JP2013223938A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

印刷装置および印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013223938A
JP2013223938A JP2012096258A JP2012096258A JP2013223938A JP 2013223938 A JP2013223938 A JP 2013223938A JP 2012096258 A JP2012096258 A JP 2012096258A JP 2012096258 A JP2012096258 A JP 2012096258A JP 2013223938 A JP2013223938 A JP 2013223938A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle row
nozzle
printing
print
adjustment value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012096258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6031810B2 (ja
Inventor
Naoki Kayahara
直樹 萱原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012096258A priority Critical patent/JP6031810B2/ja
Publication of JP2013223938A publication Critical patent/JP2013223938A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6031810B2 publication Critical patent/JP6031810B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】ノズル列に組付け誤差がある場合の画質劣化を確実に防止する。
【解決手段】2つの印刷ヘッドが、互いの有するノズル列の一部が主走査方向から見たときに重なり合うように配置され、2つの印刷ヘッドを一体的に主走査方向かに移動させることによって複数のラインを同時に印刷する印刷装置であって、各ノズル列についての副走査宝庫SSにおける組付け誤差に応じた調整値をそれぞれ予め記憶する記憶部と、印刷データを、複数のラインの数ごとに取得する印刷データ取得部と、前記取得された印刷データを各印刷ヘッド用として分割する分割部と、各分割データを、各印刷ヘッドの有する各ノズル列内に定められた、分割データの長さに応じた数のノズルを有する使用ノズル列にそれぞれ供給する分割データ供給部とを備え、分割データ供給部は、各使用ノズル列を、当該使用ノズル列についての前記調整値に基づいて求まる位置にそれぞれ定める。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数の印刷ヘッドを用いて印刷を行う技術に関する。
従来、2個の印刷ヘッドを備えるプリンターが知られている。2個の印刷ヘッドを副走査方向に並べることで、主走査方向の1パスで印刷できるラスター数を稼ぐことが可能となる。2個の印刷ヘッドは、一方の一端と他方の一端とが主走査方向から見たときに重複するように配置されている。こうしたプリンターでは、副走査方向における印刷ヘッド間距離の偏りによる画質劣化を防止するために、前記重複部分に位置する個々のノズルを電気的にオン/オフする構成が提案されている(特許文献1)。なお、印刷ヘッド間距離の偏りは、各印刷ヘッドに備えられるノズル列についての製造時の組付け誤差によって発生しうる。
特開2012−790号公報
前記従来の技術では、各印刷ヘッドのノズルの使用比率(ノズル数)が均等とならないことがある。各印刷ヘッドは、吐出特性(吐出量、着弾インク形状等)に違いがあり、ノズルの使用比率が違うと、印刷結果に濃淡のムラが発生する。このため、前記従来の技術は、ノズル列についての製造時の組付け誤差を吸収しながら、画質劣化を確実に防止することができないという問題があった。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、ノズル列に組付け誤差がある場合の画質劣化を確実に防止することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] インクドットを形成するノズルが第1方向に複数配列されたノズル列を有する印刷ヘッドを、複数有し、前記複数の印刷ヘッドを一体的に前記第1方向に交差する第2方向に移動させることによって複数のラインを同時に印刷可能な印刷装置であって、
前記各ノズル列についての前記第1方向における組付け誤差に応じた調整値をそれぞれ記憶する記憶部と、
前記各ノズル列内に、当該ノズル列よりも長さが短く、当該ノズル列についての前記調整値に応じて位置が決まる使用ノズル列を定め、前記使用ノズル列を使って前記印刷を行う、印刷制御部と
を備える印刷装置。
前記構成の印刷装置によれば、組付け誤差に応じて位置が決まる使用ノズル列を使って印刷がなされる。このために、組付け誤差を吸収することができる。また、使用ノズル列の位置を変えても、各ノズル列のノズルの使用比率が変化しないことから、各印刷ヘッドのノズル使用比率を均等に保つことができる。したがって、ノズル列に組付け誤差がある場合の画質劣化を確実に防止することができる。
[適用例2] 適用例1に記載の印刷装置であって、前記印刷制御部は、前記各ノズル列内に、両端側を除く内側の所定位置に基準使用ノズル列を用意し、前記基準使用ノズル列を、前記各調整値に応じた移動量だけシフトすることにより、前記各使用ノズル列を定め、前記各印刷ヘッドの基準使用ノズル列は、前記第1方向において互いに重複せずに連続する構成である、印刷装置。
この構成によれば、使用ノズル列の決定が容易である。
[適用例3] 適用例2に記載の印刷装置であって、前記印刷制御部は、前記インクドットを形成するか否かを表す情報が記録された印刷データを、前記複数のラインの数ごとに取得する印刷データ取得部と、前記取得された印刷データを前記各印刷ヘッド用として分割する分割部と、前記分割された各データを、前記基準使用ノズル列から前記各調整値に応じた移動量だけシフトした前記使用ノズル列に供給する印刷データ供給部とを備える、印刷装置。
この構成によれば、印刷データを各印刷ヘッドに供給する際にデータシフトすることで、使用ノズル列へのデータ供給が可能となる。
[適用例4] 適用例2または適用例3に記載の印刷装置であって、前記印刷制御部は、前記調整値に応じた移動量を前記ノズル列内のシフトで賄えない場合に、前記ノズル列と対になる他方側の印刷ヘッドのノズル列内で不足分を補う、印刷装置。
この構成によれば、より大きな組付け誤差を吸収することができる。
[適用例5] 適用例1ないし適用例4のいずれかに記載の印刷装置であって、前記記憶部に記憶される各調整値は、当該調整値が対応するノズル列についてのノズル解像度単位に換算された値である、印刷装置。
この構成によれば、組付け誤差を正確に吸収することができる。
[適用例6] 適用例1ないし適用例5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記複数の印刷ヘッドのうちの隣接する2つの印刷ヘッドは、互いの有するノズル列の一部が前記第2方向から見たときに重なり合うように配置された、印刷装置。
