JP2013222821A - 電子部品の実装システム - Google Patents

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Abstract

【課題】二つのレーン1、2を平行に隣接させ、両レーン1、2の隣接領域を干渉領域Aとする第1、第2部品実装ヘッド30、40をそれぞれのレーン1、2に設けた設備において、第1、第2部品実装ヘッド30、40同士の干渉を防止しつつ、全体のタクトタイムを向上させること。
【解決手段】第1レーン1及び第2レーン2ごとに第1、第2部品実装ヘッド30、40を設ける。第1、第2部品実装ヘッド30、40は、レーン1、2の実装エリアMAにて、対応するレーンに搬送された基板Pにそれぞれ電子部品を個別に実装する。記憶部102には、第1、第2部品実装ヘッド30、40が実行するタスクごとに、対応する部品実装ヘッドの可動範囲が記憶されている。一方の部品実装ヘッド30(40)は、相手方(第2部品実装ヘッド40)が電子部品の実装を停止している運転状況では、干渉領域Aに最も多く進入するタスクを優先的に選択する(ステップS27)。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子部品の実装システムに関する。
部品装着ヘッドは、電子部品を予め設定された実装エリアに固定されている基板に実装する装置である。近年では、同一の基板に対し、複数の部品実装ヘッドを同時に、或いは交互にアクセスさせて、効率化を図る技術が知られている。同一の基板に対し、複数の部品実装ヘッドを並行してアクセスさせる場合、基板には、各部品実装ヘッドが何れも進入可能な領域(干渉領域)ができる。この干渉領域で部品実装ヘッドが衝突することを回避するためには、複数の部品実装ヘッドのうち、1つの部品実装ヘッドが干渉領域に入ることができるように優先権(優先的に干渉領域に進入して部品実装作業をする権限をいう。以下、同様。)を与える一方、他方の部品実装ヘッドが干渉領域に入ることを禁止することが必要となる。しかし、単純に複数の部品実装ヘッドに優劣を与えて干渉領域への進入を制限すれば、優先権のない部品実装ヘッドの待ち時間が長くなり、処理効率は、低下する。そこで、干渉を規制しつつ、タクトタイムの短縮を図る技術が、これまで提案されてきた。
例えば、本件出願人が先に提案した特許文献1には、干渉領域が狭くなるように、1つの部品実装ヘッドが1つの部品の実装動作を終了するたびに干渉領域を動的に再計算する技術が提案されている。この方法では、部品の実装が進行するたびに、干渉領域が動的に再計算され、狭く設定されるので、複数の部品実装ヘッドが同時に同一の基板にアクセスする機会を増やすことができ、干渉を防止しつつ、全体のタクトタイムを短縮することが可能となる。
また、本件出願人が先に提案した別の特許文献2には、一方の部品実装ヘッドが最も干渉度の高い干渉領域で部品実装作業をしている間、他方の部品実装ヘッドが、干渉を回避可能な別の座標を割り当てて並行作業の機会を確保する方法が開示されている。双方の部品実装ヘッドには、干渉度の高い干渉領域で優先権が交互に与えられる。優先権が与えられた部品実装ヘッドは、干渉度の高い干渉領域での作業から順に完了するようになっている。そのため、特許文献2の方法においても、部品の実装が進むにつれて干渉する可能性が低くなり、その分、双方の部品実装ヘッドが同時に同一の基板上で部品を実装することができる機会が増えるので、干渉を防止しつつ、全体のタクトタイムを短縮することが可能となる。
特許文献1、2に開示されている先行技術は、何れも、同一の基板に複数の部品実装ヘッドをアクセスさせて、部品の実装を並行処理するものであった。そのため、部品実装ヘッドの実装タイミングは、原則、ずれることはない。従って、複数の部品実装ヘッドのセットに、基板ごとに適合した組み合わせを設定しておけば、好適な実装順序で干渉回避と全部品実装作業において並行作業が占める割合を高めることが可能となっていた。
特開2011−23616号公報 特開2011−124357号公報
上述のように、特許文献1、2に開示されている各先行技術では、複数の部品実装ヘッドに対し、交互に優先権を与えて干渉度の高い領域で部品を実装させることを前提としている。
しかしながら、近年では、互いに平行に隣接し、それぞれが個別に基板を搬送する一対のレーンが設けられたデュアルレーン方式の需要が高まっている。デュアルレーン方式では、それぞれのレーンごとに部品実装ヘッドが設けられている。各部品実装ヘッドが電子部品を実装する実装エリアの一部は、各部品実装ヘッドが何れも進入できるように重複している。この実装エリアの重複部分には、各部品実装ヘッドが干渉し得る干渉領域が設定されている。
デュアルレーン方式の設備においては、一方のレーンと他方のレーンとの間で、基板が搬送されるタイミングがまちまちになる場合が多い。そのため、優先権が与えられた方の部品実装ヘッドと、優先権がない方の部品実装ヘッドとの間で、電子部品を実装するシーケンス(実装シーケンス)の組み合わせが狂ってしまうおそれがある。その結果、デュアルレーン方式の設備に上述した先行技術を採用したとしても、実装シーケンスが整合しない場合には、タクトタイムが長くなり、却って処理効率が低下するおそれがあった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、二つのレーンを平行に隣接させ、両レーンの隣接領域を干渉領域とする部品実装ヘッドをそれぞれのレーンに設けた設備において、部品実装ヘッド同士の干渉を防止しつつ、全体のタクトタイムを向上させることのできる電子部品の実装システムを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、互いに平行に隣接して設置されて対をなし、それぞれが個別に基板を搬送する第1レーン及び第2レーンと、前記第1レーンに設けられ、当該第1レーンに搬送された基板を停止させて、電子部品を実装するための第1実装エリアと、前記第2レーンに設けられ、当該第2レーンに搬送された基板を停止させて、電子部品を実装するための第2実装エリアと、前記第1レーンに設けられ、当該第1実装エリアに停止した基板に電子部品を実装する第1部品実装ヘッドと、前記第2レーンに設けられ、当該第2実装エリアに停止した基板に電子部品を実装する第2部品実装ヘッドと、前記第1部品実装ヘッド及び第2部品実装ヘッドが電子部品をピックアップしてから対応するレーン上の基板にピックアップされた前記電子部品を実装するまでの動作を一単位とするタスクに関する情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記第1部品実装ヘッドに割り当てられる複数のタスクの順番と、前記第2部品実装ヘッドに割り当てられる複数のタスクの順番とをそれぞれ実装シーケンスとして制御する制御手段とを備え、前記第1実装エリア及び第2実装エリアは、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドとが何れも進入できるように一部が重複しているとともに、両実装エリアが重複する部分には、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドとが干渉し得る干渉領域が設定されるものであり、前記記憶部は、前記第1部品実装ヘッドの可動範囲と前記第2部品実装ヘッドの可動範囲とを対応する前記タスクごとに記憶するものであり、前記制御手段は、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか一方の実装シーケンスを決定する場合において、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか他方が電子部品の実装を停止している運転状況では、当該一方の部品実装ヘッドに対し、前記干渉領域に最も多く進入するタスクを優先的に選択するものであることを特徴とする電子部品の実装システムである。この態様では、二つのレーンを平行に隣接させ、両レーンの実装エリアにて、それぞれのレーンに設けた部品実装ヘッドが稼動され、同時並行的に電子部品を基板に実装する。各部品実装ヘッドの実装シーケンスは、制御手段により制御される。制御手段は、例えば、第1部品実装ヘッドの実装シーケンスを決定する場合において、第2部品実装ヘッドが停止している運転状況では、第1部品実装ヘッドが最も多く干渉領域に進入するタスクを優先的に選択する。同様に、第2部品実装ヘッドの実装シーケンスを決定する場合において、第1部品実装ヘッドが停止している運転状況では、第2部品実装ヘッドが最も多く干渉領域に進入するタスクを優先的に選択する。このように、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドが実行する部品実装作業のタイミングが異なっている場合に、干渉の恐れがない運転状況においては、干渉領域に最も多く進入する必要のあるタスクから順に電子部品が実装される。従って、実装作業が進行するにつれて、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか他方と干渉する可能性が低くなる。よって、全部品実装作業における並行作業の占める割合を高めてタクトタイムの短縮を図ることが可能となる。
