JP2013221951A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】像担持体における転写領域と非転写領域とからトナーを回収するクリーナーのバイアスを最小限に抑える。
【解決手段】像担持体の表面からトナーを回収するクリーニングローラーと、クリーニングローラーをバイアスするための電源部と、電源部を制御する制御部とを備える画像形成装置において、制御部は、像担持体の表面をその移動方向に第1領域と第2領域とに区分して第1領域には印刷画像に対応するトナー像を形成しかつ第2領域には転写をしない非転写トナー像を形成する画像形成モードにおいて、第1領域がクリーニングローラーと対向する期間内は電源部を定電圧出力状態とし、第2領域のうちの少なくとも非転写トナー像の形成された部分がクリーニングローラーと対向する期間内は電源部を定電流出力状態とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子写真法によって画像を印刷する画像形成装置に関する。
電子写真式の画像形成装置は、感光体上でトナー像を形成し、感光体から直接にまたは中間転写体を介してトナー像を用紙(記録用シート)に転写する。トナー像を一時的に保持する像担持体としての感光体および中間転写体には、トナー像を転写した後に転写効率に応じた量のトナーが残留する。このため、画像形成装置は像担持体に残留するトナーを回収するクリーナーを備えている。
残留するトナーを静電気作用によって回収する静電式クリーナーに関して、種々の先行技術がある。例えば、特許文献1は、像担持体としての転写ベルトに接触する導電性のファーブラシに定電流直流電源を接続するクリーニング装置の構成を開示している。
また、特許文献2では、ベルトに吸着させたシートにトナー像を転写するベルト転写方式の画像形成装置において、転写ローラーをベルトのクリーニングに流用する場合に、転写時には転写ローラーに定電流制御電源を接続し、クリーニング時には転写ローラーに定電圧制御電源を接続することが提案されている。
特許文献3では、感光体と転写ローラーとの間を通過するシートにトナー像を転写するローラー転写方式の画像形成装置において、転写ローラーをベルトのクリーニングに流用する場合に、転写時には定電流制御により転写ローラーに順転写バイアスを印加し、転写ローラーのクリーニング時には定電圧制御により転写ローラーに逆転写バイアスを印加することが提案されている。
特許文献4では、感光体から中間転写ベルトに一次転写したトナー像をシートに二次転写する方式の画像形成装置において、中間転写ベルトに当接するクリーニング用のブラシに付着したトナーを、非作像時にクリーニング時よりも高い電圧をブラシに印加してブラシから吐き出させて除去する手法が開示されている。
特許文献5では、定電流制御により像担持体からシートにトナー像を転写する画像形成装置において、C/W比の異なる複数の画像区分を有するテストパターンを定電圧制御により転写して画像区分ごとにシートに流れる電流を測定し、トナー画像のC/W比に応じて定電流制御の電流値を決める手法が開示されている。
一方、現像器内のトナーの品質を保つために、トナーの吐出しと呼ばれるトナー像形成動作を行う画像形成装置がある。トナーの帯電特性は現像器内での滞留時間がながくなるにつれて徐々に不安定になる。トナーが帯電しにくくなると、現像のむらが生じたり、画像形成装置の内部で飛散したりする。トナーの吐出しでは、用紙に転写しない非転写トナー像を形成してトナーを強制的に消費する。現像器には消費された分のトナーが補給されるので、トナーの吐出しによって古いトナーが新しいトナーに入れ替わる。特許文献6では、用紙に転写する通常画像の形成時とトナーの吐出し用のパターン画像の形成時とで、現像器内の電位を異ならせることが提案されている。
特開2004−310060号公報 特開2008−96601号公報 特開2004−29601号公報 特開2010−145588号公報 特開2008−225272号公報 特開2008−76946号公報
トナーの吐出しを通常の印刷動作の一環として行うことができる。例えば2以上のn枚の用紙の片面に印刷するマルチ印刷に際して、j(1≦j<n)枚目の用紙に転写する印刷用トナー像を像担持体上に形成した後、所定パターンの吐出し用トナー像を形成し、その後に次の(j+1)枚目の用紙に転写する印刷用トナー像を形成する。つまり、用紙搬送や転写のタイミングの上で必要な印刷用トナー像の形成間隔を利用して吐出し用トナー像を形成する。このようにすれば、トナーの吐出しのためだけに画像形成装置を稼動させる必要がなくなる。トナーの吐出しはカラー部分(Color)と白地部分(White)との面積比率であるCW比の小さい画像の印刷が続いたときに行なえばよい。
ところで、印刷用トナー像については、90%以上のトナーが用紙に転写されるので、像担持体から回収すべきトナーの量は1g/m2程度である。これに対して、吐出し用トナー像については、短時間のうちに多量のトナーを吐き出す必要から高CW比の像とされ、かつ用紙に転写されずに像担持体にそのまま残るので、回収すべきトナーの量は通常は5g/m2を超える。複数の色のトナーの重ね合わせにより10g/m2以上になる場合もある。このように像担持体における印刷用トナー像が転写された後の部分と吐出し用トナー像が形成されている部分とでは残存するトナー量が大幅に異なるので、これら部分の両方を清掃するクリーナーの動作条件を最適化するのは難しい。
本発明は、このような事情に鑑み、像担持体における転写領域と非転写領域とからトナーを回収するクリーナーの動作条件を最適化することを目的としている。
