JP2013223662A - バルーンカテーテルシステムおよびステントデリバリーシステム - Google Patents

バルーンカテーテルシステムおよびステントデリバリーシステム Download PDF

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克己 森本
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Abstract

【課題】ガイドワイヤの挿通が容易であり、手技時間の短縮が可能なバルーンカテーテルシステムを提供する。
【解決手段】バルーンカテーテルシステム10は、長尺なシャフト12およびハブ14を有するカテーテル本体16と、シャフト16の外方に突出した突起部18と、シャフト12の先端側外周部に設けられたバルーン22と、バルーン18の外表面を覆い、その外周部に軸方向に延在するスリット状の開口部50を有する保護スリーブ26とを備える。突起部18がスリット状の開口部50に差し込まれることにより、保護スリーブ26の周方向の回転が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、バルーンカテーテルシステムに係り、特に、生体管腔内に挿入されるバルーン(拡張体)を保護するための保護スリーブを有するバルーンカテーテルシステムに関する。
また、本発明は、ステントデリバリーシステムに係り、特に、生体管腔内に挿入されるバルーンにマウントされたステントを保護するための保護スリーブを有するステントデリバリーシステムに関する。
バルーンカテーテルは、血管、胆管、気管、食道、尿道等の生体管腔内に狭窄部または閉塞部等の病変部が発生した場合に、その病変部を拡張するために用いられる医療器具である。例えば、冠動脈に狭窄部が発生することで引き起こされる心筋梗塞、狭心症等の治療において、狭窄部をバルーンカテーテルにより内部から拡張する方法が採られることがある。バルーンカテーテルは、一般に、長尺のシャフト本体の先端側外周部にバルーン(拡張体)が配置された構造を有し、バルーンが病変部に位置するまで生体管腔内にシャフト本体が挿入された後、バルーンを径方向に拡張して病変部を押し拡げる。
このようなバルーンカテーテルを用いて病変部を押し拡げた後に、再び狭窄を引き起こすことを予防するため、近年、バルーンの外表面に再狭窄を抑制する効果のある薬剤を塗布することが提案されている。
一方、バルーンカテーテルに狭窄部位の貫通機能を有したデバイスとして、特許文献1には、シースでバルーンを覆うようにしたバルーンカテーテルが開示されている。このバルーンカテーテルでは、バルーンが、シースにより覆われた状態で生体管腔内に挿入され、病変部に到達したところで、シースを後退させてバルーンを露出させている。このようなシースを使用すれば、薬剤が塗布されたバルーンに術者が触れるのを防止できると共に、病変部への送達途中にバルーンに塗布された薬剤と血管等の生体管腔の内壁とがこすれることにより薬剤が剥離することを防止できると期待される。
このような目的に、ガイドワイヤ挿通用のルーメンがカテーテルの先端部にのみ形成された、いわゆるラピッドエクスチェンジ(Rapid-exchange)型のカテーテルが使用される。特許文献1のバルーンカテーテルにおいては、シースの途中に軸方向に長尺な開口部を設けることにより、ラピッドエクスチェンジ型のカテーテルとしての使用を可能にしている。つまり、シャフトの先端側の先端側開口部から挿入されたガイドワイヤは、シャフトの側壁に設けられた基端側開口部を通り、さらに基端側開口部と重なる位置にあるシースの長尺な開口部を通って、シース内外を貫通することができるため、容易にカテーテルの差し替えをすることができる。
特開2011−120802号公報
