JP2020021655A - 電解液、アルカリ金属イオン二次電池、及び電解液用添加剤 - Google Patents

電解液、アルカリ金属イオン二次電池、及び電解液用添加剤 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ金属イオン二次電池のサイクル特性を改善できる電解液を提供すること。【解決手段】メチレンマロン酸エステルを含む、電解液。【選択図】なし

Description

本発明は、電解液、アルカリ金属イオン二次電池、及び電解液用添加剤に関する。
リチウムイオン二次電池は、スマートフォン、パーソナルコンピューター等の電子機器の電源、及び自動車用電源などとして用いられている。これらの用途に使用される電池では、高出力化、高エネルギー密度化、サイクル特性、レート特性等の各種特性の向上を目的とした研究が重ねられている。
特開2006−216276号公報
ここで、特許文献1に記載されるように、電極上で酸化重合反応を受けやすいモノマー(電解酸化重合モノマー)と、還元重合反応を受けやすいモノマー(電解還元重合モノマー)とを予め電解液に含有させておき、初期の充電の際にリチウム二次電池の正極及び負極の表面にそれぞれ電解酸化重合モノマーに由来するポリマーと、電解還元重合モノマーに由来するポリマーとを形成する方法が知られている。
このように正極及び負極のそれぞれの表面にポリマーの被膜を形成することにより、正極及び負極の活物質が電解液と直接接触することを防止し、正極及び負極の活物質の溶出、電解液の電気分解等を抑制することができる。また、電解酸化重合モノマー及び電解還元重合モノマーとして、導電性ポリマーを形成するモノマーを使用することにより、内部抵抗を低下させることができることも知られている。
上記電解還元重合モノマーとしてはビニレンカーボネートが良く知られており、電解液の添加剤として、頻繁に使用されてきた。
しかしながら、本発明者が鋭意検討したところによれば、還元重合反応を受けやすいモノマーの中には、負極上で還元分解し、良好な被膜を形成するものの、正極上では酸化分解を受けやすく、電池のサイクル特性に悪影響を及ぼすものがあることが判明した。例えば、上記電解還元重合モノマーの代表例であるビニレンカーボネートは、正極上で酸化分解を受け、ガスが発生する。そのため、このような電解還元重合モノマーを用いた場合は、サイクル特性の改善が十分ではなく、例えば添加量が多い場合などに、むしろサイクル特性が悪化する場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アルカリ金属イオン二次電池のサイクル特性を改善できる電解液、及びそのような電解液を用いたアルカリ金属イオン二次電池を提供することを目的とする。また、本発明は、上記電解液を調製するための電解液用添加剤を提供することを目的とする。
本発明の電解液は、メチレンマロン酸エステルを含む。
上記メチレンマロン酸エステルが、下記一般式(1)で表される少なくとも一種であると好ましい。
Figure 2020021655

(式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜30個の炭素原子を有する置換炭化水素基、若しくは1〜30個の炭素原子を有する複素環式の基である、又はR及びRは、一緒になって6〜12員環を形成しており、R及びRの少なくとも一つは水素原子ではない。)
及びRは、それぞれ独立にn−ヘキシル基又はシクロヘキシル基であると好ましい。
電解液の総質量に対して、3質量%以下の上記メチレンマロン酸エステルを含むと好ましい。
本発明のアルカリ金属イオン二次電池は、上記電解液を備える。
本発明の電解液用添加剤は、下記一般式(1)で表される少なくとも一種のメチレンマロン酸エステルを含む。
Figure 2020021655

