。マウスを用いる実験は九州大学大学院薬学研究院にて行われた。
1.2.1 拡張型心筋症モデルマウス
心血管障害のモデルマウスとして、心筋構成タンパク質の1種である、MLP(muscle LIM protein)が欠損した、MLP−KOマウス(Arber, S.ら、Cell、88:393(1997))が用いられた。拡張型心筋症モデルマウス(MLP−KOマウス、以下、「疾病」という。)雄8週齢3匹と、対照正常マウス(以下、「正常」という。)雄8週齢4匹との尿サンプルを得て、その全アミノ酸光学異性体含量が分析された。
心血管障害のモデルマウスとして、心筋構成タンパク質の1種である、MLP(muscle LIM protein)が欠損した、MLP−KOマウス(Arber, S.ら、Cell、88:393(1997))が用いられた。拡張型心筋症モデルマウス(MLP−KOマウス、以下、「疾病」という。)雄8週齢3匹と、対照正常マウス(以下、「正常」という。)雄8週齢4匹との尿サンプルを得て、その全アミノ酸光学異性体含量が分析された。
1.2.2 更年期モデルマウス
更年期モデルマウスとして、HR−1マウス9週齢雌から麻酔下で卵巣が摘出され、皮膚が縫合された。同じ週齢の雌マウスから、卵巣摘出を行わずに、皮膚の切開及び縫合のみを行った対照実験のマウスも用意された。施術前と、施術後1週間目ないし4週間目の体重が測定された。対照マウスと比較して体重が増大することが確認された個体が更年期モデルマウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
更年期モデルマウスとして、HR−1マウス9週齢雌から麻酔下で卵巣が摘出され、皮膚が縫合された。同じ週齢の雌マウスから、卵巣摘出を行わずに、皮膚の切開及び縫合のみを行った対照実験のマウスも用意された。施術前と、施術後1週間目ないし4週間目の体重が測定された。対照マウスと比較して体重が増大することが確認された個体が更年期モデルマウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
1.2.3 肉腫移植マウス
肉腫移植マウスとして、2×107個の肉腫細胞を移植されたICR系雄6週齢マウスが用意された。(三田様へ:肉腫の株をご教示ください。)移植3週間後に外植された腫瘍の成長が確認された個体が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。肉腫移植マウスの対照実験として、同環境で飼育されたICR系雄9週齢マウス個体が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
肉腫移植マウスとして、2×107個の肉腫細胞を移植されたICR系雄6週齢マウスが用意された。(三田様へ:肉腫の株をご教示ください。)移植3週間後に外植された腫瘍の成長が確認された個体が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。肉腫移植マウスの対照実験として、同環境で飼育されたICR系雄9週齢マウス個体が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
1.2.4 アルツハイマー病モデルマウス
アルツハイマー病モデルマウスとして、アミロイドβ前駆体タンパク質高発現トランスジェニックマウスTg2576(Hsiao、K.ら、Science、274:99(1996))のヘミ接合体雄8週齢マウスが尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。C57BL雄8週齢マウスが対照正常マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
アルツハイマー病モデルマウスとして、アミロイドβ前駆体タンパク質高発現トランスジェニックマウスTg2576(Hsiao、K.ら、Science、274:99(1996))のヘミ接合体雄8週齢マウスが尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。C57BL雄8週齢マウスが対照正常マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
1.2.5 D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス
D−アミノ酸代謝関連酵素活性変化モデルの1つとして、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス(Konno、 R.ら、Genetics 103:277(1983)、ddY/DAO−、以下、「DAO−/−」という。)雄8週齢の個体が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス雄8週齢の個体が、対照マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
D−アミノ酸代謝関連酵素活性変化モデルの1つとして、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス(Konno、 R.ら、Genetics 103:277(1983)、ddY/DAO−、以下、「DAO−/−」という。)雄8週齢の個体が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス雄8週齢の個体が、対照マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
1.2.6 D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)欠損マウス
D−アミノ酸代謝関連酵素活性変化モデルの1つとして、D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)欠損マウス(Huang、A.S.ら、J. Neurosci.、2:2814(2006)、以下、「DDO−」という。)雄8週齢の個体が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)野生型(以下、「DDO+」という。)雄8週齢個体が、対照マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
D−アミノ酸代謝関連酵素活性変化モデルの1つとして、D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)欠損マウス(Huang、A.S.ら、J. Neurosci.、2:2814(2006)、以下、「DDO−」という。)雄8週齢の個体が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)野生型(以下、「DDO+」という。)雄8週齢個体が、対照マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
1.2.7 フェニルケトン尿症疾患モデルマウス
アミノ酸代謝障害モデルマウスの1つとして、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、Shedlovsky、A.ら、Genetics 134:1205(1993))のSPF条件で飼育された25−35週齢の雄5匹が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。同一遺伝背景の野生型アレルのホモ接合体のSPF条件で飼育された25−35週齢の雄5匹が、対照マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
アミノ酸代謝障害モデルマウスの1つとして、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、Shedlovsky、A.ら、Genetics 134:1205(1993))のSPF条件で飼育された25−35週齢の雄5匹が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。同一遺伝背景の野生型アレルのホモ接合体のSPF条件で飼育された25−35週齢の雄5匹が、対照マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
1.2.8 メープルシロップ尿症疾患モデルマウス
アミノ酸代謝障害モデルマウスの1つとして、(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、Homanics G.E.ら、BMC Med Genet、7:33(2006)のSPF条件で飼育された8−10週齢の雄5匹が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。同一遺伝背景の野生型アレルのホモ接合体のSPF条件で飼育された8−10週齢の雄5匹が、対照マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。一部の実験では、+/Dbttm1Gehのヘテロ接合体のSPF条件で飼育された8−10週齢の雄5匹が中間型として尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
アミノ酸代謝障害モデルマウスの1つとして、(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、Homanics G.E.ら、BMC Med Genet、7:33(2006)のSPF条件で飼育された8−10週齢の雄5匹が尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。同一遺伝背景の野生型アレルのホモ接合体のSPF条件で飼育された8−10週齢の雄5匹が、対照マウスとして尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。一部の実験では、+/Dbttm1Gehのヘテロ接合体のSPF条件で飼育された8−10週齢の雄5匹が中間型として尿中全アミノ酸光学異性体含量分析に供された。
2.結果
2.1 拡張型心筋症モデルマウス
