JP2008309906A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間転写体上の残留トナーをより良好に像担持体に逆転写させて回収することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像を担持する像担持体1と、移動可能な中間転写体51と、像担持体1上のトナー像を中間転写体51上に転写させる1次転写部材52と、中間転写体51上のトナー像を転写材Pに転写させる2次転写部材7と、中間転写体51の移動方向において2次転写部材7の下流側で且つ1次転写部材52の上流側に配置され、中間転写体51に接触すると共に電圧が印加されることによって中間転写体51上のトナーを帯電させるブラシ状の帯電部材55と、を有する画像形成装置100は、中間転写体51の移動方向と略直交する方向において、中間転写体51と帯電部材55との接触部N3の長さが、中間転写体51と1次転写部材52との接触部N4の長さより短い構成とする。
【選択図】図5
【解決手段】トナー像を担持する像担持体1と、移動可能な中間転写体51と、像担持体1上のトナー像を中間転写体51上に転写させる1次転写部材52と、中間転写体51上のトナー像を転写材Pに転写させる2次転写部材7と、中間転写体51の移動方向において2次転写部材7の下流側で且つ1次転写部材52の上流側に配置され、中間転写体51に接触すると共に電圧が印加されることによって中間転写体51上のトナーを帯電させるブラシ状の帯電部材55と、を有する画像形成装置100は、中間転写体51の移動方向と略直交する方向において、中間転写体51と帯電部材55との接触部N3の長さが、中間転写体51と1次転写部材52との接触部N4の長さより短い構成とする。
【選択図】図5
Description
本発明は、電子写真方式等を利用して像担持体上に形成したトナー像を、中間転写体を介して転写材に転写する複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に関するものである。
従来、複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置において、中間転写体を使用する中間転写方式のものが知られている。中間転写方式の画像形成装置は、感光体(第1の像担持体)の表面に形成したトナー像を中間転写体(第2の像担持体)に1次転写する。その後、中間転写体上のトナー像を紙等の転写材(記録シート)に2次転写し、転写材上に画像を形成する。1次転写工程を繰り返すことによって中間転写体上に複数色のトナー像を重ね合わせて1次転写し、この多重トナー像を転写材に一括して2次転写することによって、転写材上にカラー画像(多色画像)、例えばフルカラー画像を形成することができる。感光体としては一般にドラム型のもの、即ち、感光ドラムが用いられる。又、中間転写体としては一般に無端ベルト状のもの、即ち、中間転写ベルトが用いられる。
中間転写方式の画像形成装置において、転写材に転写されずに中間転写体上に残ったトナー(2次転写残トナー)を除去する方法としては、次のようなものが提案されている。即ち、クリーニングブレードを中間転写体に押し当てて中間転写体上からトナーを掻き取る方法や、帯電部材(トナー帯電部材)にバイアスを印加して中間転写体上からトナーを静電的に除去する方法等である。
クリーニングブレードを用いる方法では、中間転写体の表面を力学的に摺擦するため、中間転写体の表面の劣化やトナーの融着が発生し易い。又、クリーニングしたトナーを回収するための機構や廃トナーを貯めるための容器を中間転写体のために特別に設けることが必要になり、メンテナンス性に劣る。
一方、帯電部材にバイアスを印加してトナーを静電的に除去する方法では、装置構成が簡易であり、メンテナンス性も良く、コスト面で有利である、という利点を有するため、多くの装置で採用されている。
例えば、特許文献1に記載の構成では、帯電部材を2次転写位置の下流側で且つ1次転写部の上流側に配置し、この帯電部材によって2次転写残トナーを正規の帯電極性とは逆極性に帯電させる。次いで、その2次転写残トナーを、1次転写と同時に、1次転写部を介して感光体の表面に戻す。最後に、感光体に戻された2次転写残トナーは、感光体の表面のクリーニングを行うクリーニング手段によって回収される。特許文献1に記載の構成では、上述のような転写同時クリーニング工程によって、簡易な構成で中間転写体上の2次転写残トナーをクリーニングすることができる。
ところが、2次転写残トナーを静電的に除去する方法では、次のような事が発生することがあった。即ち、2次転写残トナーの帯電量が少なすぎると、2次転写残トナーを感光体に回収することができずに、クリーニング不良が発生することがある。逆に、2次転写残トナーの帯電量が多すぎると、転写同時クリーニングの際に、正規の帯電極性とは逆極性に帯電した、感光体に回収されるべきトナーが、正規の帯電極性に帯電した、中間転写体に転写されるべきトナーを引き連れて感光体に戻ってしまう。これによって、ネガゴーストが発生することがある。
特許文献2は、帯電部材を通過した後の2次転写残トナーの帯電電荷量(トリボ)を適切な範囲に制御し、クリーニング不良、ネガゴーストの発生を防ぐために、次のような構成を提案する。即ち、特許文献2には、帯電部材としてのローラ状部材(トナー帯電ローラ)に、DC(直流)成分にAC(交流)成分を重畳したバイアス電圧を印加する構成が提案されている。