上記目的を達成する装置は、像担持体上に印刷画像に対応したトナー像を形成する画像形成装置であって、前記トナー像を用紙に転写する位置を通過した前記像担持体の表面からトナーを回収するクリーニングローラーと、前記クリーニングローラーをバイアスするための、定電圧出力および定電流出力が可能な電源部と、前記電源部を制御する制御部と、を備える。前記像担持体の前記表面をその移動方向に第1領域と第2領域とに区分して前記第1領域には前記トナー像を形成しかつ前記第2領域には転写をしない非転写トナー像を形成する画像形成モードにおいて、前記第1領域が前記クリーニングローラーと対向する期間内は前記電源部を定電圧出力状態とし、前記第2領域のうちの少なくとも前記非転写トナー像の形成された部分が前記クリーニングローラーと対向する期間内は前記電源部を定電流出力状態とする。
本発明によれば、像担持体における転写領域に付着する転写残りトナーと非転写領域に付着する未転写トナーとの回収に際して、クリーニングローラーのバイアスを最小限に抑えることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の要部の構成を示す図である。 像担持体としての中間転写ベルトの領域区分を示す模式図である。 中間転写ベルトからトナーを回収するクリーナーのバイアスの適否の説明図である。 トナーの回収に係る電圧と電流との関係を示すグラフ図である。 クリーナーのバイアスの切替え制御のタイミングチャートである。 クリーナーをバイアスする電源部の構成の第1例を示す図である。 電源部の構成の第2例を示す図である。 電源部の構成の第3例を示す図である。 電源部の構成の第4例を示す図である。 中間転写ベルトに形成される画像安定化パターンの例を示す図である。 クリーニング電圧と拭き残しトナー量との関係を示すグラフである。 拭き残しトナーの帯電量分布を示す図である。 クリーニングの評価試験のためのチャートの例を示す図である。 クリーニングの評価試験の結果を表形式で示す図である。 クリーニングの評価試験のためのハーフトーンパターンの例を示す図である。
図1に例示される画像形成装置1は、電子写真法によってカラーまたはモノクロの画像を形成するプリンターエンジンを備えたMFP(Multi-functional Peripheral)である。画像形成装置1には、操作パネルによる直接の操作またはネットワークを介して接続される外部装置からのアクセスによって印刷ジョブが与えられる。印刷ジョブには原稿シートから画像を読み取って複製するコピージョブが含まれる。
画像形成装置1のプリンターエンジンは、4個の感光体11,12,13,14を用いてイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナー像を並行して形成するタンデム式である。垂直方向に沿って配列された感光体11,12,13,14のそれぞれの周囲には、帯電チャージャー、現像器、およびクリーナーといったトナー像の作像に必要なデバイスが配置されている。
カラー印刷において感光体11,12,13,14のそれぞれの表面に形成された計四つのトナー像は、ローラー21,22,23,24に懸架されて回転する中間転写ベルト20の外周面に順に一次転写され、中間転写ベルト20上で重ねられる。
モノクロ印刷では感光体14の表面に形成されたブラックのトナー像が中間転写ベルト20に一次転写される。そして、中間転写ベルト20上のトナー像は、転写ベルトユニット25のローラー26と中間転写ベルト20とが対向する位置で用紙Pに二次転写される。二次転写位置を通過する用紙Pの搬送角度が転写ベルトユニット25によって調整される。二次転写の後、用紙Pは図示しない定着器の内部を通過して画像形成装置1の外部へ排出される。
二次転写に際して、中間転写ベルト20の内周側のローラー21がバックアップローラーとして用いられる。すなわち、ローラー21は、定電流電源によってトナー像と同極性(本例では負極性)の電位にバイアスされる。これにより、中間転写ベルト20からトナー像が離れて用紙Pに付着する。これに対して、用紙Pに転写しない非転写トナー像として形成される後述の像間パッチが二次転写位置を通過するときには、ローラー21は、定電流電源によってトナー像と反対極性(本例では正極性)の電位にバイアスされる。これにより、像間パッチは中間転写ベルト20から離れずに二次転写位置を通過する。
画像形成装置1は、中間転写ベルト20の外周面から負極性のトナーおよび正極性のトナーを回収するための一対のクリーナー34,35を有している。これらクリーナー34,35が配置されるクリーニング位置は、一次転写位置と二次転写位置とを循環する中間転写ベルト20の走行経路における二次転写位置と一次転写位置との間の位置である。
図示では、中間転写ベルト20が下から上へ向かう方向M1に走行する位置にクリーナー34,35が配置されている。一対のクリーナー34,35のうち、方向M1における上流側に位置するクリーナー34は、クリーニングローラー41、回収ローラー42、ブレード(スクレーパー)43、および対向ローラー45を有する。
下流側に位置するクリーナー35は、クリーニングローラー51、回収ローラー52、ブレード53、および対向ローラー55を有する。クリーニングローラー41、51が中間転写ベルト20の外周面に接触してトナーを除去し、回収ローラー42、52がクリーニングローラー41、51からトナーを回収する。そして、ブレード43、53が回収ローラー42、52からトナーを掻き取る。掻き取られたトナーは図示しない廃棄トナー容器に収容される。ブレード43、53は金属製であってもよいし、ゴムやエラストマーからなる弾性体であってもよい。
なお、画像形成装置1は、転写ベルトユニット25におけるローラー26,27に懸架されたベルト28からトナーを取り除く一対のクリーナー37,38を備えている。