好ましい態様に係る電子部品の実装システムにおいて、前記制御手段は、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか一方の実装シーケンスを決定する場合において、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか他方が電子部品の実装を停止している運転状況では、未実装のタスクのうち、当該タスクが割り当てられた部品実装ヘッドが前記干渉領域に進入する必要があるものの中で、当該干渉領域に進入する度合に応じて当該実装シーケンスの入替の優先度を定める入替優先度が最も高いタスクから順に実行すべきタスクを割り当てるものである。この態様では、例えば、制御手段が第1部品実装ヘッドの実装シーケンスを決定する場合において、第2部品実装ヘッドが電子部品の実装を停止しているときは、第1部品実装ヘッドが実行すべきタスクのうち、入替優先度が最も高いタスクから順に処理されるように、実装シーケンスが決定される。同様に、制御手段が第2部品実装ヘッドの実装シーケンスを決定する場合において、第1部品実装ヘッドが電子部品の実装を停止しているときは、第2部品実装ヘッド40が実行すべきタスクのうち、入替優先度が最も高いものから順に処理されるように、実装シーケンスが決定される。このように、入替優先度に基づいて実装シーケンスを決定することにより、複数のタスクからの選択が容易になり、処理が迅速になる。
好ましい態様に係る電子部品の実装システムにおいて、前記記憶部は、前記制御手段の制御に供する情報を格納する記憶領域を有し、前記記憶領域は、前記第1レーン及び第2レーンで同時に電子部品が実装される2枚の基板全体にわたって前記実装シーケンスを定めるシーケンス番号に関する値を保存する項目と、前記タスクのうち、当該タスクが割り当てられた部品実装ヘッドが前記干渉領域に進入する必要があるものを識別する影響フラグに関する値を保存する項目と、前記入替優先度に関する値を保存する項目とを含むものである。この態様では、制御手段が、例えば、第1部品実装ヘッドの実装シーケンスを決定する場合において、第2部品実装ヘッドが電子部品の実装を停止しているときに、第1部品実装ヘッドに対し、前記干渉領域に最も多く進入するタスクを優先的に選択する際は、記憶領域に設定された実装シーケンスの入替の優先度を定める項目の値に基づいて、当該タスクを優先的に選択することができる。第2部品実装ヘッドの実装シーケンスを決定する場合において、第1部品実装ヘッドが電子部品の実装を停止しているときに、第2部品実装ヘッドに対し、前記干渉領域に最も多く進入するタスクを優先的に選択する際も同様である。従って、予め求めておいた情報を記憶領域に保持しておくことにより、実装シーケンスを変更するための演算処理が可及的に不要となり、迅速に実装シーケンスを変更することができる。この結果、電子部品の実装シーケンスを部品の実装作業中にリアルタイムで変更することができ、両部品実装ヘッドの運転状況に応じて好適な実装シーケンスを設定することが可能となる。
好ましい態様に係る電子部品の実装システムにおいて、前記記憶領域は、前記部品実装ヘッドが優先的に部品実装作業を実行する優先順位に関する値を保存する項目を含み、前記制御手段は、前記部品実装ヘッドが何れも稼動する運転状況では、前記優先順位に関する値に基づいて、前記実装シーケンスを定めるものである。この態様では、記憶部に記憶されている好適な実装シーケンスに基づいて、両部品実装ヘッドを稼動させることができるので、両部品実装ヘッドが並行して電子部品を実装する場合においても、部品実装作業全体に対して並行処理が占める割合を高めてタクトタイムの短縮を図ることが可能となる。
好ましい態様に係る電子部品の実装システムにおいて、前記記憶領域は、前記第1レーン及び第2レーンで同時に電子部品が実装される2枚の基板全体にわたって一意の順序を決定するように前記優先順位に関する値を記憶するものであり、前記制御手段は、前記一方の部品実装ヘッドが稼働中の場合に、停止していた前記他方の部品実装ヘッドが当該部品実装作業を再開するときは、前記優先順位に関する値に基づいて、当該他方の部品実装ヘッドから順に実装シーケンスを開始するものである。この態様では、例えば、第1部品実装ヘッドの稼働時に停止していた第2部品実装ヘッドが当該部品実装作業を再開する場合において、第2部品実装ヘッドの実装シーケンスを決定するときは、制御手段は、予め記憶部に記憶されている優先順位に基づいて、第2部品実装ヘッドから実装シーケンスを開始する。同様に、第2部品実装ヘッドの稼働時に停止していた第1部品実装ヘッドが当該部品実装作業を再開する場合において、第1部品実装ヘッドの実装シーケンスを決定するときは、制御手段は、予め記憶部に記憶されている優先順位に基づいて、第1部品実装ヘッドから実装シーケンスを開始する。従って、両部品実装ヘッドが並行作業をするために実装シーケンスを再設定する際に、当該実装シーケンスを変更するための演算処理が可及的に不要となり、迅速に実装シーケンスを変更することができる。この結果、電子部品の実装シーケンスを部品の実装作業中にリアルタイムで変更することができ、両部品実装ヘッドの運転状況に応じて好適な実装シーケンスを設定することが可能となる。しかも、実装シーケンスは、当該他方の部品実装ヘッドから開始されるので、開始が遅れている方の部品実装ヘッドに割り当てられたタスクが優先的に処理されることになる。この結果、実装シーケンスのずれを可及的に低減することも可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、干渉の恐れがない運転状況において、干渉領域に最も多く進入する必要のあるタスクから順に電子部品が実装されるので、実装作業が進行するにつれて、後続するタスクにおいて、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか他方と干渉する可能性が低くなる。よって、全部品実装作業における並行作業の占める割合を高めてタクトタイムの短縮を図ることが可能となるという顕著な効果を奏する。
本発明の実施の一形態に係る部品実装システム(電子部品の実装システムの一例)の概略構成を示す図であり、(A)は、平面略図、(B)は側断面略図である。 図1の実施形態に係る部品実装システムの概略構成を示すブロック図である。 図1の部品実装システムのデータ記憶手段に記憶されている記憶領域としてのデータベースの構造を示すエンティティレーションシップ図(ER図)である。 図3のER図に係る設定例を示すビュー表である。 図4に対応する部品実装位置を模式的に示す平面略図である。 実装シーケンスの設定例を示すフローチャートである。 図1の実施形態に係る部品実装作業の制御例を示すフローチャートである。 図4及び図5の設定に基づいて、図7を実行した場合の結果を一例として示すビュー表である。 図4及び図5の設定に基づいて、図7を実行した場合の別の結果を一例として示すビュー表である。 図9の例に基づく実装シーケンスを模式的に示す平面略図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について説明する。
図1に示す部品実装システム10は、二つの一組の第1、第2実装ユニットUA、UBを備えたデュアルレーン方式のものである。第1、第2実装ユニットUA、UB(図2参照)は、矩形の基台11の上に2本のレーン1、2(第1、第2レーン)ごとに設けられている。以下の説明では、レーン1、2と平行な水平方向をX軸方向、このX軸方向と直交する水平方向をY軸方向、垂直方向をZ軸方向とする。また、X軸方向の一端(図1(A)の右側)から他端側(図1(A)の左側)を仮に基板搬送方向とし、Y軸方向の一端側(図1(A)の下側)を仮に前方とする。
