JP2013224609A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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寛真 西岡
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寛 大月
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茂樹 中山
Yasushi Sugawara
康 菅原
Seiji Tanaka
精二 田中
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Abstract

【課題】本発明は、内燃機関の排気通路に配置されるパティキュレートフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、パティキュレートフィルタをすり抜けるPM量の増加を抑えつつ、アッシュの堆積を抑制することを課題とする。
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するために、酸化触媒を含む多孔質の隔壁により複数の通路が画定されたウォールフロー型のパティキュレートフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、隔壁は、アッシュの粒子径より大きな平均細孔径を有するとともに、単位時間あたりに細孔内で酸化されるPM量が単位時間あたりに細孔内へ流入するPM量以上になる厚さを有するようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置されるパティキュレートフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関から大気中へ排出される粒子状物質(PM:Particulate Matter)を減少させるために、内燃機関の排気通路にパティキュレートフィルタを配置する技術が知られている。パティキュレートフィルタとしては、上流側端部が栓により閉塞された第1通路と下流側端部が栓により閉塞された第2通路とを交互に配置するとともに、第1通路と第2通路の間に多孔質の隔壁を配置するウォールフロー型のパティキュレートフィルタが知られている。
ウォールフロー型のパティキュレートフィルタとしては、第2通路の栓部に0.2mm乃至1.0mmの貫通孔を設け、該貫通孔を介してアッシュを排出させようとする技術が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
特開2004−130229号公報 特開2004−108202号公報 特開平03−258907号公報
ところで、上記した従来の技術によると、アッシュのみならずPMも貫通孔から排出されてしまう可能性がある。特に、パティキュレートフィルタのPM捕集量が少ないとき、言い換えると、貫通孔の周囲にPMが捕集されていないときは、貫通孔の径がPMの粒子径より大きくなる可能性があるため、PMが前記貫通孔を通り抜ける虞がある。
本発明は、上記したような種々の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ウォールフロー型のパティキュレートフィルタを備える内燃機関の排気浄化装置において、パティキュレートフィルタをすり抜けるPMの増加を抑えつつ、パティキュレートフィルタ内に堆積するアッシュを減少させることができる技術の提供にある。
本発明は、上記した課題を解決するために、酸化触媒を含む多孔質の隔壁により複数の通路が画定されたウォールフロー型のパティキュレートフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、隔壁の平均細孔径をアッシュが通過可能な大きさにするとともに、PMが隔壁を通過する過程(隔壁の細孔を通過する過程)で酸化されるようにした。
詳細には、本発明は、酸化触媒を含む多孔質の隔壁により複数の通路が画定されたウォールフロー型のパティキュレートフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、