図2はトナーの吐出しにおける中間転写ベルトの領域区分を模式的に示している。画像形成装置1は、YMCKの各色の現像器におけるトナーの品質を維持するために、トナーを強制的に消費する動作である“トナーの吐出し”を適宜行う。トナーの吐出しは、ユーザーによって投入された印刷ジョブを実行するときに、所定パターンのトナー像である像間パッチ60を形成する。画像形成装置1において印刷動作を制御する図示しないコントローラーは、例えば印刷ジョブを実行するごとに印刷画像のCW比をYMCKの色別に調べ、低CW比の画像の印刷が所定回数以上続いた場合に、該当する色の像間パッチ60を形成するようプリンターエンジンを制御する。
トナーの吐出しを行う画像形成モードにおいて、図2のように、中間転写ベルト20の外周面は、走行の方向M1に沿って第1の領域である印刷画像形成領域A1と第2の領域である画像形成間隔領域A2とに区分される。印刷画像形成領域A1は、印刷ジョブによって要求された印刷画像に対応するトナー像が一次転写される領域である。画像形成間隔領域A2は、一つの印刷画像形成領域A1とその次の印刷画像形成領域A1との間の領域であり、印刷画像形成領域A1と連続している。図では二つの印刷画像形成領域A1,A1とそれらに挟まれた一つの画像形成間隔領域A2とが示されている。二次転写位置を通り過ぎた段階において、二つの印刷画像形成領域A1,A1にはそれぞれ転写済みトナー像58,59が残存し、画像形成間隔領域A2には二次転写されることなく二次転写位置を通過した像間パッチ60が残存している。像間パッチ60の方向M1の寸法L3は画像形成間隔領域A2の方向M1の寸法L2よりも小さく、像間パッチ60と転写済みトナー像58,59のそれぞれとの間に、トナーがほとんど付着していない無トナー領域A21,A22が存在する。転写済みトナー像58,59を構成する転写残りトナーおよび像間パッチ60を構成する未転写トナーがクリーニングローラー41、51によって中間転写ベルト20から除去される。
なお、中間転写ベルト20における印刷画像形成領域A1の方向M1の長さおよび位置は固定ではない。印刷画像のサイズに応じて印刷画像形成領域A1の長さが定められ、それに伴って印刷画像形成領域A1の位置が変わる。
次に、図3を参照してクリーナー34,35のバイアスについて説明する。ここでは説明の簡略化のため、負極性のトナーを回収するための正極性のバイアスに注目する。実際には、負極性のトナー(マイナストナー)と比べて少ないが、正極性のトナー(プラストナー)も存在するので、バイアスの極性の異なる一組のクリーナー34,35が用いられる。マイナストナーとプラストナーとのいずれを先に回収してもよいが、図3の例示では上流側のクリーナー34のバイアス極性が正極性とされており、マイナストナーが先に回収される。
図3(A)は適正なバイアスが加えられた状態を示している。中間転写ベルト20の内周面と接する対向ローラー45が接地され、クリーニングローラー41が+300Vにバイアスされている。クリーニングローラー41は、中間転写ベルト20の走行に対してカウンタ回転し、ニップ部を通り抜けようとする中間転写ベルト20上のマイナストナー(図中で小さい白丸で示す)61を押し戻すように掻き取る。クリーニングローラー41とウィズ回転する回収ローラー42は+700Vにバイアスされており、クリーニングローラー41からマイナストナーを電気的に引き付けて回収する。回収ローラー42の表面に付着しているトナーをブレード43が機械的に掻き取る。
図3(B)は過剰なバイアスが加えられた状態を示している。クリーニングローラー41は+600Vにバイアスされ、回収ローラー42は+1400Vにバイアスされている。
バイアスが過剰であると、各ローラーのニップ部の近傍で不要な放電71,72が起こり、マイナストナー61の逆荷電比率が増加する。クリーニングローラー41上で負極性から正極性へ逆荷電されたプラストナー(図中で小さい中間濃度の丸で示す)62は、回収ローラー42に引き付けられず、クリーニングローラー41から中間転写ベルト20に再付着する。過剰なクリーニングバイアスはクリーニング効率の低下を招く。
図3(C)は不要なバイアスが加えられた状態を示している。クリーニングローラー41は+300Vにバイアスされ、回収ローラー42は+700Vにバイアスされている。バイアス値は図3(A)と同様であるが、図3(C)では中間転写ベルト20にトナーが付着していない。この状態は、図2に示された無トナー領域A21,A22がクリーナー34の配置された位置を通り過ぎようとする状態に相当する。中間転写ベルト20上にトナーが無い場合に、トナーが有る場合と同様にバイアスを加えると、中間転写ベルト20とクリーニングローラー41との間やクリーニングローラー41と回収ローラー42との間で不要な放電73,74が起こる。放電エネルギーは、微量に残留するトナーや外添剤を融解させ、ローラーやベルトにトナーや外添剤が固着するフィルミングを生じさせてしまう。回収ローラー42におけるフィルミングはスクレープ不良を招き、クリーニング効率を低下させる。中間転写ベルト20におけるフィルミングは転写効率の低下を招く。
画像形成装置1は、印刷画像形成領域A1と画像形成間隔領域A2とに応じた最小限のバイアスによるクリーニングを実現するため、クリーナー34,35のバイアスにおいて定電圧制御と定電流制御とを使い分ける。この使い分けについて図4のグラフを参照して説明する。
図4は、中間転写ベルト20の表裏の間に印加される電圧と中間転写ベルト20を表裏方向に流れる電流との関係を示している。図4では、印刷画像形成領域A1におけるCW比の比較的に小さい低CW部、CW比の比較的に大きい高CW部、画像形成間隔領域A2における像間パッチ60の形成された像間パッチ部、および無トナー部(無トナー領域A21,A22)のそれぞれの電圧−電流特性を表わす曲線が描かれている。基本的に電圧が高いほど大きい電流が流れる。中間転写ベルト20上のトナー量が多いほど抵抗値が大きく、電流は流れにくい。したがって、電圧値が同じであれば、電流値は、無トナー部、低CW部、高CW部、像間パッチ部の順に大きい。