各レーン1、2は、第1、第2基板搬送装置12、14によって具体化されている。第1、第2基板搬送装置12、14は、互いに平行な一対のベルト式コンベア12a、14a、12b、14bと、図外の搬送用モータと、搬送用モータの動力を伝達する伝動機構等とを備えている。両コンベア12a、14a、12b、14bを同期させて駆動することにより、第1、第2基板搬送装置12、14は、プリント基板Pの両側辺部を支持しつつ、このプリント基板Pを基板搬送方向に搬送するとともに、図略の基板停止装置で、図1(A)(B)に示す実装エリアMAにプリント基板Pを一時停止させ、この実装エリアMAでプリント基板Pを保持した上で電子部品の搭載作業が行われるようになっている。第1、第2基板搬送装置12、14により搬入されたプリント基板Pを実装エリアMAに停止させるため、両コンベア12a、14a、12b、14bの内側の所定箇所には、基板停止装置として図略のストッパが設けられている。このストッパは、両コンベア12a、14a、12b、14b上に突出する状態と両コンベア12a、14a、12b、14bの下方に没入する状態とに変位可能とされ、シリンダ等からなるストッパ駆動部16(図2参照)により駆動されるようになっている。さらに実装エリアMAには、ストッパにより停止させられたプリント基板Pを第1、第2基板搬送装置12、14から浮かせて保持するためのプッシュアップピン等からなる基板保持装置(図示せず)が配設され、上記ストッパと基板保持装置とで基板位置決め装置が構成されている。
基台11は、平面視矩形の構造体である。基台11の中央部には、実装エリアMAが、第1、第2実装ユニットUA、UBごとに設定される。実装エリアMAは、後述する第1、第2部品実装ヘッド30、40が電子部品を実装する領域(範囲)である。また、両実装エリアMAが前後に隣接するY軸方向中央部分には、X軸方向に沿う中心線を軸にして対称に設定される干渉領域Aが設定される。干渉領域Aは、後述する第1、第2部品実装ヘッド30、40が何れも進入可能なエリアである。
基台11には、第1、第2実装ユニットUA、UBごとに、対応する第1、第2基板搬送装置12、14の両側方に配置された図略の部品供給部が設けられている。部品供給部は、多数列のテープフィーダを備えている。各テープフィーダは、IC、トランジスタ、コンデンサ等の電子部品を所定間隔おきに収納、保持したテープをリールから部品取出し部へ導出し、後述する第1、第2部品実装ヘッド30、40により部品がピップアップされるにつれてラチェット式の繰出し機構によりテープを間欠的に繰り出すようになっている。
また、基台11には、X軸方向に沿って対向する一対の構造体20が設けられている。構造体20は、基台11の四隅に立設される脚部21と、脚部21をY軸方向に沿って繋ぐ梁部22とを備えたゲート型に形成されている。各梁部22の上面には、Y軸レール21aが敷設されている。両Y軸レール21aは、Y軸方向に沿って前後に横架されている。両Y軸レール21aは、第1、第2実装ユニットUA、UBごとに設けられた一対のXビーム23、24の端部をそれぞれガイドしている。Xビーム23、24は、X軸方向に沿って延びている。また、Xビーム23、24は、レーン1、2ごとに1つずつ設けられている。それぞれのXビーム23、24は、スライダ23a、24aを介してY軸レール21aに連結されている。また、一方のXビーム23のスライダ23aには、他方のXビーム24のスライダ24aに対向するダンパ23bが設けられている。ダンパ23bは、両Xビーム23、24が近接したときに、両スライダ23a、24a間に介在し、両Xビーム23、24が当接するのを規制する。
第1、第2実装ユニットUA、UBには、対応するXビーム23、24を駆動するY軸サーボモータ25(図2参照)を備えている。Y軸サーボモータ25(図2参照)は、各梁部22に1つずつ設けられている。各Y軸サーボモータ25(図2参照)は、対応するXビーム23、24を前後に往復駆動できるようになっている。
各Xビーム23、24が前後に対向する面には、それぞれ図略のX軸レールが設けられている。各X軸レールには、第1、第2実装ユニットUA、UBごとに第1、第2部品実装ヘッド30、40が取り付けられている。また、各Xビーム23、24には、対応する第1、第2部品実装ヘッド30、40をX軸方向に沿って駆動するX軸サーボモータ26が設けられている。
上述したサーボモータ25、26等は、本実施形態において、次に説明する第1、第2部品実装ヘッド30、40を駆動する駆動機構を構成している。この駆動機構により、第1、第2部品実装ヘッド30、40は、X軸方向、Y軸方向に沿って基台11の略中央部分に設定される平面上を移動し、図略の部品供給部から電子部品をピックアップして上記実装エリアMAにあるプリント基板Pに装着することができるようになっている。
第1、第2部品実装ヘッド30、40には、1又は複数の吸着ノズル31、41が昇降及び回転可能に設けられる。また、図2に示すように、第1、第2部品実装ヘッド30、40には、吸着ノズル31、41を昇降させるZ軸サーボモータ27及び吸着ノズルを回転させるR軸サーボモータ28がそれぞれ装備されている。
次に、プリント基板Pが実装エリアMAに停止したときにそのプリント基板Pの特定部位を上方から撮像する定置式撮像手段として、第1基板カメラ61(第1のカメラ)及び第2基板カメラ62(第2のカメラ)が、第1、第2実装ユニットUA、UBごとに基台11の定位置から吊り下げられている。第1基板カメラ61は、プリント基板Pが実装エリアMAに停止したときにその下流コーナー部を撮像し得る位置に、また、第2基板カメラ62は、プリント基板Pが実装エリアMAに停止したときにその一側辺の中間部を撮像し得る位置に、それぞれ配置されている。
第1、第2実装ユニットUA、UBには、それぞれ基台11上に部品認識用のカメラ63が装備されている。カメラ63は、第1、第2部品実装ヘッド30、40による部品実装後に当該吸着部品を撮像する。このカメラ63の撮像した画像に基づいて、部品実装システム10は、部品実装位置のずれ等が調べられるようになっている。
また、第1、第2部品実装ヘッド30、40には、それぞれプリント基板Pに付されているフィデューシャルマーク(基板認識用のマーク)を撮像する移動カメラ64が装備されている。移動カメラ64は、対応する第1、第2部品実装ヘッド30、40の側部で下向きに配置されたCCD等で構成されており、第1、第2部品実装ヘッド30、40と一体に移動するようになっている。
なお、周知の実装機と同様に、両第1、第2実装ユニットUA、UBには、各部の所要パラメータを検出するセンサ類(図2に包括的にSNと表記)が設けられている。
次に、両第1、第2実装ユニットUA、UBを統括的に制御する制御ユニット100について説明する。
図2を参照して、制御ユニット100は、CPU等で構成され、外部の表示ユニット110と接続される演算処理部101と、基板搬送、部品搭載等のための各種データを記憶するデータ記憶手段102と、搭載プログラムを記憶する搭載プログラム記憶手段103と、各モータを制御するモータ制御部104と、外部入出力部105と、サーバ通信部106、画像処理部107とを有している。
演算処理部101は、電子部品をプリント基板Pに搭載するために必要な搭載プログラムを実行するための演算処理を司るものである。
データ記憶手段102は、搭載プログラムを実行するために必要なデータや、データの集合体(テーブルという)等を記憶するものである。
搭載プログラム記憶手段103は、演算処理部101が実行する搭載プログラムを記憶するものである。
モータ制御部104は、各モータ25〜28に設けられたエンコーダからの信号と演算処理部101から与えられる目標値とに基づいて、モータ25〜28を制御するものである。
外部入出力部105には、入力要素としてプリント基板Pの搬入、搬出を検出するセンサ等の各種センサ類SNが接続される一方、出力要素としてストッパ駆動部16が接続されている。なお、このほかに、図外の搬送用駆動機構やコンベア間隔調整用駆動機構等も外部入出力部105に接続されている。
サーバ通信部106は、複数の部品実装システム10を制御するサーバとの通信やデータの更新等を実行するものである。