前記隔壁は、アッシュの粒子径より大きな平均細孔径を有するとともに、単位時間あたりに細孔内で酸化される粒子状物質(PM)の量が単位時間あたりに細孔内へ流入するPMの量と同等以上になる厚さを有するようにした。
ここでいう「ウォールフロー型のパティキュレートフィルタ」は、上流側端部が閉塞さ
れた第1通路と下流側端部が閉塞された第2通路が交互に配置され、それら第1通路と第2通路が隔壁により仕切られたパティキュレートフィルタである。
ウォールフロー型のパティキュレートフィルタへ流入した排気は、先ず、第2通路へ流入する。続いて、第2通路に流入した排気は、隔壁の細孔を通って第1通路へ流入する。第1通路に流入した排気は、該第1通路の下流側開放端からパティキュレートフィルタの下流へ排出される。
ここで、隔壁の平均細孔径がPMの平均粒子径より小さい場合は、排気中のPMが隔壁の表面や細孔内に捕集され、又は隔壁に含まれる酸化触媒によって酸化される。その結果、大気中に排出されるPMの量を少なく抑えることができる。
ところで、排気中に含まれるカルシウム(Ca)、リン(P)、硫黄(S)、マグネシウム(Mg)、酸素(O)等は、隔壁の表面や細孔内において相互に結合して、硫酸カルシウム(CaSO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)、或いは硫酸マグネシウム(MgSO)等のアッシュを生成する。アッシュは、PM再生処理が実行された場合等の高温下に曝されたときに、パティキュレートフィルタ内において凝集してPMより大きな粒径に成長する場合がある。その結果、アッシュやアッシュの凝集物がパティキュレートフィルタ内に堆積し、隔壁の細孔が閉塞される可能性がある。
これに対し、隔壁の平均細孔径がアッシュやアッシュの凝集物(以下、「アッシュ」と総称する場合もある)の粒径より大きくされると、パティキュレートフィルタ内でアッシュが堆積又は凝集し難くなる。その結果、隔壁の細孔がアッシュによって閉塞される事態を回避することができる。しかしながら、隔壁の平均細孔径がアッシュの粒径より大きくされると、細孔をすり抜けるPMの量が増加する可能性がある。
なお、細孔内においてPMが隔壁に含まれる酸化触媒と接触すると、該PMが排気中の酸素(O)や二酸化窒素(NO)と反応(酸化反応)する。そのため、単位時間あたりに細孔内で酸化されるPMの量が単位時間あたりに細孔内へ流入するPMの量と同等以上になると、細孔をすり抜けるPMの量を可及的に少なくすることができる。
単位時間あたりに細孔内で酸化されるPMの量は、細孔の経路長と相関する(たとえば、細孔の経路長が長くなるほど、単位時間あたりに酸化されるPMの量が多くなる)。細孔の経路長は、隔壁の厚さ(第1通路及び第2通路の軸方向に対して垂直な方向における隔壁の厚さ)に相関する(たとえば、隔壁の厚さが増えるほど、細孔の経路長が長くなる)。
したがって、アッシュやアッシュの凝集物の粒子径より大きな平均細孔径を有する隔壁において、単位時間あたりに細孔内で酸化されるPMの量が単位時間あたりに細孔内へ流入するPMの量以上となるように、該隔壁の厚さが設定されると、パティキュレートフィルタをすり抜けるPM量の増加を抑えつつ、パティキュレートフィルタ内におけるアッシュやアッシュの凝集物の堆積を抑制することができる。
なお、隔壁の厚さが不用意に厚くされると、パティキュレートフィルタ(隔壁に含まれる酸化触媒)の暖機性(昇温性)が低下したり、パティキュレートフィルタの圧力損失が増加したりする。よって、隔壁の厚さは、内燃機関が冷間始動されたときのパティキュレートフィルタの暖機性が損なわれず、且つパティキュレートフィルタの圧力損失が許容範囲内に収まる厚さに制限することが望ましい。
本発明の内燃機関の排気浄化装置において、隔壁は、25μm以上且つ80μm以下の