しかしながら、シースは、バルーンカテーテルに固定されることなく、バルーンの外周部に被せられていたので、シャフトに対して相対的に移動しやすいものであった。このため、シースが周方向に回転することによって、カテーテルの側壁に設けられた基端側開口部とシースの長尺な開口部との位置がずれてしまうことがあった。このような基端側開口部と長尺な開口部とが重なっていた位置からの両者の位置ずれが起こると、シャフトの先端側開口部から挿入されたガイドワイヤがシース自体によってその進行が妨げられ、シースの外側に出ることができないという問題が生じる。術中に上記のような問題が生じると、シャフトの先端側開口部とシースの長尺な開口部との位置が重なるようにシースを回転させる必要があり、操作が煩雑となり手技時間が増加し、結果として患者への負担が増加する。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、ガイドワイヤの挿通が容易であり、手技時間の短縮が可能なバルーンカテーテルシステムおよびステントデリバリーシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るバルーンカテーテルシステムは、先端部に先端開口部が形成された長尺のシャフトおよびシャフトの基端部に設けられたハブを有するカテーテル本体と、シャフトの先端側外周部に設けられた拡張可能なバルーンと、バルーンより基端側でハブより先端側の位置においてシャフトの側壁に形成された側部開口部の近傍からシャフトの外方に突出した突起部と、シャフト内に形成され、先端開口部から側部開口部まで延在するガイドワイヤ用ルーメンと、バルーンの外表面を覆い、シャフトに対して軸方向に相対的に移動可能で、先端部に先端開口部が設けられると共に、その外周部に軸方向に延在するスリット状の開口部が設けられている筒状の保護スリーブとを備え、突起部がスリット状の開口部に挿入され、シャフトに対する保護スリーブの軸方向の移動が許容されつつ、周方向の回転が規制され、保護スリーブをシャフトに対して相対的に後退させることにより、保護スリーブによって覆われていたバルーンが露出する。
この場合、好ましくは、シャフトに対する保護スリーブの軸方向への移動を規制する取り外し可能な規制部材がシャフトの基端側外周部に設けられる。
また、好ましくは、突起部がシャフトの側壁から基端側に向かって斜めに突出している。
また、好ましくは、保護スリーブの先端に、保護スリーブの先端開口部の外径が基端側から先端側に向かって漸減するテーパ部が設けられている。
また、好ましくは、シャフトの先端から側部開口部までの軸方向距離は、保護スリーブの最先端からスリット状の開口部の基端部までの軸方向距離以下であり、且つ、シャフトの先端からバルーンの基端までの軸方向距離は、保護スリーブに設けたスリット状の開口部の軸方向距離以下である。
また、好ましくは、バルーンの外表面に形成された、少なくとも1種以上の生物学的生理活性物質を含む薬剤コート層を有する。
この発明に係るバルーンカテーテルシステムは、上記バルーンカテーテルシステムと、バルーンカテーテルシステム中のバルーンの外周に装着されたステントとを有する。
また、好ましくは、ステントの外表面に形成された、少なくとも1種以上の生物学的生理活性物質を含む薬剤コート層を有する。
本発明によれば、シャフトの外方に突出した突起部が保護スリーブのスリット状の開口部に挿入されることにより、保護スリーブの周方向の回転を抑制するので、ガイドワイヤの挿通が容易となり、手技時間の短縮が可能となる。
この発明の実施の形態1に係るバルーンカテーテルシステムの全体構造を示す一部省略断面図である。 保護スリーブロック部材の全体構造を示す斜視図である。 保護スリーブに形成されたスリット状の開口部およびその周辺部を拡大した一部省略平面図である。 実施の形態1に係るバルーンカテーテルシステムの使用時の様子を示し、(A)はバルーンカテーテルシステムが挿入された血管の部分断面図、(B)は保護スリーブを後退させバルーンが露出したときの血管の部分断面図、(C)はバルーンを拡張したときの血管の部分断面図である。 (A)〜(D)は突起部の形状を示す斜視図である。 保護スリーブの変形例を示す断面図である。 この発明の実施の形態2に係るステントデリバリーシステムの全体構造を示す一部省略断面図である。 実施の形態2に係るステントデリバリーシステムの使用時の様子を示し、(A)はステントデリバリーシステムが挿入された血管の部分断面図、(B)は保護スリーブを後退させバルーンが露出したときの血管の部分断面図、(C)はバルーンを拡張したときの血管の部分断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に実施の形態1に係るバルーンカテーテルシステム10の全体構造を示す。図1においては、理解の容易のために、バルーンカテーテルシステム10の一部を断面で示すと共にその途中部分を省略し、バルーンカテーテルシステム10の先端側を図1の上側に、基端側を図1の下側に示す。なお、先端とは、使用の際に血管内に挿入される側に位置する端部を示し、基端とは、使用の際にバルーンカテーテルシステム10を操作する術者側に位置する端部を示す。