(式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜30個の炭素原子を有する置換炭化水素基、若しくは1〜30個の炭素原子を有する複素環式の基である、又はR及びRは、一緒になって6〜12員環を形成しており、R及びRの少なくとも一つは水素原子ではない。)
本発明によれば、アルカリ金属イオン二次電池のサイクル特性を改善できる電解液、及びそのような電解液を用いたアルカリ金属イオン二次電池を提供することができる。また、本発明によれば、上記電解液を調製するための電解液用添加剤を提供することができる。
本実施形態の電解液は、メチレンマロン酸エステルを含む。このような電解液によれば、アルカリ金属イオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。その理由としては、必ずしも定かではないが、本発明者は、メチレンマロン酸エステルが負極上で還元重合されることで導電性のポリマーを形成して負極及び電解液との接触を防止すると共に、正極にも作用して正極上での電解液の電気分解を抑制しているものと考えている。そのため、メチレンマロン酸エステルを含む本実施形態の電解液は、アルカリ金属イオン二次電池に使用した場合にサイクル特性に優れると考えられる。したがって、本実施形態の電解液は、電極上で酸化重合反応を受けやすいモノマーと併用しなくてもサイクル特性を改善することができると共に、正極及び負極の両方の電極を安定化させることができるため、添加量が少量であってもサイクル特性を改善することができる。また、本実施形態の電解液は、アルカリ金属イオン二次電池の電解液として使用した場合に、初期の充放電効率に優れる傾向にある。
上記メチレンマロン酸エステルは、メチレンマロン酸の一つ又は二つのカルボキシル基が、ヒドロキシル基で置換された炭化水素化合物、置換炭化水素化合物又は複素環式化合物とエステル結合した構造を有するモノエステル又はジエステルである。言い換えれば、メチレンマロン酸エステルは、ヒドロキシル基で置換された炭化水素化合物、置換炭化水素化合物又は複素環式化合物に由来する少なくとも一つの炭化水素基、置換炭化水素基又は複素環式の基を有する。あるいは、分子内に二つのヒドロキシル基を有する炭化水素化合物の二つのヒドロキシル基とメチレンマロン酸の二つのカルボキシル基とがエステル結合した構造を有していてもよい。
メチレンマロン酸エステルが有する炭化水素基としては、直鎖若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、又は芳香族炭化水素基が挙げられる。なお、脂環式炭化水素基は、環状の脂肪族炭化水素部分を有する脂肪族炭化水素基であり、芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。また、直鎖若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、及び脂環式炭化水素基は、アルケニル基、シクロアルケニル基等の不飽和二重結合を有する基であってもよく、不飽和結合を有しない飽和炭化水素基であってもよい。
置換炭化水素基としては、上記炭化水素基の水素原子の少なくとも一つをハロゲン原子、アルコキシ基、チオアルキル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アジド基、ニトリル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、又はエステル基で置換したものが挙げられる。アルコキシ基及びチオアルキル基のアルキル部分の炭素数としては、1〜15個であってよい。
複素環式の基としては、複素環を有する基であって、例えば、複素環の環に結合した水素を一つ取り除いた基、又はアルキル基が結合した複素環の当該アルキル基から水素を一つ取り除いた基が挙げられる。複素環としては、脂肪族複素環及び芳香族複素環のいずれであってもよく、複数の複素環を有していてもよい。また、複素環は、置換及び未置換のいずれであってもよい。当該置換基としては、上記置換炭化水素基における置換基として挙げたものに加えて、アルキル基、アルケニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化シクロアルキル基等が挙げられる。
より具体的には、メチレンマロン酸エステルは、下記一般式(1)の構造を有するものであると好ましい。
Figure 2020021655