ここで、DC成分にAC成分を重畳したバイアス電圧を帯電部材に印加することによる効果を説明する。DC成分のみのバイアス電圧を帯電部材に印加する場合、中間転写体上の2次転写残トナーが積層されていると、上層のトナーだけが帯電部材に接触して帯電される。そして、上層のトナーに隠れている下層のトナーは、帯電部材に接触しないため、帯電量が少なくなってしまう。そして、帯電量の少ないトナーが感光体に回収されずに、クリーニング不良が発生する。これに対し、DC成分にAC成分を重畳したバイアス電圧を帯電部材に印加する場合には、トナーを静電的に振動させ、積層されているトナーを崩すことができる。積層されているトナーが崩れると、中間転写体上の実質的に全ての2次転写残トナーが均一に帯電部材に接触するため、これらのトナーを均一に帯電させることができる。従って、実質的に全てのトナーが感光体に回収され、良好なクリーニング性を確保することができる。
しかし、特許文献2に記載されるようにDC成分にAC成分を重畳したバイアス電圧を帯電部材に印加する場合、中間転写体上のトナーを振動させる静電気力が働く。その静電気力によって、トナーは、中間転写体上から剥ぎ取られ、飛散トナーとなり、装置内部を汚損してしまうことがある。又、高周波のAC成分を重畳することにより騒音が発生することがある。
これに対し、AC成分を重畳した電圧を帯電部材に印加せずに、クリーニング性を向上させる方法が提案されている。即ち、帯電部材として、ローラ状部材ではなくブラシ状部材(トナー帯電ブラシ)を用いる。ブラシ状部材は、中間転写体上の積層されたトナーを機械的に崩す。積層されているトナーが崩れると、中間転写体上の実質的に全ての2次転写残トナーが均一に帯電部材に接触するため、これらのトナーを均一に帯電させることができる。従って、実質的に全てのトナーが感光体に回収され、良好なクリーニング性を確保することができる。又、トナー帯電ブラシにトナーの正規の帯電極性とは逆極性の電圧を印加すると、トナー帯電ブラシは、多数の繊維から構成されていることにより、正規の帯電極性に帯電したトナーを引き付けて保持する。そのため、トナーが中間転写体上から剥ぎ取られ、飛散トナーとなり、装置内部を汚損してしまうことはない。
特開平9−50167号公報
特開平11−161043号公報
しかしながら、中間転写体のクリーニングのためにトナー帯電ブラシを採用する従来の方法では、次のような問題があった。
即ち、画像形成装置は、紙詰まり(転写材が搬送経路中で詰まること)の発生等のために、中間転写体上にトナー像が形成され、そのトナー像が転写材に転写される前に停止することがある。その場合、次の画像形成を行う前に、中間転写体上の実質的に全ての残留トナーをクリーニングすることが望まれる。この時のトナー量は、2次転写残トナーに対し、約10倍程度となることがある。大量のトナーがトナー帯電ブラシに堰き止められると、そのトナーはトナー帯電ブラシによって均されつつ、トナー帯電ブラシの長手方向に幅を広げる。そして、この長手方向に広がったトナーの幅が、同方向における1次転写部材の幅より有意に広くなってしまうことがある。そのため、その1次転写部材の長手方向の幅よりも外側に位置するトナーを、1次転写部を介して感光体の表面に戻すことができなくなることがある。
中間転写体上の残留トナーは、感光体の表面に戻すことができない場合には、次の画像形成時に2次転写部材に付着するなどして、2次転写部材上に蓄積して行く。そして、紙詰まりが繰り返し起こる場合などには、2次転写部材上に蓄積したトナーが転写材の端部に付着するなどして、画像品位が低下する原因となることがある。
従って、本発明の目的は、中間転写体上の残留トナーをより良好に像担持体に逆転写させて回収することのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、トナー像を担持する像担持体と、移動可能な中間転写体と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写させる1次転写部材と、前記中間転写体上のトナー像を転写材に転写させる2次転写部材と、前記中間転写体の移動方向において前記2次転写部材の下流側で且つ前記1次転写部材の上流側に配置され、前記中間転写体に接触すると共に電圧が印加されることによって前記中間転写体上のトナーを帯電させるブラシ状の帯電部材と、を有する画像形成装置において、前記中間転写体の移動方向と略直交する方向において、前記中間転写体と前記帯電部材との接触部の長さは、前記中間転写体と前記1次転写部材との接触部の長さより短いことを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、中間転写体上の残留トナーをより良好に像担持体に逆転写させて回収することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
[画像形成装置の基本構成]
先ず、本発明に係る画像形成装置の一実施例の基本構成について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の断面構成を示す。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式を利用してフルカラー画像の形成が可能なレーザービームプリンタである。又、本実施例の画像形成装置100は、中間転写方式、ロータリー現像方式を採用している。
[画像形成装置の基本構成]
先ず、本発明に係る画像形成装置の一実施例の基本構成について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の断面構成を示す。本実施例の画像形成装置は、電子写真方式を利用してフルカラー画像の形成が可能なレーザービームプリンタである。又、本実施例の画像形成装置100は、中間転写方式、ロータリー現像方式を採用している。
画像形成装置100は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、図示矢印R1方向(反時計回り)に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って、次の各手段が配置されている。即ち、1次帯電手段としての1次帯電器2、露光手段としての露光装置(レーザースキャナー)3、回転式現像装置4、中間転写装置5、感光体クリーニング手段としての感光ドラムクリーナー6などである。