この構成によれば、一回の走査で隣接する複数のラスターラインを形成することができる。
[適用例7] インクドットを形成するノズルが第1方向に複数配列されたノズル列を有する印刷ヘッドを、複数有し、前記複数の印刷ヘッドを一体的に前記第1方向に交差する第2方向に移動させることによって複数のラインを同時に印刷可能な印刷方法であって、
前記各ノズル列についての前記第1方向における組付け誤差に応じた調整値をそれぞれ予め記憶し、
前記各ノズル列内に、当該ノズル列よりも長さが短く、当該ノズル列についての前記調整値に応じて位置が決まる使用ノズル列を定め、前記使用ノズル列を使って前記印刷を行う、印刷方法。
適用例6の印刷方法は、適用例1の印刷装置と同様に、ノズル列に組付け誤差がある場合の画質劣化を確実に防止することができる。
さらに、本発明は、前記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、前記印刷装置を含む印刷システム、前記印刷装置に含まれる構成を機能として実現するコンピュータープログラムとしての形態、このコンピュータープログラムやこのコンピュータープログラムを記録した記録媒体等の形態等で実現することが可能である。
本発明の第1実施例として印刷システムの構成を示すブロック図である。 プリンター20の概略構成を示す説明図である。 制御回路40を中心としたプリンター20の構成を示すブロック図である。 印刷ヘッドユニット60の下面におけるノズル配列等を示す説明図である。 ノズル列における使用ノズルと副走査方向SSの組付け誤差との関係を示す説明図である。 NVRAM45に記憶される調整値テーブルTLの一例を示す説明図である。 制御回路40によって実行されるインク吐出制御処理を示すフローチャートである。 簡略説明用の2個の印刷ヘッドにおけるインク吐出範囲を示す説明図である。 第1および第2印刷ヘッド28a、28bにおけるインク吐出範囲を示す説明図である。 第2実施例における第1および第2印刷ヘッド28a、28bのインク吐出範囲を示す説明図である。 第1印刷ヘッド28aが傾いた場合におけるインク吐出範囲を示す説明図である。 第3実施例における第1および第2印刷ヘッドのインク吐出範囲を示す説明図である。 4つの印刷ヘッドH1〜H4の配置を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて、下記の順序に従って説明する。
A.第1実施例:
A1.印刷システムの構成:
A2.組付け誤差の吸収原理:
A3.インク吐出制御処理の構成:
A4.実施例効果:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
A.第1実施例:
A1.印刷システムの構成:
図1は、本発明の第1実施例として印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、コンピューター90と、印刷装置としてのプリンター20とを備えている。
コンピューター90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバー91やプリンタードライバー96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバーを介して、プリンター20に転送するための印刷データPDが出力されることになる。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバー91を介してCRT21に画像を表示している。
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピューター90のプリンタードライバー96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンター20に供給する印刷データPDに変換する。図1に示した例では、プリンタードライバー96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザー100と、色変換ルックアップテーブルLUTとが備えられている。
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度(即ち、単位長さ当りの画素数)を、印刷解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、画素毎に、RGB画像データを、プリンター20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、いわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像データを生成する。このハーフトーン画像データは、ラスタライザー100によりプリンター20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの記録状態を示すラスターデータと、副走査送り量を示すデータとを含んでいる。このラスターデータが、インクドットを形成するか否かを表す情報に該当する。
なお、プリンタードライバー96は、印刷データPDを生成する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタードライバー96の機能を実現するためのプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピューターの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリー)および外部記憶装置等の、コンピューターが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
図2は、プリンター20の概略構成を示す説明図である。プリンター20は、紙送りモーター22によって印刷用紙Pを副走査方向に搬送する副走査送り機構と、キャリッジモーター24によってキャリッジ30をプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動させる主走査送り機構と、キャリッジ30に搭載された印刷ヘッドユニット60を駆動してインクの吐出およびドット形成を制御するヘッド駆動機構と、これらの紙送りモーター22,キャリッジモーター24,印刷ヘッドユニット60および操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路40とを備えている。制御回路40は、コネクター56を介してコンピューター90に接続されている。主走査方向と副走査方向は互いに直交する。なお、副走査方向が適用例1に記載した「第1方向」に相当し、主走査方向が「第2方向」に相当する。
印刷用紙Pを搬送する副走査送り機構は、紙送りモーター22の回転をプラテン26と用紙搬送ローラ(図示せず)とに伝達するギヤトレインを備える(図示省略)。また、キャリッジ30を往復動させる主走査送り機構は、プラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ30を摺動可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモーター24との間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、キャリッジ30の原点位置を検出する位置センサー39とを備えている。