ここで、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、炭化水素基若しくは置換炭化水素基、又は1〜30個の炭素原子を有する複素環式の基であってよい。R及びRは、一緒になって6〜12員環を形成していてもよい。なお、R及びRの少なくとも一方は、水素原子ではない。当該炭化水素基若しくは置換炭化水素基、又は1〜30個の炭素原子を有する複素環式の基に含まれる炭素原子の数は、1〜30個であってよく、1〜15個であってよく、1〜10個であってよく、2〜8個であってよく、3〜7個であってよい。
直鎖又は分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、一般式C2m+1(mは1〜10の整数)で与えられるアルキル基が挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、及びn−デシル基等が挙げられる。脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、フェニル基等が挙げられる。また、置換炭化水素基としてはフルオロメチル基、複素環式の基としてはピリジン基などがあげられる。
メチレンマロン酸エステルの具体例としては、ジn−ヘキシルメチレンマロネート(DHMM)、ジシクロヘキシルメチレンマロネート(DCHMM)が挙げられる。
及びRは、一緒になって6〜12員環を形成していてもよい。この場合、R及びRとしては、上記一般式(1)において、R及びRと結合している二つの酸素を連結するメチレン基、エチレン基であってよい。
本実施形態の電解液におけるメチレンマロン酸エステルの含有量は、電解液の総質量に対して、3質量%以下であると好ましく、2質量%以下であると好ましく、1質量%以下であると更に好ましく、0.5質量%以下であるとさらにまた好ましい。また、電解液におけるメチレンマロン酸エステルの含有量は、電解液の総質量に対して、0.01質量%以上であると好ましく、0.05質量%であるとより好ましい。
本実施形態の電解液は、電解質及び溶媒を含む。電解液がリチウムイオン電池用の電解液である場合、電解質としては、LiPF、LiBF、LiN(SO2n+1(n=0〜6)、LiPF(C、LiBF、LiBF(CF、LiAsF、LiSbF、LiFSO等のリチウム塩が挙げられる。中でも、リチウム塩としてLiPF、Li(SOF)(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、LiFSI)、又はLi(SOCF(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、LiTFSI)を使用した場合、更にサイクル特性を向上できる傾向にあるため好ましい。これらのリチウム塩は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、電解液がナトリウムイオン電池、又はカリウムイオン電池用の電解液である場合、電解質としては、上記リチウム塩のリチウムをナトリウム又はカリウムで置換したナトリウム塩又はカリウム塩が挙げられる。
電解液における上記電解質の濃度は、用途に応じて適宜変更することができるが、例えば、イオン伝導度、レート特性等の電池特性が良好になる傾向があることから、好ましくは0.1M(mol/L)以上、より好ましくは0.15M以上、更に好ましくは0.2M以上、より更に好ましくは0.3M以上、最も好ましくは0.5M以上である。また、電解液の粘度の上昇を抑制でき、レート特性等の電池特性が向上する傾向があることから、電解液における上記リチウム塩の濃度は、好ましくは6.0mol/L以下、より好ましくは5.0mol/L以下、更に好ましくは4.0mol/L以下、より更に好ましくは3.0mol/L以下である。
本実施形態の電解液における溶媒としては、特に制限されず、非水系溶媒であってよい。非水系溶媒としては、誘電率が大きく、電解質塩の溶解性が高く、沸点が60℃以上であり、且つ、電気化学的安定範囲が広い溶媒が好適である。このような有機溶媒としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、クラウンエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエ−テル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類;炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル(エチルメチルカーボネート)、炭酸ジエチル(ジエチルカーボネート)、炭酸ジフェニル、炭酸メチルフェニル等の鎖状炭酸エステル類;炭酸エチレン(エチレンカーボネート)、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)、2,3−ジメチル炭酸エチレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、2−ビニル炭酸エチレン等の環状炭酸エステル類;安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステル類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類;リン酸トリメチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリエチル等のリン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、2−メチルグルタロニトリル、バレロニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等の硫黄化合物類;ベンゾニトリル、トルニトリル等の芳香族ニトリル類;ニトロメタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン等を挙げることができる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、鎖状炭酸エステル類、環状炭酸エステル類等の炭酸エステル類(カーボネート系溶媒)、ラクトン類、エーテル類が好ましく、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等がより好ましく、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒が更に好ましい。上記非水系溶媒は1種を単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の電解液は、水を本質的に含まない非水電解質であると好ましい。電解液における水分量は、100質量ppm以下であると好ましく、50質量ppm以下であると好ましい。
