JP2013224032A - 感熱転写記録用色素 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性および色相に優れるとともに、製造コストも大幅に低減できる、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環に窒素原子を介してピリジン環を結合させたアゾメチン系感熱転写記録用色素の提供。
【解決手段】下記式(I)で表されるアゾメチン化合物からなる感熱転写記録用色素とする。
Figure 2013224032

(式中、Rは、フェニル基またはナフチル基であるが、該フェニル基またはナフチル基は、アルキル基もしくはハロゲンにより置換されていてもよく、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数C2〜4のアルキル基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアゾメチン化合物からなる感熱転写記録用色素に関し、さらに詳細には、耐光性に優れかつ安価に製造できるとともに、マゼンタ色素として使用した場合に色調に優れる、新規な感熱転写記録用色素に関する。
感熱昇華転写方式は、昇華性染料 をバインダー樹脂に溶解又は分散させた染料層を基材に担持した熱転写フィルムを使用し、この熱転写フィルムを受像フィルムに重ねてサーマルヘッド等の加熱デバイスに画像情報に応じたエネルギーを印加することにより、熱転写フィルム上の染料層中に含まれる昇華性染料を受像フィルムに移行させて画像を形成する方法である。
この感熱昇華転写方式は、熱転写フィルムに印加するエネルギー量によってドット単位で染料の移行量を制御できるため、階調性画像の形成に優れるとともに、文字や記号等の形成が簡便である等の利点を有している。
このような熱転写方式において得られる画像は銀塩写真と同様に高画質なものが形成可能となっており、それにつれて、画像の光・熱・湿度などの因子による画質劣化防止への要求が極めて高くなってきており、画像保存性を改良するための種々の昇華性染料の開発が行われている。
例えば、転写性や保存性に優れる感熱転写用の色素として、特許第3013137号(特許文献1)や特許第3078308号(特許文献2)には、1H−ピラゾロ〔5,1−C〕〔1,2,4〕トリアゾール環をカプラーとし、ピリジン環基が窒素原子を介してカプラーと結合した構造のアゾメチン化合物が開示されている。また、特許第2840901号(特許文献3)には、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環をカプラーとし、フェニルアミノ基が窒素原子を介してカプラーに結合した構造のアゾメチン化合物が開示されている。さらに、特開平5−239367号公報(特許文献4)には、両者を組み合わせた構造である、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環カプラーに、ピリジン環基が窒素原子を介してカプラーと結合した構造のアゾメチン化合物が開示されている。
上記の特許第3013137号や特許第3078308号に開示されているアゾメチン色素は、耐光性に優れるものの、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環をカプラーとするため、コスト上の問題がある。また、原料カプラーとして1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環化合物を用いる特許第2840901号に記載のアゾメチン色素は、比較的安価に製造できるメリットはあるものの、耐光性が不十分な場合がある。
一方、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環カプラーとピリジン環基とを組み合わせた特開平5−239367号公報に記載の色素は、安価に製造でき、かつ耐光性にも優れるという利点がある。特に、特開平5−239367号公報中で提案されている、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環の置換基Rとしてフェニル基を導入したもの(9,10,11,22,112の化合物)は、その色素の色調が要求される色再現域に近くなるという点において優れるものである。なお、要求されている色相とは、L表色系のab−面において、b<−0.34a、かつb>−0.63aの領域内で、OD値が1.0であることを意味する。
特許第3013137号 特許第3078308号 特許第2840901号 特開平5−239367号公報
しかしながら、特開平5−239367号公報に記載の化合物、とりわけトリアゾール環の置換基Rとしてフェニル基を導入した化合物は、製造コストや耐光性の点で優れるものの、カップリング反応の反応率が低く、特開平5−239367号公報にも記載のように、概ね20%程度の収率である。