図4−1は、拡張型心筋症モデルマウス(MLP−KOマウス、以下、「疾病」という。)3匹と、対照正常マウス(以下、「正常」という。)4匹との尿中のD−セリン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、D−セリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−2は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−セリン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフを示す。縦軸は、L−セリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−3は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全セリン濃度(D−セリン濃度及びL−セリン濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、全セリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−4は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全セリン濃度に対するD−セリン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフを示す。縦軸は、%Dである。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.02未満であった。図4−5は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のD−アルギニン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、D−アルギニン濃度(ナノモル/mL)である。図4−6は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−アルギニン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、L−アルギニン濃度(ナノモル/mL)である。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.01未満であった。図4−7は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全アルギニン濃度(D−アルギニン濃度及びL−アルギニン濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、全アルギニン濃度(ナノモル/mL)である。図4−8は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のD−グルタミン酸濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、D−グルタミン酸濃度(ナノモル/mL)である。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.02未満であった。図4−9は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−グルタミン酸濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、L−グルタミン酸濃度(ナノモル/mL)である。図4−10は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全グルタミン酸濃度(D−グルタミン酸濃度及びL−グルタミン酸濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、全グルタミン酸濃度(ナノモル/mL)である。図4−11は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のD−プロリン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、D−プロリン濃度(ナノモル/mL)である。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.01未満であった。図4−12は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−プロリン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、L−プロリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−13は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全プロリン濃度(D−プロリン濃度及びL−プロリン濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、全プロリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−14は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のD−リジン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフを示す。縦軸は、D−リジン濃度(ナノモル/mL)である。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.01未満であった。図4−15は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−リジン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフを示す。縦軸は、L−リジン濃度(ナノモル/mL)である。図4−16は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全リジン濃度(D−リジン濃度及びL−リジン濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。これらの結果から、D−セリン濃度は疾病群で正常群より低い傾向はあったが、有意差は認められなかった。しかし%Dで評価すると、D−セリンの%Dは、疾病群で正常群より有意に低かった。L−アルギニン濃度は、疾病群で正常群より有意に低かった。D−グルタミン酸濃度は、疾病群で正常群より有意に高かった。D−プロリン濃度は疾病群で正常群より有意に低かった。D−リジン濃度は疾病群で正常群より有意に低かった。
2.1 拡張型心筋症モデルマウス
図4−1は、拡張型心筋症モデルマウス(MLP−KOマウス、以下、「疾病」という。)3匹と、対照正常マウス(以下、「正常」という。)4匹との尿中のD−セリン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、D−セリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−2は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−セリン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフを示す。縦軸は、L−セリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−3は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全セリン濃度(D−セリン濃度及びL−セリン濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、全セリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−4は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全セリン濃度に対するD−セリン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフを示す。縦軸は、%Dである。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.02未満であった。図4−5は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のD−アルギニン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、D−アルギニン濃度(ナノモル/mL)である。図4−6は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−アルギニン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、L−アルギニン濃度(ナノモル/mL)である。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.01未満であった。図4−7は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全アルギニン濃度(D−アルギニン濃度及びL−アルギニン濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、全アルギニン濃度(ナノモル/mL)である。図4−8は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のD−グルタミン酸濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、D−グルタミン酸濃度(ナノモル/mL)である。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.02未満であった。図4−9は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−グルタミン酸濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、L−グルタミン酸濃度(ナノモル/mL)である。図4−10は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全グルタミン酸濃度(D−グルタミン酸濃度及びL−グルタミン酸濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、全グルタミン酸濃度(ナノモル/mL)である。図4−11は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のD−プロリン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、D−プロリン濃度(ナノモル/mL)である。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.01未満であった。図4−12は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−プロリン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、L−プロリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−13は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全プロリン濃度(D−プロリン濃度及びL−プロリン濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、全プロリン濃度(ナノモル/mL)である。図4−14は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のD−リジン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフを示す。縦軸は、D−リジン濃度(ナノモル/mL)である。正常と疾病との有意差は、Studentのt検定でPが0.01未満であった。図4−15は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中のL−リジン濃度の平均値及び標準誤差の棒グラフを示す。縦軸は、L−リジン濃度(ナノモル/mL)である。図4−16は、拡張型心筋症モデルマウス3匹と、対照正常マウス4匹との尿中の全リジン濃度(D−リジン濃度及びL−リジン濃度の和)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。これらの結果から、D−セリン濃度は疾病群で正常群より低い傾向はあったが、有意差は認められなかった。しかし%Dで評価すると、D−セリンの%Dは、疾病群で正常群より有意に低かった。L−アルギニン濃度は、疾病群で正常群より有意に低かった。D−グルタミン酸濃度は、疾病群で正常群より有意に高かった。D−プロリン濃度は疾病群で正常群より有意に低かった。D−リジン濃度は疾病群で正常群より有意に低かった。