本発明に係る非水電解液は、上記他の電解質、又は溶媒以外にも、アルカリ金属イオン二次電池のサイクル特性の改善や安全性の向上など各種特性の向上を目的とする添加剤を含有していてもよい。
添加剤としては、フェニルエチレンカーボネート、エリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;エチレンサルファイト、1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、1,5−ペンタンサルトン、1,4−へキサンサルトン、4,6−ヘプタンサルトン、メタンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル、トリメチレングリコール硫酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸メチル等のスルホン酸エステル;ブサルファン、スルホレン、ジフェニルスルホン、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン等のスルホン化合物;無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、フェニルコハク酸無水物等のカルボン酸無水物;1−メチル−2−ピロリジノン、1−メチル−2−ピペリドン、N−メチルスクシイミド等の含窒素化合物;モノフルオロリン酸塩、ジフルオロリン酸塩等のリン酸塩;ヘプタン、オクタン、シクロヘプタン等の炭化水素化合物;メチルビニレンカーボネート(MVC)、エチルビニレンカーボネート(EVC)等の不飽和結合を有する環状カーボネート;フルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート及びエリスリタンカーボネート等のカーボネート化合物;などが挙げられる。
上記添加剤の含有量は、電解液の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であって、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。添加剤の含有量が0.1質量%以上であると、添加剤に由来する効果が得られ易い傾向があり、添加剤の含有量が10質量%以下であると、電解液の粘度の上昇を抑制できると共に、添加量に見合う効果が得られ難くなる過剰の添加剤を削減できる傾向にある。
本実施形態の電解液は、アルカリ金属イオン二次電池、キャパシタ等の電解液に使用することができる。アルカリ金属イオン二次電池としては、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池等が挙げられ、特に、リチウムイオン電池であると好ましい。
以下、本実施形態のリチウムイオン二次電池について説明する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、上記電解液とを備える。より詳細には、正極と負極との間にはセパレーターが設けられており、上記電解液は上記セパレーターに含浸された状態で、正極、負極等と共に外装ケースに収容されていてよい。
正極に含まれる正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵及び放出可能な物質であればよく、リチウムイオン二次電池で使用することができる正極活物質であれば制限なく使用でき、遷移金属を含む酸化物であると好ましい。
具体的には、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、LiNi1−x−yCoMn(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)、LiNi1−x−yCoAl(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)等の三元系酸化物等の遷移金属酸化物、LiNiMn2−y(0.9≦x≦1.1、0<y<1)で表されるニッケルマンガン酸リチウム、LiAPO(A=Fe、Mn、Ni、Co)等のオリビン構造を有する化合物、遷移金属を複数取り入れた固溶材料(電気化学的に不活性な層状のLiMnOと、電気化学的に活性な層状のLiM”O[M”=Co、Ni等の遷移金属]との固溶体)等が正極活物質として挙げられる。これらの正極活物質は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
負極に含まれる負極活物質としては、リチウムイオン二次電池で使用される従来公知の負極活物質を用いることができ、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであればよい。具体的には、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛、石炭・石油ピッチから作られるメソフェーズ焼成体、難黒鉛化性炭素等の黒鉛以外の炭素材料、Si、Si合金、SiO(xは、1〜2)等のSi系負極材料、Sn合金等のSn系負極材料、金属リチウム、リチウム−アルミニウム合金等のリチウム合金、チタン酸リチウムなどを用いることができるが、リチウムイオン二次電池の満充電時の負極充電電位(リチウム基準)が、0V以上、0.1V以下であることが好ましい。これらの負極活物質は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
サイクル特性をより向上させる観点から、本実施形態のリチウムイオン二次電池は、負極が負極活物質として炭素材料を含むものであると好ましい。
本実施形態のリチウムイオン電池は、セパレーターを備える。セパレーターは正極と負極とを隔てるように配置されるものである。セパレーターの材質としては、特に制限がないが、例えば、非水電解液を吸収及び保持できるポリマーからなる多孔性シート(例えば、ポリオレフィン系微多孔質セパレーターやセルロース系セパレーター等)、不織布セパレーター、多孔質金属体等が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系微多孔質セパレーターは、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質を有するため好適である。
<電解液用添加剤>
本実施形態の電解液用添加剤は、下記一般式(1)で表される少なくとも一種のメチレンマロン酸エステルを含む。
Figure 2020021655