平均細孔径を有するものであってもよい。本願発明者の知見によれば、隔壁の平均細孔径が凡そ25μm以上になると、アッシュに加え、アッシュの凝集物も隔壁の細孔をすり抜け可能になる。言い換えると、隔壁の平均細孔径がアッシュの粒径の凡そ250倍以上になると、アッシュ及びアッシュの凝集物が隔壁の細孔をすり抜け可能になる。ただし、平均細孔径が80μmより大きくなると、隔壁を構成する基材の強度が低下する可能性がある。したがって、平均細孔径が25μm以上且つ80μm以下となるように隔壁が形成されると、基材の強度低下を抑制しつつ、アッシュ及びアッシュの凝集物の堆積を抑制することができる。
本発明の内燃機関の排気浄化装置は、パティキュレートフィルタへ流入する排気の流量を増加させるための排気増量処理を実行する制御手段をさらに備えるようにしてもよい。隔壁の平均細孔径がアッシュより大きい場合であっても、内燃機関から排出される排気の流量(パティキュレートフィルタへ流入する排気の流量)が少なくなると、個々の細孔を流通する排気の量が減少するため、アッシュが細孔をすり抜け難くなる可能性がある。よって、内燃機関の低回転運転領域や中回転運転領域が多用された場合は、アッシュやアッシュの凝集物が第2通路内や細孔内に留まってしまう可能性がある。
これに対し、排気増量処理が実行されると、隔壁の個々の細孔へ流入する排気の流量が増加する。その結果、細孔内に留まっているアッシュが排気の圧力を受けて第1通路へ移動し、第1通路の下流側開放端からパティキュレートフィルタの下流へ排出されるようになる。
ところで、上記したような排気増量処理が行われると、PMも細孔をすり抜けやすくなる。よって、隔壁の厚さは、排気増量処理が実行されているときの単位時間あたりに細孔内へ流入するPM量を基準として定められればよい。すなわち、単位時間あたりに酸化されるPM量が排気増量処理実行時の単位時間あたりに細孔内へ流入するPM量以上になるように、隔壁の厚さを定めればよい。このように隔壁の厚さが設定されると、パティキュレートフィルタをすり抜けるPMの増加をより確実に抑制しつつ、パティキュレートフィルタ内におけるアッシュの堆積をより確実に抑制することが可能となる。
なお、上記した排気増量処理は、PMが細孔内で酸化され得るときに実施されることが望ましい。PMが細孔内で酸化され得る場合は、たとえば、パティキュレートフィルタ内の雰囲気温度がPMの酸化可能な温度域(たとえば、400℃以上)にある場合や、パティキュレートフィルタへ流入する排気中に比較的多量の二酸化窒素(NO)が含まれている場合等である。パティキュレートフィルタ内の雰囲気温度がPM酸化可能な温度域があるか否かを判別する方法としては、パティキュレートフィルタから流出する排気の温度がPM酸化可能な温度域にあるか否かを判別する方法を用いることができる。また、パティキュレートフィルタへ流入する排気中に比較的多量の二酸化窒素(NO)が含まれているか否かを判別する方法としては、パティキュレートフィルタより上流に配置された酸化触媒において一酸化窒素(NO)が二酸化窒素(NO)に酸化されているか否か(内燃機関から比較的多量の一酸化窒素(NO)が排出されており、且つ酸化触媒が活性しているか否か)を判別する方法を用いることができる。
また、上記した排気増量処理の具体的な実行方法としては、上記した条件の成立時に、吸入空気量を一時的に増加(スロットル弁の開度を一時的に増加)させる方法、若しくは上記した条件の成立時にパティキュレートフィルタより上流の排気通路内に二次空気を導入させる方法等を用いることができる。
本発明によれば、ウォールフロー型のパティキュレートフィルタを備える内燃機関の排
気浄化装置において、パティキュレートフィルタをすり抜けるPMの増加を抑えつつ、パティキュレートフィルタ内に堆積するアッシュを減少させることができる。
本発明を適用する内燃機関の吸排気系の概略構成を示す図である。 パティキュレートフィルタの概略構成を示す縦断面図である。 パティキュレートフィルタの概略構成を示す横断面図である。 平均細孔径がアッシュの粒子径より小さい隔壁におけるPM及びアッシュの動きを示す図である。 平均細孔径がアッシュの粒子径より大きく且つ単位時間あたりに細孔内で酸化されるPM量が単位時間あたりに細孔へ流入するPM量より多くなる厚さを有する隔壁におけるPM及びアッシュの動きを示す図である。 排気増量処理の実行時にECUが実行する処理ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明を適用する内燃機関の吸排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)又は希薄燃焼運転可能な火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。