まず、印刷画像形成領域A1の高CW部に適した電圧の値がVaであるとする。電圧Vaを印加すると、高CW部では電流Iaが流れる。しかし、低CW部では、そのうちのトナーの無い白地領域に大半の電流が流れるために電圧が降下する。トナーを静電作用で引き付けるには電圧Vaを印加する必要があるので、低CW部のトナーを除去するには白地領域に流れ込む電流を見越して、電流Iaより大きい電流Ibが流れるようにする必要がある。しかし、低CW部に適する電流Ibを流す定電流制御を行うとすると、高CW部には適正な電圧VaよりもVcaだけ高い電圧Vcが加わってしまう。過剰な電圧Vcが加わることにより、クリーニング効率を低下させる逆荷電が起こり易くなる。そこで、印刷画像形成領域A1については、クリーニング電圧を電圧Vaに保つ定電圧制御を行う。転写残りトナー層のほとんどが粒子の1個から2個分程度の薄い層であるので、適正なクリーニング電圧はCW比によらずほぼ一定である。つまり、定電圧制御によって支障なく印刷画像形成領域A1をクリーニングすることができる。
次に、画像形成間隔領域A2の像間パッチ部に適した電圧が電圧Vaよりも大幅に高い電圧Vdであるとする。印刷画像形成領域A1と同様に定電圧制御を行うものとすると、像間パッチ部および無トナー部の双方に電圧Vdが加わり、像間パッチ部を流れる電流Icよりも大きい電流Idが無トナー部に流れてしまう。電流Idと電流Icとの差分Idcはかなり大きい。そこで、画像形成間隔領域A2については、クリーニング電流を電流Icに保つ定電流制御を行う。これにより、無トナー部に加わる電圧を定電圧制御の場合の電圧Vdよりも低い電圧Vbにすることができる。電圧Vdと電圧Vbとの差分Vdbはかなり大きい。無トナー部はトナーが無いか有っても僅かであるような部分なので、無トナー部に適した電圧は印刷画像形成領域A1に適した電圧Va以下である。図4の例では、無トナー部に加わる電圧Vbは電圧Vaよりも高いが、像間パッチ部に加わる電圧Vdと比べて十分に電圧Vaに近い。
図5は、クリーナー34,35のバイアスに係る定電圧制御と定電流制御との切替えのタイミングを示している。中間転写ベルト20の走行に伴って、印刷画像形成領域A1および画像形成間隔領域A2が、走行経路における上流側のクリーナー34が配置された位置(これを上流位置という)および下流側のクリーナー35が配置された位置(これを下流位置という)を順に通過する。定電圧制御と定電流制御との切替えは、印刷画像形成領域A1および画像形成間隔領域A2の移動に同期して行なわれる。
上流側のクリーナー34におけるバイアスは、印刷画像形成領域A1が上流位置を通過する期間T1内は定電圧制御とされ、画像形成間隔領域A2のうちの少なくとも像間パッチ60の形成された部分が上流位置を通過する期間T4内は定電流制御とされる。詳しくは、転写済みトナー像58を有した印刷画像形成領域A1が上流位置に到着する少し以前から定電圧制御が始まり、期間T1から期間T2に変わって所定の時間が経過するまで、定電圧制御を行う期間Tvが続く。期間T2のうちの期間T4が始まる以前に、すなわち、像間パッチ60よりも上流側の無トナー領域A21が上流位置を通過する期間T3の途中で、定電圧制御から定電流制御に切り替わる。定電流制御を行う期間Tiは、期間T4よりも長く、期間T5の途中まで続く。期間T5は、像間パッチ60より下流側の無トナー領域A22が上流位置を通過する期間である。期間T2の一部である期間T5の途中で定電流制御から定電圧制御に切り替わり、その後、転写済みトナー像59を有した印刷画像形成領域A1が上流位置を通過する期間T1の全体にわたって定電圧制御が行なわれる。
なお、中間転写ベルト20は、上流位置を通過するときにクリーニングローラー41と対向し、下流位置を通過するときにクリーニングローラー51と対向する。また、定電圧制御と定電流制御との切替えの時期を、中間転写ベルト20の走行速度(システム速度)を基準に設定される一連の電子写真プロセスのタイミングにおける例えば二次転写開始時点からの経過時間によって定めることができる。電子写真プロセスの開始段階において、転写済みトナー像58,59と像間パッチ60との相対位置が定まっているので、二次転写位置から上流位置までの距離と走行速度とで決まる移動時間を勘案して、転写済みトナー像58,59および像間パッチ60が上流位置を通過する時点を算定することができる。
下流側のクリーナー35におけるバイアスの制御のタイミングは、上流位置と下流位置との距離の分だけずれることを除いて、基本的に上流側のタイミングと同様である。すなわち、印刷画像形成領域A1が下流位置を通過する期間内は定電圧制御とされ、少なくとも像間パッチ60の形成された部分が下流位置を通過する期間内は定電流制御とされる。ただし、必ずしも上流側と下流側とでバイアス制御のタイミングをずらす必要はなく、上流位置から下流位置までの移動時間が、期間T3および期間T5よりも短い場合には、クリーナー34,35のバイアスを共通のタイミングで制御してもよい。
期間T3の途中で定電圧制御から定電流制御に切り替え、かつ期間T5の途中で定電流制御から定電圧制御に切り替えることにより、無トナー部に対して定電流制御を行う時間を可及的に短くすることができる。このことは、図4のように定電流制御において無トナー部に加わる電圧Vbが定電圧制御の電圧Vaよりも高い場合に、無トナー部の加わる電圧を低減する上で有利である。ただし、電圧Vbが電圧Vaよりも高いがその差が僅かであったり、電圧Vbが電圧Vaよりも低かったりする場合は、期間T1と期間T2との境界の時点で定電圧制御と定電流制御とを切り替えてもよい。