本実施例では、感光ドラム1は、直径46.7mmのドラム型とされ、画像形成時には図示矢印R1方向に表面速度(周速度)117mm/秒で回転駆動される。
感光ドラム1の表面は、1次帯電器2によって所定の極性(本実施例では負極性)に帯電される。1次帯電器2によって帯電された感光ドラム1の表面の電位(帯電電位)は、通常、−450V〜−800Vである。1次帯電器2には、感光ドラム1の帯電時に、1次帯電電圧印加手段としての1次帯電電源S1から、交流電圧に直流電圧を重畳した1次帯電バイアス電圧が印加される。
帯電された感光ドラム1の表面は、露光装置3からの画像情報に応じた露光Lにより露光される。これにより、感光ドラム1上に静電像(潜像)が形成される。本実施例では、露光装置3は、レーザー光Lを感光ドラム1に照射する。即ち、本実施例では、露光装置3は、レーザー光源31、ラスタスキャンを行うための6面のポリゴンミラー32、結像のためのレンズ33、折り返しミラー34等を備えている。
回転式現像装置4は、現像手段としての4個の現像器41Y、41M、41C、41Kを有している。4個の現像器41Y、41M、41C、41Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーを収容し、各色の画像情報に従って感光ドラム1に形成された静電像を現像する。又、4個の現像器41Y、41M、41C、41Kは、現像器支持体としてのロータリー(回転体)42に装着されている。そして、適時、ロータリー42を回転させることにより、所望の色用の現像器を感光ドラム1と対向する現像位置に配置するように構成されている。
中間転写装置5は、移動可能な中間転写体としての無端状のベルト部材、即ち、中間転写ベルト51を有する。本実施例では、中間転写ベルト51は、支持部材としての2本の支持軸、つまり従動ローラ53及び2次転写対向ローラ54に張架されて支持されている。そして、中間転写ベルト51を駆動するローラとしての機能を兼ねる2次転写対向ローラ54の図示矢印R2方向(時計回り)の回転に伴い、中間転写ベルト51は図示矢印R3方向(時計回り)に回転(周回移動)する。本実施例では、中間転写ベルト51は、画像形成時には感光ドラム1と等しい表面速度(周速度)、即ち、117mm/秒で回転駆動される。
中間転写ベルト51としては、一例として、厚さ0.05mm〜0.3mm程度の樹脂製の無端状のベルトを好適に用いることができる。又、中間転写ベルト51は、好ましくは、カーボン、ZnO、SnO2、TiO2、その他の導電性の充填材により体積抵抗率が107〜1011Ω・cm程度になるように電気抵抗が調整される。樹脂ベルトの材質としては、例えば、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネートなどを用いることができる。
中間転写ベルト51を介して感光ドラム1と対向する位置には、1次転写部材としての回転可能な転写部材である1次転写ローラ52が設けられている。1次転写ローラ52は、図示しない付勢手段によって付勢されることで、中間転写ベルト51の内周面に接触し、中間転写ベルト51を感光ドラム1に向けて押圧する。これにより、感光ドラム1と中間転写ベルト51との当接部には、1次転写部N1をなすニップ部(1次転写ニップ)が形成されている。中間転写ベルト51の内周面と1次転写ローラ52との接触部を内周側接触部N4とする。
1次転写ローラ52は、中間転写ベルト51の回転により従動して回転する。本実施例では、1次転写ローラ52は、直径12mmである。1次転写ローラ52を構成する弾性部材の材料としては、次のような材料を好適に用いることができる。即ち、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、ウレタンゴム、CR(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリル・ブタジエンゴム)などにカーボンなどの抵抗調整剤を加え、体積抵抗率を調整した材料である。
又、2次転写対向ローラ54に対向する位置において中間転写ベルト51に圧接するように、2次転写部材としての回転可能な転写部材である2次転写ローラ7が設けられている。2次転写ローラ7と中間転写ベルト51との当接部には、2次転写部N2をなすニップ部(2次転写ニップ)が形成されている。2次転写ローラ7は、中間転写ベルト51の回転により従動して回転する。
フルカラー画像を形成する場合は、先ず、第1色目として、色分解されたイエロー色の画像情報に従って、感光ドラム1に静電像が形成される。そして、この静電像には、イエロー現像器41Yによって、負極性に帯電されたイエロー色のトナーが付着させられ、イエロートナー像として現像される。
次いで、感光ドラム1上(像担持体上)のイエロートナー像は、1次転写部N1を介して中間転写ベルト51に転写(1次転写)される。この時、1次転写ローラ52には、1次転写電圧印加手段としての1次転写電源S2から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の1次転写バイアス電圧が印加される。これにより、1次転写部N1には、正規の帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム1から中間転写ベルト51へと移動させる方向の電界が形成される。本実施例では、一例として、1次転写ローラ52に印加する1次転写バイアス電圧は、+500Vの直流電圧とした。