図3は、制御回路40を中心としたプリンター20の構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、NVRAM(不揮発性RAM:Non Volatile RAM)45と、文字のドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)46とを備えた算術論理演算回路として構成されている。この制御回路40は、さらに、外部のモーター等とのインターフェースを専用に行なうI/F専用回路50と、このI/F専用回路50に接続され印刷ヘッドユニット60を駆動してインクを吐出させるヘッド駆動回路52と、紙送りモーター22およびキャリッジモーター24を駆動するモーター駆動回路54と、を備えている。I/F専用回路50は、パラレルインターフェース回路を内蔵しており、コネクター56を介してコンピューター90から供給される印刷データPDを受け取ることができる。I/F専用回路50が内蔵する回路は、パラレルインターフェース回路に限らず、ユニバーサルシリアルバスインターフェース回路などコンピューター90との接続の容易性や通信速度等を考慮して決めることができる。プリンター20は、この印刷データPDに従って印刷を実行する。なお、RAM44は、ラスター−データを一時的に格納するためのバッファメモリーとして機能する。NVRAM45は、後述する調整値を記憶するための記憶部として機能する。
印刷ヘッドユニット60は、2個の印刷ヘッドを有しており、また、インクカートリッジを搭載可能である。
図4(a)は、印刷ヘッドユニット60の下面におけるノズル配列を示す説明図である。図示するように、印刷ヘッドユニット60には、第1印刷ヘッド28aと第2印刷ヘッド28bとが並んで設けられている。第1印刷ヘッド28aの下面には、シアン(C)インクを吐出するためのノズル列28Caと、マゼンタ(M)インクを吐出するためのノズル列28Maと、イエロー(Y)インクを吐出するためのノズル列28Yaと、ブラック(K)インクを吐出するためのノズル列28Kaとが形成されている。第2印刷ヘッド28bの下面には、ノズル列28Caと同一のCインクを吐出するためのノズル列28Cbと、ノズル列28Maと同一のMインクを吐出するためのノズル列28Mbと、ノズル列28Yaと同一のYインクを吐出するためのノズル列28Ybと、ノズル列28Kaと同一のKインクを吐出するためのノズル列28Kbとが形成されている。
なお、1つのノズル列の有するノズルNzの数は同一である。また、複数のノズルNzは、同一のノズルピッチPTで副走査方向SSに沿って一直線上に配列されている。なお、図4(a)に記載した各ノズル列の有するノズルNzの数は、12個であるが、これは図示の便宜のために簡素化したもので、実際は360個ある。なお、360個に限る必要はなく、他の個数とすることもできる。各印刷ヘッド28a、28bにおけるノズルピッチPTに対応するノズル解像度は、1/360npiである。
第1印刷ヘッド28aと第2印刷ヘッド28bは、主走査方向SMにおいて並列に配置されている。その上、主走査方向SMから見たときに、第1印刷ヘッド28aと第2印刷ヘッド28bの互いのノズル列の一部分が重なり合うように配置されている。すなわち、第1印刷ヘッド28aの一端部と第2印刷ヘッド28bの一端部とが、副走査方向SSにおいて重なり合うように配置されている。この重なり合った部分(以下、「オーバラップ部分」と呼ぶ)OLの長さは、4個のノズルNzを含む長さである。なお、オーバラップ部分OLの長さは、本実施例では、4個のノズルNzを含む長さとしたが、これに限る必要はなく、6個、8個等の他の長さとすることもできる。さらに、偶数である必要もなく、3個、5個、7個等の奇数分の長さとすることできる。また、オーバラップ部分OLに含まれる第1印刷ヘッド28a側の各ノズルNzと第2印刷ヘッド28b側の各ノズルNzとは、対となって副走査方向の位置において一致する。
図4(a)中において黒丸のドット(●)は通常時に使用するノズルであり、白丸のドット(○)は通常時は使用しない予備のノズルである。すなわち、図4(a)に示すように、第1印刷ヘッド28aの各ノズル列において、両端側の○で示した各2個のノズルは予備ノズルとなっており、予備ノズルを除く内側の●で示した8個のノズルは使用ノズルである。同様に第2印刷ヘッド28bの各ノズル列においても、両端側の○で示した各2個のノズルは予備ノズルとなっており、予備ノズルを除く内側の●で示した8個のノズルは使用ノズルである。使用ノズルの連なりを、以下「使用ノズル列」と呼ぶ。なお、使用ノズル列は、前述したように8個のノズルとしたが、これは図示の都合によるもので、実際は例えば356個である。ノズル列の全体を360個とした場合は356個となる。なお、356個に換えて他の数とすることもできる。
本実施例では、予備ノズルの数は、各ノズル列における片側において前述したように2個であるが、本発明ではこれに限られず、3個、4個と他の数とすることもできる。なお、両端側の予備ノズルの数は同一であるとしたが、これに換えて異なる数とすることもできる。すなわち、例えば、図中の上側の端部側は2個とし、下側の端部側は3個とすることができる。本実施例では、両端側の予備ノズルの合計数とオーバラップ部分OLの長さとが比例している。なお、予備ノズルの数は、予め決められたもので、どのように決められているかについては後述する。
図4(a)に示すように、第1印刷ヘッド28a側の●で示した使用ノズル列(以下「第1使用ノズル列」と呼ぶ)と、第2印刷ヘッド28b側の●で示した使用ノズル列(以下「第2使用ノズル列」と呼ぶ)とは、主走査方向SMから見たときに重なることはない。また、第1使用ノズル列と第2使用ノズル列とは、副走査方向SSにおいて連続的に連なっている。このために、第1使用ノズル列と第2使用ノズル列とをつなげて考えることで、図4(b)に示すように、仮想的な使用ノズル列VLを想定することができる。以下、この仮想的な使用ノズル列を「仮想ノズル列」と呼ぶ。
以上説明したハードウェア構成を有するプリンター20は、紙送りモーター22により用紙Pを搬送しつつ、キャリッジ30をキャリッジモーター24により往復動させ、同時に第1および第2印刷ヘッド28a、28bのピエゾ素子を駆動して、各色インク滴の吐出を行い、インクドットを形成して用紙P上に多色多階調の画像を印刷する。この結果、2つの印刷ヘッド28a、28bを用いることで、多数のラインを1度の主走査で同時に印刷することが可能となる。
A2.組付け誤差の吸収原理:
プリンター20を製作していく上で各部品には組付け誤差が発生する問題がある。各印刷ヘッド28a、28bの有する各ノズル列28Ca〜28Kbにおいても組付け誤差が生じることがある。各ノズル列28Ca〜28Kbの組付け誤差は、図4(a)において、主走査方向SMに発生することもあり、また、副走査方向SSに発生することもある。主走査方向SMの組付け誤差は、各ノズル列28Ca〜28Kbの有するノズルNzの吐出タイミングを調整することで吸収する(打ち消す)ことができる。一方、副走査方向SSの組付け誤差は、各ノズル列28Ca〜28Kbにおいて前述した使用ノズル列をシフトすることで吸収することができる。主走査方向SMの組付け誤差の吸収は、本発明には関係ないことから説明は省略する。副走査方向SSの組付け誤差の吸収について、次に詳しく説明する。