本発明者らは今般、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環に窒素原子を介してピリジン環を結合させたアゾメチン化合物において、カップリング反応を良好に行うことができるとともに、得られるアゾメチン化合物の製造コストも大幅に低減できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、アゾメチン化合物のカップリング反応を良好に行うことができるとともに、得られる感熱転写記録用色素の製造コストも大幅に低減できる、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環に窒素原子を介してピリジン環を結合させたアゾメチン化合物からなる感熱転写記録用色素を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記の感熱転写記録用色素の製造方法を提供することである。
そして、本発明による感熱転写記録用色素は、下記式(I)で表されるアゾメチン化合物からなる。
Figure 2013224032
(式中、
は、フェニル基またはナフチル基であるが、該フェニル基またはナフチル基は、アルキル基もしくはハロゲンにより置換されていてもよく、
およびRは、それぞれ独立して、炭素数C2〜4のアルキル基を示す。)。
また、本発明の別の態様による感熱転写記録用色素の製造方法は、下記式IIで表される化合物と下記式IIIで表される化合物とを、塩基の存在下、酸化剤で反応させて上記式Iのアゾメチン化合物を得ることを含んでなる。
Figure 2013224032
Figure 2013224032
本発明によれば、式Iで表される1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環に窒素原子を介してピリジン環を結合させたアゾメチン化合物において、上記式IIと式IIIとのカップリング反応を良好に行うことができるとともに、得られる感熱転写記録用色素の製造コストも大幅に低減できる。したがって、感度および耐光性に優れるとともに安価なアゾメチン系マゼンタ色素を実現できる。
また、上記の感熱転写記録用色素は、従来のアゾメチン系マゼンタ色素に比較して、人肌色の再現性に優れる。とりわけ、人物の顔等の細かい色相の再現性に優れる。
本発明による感熱転写記録用色素は、下記式Iで表されるアゾメチン化合物からなる。
Figure 2013224032
式中、Rは、フェニル基またはナフチル基であるが、該フェニル基またはナフチル基は、アルキル基もしくはハロゲンにより置換されていてもよく、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数C2〜4のアルキル基を示す。
式Iで表される化合物のように、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環カプラーとピリジン環基とが窒素原子を介して結合したアゾメチン化合物は、耐光性に優れるとともに、安価に製造できるという利点を有している。しかしながら、特開平5−239367号に記載のアゾメチン化合物のように、置換基を有さないピリジン環基がカプラーに結合した化合物は、その製造工程において、カプラーとピリジン環との反応収率が1〜20%と低いものである。本発明においては、このピリジン環に着目し、ピリジン環のオルト位にメチル基を導入することにより、カップリングの反応率が著しく向上し、反応収率は40%以上となる。
また、上記のアゾメチン化合物からなる色素は、人肌の色の再現性に優れるという効果も併せ持つ。従来のアゾメチン系マゼンタ色素、例えば、特許3013137号公報に記載のマゼンタ色素は、広範囲での色再現性に優れるものの、1H−ピラゾロ〔1,5−C〕〔1,2,4〕トリアゾール環をカプラーとするため、色素の製造コストが高くなるという問題がある。これに対し、本発明による感熱転写記録用色素に用いられるアゾメチン系色素は、1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール環カプラーとピリジン環基とが窒素原子を介して結合した構造を有するため、色再現性と低コストを両立できる。
本発明による感熱転写記録用色素、上記式Iにおいて、Rが下記の置換基(i)〜(v):
Figure 2013224032
からなる群から選択されるものであることが好ましい。このような置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基等のアリール基を導入することにより、所望の色相に近似させることができるとともに、吸収スペクトルがシャープ化する。また、耐光性や溶解性も向上する。