1次転写が終了した後、中間転写ベルト51に転写されずに感光ドラム1の表面に残ったトナー(1次転写残トナー)は、感光ドラムクリーナー6によって除去、回収される。感光ドラムクリーナー6は、クリーニング部材としての弾性体ブレード(クリーニングブレード)61によって感光ドラム1上のトナーを掻き取って、回収トナー容器62に収容する。
引き続き、以上の帯電、露光、現像、1次転写、クリーニングの一連の画像形成プロセスを、2色目(マゼンタ)、3色目(シアン)、4色目(ブラック)の画像情報についても同様に行う。これにより、周回移動する中間転写ベルト51上に4色のトナー像を順次に重ね合わせて1次転写して、中間転写ベルト51上に多重トナー像(カラートナー像)を形成する。
尚、本実施例では、1色目〜4色目まで全ての色のトナー像に対して、+500Vの1次転写バイアスを1次転写ローラ52に印加することで、トナー像を中間転写ベルト51に1次転写した。
次いで、中間転写ベルト51上の多重トナー像は、2次転写部N2を介して転写材Pの表面に一括して転写(2次転写)される。この時、2次転写ローラ7には、2次転写電圧印加手段としての2次転写電源S3から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)の2次転写バイアス電圧が印加される。これにより、2次転写部N2には、正規の帯電極性に帯電したトナーを中間転写ベルト51から転写材Pへと移動させる方向の電界が形成される。本実施例では、一例として、2次転写ローラ7に印加する2次転写バイアス電圧は、+1.5kVの直流電圧とした。
2次転写が終了した後、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト51の表面に残ったトナー(2次転写残トナー)は、後続の画像の1次転写と同時に、1次転写部N1を介して感光ドラム1に逆転写され、感光ドラムクリーナー6によって除去、回収される。中間転写ベルト51上のトナーのクリーニング動作については詳しくは後述する。
こうして表面に4色のトナーからなる未定着の多重トナー像を担持した転写材Pは、次いで定着手段としての定着器(図示せず)に搬送される。そして、定着器によって転写材Pの表面のトナー像が定着されて、転写材Pへの画像形成が完了する。その後、画像が定着された転写材Pは、画像形成装置本体外に排出される。
[中間転写ベルト上のトナーのクリーニング]
次に、図2を参照して、本実施例における中間転写ベルト51上のトナーの除去、回収方法について詳しく説明する。
次に、図2を参照して、本実施例における中間転写ベルト51上のトナーの除去、回収方法について詳しく説明する。
本実施例の画像形成装置100は、中間転写ベルト51上のトナーを感光ドラム1に戻して除去、回収する機構(静電クリーニング機構)を有する。
即ち、画像形成装置100は、中間転写ベルト51に接触すると共に、電圧が印加されることによって中間転写ベルト51上のトナーを帯電させる帯電部材(トナー帯電部材)として、ブラシ状部材であるトナー帯電ブラシ55を有する。
トナー帯電ブラシ55は、中間転写ベルト51の表面の移動方向において、2次転写部N2よりも下流側、且つ、1次転写部N1よりも上流側(即ち、2次転写ローラ7の下流側、且つ、1次転写ローラ52の上流側)の位置に配置される。特に、本実施例では、トナー帯電ブラシ55は、中間転写ベルト51を介して2次転写対向ローラ54に対向する位置に配置される。又、トナー帯電ブラシ55は、中間転写ベルト51に当接してトナー帯電部N3を形成する。尚、本実施例では、画像形成装置100は、トナー帯電ブラシ55を中間転写ベルト51に対して選択的に当接又は離間させるための当接離間機構(図示せず)を有する。この当接離間機構により、トナー帯電ブラシ55は、中間転写ベルト51上のトナーを帯電させるときのみ中間転写ベルト51に当接する。
本実施例では、トナー帯電ブラシ55は、ナイロンを材料として作製されており、繊度は7デシデックス、パイル長さは5mm、ブラシ幅(中間転写ベルト51の移動方向の幅)は5mm、電気抵抗は6.5×105Ωに設定されている。又、トナー帯電ブラシ55には、トナー帯電電圧印加手段としてのトナー帯電電源S4から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)のクリーニングバイアス(トナー帯電バイアス電圧)が印加される。本実施例では、トナー帯電ブラシ55には、クリーニングバイアスとして、+1kVの直流電圧が印加される。尚、2次転写対向ローラ54は、対向極として電気的に接地されている。
中間転写ベルト51上の多重トナー像T1は、中間転写ベルト51を介して2次転写対向ローラ54と2次転写ローラ7とが当接する2次転写部N2を介して、転写材Pの表面に2次転写される。この時、通常は、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト51上に残るトナー(2次転写残トナー)T2が発生する。本実施例では、先ず、この2次転写残トナーT2を回収するために、中間転写ベルト51上のトナーに電荷を与えるトナー帯電ブラシ55を用いる。
例えば、1枚目の転写材Pに転写する多重トナー像T1の2次転写後に中間転写ベルト51上に残留する2次転写残トナーT2は、トナー帯電ブラシ55によって正極性に帯電される(図2中のトナーT3)。この時、中間転写ベルト51上で積層されていたトナーは、トナー帯電ブラシ55によって崩され、平らに均される。この正極性に帯電したトナーT3は、2枚目の転写材Pに転写するための1色目(本実施例ではイエロー色)のトナー像TYの1次転写と同時に、感光ドラム1に逆転写される。この時、1次転写部N1には、正規の帯電極性に帯電したトナーを感光ドラム1から中間転写ベルト51へと移動させ、又、正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーを中間転写ベルト51から感光ドラム1へと移動させる方向の電界が形成される。そして、この感光ドラム1に逆転写されたトナーT4は、感光ドラムクリーナー6により、1次転写残トナーと共に除去、回収される。