図5は、ノズル列における使用ノズルと副走査方向SSの組付け誤差との関係を示す説明図である。図中には、複数のノズル列28Ca〜28Kbのうちの一つ、例えばイエローのノズル列28Yaを示した。図示するように、ノズル列28Yaに対して、図中の上から順に番号を付している。第1印刷ヘッド28aと第2印刷ヘッド28bが図4に示す状態にあるとき、図5(a)に示すように、使用ノズル列は、●で示したノズル#3からノズル#10までとなっている。
図5(a)の状態は組付け誤差が0の場合のものである。製造時に、図5(b)に示すように、ノズル列28Yaが、副走査方向SSにノズルピッチPT分だけずれて組付けられたとすると(組付け誤差=+1/360npi)、●で示した使用ノズル列#3〜#10はそのズレ分だけ副走査方向SSにずれる。そこで、ノズル列28Yaにおける使用ノズル列#3〜#10を、前記ブレ分、すなわちノズルピッチPT分だけ、ノズル列28Yaのずれの方向とは反対の方向(副走査方向のマイナス方向)にシフトするすなわち、ノズル列28Yaに供給するノズル範囲を変更する「データシフト」を−1/360npiだけ行う(データシフト量=−1/360npi)。これにより、ノズル列28Yaにおける使用ノズル列は#2〜#9となる。なお、組付け誤差およびデータシフトは、図5中の下向き(副走査方向SS)を正(+)の値とし、図5中の上向き(副走査方向SSのマイナス方向)を負(−)の値としている。
図5(a)における使用ノズル列#3〜#10と、図5(c)における使用ノズル列#2〜#9と比べてみると、図示するように、副走査方向SSにおいて同一の位置となる。したがって、ノズル列に副走査方向の組付け誤差が発生した場合に、その組付け誤差の方向と反対の方向に組み付け誤差と同じ量だけデータシフトすることで、組付け誤差=0の場合と同一の位置に使用ノズル列を変更することができる。この結果、副走査方向の組付け誤差を吸収することができる。なお、図5(a)の状態にあるときの使用ノズル列#3〜#10、すなわち、両端側の各2つのノズルを除いたノズル列#3〜#10を、以下、「基準使用ノズル列」と呼ぶ。
前記組付け誤差の吸収は、予備ノズル側に使用ノズル列をシフトすることによって実現される。このため、予備ノズルの数を多くすれば、より大きな組付け誤差に対応できる。本実施例では、最大に起こりうる組付け誤差の大きさをメカ的に想定し、その大きさから予備ノズルの数を決定している。
本実施例では、製造の段階でプリンターの機体毎に、複数のノズル列28Ca〜28Kbのそれぞれについて、実際の位置を計測し、実際の位置と設計上の位置とを比較することにより、組付け誤差の大きさを測定し、その測定結果をノズル解像度単位に換算する。例えば、測定結果が+1.4/360の場合には換算結果を+1/360に、+1.5/360の場合には+2/360というように、ノズル解像度単位以下を四捨五入することで換算結果を得る。この換算結果の正負を逆転した値を、NVRAM45に調整値として記憶される。前記設計上の位置は、図4(a)に示した関係を満たす位置である。
図6は、NVRAM45に記憶される調整値テーブルTLの一例を示す説明図である。図示するように、調整値テーブルTLには、印刷ヘッド28a、28bを特定する印刷ヘッド番号と、インク色の種別と、調整値Dとが組になって記憶されている。プリンター20においては、NVRAM45から各調整値Dを読み出して、各調整値Dに応じたデータシフトを行うことで、組付け誤差の吸収を実現している。
A3.インク吐出制御処理の構成:
図7は、プリンター20に備えられる制御回路40によって実行されるインク吐出制御処理を示すフローチャートである。このインク吐出制御処理は、CMYKのインク色毎に個別に実行されるもので、ここでは、Yインクを吐出する場合として、以下の説明を行う。このインク吐出制御処理は、コンピューター90側から印刷命令を受けたときに実行開始される。処理が開始されると、制御回路40のCPU41は、コンピューター90から送信されてくる印刷データPDのうちのYインクのドット分のデータを、仮想ノズル列VLのドット数ごとに取得する(ステップS110)。次いで、CPU41は、取得した一単位の印刷データを2等分し、第1の分割データを第1印刷ヘッド28a用に、第2の分割データを第2番目の印刷ヘッド28b用にそれぞれ割り当てる(ステップS120)。
ステップS120の実行後、CPU41は、第1の分割データを、第1印刷ヘッド28aのYインク用のノズル列28Yaに供給する(ステップS130)。詳しくは、Yインク用のノズル列28Yaにおいて、前述した基準使用ノズル列を、ノズル列28Ya用の調整値に応じた量だけシフトし、そのシフト後のノズル列を使用ノズル列として、その使用ノズル列に対して、第1の分割データを供給する。ノズル列28Ya用の調整値は、図6に示した調整値テーブルTLにおける、印刷ヘッド番号=”1”、インク色種別=”Y”の組に格納される調整値D1Yを読み出す。調整値が例えば「+1/360」の場合には、副走査方向SSのプラス方向に1/360dpi分だけ、すなわち1ドット分だけデータシフトを行う。調整値が「−1/360」の場合には、副走査方向SSのマイナス方向に1/360dpi分だけ、すなわち1ドット分だけデータシフトを行う。
続いて、CPU41は、第2の分割データを、第2印刷ヘッド28bのYインク用のノズル列28Ybに供給する(ステップS140)。詳しくは、Yインク用のノズル列28Ybにおいて、前述した基準使用ノズル列を、ノズル列28Yb用の調整値に応じた量だけシフトし、そのシフト後のノズル列を使用ノズル列として、その使用ノズル列に対して、第2の分割データを供給する。ノズル列28Yb用の調整値は、図6に示した調整値テーブルTLにおける、印刷ヘッド番号=”2”、インク色種別=”Y”の組に格納される調整値D2Yを読み出す。調整値が例えば「+1/360」の場合には、副走査方向SSのプラス方向に1/360dpi分だけ、すなわち1ドット分だけデータシフトを行う。調整値が「−1/360」の場合には、副走査方向SSのマイナス方向に1/360dpi分だけ、すなわち1ドット分だけデータシフトを行う。
ステップS140の実行後、CPU41は、印刷データPDの処理が全て終了したか否かを判定する(ステップS150)。ここで、終了していないと判定されると、ステップS110に処理を戻して、ステップS110ないしS150の処理を繰り返す。ステップS150で、印刷データPDの処理が終了したと判定されると、このインク吐出制御処理を終了する。プリンター20では、こうした構成のインク吐出制御処理を、前述したようにCMYKのインク色毎に個別に実行することで、カラー画像の印刷を行う。インク吐出制御処理の結果、インク吐出範囲(すなわち使用ノズル列)がどのように切り替わるかを、例示をあげてさらに以下に説明する。なお、CPU41とCPU41で実行されるこのインク吐出制御処理によって、本発明の備える「印刷制御部」が実現される。
図8は、簡略説明用の2個の印刷ヘッドにおけるインク吐出範囲を示す説明図である。説明の簡略化のために、図示において、各印刷ヘッド28a、28bには1つのノズル列(例えば、イエローのノズル列28Ya、28Yb)が設けられているものとする。図8(a)は第2印刷ヘッド28bの有するノズル列28Ybの組付け誤差が−1/360の場合の例示であり、図8(b)はノズル列28Ybの組付け誤差が0の場合の例示であり、図8(c)はノズル列28Ybの組付け誤差が+1/360の例示である。なお、図8(a)〜(c)において、第1印刷ヘッド28aの有するノズル列28Yaの組付け誤差は0である。