画像処理部107は、第1基板カメラ61、第2基板カメラ62、部品カメラ63、及び移動カメラ64と接続され、これらのカメラ61〜64からの画像を示す信号を取込んで、所定の画像処理を施し、その画像データを演算処理部101に送るものである。
表示ユニット110は、ディスプレイや、キーボード等のポインティングディバイスを備えており、第1、第2実装ユニットUA、UBのプログラムの実行状況や、或いは、表示された情報に基づき、オペレータが制御ユニット100に対して各種データや指令などの情報を入力するために操作することのできる機能を備えている。
次に、図3を参照して、データ記憶手段102に記憶されているデータの詳細について説明する。
図3を参照して、データ記憶手段102には、記憶領域としてのデータベース120が記憶されており、このデータベース120のデータが、図略のデータベースマネジメントシステム(DBMS)によって、制御ユニット100の制御に供されるようになっている。
データベース120は、第1、第2部品実装ヘッド30、40に関する情報を記憶する部品実装ヘッドテーブル121と、プリント基板Pに関する情報を記憶する基板テーブル122と、実装シーケンスに関する情報を記憶する実装シーケンステーブル123および実装シーケンス明細テーブル124とが含まれている。これらのテーブル121〜124は、実体(エンティティ)と呼称されるデータの集まりである。テーブル121〜124は、一般にアトリビュートと呼称される列(以下、アトリビュートは{}でくくって示す)と、タプルと呼称される行(以下、タプルの値は「」でくくって示す)とで構成されるマトリックス状に論理的に構成される。アトリビュートとは、テーブル121〜124に設定される項目(例えば、{シーケンス番号}{ヘッド番号}{影響フラグ}等)のことをいう(図4参照)。また、タプルとは、行ごとの情報(インスタンス)の集まりのことをいう。また、図において、(PK)は主キーを、(FK)は外部キーを、それぞれ表わしている。主キーは、テーブル121〜124内において、行を一意に識別する属性である。外部キーは、主キーと同じ値を持つことによって、当該主キーを有するテーブルのデータを参照するためのものである。さらに、図中の矢印は、テーブル間の関係(リレーションシップ)を表わしており、矢印の終点側のテーブルにある外部キーが矢印の起点側のテーブルにある主キーを参照していることを示している。
部品実装ヘッドテーブル121は、第1、第2部品実装ヘッド30、40に関する情報を保存するテーブルである。この部品実装ヘッドテーブル121は、主キーとして、第1、第2部品実装ヘッド30、40を一意に識別する{ヘッド番号}を備えている。{ヘッド番号}には、第1、第2部品実装ヘッド30、40の型番(例えば図4に示す「HD001」「HD002」等)が登録されている。部品実装ヘッドテーブル121は、その型番ごとに第1、第2部品実装ヘッド30、40の制御に必要な種々のパラメータを記憶する項目が設定されている。
基板テーブル122は、プリント基板Pに関する情報を保存するテーブルである。基板テーブル122は、主キーとして、プリント基板Pを一意に識別する{基板品番}を備えている。{基板品番}には、プリント基板Pの型番(例えば図4に示す「BD00234」「BD00456」等)が登録されている。基板テーブル122には、その型番ごとに電子部品の実装に必要な基板に関する情報を記憶する項目(図示の例では、{幅、長さ}等)が設定されている。
次に、実装シーケンステーブル123は、第1、第2部品実装ヘッド30、40の実装シーケンスに関する情報を保存するテーブルである。ここで、実装シーケンスとは、第1、第2部品実装ヘッド30、40のタスクの実行順序を定めたものである。タスクとは、第1、第2部品実装ヘッド30、40が電子部品をピックアップしてから対応するレーン上のプリント基板Pにピックアップされた電子部品を実装するまでの動作を一単位とする第1、第2部品実装ヘッド30、40の作業をいう。
実装シーケンステーブル123は、{レーン1基板品番、レーン2基板品番、干渉領域、シーケンス番号、ヘッド番号、影響フラグ、入替優先度、優先順位}を含んでいる。図4に示すビュー表は、これら{レーン1基板品番、レーン2基板品番、干渉領域、シーケンス番号、ヘッド番号、影響フラグ、入替優先度、優先順位}の具体的な設定例である。
実装シーケンステーブル123の主キーは、{レーン1基板品番、レーン2基板品番}である。{レーン1基板品番}は、レーン1で電子部品が実装されるプリント基板Pの情報を保存する項目である。さらに、{レーン2基板品番}は、レーン2で電子部品が実装されるプリント基板Pの情報を保存する項目である。このテーブル構成から明らかなように、本実施形態において、実装シーケンスは、レーン1で処理されるプリント基板Pと、レーン2で処理されるプリント基板Pの組み合わせごとに、設定される。例えば、図4の例では、基板品番「BD00234」をレーン1で加工し、基板品番「BD00456」をレーン2で加工する場合に、これら2枚のプリント基板Pの組み合わせについて、最適な実装シーケンスをタスクごとに設定することができるようになっているのである。
{干渉領域}は、第1、第2部品実装ヘッド30、40が何れも進入可能なエリアのY軸方向の距離を保存する項目である。
図1(A)に示したように、第1、第2部品実装ヘッド30、40が移動することのできる実装エリアMAには、干渉領域Aが設定されており、この干渉領域Aで第1、第2部品実装ヘッド30、40が衝突することを避ける必要がある。一方、第1、第2部品実装ヘッド30、40が干渉領域Aに移動する必要性は、電子部品が実装されるプリント基板Pの種類によって異なる。従って、本実施形態に係る実装シーケンステーブル123では、レーン1で電子部品が実装されるプリント基板Pの情報と、レーン2で電子部品が実装されるプリント基板Pの情報とをそれぞれ基板テーブル122から参照し、両プリント基板Pの組み合わせに応じて、実装シーケンスを設定できるように構成されている。この{干渉領域}を実装シーケンステーブル123に設けることにより、データ記憶手段には、プリント基板Pの組み合わせに応じて、個別に干渉領域Aの範囲を設定することができる。{干渉領域}に記憶される値の設定方法としては、所定のデフォルト値を干渉領域Aの範囲として決定しておき、全てのプリント基板Pの組み合わせについて、共通のデフォルト値を{干渉領域}に保存するようにしてもよい。さらに、{干渉領域}の値は、当該干渉領域が狭くなるように、1つの部品実装ヘッド30(または40)が1つのタスクを終了するたびに再計算して値を更新するようにしてもよい。
{シーケンス番号}は、{レーン1基板品番、レーン2基板品番}ごとに決定される実装シーケンスの順番を示す値を保存する項目である。本実施形態において、シーケンス番号は、レーン1のプリント基板Pと、レーン2のプリント基板Pを1つのプリント基板として、全体のタスクの順番を早い順にナンバリングした値である。本実施形態では、この{シーケンス番号}に設定された値の昇順(小さい順の並び)が第1、第2部品実装ヘッド30、40の実装シーケンスとなる。
{ヘッド番号}は、対応するタスクを実行する第1、第2部品実装ヘッド30、40を特定するための外部キーに設定された項目である。{ヘッド番号}には、{レーン1基板品番、レーン2基板品番}で決定される実装シーケンスごとに{ヘッド番号}の値が保存される。例えば、図4の場合({レーン1基板品番、レーン2基板品番}の値がそれぞれ「BD00234」「BD00456」の場合)では、奇数のシーケンス番号に係る{ヘッド番号}の値は、「HD002」となる。また、偶数のシーケンス番号に係る{ヘッド番号}の値は、「HD001」となる。このように、{レーン1基板品番、レーン2基板品番}で決定される実装シーケンスごとに、当該タスクを実行する第1、第2部品実装ヘッド30、40の別を特定することが可能となる。
{影響フラグ}は、第1、第2部品実装ヘッド30、40が干渉領域に移動するか否かを識別するための情報を保存する項目である。{影響フラグ}は、例えば、Boolean型のアトリビュートで実現される。本実施形態では、第1、第2部品実装ヘッド30、40が干渉領域に進入するタスクの場合は、「TRUE」、進入しない場合には「FALSE」(またはNull)が設定される。図4及び図5を参照して、例えば、タスクの実装シーケンスの順番を示すが丸数字の1から10まで決定されている場合を想定して説明する。図5に示すように、レーン1では、シーケンス番号が8番、4番、10番のタスクを実行する際に、部品実装ヘッド「HD001」が、干渉領域Aに進入する必要があることを示している。また、レーン2では、シーケンス番号が1番、5番のタスクを実行する際に、部品実装ヘッド「HD002」が、干渉領域Aに進入する必要があることを示している。
