JP2013221790A - 車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリの充電率および内部抵抗の値を正確に推定することができる、車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置を提供する。
【解決手段】内部状態推定ユニット10は、バッテリ20の端子電圧を測定する電圧測定手段11と、バッテリ20の出力電流を所望の値に調整する電流調整手段12と、開放端子電圧に基づいてバッテリ20の充電率を推定する充電率推定手段14と、出力電流および端子電圧並びに開放端子電圧に基づいてバッテリ20の内部抵抗Rの値を推定する内部抵抗推定手段15とを備えている。充電率推定手段14および内部抵抗推定手段15は、バッテリ20と電力コンバータ21やモータジェネレータ22等の車両負荷との間で電力の授受が行われていない状態において、バッテリ20の充電率および内部抵抗Rの値をそれぞれ推定する。
【選択図】図1
【解決手段】内部状態推定ユニット10は、バッテリ20の端子電圧を測定する電圧測定手段11と、バッテリ20の出力電流を所望の値に調整する電流調整手段12と、開放端子電圧に基づいてバッテリ20の充電率を推定する充電率推定手段14と、出力電流および端子電圧並びに開放端子電圧に基づいてバッテリ20の内部抵抗Rの値を推定する内部抵抗推定手段15とを備えている。充電率推定手段14および内部抵抗推定手段15は、バッテリ20と電力コンバータ21やモータジェネレータ22等の車両負荷との間で電力の授受が行われていない状態において、バッテリ20の充電率および内部抵抗Rの値をそれぞれ推定する。
【選択図】図1
Description
この発明は、車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置に関する。
電気モータによって走行する電気自動車(EV車)や電気モータとガソリンエンジンとの併用によって走行するプラグインハイブリッド車(PHV車)が普及してきている。これらEV車やPHV車には、電気モータを駆動する電力を蓄えるための充放電可能なバッテリが搭載されている。
EV車やPHV車を効率良く走行させるためには、バッテリの充電率や内部抵抗の値等のバッテリの内部状態を正確に把握する必要がある。特許文献1には、バッテリの開放端子電圧(OCV:Open Circuit Voltage)に基づいて、バッテリの充電率(SOC:State Of Charge)を推定する事項が記載されている。また、特許文献2には、バッテリの端子電圧および出力電流を測定し、それらの値を所定の電池モデル式に入力し、バッテリの内部抵抗の推定値を導出する事項が記載されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載されている発明では、車両の走行時においては、電気モータ等のバッテリからの電力供給を受けて動作する車両負荷の変動が激しいために、バッテリの端子電圧や出力電流を安定して測定することができず、その充電率や内部抵抗の値を正確に推定するのが困難であるという問題がある。
この発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、バッテリの充電率および内部抵抗の値を正確に推定することができる、車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係る車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置は、バッテリの端子電圧を測定する電圧測定手段と、バッテリの出力電流を所望の値に調整する電流調整手段と、電流調整手段によって出力電流をゼロにした状態における開放端子電圧を電圧測定手段によって測定し、当該開放端子電圧に基づいてバッテリの充電率を推定する充電率推定手段と、電流調整手段によって出力電流をゼロから所定値に変化させた状態における端子電圧を電圧測定手段によって測定し、当該所定値の出力電流および端子電圧並びに開放端子電圧に基づいて、バッテリの内部抵抗の値を推定する内部抵抗推定手段とを備え、充電率推定手段および内部抵抗推定手段は、バッテリと車両負荷との間で電力の授受が行われていない状態において、充電率および内部抵抗の値をそれぞれ推定することを特徴とする。
内部抵抗推定手段は、電流調整手段によって出力電流をゼロから所定値に変化させた状態における端子電圧を電圧測定手段によって複数回測定し、所定値の出力電流、複数の端子電圧、および開放端子電圧に基づいて、内部抵抗の値を推定してもよい。