2.2 更年期モデルマウス
図5−1は、9週齢HR−1マウスから卵巣が摘出された更年期モデルマウス(以下、「OVX」という。)12匹と、同じ週齢の雌マウスから、卵巣摘出を行わずに、皮膚の切開及び縫合のみを行った対照マウス(以下、「sham」という。)6匹との体重の平均値及び標準偏差の変化を示すグラフである。縦軸はマウスの体重(グラム)を示す。黒塗り及び斜線ハッチングの棒グラフは、それぞれ、施術前の9週齢マウスと、施術後1週目(10週齢)、2週目(11週齢)、3週目(12週齢)、4週目(13週齢)の更年期モデルマウス(OVX)及び対照マウス(sham)の体重の平均値及び標準偏差を示す。更年期モデルマウス(OVX)及び対照マウス(sham)との体重の有意差は、Studentのt検定でPが0.05未満(*)又は0.01未満(**)であった。卵巣が摘出された更年期モデルマウスでは術後2週目から体重が対照マウスより有意に増加し、更年期モデルマウス作製に成功したことを示す。
図5−1は、9週齢HR−1マウスから卵巣が摘出された更年期モデルマウス(以下、「OVX」という。)12匹と、同じ週齢の雌マウスから、卵巣摘出を行わずに、皮膚の切開及び縫合のみを行った対照マウス(以下、「sham」という。)6匹との体重の平均値及び標準偏差の変化を示すグラフである。縦軸はマウスの体重(グラム)を示す。黒塗り及び斜線ハッチングの棒グラフは、それぞれ、施術前の9週齢マウスと、施術後1週目(10週齢)、2週目(11週齢)、3週目(12週齢)、4週目(13週齢)の更年期モデルマウス(OVX)及び対照マウス(sham)の体重の平均値及び標準偏差を示す。更年期モデルマウス(OVX)及び対照マウス(sham)との体重の有意差は、Studentのt検定でPが0.05未満(*)又は0.01未満(**)であった。卵巣が摘出された更年期モデルマウスでは術後2週目から体重が対照マウスより有意に増加し、更年期モデルマウス作製に成功したことを示す。
図5−2、5−3及び5−4は、それぞれ、更年期モデルマウス(OVX)3匹のうち1匹目(OVX−3)、2匹目(OVX−4)及び3匹目(OVX−5)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。グリシンは光学異性体が存在しないので、L体の欄に記載された。アミノ酸はすべてNBD−Fにより蛍光誘導体化され、本発明の全アミノ酸光学異性体含量分析装置を用いて解析された。トリプトファンはNBD誘導体の感度は低いため、今回の解析ではndとされた。システインについては、空気酸化によりシスチンが生成するため、システインとしての含量は極めて低い。そこで今回の解析ではndとされた。図5−5、5−6、5−7及び5−8は、それぞれ、対照マウス(sham)4匹のうち1匹目(Sham−16)、2匹目(Sham−17)、3匹目(Sham−19)及び4匹目(Sham−20)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。図5−9は、更年期モデルマウス(OVX)3匹及び対照マウス(sham)4匹の尿中のD−アミノ酸含量を比較した表である。D−アスパラギン酸は更年期モデルマウス(OVX)よりも対照マウス(sham)が低く、有意差は、Studentのt検定でPが0.015であった。図5−10は、年期モデルマウス(OVX)3匹及び対照マウス(sham)4匹の尿中のL−アミノ酸含量を比較した表である。L−ヒスチジン及びL−フェニルアラニンは対照マウス(sham)よりも更年期モデルマウス(OVX)が低く、有意差は、Studentのt検定でPがそれぞれ0.017及び0.037であった。図5−11は、更年期モデルマウス(OVX)3匹及び対照マウス(sham)4匹の尿中の各アミノ酸のD−体濃度及びL−体の濃度の和に対するD−体濃度の百分率(%D)を比較した表である。スレオニン及びイソロイシンについては、生体内でのD−体がアロ体となるため、%Dは、D−アロ体濃度及びL−体濃度の和に対するD−アロ体濃度の百分率として評価された。D−アスパラギン酸は対照マウス(sham)よりも更年期モデルマウス(OVX)が低く、有意差は、Studentのt検定でPが0.002であった。図5−12は、更年期モデルマウス(OVX)3匹及び対照マウス(sham)4匹の尿中の全L−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total L)を比較した表である。D−アスパラギン酸は対照マウス(sham)よりも更年期モデルマウス(OVX)が低く、有意差は、Studentのt検定でPが0.005であった。図5−13は、更年期モデルマウス(OVX)3匹及び対照マウス(sham)4匹の尿中の全D−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total D)を比較した表である。D−アスパラギン酸は対照マウス(sham)よりも更年期モデルマウス(OVX)が低く、有意差は、Studentのt検定でPが0.017であった。図5−14は、更年期モデルマウス(OVX)3匹及び対照マウス(sham)4匹の尿中のD−グルタミン酸濃度に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/D−Glu)を比較した表である。D−アスパラギン酸は酸性D−アミノ酸なので、同様の代謝を受けると考えられるD−グルタミン酸濃度で補正後評価された。%D/D−Gluでも、D−アスパラギン酸は対照マウス(sham)よりも更年期モデルマウス(OVX)が低く、有意差は、Studentのt検定でPが0.006であった。
2.3 肉腫移植マウス
図6−1、6−2及び6−3は、それぞれ、2×107個の肉腫細胞を移植されたICR系雄6週齢マウスで、移植3週間後に外植された腫瘍の成長が確認された個体3匹のうち1匹目(S3)、2匹目(S4)及び3匹目(S5)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。グリシンは光学異性体が存在しないので、L体の欄に記載された。アミノ酸はすべてNBD−Fにより蛍光誘導体化され、本発明の全アミノ酸光学異性体含量分析装置を用いて解析された。トリプトファンはNBD誘導体の感度は低いため、今回の解析ではndとされた。システインについては、空気酸化によりシスチンが生成するため、システインとしての含量は極めて低い。そこで今回の解析ではndとされた。図6−4、6−5及び6−6は、それぞれ、肉腫移植マウスの対照実験として同環境で飼育されたICR系雄9週齢マウス個体3匹のうち1匹目(C3)、2匹目(C4)及び3匹目(C5)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。図6−7は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中のD−アミノ酸含量を比較した表である。図6−8は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中のL−アミノ酸含量を比較した表である。図6−9は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中の各アミノ酸のD−体濃度及びL−体の濃度の和に対するD−体濃度の百分率(%D)を比較した表である。肉腫移植マウスのセリンの%Dは対照マウスより低く、有意差は、Studentのt検定でPが0.016であった。図6−10は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中の全L−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total L)を比較した表である。図6−11は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中の全D−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total D)を比較した表である。D−アスパラギン及びD−アルギニンは対照マウスよりも肉腫移植マウスが高い傾向があり、D−アルギニンの有意差は、Studentのt検定でPが0.035であった。図6−12は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中のD−アスパラギン濃度に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/D−Asn)を比較した表である。D−アスパラギンは哺乳類尿中に比較的高濃度に存在すること、及び、全D−アミノ酸濃度に対する比率が最も安定していたことのために、尿中濃度の補正の指標として用いられた。D−アルギニンは対照マウスよりも肉腫移植マウスが高い傾向があり、有意差は、Studentのt検定でPが0.016であった。