{入替優先度}は、{影響フラグ}の値が「TRUE」に設定されるタスクについて、優先的に処理されるべき度合を示す情報を保存する項目である。図4及び図5を参照して、レーン1では、シーケンス番号が8番、4番、10番の順に、干渉領域Aに進入する度合(距離)が大きくなっている。そこで、図示の例では、シーケンス番号が8番、4番、10番の順に、{入替優先度}の値が「3」「2」「1」と設定されている。同様に、レーン2では、シーケンス番号が1番、5番の順に、干渉領域Aに進入する度合(距離)が大きくなっている。そこで、図示の例では、シーケンス番号が1番、5番の順に、{入替優先度}の値が「2」「1」と設定されている。
{優先順位}は、部品実装ヘッド30と部品実装ヘッド40の何れか一方がタスクを処理する順位に関する情報を保存する項目である。本実施形態では、{優先順位}の値は、第1、第2部品実装ヘッド30、40双方のタスク全体で、一意の順序が設定される。なお、詳しくは後述するように、{優先順位}の値に拘わらず、所定の場合には、実装シーケンスが変更される場合がある。また、本実施形態では、干渉領域に優先的に進入する権限(「優先権」という。以下、同様。)についても、この{優先順位}に設定されている値に基づいて決定されるようになっている。
実装シーケンス明細テーブル124は、第1、第2部品実装ヘッド30、40の吸着ノズル31、41ごとに座標を特定するためのテーブルである。この実装シーケンス明細テーブル124は、実装シーケンステーブル123との関連づけを図るための{レーン1基板品番、レーン2基板品番}の他、{ノズル番号、X座標、Y座標}を備えている。
なお、上述した各テーブル121〜124は、論理的な構造を示したものであり、物理的には、同一のデータファイルに複数のテーブルを実装してもよく、或いは、1つのデータテーブルを複数のデータファイルに実装してもよい。
次に、上述した実装シーケンステーブル123、並びに実装シーケンス明細テーブル124に保存される値を決定するための処理方法について説明する。
図5及び図6を参照して、本実施形態においては、レーン1、2に搬入される両方のプリント基板P全体を一枚のプリント基板と見立てて、各プリント基板Pの組み合わせごとに部品の配置を決定する(ステップS1)。次いで、これらプリント基板Pに電子部品を実装する第1、第2部品実装ヘッド30、40の仕様に応じて、ヘッドのタスクごとにグループ化し、グループ化されたタスクごとに実装シーケンスを決定する(ステップS2)。次いで、ステップS2で決定された実装シーケンスに基づいて動作時間の演算(シミュレーション)を実行する(ステップS3)。その後、シミュレーション結果を検証し、改善の余地がないか否かを判定する(ステップS4)。そして、この段階で、改善の余地がないと考えられる実装シーケンスが決定されると、実装シーケンステーブル123の{シーケンス番号、ヘッド番号}に値を保存し、これに対応する第1、第2部品実装ヘッド30、40の詳細について、実装シーケンス明細テーブル124の各項目に値を保存する。なお、以上の設定処理S1〜S3は、作業者の手作業によるものであるが、所定の引数をパラメータとして自動演算する方法を採用してもよい。
次に、実装シーケンステーブル123、並びに実装シーケンス明細テーブル124に保存された値を参照することにより、第1、第2部品実装ヘッド30、40のそれぞれの最大可動ライン(第1、第2部品実装ヘッド30、40がY軸方向において、最も相手側に移動する距離)を設定する。この最大可動ラインは、演算により求めることのできる値であるが、制御ユニット100の処理を速めるために、実装シーケンステーブル123に{最大可動ライン}という項目を設け、演算値を保存するようにしてもよい。次いで、この最大可動ラインの値に基づき、シーケンス番号が決定された実装シーケンスごとに、第1、第2部品実装ヘッド30、40が干渉領域Aに進入するか否かを判定する(ステップS6)。仮に最大可動ラインが干渉領域Aを含む場合(ステップS6において、YESの場合)、すなわち、第1、第2部品実装ヘッド30、40が干渉領域Aに進入する必要がある場合、実装シーケンステーブル123の{影響フラグ}の値を「TRUE」に設定する(ステップS7)。また、最大可動ラインが干渉領域Aを含まない場合(ステップS6において、NOの場合)、すなわち、第1、第2部品実装ヘッド30、40が干渉領域Aに進入する必要がない場合、実装シーケンステーブル123の{影響フラグ}の値を「FALSE」に設定する(ステップS8)。図6では簡略化されているが、ステップS6〜ステップS8の処理は、全てのタスク(すなわち、実装シーケンステーブル123に保存されている全てのタプル)について、実行される。
そして、全てのタスクについて、ステップS6〜ステップS8の処理が終了した後、今度は、{影響フラグ}の値が「TRUE」のものについて、最大可動ラインの降順(値の大きい順)に{入替優先度}の値を大きく設定する(ステップS9)。例えば、図5のような例の場合、レーン1では、8番、4番、10番の順に最大可動ラインが大きくなっている。従って、ステップS9では、実装シーケンステーブル123の{入替優先度}の値は、8番、4番、10番の順に「3、2、1」と設定される(図4参照)。同様に、レーン2では、1番、5番の順に最大可動ラインが大きくなっている。従って、ステップS9では、実装シーケンステーブル123の{入替優先度}の値は、1番、5番の順に「2、1」と設定される(図4参照)。なお、{影響フラグ}の値が「FALSE」のタスクに関しては、当該タスクの{入替優先度}の値は、「0」に設定される。
制御ユニット100は、実装処理を実行するに際し、トランザクションを管理するために、メモリ上に、図8や図9に示すようなデータセットを生成し、実装したタスクに係るシーケンス番号、ヘッド番号等をタスクごとに記憶するように構成されている。
次に、図4のようにタスクに関する情報が設定された場合において、本実施形態で部品実装を行う場合の具体例について、図7を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、図7に示す制御に基づいて、第1部品実装ヘッド30を仮に自機とも称し、第2部品実装ヘッド40を相手方ともいう。自機と相手方の関係は、第1部品実装ヘッド30が相手方であり、第2部品実装ヘッド40が自機の場合も全く同様である。
まず、図1、図3、図7を参照して、制御ユニット100は、何れかの実装ユニットUAまたはUBの実装エリアMAにプリント基板Pが搬入された時点で、実装シーケンステーブル123の値等を参照し、当該プリント基板Pに実装が必要な部品があるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、仮に全ての電子部品の実装が終了している場合には、図7に示す実装プログラムを終了し、当該プリント基板Pの搬出作業を開始する。
一方、ステップS20において、プリント基板Pに実装されるべき電子部品がある(或いは、残っている)場合、制御ユニット100は、例えば、自機(第1部品実装ヘッド30)の実装シーケンスを決定する際に、相手方(第2部品実装ヘッド40)が稼動中であるか否かを判定する(ステップS21)。
ステップS21の判定において、相手方(第2部品実装ヘッド40)が稼働中である場合(ステップS21において、YESの場合)、制御ユニット100は、{優先順位}の値(図4参照)に基づいて、次の未実行のタスクに係るシーケンス番号(未実装シーケンス番号ともいう)の最小値をN番として選定し(ステップS22)、このN番のシーケンス番号に係る部品実装ヘッド30に優先権を設定する(ステップS23)。
また、ステップS21の判定において、相手方(第2部品実装ヘッド40)が停止中である場合(ステップS21において、NOの場合)、制御ユニット100は、停止中の部品実装ヘッド40が実装作業を開始(または再開)できるか否かを判定する(ステップS24)。停止中の部品実装ヘッド40が実装作業を再開できる場合(ステップS24において、YESの場合)、制御ユニット100は、この部品実装ヘッド40に優先権を与えるために、当該部品実装ヘッド40に係る未実装シーケンス番号のうち、最小値をN番として選定し(ステップS25)、ステップS23に移行して、このN番の未実装シーケンス番号に係る部品実装ヘッド40に優先権を設定する。