図6は、一対のクリーナー34,35をバイアスする電源部の構成の第1例を示している。図6において、電源部80は、マイナス定電圧源81、マイナス定電流源82、プラス定電圧源85、プラス定電流源86、および出力状態を切替えるためのスイッチ回路を有する。マイナス定電圧源81およびマイナス定電流源82は、下流側のクリーナー35の回収ローラー52に選択的に接続され、間接的にクリーニングローラー51を負極性電位にバイアスする。プラス定電圧源85およびプラス定電流源86は、上流側のクリーナー34の回収ローラー42に選択的に接続され、間接的にクリーニングローラー41を正極性電位にバイアスする。電源部80の出力状態は電源制御部90によって切り換えられる。
図6(A)において、プラス定電圧源85およびマイナス定電圧源81が回収ローラー42,52にそれぞれ接続されている。つまり、電源部80は印刷画像形成領域A1のクリーニングに適した定電圧出力状態である。本例の回収ローラー52,42の抵抗値は1×107Ω、クリーニングローラー51,41の抵抗値は1×107Ω、中間転写ベルト20の抵抗率は1×109Ω・cm、対向ローラー55,45の抵抗値は1×104である。転写残りトナーの量が通常は1g/m2以下であるような印刷画像形成領域A1に適したバイアス電圧として、上流側については+700Vが設定され、下流側については−700Vが設定されている。ただし、クリーニング電圧の絶対値は上流と下流とで同じである必要はない。例えば、二次転写バイアスが高い場合には、プラストナーの量が増えるので、下流側のマイナス電圧の絶対値を上流側のプラス電圧の絶対値よりも大きく設定することがあり得る。具体的には上流側を+600Vに、下流側を−800Vに設定することができる。いずれにしても、印刷画像形成領域A1をクリーニングするときには、定電圧制御によるバイアスを行うのが望ましい。
図6(B)において、プラス定電流源86およびマイナス定電流源82が回収ローラー42,52にそれぞれ接続されている。つまり、電源部80は画像形成間隔領域A2のクリーニングに適した定電流出力状態である。無トナー部と像間パッチ部とが明確に分かれかつ5g/m2以上の多くの未転写トナーが残存する画像形成間隔領域A2に適したクリーニングバイアス電流として、上流側については+40μAが設定され、下流側については−20μAが設定されている。像間パッチ60は、2次転写位置では用紙Pに転写するようにはバイアスされないので、一次転写時からほとんどトナー量が減少しない状態(残存率95%程度)で上流位置に到着する。そして、その転写残りトナーのほとんどがマイナストナーである。このことから、上流側でプラス電流によってマイナストナーを回収するため、上流側のプラス電流の絶対値が、下流側のマイナス電流の絶対値よりも大きい値に設定されている。トナーの帯電量は、動作環境によって変動するので、トナーの帯電量が多いときには、上流側のプラス電流値をさらに大きい値に設定することがあり得る。いずれにしても、画像形成間隔領域A2、特に像間パッチ部をクリーニングするときには、定電流制御によるバイアスを行うのが望ましい。
ここで、クリーナー34,35の構成要素の具体例を挙げる。クリーニングローラー41,51は、芯金と、芯金の外周を覆うブラシとを有するブラシクリーニングローラーである。ブラシは、抵抗率が1×105〜1×1013Ω・cm程度である導電性のブラシ繊維(原糸)と、導電性の基布または裏面に導電剤をコーティングした基布とから構成される。ブラシ繊維は基布に織り込まれ、ブラシ繊維を織り込んだ基布が芯金に巻き付けられている。芯金と基布とが導電性接着剤によって接着されている。
ブラシ材料としては、ナイロン系、ポリエステル系、アクリル系、レーヨン系など、様々なものがある。繊維の太さについて、1デニール以上10デニール以下が適用範囲である。植毛密度については、概ね100kf/inch2以上500kf/inch2以下の範囲が適している。繊維太さが1デニールよりも小さかったり、植毛密度が100kf/inch2よりも小さかったりすると、十分な掻き取り力が得られない。逆に、繊維太さが10デニールよりも大きかったり、植毛密度が500kf/inch2より大きかったりすると、中間転写ベルト20への負荷が大きくなり、中間転写ベルト20の表面に傷が生じたり磨耗が進んだりする。
クリーニングローラー41,51は、芯金と、芯金の外周を覆うポリウレタンフォーム層とを有するローラーであってもよい。クリーニングローラー41,51と中間転写ベルト20との間に所定の電界を形成するため、ポリウレタンフォーム層には所定の導電性が付与されている。ポリウレタンフォーム層の体積抵抗率としては、1×104〜1×108Ω・cmの範囲内の値が好ましい。
中間転写ベルト20に対してカウンタ回転するクリーニングローラー41,51の周速度は、中間転写ベルト20の走行速度に応じて決定される。具体的には、中間転写ベルト20の走行速度Vaに対するクリーニングローラー41,51の周速度Vbの比率(Vb/Va)は、0.5以上2以下になるように設定される。中間転写ベルト20へのクリーニングローラー41,51の食込み量については、ブラシのパイル長の厚みの10%から40%程度にするのが好ましい。
クリーニングローラー41,51とウィズ回転する回収ローラー42,52の周速度Vcは、クリーニングローラーの周速度Vbによって決まる。具体的には、クリーニングローラーの周速度Vbに対する回収ローラーの周速度Vcの比率(Vc/Vb)は、0.5以上1.5以下に設定される。回収ローラー42,52ヘのクリーニングローラー41,51の食込み量については、ブラシパイル長の10%から40%程度にするのが好ましい。
中間転写体ベルト20としては、ポリイミドなどに代表される樹脂からなる単層ベルトや、樹脂材からなる基層上にゴムに代表される弾性層を重ねた積層転写ベルトなどがある。