図6−1、6−2及び6−3は、それぞれ、2×107個の肉腫細胞を移植されたICR系雄6週齢マウスで、移植3週間後に外植された腫瘍の成長が確認された個体3匹のうち1匹目(S3)、2匹目(S4)及び3匹目(S5)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。グリシンは光学異性体が存在しないので、L体の欄に記載された。アミノ酸はすべてNBD−Fにより蛍光誘導体化され、本発明の全アミノ酸光学異性体含量分析装置を用いて解析された。トリプトファンはNBD誘導体の感度は低いため、今回の解析ではndとされた。システインについては、空気酸化によりシスチンが生成するため、システインとしての含量は極めて低い。そこで今回の解析ではndとされた。図6−4、6−5及び6−6は、それぞれ、肉腫移植マウスの対照実験として同環境で飼育されたICR系雄9週齢マウス個体3匹のうち1匹目(C3)、2匹目(C4)及び3匹目(C5)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。図6−7は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中のD−アミノ酸含量を比較した表である。図6−8は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中のL−アミノ酸含量を比較した表である。図6−9は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中の各アミノ酸のD−体濃度及びL−体の濃度の和に対するD−体濃度の百分率(%D)を比較した表である。肉腫移植マウスのセリンの%Dは対照マウスより低く、有意差は、Studentのt検定でPが0.016であった。図6−10は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中の全L−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total L)を比較した表である。図6−11は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中の全D−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total D)を比較した表である。D−アスパラギン及びD−アルギニンは対照マウスよりも肉腫移植マウスが高い傾向があり、D−アルギニンの有意差は、Studentのt検定でPが0.035であった。図6−12は、肉腫移植マウス3匹(S3、S4及びS5)及び対照マウス(C3、C4及びC5)3匹の尿中のD−アスパラギン濃度に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/D−Asn)を比較した表である。D−アスパラギンは哺乳類尿中に比較的高濃度に存在すること、及び、全D−アミノ酸濃度に対する比率が最も安定していたことのために、尿中濃度の補正の指標として用いられた。D−アルギニンは対照マウスよりも肉腫移植マウスが高い傾向があり、有意差は、Studentのt検定でPが0.016であった。
2.4 アルツハイマー病モデルマウス
図7−1は、アルツハイマー病モデルマウス(アミロイドβ前駆体タンパク質高発現トランスジェニックマウスTg2576ヘミ接合体雄8週齢マウス、以下、「hemi」という。)3匹と、対照正常マウス(C57BL、以下、「Wild」という。)3匹との尿中のD−セリン濃度(D−Ser)、L−セリン濃度(L−Ser)及び両方の合計(Ser)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。図7−2は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全セリン濃度に対するD−セリン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、%Dである。図7−3は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−セリンの相対比(D−Ser/D−allo−Thr)又は尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−セリンの相対比(D−Ser/D−allo−Ile)のグラフである。尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−セリンの相対比も、尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−セリンの相対比も、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照マウスよりも高く、有意差はStudentのt検定でPがともに0.01未満であった。図7−4は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アラニン濃度(D−Ala)、L−アラニン濃度(L−Ala)及び両方の合計(Ala)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。尿中のD−アラニン濃度は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照正常マウスより高く、有意差はStudentのt検定でPが0.01未満であった。図7−5は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全アラニン濃度に対するD−アラニン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、%Dである。尿中の全アラニン濃度に対するD−アラニン濃度の百分率(%D)は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照正常マウスより高く、有意差はStudentのt検定でPが0.01未満であった。図7−6は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−メチオニン濃度(D−Met)、L−メチオニン濃度(L−Met)及び両方の合計(Met)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。尿中のD−Met濃度は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照正常マウスより高い傾向があった。図7−7は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全セリン濃度に対するD−メチオニン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、%Dである。図7−8は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−メチオニンの相対比(D−Met/D−allo−Thr)又は尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−メチオニンの相対比(D−Met/D−allo−Ile)のグラフである。尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−メチオニンの相対比も、尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−メチオニンの相対比も、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照マウスよりも高く、有意差はStudentのt検定でPがともに0.05未満であった。図7−9は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−ロイシン濃度(D−Leu)、L−ロイシン濃度(L−Leu)及び両方の合計(Leu)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。図7−10は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全セリン濃度に対するD−ロイシン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。図7−11は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−ロイシンの相対比(D−Leu/D−allo−Thr)又は尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−ロイシンの相対比(D−Leu/D−allo−Ile)のグラフである。尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−ロイシンの相対比も、尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−ロイシンの相対比も、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照マウスよりも高く、有意差はStudentのt検定でPが、それぞれ、0.05未満及び0.01未満であった。図7−12は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アスパラギン酸濃度(D−Asp)、L−アスパラギン酸濃度(L−Asp)及び両方の合計(Asp)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。尿中のD−アスパラギン酸濃度は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照正常マウスより低く、有意差はStudentのt検定でPが0.05未満であった。図7−13は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全アスパラギン酸濃度に対するD−アスパラギン酸濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、%Dである。図7−14は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−フェニルアラニン濃度(D−Phe)、L−フェニルアラニン濃度(L−Phe)及び両方の合計(Phe)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。図7−15は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全フェニルアラニン濃度に対するD−フェニルアラニン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。図7−16は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−フェニルアラニンの相対比(D−Phe/D−allo−Thr)又は尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−フェニルアラニンの相対比(D−Phe/D−allo−Ile)のグラフである。尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−フェニルアラニンの相対比は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照マウスよりも高く、有意差はStudentのt検定でPが0.05未満であった。