図8(b)に示すように、ノズル列28Ybの組付け誤差が0の場合、ノズル列28Ya、28Ybの位置は、図中「物理ノズル」に示すように、図4(a)と同一の位置となる。仮想ノズル列VLも、図中「仮想ノズル列」に示すように、図4(a)と同一となる。なお、図8において第2印刷ヘッド28b側のノズル列28Ybに備えられるノズルは、△または▲で示した。▲の連なりは使用ノズル列である。ノズルの形状が三角であるという意味ではない。
図8(a)に示すように、ノズル列28Ybの組付け誤差が−1/360の場合、ノズル列28Ya、28Ybの位置は、図中「物理ノズル」に示すように、第2印刷ヘッド28b側のノズル列28Ybが副走査方向SSのマイナス方向に1/360分だけずれている。この場合、調整値D=+1/360となることから、データシフトは、副走査方向SSに1/360dpi分だけ、すなわち1ドット分だけなされ、図中の▲で示されるノズルの範囲(使用ノズル列)にデータが供給される。仮想ノズル列VLは、図中「仮想ノズル列」に示すように、図8(b)と同一となる。
図8(c)に示すように、ノズル列28Ybの組付け誤差が+1/360の場合、ノズル列28Ya、28Ybの位置は、図中「物理ノズル」に示すように、第2印刷ヘッド28b側のノズル列28Ybが副走査方向SSに1/360分だけずれている。この場合、調整値D=−1/360となることから、データシフトは、副走査方向SSのマイナス方向に1/360dpi分だけ、すなわち1ドット分だけなされ、図中の▲で示されるノズルの範囲(使用ノズル列)にデータが供給される。仮想ノズル列VLは、図中「仮想ノズル列」に示すように、図8(b)と同一となる。
図9は、第1および第2印刷ヘッド28a、28bにおけるインク吐出範囲を示す説明図である。図9は、図8のように各印刷ヘッドに1つのノズル列だけを記載したものではなく、第1および第2印刷ヘッド28a、28b共に各インク色のノズル列28Ca〜28Kbを備える。図9の例示は、第1印刷ヘッド28aの有する全てのノズル列28Ca〜28Kaの組付け誤差が+1/360の場合のものである。この場合、図9(a)に示すように、各ノズル列28Ca〜28Kaが副走査方向SSに1/360分だけずれている。このため、調整値D=−1/360となることから、データシフトは、図9(b)に示すように、各ノズル列28Ca〜28Ka共に、副走査方向SSのマイナス方向に1/360dpi分だけ、すなわち1ドット分だけなされ、図中の●で示されるノズルの範囲(使用ノズル列)にデータが供給される。仮想ノズル列VLは、図9(c)に示すように、図4(a)と同一となる。
なお、図8および図9の例示は、第1および第2印刷ヘッド28a、28bのうちの一方に組付け誤差があるものであったが、本発明はこれに限られない。第1および第2印刷ヘッド28a、28bの双方に組付け誤差がある場合も、前述したインク吐出制御処理によって組付け誤差を吸収することができる。また、図9の例示は、一方の印刷ヘッドの有する全てのノズル列28Ca〜28Kbが同じ方向、同じ量だけ組付け誤差を発生するものであったが、本発明はこれに限られない。各ノズル列28Ca〜28Kbに異なる方向、異なる量の組付け誤差が発生した場合にもその組付け誤差を吸収することができる。
A4.実施例効果:
以上説明したように、本実施例では、各ノズル列28Ca〜28Kbに印刷データPDの分割データを送る際に、その送り先を、副走査方向SSにおける組付け誤差に応じた位置にシフトするように構成されている。このために、ノズル列に組付け誤差があっても、実際に吐出するインク位置に変化がない。すなわち、その組付け誤差を吸収することができる。しかも、各ノズル列28Ca〜28KbのノズルNzの使用比率も変わらないことから、各印刷ヘッド28a、28bのノズル使用比率は均等に保たれる。したがって、ノズル列28Ca〜28Kbに組付け誤差がある場合の画質劣化を確実に防止することができる。
B.第2実施例:
図10は、第2実施例における第1および第2印刷ヘッド28a、28bのインク吐出範囲を示す説明図である。第2実施例におけるプリンターは、第1実施例におけるプリンター20と同一のハードウェア構成を備え、制御回路40で実行されるインク吐出制御処理だけが第1実施例と相違する。そのインク吐出制御処理で実現されるインク吐出範囲を図10に示した。なお、第2実施例において第1実施例と同一の構成要素については、第1実施例と同一の符号を用いて以下の説明を行う。
各ノズル列28Ca〜28Kbにおける予備ノズルは、図4(a)で説明したように、予備ノズルは両端の各2個である。これは、組付け誤差が一方向においてノズル2個分まで吸収可能であるということである。これに対して、第2実施例では、組付け誤差が一方向においてノズル3個分以上ずれても対応可能である。図10の例示は、第1印刷ヘッドの有する全てのノズル列28Ca〜28Kaの組付け誤差が+3/360の場合のものである。この場合、図10(a)に示すように、第1印刷ヘッド側の各ノズル列28Ca〜28Kaが副走査方向SSに3/360分だけずれている。このため、調整値D=−3/360となることから、データシフトは、図10(b)に示すように、各ノズル列28Ca〜28Ka共に、副走査方向SSのマイナス方向に最大分(本実施例では2/360dpi分)だけ、すなわち2ドット分だけなされ、各ノズル列28Ca〜28Kaにおいては、図中の●で示されるノズルの範囲(使用ノズル列)にデータが供給される。
調整値D=−3/360に対して、各ノズル列28Ca〜28Kaでは−2/360だけしかデータシフトができないことから、さらに、図10(c)に示すように、第2印刷ヘッドの有する各ノズル列28Cb〜28Kbに送る分割データをシフトする。詳しくは、第1印刷ヘッド側でデータシフトした方向と反対方向に、その不足分だけ分割データをシフトする。すなわち、第2印刷ヘッド側の各ノズル列28Ca〜28Kaへ供給する各分割データを+1/360だけシフトする。したがって、調整値Dに応じたシフト量を組付け誤差が発生したノズル列内のデータシフトだけで賄えない場合に、前記ノズル列とペアとなる他方側の印刷ヘッドのノズル列内でデータのシフトを行うことになる。換言すれば、組付け誤差を、組付け誤差が発生したノズル列内のデータシフトだけで補いきれない場合に、前記ノズル列とペアとなる他方側の印刷ヘッドのノズル列内でデータのシフトを行う。この結果、仮想ノズル列VLは、図10(d)に示すように、各印刷ヘッドの使用ノズル列を合算したものとなり、しかも、各印刷ヘッドのノズル使用比率は均等に保たれる。なお、第1印刷ヘッド側の使用ノズル列と第2印刷ヘッド側の使用ノズル列との境界CLは、図9(c)に示した場合の境界から1ノズルピッチPTだけ主走査方向に下がる。
以上のように構成された第2実施例のプリンターによれば、第1実施例のプリンターと同様に、各ノズル列28Ca〜28Kbに組付け誤差がある場合の画質劣化を確実に防止することができる。さらに、第2実施例によれば、組付け誤差が一方向において予備ノズルの数分より大きくなった場合にも、その組付け誤差を吸収することができる。
なお、図10の例示は、一方の印刷ヘッドの有する全てのノズル列28Ca〜28Kbが同じ方向、同じ量だけ組付け誤差を発生するものであったが、本発明はこれに限られない。各ノズル列28Ca〜28Kbに異なる方向、異なる量の組付け誤差が発生した場合にもその組付け誤差を吸収することができる。この場合には、両印刷ヘッドにおける同一色のインクのノズル列をペアとして、ペアとなった同一色のノズル列の間で、図10(b)、(c)で示したデータシフトおよび拡張データシフトを適用する。