又、紙詰まりの発生等のために、中間転写ベルト51上にトナー像が形成され、そのトナー像が転写材Pに転写される前に画像形成装置100が停止した場合、中間転写ベルト51上をクリーニングする動作(クリーニングシーケンス)を行う。これにより、次の画像形成を行う前に、中間転写ベルト51の実質的に全ての残留トナーをクリーニングする。この時、トナー帯電ブラシ55には、トナー帯電電源S4より+1kVの直流電圧が印加され、1次転写ローラ52には、1次転写電源S2より+500Vの直流電圧が印加される。又、この時、中間転写ベルト51は、画像形成時と同じ表面速度、即ち、117mm/秒で回転駆動される。この時のトナー量は、2次転写残トナーと比較して、重量比で10倍程度となることがあるため、中間転写ベルト51を2周回転させてクリーニングを行う。
ここで、前述のように、中間転写ベルト51上のトナーを均一に帯電させるために帯電部材にDC成分にAC成分を重畳させたバイアス電圧を印加すると、トナーの飛散や騒音といった問題が発生することがある。これに対し、帯電部材としてブラシ状部材(トナー帯電ブラシ)を用いる場合、AC成分を重畳させたバイアス電圧を印加しない場合であっても、中間転写ベルト51上のトナーを均一に帯電させることができる。
しかしながら、例えば紙詰まりの発生によって中間転写ベルト51上に大量のトナーが残留した場合、このトナーは、トナー帯電ブラシに堰き止められると、トナー帯電ブラシによって均されつつ、トナー帯電ブラシの長手方向に幅を広げる。そして、この幅を広げたトナーを端部まで全て感光ドラム1に戻しきれない場合には、中間転写ベルト51上に残留したトナーが2次転写ローラ7に付着、蓄積し、後続の画像出力時に転写材Pの端部に付着することがある。
従って、本実施例の主要な目的は、中間転写体上の残留トナーをより良好に像担持体に逆転写させて回収することを可能とすることである。本実施例のより詳細な目的の1つは、転写材Pの端部にトナーが付着するという事が発生することを抑制することである。又、本実施例のより詳細な目的の他の1つは、トナー飛散及び騒音を最小限に抑えることである。
[トナー帯電ブラシと1次転写ローラ]
A.構成
次に、図3及び図4を参照して、トナー帯電ブラシ55と1次転写ローラ52などとの長手方向の長さ(以下「長手幅」という)の関係について説明する。
A.構成
次に、図3及び図4を参照して、トナー帯電ブラシ55と1次転写ローラ52などとの長手方向の長さ(以下「長手幅」という)の関係について説明する。
ここで、感光ドラム1、中間転写ベルト51、クリーニングブレード61、トナー帯電ブラシ55、1次転写ローラ52、2次転写ローラ7、転写材Pに関連して長手方向とは、感光ドラム1及び中間転写ベルト51の表面移動方向と略直交する方向である。
本実施例では、中間転写ベルト51とトナー帯電ブラシ55との接触部(トナー帯電部)N3の長手幅L1は、中間転写ベルト51と1次転写ローラ52との接触部(内周側接触部)N4の長手幅L2より短くする。即ち、上記L1及びL2は、L1<L2の関係を満たす。ここで、本実施例では、中間転写ベルト51とトナー帯電ブラシ55との接触部(トナー帯電部)N3の長手幅L1は、トナー帯電ブラシ55の長手幅に相当する。又、本実施例では、中間転写ベルト51と1次転写ローラ52との接触部(内周側接触部)N4の長手幅L2は、1次転写ローラ52の長手幅に相当する。以下、更に詳しく説明する。
本実施例では、転写材Pの最大長手幅であるレター(LTR)サイズの長手幅は216mmであり、画像形成可能領域の長手幅(La)は216mmである。即ち、中間転写ベルト51上の2次転写残トナーが残留する領域の最大長手幅(La)は216mmである。
トナー帯電ブラシ55の長手幅(L1)は、画像全域においてトナーを均すことが好ましいため、画像形成可能領域の長手幅(La)より長い225mmに設定されている。
又、1次転写ローラ52の長手幅(L2)、即ち、中間転写ベルト51と1次転写ローラ52とが接触しており、電界の及ぼす影響が均一である領域の長手幅(転写有効幅)は、トナー帯電ブラシ55の長手幅(L1)より長い230mmに設定されている。即ち、上記L1、L2及びLaは、La<L1<L2の関係を満たす。
又、感光ドラム1の長手幅(Lb)及びクリーニングブレード61の長手幅(Lc)は、1次転写ローラ52によってトナーを感光ドラム1へ逆転写して回収するために、少なくとも1次転写ローラ52の長手幅(L2)より長くすることが好ましい。即ち、上記Lb、Lc及びL2は、L2<Lb、L2<Lcの関係を満たすことが好ましい。尚、通常、感光ドラム1の長手幅は、クリーニングブレード61の長手幅以上である。従って、本実施例では、感光ドラム1の長手幅(Lb)は246mm、クリーニングブレード61の長手幅(Lc)は241mmに設定されている。
又、本実施例では、中間転写ベルト51の長手幅(Ld)は、242mmに設定されている。
B.作用
ブラシ状の帯電部材(トナー帯電ブラシ)55を用いることによって、中間転写ベルト51上の積層されたトナーを平らに均す効果がある。従って、上層のトナーだけが帯電され、下層のトナーは帯電量が少なくなるという事の発生を抑制することができ、中間転写ベルト51上のトナーをより均一に帯電させることができる。そして、トナーをより均一に帯電させることができることにより、中間転写ベルト51上のトナーをより良好に感光ドラム1に回収することができ、クリーニング不良の発生を抑制することができる。又、中間転写ベルト51上のトナーを均一に帯電させるためにAC電圧の印加を必要としないので、トナー飛散及び騒音の発生を抑制することができる。