内燃機関1には、該内燃機関1の気筒へ新気(空気)を導くための吸気通路2と、該内燃機関1の気筒内から排出される既燃ガス(排気)を流通させるための排気通路3とが接続されている。
吸気通路2の途中には、該吸気通路2の通路断面積を変更することにより、気筒へ供給される空気量を変更するスロットル弁4が配置されている。スロットル弁4は、たとえば、電動機により駆動されるバタフライ式の弁装置であり、その開度が後述するECU8によって電気的に制御される。
排気通路3の途中には、触媒コンバータ5とパティキュレートフィルタ6とが上流側から直列に配置されている。触媒コンバータ5は、略円筒状のケーシング内に排気浄化用の触媒が担持されたハニカム構造体を内装している。排気浄化用触媒としては、内燃機関1の燃焼形態に応じて、酸化触媒、三元触媒、吸蔵還元型触媒、選択還元型触媒等を適宜に選択することができるが、少なくとも酸化能を有する触媒を含むものが好ましい。一方、パティキュレートフィルタ6は、排気中に含まれる粒子状物質(PM)を捕集するものであり、該パティキュレートフィルタ6の校正については後述する。
また、内燃機関1には、該内燃機関1の運転状態等を電気的に制御するためのECU8が併設されている。ECU8は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される電子制御ユニットである。ECU8には、排気温度センサ7、アクセルポジションセンサ9、クランクポジションセンサ10等の各種センサが電気的に接続されている。また、ECU8には、内燃機関1に取り付けられた各種の機器(たとえば、燃料噴射弁や点火プラグ等)やスロットル弁4等の各種機器が電気的に接続されている。ECU8は、上記した各種センサから入力される信号に基づいて前記各種機器を制御する。たとえば、ECU8は、アクセルポジションセンサ9やクランクポジションセンサ10から入力される信号に基づいて、スロットル弁4の開度、燃料噴射弁の開弁時間、或いは燃料噴射弁の
開弁時期(燃料噴射時期)等を演算し、それらの演算結果に基づいてスロットル弁4や燃料噴射弁を制御する。
次に、本実施例におけるパティキュレートフィルタ6の構成について図2、3に基づいて説明する。パティキュレートフィルタ6は、略筒状のケース60内に円柱状の基材61を内装している。前記基材61には、軸方向(排気の流れ方向)に延在する複数の通路610、630が形成されるとともに、それら複数の通路610、630がハニカム状に配置されている。言い換えると、前記基材61は、ハニカム状に配置される複数の通路610、630を画定するように形成されている。なお、図2、3に示す通路610、630の本数は一例に過ぎず、それら通路610、630の本数は車両や内燃機関の諸元に応じて適宜決定されればよい。
複数の通路610、630のうち、一部の通路610は、排気の流れ方向における上流側端部が栓体620により閉塞されている。複数の通路610、630のうち、残りの通路630は、排気の流れ方向における下流側端部が栓体640により閉塞されている。なお、通路610と通路630は、交互に配置されている。以下では、通路610を第1通路610と称し、通路630を第2通路630と称する。
前記基材61において、第1通路610と第2通路630の間に位置する部位(隔壁)600は、多孔質体により形成されている。なお、前記基材61のうちの隔壁600のみが多孔質体により形成されてもよく、栓体620、640を含む基材61の全体が多孔質体により形成されていてもよい。ここでいう多孔質体の材料としては、排気中のPMを捕集するのに適した公知の材料を採用することができる。ただし、強度や耐熱性の観点から、好ましくは、炭化珪素、窒化珪素、コージェライト、ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカ、ムライト、リチウムアルミニウムシリケート、又はリン酸ジルコニウム等のセラミックスを用いることができる。