次に、停止中の部品実装ヘッド40が実装作業を再開できない場合(ステップS24において、NOの場合)、制御ユニット100は、実装シーケンステーブル123の{シーケンス番号}に設定されている実装シーケンスに拘わらず、未装着シーケンス番号のうち、最も入替優先度の値が高いタスクを選定する(ステップS27)。これにより、自機(第1部品実装ヘッド30)の実装シーケンスを決定する際に、相手方(第2部品実装ヘッド40)が停止中の場合には、優先的に相手方と干渉する可能性の高い領域から順に処理を進めることができるので、その後、相手方(第2部品実装ヘッド40)が稼動した場合においても、第1、第2部品実装ヘッド30、40の双方が並行して稼動し続けることが可能となる。ステップS27に示したように、実装シーケンスのタスクを入れ替えることをスワップともいう。ステップS27の処理においては、スワップされたシーケンス番号の値をNとして選定し、その後、ステップS23を実行して、このN番のシーケンス番号に係る第1部品実装ヘッド30に優先権を設定する。これにより、制御ユニット100は、現在稼働中の第1部品実装ヘッド30に引き続き、優先権を与える。
ステップS23を実行した後、制御ユニット100は、選択したシーケンス番号における干渉領域Aの設定処理を実行する(ステップS30)。この干渉領域Aの設定処理は、単純に実装シーケンステーブル123から選択したシーケンス番号に係る{干渉領域}の値を読み取る作業であってもよく、或いは、現状の部品実装状況において、動的に干渉領域を再設定する処理であってもよい。
次いで、制御ユニット100は、相手方(第2部品実装ヘッド40)が干渉領域A内で稼動中であるか否かを判定する(ステップS31)。仮に相手方(第2部品実装ヘッド40)が干渉領域A内で稼動中である場合(ステップS31において、YESの場合)、制御ユニット100は、さらに、稼働中の部品実装ヘッド40との間で、何れの第1、第2部品実装ヘッド30、40が優先的に作業できるか否かを判定する(ステップS32)。この判定は、ステップS23で設定された優先権の設定処理に基づいて実行される。仮に実装シーケンスの制御対象となっている自機の部品実装ヘッド30の方が優先権を有している場合(ステップS32でYESの場合)、制御ユニット100は、自機(部品実装ヘッド30)に、部品吸着処理を実行させる(ステップS33)。その後、部品認識用のカメラ63によって、部品の吸着位置を認識し(ステップS34)、実装時の位置ずれ補正の処理に認識結果を供する。自機(部品実装ヘッド30)は、その後、部品実装処理に移行する(ステップS35)。
ステップS35の部品実装処理が終了した時点で、制御ユニット100は、ステップS20に移行し、上述した処理を繰り返す。
次に、ステップS31の判定において、相手方(第2部品実装ヘッド40)が干渉領域A外で稼動中である場合(ステップS31において、NOの場合)、制御ユニット100は、ステップS27の場合と同様に、未装着シーケンス番号のうち、最も入替優先度の値が高いタスクを選定する(ステップS36)。その後、ステップS33に移行し、上述した処理を実行する。これにより、部品実装作業を並行している場合においても、干渉の恐れがない運転状況では、優先的に干渉領域Aへの移動量が大きくなるタスクを優先的に処理することにより、後続する部品実装作業において、部品実装作業全体に対して並行処理が占める割合を高めてタクトタイムの短縮を図ることができる。
また、ステップS32の判定において、実装シーケンスの制御対象となっている部品実装ヘッド30(40)の相手方が優先権を有している場合(ステップS32でNOの場合)、制御ユニット100は、さらに、自機が処理すべきタスクの中から、干渉領域外で電子部品を実装することのできるタスク、すなわち、{入替優先度}の値が「0」のタスクがあるか否かを判定する(ステップS37)。かかるタスクがある場合には、相手方(第2部品実装ヘッド40)の部品実装処理と並行して部品実装処理を自機が開始しても、第1、第2部品実装ヘッド30、40双方が干渉するおそれはないからである。ステップS37の判定で、{入替優先度}の値が「0」のタスクがある場合(ステップS37の判定において、YESの場合)、制御ユニット100は、当該タスクに係るシーケンス番号を選定して実装シーケンスを変更し(ステップS38)、その後、ステップS25以下に移行する。以上のような処理により、本実施形態では、可及的に第1、第2部品実装ヘッド30、40の双方が並行して稼動できるようにしている。
さらに、ステップS37の判定において、{入替優先度}の値が「0」のタスクがない場合(ステップS37の判定において、NOの場合)、制御ユニット100は、実装シーケンスの制御対象となっている部品実装ヘッド30(40)を干渉領域外に退避させて、相手方(第2部品実装ヘッド40)が現在の部品実装処理を終了するのを待機させる(ステップS39)。この制御により、第1、第2部品実装ヘッド30、40双方の干渉を確実に防止することができる。
以上の処理により、第1、第2部品実装ヘッド30、40双方が並行して稼動している場合には、予め設定された好適な実装シーケンスに基づいて、部品実装処理を並行処理することができるとともに、相手方(第2部品実装ヘッド40)が停止している場合には、稼動可能な部品実装ヘッド30(40)を優先的に稼動させ、しかも、干渉が生じやすくなる領域から優先して電子部品の実装を進めることが可能となる。
例えば、図8に示す例では、自機が部品実装ヘッド30、相手方が部品実装ヘッド40とした場合に、相手方(第2部品実装ヘッド40)が1番のシーケンス番号を完了した時点で、プリント基板Pの搬出を始めた場合を例示している。
図8に示した例の場合、相手方が1番のシーケンス番号に係るタスクを実行している間は、図7のステップS22以下の処理により、制御ユニット100は、図4に例示する実装シーケンステーブル123のデータから、2番のシーケンス番号に係るタスクを選定する。従って、自機の部品実装ヘッド30は、2番のシーケンス番号に係るタスクを実行する。このタスクが終了し、図7のステップS21の判定を再度実行した場合において、相手方(第2部品実装ヘッド40)がプリント基板Pの搬出を実行しているときは、相手方(第2部品実装ヘッド40)は、停止していると判定できる。従って、制御ユニット100は、ステップS27により、8番のシーケンス番号に係るタスクを自機の部品実装ヘッド30に割り当てる。この結果、自機の部品実装ヘッド30は、干渉度の最も高いタスクを優先的に実行するので、部品実装ヘッド30の実装作業が進むにつれて、相手方(第2部品実装ヘッド40)と同時に実装作業を並行させる機会が増加し、第1、第2部品実装ヘッド30、40双方の稼働率を高めて、処理速度の向上を図ることが可能となる。図8の例では、相手方(第2部品実装ヘッド40)がプリント基板Pの搬出作業を開始してから、自機の部品実装ヘッド30が全てのタスク(8番、4番、10番、6番のシーケンス番号に係るタスク)を入替優先度の高い順に実行した例を示している。
また、図9及び図10に示す例では、図4及び図5と同じ設定例において、最初の二つのタスクについては、相手方の実装ユニットUBでプリント基板Pの導入作業が実行され、部品実装ヘッド40が停止を実行していたために、自機の部品実装ヘッド30が優先的に8番と4番のタスクを実行していたものの、4番のタスクを実行しているときに、相手側の部品実装ヘッド40が部品実装作業を開始したので、元の実装シーケンスに戻った例である。
まず、最初から二つ目までのタスクでは、相手方(第2部品実装ヘッド40)がプリント基板Pの搬入中であるため、制御ユニット100は、ステップS21の判定において、相手方(第2部品実装ヘッド40)が停止中であると判定する。そのため、図7のステップS27により、自機の部品実装ヘッド30に入替優先度の高い順にタスクを割り当てる。これにより、自機の部品実装ヘッド30は、入替優先度の高い8番と4番のシーケンス番号に係るタスクを実行する。
