JP2013224671A - タービン翼 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却ガスを背側壁面と腹側壁面との間において繰り返し蛇行させて導く蛇行流路6がハブ側からチップ側に向けて連続して複数配列され、隣り合う上記蛇行流路6が異なる繰り返しパターンにて上記冷却ガスを蛇行させる。
【選択図】図1
Description
このような対策の1つに、タービン翼を中空に形成し、この中空領域に冷却ガスを供給することによってタービン翼の過熱を抑制する方法がある。その冷却方式の一つにインピンジ冷却方式がある。インピンジ冷却方式は高い冷却性能が得られる冷却方式として知られているが、インサートと呼ばれる部品を翼内部に挿入する必要があるため、インピンジ冷却方式を用いる場合は、翼形状が制限される。現在の空力設計では翼素性能を高めるために、複雑な三次元形状となることが一般的であり、インサートを挿入可能なように翼形状を制限されることは、空力設計の観点から見てデメリットとなる。
具体的には、タービン翼の前縁側から後縁側に向けて冷却ガスを導く過程において、冷却ガスを背側壁面と腹側壁面との間において繰り返し蛇行させることによって冷却効率を向上させる構成が、特許文献1に開示されている。
そして、このようなスロット部は、腹側壁面あるいは背側壁面のいずれか一方に片持ちされた状態で、かつ、タービン翼の高さ方向(ハブ側とチップ側とを結ぶ方向)に長く延在して形成されている。
しかしながら、中子は、セラミックス等によって形成され、上記突出部は、タービン翼の背側壁面に相当する面あるいはタービン翼の腹側壁面に相当する面に片持ち状態でタービンの高さ方向に長く延在しているため、特に曲がり部に応力がかかりやすい。
したがって、中子強度の観点から形状の制約を受ける可能性がある。また、製造可能であったとしても中子の歩留まりが悪くなる可能性がある。
つまり、本発明によれば、隣り合う蛇行流路において、背側壁面あるいは腹側壁面から突出される突出部(スロット部)の配置パターンが、異なることとなる。このため、突出部がタービン翼の高さ方向において離散化して配置されることとなり、従来のタービン翼のように、背側壁面あるいは腹側壁面に片持ちされると共に高さ方向に長く延在するスロット部を備える必要がなくなる。
したがって、このようなタービン翼の製造に用いられる中子において、腹側壁面に相当する面に高さ方向に一直線で長く延在する突出部を形成する必要がなくなる。すなわち、従来の中子のうち、特に脆い箇所を形成する必要がなくなる。よって、例えば、従来と同じ程度の脆性を中子に許容する場合には、より中子における突出部間隔を狭める等の微細化が可能となる。
このように、本発明によれば、中子の剛性を高めるような構造を提案し、内部構造の設計自由度を高め、最適な構造を用いることにより、ひいてはタービン翼の冷却効率をより向上させることが可能となる。
図1は、本実施形態のタービン翼10の構成を示す斜視図である。
なお、図1に示すタービン翼10は、金属によって形成されるタービン動翼であるが、本発明のタービン翼はタービン動翼に限られるものではなく、タービン静翼に適用することも可能である。
タービン翼10は、前縁部1から後縁部2に向けて流れる流体中に晒され、紙面手前において凹むように湾曲された腹部3と、紙面奥側において膨らむように湾曲された背部4とを有している。
なお、図1において、タービンの回転軸に対して内径側であるハブ側と回転軸に対して外径側のチップ側とを結ぶ方向をタービン翼の高さ方向とする。
中空領域5は、前縁部1から後縁部2に向かう方向における略中央部から後縁部2の近傍まで形成されたタービン翼10の内部空間である。この中空領域5の前縁部1側には、中空領域5に冷却ガスを供給するための供給流路7が接続されている。また、中空領域5の後縁部2側は、後縁部2に向けて形成された開口端51とされている。
具体的には、本実施形態のタービン翼10においては、隣り合う蛇行流路6の繰り返しパターンが同周期で位相が半周期ずらされている。
なお、視認を容易とするために、図2(後の図5も同様)においては、蛇行流路6aを構成する腹側突出部6cと背側突出部6dとに複数の点を入れて示し、蛇行流路6bを構成する腹側突出部6cと背側突出部6dとには点を入れずに示している。また、蛇行流路6bを構成する背側突出部6dは、塗りつぶして示している。
そして、図2〜図4に示すように、腹側突出部6cと背側突出部6dとの配置間隔が蛇行流路6aと蛇行流路6bとにおいて等しく設定されており(すなわち隣り合う蛇行流路6の繰り返しパターンが同周期とされている)、さらに腹側突出部6cと背側突出部6dとがタービン翼10の高さ方向に交互に設置されている(すなわち隣り合う蛇行流路6の繰り返しパターンの位相が半周期ずらされている)。