ブラシ状の帯電部材(トナー帯電ブラシ)55を用いることによって、中間転写ベルト51上の積層されたトナーを平らに均す効果がある。従って、上層のトナーだけが帯電され、下層のトナーは帯電量が少なくなるという事の発生を抑制することができ、中間転写ベルト51上のトナーをより均一に帯電させることができる。そして、トナーをより均一に帯電させることができることにより、中間転写ベルト51上のトナーをより良好に感光ドラム1に回収することができ、クリーニング不良の発生を抑制することができる。又、中間転写ベルト51上のトナーを均一に帯電させるためにAC電圧の印加を必要としないので、トナー飛散及び騒音の発生を抑制することができる。
そして、本実施例によれば、トナー帯電ブラシ55と1次転写ローラ52との長手幅の関係を上述のように設定したことによって、次のような効果が得られる。
図5に、本実施例におけるトナー帯電部N3及び1次転写部N1の模式図を示す。
画像形成装置100は、紙詰まりの発生等のために、中間転写ベルト51上にトナー像が形成され、そのトナー象が転写材Pに転写される前に停止することがある。その場合、次の画像形成を行う前に、中間転写ベルト51上の実質的に全てのトナーT5をクリーニングすることが望まれる。この時のトナー量は、2次転写残トナーと比較して、重量比で10倍程度となることがある。このような大量のトナーがトナー帯電ブラシ55に堰き止められると、トナーはトナー帯電ブラシ55によって均されつつ、帯電部材55の長手方向に幅を広げる(図中Wで示す部分)。
しかし、本実施例では、トナー帯電ブラシ55の長手幅は225mmに設定されているため、通常、帯電部材55で均されたトナーT6の長手幅は225mmを有意に超えることはない。これに対し、1次転写ローラ52の長手幅は、トナー帯電ブラシ55の長手幅より長い230mmに設定されている。そのため、トナー帯電部N3を通過したトナーT6に対し、長手方向全域で、1次転写ローラ52による電界の作用を及ぼすことができる。これにより、長手方向全域で、このトナーT6を中間転写ベルト51上から感光ドラム1上に回収することができる。従って、中間転写ベルト51上の残留トナーは、中間転写ベルト51の2周の間に実質的に全てクリーニングすることができる。そのため、回収しきれずに中間転写ベルト51上の長手方向両端部付近に残留したトナーが2次転写ローラ7に付着、蓄積していくことにより、後続の画像出力時に転写材Pの端部に付着するという事が発生することを抑制することができる。
[評価]
本実施例の効果を調べるため、画像形成装置100を用いて、次に示す比較例と共に、クリーニングバイアス印加時の騒音、紙詰まり発生後のクリーニング不良について評価した。又、トナー飛散による装置内部の汚損の発生の有無についての観察も行った。
本実施例の効果を調べるため、画像形成装置100を用いて、次に示す比較例と共に、クリーニングバイアス印加時の騒音、紙詰まり発生後のクリーニング不良について評価した。又、トナー飛散による装置内部の汚損の発生の有無についての観察も行った。
(比較例1)
比較例1では、トナー帯電ブラシ55は、長手幅が225mmで、クリーニングバイアスとして+1.5kVの直流電圧が印加される。又、比較例1では、1次転写ローラ52の長手幅は、トナー帯電ブラシ55より短い220mmに設定した。比較例1におけるその他の構成は実施例1と同一とした。
比較例1では、トナー帯電ブラシ55は、長手幅が225mmで、クリーニングバイアスとして+1.5kVの直流電圧が印加される。又、比較例1では、1次転写ローラ52の長手幅は、トナー帯電ブラシ55より短い220mmに設定した。比較例1におけるその他の構成は実施例1と同一とした。
(比較例2)
比較例2では、帯電部材としてローラ状部材であるトナー帯電ローラを用いた。このトナー帯電ローラは、長手幅が225mmで、クリーニングバイアスとして周波数が2kHz、振幅が2.4kVの正弦波電圧に、+1kVの直流電圧を重畳したバイアスが印加される。又、比較例2では、1次転写ローラ52の長手幅は、トナー帯電ローラより短い220mmに設定した。比較例2におけるその他の構成は実施例1と同一とした。
比較例2では、帯電部材としてローラ状部材であるトナー帯電ローラを用いた。このトナー帯電ローラは、長手幅が225mmで、クリーニングバイアスとして周波数が2kHz、振幅が2.4kVの正弦波電圧に、+1kVの直流電圧を重畳したバイアスが印加される。又、比較例2では、1次転写ローラ52の長手幅は、トナー帯電ローラより短い220mmに設定した。比較例2におけるその他の構成は実施例1と同一とした。
(評価結果)
評価結果を下記表1に示す。
評価結果を下記表1に示す。
音の測定方法は、次の通りである。暗騒音30dBの無響室にプリンタを設置し、帯電部材(トナー帯電ブラシ、トナー帯電ローラ)の前面(感光体の軸に対して垂直方向)から50cmに相当する位置に、騒音計「NL−02」(リオン株式会社製)を設置する。そして、帯電部材に電圧を印加したときの音圧(dB)を測定した。
又、転写材Pの端部の汚れ(端部クリーニング不良)は、次のようにして評価した。紙詰まり発生後にクリーニングシーケンスを行い、その直後に中間転写ベルト51上に残った、長手方向端部におけるクリーニング不良のトナー残量を目視で確認した。この評価は、評価用の画像パターンとしてシアン、マゼンタの2色ベタ画像200%を用い、又転写材PとしてXerox社製4024・坪量75g/m2(レターサイズ)の記録用紙を用いて行った。
本実施例では、騒音レベルは44dBと良好であり、端部クリーニング不良も発生しなかった。又、クリーニングバイアスに起因すると考えられるトナー飛散による装置内部の汚損は観察されなかった。
比較例1では、騒音レベルは44dBと良好であるものの、端部クリーニング不良が発生した。この理由としては、トナー帯電ブラシ55によって長手幅の広がったトナーの端部が、1次転写ローラ52の作用により感光ドラム1に回収しきれなかったことが挙げられる。