積層転写ベルトの基層の材料としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、スチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体あるいは共重合体)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂(PI)など種々の樹脂材料の1種類あるいは2種類以上を使用することができる。基層の厚みは、50〜200μmである。弾性層を構成する材料としては、クロロプレンゴム(CRゴム)、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなど種々の弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)の1種類あるいは2種類以上を使用することができる。弾性層の厚みは、50〜1000μmである。
図7において、電源部80bは、マイナス定電圧源81、プラス定電圧源85、プラス定電流源86、およびクリーナー34に対する出力状態を切替えるためのスイッチ回路を有する。マイナス定電圧源81は下流側のクリーナー35の回収ローラー52に接続されている。プラス定電圧源85およびプラス定電流源86は、上流側のクリーナー34の回収ローラー42に選択的に接続される。電源部80bの出力状態は電源制御部90bによって切り換えられる。
転写残りトナーの大半がマイナストナーであり、未転写トナーもその大半がマイナストナーである。したがって、画像形成間隔領域A2のクリーニングにおいて、正極性にバイアスされる上流側のクリーナー34によって未転写トナーのほとんどを回収できてしまう。下流位置で回収しなければならない未転写トナーの量は、印刷画像形成領域A1における低CW部のトナー量と同程度であるかむしろ少ない。そこで、図7の例では、下流側のクリーナー35に対しては、残留トナー分布が不定である印刷画像形成領域A1のクリーニングに適したマイナス定電圧源81のみが設けられ、定電流源が省略されている。下流位置での画像形成間隔領域A2のクリーニングにはマイナス定電圧源81が流用される。定電流源の省略によって電源部80bの構成が簡素になる。
図7(A)において、プラス定電圧源85が回収ローラー42に接続されており、電源部80は印刷画像形成領域A1のクリーニングに適した定電圧出力状態である。転写残りトナーの回収に適したクリーニング電圧として、上流側については+700Vが設定され、下流側については−500Vが設定されている。
図7(B)において、プラス定電流源86が回収ローラー42に接続されている。上流側のクリーナー34に対して、電源部80は未転写トナーの回収に適した定電流出力状態である。下流側のクリーナー35に対しては、電源部80は定電圧出力状態である。未転写トナーを回収するためのクリーニング電流として、+40μAが設定されている。下流側のクリーニングバイアス電圧は、転写残りトナーの回収時と同じ−500Vに設定されている。
図8において、電源部80は、二つのマイナス定電圧源81,83、二つのマイナス定電流源82,84、二つのプラス定電圧源85,87、二つのプラス定電流源86,88、および出力状態を切替えるためのスイッチ回路を有する。マイナス定電圧源81およびマイナス定電流源82は、下流側のクリーナー35の回収ローラー52に選択的に接続される。マイナス定電圧源83およびマイナス定電流源84は、下流側のクリーナー35のクリーニングローラー51に選択的に接続される。プラス定電圧源85およびプラス定電流源86は、上流側のクリーナー34の回収ローラー42に選択的に接続される。そして、プラス定電圧源87およびプラス定電流源88は、上流側のクリーナー34のクリーニングローラー41に選択的に接続される。電源部80cの出力状態は電源制御部90cによって切り換えられる。
図8(A)において、マイナス定電圧源81,83およびプラス定電圧源85,87の出力が有効である。つまり、電源部80cは印刷画像形成領域A1のクリーニングに適した定電圧出力状態である。上流側の回収ローラー42のバイアス電圧は+700Vに設定され、クリーニングローラー41のバイアス電圧は+300Vに設定されている。また、下流側の回収ローラー52のバイアス電圧は−700Vに設定され、クリーニングローラー51のバイアス電圧は−300Vに設定されている。
図8(B)において、マイナス定電流源82,84およびプラス定電流源86,88の出力が有効である。つまり、電源部80cは画像形成間隔領域A2のクリーニングに適した定電流出力状態である。上流側の回収ローラー42およびクリーニングローラー41のバイアス電流は+20μAに設定され、下流側の回収ローラー52およびクリーニングローラー51のバイアス電流は−10μAに設定されている。
この図8の例の変形として、図7の例と同様に、下流側について定電流源を省略することができる。
図9においって、電源部80dは、負極性の電圧を出力するマイナス電圧電源91、正極性の電圧を出力するプラス電圧電源92、および二つの制御回路95,96を有する。マイナス電圧電源91およびプラス電圧電源92はいずれも定電圧出力動作および定電流出力動作が可能である。一方の制御回路95はマイナス電圧電源91の出力動作を切り換え、他方の制御回路96はプラス電圧電源92の出力動作を切り換える。これら制御回路95,96による切替えは、電源制御部90dからの切替え指示に従って行なわれる。本例において電源部80dは回収ローラー42,52に接続されている。バイアス電圧およびバイアス電流の設定は、図6の例と同様でよい。
単一の電源に定電圧出力動作および定電流出力動作を行なわせる場合、動作の切替えに100ms以上の時間を要する。このため、図9の例の適用については、比較的にシステム速度が遅い(例えば、200mm/秒程度)の画像形成装置を適用対象とするのが現実的である。
以上の実施例1〜4のように印刷画像形成領域A1と画像形成間隔領域A2とで定電圧制御と定電流制御とを使い分けることにより、クリーナー34,35を過剰にバイアスすることなく転写残りトナーおよび未転写トナーを回収することができる。