これらのなかでも、吸収スペクトルのシャープ化、耐光性向上の観点から、Rは、置換基(ii)および(iv)がより好ましい。
上記のアゾメチン化合物は、下記の合成スキームに示されるように、下記式IIで表される1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾールカプラーと、式IIIで表されるピリジルジアミノ誘導体とを、塩基の存在下、酸化剤で反応させることにより得ることができる。
Figure 2013224032
カプラーである式IIで表される1H−ピラゾロ〔1,5−b〕〔1,2,4〕トリアゾール誘導体は、特開平5−239367号公報に記載の方法と類似の方法を用いて合成することができる。例えば、上記式IIおよび式IIIの化合物は、以下のようにして得ることができる。
先ず、下記合成スキームのように、出発物質として安息香酸エステル化合物に、カリウム−t−ブトキシドの存在下でアセトニトリルを反応させて化合物aを得た後、化合物aにヒドラジンを反応させて化合物bを調製する。次いで、化合物bに、イミデート塩酸塩を作用させてアミジン化合物とした後、これにヒドロキシルアミンを作用させて化合物cを得る。
Figure 2013224032
次いで、下記のように、化合物cにp−トリルスルホン酸クロライドを反応させ。ピリジンの存在下で加熱還流することにより、式IIの化合物を得ることができる。
Figure 2013224032
また、式IIIの化合物であるピリジルジアミン誘導体は、例えば、特許第3078308号公報に記載された方法に従って得ることができる。
そして、上記のようにして得られた式IIの化合物と式IIIの化合物とを、塩基の存在下、酸化剤で反応させることにより、本発明のアゾメチン化合物を得ることができる。
本発明による感熱熱転写材料は、昇華型熱転写用のマゼンタ色素として使用でき、他の公知のイエロー色素、シアン色素、その他の色素等と組み合わせて、好適に使用できる。例えば、基材の一方の面に、上記の色素とバインダー樹脂とを含んでなる染料層と所望に応じて他の染料層とを設けた熱転写シートとすることができる。
基材は、従来の熱転写シートに使用されている物と同様の基材を用いることができ、特に限定されるものではない。好ましい基材の具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸もしくは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものなどが挙げられる。
基材の厚さは、強度、熱伝導性、耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。基材は、この表面に形成する熱転写性色材層との密着が乏しい場合には、その表面にプライマー処理(プライマー層の形成)や、コロナ処理を施すことが好ましい。
本発明において、基材の一方の面に設ける熱転写性色材層に含有させる感熱転写記録用色素として上記した色素を用いが、他の公知の色素を含有していてもよい。他の色素としては、従来公知の昇華性または熱拡散性の色素であれば任意のものを適宜使用できる。
昇華性または熱拡散性の色素として、具体的には、例えばアゾ系、アントラキノン系、ニトロ系、スチリル系、ナフトキノン系、キノフタロン系、アゾメチン系、クマリン系、縮合多環系化合物等の、各種非イオン性の色素が挙げられる。
熱転写性色材層に用いられるバインダー樹脂は、セルロース系、ポリアクリル酸系、ポリビニルアルコール系、ポリビニルピロリドン系等の水溶性ポリマー、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、エチルセルロース、ニトロセルロース等の有機溶媒に可溶のポリマーが挙げられる。これらの樹脂の中でも、保存性の優れたポリビニルブチラール、ポリビニルアセタールあるいはセルロース系樹脂が好ましい。有機溶剤に可溶のポリマーを用いる場合、1種又は2種以上を有機溶媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分散の形で使用してもよい。バインダー樹脂の使用量としては、基材1mあたり0.1g〜50gが好ましい。
受像層との離型性を向上させるために、離型剤を添加したり、あるいは離型層を設けてもよい。離型剤としては、反応硬化型シリコーン、燐酸エステル系界面活性剤、フッ素化合物等を用いることが出来る。離型剤の使用量は、含有させる層の固形分に対し、0.5〜40質量%が好ましい。又、離型層を設ける場合、バインダーは上記色素供与層に用いられるものと同様のものが使用可能である。
熱転写性色材層は、例えば色素とバインダー樹脂とを溶剤に溶解混合又は分散処理させて熱転写性色材層形成用インクを調整し、これをベースフィルムに塗布・乾燥して得られる。