内部抵抗推定手段は、電流調整手段によって出力電流をゼロから所定値に変化させて一定時間継続させることを繰り返しながら、電圧測定手段によって端子電圧を複数回測定し、所定値の出力電流、出力電流の変化から第1所定時間が経過する前に測定される複数の端子電圧、および開放端子電圧に基づいて、内部抵抗の直流抵抗成分の値を推定すると共に、所定値の出力電流、出力電流の変化から第2所定時間が経過した後に測定される複数の端子電圧、開放端子電圧、および直流抵抗成分の値に基づいて、内部抵抗の分極抵抗成分の値を推定してもよい。
この発明に係る車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置によれば、バッテリの充電率および内部抵抗の値を正確に推定することができる。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る車載バッテリの内部状態推定ユニット10を搭載した電気自動車の電気系統の構成を図1に示す。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る車載バッテリの内部状態推定ユニット10を搭載した電気自動車の電気系統の構成を図1に示す。
図1に示されるように、電気自動車の電気系統には、直流電力を充放電可能なバッテリ20と、インバータおよびコンバータとして動作可能な電力変換ユニット21と、電動機および発電機として動作可能なモータジェネレータ22とが含まれており、内部状態推定ユニット10はバッテリ20に接続されている。ここで、電力変換ユニット21とモータジェネレータ22は、バッテリ20との間で電力の授受を行う車両負荷である。
電気自動車の通常走行時においては、バッテリ20から供給される直流電力が電力変換ユニット21によって交流電力に変換され、この交流電力によってモータジェネレータ22が電動機として動作して電気自動車の車輪が駆動される。一方、電気自動車の回生走行時においては、モータジェネレータ22が発電機として動作して交流電力を発電し、この交流電力が電力変換ユニット21によって直流電力に変換されてバッテリ20への充電が行われる。
内部状態推定ユニット10は、電圧測定手段11と、電流調整手段12と、マイクロコンピュータ13とから構成されており、マイクロコンピュータ13の内部には、充電率推定手段14と、内部抵抗推定手段15と、制御手段16とが含まれている。
電圧測定手段11は、周知の電圧センサによって構成されており、バッテリ20の端子電圧を測定する。
電流調整手段12は、周知の電流センサと可変抵抗とによって構成されており、バッテリ20の出力電流を所望の値に調整する。
充電率推定手段14は、電流調整手段12によってバッテリ20の出力電流をゼロにした状態における開放端子電圧(OCV)を電圧測定手段11によって測定し、当該開放端子電圧に基づいてバッテリ20の充電率(SOC)を推定する。
内部抵抗推定手段15は、電流調整手段12によってバッテリ20の出力電流をゼロから所定値に変化させた状態における端子電圧を電圧測定手段11によって測定し、当該所定値の出力電流および端子電圧並びに上記開放端子電圧に基づいて、バッテリ20の内部抵抗の値を推定する。
制御手段16は、内部状態推定ユニット10の全体の動作を制御する。
なお、図1のバッテリ20の内部に示されるように、本願発明においてはバッテリ20の等価回路として、開放端子電圧Voを出力する電圧源と内部抵抗Rとが直列に接続された回路を考え、内部抵抗Rは直流抵抗成分Rdと分極抵抗成分Rpとから構成され、R=Rd+Rpの関係が成り立つ。直流抵抗成分Rdの値は、バッテリ20の出力電流の大きさに依存することなく常に一定であるが、分極抵抗成分Rpの値は、バッテリ20の出力電流の大きさに依存し、出力電流が変化する際にはその変化に瞬時に応答せず、時間の経過と共に徐々に変化して一定値に飽和する。
次に、この実施の形態1に係る内部状態推定ユニット10によるバッテリ20の内部状態の推定処理について、図2〜図4を参照して説明する。
内部状態推定ユニット10は、電気自動車が走行中であるか停止中であるかに依らず、図2のフローチャートに示される推定処理ルーチンを所定の時間間隔で常に実行する。以下、この推定処理ルーチンにおける各ステップの詳細について、順次説明する。
まず、ステップS11において、制御手段16はバッテリ20が使用中でないか、すなわちバッテリ20と電力変換ユニット21やモータジェネレータ22等の車両負荷との間で電力の授受が行われていないかを調べる。そして、バッテリ20が使用中でない場合にはステップS12〜S17の処理を実行し、バッテリ20が使用中である場合には推定処理ルーチンを終了する。