バルーンカテーテルシステム10は、長尺なシャフト12およびハブ14を有するカテーテル本体16と、シャフト12の外方に突出した突起部18と、シャフト12の先端側外周部に設けられたバルーン22と、バルーン22の外表面に設けられた薬剤コート層24と、バルーン22の外表面を覆い、その外周部に軸方向に延在するスリット状の開口部50を有する保護スリーブ26とを備える。
シャフト12は、病変部の治療の際に血管、胆管、気管、食道、尿道等の生体管腔内に挿入されるもので、ガイドワイヤGが挿通されるガイドワイヤ用ルーメン28を内部に形成した内管30と、内管30を内部に収容する外管32とを有する二重管である。
内管30は、バルーン22および外管32内を延在し、その基端が屈曲して外管32の長手方向の途中部位に形成された側部開口部34に接合されている。ガイドワイヤGは、内管30の先端部に形成された先端開口部36を入り口として挿入され、内管30のガイドワイヤ用ルーメン28を先端側から基端側へと挿通し、出口である側部開口部34から導出される。
外管32は、バルーン22の後端とハブ14の先端とを連結するように軸方向に延在する可撓性を有する管状部材である。外管32の先端からは、内管30が突出している。内管30と外管32との間には、中空円筒状に軸方向に延在し、バルーン22の内部と連通する隙間38が形成されている。この隙間38は、バルーン22の拡張用流体を供給するための流路として機能する。
内管30は、例えば、外径が0.1〜1.0mm程度、好ましくは0.3〜0.7mm程度であり、肉厚が10〜150μm程度、好ましくは20〜100μm程度であり、長さが100〜2000mm程度、好ましくは150〜1500mm程度のチューブであり、先端側と基端側とで外径や内径が異なるものでもよい。
外管32は、例えば、外径が0.3〜3.0mm程度、好ましくは0.5〜1.5mm程度であり、肉厚が約10〜150μm程度、好ましくは20〜100μm程度、長さが300〜2000mm程度、好ましくは700〜1600mm程度のチューブであり、先端側と基端側とで外径や内径が異なるものでもよい。
ハブ14はシャフト12の基端部に配置され、ハブ14にはバルーン拡張ポート40が設けられている。バルーン拡張ポート40は、ハブ14および外管32のルーメンを介して、隙間38に連通している。
バルーン拡張ポート40は、図示しないインデフレータ等の拡張用流体供給手段を接続可能である。バルーン拡張ポート40に拡張用流体供給手段を接続し、拡張用流体供給手段を作動させることで、拡張用流体供給手段から拡張用流体をハブ14および外管32を介してバルーン22まで送液可能となる。
また、シャフト12には、ハブ14の近傍に、保護スリーブ26を引いて後退させる際の目標ライン42が表示されている。
突起部18は、シャフト12の側部開口部34に接合された内管30の基端に一体に連結されて、側部開口部34の縁部からシャフト12の外方で基端側に向かって斜めに突出した筒状体であり、その先端に開口部20を有する。突起部18は、保護スリーブ26の外周部に形成された軸方向に延在するスリット状の開口部50に差し込まれている。側部開口部34から導出されたガイドワイヤGは、突起部18の先端の開口部20を通って、保護スリーブ26の外側に導出される。なお、突起部18の先端部は、保護スリーブ26の外周部より外側に突出している。
バルーン22は、内圧の変化により折り畳み(収縮)および拡張が可能に構成されており、隙間38を介して内部に注入される拡張用流体により筒状(円筒状)に拡張する筒部22aと、筒部22aの先端側で漸次縮径する先端テーパ部22bと、筒部22aの基端側で漸次縮径する基端テーパ部22cとを有する。