図10において中間転写ベルト20上に形成される画像安定化パターン101,102が示されている。画像安定化パターン101,102は、画像形成装置1が電子写真プロセスを自動調整する画像安定化機能を有する場合に、現状のプロセス状態を検知するために形成されるトナー像である。電子写真プロセスの自動調整は、電源投入時や積算画像形成数が設定値に達した時点などに実行される。通常、画像安定化パターン101,102は用紙に転写されず、像間パッチ60と同様に未転写のままクリーニングローラー41と対向する。画像安定化パターン101,102のトナー量は部位によって異なるが、形状は定形である。したがって、中間転写ベルト20からの画像安定化パターン101,102を除去する際のクリーナー34,35のバイアスには定電流制御が適している。中間転写ベルト20における画像安定化パターン101,102の形成される領域A6において画像安定化パターン101,102の占める割合は少ない(白地が多い)ので、像間パッチ60の形成される画像形成間隔領域A2のクリーニング時と比べてバイアス電流を大きくする必要がある。例えば、画像形成間隔領域A2のクリーニング時のバイアス電流が+40μAである場合、領域A6のクリーニング時のバイアス電流を+60μAとする。
以下において、像担持体のクリーニングにおける定電圧制御と定電流制御との使い分けの有用性について述べる。
クリーナー34,35に印加する電圧には、構成部品の電気的物性によって決まる適切な値の範囲が存在し、高すぎるクリーニング電圧はかえってクリーニング効率を低下させる。図11は、中間転写ベルト20上に未転写のまま残った約5g/m2のマゼンタ色のマイナストナーを単一のクリーナーのみを用いて回収した時のクリーニング性を示すグラフである。横軸はクリーニングローラーの芯金に印加された電圧(クリーニング電圧)の値を示し、縦軸はクリーニング部を通過した後に残った拭き残しトナー量ΔEの測定値を示す。クリーニングに際して、クリーニングローラーに印加する電圧に応じて値を適宜調整した電圧を回収ローラーに印加した。拭き残しトナー量ΔEの測定には、コニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−512mk3を使用した。クリーニング後の中間転写ベルト20の色を測定し、トナーが無い時の色(基準値)とクリーニング後の色との色差を拭き残しトナー量ΔEとした。縦軸の拭き残しトナー量ΔEの値の小さいほどクリーニング性が良好である。ブラシ原糸抵抗が1×108〜1×109であるブラシクリーニングローラー(8.5乗品)を使用した場合、適正値の約200Vよりも高いクリーニング電圧の印加が、かえってクリーニング効率を低下させていることが分かる。ブラシ原糸抵抗が1×1010〜1×1011であるブラシクリーニングローラー(10.5乗品)を使用した場合も、適正値の約400Vよりも高いクリーニング電圧の印加が、かえってクリーニング効率を低下させていることが分かる。
図12は、上記8.5乗品を用いたクリーニングにおける拭き残しトナーの帯電量分布を示している。図12(A)、(B)、(C)におけるクリーニング電圧は順に、+100V、+400V、+800Vである。横軸のスケールは中央から右端に近づくほど正の帯電量が大きくなり、中央から左端に近づくほど負の帯電量が大きくなることを表わす。縦軸は残存するトナーの全体量に対する各帯電量のトナー量の比率を表わす。図12から、クリーニング電圧をプラス側へ増大させるほど、元々のマイナストナーのうちのプラストナーに変る量が増え、帯電量分布がプラス側へシフトしていくことが読み取れる。すなわち、過剰な電圧がマイナストナーをプラスに荷電してクリーニング性を低下させることが分かる。
このように、クリーニング性を良好にする上で、クリーニング電圧を適正値より大きくしないことが肝要である。本発明を適用して定電圧制御と定電流制御とを使い分けることにより、比較的にトナー量が少ない印刷画像形成領域A1と比較的にトナー量が多い画像形成間隔領域A2とを、それぞれの適正値またはそれに近い値のクリーニング電圧の印加によってクリーニングすることができる。なお、図11および図12ではクリーニングローラーと中間転写ベルトとの間の電位差に係る測定結果を示したが、回収ローラーとクリーニングローラーと間の電位差もトナーを回収することができる範囲内の最小の電位差に保つのが望ましい。
定電圧制御と定電流制御との使い分けは、像担持体におけるフィルミングの抑制にも有用である。次の要領でフィルミングの有無および程度を調べた。
図13に示されるチャート200をA3サイズの1万枚の用紙に印刷し、中間転写ベルトの状態を調べた。チャート200は、濃度100%のマゼンタパターンと濃度100%のシアンパターンとを重ねる帯状の200%着色部202が、白部(下地)201に配列されるストライプパターン画像である。チャート200の印刷には、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のbizhub PROC6501Pの中間転写体のクリーナーを静電ブラシ式に改造した画像形成装置を使用した。クリーニングにおける正負のバイアスの電流を4水準(±20μA、±40μA、±60μA、±80μA)とし、電流を切り替えて1万枚印刷を繰り返した。印刷では二次転写を行うので、クリーニングをする位置に到着するときの中間転写ベルト上のトナー量は、画像部202に対応する部分において1g/m2程度である。1万枚ごとに、中間転写ベルトおよびクリーナーの主要部品を新品に交換した。