ステップS12において、充電率推定手段14は、電流調整手段12を制御することによってバッテリ20の出力電流をゼロにする(バッテリ20と電力変換ユニット21やモータジェネレータ22等の車両負荷との間で電力の授受が行われていない状態では、バッテリ20から電流調整手段12に流れる電流をゼロにすれば、バッテリ20の出力電流はゼロになる)。そして、その状態におけるバッテリ20の端子電圧を電圧測定手段11によって測定し、開放端子電圧Voとして記憶する。
ステップS13において、充電率推定手段14は、上記開放端子電圧Voに基づいてバッテリ20の充電率を推定する。図3に示されるように、バッテリ20の開放端子電圧Voと充電率との間には1対1の対応関係が存在するため、開放端子電圧Voから充電率を容易に推定することができる。
次に、ステップS14において、内部抵抗推定手段15は、電流調整手段12を制御することによってバッテリ20の出力電流をゼロから所定値Icに変化させ、ステップS15〜S16において、一定時間3000msが経過するまでの間、バッテリ20の端子電圧を電圧測定手段11によって繰り返し測定する。この際のバッテリ20の諸量の時間変化は図4に示されるようになり、時刻t0において出力電流がゼロからIcに変化した後、時刻t1〜t5の各時刻における端子電圧V1〜V5が測定される。
ステップS17において、内部抵抗推定手段15は、ステップS15〜S16で各時刻t1〜t5において測定された端子電圧V1〜V5、所定値Icの出力電流、およびステップS12で推定された開放端子電圧Voに基づいて、バッテリ20の内部抵抗R=Rd+Rpの値を推定する。上述したように、本願発明では内部抵抗Rを直流抵抗成分Rdと分極抵抗成分Rpとによって構成されていると考えるが、実施の形態1ではこれらをまとめて取り扱い、直流抵抗成分Rdと分極抵抗成分Rpとの和として内部抵抗Rの値を推定する。
詳細には、まず、各時刻t1〜t5における内部抵抗Rの値R1〜R5を以下の式に従って算出する。
Ri=(Vo−Vi)/Ic
ただし、上式において、i=1〜5である。図4に示されるように、時刻t0においてバッテリ20の出力電流がゼロから所定値Icに変化すると、内部抵抗Rの値は或る初期値から徐々に増加してやがて一定値に飽和する。これは、内部抵抗Rにおける直流抵抗成分Rdの値は出力電流に依存することなく常に一定であるのに対して、分極抵抗成分Rpの値は出力電流に依存し、出力電流が変化する際には時間の経過と共に徐々に変化していくためである。ここでは、内部抵抗Rの値が一定値であると考えた時に、上記R1〜R5を最も良く近似する値を最小二乗法により決定し、これを内部抵抗Rの推定値とする。
以上説明したように、この実施の形態1に係る車載バッテリの内部状態推定ユニット10では、バッテリ20が使用中でない状態、すなわちバッテリ20と電力コンバータ21やモータジェネレータ22等の車両負荷との間で電力の授受が行われておらず、車両負荷の変動の影響を受けない状態において、ステップS12〜S13における充電率の推定、およびステップS14〜S17における内部抵抗Rの値の推定を行う。これにより、バッテリ20の充電率および内部抵抗Rの値を正確に推定することができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る車載バッテリの内部状態推定ユニット10について説明する。実施の形態1に係る内部状態推定ユニット10では、バッテリ20の内部抵抗Rにおける直流抵抗成分Rdと分極抵抗成分Rpとをまとめて取り扱い、それらの和として内部抵抗Rの値を推定したが、実施の形態2に係る内部状態推定ユニット10では、直流抵抗成分Rdの値と分極抵抗成分Rpの値とを別々に推定する。なお、実施の形態1と2では、内部状態推定ユニット10の構成は同一であり実行する推定処理の内容のみが異なるため、以降では、実施の形態2に係る内部状態推定ユニット10によるバッテリ20の内部状態の推定処理についてのみ、図5〜図6を参照して説明する。
次に、この発明の実施の形態2に係る車載バッテリの内部状態推定ユニット10について説明する。実施の形態1に係る内部状態推定ユニット10では、バッテリ20の内部抵抗Rにおける直流抵抗成分Rdと分極抵抗成分Rpとをまとめて取り扱い、それらの和として内部抵抗Rの値を推定したが、実施の形態2に係る内部状態推定ユニット10では、直流抵抗成分Rdの値と分極抵抗成分Rpの値とを別々に推定する。なお、実施の形態1と2では、内部状態推定ユニット10の構成は同一であり実行する推定処理の内容のみが異なるため、以降では、実施の形態2に係る内部状態推定ユニット10によるバッテリ20の内部状態の推定処理についてのみ、図5〜図6を参照して説明する。