この自機の部品実装ヘッド30が4番のシーケンス番号に係るタスクを実行している間に、相手方(第2部品実装ヘッド40)が稼動を再開する場合、制御ユニット100は、この相手方(第2部品実装ヘッド40)についても、図7のフローチャートに基づいて、実装シーケンスを決定する。このタイミングでは、図7のステップS24でYESの判定がなされ、ステップS25が実行される。この結果、相手方(第2部品実装ヘッド40)が実行すべき最初のシーケンス番号は、1番に設定される。これにより、実装を再開した部品実装ヘッド40についても、自機とともに、並行作業を行うことができる。
次に、自機の部品実装ヘッド30が4番のシーケンス番号に係るタスクを終了し、次のタスクを実行する局面では、相手方(第2部品実装ヘッド40)が稼働中であるため、制御ユニット100は、図7のステップS21からステップS22以下の処理を実行する。このため、ステップS22の処理により、シーケンス番号が2番のタスクが実行されることになる。
自機の部品実装ヘッド30が2番のシーケンス番号に係るタスクを実行している間、制御ユニット100は、相手方(第2部品実装ヘッド40)が1番のシーケンス番号に係るタスクを終了した後、次のタスクを割り当てる。このタイミングでは、自機の部品実装ヘッド30が稼働中であるので、ステップS22が実行され、相手方(第2部品実装ヘッド40)は、3番のシーケンス番号に係るタスクを実行することになる。
また、ステップS22が実行される局面では、実装シーケンスが変更されて、実装順位が飛んでいても、未実装タスクのうち、最も番号の若い優先順位に係るタスクが選択されるので、例えば、3番のシーケンス番号に係るタスクを相手方(第2部品実装ヘッド40)が終了した後は、引き続き、この相手方(第2部品実装ヘッド40)が5番のシーケンス番号に係るタスクを実行することになる。このようにして、第1、第2部品実装ヘッド30、40は、何れも高い稼働率で並行作業を実行することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、二つのレーン1、2を平行に隣接させ、両レーン1、2の実装エリアMAにて、それぞれのレーン1、2に設けた第1、第2部品実装ヘッド30、40が稼動され、同時並行的に電子部品をプリント基板Pに実装する。第1、第2部品実装ヘッド30、40の実装シーケンスは、それぞれ記憶部としてのデータ記憶手段102に記憶されたタスクに関する情報(具体的には、図3に示したデータテーブル121〜124に保存されている情報)に基づいて、制御手段としての制御ユニット100により制御される。そして、本実施形態では、例えば、第1部品実装ヘッド30の実装シーケンスを決定する際に、相手方である第2部品実装ヘッド40が電子部品の実装を停止している運転状況では、干渉領域Aに最も多く進入するタスクを優先的に選択するように、第1部品実装ヘッド30の実装シーケンスが決定される。同様に、第2部品実装ヘッド40の実装シーケンスを決定する際に、第1部品実装ヘッド30が電子部品の実装を停止している運転状況では、干渉領域Aに最も多く進入するタスクを優先的に選択するように、第2部品実装ヘッド40の実装シーケンスが決定される。
このように、一方の部品実装ヘッド(例えば、第1部品実装ヘッド30)と相手方(例えば、第2部品実装ヘッド40)とがプリント基板Pに電子部品を実装するタイミングが異なっている場合に、干渉の恐れがない運転状況においては、干渉領域Aに最も多く進入する必要のあるタスクから順に電子部品が実装される。従って、実装作業が進行するにつれて、後続するタスクにおいて、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか他方30、40と干渉する可能性が低くなる。よって、全部品実装作業における並行作業の占める割合を高めてタクトタイムの短縮を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、制御ユニット100は、第1部品実装ヘッド30と第2部品実装ヘッド40の何れか一方の実装シーケンスを決定する場合において、相手方(例えば、第2部品実装ヘッド40)が電子部品の実装を停止している運転状況では、未実装のタスクのうち、当該タスクが割り当てられた部品実装ヘッドが干渉領域に進入する必要があるものの中で、当該干渉領域に進入する度合に応じて当該実装シーケンスの入替の優先度を定める入替優先度が最も高いタスクから順に実行すべきタスクを割り当てている。そのため本実施形態では、例えば、制御ユニット100が第1部品実装ヘッド30の実装シーケンスを決定する場合において、第2部品実装ヘッド40が電子部品の実装を停止しているときは、第1部品実装ヘッド30が実行すべきタスクのうち、入替優先度が最も高いものから順に処理されるように、実装シーケンスが決定される。同様に、制御ユニット100が第2部品実装ヘッド40の実装シーケンスを決定する場合において、第1部品実装ヘッド30が電子部品の実装を停止しているときは、第2部品実装ヘッド40が実行すべきタスクのうち、入替優先度が最も高いものから順に処理されるように、実装シーケンスが決定される。このように、入替優先度に基づいて実装シーケンスを決定することにより、複数のタスクからの選択が容易になり、処理が迅速になる。
また、本実施形態では、データ記憶手段102は、制御ユニット100の制御に供する情報を格納する記憶領域としてデータベース120を有するものであり、データベース120は、二つのレーン1、2で同時に電子部品が実装される2枚のプリント基板P全体にわたって実装シーケンスを定める値(シーケンス番号)を保存する項目({シーケンス番号})と、複数のタスクのうち、当該タスクが割り当てられた部品実装ヘッドが干渉領域Aに進入する必要があるものを識別する項目({干渉フラグ})と、{干渉フラグ}によって干渉領域Aに進入する必要があるものと設定されたタスクの中で、当該干渉領域Aに進入する度合に応じて当該実装シーケンスの入替の優先度を定める項目({入替優先度})とを含み、制御ユニット100は、干渉領域Aに最も多く進入するタスクを優先的に選択する運転状況では、データベース120の{入替優先度}の値に基づいて、当該タスクを優先的に選択するものである。このため本実施形態では、制御ユニット100が、例えば、第1部品実装ヘッド30の実装シーケンスを決定する場合において、第2部品実装ヘッド40が電子部品の実装を停止しているときに、第1部品実装ヘッド30に対し、干渉領域Aに最も多く進入するタスクを優先的に選択する際は、データベース120に設定された{入替優先度}の値に基づいて、当該タスクを優先的に選択することができる。制御ユニット100が第2部品実装ヘッド40の実装シーケンスを決定する場合において、第1部品実装ヘッド30が電子部品の実装を停止しているとき、第2部品実装ヘッド40に対し、干渉領域Aに最も多く進入するタスクを優先的に選択する際も同様である。このように、{入替優先度}の値等、予め定めておいた情報を記憶領域としてのデータベース120に保持しておくことにより、実装シーケンスを変更するための演算処理が可及的に不要となり、迅速に実装シーケンスを変更することができる。この結果、電子部品の実装シーケンスを部品の実装作業中にリアルタイムで変更することができ、両部品実装ヘッドの運転状況に応じて好適な実装シーケンスを設定することが可能となる。
また、本実施形態では、データ記憶手段102は、第1、第2部品実装ヘッド30、40が優先的に部品実装作業を実行する優先順位をデータベース120の{優先順位}に予め記憶しているものであり、制御ユニット100は、第1、第2部品実装ヘッド30、40が何れも稼動する運転状況では、{優先順位}の値に基づいて、実装シーケンスを定めるものである。このため本実施形態では、データ記憶手段102に記憶されている好適な実装シーケンスに基づいて、両部品実装ヘッドを稼動させることができるので、第1、第2部品実装ヘッド30、40双方が並行して電子部品を実装する場合においても、部品実装作業全体に対して並行処理が占める割合を高めてタクトタイムの短縮を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、データ記憶手段102は、二つのレーン1、2で同時に電子部品が実装される2枚のプリント基板P全体にわたって一意の順序を決定するように{優先順位}の値を記憶するものであり、制御ユニット100は、第1部品実装ヘッド30と第2部品実装ヘッド40の何れか一方が稼働中の場合に、他方が停止状態から部品実装作業を再開するときは、{優先順位}の値に基づいて、他方から順に実装シーケンスを開始するものである。