バルーン22は、先端テーパ部22bの先端側に設けられた円筒状の先端側非拡張部44が内管30の外周面に接合され、基端テーパ部22cの基端側に設けられた円筒状の基端側非拡張部46が外管32の先端部に接合されることで、シャフト12に固着されている。先端側非拡張部44の内径は、内管30の外径に略一致しており、基端側非拡張部46の外径は、外管32の外径に略一致している。バルーン22と内管30および外管32とは、例えば接着や熱融着によって接合される。
バルーン22の拡張時の大きさは、例えば、筒部22aの外径が1〜10mm程度、好ましくは1〜7mm程度であり、長さが5〜350mm程度、好ましくは5〜300mm程度である。また、先端側非拡張部44の外径は、0.5〜1.5mm程度、好ましくは0.6〜1.3mm程度であり、長さは1〜5mm程度、好ましくは1〜2mm程度である。基端側非拡張部46の外径は0.5〜1.6mm程度、好ましくは0.7〜1.5mm程度であり、長さは1〜5mm程度、好ましくは2〜4mm程度である。さらに先端テーパ部22bおよび基端テーパ部22cの長さは1〜10mm程度、好ましくは3〜7mm程度である。
薬剤コート層24は、少なくとも1種以上の生物学的生理活性物質を含む層である。薬剤コート層24は、筒部22aの全周に渡ってまたはその少なくとも一部に設けられる。
薬剤コート層24に含まれる生物学的生理活性物質は、生体管腔内の狭窄部を治療した部位に付着させることで再狭窄を抑制する効果を有するものであれば特に限定されず、具体的には、例えば、抗癌剤、免疫抑制剤、抗生物質、抗リウマチ剤、抗血栓薬、抗高脂血症薬、ACE阻害剤、カルシウム拮抗剤、インテグリン阻害薬、抗アレルギー剤、抗酸化剤、GPIIbIIIa拮抗薬、レチノイド、フラボノイド、カロチノイド、脂質改善薬、DNA合成阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、抗血小板薬、血管平滑筋増殖抑制薬、抗炎症剤、生体由来材料、インターフェロン、NO産生促進物質等が挙げられる。
保護スリーブ26は、シャフト12を収容する長尺で可撓性を有する管状部材であり、バルーン22を覆うと共に、シャフト12に沿ってシャフト12の基端側まで延在している。保護スリーブ26は、シャフト12に対して基端側にスライド(変位)可能である。つまり、保護スリーブ26は、バルーン22を覆うことができる位置から、バルーン22を露出させることができる位置まで、シャフト12に対して相対的に移動可能である。
図1に示すように、初期状態において、保護スリーブ26の先端は、バルーン22の外表面に塗布された薬剤コート層24の先端よりも先端側にある。すなわち、初期状態において、薬剤コート層24は保護スリーブ26によって完全に覆われており、保護スリーブ26の外部と接触することはない。よって、バルーン22の外表面に塗布された薬剤コート層24が適切に保護される。
保護スリーブ26には、先端部に先端開口部48が設けられると共に、先端開口部48の基端側でその外周部には軸方向に延在するスリット状の開口部50が設けられている。スリット状の開口部50は、保護スリーブ26を貫通して軸方向に延びる長孔であり、保護スリーブ26の途中に形成されている。側部開口部34から導出されたガイドワイヤGは、このスリット状の開口部50を介して保護スリーブ26の外部へとさらに導出される。
保護スリーブ26の基端には、操作用つまみ52が設けられている。操作用つまみ52は、シャフト12が挿通されたリング形状を有し、術者が手指で把持して基端方向に引く操作をし易いように、保護スリーブ26の外径よりも大きい外径を有する。術者が操作用つまみ52を手指で把持することにより、保護スリーブ26を容易にスライド操作することができる。
なお、図1に示されるようにバルーン22が保護スリーブ26の内部に収容されている状態において、操作用つまみ52の位置とシャフト12に設けられた目標ライン42の位置との間の距離Lは、ほぼバルーン22の長さ以上の値に予め設定されているものとする。
シャフト12の基端側外周部には、操作用つまみ52と当接する取り外し可能な保護スリーブロック部材54が設けられている。保護スリーブロック部材54は、保護スリーブ26を移動させる前の初期段階では、操作用つまみ52と当接する位置に配置され、保護スリーブ26のズレや保護スリーブ26の誤移動を防止する役割を果たす。保護スリーブ26を移動させる際には、保護スリーブロック部材54をシャフト12から取り外す。