この第2実施例のプリンターによれば、次のような副次的な効果も奏する。印刷ヘッドは、その全体が傾いて組付けられることもあり得る。図11は、第1印刷ヘッド28aが傾いた場合におけるインク吐出範囲を示す説明図である。図11(a)に示すように、第1印刷ヘッド28aは、平面において、1点を中心に所定の角度θだけ回転して組付けられている。この場合に、第1印刷ヘッド28aの有する各ノズル列28Ca〜28Kaは、徐々に副走査方向にずれる。図示の例では、ノズル列28Caのずれ量=0、ノズル列28Maのずれ量=+1/360dpi分、ノズル列28Yaのずれ量=+2/360dpi分であり、ノズル列Kaのずれ量=+3/360dpi分である。
このため、各調整値Dは順に、0、+1/360、+2/360、+3/360となることから、データシフトは、図11(b)に示すように、各ノズル列28Ca〜28Kaは、副走査方向SSのマイナス方向に、順に0、−1/360、−2/360、−2/360となる。Kインクのノズル列28Kaだけは最大分(本実施例では2/360dpi分)で制限されている。一方、前記制限されたノズル列28Kaに対してペアとなった第2印刷ヘッド28b側のノズル列28Kbについては、図11(c)に示すように、ノズル列28Kaにおけるデータシフトとは反対の方向に、不足分だけ、ここでは+1/360だけデータシフトする。この結果、仮想ノズル列VLは、図10(d)に示すように、各印刷ヘッドの使用ノズル列を合算したものとなり、しかも、各印刷ヘッドのノズル使用比率は均等に保たれる。したがって、第2実施例のプリンターによれば、印刷ヘッドの全体が傾いて組付けられた場合にも、画質劣化を防止することができる。
C.第3実施例:
図12は、第3実施例における第1および第2印刷ヘッドのインク吐出範囲を示す説明図である。第3実施例におけるプリンターは、第1実施例におけるプリンター20と比較して、各ノズル列の構成が相違する。第1実施例の各ノズル列28Ca〜28Kbは複数のノズルが1列に配置されたものであったが、第2実施例のノズル列(例えばイエローのノズル列)128Ya、128bは複数のノズルが2列に千鳥状に配置されたものである。ノズル列に含まれる各列L1、L2は、図12(a)に示すように、1/360npiの間隔で複数のノズルが配置されている。そして、両列L1、L2は、副走査方向SSにおいて、隣接するノズル間の中央に隣の列L2、L1のノズルが位置するように配置されている。このため、副走査方向SSにおいて、一方の列L1に含まれるノズルと、他方の列L2に含まれる近接するノズルとの間の距離は、1/720npiとなる。したがって、第2実施例におけるノズル解像度は、1/720npiとなり、第1実施例に比べて倍増されている。
このため、本実施例では、NVRAMに記憶される調整値は、ノズル解像度単位、すなわち、1/720npi単位の値となっている。前記千鳥配置された各ノズル列128Ya、128bを有する本実施例のプリンターでは、第1実施例と同様なインク吐出制御処理を行っている。このインク吐出制御処理の結果、図12に例示したインク吐出を実現することができる。
図12(a)は第2印刷ヘッドの有するノズル列128Ybの組付け誤差が−1/360の場合の例示であり、図12(b)はノズル列128Ybの組付け誤差が−1/720の場合の例示であり、図12(c)はノズル列128Ybの組付け誤差が0の場合の例示であり、図12(d)はノズル列128Ybの組付け誤差が+1/720の例示であり、図12(e)はノズル列128Ybの組付け誤差が+1/360の例示である。なお、図12(a)〜(e)において、第1印刷ヘッドaの有するノズル列128Yaの組付け誤差は0である。なお、図示において、ノズルは○、●、△、▲、▽、▼、□、■で示した。●、▲、▼、■は使用ノズルを示す。ノズルの形状が三角、四角であるという意味ではない。
図12(c)に示すように、ノズル列128Ybの組付け誤差が0の場合、ノズル列128Ya、128Ybの位置は、図中「物理ノズル」に示すように配置されている。仮想ノズル列VLは、図中「仮想ノズル列」に示すようになる。
図12(a)に示すように、ノズル列128Ybの組付け誤差が−1/360の場合、ノズル列128Ya、18Ybの位置は、図中「物理ノズル」に示すように、第2印刷ヘッド側のノズル列128Ybが副走査方向SSのマイナス方向に1/360分だけずれている。この場合、調整値D=+1/360となることから、データシフトは、副走査方向SSに1/360dpi分だけ、すなわち2ドット分だけなされ、図12(a)中の▲、▼で示されるノズルの範囲(使用ノズル列)にデータが供給される。仮想ノズル列VLは、図12(a)中の「仮想ノズル列」に示すようになる。
図12(b)に示すように、ノズル列128Ybの組付け誤差が−1/720の場合、ノズル列128Ya、18Ybの位置は、図中「物理ノズル」に示すように、第2印刷ヘッド側のノズル列128Ybが副走査方向SSのマイナス方向に1/720分だけずれている。この場合、調整値D=+1/720となることから、データシフトは、副走査方向SSに1/720dpi分だけ、すなわち1ドット分だけなされ、図12(b)中の▲、▼で示されるノズルの範囲(使用ノズル列)にデータが供給される。仮想ノズル列VLは、図中11(b)中の「仮想ノズル列」に示すようになる。
図12(d)に示すように、ノズル列28Ybの組付け誤差が+1/720の場合、ノズル列28Ya、28Ybの位置は、図中「物理ノズル」に示すように、第2印刷ヘッド側のノズル列128Ybが副走査方向SSに1/720分だけずれている。この場合、調整値D=−1/720となることから、データシフトは、副走査方向SSのマイナス方向に1/720dpi分だけ、すなわち1ドット分だけなされ、 図12(d)中の▲、▼で示されるノズルの範囲(使用ノズル列)にデータが供給される。仮想ノズル列VLは、図中11(b)中の「仮想ノズル列」に示すようになる。
図12(e)に示すように、ノズル列28Ybの組付け誤差が+1/360の場合、ノズル列28Ya、28Ybの位置は、図中「物理ノズル」に示すように、第2印刷ヘッド側のノズル列128Ybが副走査方向SSに1/360分だけずれている。この場合、調整値D=−1/360となることから、データシフトは、副走査方向SSのマイナス方向に1/360dpi分だけ、すなわち1ドット分だけなされ、 図12(e)中の▲、▼で示されるノズルの範囲(使用ノズル列)にデータが供給される。仮想ノズル列VLは、図12(e)中の「仮想ノズル列」に示すようになる。なお、図12では、説明の簡略化のためにイエローのノズル列128Yaだけを示したが、他の色のインクのノズル列についても同様に千鳥配列の構成であり、かつインク吐出制御処理を適用する構成となっている。
以上のように構成された第3実施例のプリンターによれば、第1実施例のプリンターと同様に、各ノズル列28Ca〜28Kbに組付け誤差がある場合の画質劣化を確実に防止することができる。さらに、第3実施例によれば、組付け誤差を第1実施例と比べてより微細な単位で吸収することができる。なお、第3実施例の変形例として、第1実施例に対する第2実施例のように、拡張データシフトを適用する構成とすることもできる。
D.変形例:
この発明は前記第1ないし第3実施例やその変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
・変形例1:
