JP2013222574A - 非水電解液ならびにそれを利用した電気二重層キャパシタおよび非水電解液電池およびハイブリッドキャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】塩素イオンを電解質塩として非水電解液に用いようとしても、電気化学エネルギー蓄積デバイスの電気特性やエネルギー密度を向上させることは難しく、また、デバイスの信頼性を損なうという課題があった。
【解決手段】本発明の非水電解液は、4級アンモニウム塩化物、アルカリ土類金属塩化物、および、有機溶媒を含む。これらの組み合わせと有機溶媒の構造や比率を調整することで、高い電解質塩濃度を有する非水電解液を得ることができる。電解液中の4級アンモニウムイオン、アルカリ土類金属イオン、4級アンモニウム塩から放出された塩素イオンとアルカリ土類金属塩化物によって生成するアニオンによって、二次電池や電気二重層キャパシタを作動させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気化学エネルギー蓄積デバイスに用いる非水電解液に関する。特に、塩化物を使用する非水電解液の改良に関する。
二次電池や電気二重層キャパシタなどの電気化学エネルギー蓄積デバイスのエネルギー密度を高めるには、デバイスの電圧を上げることが有効であり、非水電解液が使用される。さらに、デバイス内の電解液の量を減らして、電気化学エネルギーを蓄える正極および負極材料の量を増やすことで、エネルギー密度が向上する。
非水電解液は、有機溶媒にアルカリ金属塩や4級アンモニウム塩のような電解質塩を溶解することで調製される。代表的な有機溶媒は、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)である。アルカリ金属塩の代表的なものは、リチウムヘキサフルオロホスフェート(LiPF)、リチウムテトラフルオロボレート(LiBF)、リチウムパークロレート(LiClO)、リチウムビス(トリフルオロメタン)スルホニルイミド(LiN(SOCF)である。また、4級アンモニウム塩の代表的なものは、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート((CNBF4、TEABF)、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート((C(CH)NBF、TEMABF)、スピロ−(1,1)−ビピロリジニウムテトラフルオロボレート((CNBF、SBPBF)である。
これらのアルカリ金属塩や4級アンモニウム塩に見るように、アニオンにはハロゲンイオン単体、特に、塩素イオン(Cl)が用いられることはない。塩素イオンをアニオンに有する電解質塩は、有機溶媒に溶解しにくい。したがって、電気化学エネルギー蓄積デバイスに必要なイオン伝導度が得られないだけでなく、電解液の量を減らすことによってデバイスのエネルギー密度の向上を図ることも難しくなる。また、電解液中の塩素イオンは多くの金属塩化物と錯体イオンを形成して塩化物を溶解する。したがって、金属塩化物を電気化学エネルギー蓄積の電極材料として使おうとしても、この溶解のため、デバイスの信頼性は低下する。
アニオンが塩素イオンである4級アンモニウム塩と金属塩化物を組み合わせて、溶融塩を調製できることが知られている(非特許文献1)。ここで、4級アンモニウム塩化物は、例えば、塩化コリン((CH(CHCHOH)NCl、ChCl)であり、金属塩化物は、周期表の1〜15族の塩化物である。非特許文献1には、塩化コリンと塩化スズ(SnCl)を組み合わせると、融点が37℃の溶融塩が生成することが示されている。しかし、他の金属塩化物との組み合わせの多くでは、融点が100℃を超え、たいていは200℃以上であったと記載されている。これらのうち、アルカリ土類金属塩化物としては、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化カルシウム(CaCl)が示されている。
アンドリュー ピー アボット (Andrew P. Abbott), グレン カパー (Glen Capper), デイビッド エル デイビーズ (David L. Davies), および レイモンド ラシード (Raymond Rasheed), "金属塩化物/置換4級アンモニウム塩の混合物をベースとするイオン液体"(Ionic Liquids Based upon Metal Halide/Substituted Quaternary Ammonium Salt Mixtures), 無機化学 (Inorganic Chemistry) (米国), アメリカ化学会 (American Chemical Society), 2004年発行, 第43巻, 11号, p.3447−3452