なお、保護スリーブロック部材54は、保護スリーブ26のシャフト12の軸方向への移動を規制する取り外し可能な規制部材に相当する。
図2に、保護スリーブロック部材54の全体構造を示す斜視図を示す。保護スリーブロック部材54は、その周方向の一部に切欠部を備えた断面略C字形状のロック部56と、ロック部56と結合する取り外し用つまみ部58とを有する。シャフト12をロック部56の切欠部を通ってC字形状部分の内側に配置することにより、ロック部56が自ら有する弾性力によりシャフト12を挟み込むように押圧し、この押圧力により保護スリーブロック部材54がシャフト12の外周部上に固定される。取り外し用つまみ部58は、術者が手指で把持する部分であり、保護スリーブロック部材54をシャフト12から取り外す操作を容易にする。図1の紙面上、上方向に保護スリーブロック部材54を引っ張ることにより、保護スリーブロック部材54をシャフト12から取り外すことができる。
なお、上記内管30および外管32は、術者が基端側を把持および操作しながら、長尺なシャフト12を血管等の生体管腔内へと円滑に挿通させることができるために、適度な可撓性と適度な強度(コシ。剛性)を有することが好ましい。そこで、内管30および外管32の形成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、またはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料またはこれらの混合物などが挙げられる。
上記ハブ14の形成材料は特に限定されないが、比較的硬質の樹脂材料、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)が挙げられる。
上記突起部18の形成材料は特に制限されないが、上述した内管30および外管32の構成材料が挙げられる。
上記バルーン22は、内管30および外管32と同様に適度な可撓性が必要とされるとともに、狭窄部を確実に押し広げることできる程度の強度が必要である。その材質は、例えば、上記にて例示した内管30および外管32の形成材料と同一でよく、或いは他の材質であってもよい。
上記保護スリーブ26の形成材料は特に限定されないが、例えば、上述した内管30および外管32の構成材料として例示したものから選択した少なくとも一種以上の材料を採用し得る。
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
バルーンカテーテルシステム10を用いて冠動脈内等に発生した狭窄部の治療を行う場合、まず、病変部である狭窄部の形態を、血管内造影法や血管内超音波診断法により特定する。次に、例えばセルジンガー法によって大腿部等から経皮的に血管内にガイドワイヤを先行して導入するとともに、ガイドワイヤを先端開口部36からガイドワイヤ用ルーメン28に挿通させ、側部開口部34とスリット状の開口部50と突起部の18の開口部20とを通って保護スリーブ26の外方に導出し、バルーンカテーテルシステム10を血管内へと挿入する。ガイドワイヤを保護スリーブ26から導出する際、スリット状の開口部50に差し込まれた突起部18によって保護スリーブ26の周方向の回転が抑制されることにより、短時間にガイドワイヤをバルーンカテーテルシステム10に差し込むことができる。
以下に、図3を用いて、突起部18とスリット状の開口部50との関係を説明する。
図3は、スリット状の開口部50およびその周辺部を拡大した一部省略平面図であり、(A)は保護スリーブ26の移動前の初期状態の平面図である。
図3(A)に示すように、突起部18がスリット状の開口部50に差し込まれることにより、保護スリーブ26がシャフト12に対して周方向に回転しようとすると、突起部18がスリット状の開口部50の内壁と接触し、その動きを規制する。それにより、シャフト12の側部開口部34および突起部18の開口部20がスリット状の開口部50とシャフト12の周方向において重なった位置にあるため、ガイドワイヤがガイドワイヤ用ルーメン28とスリット状の開口部50と突起部18の開口部20とを通って容易に挿通し得る。