前記隔壁600の表面及び細孔の内壁面を含む基材61の表面には、酸化能を有する触媒(たとえば、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、或いは白金(Pt)等の白金族の金属粒子)が担持されている。具体的には、白金族の金属粒子を含むコート層が前記基材61の表面に形成されている。
このようなパティキュレートフィルタ6において、隔壁600や栓体620、640の平均細孔径がPMの平均粒子径より小さくされると、図4に示すように、PM100に加え、アッシュ200やアッシュの凝集物300も細孔650に捕集される。アッシュ200やアッシュの凝集物300が堆積すると、細孔650が目詰まりして、パティキュレートフィルタ6の圧力損失が過大になる可能性がある。
これに対し、隔壁600や栓体620、640の平均細孔径がアッシュやアッシュの凝集物が通過可能な大きさにされると、アッシュやアッシュの凝集物の堆積を抑制することができるが、細孔をすり抜けるPMの量が増加する可能性がある。ただし、PMが細孔内において酸化触媒と接触すると、排気中の二酸化窒素(NO)や酸素(O)と反応して酸化除去される。そのため、単位時間あたりに細孔内で酸化されるPMの量が単位時間あたりに細孔内へ流入するPMの量以上になると、アッシュやアッシュの凝集物のすり抜けを許容しつつ、細孔をすり抜けるPM量の増加を抑制することができる。
ここで、単位時間あたりに細孔内で酸化されるPMの量は、細孔の経路長が長くなるほど多くなる。細孔の経路長は、隔壁600や栓体620、640の厚さが増えるほど長くなる。したがって、単位時間あたりに細孔内で酸化されるPM量が単位時間あたりに細孔
内へ流入するPM量以上となるように、隔壁600や栓体620、640の厚さが設定されると、アッシュやアッシュの凝集物の堆積を抑制しつつ、細孔をすり抜けるPM量の増加も抑制することができる。
そこで、本実施例では、先ず、隔壁600や栓体620、640の平均細孔径が25μm以上且つ80μm以下になるように、基材61を形成するようにした。ここで、25μmの細孔径は、アッシュ及びアッシュの凝集物の大部分がすり抜けることが可能な細孔径の最小値である。一方、80μmの細孔径は、基材61の強度及び耐久性が損なわれると考えられる細孔径の最小値である。
次に、内燃機関1の全運転領域のうち、単位時間あたりに細孔内へ流入するPM量が最大値となる運転領域を基準として、単位時間あたりに細孔内で酸化されるPM量が前記最大値以上となるように、隔壁600及び栓体620、640の厚さを設定する。
その際、隔壁600及び栓体620、640の厚さThは、たとえば、以下の式により求めることができる。
Th=(Apmin/Vpmox)*Vpminmax*C
上記の式中のApminは、単位時間あたりに第2通路630へ流入するPMの量である。Vpmoxは、細孔内におけるPMの酸化速度である。Vpminmaxは、パティキュレートフィルタ6へ流入するPMの速度の最大値である。Cは、パティキュレートフィルタ6へ流入するPMの速度(排気の流入速度)と細孔内へ流入するPMの速度との相関から定まる係数である。
このように隔壁600及び栓体620、640の平均細孔径並びに厚さが設定されると、単位時間あたりに細孔内へ流入するPMの量が最大値となる場合であっても、細孔内へ流入したPMの略全てを酸化させることが可能になる。その結果、図5に示すように、アッシュ200やアッシュの凝集物300が細孔650をすり抜けるとともに、PM100が細孔650内で酸化されるようになる。よって、パティキュレートフィルタ6をすり抜けるPM量の増加を抑制しつつ、パティキュレートフィルタ6内におけるアッシュやアッシュの凝集物の堆積を抑制することが可能になる。
なお、隔壁600や栓体620、640の厚さが不用意に厚くされると、基材61に担持された酸化触媒の暖機性(昇温性)が低下したり、パティキュレートフィルタ6の圧力損失が増加したりする。よって、隔壁600の厚さは、内燃機関1が冷間始動されたときの酸化触媒の暖機性が損なわれず、且つパティキュレートフィルタ6の圧力損失が許容範囲内に収まる厚さ(たとえば、50μm程度)に制限することが望ましい。