塩素は豊富に存在する元素でありながら、塩素イオンをアニオンに有する電解質塩は有機溶媒に溶解しにくく、高い電解質塩濃度の非水電解液を得ることができないため、電気化学エネルギー蓄積デバイスのエネルギー密度を高めることは困難であった。また、多くの金属塩化物と錯体イオンを形成して塩化物を溶解する。したがって、金属塩化物を電気化学エネルギー蓄積の電極材料として使おうとしても、この溶解のため、デバイスの信頼性は低下するという課題があった。
本発明は、このような課題に対して、塩素と同様に豊富に存在するアルカリ土類金属元素を用いて、高い電解質塩の濃度でありながら常温で液体である非水電解液を調製することを目的とする。そして、二次電池や電気二重層キャパシタに現在使われている電極材料だけでなく、信頼性が低かった金属塩化物のこれらデバイスへの活用を可能にすることを目的とする。
本発明の非水電解液は、4級アンモニウム塩化物、アルカリ土類金属塩化物、および、有機溶媒を含むことを特徴とする。これらを含むことで、高い電解質塩濃度の電解液を得ることができる。また、電解液中の塩素イオンの活性を制御することができるため、金属塩化物を電気化学エネルギー蓄積デバイスの電極材料として使うことができるようになる。
4級アンモニウム塩化物とアルカリ土類金属塩化物の組み合わせは、高温で融解する電解質塩を形成するが、含ませる有機溶媒の構造や比率に依存して、常温で液体であり単一相の非水電解液になる。4級アンモニウムイオン、および、4級アンモニウム塩から放出された塩素イオンとアルカリ土類金属塩化物によって生成するアニオンは、電気二重層を形成する電荷として働く。
アルカリ土類金属塩化物は、二次電池において正極および負極間の電荷キャリアとして働くアルカリ土類金属イオンを電解液中に放出する。
また、アルカリ土類金属塩化物は電解液中の塩素イオンの活性を抑制し、一方で有機溶媒は、その構造および含有比率によって、塩素イオンの活性をさらに抑制するか促進する。したがって、本発明の非水電解液は、金属表面に塩化物を電気化学的に形成することができる程度の塩素イオン活性を有している。デバイス内で電場がない場合には電解液中の塩素イオンの活性は低く、金属塩化物が錯体イオンとなって溶解することが抑制される。したがって、本発明の電解液を使用することで、金属塩化物を電気化学エネルギーの蓄積あるいは放出材料として使用することができるようになる。
さらに、本発明の非水電解液では金属塩化物が安定に存在できるようになるため、電気化学エネルギー蓄積デバイスの電圧が異常に高くなったとしても、金属塩化物の電気化学的修復によって有機溶媒の分解が抑制される。
本発明の非水電解液は、常温で液体であって、電気化学エネルギー蓄積デバイスのエネルギーを駆動させるに十分な電解質塩濃度があり、しかも、電解液中の塩素イオンの活性を制御することができる。したがって、高いエネルギー密度の電気化学エネルギー蓄積デバイスが得られるだけでなく、その信頼性を高めることができる。
本発明の一実施形態の非水電解液において、アノード電流を流した時間と試験極の銀の電位との関係を示した図 本発明の一実施形態の非水電解液において、銀の試験極に対するサイクリックボルタムメトリーを行ったときの電位−電流変化を表した図 アノード電流を流した時間と試験極の鉄の電位との関係を示した図
本発明の非水電解液は、4級アンモニウム塩化物、アルカリ土類金属塩化物、および、有機溶媒を含む。使用できる4級アンモニウム塩化物として、以下のものがあげられる。4級アンモニウムイオンは、電位窓が広いという観点から、脂肪族イオンであることが好ましい。
直鎖のアルキル基を有する4級アンモニウム塩化物としては、塩化テトラエチルアンモニウム((CNClTEACl)、塩化テトラプロピルアンモニウム((CNClTPACl)、塩化テトラブチルアンモニウム((CNClTBACl)、塩化テトラオクチルアンモニウム((C17NClTOACl)、塩化トリエチルメチルアンモニウム((C(CH)NCl、TEMACl)、塩化トリブチルメチルアンモニウム((C(CH)NClTBMCl)、塩化トリオクチルメチルアンモニウム((C17(CH)NClTOMCl)があげられる。
エーテル基を有する4級アンモニウム塩化物としては、塩化ジエチルメチル−2−メトキシエチルアンモニウム((C(CH)(CHCHOCH)NCl、DEMECl)があげられる。
環状アルキル基を有する4級アンモニウム塩化物としては、塩化スピロ−(1,1)−ビピロリジニウム((CNCl、SBPCl)、塩化ブチルメチルピロリジニウム((C)(CH)(C)NCl、P14Cl)、塩化プロピルメチルピペリジニウム((C)(CH)(C10)NCl、PP13Cl)があげられる。
上にあげた4級アンモニウム塩化物は一例であって、N原子に結合する官能基の組み合わせを変更することで、さまざまな4級アンモニウム塩化物が使用できる。しかし、4級アンモニウム塩化物の中でも、炭素数が4以上のアルキル基を有するものが好ましい。アルカリ土類金属塩化物と組み合わせたときに、有機溶媒への溶解性が高まり、高濃度の伝導イオンを含む非水電解液を調製できる。