比較例2では、端部クリーニング不良は発生しなかったものの、騒音レベルは60dBと大きくなっていた。騒音レベルが大きくなった理由としては、周波数2kHzの交流電圧を印加していることが挙げられる。又、端部クリーニング不良が発生しなかった理由としては、トナー帯電ローラが中間転写ベルト51上のトナーの長手幅を広げないことが挙げられる。又、クリーニングバイアスとしてAC電圧を印加することに起因すると考えられるトナー飛散による装置内部の汚損が観察された。
以上、本実施例によれば、トナー帯電ブラシ55の長手幅よりも1次転写ローラ52の長手幅を長く設定することで、紙詰まり発生後の転写材Pの端部の汚れを抑制することができる。又、帯電部材をブラシで構成し、クリーニングバイアスとしてAC成分を重畳せずに、DC成分のみを印加することにより、騒音抑制効果、トナー飛散抑制効果を得ることができる。
このように、本実施例によれば、紙詰まりの発生等のために、中間転写ベルト51上にトナー像が形成され、転写材Pに転写される前に装置が停止した場合でも、良好なクリーニングを行うことができる。これにより、後続の画像出力時に転写材Pの端部にトナーが付着して画像品位を低下する原因となることを抑制することができる。又、クリーニングバイアスとしてAC電圧を印加しない場合でも上記の如き良好なクリーニング性を発揮できるので、騒音やトナー飛散の発生を抑制することができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1と同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は実施例1と同じである。従って、実施例1の画像形成装置のものと同一又はそれに相当する要素には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図6は、本実施例の画像形成装置200の概略断面構成を示す。本実施例の画像形成装置200は、第1の帯電部材としてのトナー帯電ブラシ55に加えて、第2の帯電部材としてのローラ状部材であるトナー帯電ローラ56を有する。
トナー帯電ブラシ55の構成及び作用は実施例1と同様である。
トナー帯電ローラ56は、中間転写ベルト51の移動方向において、第1のトナー帯電部N3よりも下流側、且つ、1次転写部N1よりも上流側(即ち、トナー帯電ブラシ55の下流側、且つ、1次転写ローラ52の上流側)の位置に配置される。特に、本実施例では、トナー帯電ローラ56は、中間転写ベルト51を介して2次転写対向ローラ54に対向する位置に配置される。又、トナー帯電ローラ56は、中間転写ベルト51に当接して第2のトナー帯電部N5を形成する。尚、本実施例では、画像形成装置200は、トナー帯電ブラシ55と同様に、トナー帯電ローラ56を中間転写ベルト51に対して選択的に当接又は離間させるための当接離間機構(図示せず)を有する。この当接離間機構により、トナー帯電ローラ56は、中間転写ベルト51上のトナーを帯電させるときのみ中間転写ベルト51に当接する。
本実施例では、トナー帯電ローラ56として、直径6mmの芯金の周面に弾性部材として厚さ3mmのゴム材料を設けてローラ形状に成型した部材を用いた。ゴム材料の電気抵抗値は、次のように調整されている。即ち、温度/湿度が24℃/60%の環境下にて、30rpmで回転する直径30mmの金属ローラとトナー帯電ローラ56とを荷重1kgfで当接させてローラ間に+1kVの直流電圧を印加する。この場合に、ローラ間に15〜90μA程度の電流が流れるように、ゴム材料の電気抵抗値は調整されている。又、本実施例では、トナー帯電ローラ56には、第2のトナー帯電電圧印加手段としての第2のトナー帯電電源S5から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性(本実施例では正極性)のクリーニングバイアス(トナー帯電バイアス電圧)が印加される。本実施例では、トナー帯電ローラ56には、クリーニングバイアスとして、+1.4kVの直流電圧が印加される。このように、トナー帯電ローラ56にも、クリーニングバイアスとしてAC成分を重畳しないDC電圧を印加することで、騒音やトナー飛散を抑制する効果を得ることができる。
次に、図7及び図8を参照して、トナー帯電ブラシ55とトナー帯電ローラ56と1次転写ローラ52などとの長手幅の関係について説明する。
実施例1と同様、トナー帯電ブラシ55、トナー帯電ローラ56等に関連して長手方向とは、感光ドラム1及び中間転写ベルト51の表面移動方向と略直交する方向である。
本実施例では、転写材Pの最大長手幅であるレター(LTR)サイズの長手幅は216mmであり、画像形成可能領域の長手幅(La)は216mmである。即ち、中間転写ベルト51上の2次転写残トナーが残留する領域の最大長手幅(La)は216mmである。
トナー帯電ブラシ55の長手幅(L1)は、画像全域においてトナーを均すことが好ましいため、画像形成可能領域の長手幅(La)より長い225mmに設定されている。
又、トナー帯電ローラ55の長手幅(L3)は、画像形成可能領域の長手幅(La)より長く、トナー帯電ブラシ55の長手幅(L1)よりわずかに短い223mmに設定されている。その理由は次の通りである。
図9に示すように、紙詰まりが連続して起こった場合、トナー帯電ブラシ55に大量のトナーT5が堆積する。その場合、トナーがトナー帯電ブラシ55の長手方向端部から微量にあふれ、トナー帯電ブラシ55で均されたトナーT6の領域である長手幅225mmの領域よりわずかに長手方向外側の位置に、トナーT7が積層した個所が発生する場合がある。この積層したトナーT7は、トナー帯電ローラ56と中間転写ベルト51との接触部に入り込むと、そのトナーの上層とトナー帯電ローラ56との間で放電を起こし、トナー帯電ローラ56の長手方向端部を汚損する場合がある。従って、トナー帯電ローラ56の長手幅(L3)は、トナー帯電ブラシ55の長手幅(L1)より短く設定することが望ましい。又、画像全域の残留トナーを帯電させることが好ましいため、トナー帯電ローラ56の長手幅は、画像形成可能領域幅(La)に対して十分広く設定することが好ましい。即ち、上記L1、L3及びLaは、La<L3<L1の関係を満たす。