また、内燃機関1が成り行きで運転されている場合は、アッシュやアッシュの凝集物が細孔をすり抜けにくくなる可能性がある。特に、内燃機関1の低回転運転領域や中回転運転領域が多用された場合は、パティキュレートフィルタ6へ流入する排気の流量が少なくなる。パティキュレートフィルタ6へ流入する排気の流量が少なくなると、個々の細孔を流れる排気の流量が少なくなるため、アッシュやアッシュの凝集物が細孔内に滞留する可能性がある。
そこで、本実施例のECU8は、内燃機関1の低中回転運転状態が一定時間以上継続されたときに、パティキュレートフィルタ6へ流入する排気の流量を増加させるための排気増量処理を実行するようにした。ここでいう「一定時間」は、細孔内に留まるアッシュやアッシュの凝集物の量が許容量を超えると考えられる時間であり、予め実験等を利用した適合処理によって定められた値である。
排気増量処理では、ECU8は、たとえば、スロットル弁4の開度(スロットル開度)を一時的に増加させることにより、内燃機関1から排出される排気の量を増加させるようにした。ところで、酸化触媒がPMを酸化させることができないときに排気増量処理が実行されると、パティキュレートフィルタ6内に捕集されているPMが酸化されずに細孔をすり抜ける可能性がある。そのため、ECU8は、酸化触媒がPMを酸化可能なときに、排気増量処理を実行するようにした。
酸化触媒がPMを酸化させ得る状態としては、パティキュレートフィルタ6内の雰囲気温度が凡そ400℃以上であり、且つ排気中に比較的多量の酸素(O)、好ましくは二酸化窒素(NO)が含まれている状態である。二酸化窒素(NO)は、排気中の一酸化窒素(NO)が触媒コンバータ5で酸化されたときに生成される。よって、内燃機関1から比較的多量の一酸化窒素(NO)が排出され、且つ触媒コンバータ5が活性しているときに、比較的多量の二酸化窒素(NO)が生成される。内燃機関1から排出される一酸化窒素(NO)の量は、たとえば、内燃機関1がリーン空燃比で運転されたときや、混合気が高温且つ高圧化で燃焼されたときに多くなる傾向がある。よって、内燃機関1がリーン空燃比で運転されているとき、或いは内燃機関1が高負荷運転されているときに、触媒コンバータ5が活性していれば、比較的多量の二酸化窒素(NO2)が排気(パティキュレートフィルタ6へ流入する排気)に含まれているとみなすことができる。
そこで、ECU8は、内燃機関1の低中回転運転状態が一定時間以上継続されたとき又はそれ以後に、パティキュレートフィルタ6内の雰囲気温度が所定温度(凡そ400℃)以上であり、且つ内燃機関1がリーン空燃比で運転又は高負荷運転されていることを条件として、排気増量処理を実行するようにした。その際、隔壁600及び栓体620、640の厚さは、排気増量処理実行時において単位時間あたりに細孔内へ流入するPMの量を基準として決定されるものとする。具体的には、前記式中のApmin及びVpminmaxの値として、排気増量処理実行時の値を用いるものとする。
以下、本実施例における排気増量処理の実行手順について図6に沿って説明する。図6は、ECU8が排気増量処理を行う際に実行する処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理ルーチンは、予めECU8のROM等に記憶されているルーチンであり、ECU8によって周期的に実行される。
図6の処理ルーチンでは、ECU8は、先ずS101において、低中回転運転状態が一定時間以上継続しているか否かを判別する。S101において否定判定された場合は、ECU8は、本ルーチンの実行を一旦終了する。一方、S101において肯定判定された場合は、ECU8は、S102へ進む。
S102では、ECU8は、PM酸化条件が成立しているか否かを判別する。すなわち、ECU8は、パティキュレートフィルタ6内の雰囲気温度が所定温度以上であり、且つ、内燃機関1がリーン空燃比又は高負荷で運転されているか否かを判別する。その際、ECU8は、パティキュレートフィルタ6内の雰囲気温度として、排気温度センサ7の出力信号を用いるものとする。