使用できるアルカリ土類金属塩化物としては、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化ストロンチウム(SrCl)、塩化バリウム(BaCl)があげられる。なかでも、MgClやCaClが好ましい。4級アンモニウム塩化物との塩素イオンを介した相互作用によって、有機溶媒への溶解性が高まる。
使用できる有機溶媒としては、以下のものがあげられる。
環状カーボネートしては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)があげられる。
環状エステルとしては、γ−ブチロラクトン(GBL)、α−メチル−γ−ブチロラクトン(MGBL)、γ−バレロラクトン(GVL)、フラノン(FL)、3−メチル−2(5H)−フラノン(MFL)、α−アンゲリカラクトン(AGL)があげられる。
鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPuC)、メチルブチルカーボネート(MBC)、メチルペンチルカーボネート(MPeC)があげられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(MTHF)、1,3−ジオキソラン(DIOX)、テトラヒドロピラン(THP)があげられる。
鎖状エーテルとしては、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1−メトキシ−2−エトキシエタン(EME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)があげられる。
ニトリル類では、アセトニトリル(AN)、プロピオニトリル(PN)、アジポニトリル(AGN)があげられる。
窒素や硫黄元素を含む有機溶媒では、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)があげられる。
上にあげた有機溶媒のうち、PC、ECのような環状カーボネートや、DMC、EMC、DECのような鎖状カーボネートが好ましい。PCを使用した場合には、幅広い組成範囲で単一相の電解液が得られる。DMCやDECを使用した場合には、高い電解質塩の濃度でありながら粘度の低い電解液を調製することが可能になるだけでなく、金属塩化物の溶解抑制に大きな効果を得ることができる。
4級アンモニウム塩化物、アルカリ土類金属塩化物、有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数の塩化物や溶媒を組み合わせて用いてもよい。複数を使用することで、単一相の電解液が得られる組成範囲が広がる。
本発明の非水電解液に含まれる4級アンモニウム塩化物とアルカリ土類金属塩化物のモル比は、4級アンモニウム塩化物/アルカリ土類金属塩化物で、2/1であることが好ましい。すべての塩化物が溶解できる範囲で、アルカリ土類金属塩化物のモル比を増加してもよい。他の金属塩化物の非水電解液への溶解を抑制しやすくなる。
本発明の非水電解液に含まれる有機溶媒のモル比は、4級アンモニウム塩化物/アルカリ土類金属塩化物のモル比が2/1である場合、4級アンモニウム塩化物/アルカリ土類金属塩化物/有機溶媒のモル比は、2/1/2〜2/1/6であることが好ましい。現在使われている非水電解液よりも高い電解質塩濃度の電解液が得られる。
本発明の非水電解液を適用できる電気化学エネルギー蓄積デバイスは、電気二重層キャパシタ、二次電池、および、二重層キャパシタと二次電池の電気特性を併せ持つハイブリ
ッドキャパシタなどである。また、本発明の非水電解液は、これらのデバイスを開発する上で必要な信頼性の高い参照極の作製にも使用することができる。
二重層キャパシタの分極性電極に用いることができる炭素材料には、活性炭があげられる。活性炭としては、具体的には、ヤシ殻等の天然植物系活性炭、フェノール等の合成樹脂系活性炭、コークス等の化石燃料系活性炭等があげられ、これらは1種または2種以上併用してもよい。また、カーボンブラックを賦活化することによって得られる超微粉末活性炭を使用してもよい。キャパシタの充電では、4級アンモニウムイオンが負極表面に吸着し、4級アンモニウム塩化物から放出される塩素イオンとアルカリ土類金属塩化物によって形成されるアニオンが正極表面に吸着する。放電では、それぞれのイオンが負極および正極表面から脱離する。
非水電解液電池に使用できる電極には、正極および負極ともファラデー電流を流すことができる材料が選ばれる。
正極材料には、金属酸化物や金属硫化物のような無機材料だけでなく、フッ化黒鉛(CF)のような有機材料も使用することができる。