実施の形態2に係る内部状態推定ユニット10は、電気自動車が走行中であるか停止中であるかに依らず、図5のフローチャートに示される推定処理ルーチンを所定の時間間隔で常に実行する。以下、この推定処理ルーチンにおける各ステップの詳細について、順次説明する。
まず、ステップS21において、制御手段16はバッテリ20が使用中でないか、すなわちバッテリ20と車両負荷との間で電力の授受が行われていないかを調べる。そして、バッテリ20が使用中でない場合にはステップS22〜S29の処理を実行し、バッテリ20が使用中である場合には推定処理ルーチンを終了する。
ステップS22において、充電率推定手段14は、電流調整手段11によってバッテリ20の出力電流をゼロにした状態における開放端子電圧Voを電圧測定手段12によって測定し、ステップS23において、当該開放端子電圧Voに基づいてバッテリ20の充電率を推定する。
次に、ステップS24〜S28において、内部抵抗推定手段15は、電流調整手段12を制御することによってバッテリ20の出力電流をゼロから所定値Icに変化させてその状態を一定時間3000ms継続させることを所定回数繰り返しながら、電圧測定手段11によってバッテリ20の端子電圧を複数回測定する。この際のバッテリ20の諸量の時間変化は図6に示されるようになり、時刻t0において出力電流がゼロからIcに変化した後、時刻t1〜t5の各時刻における端子電圧V1〜V5が測定され、時刻t0’において出力電流がゼロからIcに変化した後、時刻t6〜t10の各時刻における端子電圧V6〜V10が測定され、時刻t0”において出力電流がゼロからIcに変化した後、時刻t11〜t15の各時刻における端子電圧V11〜V15が測定される。
ステップS29において、内部抵抗推定手段15は、ステップS24〜S28で各時刻t1〜t15において測定された端子電圧V1〜V15、所定値Icの出力電流、およびステップS2で推定された開放端子電圧Voに基づいて、バッテリ20の内部抵抗Rにおける直流抵抗成分Rdの値と分極抵抗成分Rpの値とを別々に推定する。
詳細には、まず、図6において出力電流がゼロから所定値Icに変化した直後における内部抵抗Rは主に直流抵抗成分Rdによるものであり、分極抵抗成分Rpは未だ飽和状態に達していないと考えられる。そのため、出力電流の変化から第1所定時間10msが経過する前に測定された端子電圧V1,V6,V11に基づいて、直流抵抗成分Rdの値Rd1,Rd6,Rd11を以下の式に従って算出する。
Rdi=(Vo−Vi)/Ic
ただし、上式において、i=1,6,11である。そして、直流抵抗成分Rdの値が一定値であると考えた時に、上記Rd1,Rd6,Rd11を最も良く近似する値を最小二乗法により決定し、これを直流抵抗成分Rdの推定値とする。
また、図6において出力電流がゼロから所定値Icに変化してから十分に時間が経過した後における内部抵抗Rは直流抵抗成分Rdと一定値に飽和した分極抵抗成分Rpとの和になると考えられる。そのため、出力電流の変化から第2所定時間2000msが経過した後に測定された端子電圧V5,V10,V15と上記で推定した直流抵抗成分Rdの推定値とに基づいて、分極抵抗成分Rpの値Rp5,Rp10,Rp15を以下の式に従って算出する。
Rpj={(Vo−Vj)/Ic}−Rd
ただし、上式において、j=5,10,15である。そして、分極抵抗成分Rpの値が飽和状態の一定値であると考えた時に、上記Rp5,Rp10,Rp15を最も良く近似する値を最小二乗法により決定し、これを分極抵抗成分Rpの推定値とする。
以上説明したように、この実施の形態2に係る車載バッテリの内部状態推定ユニット10では、バッテリ20が使用中でない状態において、出力電流の変化から第1所定時間10msが経過する前に測定される端子電圧V1,V6,V11に基づいて、直流抵抗成分Rdの値を推定すると共に、第2所定時間2000msが経過した後に測定される端子電圧V5,V10,V15に基づいて、分極抵抗成分Rpの値を推定する。これにより、バッテリ20の内部抵抗Rにおける直流抵抗成分Rdの値と分極抵抗成分Rpの値とを別々に推定することができる。なお、上記における第1所定時間と第2所定時間の値は一例であり、測定対象のバッテリの特性に応じて適宜設定することが好ましい。
その他の実施の形態.