前記S102において否定判定された場合は、ECU8は、該S102の処理を繰り返し実行する。一方、前記S102において肯定判定された場合は、ECU8は、S103へ進む。
S103では、ECU8は、スロットル開度を一時的に増加させる。その際のスロットル開度(増加後のスロットル開度)は、パティキュレートフィルタ6へ流入する排気の流
量が隔壁600の細孔内に滞留しているアッシュやアッシュの凝集物を細孔内から排出させるのに十分な流量となる開度であり、予め実験等を利用した適合処理によって求められた開度である。ただし、パティキュレートフィルタ6へ流入する排気の流量は、スロットル開度に加え、内燃機関1の機関回転数によっても変化し得るので、排気増量処理実行時のスロットル開度は機関回転数に応じて変更されてもよい。
なお、スロットル開度を増加させる時間は、前記一定時間内にパティキュレートフィルタ6内に滞留すると考えられるアッシュやアッシュの凝集物がパティキュレートフィルタ6内から排出されるまでに要する時間であり、予め実験的に求められた値である。
このようにECU8が図6の処理ルーチンを実行すると、パティキュレートフィルタ6内(隔壁600の細孔内等)に滞留しているアッシュやアッシュの凝集物を該パティキュレートフィルタ6から排出させることができる。さらに、隔壁600や栓体620、640の厚さは、単位時間あたりに細孔内で酸化されるPM量が単位時間あたりに細孔内へ流入するPM量以上となる厚さであるため、隔壁600の細孔をすり抜けるPM量の増加を抑制することができる。
したがって、本実施例における内燃機関の排気浄化装置によれば、パティキュレートフィルタ6をすり抜けるPM量の増加を抑えつつ、該パティキュレートフィルタ6内におけるアッシュやアッシュの凝集物の堆積を抑制することが可能になる。
なお、本実施例では、排気増量処理の実行方法として、スロットル弁4の開度を一時的に増加させる方法を例示したが、パティキュレートフィルタ6より上流の排気通路3内に二次空気を供給する方法を用いてもよい。スロットル弁4の開度を一時的に増加させる方法によると、混合気の空燃比や内燃機関1の発生トルクが変動する可能性あるが、パティキュレートフィルタ6より上流の排気通路3内に二次空気を供給する方法によれば、内燃機関1の運転状態に影響を与えることなく、パティキュレートフィルタ6へ流入する排気の量を増加させることができる。
1 内燃機関
2 吸気通路
3 排気通路
4 スロットル弁
5 触媒コンバータ
6 パティキュレートフィルタ
7 排気温度センサ
8 ECU
9 アクセルポジションセンサ
10 クランクポジションセンサ
60 ケース
61 基材
200 アッシュ
300 アッシュの凝集物
600 隔壁
610 第1通路
620 栓体
630 第2通路
640 栓体
650 細孔

Claims (3)

  1. 酸化触媒を含む多孔質の隔壁により複数の通路が画定されたウォールフロー型のパティキュレートフィルタを備えた内燃機関の排気浄化装置において、
    前記隔壁は、アッシュの粒子径より大きな平均細孔径を有するとともに、単位時間あたりに細孔内で酸化される粒子状物質の量が単位時間あたりに細孔内へ流入する粒子状物質の量と同等以上になる厚さを有することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 請求項1において、前記隔壁の平均細孔径は、25μm以上且つ80μm以下であることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  3. 請求項1又は2において、前記パティキュレートフィルタへ流入する排気の流量を増加させるための排気増量処理を実行する制御手段をさらに備え、
    前記隔壁の厚さは、前記排気増量処理が実行されているときに単位時間あたりに細孔内へ流入する粒子状物質の量に対して、単位時間あたりに酸化される粒子状物質の量が同等以上となる厚さである内燃機関の排気浄化装置。
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