このインクに使用される溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;イソプロパノール、ブタノール、メチルセロソルブなどのアルコール系溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、N‐メチルピロリドン等のアミド系溶剤;が挙げられる。またインクには、必要に応じて、従来公知の各種添加剤を含有させてもよい。
基材上に形成する熱転写性色材層の厚みは、乾燥後膜厚が通常0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、10μm以下、好ましくは5μm以下である。また、熱転写性色材層中の色素含有量は、熱転写性色材層の全固形分(熱転写性色材層用インクから溶剤を除いた成分)中において5重量%以上、好ましくは20重量%以上、70重量%以下、好ましくは60重量%以下である。
また基材の他方の面(熱転写性色材層を設けた面の反対面)には、耐熱滑性相を設けてもよい。耐熱滑性層の厚さは通常、0.1μm以上、好ましくは0.3μm以上、10μm以下、好ましくは5μm以下である。
耐熱滑性層は、通常、バインダー樹脂、微粒子および滑剤等の添加剤を含むものである。バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂等からなるバインダー樹脂が用いられる。
熱硬化性樹脂としては、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などの活性水素を有する樹脂とイソシアネートなどの架橋体などが挙げられる。光硬化性樹脂としては、ポリエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリオールアクリレート樹脂などが挙げられる。熱可塑性樹脂としてはガラス転移温度が50℃以上の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的にはアクリル樹脂、塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル‐スチレン共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアセタール樹脂などが挙げられる。
微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどの無機粒子や、シリコーン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の有機微粒子などが挙げられる。
滑剤としては、各種変性シリコーンオイルや燐酸エステル系、脂肪酸金属塩系界面活性剤等が用いられる。また耐熱滑性層には、必要に応じて有機または無機の非昇華性粒子、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、酸化防止剤、粘度調節剤などの添加剤を添加することができる。
更には、熱転写記録にレーザー光線等のエネルギー線を用いる場合には、熱転写性色材層中に光熱変換材を含有させるか、または熱転写性色材層とベースフィルム間に光熱変換材含有層を設ければよい。光熱変換材としては赤外線吸収剤やカーボンブラック等が挙げられる。
これら基材上に設ける熱転写性色材層や耐熱滑性層等の各層の形成方法は任意であり、またその形成は逐次または同時に行ってもよい。一般的には、熱転写性色材層や耐熱滑性層の組成物を塗布・乾燥して形成する。この塗布方法としては例えば、グラビアコーター、リバースコーター、エアドクターコーター等、従来公知の任意の方法を用いることが出来る。
上記した熱転写シートは、従来公知の熱転写記録方法に供して、熱転写記録を行うことができる。熱転写性色材層中の色素を被記録材上へ移行させるための熱源としては、ライン型サーマルヘッドやレーザー光線が使用できる。
被記録材は通常、基材の少なくとも一方の面に受像層が設けられている。基材は通常、合成紙、セルロース紙、キャストコート紙、フィルム、セルロース紙の両側に合成紙を貼り合わせたものが用いられている。色材層との密着性が高い方が記録時の色素の転写が均一に行われることから、その表面は平滑であることが好ましく、できればベック平滑度で10000秒以上の基材を用いることが好ましい。この点から合成紙やフィルムを使用した基材が好ましい。
受像層は樹脂を主体とした層で、色素を受容して画像を形成する役目を持つ。樹脂としては色素の染まりやすい樹脂が好ましく。例えば、酢ビ樹脂、塩酢ビ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル‐スチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。これらは併用して用いることが可能である。ガラス転移点の低すぎる樹脂を使用すると画像が保存時に滲む場合があるので、ガラス転移点が35℃以上の樹脂を用いることが好ましい。