図7−1は、アルツハイマー病モデルマウス(アミロイドβ前駆体タンパク質高発現トランスジェニックマウスTg2576ヘミ接合体雄8週齢マウス、以下、「hemi」という。)3匹と、対照正常マウス(C57BL、以下、「Wild」という。)3匹との尿中のD−セリン濃度(D−Ser)、L−セリン濃度(L−Ser)及び両方の合計(Ser)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。図7−2は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全セリン濃度に対するD−セリン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、%Dである。図7−3は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−セリンの相対比(D−Ser/D−allo−Thr)又は尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−セリンの相対比(D−Ser/D−allo−Ile)のグラフである。尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−セリンの相対比も、尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−セリンの相対比も、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照マウスよりも高く、有意差はStudentのt検定でPがともに0.01未満であった。図7−4は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アラニン濃度(D−Ala)、L−アラニン濃度(L−Ala)及び両方の合計(Ala)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。尿中のD−アラニン濃度は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照正常マウスより高く、有意差はStudentのt検定でPが0.01未満であった。図7−5は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全アラニン濃度に対するD−アラニン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、%Dである。尿中の全アラニン濃度に対するD−アラニン濃度の百分率(%D)は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照正常マウスより高く、有意差はStudentのt検定でPが0.01未満であった。図7−6は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−メチオニン濃度(D−Met)、L−メチオニン濃度(L−Met)及び両方の合計(Met)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。尿中のD−Met濃度は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照正常マウスより高い傾向があった。図7−7は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全セリン濃度に対するD−メチオニン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、%Dである。図7−8は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−メチオニンの相対比(D−Met/D−allo−Thr)又は尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−メチオニンの相対比(D−Met/D−allo−Ile)のグラフである。尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−メチオニンの相対比も、尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−メチオニンの相対比も、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照マウスよりも高く、有意差はStudentのt検定でPがともに0.05未満であった。図7−9は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−ロイシン濃度(D−Leu)、L−ロイシン濃度(L−Leu)及び両方の合計(Leu)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。図7−10は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全セリン濃度に対するD−ロイシン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。図7−11は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−ロイシンの相対比(D−Leu/D−allo−Thr)又は尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−ロイシンの相対比(D−Leu/D−allo−Ile)のグラフである。尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−ロイシンの相対比も、尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−ロイシンの相対比も、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照マウスよりも高く、有意差はStudentのt検定でPが、それぞれ、0.05未満及び0.01未満であった。図7−12は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アスパラギン酸濃度(D−Asp)、L−アスパラギン酸濃度(L−Asp)及び両方の合計(Asp)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。尿中のD−アスパラギン酸濃度は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照正常マウスより低く、有意差はStudentのt検定でPが0.05未満であった。図7−13は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全アスパラギン酸濃度に対するD−アスパラギン酸濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、%Dである。図7−14は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−フェニルアラニン濃度(D−Phe)、L−フェニルアラニン濃度(L−Phe)及び両方の合計(Phe)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。縦軸は、濃度(ナノモル/mL)である。図7−15は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中の全フェニルアラニン濃度に対するD−フェニルアラニン濃度の百分率(%D)の平均値及び標準誤差の棒グラフである。図7−16は、アルツハイマー病モデルマウス(hemi)3匹と、対照正常マウス(Wild)3匹との尿中のD−アロ−スレオニン濃度に対するD−フェニルアラニンの相対比(D−Phe/D−allo−Thr)又は尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−フェニルアラニンの相対比(D−Phe/D−allo−Ile)のグラフである。尿中のD−アロ−イソロイシン濃度に対するD−フェニルアラニンの相対比は、アルツハイマー病モデルマウスのほうが対照マウスよりも高く、有意差はStudentのt検定でPが0.05未満であった。
2.5 D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス
図8−1、8−2及び8−3は、それぞれD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス(ddY/DAO+、以下、「DAO+/+」という。)個体3匹のうち1匹目(DAO+/+ 1)、2匹目(DAO+/+ 2)及び3匹目(DAO+/+ 3)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。グリシンは光学異性体が存在しないので、L体の欄に記載された。アミノ酸はすべてNBD−Fにより蛍光誘導体化され、本発明の全アミノ酸光学異性体含量分析装置を用いて解析された。トリプトファンはNBD誘導体の感度は低いため、今回の解析ではndとされた。システインについては、空気酸化によりシスチンが生成するため、システインとしての含量は極めて低い。そこで今回の解析ではndとされた。図8−4、8−5及び8−6は、それぞれ、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス(ddY/DAO−、以下、「DAO−/−」という。)個体3匹のうち1匹目(DAO−/− 1)、2匹目(DAO−/− 2)及び3匹目(DAO−/− 3)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。グリシンは光学異性体が存在しないので、L体の欄に記載された。アミノ酸はすべてNBD−Fにより蛍光誘導体化され、本発明の全アミノ酸光学異性体含量分析装置を用いて解析された。トリプトファンはNBD誘導体の感度は低いため、今回の解析ではndとされた。システインについては、空気酸化によりシスチンが生成するため、システインとしての含量は極めて低い。そこで今回の解析ではndとされた。図8−7は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中のD−アミノ酸含量を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。図8−8は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中のL−アミノ酸含量を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。図8−9は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中の各アミノ酸のD−体濃度及びL−体の濃度の和に対するD−体濃度の百分率(%D)を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。図8−10は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中の全L−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total L)を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。図8−11は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中の全D−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total D)を比較した表である。図8−12は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中のD−アスパラギン濃度に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/D−Asn)を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。