(式中、R及びRは、上述したものと同じものであってよい。)
本実施形態の電解液用添加剤をアルカリ金属イオン二次電池の電解液に添加した場合に、アルカリ金属イオン二次電池のサイクル特性を改善することができる。
本実施形態の電解液用添加剤は、電解液用添加剤の総質量に基づいて上記メチレンマロン酸エステルを95質量%以上含むことが好ましく、97質量%以上含むことがより好ましく、99質量%以上含むことがさらに好ましい。なお、本実施形態の電解液用添加剤における上記メチレンマロン酸エステルの含有量の上限は、電解液用添加剤の総質量に基づいて99.9質量%以下であってよい。
<実施例1>
エチレンカーボネート(EC)及びエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比3:7で混合した混合溶媒に電解質としてLiPF及び添加剤としてジn−ヘキシルメチレンマロン酸エステル(DHMM)を溶解して、電解液を調製した。電解液におけるLiPFの濃度は、1.2Mであった。電解液におけるジn−ヘキシルメチレンマロン酸エステルの含有量は、電解液の総質量に対して0.1質量%(1000質量ppm)であった。
以下のとおり、負極(黒鉛電極)を作製した。まず、塊状天然黒鉛(日立化成株式会社製、商品名:「SMG」)と鱗片状人造黒鉛(TIMCAL社製、商品名:「SFG―15」)を質量比85:15で混合した混合黒鉛を、カルボキシメチルセルロース、及びスチレンブタジエンゴムと混合し、水に分散させてスラリーを調製した。当該スラリーを銅箔上に塗工し、乾燥及びプレスした後、負極活物質を含む層が形成された銅箔の塗工部を、φ14mmのサイズにで打ち抜き、負極とした。
また、以下のとおり、正極を作製した。まず、LiNi1/3Co1/3Mn1/3と、アセチレンブラックと、グラファイトと、ポリビニリデンフルオリドとを、93:2:2:3の質量比でNMP溶媒中に分散させたスラリーを調製した。当該スラリーをアルミニウム箔上に塗工し、乾燥及びプレスした後、正極活物質を含む層が形成されたアルミニウム箔の塗工部をφ12mmのサイズに打ち抜き、正極とした。
<コインセルの作製>
CR2032コイン型電池用部品(宝泉株式会社製)を用いて、以下のとおり、コイン型リチウムイオン二次電池を組み立てた。
具体的には、負極として上記黒鉛電極を用い、当該負極上に電解液を35μL滴下した。セパレーターとして厚さ16μmのポリエチレン製微多孔膜をφ16mmのサイズに打ち抜いたものを用意した。当該セパレーターを負極上に積層し、セパレーターの負極と向かい合う面とは反対側の面に上記電解液を35μL滴下した。さらに、上記正極を、塗工面が負極に対向するように積層し、3mA相当のCR2032型のコインセルを得た。
作製したコインセルに対して0.2C(0.6mA)及び4.2Vの定電流定電圧充電を8時間行った後、電圧値が3.0Vとなるまで0.2C(0.6mA)で定電流放電を行った。この充放電を合計3回行うことにより電池の化成工程を行った。当該化成工程の初回の充電容量と放電容量の比から充放電効率を算出した。結果を表1に示す。
さらに、化成工程後の電池に、25℃環境において、以下の条件で充電及び放電を100サイクル行った。
充電条件:4.2V 3mA 0.06mA終止の定電流定電圧充電、
放電条件:3mA 2.75V終止の定電流放電、
それぞれ終了時に5分間休止させる条件で行った。
初回の放電容量と100サイクル目の放電容量の比より、容量維持率を算出した。結果を表1に示す。
<実施例2>
電解液において、添加剤としてジn−ヘキシルメチレンマロン酸エステルに代えてジシクロヘキシルメチレンマロン酸エステル(DCHMM)を使用したこと以外は、実施例1と同様に電池を作製し、充放電効率及び容量維持率を測定した。結果を表1に示す。
<比較例1>
電解液に添加剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に電池を作製し、充放電効率及び容量維持率を測定した。結果を表1に示す。
<比較例2>
電解液において、添加剤としてジn−ヘキシルメチレンマロン酸エステルに代えてビニレンカーボネート(VC)を使用したこと以外は、実施例1と同様に電池を作製し、充放電効率及び容量維持率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2020021655
<メチレンマロン酸エステルの負極上での作用>