前記各実施例では、NVRAMに記憶される調整値は、測定した組付け誤差をノズル解像度単位に換算し、その換算結果の正負を逆転した値としたが、本発明はこれに限らない。例えば、測定した組付け誤差をノズル解像度単位に換算し、その換算結果を調整値として記憶する構成としてもよい。この場合には、調整値は組付け誤差を表すものであることから、インク吐出制御処理のステップS130およびS140でデータシフト際に、正負を逆転する必要がある。また、測定した組付け誤差をノズル解像度単位に換算することなく、そのままNVRAMに記憶する構成としてもよい。この場合には、インク吐出制御処理のステップS130およびS140でデータシフト際に、NVRAMから読み出した組付け誤差を、一旦、ノズル解像度単位に換算してデータシフト量を決める必要がある。要は、NVRAMに記憶される調整値は、各ノズル列についての前記第1方向における組付け誤差を反映する値であれば、どのような値とすることもできる。さらに、調整値の記憶先はNVRAMに限る必要はなく、他のメモリー(記憶部)であってもよい。好ましくは、不揮発性のメモリーがよい。
・変形例2:
前記各実施例では、印刷ヘッドは2つとしたが、これに換えて、3つ、4つ等の他の複数の数の印刷ヘッドを備える構成としてもよい。図13に示すように、4つの印刷ヘッドH1〜H4を備える場合には、印刷ヘッドH1〜H4は千鳥状に配置される。すなわち、副走査方向SSにおいて、第1印刷ヘッドH1の一端部H1bと第2印刷ヘッドH2の一端部H2aとが重なり合い、第2印刷ヘッドH2の他端部H2bと第3印刷ヘッドH3の一端部H3aとが重なり合い、第3印刷ヘッドH3の他端部H3bと第4印刷ヘッドH4の一端部H4aとが重なり合うように配置される。かかる構成においても、各印刷ヘッドH1〜H4において本発明を適用することができる。
・変形例3:
前記各実施例では、2つの印刷ヘッドは、主走査方向から見たときに互いのノズル列の一部分が重なり合う(すなわち、副走査方向において重なる)ように配置されていたが、これに換えて、2つの印刷ヘッドは、重なり合わない構成とすることもできる。すなわち、印刷装置に備えられる複数の印刷ヘッドのうちの2つの印刷ヘッドが、互いの有するノズル列の一部が主走査方向から見たときに重なり合わない構成とすることもできる。
・変形例4:
前記各実施例では、各印刷ヘッドは、CMYKの各インク色に対応した4つのノズル列を備える構成としたが、本発明はこれに限られない。例えば7色インク、すなわち、CMYKにライトマゼンタ、ライトシアン、ダークイエローを付加した7色インクに対応した7つのノズル列を備える構成としてもよい。さらに、ノズル列の数は他の複数とすることもできるし、1つだけとすることもできる。
・変形例5:
前記各実施例では、本発明をプリンター側で実現していたが、本発明はこれに限られない。例えば、制御回路40が行っていた機能の一部または全部をコンピューター10にインストールしたソフトウェアとしてのRIP(Raster image processor)が行う構成とすることもできる。また、コンピューター90とプリンター20の間に接続したハードウェアとしてのRIPが行う構成としてもよい。
・変形例6:
前記各実施例では、プリンターが有する印刷ヘッドのノズルからインクを吐出させるためのインクの吐出方式としては、ピエゾ素子の駆動によるものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ該気泡によりインクを噴射させるサーマル方式等、種々の方式とすることができる。
・変形例7:
前記実施例および各変形例において、ソフトウェアによって実現した機能は、ハードウェアによって実現するものとしてもよい。
なお、前述した各実施例および各変形例における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。
20…プリンター
28a…第1印刷ヘッド
28b…第2印刷ヘッド
30…キャリッジ
41…CPU
60…印刷ヘッドユニット
90…コンピューター
91…ビデオドライバー
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタードライバー
97…解像度変換モジュール
98…色変換モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100…ラスタライザー

Claims (7)

  1. インクドットを形成するノズルが第1方向に複数配列されたノズル列を有する印刷ヘッドを、複数有し、前記複数の印刷ヘッドを一体的に前記第1方向に交差する第2方向に移動させることによって複数のラインを同時に印刷可能な印刷装置であって、
    前記各ノズル列についての前記第1方向における組付け誤差に応じた調整値をそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記各ノズル列内に、当該ノズル列よりも長さが短く、当該ノズル列についての前記調整値に応じて位置が決まる使用ノズル列を定め、前記使用ノズル列を使って前記印刷を行う、印刷制御部と
    を備える印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記印刷制御部は、前記各ノズル列内に、両端側を除く内側の所定位置に基準使用ノズル列を用意し、前記基準使用ノズル列を、前記各調整値に応じた移動量だけシフトすることにより、前記各使用ノズル列を定め、
    前記各印刷ヘッドの基準使用ノズル列は、前記第1方向において互いに重複せずに連続する構成である、印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記印刷制御部は、
    前記インクドットを形成するか否かを表す情報が記録された印刷データを、前記複数のラインの数ごとに取得する印刷データ取得部と、
    前記取得された印刷データを前記各印刷ヘッド用として分割する分割部と、
    前記分割された各データを、前記基準使用ノズル列から前記各調整値に応じた移動量だけシフトした前記使用ノズル列に供給する印刷データ供給部と
    を備える、印刷装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記印刷制御部は、前記調整値に応じた移動量を前記ノズル列内のシフトで賄えない場合に、前記ノズル列と対になる他方側の印刷ヘッドのノズル列内で不足分を補う、印刷装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記記憶部に記憶される各調整値は、当該調整値が対応するノズル列についてのノズル解像度単位に換算された値である、印刷装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記複数の印刷ヘッドのうちの隣接する2つの印刷ヘッドは、互いの有するノズル列の一部が前記第2方向から見たときに重なり合うように配置された、印刷装置。
  7. インクドットを形成するノズルが第1方向に複数配列されたノズル列を有する印刷ヘッドを、複数有し、前記複数の印刷ヘッドを一体的に前記第1方向に交差する第2方向に移動させることによって複数のラインを同時に印刷可能な印刷方法であって、
    前記各ノズル列についての前記第1方向における組付け誤差に応じた調整値をそれぞれ予め記憶し、
    前記各ノズル列内に、当該ノズル列よりも長さが短く、当該ノズル列についての前記調整値に応じて位置が決まる使用ノズル列を定め、前記使用ノズル列を使って前記印刷を行う、印刷方法。