図8−1、8−2及び8−3は、それぞれD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス(ddY/DAO+、以下、「DAO+/+」という。)個体3匹のうち1匹目(DAO+/+ 1)、2匹目(DAO+/+ 2)及び3匹目(DAO+/+ 3)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。グリシンは光学異性体が存在しないので、L体の欄に記載された。アミノ酸はすべてNBD−Fにより蛍光誘導体化され、本発明の全アミノ酸光学異性体含量分析装置を用いて解析された。トリプトファンはNBD誘導体の感度は低いため、今回の解析ではndとされた。システインについては、空気酸化によりシスチンが生成するため、システインとしての含量は極めて低い。そこで今回の解析ではndとされた。図8−4、8−5及び8−6は、それぞれ、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス(ddY/DAO−、以下、「DAO−/−」という。)個体3匹のうち1匹目(DAO−/− 1)、2匹目(DAO−/− 2)及び3匹目(DAO−/− 3)の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す表である。グリシンは光学異性体が存在しないので、L体の欄に記載された。アミノ酸はすべてNBD−Fにより蛍光誘導体化され、本発明の全アミノ酸光学異性体含量分析装置を用いて解析された。トリプトファンはNBD誘導体の感度は低いため、今回の解析ではndとされた。システインについては、空気酸化によりシスチンが生成するため、システインとしての含量は極めて低い。そこで今回の解析ではndとされた。図8−7は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中のD−アミノ酸含量を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。図8−8は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中のL−アミノ酸含量を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。図8−9は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中の各アミノ酸のD−体濃度及びL−体の濃度の和に対するD−体濃度の百分率(%D)を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。図8−10は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中の全L−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total L)を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。図8−11は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中の全D−アミノ酸の濃度の和に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/total D)を比較した表である。図8−12は、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウス3匹(DAO+/+ 1、DAO+/+ 2及びDAO+/+ 3)と、D−アミノ酸酸化酵素(DAO)欠損マウス3匹(DAO−/− 1、DAO−/− 2及びDAO−/− 3)と尿中のD−アスパラギン濃度に対する各D−アミノ酸濃度の百分率(%D/D−Asn)を比較した表である。D−セリン、D−アロ−スレオニン、D−アラニン、D−プロリン、D−ロイシン及びD−フェニルアラニンはD−アミノ酸酸化酵素(DAO)野生型マウスよりもDAO酵素欠損マウスが有意に高かった。
2.6 D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)欠損マウス
図9−1、9−2、9−3及び9−4は、それぞれ、D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)野生型マウス(DDO+)個体4匹のうち1匹目、2匹目、3匹目及び4匹目の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す波形図である。図9−5、9−6、9−7及び9−8は、それぞれ、D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)欠損マウス(DDO−)個体4匹のうち1匹目、2匹目、3匹目及び4匹目の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す波形図である。DDO欠損マウスの尿中には野生型マウスの尿中よりD−アスパラギン濃度が高く、D−アスパラギン酸及びD−アルギニンの濃度も高いことが示された。DDO酵素の良好な基質であるD−グルタミン酸は、DDO欠損マウスの尿中にはほとんど認められなかった。
図9−1、9−2、9−3及び9−4は、それぞれ、D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)野生型マウス(DDO+)個体4匹のうち1匹目、2匹目、3匹目及び4匹目の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す波形図である。図9−5、9−6、9−7及び9−8は、それぞれ、D−アスパラギン酸酸化酵素(DDO)欠損マウス(DDO−)個体4匹のうち1匹目、2匹目、3匹目及び4匹目の尿中全アミノ酸光学異性体含量分析結果を示す波形図である。DDO欠損マウスの尿中には野生型マウスの尿中よりD−アスパラギン濃度が高く、D−アスパラギン酸及びD−アルギニンの濃度も高いことが示された。DDO酵素の良好な基質であるD−グルタミン酸は、DDO欠損マウスの尿中にはほとんど認められなかった。
以上の2.5及び2.6の結果から、D−アミノ酸代謝酵素であるDAO及びDDOの欠損によりそれぞれ、特異的なD−アミノ酸の濃度が変化した。すなわち、これらの酵素活性を制御することにより、特異的なD−アミノ酸の濃度を制御することができると考えられる。
2.7 フェニルケトン尿症疾患モデルマウス
図10−1は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−2は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−3は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−4は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−5は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。D−フェニルアラニン濃度は対照マウスよりフェニルケトン尿症疾患モデルマウスで高く、有意差は、pが0.01未満であった。図10−6は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−7は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−8は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−9は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−10は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。L−フェニルアラニンの濃度は、対照マウスよりフェニルケトン尿症疾患モデルマウスが高く、有意差は、pが0.01未満であった。
図10−1は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−2は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−3は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−4は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−5は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。D−フェニルアラニン濃度は対照マウスよりフェニルケトン尿症疾患モデルマウスで高く、有意差は、pが0.01未満であった。図10−6は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−7は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−8は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−9は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−10は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。L−フェニルアラニンの濃度は、対照マウスよりフェニルケトン尿症疾患モデルマウスが高く、有意差は、pが0.01未満であった。