塩化マグネシウム(MgCl)を電解液に用い、金属酸化物として酸化鉄(3価)を用いた場合には、放電反応で鉄(0)と酸化マグネシウム(MgO)が生成する。粒径がナノサイズであると、電気化学的な可逆性が高まる。五酸化バナジウム(V)は充放電で、その層間にマグネシウムイオンを可逆的に吸収放出する。
硫化鉄(FeS)や硫化モリブデン(MoS)のような金属硫化物は、塩化マグネシウム(MgCl)を含む電解液の場合、放電で、鉄やモリブデン金属と硫化マグネシウム(MgS)に分解する。金属酸化物と同じく、粒径をナノサイズにすることにより、電気化学的な可逆性が高まる。
硫黄(S)も正極材料として使用できる。塩化マグネシウムを含む電解液中では、放電で硫化マグネシウム(MgS)が生成する。硫化マグネシウムからマグネシウムが外れて硫黄に戻る充電反応も可能である。
フッ化黒鉛(CF)では、塩化マグネシウム(MgCl)を電解液に用いた場合には、放電で、炭素(C)とフッ化マグネシウム(MgF)が生成する。
本発明の非水電解液には、金属塩化物を溶解しにくいこと、および、塩素イオン活性があるいう特徴を活かして、金属塩化物も正極材料として使用することができる。例えば、塩化銀(AgCl)の場合には、放電で塩素イオンが塩化銀より放出されて銀が生成し、充電で塩化銀が再生する。ほかの金属塩化物として、塩化バナジウム、塩化クロム、塩化マンガン、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銅なども使用することができる。
非水電解液二次電池に使用できる負極材料としては、マグネシウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属があげられる。これらは、電解液の組成に依存して、放電では、アルカリ土類金属イオンが電解液中に溶出するか、塩素イオン活性によってアルカリ土類金属塩化物が生成する。また、天然黒鉛や人造黒鉛、黒鉛繊維や気相成長炭素繊維などの高結晶性炭素材料、単層や多層のカーボンナノチューブを使用することができる。これらの炭素材料では、充放電で、アルカリ土類金属イオンが炭素材料に出入りする。
ハイリッドキャパシタは、本発明の非水電解液と、上記の二重層キャパシタや非水電解液二次電池に使用できる正極および負極材料を組み合わせて作製することができる。さら
に、ポリピロールやポリチオフェンなどの導電性高分子を正極および負極に使用することができる。これらの高分子では、充電で電解液中のイオンが高分子中に挿入される。また、=N−O・型のフリーラジカルをπ共役高分子に組み込んだラジカル導電性高分子を正極材料に用いてもよい。
二次電池や電気二重層キャパシタなどの正極や負極は、正極または負極材料の粉末とアセチレンブラックなどの導電性粉末およびポリフッ化ビニリデンなどの結着剤を混合することで、作製することができる。これらの粉末は、そのまま粉体混合したあと成型してもよいし、N−メチルピロリドン(NMP)などの溶媒に分散あるいは溶解して導電性の箔上に塗布することもできる。導電性の箔は、炭素材料であることが好ましいが、本発明の非水電解液における塩素イオン活性の制御効果を活用して金属箔も使用することができる。この場合には、金属塩化物と集電体が一体化した電極を電気化学的に作製する。
以下に実施例および比較例をあげ、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
この実施例では、4級アンモニウム塩化物、アルカリ土類金属塩化物、有機溶媒を混合して電解液を調製し、単一相の非水電解液ができる組成範囲を検討した。
塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl、Fluka社製)、塩化マグネシウム(MgCl、Aldrich社製)プロピレンカーボネート(PC、キシダ化学社製)、ジメチルカーボネート(DMC、キシダ化学社製)、ジエチルカーボネート(DEC、キシダ化学社製)、および、1,2−ジメトキシエタン(DME、キシダ化学社製)を、表1に記載したモル比で混合した。60℃で12時間撹拌し、室温まで冷却した後の溶液の様子を観察した。表1において、Aと記載したものは溶液が単一相であったことを示し、Bと記載したものは2層の液相に分離したことを示す。
表1より、環状カーボネートであるPCを使用すると、いずれの含有比でも単一相の電解液となった。鎖状カーボネートであるDMCやDECでは、含有比を増やすと溶液は2層に分離し、DMCでは、2/1/6、DECでは2/1/2までの組成が、単一相を保った。なお、いずれの溶媒でも、2/1/1の組成では、溶液は粘ちゅう状態であった。
現在使われている電解質塩が有機溶媒に溶解する場合には、飽和濃度までは単一相の溶液になり、飽和濃度を超えると電解質塩が析出する。例えば、TBAClをDMCに溶解