メチレンマロン酸エステルの負極上での作用を確認するため、上記黒鉛電極を作用極に、金属リチウムを対極及び参照極として、掃引電圧2.5V〜0.01V、掃引速度1mV/secの条件で3サイクルのサイクリックボルタンメトリーを行った。1サイクル目に電圧を負方向に掃引した際の0.2V及び0.1Vの電圧値における応答電流を表2に示す。なお、表2では、還元電流を負値で表す。
Figure 2020021655
表2より、実施例1及び2は、比較例1と異なり、作用極の電位をLi電位に近付けると大きな応答電流が発生しており、添加剤である作用極上でのメチレンマロン酸エステルの還元重合が示唆される。
<メチレンマロン酸エステルの正極上での作用>
メチレンマロン酸エステルの正極上での作用を確認するため、上記正極においてLiNi1/3Co1/3Mn1/3に代えて酸化コバルト使用した以外は、上記正極と同様の方法により作製した酸化コバルト電極を用意した。当該酸化コバルト電極を作用極に、金属リチウムを対極及び参照極として用いて、掃引電圧3.0V〜4.5V、掃引速度1mV/secの条件で3サイクルのサイクリックボルタンメトリーを行った。3サイクル目に電圧を正方向に掃引した際の4.2〜4.5Vの1V毎の各電圧値における応答電流を表3に示す。なお、表3では、還元電流を負値で表す。
Figure 2020021655
表3より、メチレンマロン酸エステルを電解液に添加した実施例1及び2では、比較例1と比較して、高電圧印加時の応答電流が低下しており、正極上での電解液の酸化分解が抑制されていると考えられる。一方、メチレンマロン酸エステルに代えてビニレンカーボネートを使用した比較例2では、ビニレンカーボネートが正極上で酸化分解されたため、応答電流の値が比較例1よりも高かった。そのため、比較例2の電池では、容量維持率の改善がほぼ見られなかった。
サイクル特性が改善した理由は必ずしも定かではないが、表2及び3のサイクリックボルタンメトリーの結果より以下の想定をしている。
・メチレンマロン酸エステルが負極上で還元分解し、負極上にポリマーの被膜を形成する。それによって電解液溶媒の還元分解が抑えられ、サイクル特性の向上につながった。
・メチレンマロン酸エステルが正極に作用し、正極上での電解液溶媒の酸化分解が抑えられ、サイクル特性の向上につながった。
以上の作用により、メチレンマロン酸エステルを電解液に添加した場合、初回の充放電効率、100サイクル容量維持率ともに、従来技術であるビニレンカーボネートを添加した電解液よりも良好な性能を示したものと考えられる。

Claims (6)

  1. メチレンマロン酸エステルを含む、電解液。
  2. 前記メチレンマロン酸エステルが、下記一般式(1)で表される少なくとも一種である、請求項1に記載の電解液。
    Figure 2020021655

    (式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜30個の炭素原子を有する置換炭化水素基、若しくは1〜30個の炭素原子を有する複素環式の基である、又はR及びRは、一緒になって6〜12員環を形成しており、R及びRの少なくとも一方は水素原子ではない。)
  3. 及びRは、それぞれ独立にn−ヘキシル基又はシクロヘキシル基である、請求項2に記載の電解液。
  4. 前記電解液の総質量に対して、3質量%以下の前記メチレンマロン酸エステルを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電解液。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の電解液を備える、アルカリ金属イオン二次電池。
  6. 下記一般式(1)で表される少なくとも一種のメチレンマロン酸エステルを含む、電解液用添加剤。
    Figure 2020021655

    (式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、1〜30個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜30個の炭素原子を有する置換炭化水素基、若しくは1〜30個の炭素原子を有する複素環式の基である、又はR及びRは、一緒になって6〜12員環を形成しており、R及びRの少なくとも一方は水素原子ではない。)
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