又、実施例1と同様、1次転写ローラ52の長手幅、即ち、中間転写ベルト51と1次転写ローラ52とが接触している部分の長手幅(転写有効幅)(L2)は、トナー帯電ブラシ55の長手幅(L1)より長い230mmに設定されている。即ち、上記L1、L2、L3及びLaは、La<L3<L1<L2の関係を満たす。これにより、トナー帯電ブラシ55の長手幅225mmの領域よりわずかに長手方向外側の位置に、トナーT7が堆積した個所が発生した場合にも、そのトナーT7を1次転写ローラ52の作用により感光ドラム1に回収することができる。
又、感光ドラム1の長手幅(Lb)及びクリーニングブレード61の長手幅(Lc)は、1次転写ローラ52によってトナーを感光ドラム1へ逆転写して回収するために、少なくとも1次転写ローラ52の長手幅(L2)より長くすることが好ましい。即ち、上記Lb、Lc及びL2は、L2<Lb、L2<Lcの関係を満たすことが好ましい。尚、通常、感光ドラム1の長手幅は、クリーニングブレード61の長手幅以上である。従って、実施例1と同様、本実施例では、感光ドラム1の長手幅(Lb)は246mm、クリーニングブレード61の長手幅(Lc)は241mmに設定されている。
又、本実施例では、中間転写ベルト51の長手幅(Ld)は、242mmに設定されている。
上述の構成において、中間転写ベルト51上のトナーは、トナー帯電ブラシ55によって、正極性に帯電されると共に、積層されたトナーが崩されて平らに均される。そして、このトナーは、トナー帯電ローラ56によって、再度、正極性に帯電される。この2回の帯電により、トナーの電荷量はより強い正極性になり、且つ、トナー電荷量の分布も均一になる。そのため、このトナーの、1次転写ローラ52に正極性のバイアスを印加することによる感光ドラム1への逆転写の効率も大幅に向上され、中間転写ベルト51上のトナー量が多い場合にも良好な回収効率を得ることができる。
従って、例えば、実施例1では紙詰まりの発生後のクリーニングシーケンスにおいて中間転写ベルト51を2周回転させていたが、本実施例では中間転写ベルト51を1周回転するだけで、中間転写ベルト51上の実質的に全てのトナーを回収することができる。これにより、紙詰まり後の復帰シーケンスも短時間で行うことができるため、ユーザビリティーを更に向上することができる。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果が得られると共に、更に中間転写ベルト51上のトナーの回収効率を向上させることができる。
1 感光ドラム
5 中間転写装置
51 中間転写ベルト
52 1次転写ローラ
55 トナー帯電ブラシ(第1の帯電部材)
56 トナー帯電ローラ(第2の帯電部材)
N1 1次転写部
N2 2次転写部
N3 トナー帯電部(第1のトナー帯電部)
N4 内周側接触部
N5 トナー帯電部(第2のトナー帯電部)
5 中間転写装置
51 中間転写ベルト
52 1次転写ローラ
55 トナー帯電ブラシ(第1の帯電部材)
56 トナー帯電ローラ(第2の帯電部材)
N1 1次転写部
N2 2次転写部
N3 トナー帯電部(第1のトナー帯電部)
N4 内周側接触部
N5 トナー帯電部(第2のトナー帯電部)
Claims (4)
- トナー像を担持する像担持体と、移動可能な中間転写体と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写させる1次転写部材と、前記中間転写体上のトナー像を転写材に転写させる2次転写部材と、前記中間転写体の移動方向において前記2次転写部材の下流側で且つ前記1次転写部材の上流側に配置され、前記中間転写体に接触すると共に電圧が印加されることによって前記中間転写体上のトナーを帯電させるブラシ状の帯電部材と、を有する画像形成装置において、
前記中間転写体の移動方向と略直交する方向において、前記中間転写体と前記帯電部材との接触部の長さは、前記中間転写体と前記1次転写部材との接触部の長さより短いことを特徴とする画像形成装置。 - 前記帯電部材には、前記トナーの帯電のために直流電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記中間転写体の移動方向において前記帯電部材の下流側で且つ前記1次転写部材の上流側に配置され、前記中間転写体に接触すると共に電圧が印加されることによって前記中間転写体上のトナーを帯電させる第2の帯電部材を有し、前記中間転写体の移動方向と略直交する方向において、前記中間転写体と前記第2の帯電部材との接触部の長さは、前記中間転写体と前記帯電部材との接触部の長さより短いことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記第2の帯電部材には、前記トナーの帯電のために直流電圧が印加されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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Cited By (3)
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2007
- 2007-06-12 JP JP2007155777A patent/JP2008309906A/ja active Pending
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