図10−11は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−12は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−13は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−14は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−15は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−16は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−17は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−18は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−19は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図10−20は、フェニルケトン尿症疾患モデルマウス(フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)突然変異マウス、Pahenu2/Pahenu2、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。L−フェニルアラニン濃度は、対照マウスよりフェニルケトン尿症疾患モデルマウスで高く、有意差は、pが0.01未満であった。
2.8 メープルシロップ尿症疾患モデルマウス
図11−1は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−2は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−3は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のD−イソロイシン濃度は、メープルシロップ尿症マウスで対照マウスより高く、有意差は、pが0.05未満であった。図11−4は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−5は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−6は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のL−バリン濃度は、メープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.01未満である。図11−7は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のL−アロ−イソロイシン濃度はメープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.01未満であった。図11−8は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のL−イソロイシン濃度は、メープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.01未満であった。図11−9は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のL−ロイシン濃度は、メープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.05未満であった。図11−10は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−11は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のD−イソロイシン濃度は、メープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.01未満であった。図11−12は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−13は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−14は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−15は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。
図11−1は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−2は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−3は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のD−イソロイシン濃度は、メープルシロップ尿症マウスで対照マウスより高く、有意差は、pが0.05未満であった。図11−4は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−5は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−6は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のL−バリン濃度は、メープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.01未満である。図11−7は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のL−アロ−イソロイシン濃度はメープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.01未満であった。図11−8は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のL−イソロイシン濃度は、メープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.01未満であった。図11−9は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のL−ロイシン濃度は、メープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.05未満であった。図11−10は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−11は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。血漿中のD−イソロイシン濃度は、メープルシロップ尿症マウスのほうが対照マウスより高く、有意差は、pが0.01未満であった。図11−12は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−13は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−14は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図11−15は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の血漿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。
図12−1は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図12−2は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図12−3は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。尿中のD−イソロイシン濃度は対照マウスよりメープルシロップ尿症マウスで高く、有意差は、pが0.05未満であった。図12−4は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図12−5は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−フェニルアラニン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図12−6は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。尿中のL−バリン濃度は対照マウスよりメープルシロップ尿症マウスで高く、有意差は、pが0.01未満であった。図12−7は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。尿中のL−アロ−イソロイシン濃度は、対照マウスよりメープルシロップ尿症マウスで高く、有意差は、pが0.01未満であった。図12−8は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。尿中のL−イソロイシン濃度は対照マウスよりメープルシロップ尿症マウスで高く、有意差は、pが0.05未満であった。図12−9は、メープルシロップ尿症マウス(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、Dbttm1Geh/Dbttm1Geh、黒塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。尿中のL−ロイシン濃度は対照マウスよりメープルシロップ尿症マウスで高く、有意差は、pが0.01未満であった。図12−11は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のD−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。尿中のD−イソロイシン濃度は対照マウスよりメープルシロップ尿症マウス中間型で高く、有意差は、pが0.05未満であった。図12−12は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−バリン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図12−13は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−アロ−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図12−14は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−イソロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。図12−15は、メープルシロップ尿症マウス中間型(分岐鎖アルファ−ケト酸脱水素酵素(BCKDH)突然変異マウス、+/Dbttm1Geh、灰色塗り)及び対照マウス(白塗り)各5匹の尿中のL−ロイシン濃度(ナノモル/mL)及び標準誤差を表す棒グラフである。
各種疾患患者由来のサンプルのアミノ酸立体異性体の全分析(2)
1.材料と方法
(1)サンプル