印刷開始前と印刷枚数が1万枚になったときに、中間転写ベルトの明度L*をコニカミノルタセンシング社製の分光測色計CM−512mk3を用いて測定することによって、中間転写ベルト上のフィルミング状態を数値化した1万枚印刷の開始から終了までの明度L*の変化量ΔL*の値が図14に示されている。印刷に伴う中間転写ベルトの色の変化の傾向として、元々は黒っぽい色が白っぽい色に変化する。図14から、正負両極性ともクリーニング電流の絶対値が大きいほど、色の変化が大きいことが読み取れる。チャート200の白部201に対応するトナーの無い領域の方が、200%着色部202に対応するトナーの有る領域よりも色変化が顕著である。これは、トナーの無い領域でフィルミングが進み易いことを意味する。
さらに、1万枚の印刷をした後に、図15(A)に示す1dot×1dotパターンの全面モノクロハーフトーン画像と図15(B)に示す2dot×2dotパターンの全面モノクロハーフトーン画像とを印刷し、チャート200の模様が全面モノクロハーフトーン画像に現われる画像メモリ現象の有無を調べた。その結果が図14に示されている。クリーニング電流を大きくすることで(フィルミング量が多くなることで)、画像メモリ現象が現われ易いことが分かる。なお、フィルミングの起こり易い白部201に対応する領域の方が、200%着色部202に対応する領域よりも二次転写効率が劣るので、画像メモリ現象が生じ易い。なお、フィルミングしている物質は、トナーとトナーを被覆する外添剤(特にシリカ)である。白部201に対応する領域であっても、クリーニングローラーの回転時にローラー内でトナーが回転軸方向に移動分散するためにフィルミングが生じると考えられる。
このようにクリーニングローラーと中間転写ベルトとの間のバイアスが高いほど中間転写ベルトにおけるフィルミングが発生し易い。同様のことが、クリーニングローラーと回収ローラーとの間でも起こる。別の実験において、クリーニングローラーと回収ローラーとの間電位差を400Vから800Vに増大させ、それにより回収ローラーの表面のフィルミング量の多くなることが確認されている。
以上の実施形態において、画像形成間隔領域A2に像間パッチ60を形成しない通常の画像形成モードでは、印刷画像形成領域A1のクリーニングから引き続いて画像形成間隔領域A2のクリーニングのバイアスを定電圧制御とすればよい。ただし、クリーニング電圧の絶対値を画像形成間隔領域A2のクリーニングに際して下げるのが好ましい(例えば、±700Vから±200Vへ下げる)。このとき、クリーニング電圧を零にしてしまうと、荷電量が小さくて吸着力の弱いトナーがクリーニングローラー41,51から吐き出されて中間転写ベルトへ20に再付着するおそれがある。したがって、画像形成間隔領域A2においても適度にバイアスを加えるのが好ましい。
上述の実施形態において、プリンターエンジンの形式、中間転写ベルト20の懸架の形態、クリーナー34,35の構成および配置位置、クリーニングのバイアスの切替えのタイミング、電圧および電流の設定値など、画像形成装置1の構成および制御を本発明の趣旨に沿う範囲内で適宜変更することができる。例えば、上流側のクリーナー34について、期間T2(図5参照)のうちの像間パッチ60が上流位置を通過する期間T4のみ定電流制御を行い、無トナー領域A21,A22に対応した期間T3,T5において定電圧制御を行なってもよい。その場合、印刷画像形成領域A1に対応する期間T1と比べて期間T3,T5におけるバイアスの電圧を低くすることができる。
1 画像形成装置
20 中間転写ベルト(像担持体)
58,59 転写済みトナー像(印刷画像に対応したトナー像)
51,51 クリーニングローラー
80,80b,80c,80d 電源部
90,90b,90c,90d 電源制御部(制御部)
A1 印刷画像形成領域(第1領域)
A2 画像形成間隔領域(第2領域)
60 像間パッチ(非転写トナー像)
11,12,13,14 感光体
81,83,85,87 定電圧源
82,84,86,88 定電流源

Claims (4)

  1. 像担持体上に印刷画像に対応したトナー像を形成する画像形成装置であって、
    前記トナー像を用紙に転写する位置を通過した前記像担持体の表面からトナーを回収するクリーニングローラーと、
    前記クリーニングローラーをバイアスするための、定電圧出力および定電流出力が可能な電源部と、
    前記電源部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記像担持体の前記表面をその移動方向に第1領域と第2領域とに区分して前記第1領域には前記トナー像を形成しかつ前記第2領域には転写をしない非転写トナー像を形成する画像形成モードにおいて、前記第1領域が前記クリーニングローラーと対向する期間内は前記電源部を定電圧出力状態とし、前記第2領域のうちの少なくとも前記非転写トナー像の形成された部分が前記クリーニングローラーと対向する期間内は前記電源部を定電流出力状態とする
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記第2領域のうちの前記非転写トナー像の形成された部分と前記第1領域との間の部分が前記クリーニングローラーと対向する期間中に、前記定電圧出力状態と前記定電流出力状態とを切り替える
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体は、前記トナー像および前記非転写トナー像を形成するための感光体の配置された位置、前記転写位置、および前記クリーニングローラーが配置された位置を循環する中間転写体である
    請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記電源部は、定電圧源と定電流源とを有し、
    前記制御部は、前記定電圧源および前記定電流源を選択的に負荷に接続される出力状態にする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。

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