図4(A)に示すように、バルーンカテーテルシステム10をガイドワイヤに沿って血管60内に挿入させていくと、やがてバルーンカテーテルシステム10の先端が病変部(狭窄部)62を通過(貫通)するとともに、保護スリーブ26で包囲された状態のバルーン22が病変部62付近に配置される。なお、バルーン22の外表面に設けられた薬剤コート層24が保護スリーブ26によって覆われた状態でバルーンカテーテルシステム10の挿入が行われるので、病変部62に送達する途中で血管60内壁と薬剤コート層24との接触を防止または抑制することができ、薬剤コート層24の剥離が有効に防止される。
このようにバルーン22を病変部62に配置したら、保護スリーブロック部材54をシャフト12から取り外し、図4(B)に示すように、保護スリーブ26を基端方向に引っ張って(後退させ)、バルーン22を血管60内に露出させる。
以下、図3(B)を用いて、保護スリーブ26をシャフト12に対して後退させた際の、突起部18とスリット状の開口部50との位置関係について説明する。
図3(B)は、保護スリーブ26の移動後の一部省略平面図である。
保護スリーブ26をシャフト12に対して相対的に後退させる際、図3(A)に示すように、突起部18がスリット状の開口部50の基端側から、図3(B)に示すように、スリット状の開口部50の先端側に相対的に移動することにより、シャフト12に対する保護スリーブ26の軸方向の移動が許容される。このように、保護スリーブ26の可動範囲内での位置に関わらず、シャフト12の側部開口部34および突起部18の開口部20がスリット状の開口部50とシャフト12の周方向において重なった位置にあるように、設定されている。
また、図3(B)の状態からさらに保護スリーブ26を後退させようとすると、突起部18がスリット状の開口部50の先端側の内壁と接触し、その移動を規制する。つまり、突起部18は、保護スリーブ26が過剰に移動しすぎることを抑制する、過移動防止機構の役割も果たす。
こうしてバルーン22を血管60内に露出させたら、図示しない拡張用流体供給手段の作用下にバルーン22を拡張させて病変部62を内側から押し広げ、病変部62が生じた部分を拡張する(図4(C)参照)。このとき、バルーン22の外表面に設けられた薬剤コート層24が拡張された病変部62に押し付けられ、薬剤が病変部62へと付着する。上述したように、薬剤コート層24には、再狭窄を抑制する効果を有する生物学的生理活性物質が含まれている。従って、治療した部位が再狭窄することを抑制することができる。
図1に示した突起部18は、図5(A)に示すように、シャフト12の側部開口部34の縁部からシャフト12の外方で基端側に向かって斜めに突出した筒状体であるが、その形状は上記態様に限定されない。例えば、図5(B)に示すように、シャフト12の側部開口部34の縁部からシャフト12の軸方向に対して略垂直方向に向かって突出した筒状体である突起部18aであってもよい。また、図5(C)および(D)に示すように、側部開口部34の縁部の一部から突出する、湾曲板形状の突起部18bおよび18cであってもよい。突起部はシャフト12の側部開口部34の近傍で側部開口部34の先端側に設けられていてもよい。
なかでも、ガイドワイヤが突起部18の開口部20から基端側に出やすく、ガイドワイヤ自体の折れ曲がりをより抑制でき、操作性がより優れる点で、図5(A)に示す態様が好ましい。また、シャフト12の軸方向に対する突起部18の突出する角度は、突起部18の開口部20から導出されるガイドワイヤの折れ曲がりをより抑制できる点で、なるべく小さい方が好ましく、具体的には、5〜89度(より好ましくは5〜60度)程度が好ましい。
図1に示すバルーンカテーテルシステム10においては、シャフト12の先端から突起部18までの軸方向距離は、保護スリーブ26の最先端からスリット状の開口部50の基端部までの軸方向距離以下であり、かつ、シャフト12の先端からバルーン22の基端までの軸方向距離は、スリット状の開口部50の軸方向距離以下に設定される。該態様であれば、保護スリーブ26が移動前の初期状態においては保護スリーブ26によりバルーン22を覆うことができ、保護スリーブ26を後退させた状態においてはバルーン22を露出させることができる。