受像層には樹脂の他に、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、樹脂を硬化させるためのイソシアネート等の硬化剤、熱転写時の色材層との融着防止の為に添加されるシリコーンなどの剥離剤、耐光性を上げるための紫外線吸収剤、耐候性向上の為の酸化防止剤等を挙げることができる。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明が実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)アゾメチン色素の合成
2-クロロ安息香酸エチル442 mlにテトラヒドロフラン1500 mlを加え0℃で、アセトニトリル142mlを加え、カリウム-t-ブトキシド304 gを30分かけて投入した。約1時間攪拌後、水900 mlを加えヘキサンにて分液し、水層を濃塩酸にてpH2程度まで中和した。中和後トルエンにて分液し、油層を減圧溜去することでアセトニトリル誘導体である化合物Aを407g得た(収率84%)。化合物AはHPLCとESIMSより同定した。合成スキームを以下に示す。
Figure 2013224032
次に、化合物A405gに3-プロパノールを400 ml加え40 ℃で攪拌した。これにヒドラジン一水和物136gを滴下し、還流温度で3時間反応させた。その後、反応系を300 ml程度減圧溜去し、飽和食塩水100mlとトルエン500mlとを加え分液した。水層を除去したのち油層を硫酸マグネシウムにて乾燥させた。このトルエン溶液を減圧溜去し、残留物にメタノール450 mlを加えた。そのメタノール溶液を飽和NaHCO3水溶液8000 mlに滴下することで結晶を析出させた。この結晶を濾収、乾燥させることでアミノピラゾール誘導体である化合物Bを368g得た(収率84%)。化合物BはHPLCとESIMSより同定した。合成スキームを以下に示す。
Figure 2013224032
さらに、化合物B367gをメタノール1800 ml中で攪拌し、アセトニトリルとメタノールから得られるイミデート塩酸塩208.2gを加えた。室温で3時間攪拌したのち塩酸ヒドロキシルアミン132.1gと苛性ソーダ36gとを加え、40℃で過熱攪拌をおこなった。3時間反応後、反応系中を9000ml中に移すことで結晶を析出させた。この結晶を濾収、乾燥させることでアミドオキシム誘導体である化合物Cを378g得た(収率79%)。化合物CはHPLCとESIMSより同定した。合成スキームを以下に示す。
Figure 2013224032
続いて、化合物C85gをDMAC85 ml、アセトニトリル85 ml中で攪拌し水冷下で塩化P-トルエンスルホン酸65gを加え、ピリジンを27.4 ml加えた。30分攪拌後、ピリジン27.4 mlとメタノール280 mlとを加え、加熱還流中攪拌をおこなった。5時間攪拌後、水1600ml中に移し結晶を濾収した。この結晶をメタノール80 ml中で再結晶することにより化合物Dを52.2g得た(収率66%)。化合物DはHPLCとESIMSより同定した。合成スキームを以下に示す。
Figure 2013224032
次いで、化合物D1.4gをメタノール9.8 ml中で攪拌し、水酸化ナトリウム1.67g、化合物E1.82gを加えた。その後反応液に過硫酸ソーダ3.57gを水5.0 mlに溶かした水溶液を滴下した。1時間攪拌後反応液をろ過し、得られた濾物を40 ℃の温水で1時間懸濁した。懸濁液をろ過後、得られた固体をトルエンに溶解させシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、アゾメチン化合物1を1.17g得た(収率48%)。合成スキームを以下に示す。化合物はHPLCとESIMSより同定した。分析結果は以下の通りであった。
1H NMR、δ(ppm) (多重度、積分値) (CDCl3) 9.29(d, 1H)、7.46(m, 4H)、6.67(d, 1H)、3.66(q, 4H)、2,59(s, 3H)、2.43(s, 3H)、1.26(t, 6H)
Figure 2013224032
(2)染料リボンの作製
得られたアゾメチン化合物2.5重量部、ポリビニルアセタール樹脂(KS-5、5%ワニス、積水化学製)70重量部、トルエン13.75重量部、メチルエチルケトン13.75重量部を混合攪拌して得られたインクを、厚さ4μmの基材(4WF597、東レ製)上にバーコーターを用いて、塗布量が0.5g/mとなるように塗布し、80℃で2分間乾燥させて染料リボンを作製した。
次に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂(ソルバインC、日信化学工業製)20部と、エポキシ変性シリコーン(X−22−3000T、信越化学工業製)2部と、トルエン/メチルエチルケトン(1:1混合物)78部とを混合攪拌して得られた組成物を、厚み150μmのポリプロピレン製合成紙(商品名:ユポFPG150、ユポ・コーポレーション製)にバーコーターを用いて、乾燥後の膜厚が5μmになるよう、塗布、乾燥し、さらにオーブン中で80℃12時間処理して受像紙を得た。