このため本実施形態では、例えば、第1部品実装ヘッド30の稼働時に停止していた相手方である第2部品実装ヘッド40が当該部品実装作業を再開する場合において、第2部品実装ヘッド40の実装シーケンスを決定するときは、制御ユニット100は、予めデータ記憶手段102に記憶されている{優先順位}の値に基づいて、第2部品実装ヘッド40から順に実装シーケンスを開始する。同様に、第2部品実装ヘッド40の稼働時に停止していた相手方である第1部品実装ヘッド30が当該部品実装作業を再開する場合において、第1部品実装ヘッド30の実装シーケンスを決定するときは、制御ユニット100は、予めデータ記憶手段102に記憶されている{優先順位}の値に基づいて、第1部品実装ヘッド30から順に実装シーケンスを開始する。従って、第1、第2部品実装ヘッド30、40双方が並行作業をするために実装シーケンスを再設定する際に、当該実装シーケンスを変更するための演算処理が可及的に不要となり、迅速に実装シーケンスを変更することができる。この結果、電子部品の実装シーケンスを部品の実装作業中にリアルタイムで変更することができ、第1、第2部品実装ヘッド30、40双方の運転状況に応じて好適な実装シーケンスを設定することが可能となる。しかも、実装シーケンスは、当該相手方(第2部品実装ヘッド40)から順に開始されるので、開始が遅れている方の部品実装ヘッド40に割り当てられたタスクが優先的に処理されることになる。この結果、実装シーケンスのずれを可及的に低減することも可能となる。
このように、本実施形態によれば、干渉の恐れがない運転状況において、干渉領域Aに最も多く進入する必要のあるタスクから順に電子部品が実装されるので、実装作業が進行するにつれて、後続するタスクにおいて、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか他方30、40と干渉する可能性が低くなる。よって、全部品実装作業における並行作業の占める割合を高めてタクトタイムの短縮を図ることが可能となるという顕著な効果を奏する。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
例えば、図7のフローチャートを実行する場合に、一部のステップを省略することができる。具体的には、実装シーケンステーブル123の{優先順位}の設定によっては、全てのタスクにおいて、第1部品実装ヘッド30と第2部品実装ヘッド40の双方が同時に部品実装作業を実行することができる場合がある。そのような場合には、ステップS22、ステップS25、またはステップS27の何れか一つを実行した時点で直ちにステップS33に移行し、部品吸着作業等を実行するようにしてもよい。
また、入替優先度は、データとして予め登録されているものであってもよく、或いは、部品実装作業の進捗に応じて演算してもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはいうまでもない。
1 レーン(第1レーンの一例)
2 レーン(第2レーンの一例)
10 部品実装システム
30 第1部品実装ヘッド
40 第2部品実装ヘッド
31、41 吸着ノズル
100 制御ユニット(制御手段の一例)
102 データ記憶手段(記憶部の一例)
121 部品実装ヘッドテーブル
122 基板テーブル
123 実装シーケンステーブル
124 実装シーケンス明細テーブル
A 干渉領域
MA 第1実装エリア
MB 第2実装エリア
P プリント基板
UA 第1実装ユニット
UB 第2実装ユニット

Claims (5)

  1. 互いに平行に隣接して設置されて対をなし、それぞれが個別に基板を搬送する第1レーン及び第2レーンと、
    前記第1レーンに設けられ、当該第1レーンに搬送された基板を停止させて、電子部品を実装するための第1実装エリアと、
    前記第2レーンに設けられ、当該第2レーンに搬送された基板を停止させて、電子部品を実装するための第2実装エリアと、
    前記第1レーンに設けられ、当該第1実装エリアに停止した基板に電子部品を実装する第1部品実装ヘッドと、
    前記第2レーンに設けられ、当該第2実装エリアに停止した基板に電子部品を実装する第2部品実装ヘッドと、
    前記第1部品実装ヘッド及び第2部品実装ヘッドが電子部品をピックアップしてから対応するレーン上の基板にピックアップされた前記電子部品を実装するまでの動作を一単位とするタスクに関する情報を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶されている情報に基づいて、前記第1部品実装ヘッドに割り当てられる複数のタスクの順番と、前記第2部品実装ヘッドに割り当てられる複数のタスクの順番とをそれぞれ実装シーケンスとして制御する制御手段と
    を備え、
    前記第1実装エリア及び第2実装エリアは、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドとが何れも進入できるように一部が重複しているとともに、両実装エリアが重複する部分には、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドとが干渉し得る干渉領域が設定されるものであり、
    前記記憶部は、前記第1部品実装ヘッドの可動範囲と前記第2部品実装ヘッドの可動範囲とを対応する前記タスクごとに記憶するものであり、
    前記制御手段は、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか一方の実装シーケンスを決定する場合において、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか他方が電子部品の実装を停止している運転状況では、当該一方の部品実装ヘッドに対し、前記干渉領域に最も多く進入するタスクを優先的に選択するものである
    ことを特徴とする電子部品の実装システム。
  2. 請求項1記載の電子部品の実装システムにおいて、
    前記制御手段は、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか一方の実装シーケンスを決定する場合において、前記第1部品実装ヘッドと前記第2部品実装ヘッドの何れか他方が電子部品の実装を停止している運転状況では、未実装のタスクのうち、当該タスクが割り当てられた部品実装ヘッドが前記干渉領域に進入する必要があるものの中で、当該干渉領域に進入する度合に応じて当該実装シーケンスの入替の優先度を定める入替優先度が最も高いタスクから順に実行すべきタスクを割り当てるものである
    ことを特徴とする電子部品の実装システム。
  3. 請求項2記載の電子部品の実装システムにおいて、
    前記記憶部は、前記制御手段の制御に供する情報を格納する記憶領域を有するものであり、
    前記記憶領域は、
    前記第1レーン及び第2レーンで同時に電子部品が実装される2枚の基板全体にわたって前記実装シーケンスを定めるシーケンス番号に関する値を保存する項目と、
    前記タスクのうち、当該タスクが割り当てられた部品実装ヘッドが前記干渉領域に進入する必要があるものを識別する影響フラグに関する値を保存する項目と、
    前記入替優先度に関する値を保存する項目と
    を含むものである
    ことを特徴とする電子部品の実装システム。
  4. 請求項3に記載の電子部品の実装システムにおいて、
    前記記憶領域は、前記部品実装ヘッドが優先的に部品実装作業を実行する優先順位に関する値を保存する項目を含み、
    前記制御手段は、前記部品実装ヘッドが何れも稼動する運転状況では、前記優先順位に関する値に基づいて、前記実装シーケンスを定めるものである
    ことを特徴とする電子部品の実装システム。
  5. 請求項4記載の電子部品の実装システムにおいて、
    前記記憶領域は、前記第1レーン及び第2レーンで同時に電子部品が実装される2枚の基板全体にわたって一意の順序を決定するように前記優先順位に関する値を記憶するものであり、
    前記制御手段は、前記一方の部品実装ヘッドが稼働中の場合に、停止していた前記他方の部品実装ヘッドが当該部品実装作業を再開するときは、前記優先順位に関する値に基づいて、当該他方の部品実装ヘッドから順に実装シーケンスを開始するものである
    ことを特徴とする電子部品の実装システム。
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