図1において、突起部18は保護スリーブ26の外側まで延設されるが、スリット状の開口部50に差し込まれ、スリット状の開口部50の内壁と当接することができる限り上記態様に限定されない。なかでも、シャフト12の軸方向に対して垂直方向の突起部18の高さHは、スリット状の開口部50が位置する保護スリーブ26の内径とシャフト12の外径との差より大きいことが好ましい。高さHが上記のような態様であれば、保護スリーブ26内におけるシャフト12の位置によらず、突起部18がスリット状の開口部50の内壁に当接できる。
また、突起部18の高さHは、血管内にバルーンカテーテルシステムが挿入された際に、血管壁に傷を付けない程度の高さであることが好ましい。具体的には、突起部18の保護スリーブ26から突出する部分の高さが、0.6mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることがより好ましい。
なお、保護スリーブ26の形態は図1の態様に限定されず、他の態様であってもよい。図6に、保護スリーブの変形例を示す。図6に示す保護スリーブ26aは、その先端に、先端開口部48の外径が基端側から先端側に向かって漸減するテーパ部64が設けられている。このようなテーパ部64を設けることにより、血管内においてバルーンカテーテルシステムの狭窄部までの移動が一層円滑になり、操作性も向上する。また保護スリーブ26はシャフト12よりもバルーン付近に配置される部分の径が大きく構成されていてもよい。
実施の形態2
上記の実施の形態1では、保護スリーブ26はバルーン22の外表面に設けられた薬剤コート層24を保護するために用いられたがこれに限るものではなく、図7に示されるステントデリバリーシステム200にも用いることができる。
ステントデリバリーシステム200は、上記実施の形態1に記載のバルーンカテーテルシステム10と、バルーンカテーテルシステム10中のバルーン22の外周に装着されたステント66とを有する。ステントデリバリーシステム200においては、上述したバルーンカテーテルシステム10と同様に、ステント66が装着されたバルーン22を覆うように保護スリーブ26が配置されている。よって、術者が誤ってステントに触れることを防止できると共に、ステントデリバリーシステム200を血管内に挿入する際に、血管壁面とステントとの接触を抑えることができ、ステントの位置ずれなどを抑制することができる。
図7に示すステントデリバリーシステム200は、ステント66を備える点を除いて、図1に示すバルーンカテーテルシステム10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、主としてステント66について説明する。
ステント66は、バルーン22の拡張力により拡張(塑性変形)する、いわゆるバルーンエクスパンダブルステントであり、バルーン22の外周に装着される。ステント66は、所定の金属線を網目状に形成して筒状にしたものや、金属線を波線状の環状体として形成したものを複数配置し、その間を適宜金属線で接続して筒状にしたもの、金属線をらせん状に巻回して筒状にしたもの等、公知の構成を適用可能である。ステント66を形成する金属線の材質としては、生体適合性を有する金属が好ましく、例えば、ステンレス鋼、タンタル(タンタル合金)、プラチナ(プラチナ合金)、金(金合金)、コバルトベース合金、コバルトクロム合金、チタン合金、ニオブ合金等が挙げられる。
次に、この実施の形態2の動作について説明する。
ステントデリバリーシステム200の使用方法は、上述したバルーンカテーテルシステム10と略同じであり、まず、保護スリーブ26で包囲された状態のバルーン22が病変部62付近に配置されるまで、ガイドワイヤに沿ってステントデリバリーシステム200を血管内に挿入する(図8(A)参照)。
バルーン22を病変部62付近に配置したら、保護スリーブロック部材54をシャフト12から取り外し、図8(B)に示すように、保護スリーブ26を基端方向に引っ張って、バルーン22を血管60内に露出させる。
次に、図示しない拡張用流体供給手段の作用下にバルーン22を拡張させてステント62を拡径させることにより、病変部62を内側から押し広げ、ステント66を血管内に固定する。
なお、ステントデリバリーシステム200は図7の態様に限定されず、例えば、ステント66の表面には上述した薬剤コート層が塗布されていてもよい。ステント66上に薬剤コート層が設けられることにより、DES(Drug Eluting Stent)と称される薬剤溶出タイプのステントとして使用することができる。