作製した染料リボンを用いて、熱転写プリンタ(CP740、キャノン製)により、受像紙に印字を行った。
(3)感度評価
印字された印字物について、分光側色計(Spectrolino、GretagMacbeth製)を用いて印字物の感度の測定を行った。感度の評価結果について、OD=1.80以上のものを○とし、OD=1.80未満のものを×とした。結果は下記の表1に示される通りであった。
(4)耐光性評価
印字された印字物に、キセノンフェードメーター(CI4000、アトラス製)を用いて、400kJ(420nm積算値)で24時間照射を行った。なお、フィルターとしてCIRAのソーダライムを用いた。光照射前後の印字物について、分光測色計(Spectrolino、GretagMacbeth製)を用いて光学濃度を測定し、以下の式により濃度残存率を算出した。
濃度残存率=(照射後の光学濃度)/(照射前の光学濃度)×100
濃度残存率が70%以上のものを○とし、70%未満のものを×とした。結果は下記の表1に示される通りであった。
(5)色相測定
印字された印字物について、分光側色計(Spectrolino、GretagMacbeth製)を用いて色相の測定を行った。測定結果について、L表色系のab−面において、b<−0.34a、かつb>−0.63aの領域内にOD=1.0の色相があるものを○、ないものを×とした。結果は下記の表1に示される通りであった。
実施例2〜5
実施例2のアゾメチン色素の合成において、出発物質を2-トルイル酸エチルに代えた以外は実施例1と同様にして色素を合成し、実施例1と同様の評価を行った。
また、実施例3のアゾメチン色素の合成において、出発物質を安息香酸エチルに代えた以外は実施例1と同様にして色素を合成し、実施例1と同様の評価を行った。結果は下記の表1に示される通りであった。
また、実施例4のアゾメチン色素の合成において、出発物質を2−ブロモ安息香酸エチルに代えた以外は実施例1と同様にして色素を合成し、実施例1と同様の評価を行った。結果は下記の表1に示される通りであった。
また、実施例5のアゾメチン色素の合成において、出発物質をナフトエ酸エチルに代えた以外は実施例1と同様にして色素を合成し、実施例1と同様の評価を行った。結果は下記の表1に示される通りであった。結果は下記の表1に示される通りであった。
比較例1〜3
比較例1の色素として、下記式で表されるマゼンタ色素(特許第3013137号公報の実施例に記載のD−9の色素)を用いた以外は、実施例1と同様にして色素を合成し、実施例1と同様の評価を行った。結果は下記の表1に示される通りであった。
Figure 2013224032
また、比較例2の色素として、下記式で表されるマゼンタ色素(Disperseviolet26)を用いた以外は、実施例1と同様にして色素を合成し、実施例1と同様の評価を行った。結果は下記の表1に示される通りであった。
Figure 2013224032
さらに、比較例3の色素として、下記式で表されるマゼンタ色素(特許第3013137号公報に記載の比較色素A)を用いた以外は、実施例1と同様の評価を行った。結果は下記の表1に示される通りであった。なお、上記マゼンタ色素は、特許第3013137号公報に記載の方法によって製造した。
Figure 2013224032
Figure 2013224032

Claims (4)

  1. 下記式(I)で表されるアゾメチン化合物からなる感熱転写記録用色素。
    Figure 2013224032
    (式中、
    は、フェニル基またはナフチル基であるが、該フェニル基またはナフチル基は、アルキル基もしくはハロゲンにより置換されていてもよく、
    およびRは、それぞれ独立して、炭素数C2〜4のアルキル基を示す。)。
  2. が下記の置換基(i)〜(v):
    Figure 2013224032
    からなる群より選択されるものである、請求項1に記載の感熱転写記録用色素。
  3. およびRがエチル基である、請求項1または2に記載の感熱転写記録用色素。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱転写記録用色素を製造する方法であって、下記式IIで表される化合物と下記式IIIで表される化合物とを、塩基の存在下、酸化剤で反応させて、前記式Iのアゾメチン化合物を得る、ことを含んでなる、方法。
    Figure 2013224032
    Figure 2013224032
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