する場合、TBACl/DMCのモル比が1/6の場合には単一相の溶液であるが、1/4では、TBAClは溶けきれずに固体として残る。しかし、本発明では表1に見るように、MgClを組み合わせることで、TBACl/DMCのモル比が1/1(=2/2)であっても、常温で単一相の溶液として調製することができる。TBAClとDMCのモル比で比較すると、従来のTBACl/DMCのモル比が1/6の溶液にくらべ、本発明の非水電解液では1/1であっても溶液状態であることから、本発明の電解液は6倍以上の電解質塩濃度を有していることがわかる。
(実施例2)
実施例2および比較例1で、本発明の非水電解液によって塩化銀(AgCl)の溶解が抑制される効果を確認した。
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl)、塩化マグネシウム(MgCl)、ジメチルカーボネート(DMC)を、TBACl/MgCl/DMCのモル比で、2/1/6となるように混合した。60℃で12時間、撹拌を続けることで単一相の電解液Pを得た。
大気下で、次のようにして塩化銀の電極を作製した。1モル/リットルの濃度で調製した塩化ナトリウム(NaCl、キシダ化学社製)水溶液に、2枚の銀板(ニラコ社製)を対峙させ、アノード側の銀板に対して3mA/cmの電流を1時間流した。アノード側の銀板の表面は赤紫色になり、塩化銀の生成が認められた。
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で塩化銀の電極を切り出し、上記の電解液Pに12時間、浸漬した。塩化銀の電極は茶色〜赤紫色を保持しており、塩化銀は溶解しにくいことを確認できた。
(比較例1)
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl)、ジメチルカーボネート(DMC)を、TBACl/DMCのモル比で、1/6となるように混合した。室温で2時間の撹拌を行うことにより単一相の電解液pを得た。
実施例2で作製した塩化銀の電極を切り出し、アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、電解液pに浸漬した。電極の表面からただちに塩化銀が溶出し、地金の銀が露出した。
実施例2と比較例1の対比から、本発明の非水電解液では、塩化銀の溶解が抑制されていることがわかる。
(実施例3)
実施例3で、本発明の電解液中で安定に存在する塩化銀が、電極電位が異常に高い状態であっても、有機溶媒の分解を抑制することを確認した。
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、実施例2で調製した電解液Pに、試験極としての銀板、対極としての塩化銀の電極、参照極としての銀リボン(ニラコ社製)を浸漬した。そして、試験極に0.1mA/cmのアノード電流を5時間流し続けた。
図1は、アノード電流を流した時間に対する試験極の電位変化をプロットしたものである。通電開始後40分までは電位がほぼ一定であり、試験極の表面に塩化銀が生成した。その後、電位はなだらかに上昇し5時間後には6Vを超えたが、通電している間、有機溶媒の分解による気泡の発生はほとんど見られなかった。3V以上の電位では下向きのスパイクが多数見られることから、塩化銀の膜の破壊と修復が繰り返し起きていると推定でき
る。この素早い修復が非水電解液の分解を抑制していると考えられる。
(実施例4)
実施例4で、本発明の非水電解液において、アノード酸化によって生成させた塩化銀をカソード還元によって銀に戻すことができることを確認した。
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、塩化テトラブチルアンモニウム(TBACl)、塩化マグネシウム(MgCl)、ジエチルカーボネート(DEC)を、TBACl/MgCl/DECのモル比で、2/1/3となるように混合した。60℃で12時間、撹拌を続けることで単一相の電解液Qを得た。
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、電解液Qに、試験極としての銀板、対極としてのマグネシウムリボン(高純度化学社製)、参照極としての銀リボンを浸漬した。そして、試験極に対して、1mV/秒の掃引速度、−1〜1Vの電位幅で、サイクリックボルタムメトリーを2サイクル行った。
図2は、試験極の電位変化に対する電流変化をプロットしたものである。1回目のアノード方向の掃引では試験極の表面は赤紫色に変化し、塩化銀が生成していることが認められた。カソード方向の掃引では大きな還元電流が流れ、アノード掃引での電気量に対するカソード掃引での電気量は、約88%であった。
実施例4によって、金属塩化物を正極材料とする非水電解液二次電池が可能であることがわかる。また、本発明の非水電解液と銀/塩化銀電極を組み合わせることで、これまで存在しなかった非水電解液中で電気化学測定を行うに必要な参照極を作製できることがわかる。
(実施例5)
実施例5と比較例2によって、鉄の表面に塩化物を電気化学的に形成することで、鉄のアノード溶解を抑制できることを確認した。