実施例1と同様に、各種疾患由来の血清サンプルは、米国バイオサーブ社(BioServe Biotechnologies, Ltd、米国、メリーランド州、Beltsville)から入手された。前記サンプルは、現在バイオサーブ社に買収されたGenomicCollaborative Inc.社によって採取された。採血は患者の医師による管理の下で行われ、米国の医療保険の相互運用性及び説明責任に関する法律(HIPAA)に沿った書類による採血者の同意が確認済みである。関節リウマチサンプルは、多少可動な疾患状態の49才の白人男性由来であった。腎臓がんサンプルは、ステージIの47才のベトナム人男性由来であった。肺がんサンプルは、ステージIの65才のベトナム人男性由来であった。心血管疾患サンプルは、43才の白人男性由来であった。多発性硬化症サンプルは、再発寛解型の33才の白人男性由来であった。急性骨髄性白血病サンプルは、16才男性由来であった。リンパ腫サンプルは、49才ベトナム人女性由来であった。乾癬サンプルは、40才の白人男性由来であった。糖尿病サンプルは、50才白人男性由来であった。全身性エリテマトーテスサンプルは38才白人女性由来であった。
1.材料と方法
(1)サンプル
実施例1と同様に、各種疾患由来の血清サンプルは、米国バイオサーブ社(BioServe Biotechnologies, Ltd、米国、メリーランド州、Beltsville)から入手された。前記サンプルは、現在バイオサーブ社に買収されたGenomicCollaborative Inc.社によって採取された。採血は患者の医師による管理の下で行われ、米国の医療保険の相互運用性及び説明責任に関する法律(HIPAA)に沿った書類による採血者の同意が確認済みである。関節リウマチサンプルは、多少可動な疾患状態の49才の白人男性由来であった。腎臓がんサンプルは、ステージIの47才のベトナム人男性由来であった。肺がんサンプルは、ステージIの65才のベトナム人男性由来であった。心血管疾患サンプルは、43才の白人男性由来であった。多発性硬化症サンプルは、再発寛解型の33才の白人男性由来であった。急性骨髄性白血病サンプルは、16才男性由来であった。リンパ腫サンプルは、49才ベトナム人女性由来であった。乾癬サンプルは、40才の白人男性由来であった。糖尿病サンプルは、50才白人男性由来であった。全身性エリテマトーテスサンプルは38才白人女性由来であった。
(2)アミノ酸立体異性体の全分析
前記サンプルのアミノ酸立体異性体の全分析は実施例1と同様に実施された。
前記サンプルのアミノ酸立体異性体の全分析は実施例1と同様に実施された。
2.結果
実施例3の疾患サンプルの解析結果のうちD−アミノ酸については図13−1に、L−アミノ酸については図13−2にそれぞれ分析結果をまとめた。実施例1と同様に、表の各行はサンプル提供者の疾患名を表し、各列は分析されたD−アミノ酸の種類を表す。表の中でNDは検出限界以下であったことを表す。上向き矢印はこのサンプルでは健常男性のサンプルよりアミノ酸量が高いことを表し、下向き矢印は健常男性のサンプルよりこのサンプルのアミノ酸量が低いことを表す。細かい右上がりのハッチングは、これらのサンプルのアミノ酸量の前記健常男性のサンプルのアミノ酸量に対する割合が2倍以上(上向き矢印)か、あるいは、1/2以下(下向き矢印)かを表す。粗い左上がりのハッチングは、これらのサンプルのアミノ酸量の前記健常男性のサンプルのアミノ酸量に対する割合が2倍未満(上向き矢印)か、あるいは、1/2未満(下向き矢印)かを表す。関節リウマチでは、L−グルタミン酸は対照の健常男性サンプルより血清濃度が上がったが、L−グルタミン及びL−システインは下がった。腎臓がんでは、D−セリンは健常男性サンプルより血清濃度が上がったが、D−アラニンは血清濃度が下がった。肺がんでは、D−アラニンの血清濃度が健常男性サンプルより下がった。心血管疾患では、L−アルギニンの血清濃度が健常男性サンプルより下がったが、L−グルタミン酸は上がった。多発性硬化症では、D−セリンの血清濃度が健常男性サンプルより上がったが、L−システインの血清濃度は下がった。急性骨髄性白血病では、L−システインの血清濃度は健常男性サンプルより下がった。リンパ腫では、L−システインの血清濃度は健常男性サンプルより下がった。急性リンパ性白血病では、L−グルタミン酸の血清濃度は健常男性サンプルより上がったが、L−システイン濃度は下がった。乾癬では、L−アルギニン及びL−システインの血清濃度は健常男性サンプルより下がった。糖尿病では、D−アラニン及びL−システインの血清濃度は健常男性サンプルより下がったが、L−グルタミン酸の血清濃度は上がった。なお、全身性エリテマトーテスでは、変化が認められなかった。
実施例3の疾患サンプルの解析結果のうちD−アミノ酸については図13−1に、L−アミノ酸については図13−2にそれぞれ分析結果をまとめた。実施例1と同様に、表の各行はサンプル提供者の疾患名を表し、各列は分析されたD−アミノ酸の種類を表す。表の中でNDは検出限界以下であったことを表す。上向き矢印はこのサンプルでは健常男性のサンプルよりアミノ酸量が高いことを表し、下向き矢印は健常男性のサンプルよりこのサンプルのアミノ酸量が低いことを表す。細かい右上がりのハッチングは、これらのサンプルのアミノ酸量の前記健常男性のサンプルのアミノ酸量に対する割合が2倍以上(上向き矢印)か、あるいは、1/2以下(下向き矢印)かを表す。粗い左上がりのハッチングは、これらのサンプルのアミノ酸量の前記健常男性のサンプルのアミノ酸量に対する割合が2倍未満(上向き矢印)か、あるいは、1/2未満(下向き矢印)かを表す。関節リウマチでは、L−グルタミン酸は対照の健常男性サンプルより血清濃度が上がったが、L−グルタミン及びL−システインは下がった。腎臓がんでは、D−セリンは健常男性サンプルより血清濃度が上がったが、D−アラニンは血清濃度が下がった。肺がんでは、D−アラニンの血清濃度が健常男性サンプルより下がった。心血管疾患では、L−アルギニンの血清濃度が健常男性サンプルより下がったが、L−グルタミン酸は上がった。多発性硬化症では、D−セリンの血清濃度が健常男性サンプルより上がったが、L−システインの血清濃度は下がった。急性骨髄性白血病では、L−システインの血清濃度は健常男性サンプルより下がった。リンパ腫では、L−システインの血清濃度は健常男性サンプルより下がった。急性リンパ性白血病では、L−グルタミン酸の血清濃度は健常男性サンプルより上がったが、L−システイン濃度は下がった。乾癬では、L−アルギニン及びL−システインの血清濃度は健常男性サンプルより下がった。糖尿病では、D−アラニン及びL−システインの血清濃度は健常男性サンプルより下がったが、L−グルタミン酸の血清濃度は上がった。なお、全身性エリテマトーテスでは、変化が認められなかった。
従来のアミノ酸定量分析では、立体異性体が区別できないので、各アミノ酸はそのすべての立体異性体の和として定量されてきた。しかし本発明の診断方法では、立体異性体をそれぞれ別の物質として区別して定量できる。図3−1ないし図3−3に示されるように、D−体の量をD−体及びL−体の量の和の百分率(%D)で表現すると、大腸がん患者のD−セリン量(図2−1)と比較して大腸がん患者のセリンの%D(図3−1)はばらつきが少なくなる。同様に、腎臓病患者のD−アラニン量(図2−5)と比較して腎臓病患者のアラニンの%D(図3−3)はばらつきが少なくなる。これは、D−アミノ酸量は疾患と相関するとともに、ラセミ化を通じてL−体量との相関がありうるので、D−体及びL−体の和で正規化することでL−体量の変動の影響を除外することができることが理由として考えられる。このように、疾患と相関性のあるD−アミノ酸の量が他の物質の量とも相関性が認められることがある。ここで該他の物質の量そのものは前記疾患との相関性はない場合には、前記D−アミノ酸の量を前記他の物質の量で正規化するパラメーター(例えば%D)を作成することでより診断特性を向上させることができる。
今後多数の疾患についてD−アミノ酸量との相関関係の研究が大規模に展開される。これによりさらに多くの疾患でD−アミノ酸量に基づく診断技術の開発が期待される。
Claims (6)
- 被検者の血清、血漿、及び血液からなる群から選ばれる試料中のアスパラギン、グルタミン、アロスレオニン、スレオニン、及びフェニルアラニンからなる群から選ばれる1又は複数のアミノ酸の立体異性体の量を測定するステップと、
前記アミノ酸のD−体の量の測定値と、健常者及び/又は腎臓病患者における血清、血漿、及び血液からなる群から選ばれる試料中の前記アミノ酸の立体異性体の量から予め設定された基準値とに基づいて前記被験者の腎臓病についての病態情報を決定するステップとを含むことを特徴とする、腎臓病を決定するためのサンプル分析方法。 - 前記方法が、被検者のアミノ酸の異性体の量の測定値及び健常者のアミノ酸の異性体の量の基準値を判別式:
病態指標値=(前記被検者の前記アミノ酸のD体の測定値)/(健常者のアミノ酸のD体の基準値)、又は
病態指標値=[(前記被検者前記アミノ酸のD体の測定値)/{(前記被検者の前記アミノ酸のD体の測定値)+(前記被検者の前記アミノ酸のL体の測定値)}]÷[(健常者の前記アミノ酸のD体の基準値)/{(前記健常者の前記アミノ酸のD体の基準値)+(前記健常者の前記アミノ酸のL体の基準値)}]
に代入して病態指標値を取得するステップをさらに含み、
前記病態情報を決定するステップが、当該病態指標値に基づいて前記被験者の腎臓病についての病態情報を決定するステップとを含む、請求項1に記載のサンプル分析方法。 - 前記病態情報を決定するステップは、前記病態指標値が2.0又はこれ以上のとき、前記被検者は腎臓病に罹患しているとの前記被検者の病態情報を決定するステップであることを特徴とする、請求項2に記載のサンプル分析方法。
- 被検者の血清、血漿、及び血液からなる群から選ばれる試料中のアスパラギン、グルタミン、アロスレオニン、スレオニン、及びフェニルアラニンからなる群から選ばれる1又は複数のアミノ酸立体異性体を分離・定量する手段と、
該アミノ酸のD−体の量の測定値と、健常者及び/又は腎臓病患者における血清、血漿、及び血液からなる群から選ばれる試料中の前記アミノ酸の立体異性体の量から予め設定された基準値とに基づいて腎臓病についての病態情報を出力する手段とを含むことを特徴とする、腎臓病を判定するための疾患サンプル分析装置。 - 前記疾患サンプル分析装置が、被検者のアミノ酸の異性体の量の測定値及び健常者のアミノ酸の異性体の量の基準値を判別式:
病態指標値=(前記被検者の前記アミノ酸のD体の測定値)/(健常者のアミノ酸のD体の基準値)、又は
病態指標値=[(前記被検者前記アミノ酸のD体の測定値)/{(前記被検者の前記アミノ酸のD体の測定値)+(前記被検者の前記アミノ酸のL体の測定値)}]÷[(健常者の前記アミノ酸のD体の基準値)/{(前記健常者の前記アミノ酸のD体の基準値)+(前記健常者の前記アミノ酸のL体の基準値)}]に代入して病態指標値を取得する手段をさらに含み、
ここで、前記病態情報を出力する手段が、当該病態指標値に基づいて前記被験者の腎臓病についての病態情報を出力する、請求項4に記載の疾患サンプル分析装置。 - 前記病態情報を出力する手段が、前記病態指標値が2.0又はこれ以上のとき、前記被検者は腎臓病に罹患しているとの前記被検者の病態情報を出力する手段であることを特徴とする、請求項5に記載の疾患サンプル分析装置。
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