このため、図5に示すように、蛇行流路6aにおいて背側壁面5bから腹側壁面5aに向けて冷却ガスY1が流れる場合には、蛇行流路6bにおいて腹側壁面5aから背側壁面5bに向けて冷却ガスY2が流れる。一方、蛇行流路6aにおいて腹側壁面5aから背側壁面5bに向けて冷却ガスY1が流れる場合には、蛇行流路6bにおいて背側壁面5bから腹側壁面5aに向けて冷却ガスが流れる。
つまり、本実施形態のタービン翼10によれば、隣り合う蛇行流路6において、腹側突出部6cと背側突出部6dとの配置パターンが、異なることとなる。このため、腹側突出部6cと背側突出部6dとがタービン翼10の高さ方向において離散化して配置されることとなり、従来のタービン翼のように、背側壁面あるいは腹側壁面に片持ちされると共に高さ方向に長く延在するスロット部を備える必要がなくなる。
したがって、このようなタービン翼の製造に用いられる中子において、腹側壁面に相当する面に高さ方向に一直線で長く延在する突出部を形成する必要がなくなる。すなわち、従来の中子のうち、特に脆い箇所を形成する必要がなくなる。よって、例えば、従来と同じ程度の脆性を中子に許容する場合には、より中子における突出部間隔を狭める等の微細化が可能となる。
このように、本実施形態のタービン翼10によれば、中子の剛性を高めるような構造を提案し、内部構造の設計自由度を高め、最適な構造を用いることにより、ひいてはタービン翼の冷却効率をより向上させることが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
このような構成を採用することによって、図7に示すように、タービン翼10の高さ方向から見て、蛇行流路6aの腹側突出部6cと背側突出部6dと間に、蛇行流路6bの腹側突出部6cと背側突出部6dとが配置されることとなる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。なお、本実施形態の説明においては、上記第1、2実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
このような構成を採用することによって、図9に示すように、タービン翼10の高さ方向から見て、蛇行流路6aの腹側突出部6cと背側突出部6dと間に、蛇行流路6bの腹側突出部6cと背側突出部6dとが重ねて配置されることとなる。
したがって、本実施形態のタービン翼10によれば、隣り合う蛇行流路6a,6b間において冷却ガスが移動することを抑制することができるため、冷却ガスの偏りを抑制することができ、確実にタービン翼10全体を冷却することが可能となる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。なお、本第4実施形態の説明において、上記第1〜第3実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
この図に示すように、本実施形態のタービン翼10は、中空領域5のチップ側の領域Aに上記第1実施形態の蛇行流路6(蛇行流路61)を備え、中空領域5の中央領域Bに上記第2実施形態の蛇行流路6(蛇行流路62)を備え、中空領域5のハブ側の領域Cに上記第3実施形態の蛇行流路6(蛇行流路63)を備えている。
Claims (1)
- 中空領域に供給される冷却ガスによって冷却可能なタービン翼であって、
冷却ガスを背側壁面と腹側壁面との間において繰り返し蛇行させて導く蛇行流路がハブ側からチップ側に向けて連続して複数配列され、隣り合う前記蛇行流路が異なる繰り返しパターンにて前記冷却ガスを蛇行させ、
隣り合う前記蛇行流路の繰り返しパターンが同周期で位相が4分の1周期ずれ、
前記蛇行流路を構成する壁部の一部であり前記背側壁面と前記腹側壁面から突出する突出部の幅が、前記蛇行流路の前記背側壁面から前記腹側壁面に向かう流路の幅及び前記蛇行流路の前記腹側壁面から前記背側壁面に向かう流路の幅よりも広く設定されている
ことを特徴とするタービン翼。
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JP2017532483A (ja) * | 2014-09-04 | 2017-11-02 | シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft | ガスタービン翼の後方冷却キャビティ内に壁近傍冷却通路を形成する挿入体を有する内部冷却システム |
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2013
- 2013-08-05 JP JP2013162347A patent/JP5545401B2/ja active Active
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