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、実施例2で調製した電解液Pに、試験極としての鉄線(ニラコ社製)、対極としての銀板、参照極としての銀リボンを浸漬した。そして、試験極の参照極に対する電位を、アノード方向に0.2mV/秒の速度で変化させた。
図3において、線Aは、試験極の電位変化に対するアノード電流の変化をプロットしたものである。電位が1Vまではアノード電流が増加し、1Vを超えたところからほぼ一定になった。鉄線の周囲には塩化鉄とDMCの付加体と推定される白色の物質が付着した。
(比較例2)
アルゴン雰囲気のグローブボックス中で、比較例1で調製した電解液pに、実施例5と同じように、鉄線、銀板、および、銀リボンを浸漬し、鉄線の電位を0.2mV/秒の速度で掃引した。
図3において、線Bは、鉄線の電位変化に対するアノード電流の変化をプロットしたものである。電位が1Vを超えてもアノード電流は増加し続け、鉄線は溶解した。1.5Vを超えたところから、銀板に還元析出した鉄粒子が電解液に流れ出して鉄線と接触するため、アノード電流が乱れるのが観察された。
実施例5と比較例2の対比から、本発明の非水電解液では鉄の電気化学的溶解が抑制さ
れることがわかる。したがって、鉄を集電体と見なせば、実施例3および4の塩化銀と同じように、集電体と電気化学エネルギー蓄積材料である塩化鉄を一体化した電極を、簡便に、作製できる。
本発明の非水電解液は、4級アンモニウム塩化物、アルカリ土類金属塩化物、および、有機溶媒を含み、4級アンモニウムイオンやアルカリ土類金属イオンが電荷キャリアとして働く。また、電解液中の塩素イオンの活性を制御し、金属塩化物の安定性を向上し電気化学エネルギーを蓄積する材料として活用することを可能にする。さらに金属塩化物が安定に存在することで、有機溶媒の分解を抑制できるようになる。
また、本発明の非水電解液は、現在使われている非水電解液にくらべて高い電解質塩の濃度を有しており、デバイス内での電解液量を減らし電気化学エネルギーを蓄える電極材料を増やすことができる。
以上のことから、本発明の非水電解液は、電気化学エネルギー蓄積デバイスのエネルギー密度を上げるとともに、その信頼性を向上させることができる。本発明の非水電解液を適用できる電気化学エネルギー蓄積デバイスは、一次および二次電池、電気二重層キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどである。これらのデバイスは、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末、ビデオカメラ、携帯用ゲーム機器などの携帯用電子機器の電源として有用であり、また、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車などにおける電気モーターの駆動あるいは補助する二次電池、電動工具、掃除機、ロボットなどの駆動用電源などとして利用される。

Claims (12)

  1. 4級アンモニウム塩化物と、アルカリ土類金属塩化物と、有機溶媒とを含む非水電解液。
  2. 4級アンモニウム塩化物の4級アンモニウムイオンが脂肪族イオンである請求項1に記載の非水電解液。
  3. 4級アンモニウム塩化物の4級アンモニウムイオンが炭素数4以上のアルキル基を有する請求項1に記載の非水電解液。
  4. 4級アンモニウム塩化物が塩化テトラブチルアンモニウムである請求項1に記載の非水電解液。
  5. アルカリ土類金属塩化物が、塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムから少なくとも1つ選択される請求項1に記載の非水電解液。
  6. 4級アンモニウム塩化物とアルカリ土類金属塩化物のモル比が、2/1以下である請求項1に記載の非水電解液。
  7. 有機溶媒が、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートから少なくともひとつ選択される請求項1に記載の非水電解液。
  8. 有機溶媒がプロピレンカーボネートである請求項1に記載の非水電解液。
  9. 有機溶媒が、ジメチルカーボネートおよびジエチルカーボネートから少なくともひとつ選択される請求項1に記載の非水電解液。
  10. 正極および負極が分極性の電極であって、電解液が請求項1に記載の非水電解液である電気二重層キャパシタ。
  11. 正極および負極がファラデー電流を流す電極であって、電解液が請求項1に記載の非水電解液である非水電解液電池。
  12. 正極および負極のいずれかが分極性の電極、他方がファラデー電流を流す電極であって、電解液が請求項1に記載の非水電解液であるハイブリッドキャパシタ。
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