JP2012096258A 2012-04-20 2012-04-20 印刷装置および印刷方法 Active JP6031810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012096258A JP6031810B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 印刷装置および印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012096258A JP6031810B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 印刷装置および印刷方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013223938A true JP2013223938A (ja) 2013-10-31
JP6031810B2 JP6031810B2 (ja) 2016-11-24

Family

ID=49594378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012096258A Active JP6031810B2 (ja) 2012-04-20 2012-04-20 印刷装置および印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6031810B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH106488A (ja) * 1996-06-24 1998-01-13 Canon Inc インクジェット記録方法及びその装置
JP2003305853A (ja) * 2002-04-12 2003-10-28 Canon Inc 記録ヘッド、および、それを備える記録装置
JP2007001107A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2008001052A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Canon Finetech Inc レジストレーション調整値決定方法および記録システム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH106488A (ja) * 1996-06-24 1998-01-13 Canon Inc インクジェット記録方法及びその装置
JP2003305853A (ja) * 2002-04-12 2003-10-28 Canon Inc 記録ヘッド、および、それを備える記録装置
JP2007001107A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Seiko Epson Corp 液体噴射装置
JP2008001052A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Canon Finetech Inc レジストレーション調整値決定方法および記録システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6031810B2 (ja) 2016-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5347300B2 (ja) 印刷装置
US7950768B2 (en) Method of calculating correction value, method of ejecting liquid, and liquid ejecting apparatus
US7954923B2 (en) Liquid ejecting apparatus and liquid ejecting method
JP2001162841A (ja) インクの種類ごとに双方向印刷または単方向印刷を並行して行う印刷
JP2011016377A (ja) プラテンを汚すことなく印刷媒体の端部まで行う印刷
KR100427218B1 (ko) 도트기록장치, 도트기록방법, 및 그 방법을 실현시키기 위한 컴퓨터 프로그램을 기록한 기록매체
JP5487552B2 (ja) 液体吐出装置、液体吐出方法
JP3575415B2 (ja) プラテンを汚すことなく印刷用紙の端部まで行う印刷
US20060227159A1 (en) Printing method, printing system, and print control apparatus
JP3567798B2 (ja) 印刷装置、印刷方法並びに記録媒体
US20100231644A1 (en) Liquid ejection apparatus
JP5776348B2 (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JPH11138787A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
US20070076033A1 (en) Printing method, printing system, and print control apparatus
US20090262375A1 (en) Liquid ejecting apparatus and liquid ejecting method
US7364250B2 (en) Printing method, printing system, and print control apparatus
JP2014139005A (ja) 記録装置及び記録方法
JP2019077142A (ja) 印刷装置、印刷方法および印刷制御装置
JP6031810B2 (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2010208121A (ja) 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
US10059097B2 (en) Image processing method, image processing apparatus, and printing system
JP3829587B2 (ja) 同一色相のインクを吐出するノズルを同種のインクを吐出するノズルとして使用するドラフト印刷
JP2007001269A (ja) 印刷システム、プログラム及び印刷装置
JP4244781B2 (ja) プラテンを汚すことなく印刷用紙の端部まで行う印刷
JP4635374B2 (ja) プラテンを汚すことなく印刷媒体の端部まで行う印刷

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150327

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160229

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161010

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6031810

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150