10 バルーンカテーテルシステム
12 シャフト
14 ハブ
16 カテーテル本体
18,18a、18b,18c 突起部
20 開口部
22 バルーン
24 薬剤コート層
26,26a 保護スリーブ
28 ガイドワイヤ用ルーメン
30 内管
32 外管
34 側部開口部
36 先端開口部
38 隙間
40 バルーン拡張ポート
42 目標ライン
44 先端側非拡張部
46 基端側非拡張部
48 先端開口部
50 スリット状の開口部
52 操作用つまみ
54 保護スリーブロック部材
56 ロック部
58 取り外し用つまみ部
60 血管
62 病変部
64 テーパ部
66 ステント
200 ステントデリバリーシステム

Claims (8)

  1. 先端部に先端開口部が形成された長尺のシャフトおよび前記シャフトの基端部に設けられたハブを有するカテーテル本体と、
    前記シャフトの先端側外周部に設けられた拡張可能なバルーンと、
    前記バルーンより基端側で前記ハブより先端側の位置において前記シャフトの側壁に形成された側部開口部の近傍から前記シャフトの外方に突出した突起部と、
    前記シャフト内に形成され、前記先端開口部から前記側部開口部まで延在するガイドワイヤ用ルーメンと、
    前記バルーンの外表面を覆い、前記シャフトに対して軸方向に相対的に移動可能で、先端部に先端開口部が設けられると共に、その外周部に軸方向に延在するスリット状の開口部が設けられている筒状の保護スリーブとを備え、
    前記突起部が前記スリット状の開口部に挿入され、前記シャフトに対する前記保護スリーブの軸方向の移動が許容されつつ、周方向の回転が規制され、
    前記保護スリーブを前記シャフトに対して相対的に後退させることにより、前記保護スリーブによって覆われていた前記バルーンが露出する、バルーンカテーテルシステム。
  2. 前記シャフトに対する前記保護スリーブの軸方向への移動を規制する取り外し可能な規制部材が前記シャフトの基端側外周部に設けられた、請求項1に記載のバルーンカテーテルシステム。
  3. 前記突起部が、前記シャフトの側壁から基端側に向かって斜めに突出している、請求項1または2に記載のバルーンカテーテルシステム。
  4. 前記保護スリーブの先端に、前記保護スリーブの先端開口部の外径が基端側から先端側に向かって漸減するテーパ部が設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載のバルーンカテーテルシステム。
  5. 前記シャフトの先端から前記側部開口部までの軸方向距離は、前記保護スリーブの最先端から前記スリット状の開口部の基端部までの軸方向距離以下であり、且つ、前記シャフトの先端から前記バルーンの基端までの軸方向距離は、前記保護スリーブに設けた前記スリット状の開口部の軸方向距離以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のバルーンカテーテルシステム。
  6. 前記バルーンの外表面に形成された、少なくとも1種以上の生物学的生理活性物質を含む薬剤コート層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のバルーンカテーテルシステム。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のバルーンカテーテルシステムと、
    前記バルーンカテーテルシステム中の前記バルーンの外周に装着されたステントとを有するステントデリバリーシステム。
  8. 前記ステントの外表面に形成された、少なくとも1種以上の生物学的生理活性物質を含む薬剤コート層を有する、請求項7に記載のステントデリバリーシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111905237A (zh) * 2020-09-07 2020-11-10 上海市第一人民医院 一种ercp辅助胆管超选装置

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