実施の形態1,2においては、電流調整手段12の負荷として可変抵抗を使用しているが、車両に予め搭載されている負荷を利用して電流調整手段を構成してもよい。例えば、車両にペルチェ素子を使用した冷却ユニットが搭載されている場合には、この冷却ユニットを電流調整手段の負荷として利用することにより、本願発明の実施に必要な部品数を少なくすることができる。
実施の形態1,2においては、電流調整手段12の負荷として可変抵抗を使用しているが、車両に予め搭載されている負荷を利用して電流調整手段を構成してもよい。例えば、車両にペルチェ素子を使用した冷却ユニットが搭載されている場合には、この冷却ユニットを電流調整手段の負荷として利用することにより、本願発明の実施に必要な部品数を少なくすることができる。
10 内部状態推定ユニット(内部状態推定装置)、11 電圧測定手段、12 電流調整手段、14 充電率推定手段、15 内部抵抗推定手段、20バッテリ、R 内部抵抗、Rd 直流抵抗成分、Rp 分極抵抗成分、Vo 開放端子電圧。
Claims (3)
- 車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置であって、
前記バッテリの端子電圧を測定する電圧測定手段と、
前記バッテリの出力電流を所望の値に調整する電流調整手段と、
前記電流調整手段によって前記出力電流をゼロにした状態における開放端子電圧を前記電圧測定手段によって測定し、該開放端子電圧に基づいて前記バッテリの充電率を推定する充電率推定手段と、
前記電流調整手段によって前記出力電流をゼロから所定値に変化させた状態における前記端子電圧を前記電圧測定手段によって測定し、該所定値の出力電流および該端子電圧並びに前記開放端子電圧に基づいて、前記バッテリの内部抵抗の値を推定する内部抵抗推定手段と
を備え、
前記充電率推定手段および前記内部抵抗推定手段は、前記バッテリと車両負荷との間で電力の授受が行われていない状態において、前記充電率および前記内部抵抗の値をそれぞれ推定することを特徴とする、車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置。 - 前記内部抵抗推定手段は、
前記電流調整手段によって前記出力電流をゼロから所定値に変化させた状態における前記端子電圧を前記電圧測定手段によって複数回測定し、
前記所定値の出力電流、前記複数の端子電圧、および前記開放端子電圧に基づいて、前記内部抵抗の値を推定することを特徴とする、請求項1に記載の車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置。 - 前記内部抵抗推定手段は、
前記電流調整手段によって前記出力電流をゼロから所定値に変化させて一定時間継続させることを繰り返しながら、前記電圧測定手段によって前記端子電圧を複数回測定し、
前記所定値の出力電流、前記出力電流の変化から第1所定時間が経過する前に測定される前記複数の端子電圧、および前記開放端子電圧に基づいて、前記内部抵抗の直流抵抗成分の値を推定すると共に、
前記所定値の出力電流、前記出力電流の変化から第2所定時間が経過した後に測定される前記複数の端子電圧、前記開放端子電圧、および前記直流抵抗成分の値に基づいて、前記内部抵抗の分極抵抗成分の値を推定することを特徴とする、請求項1に記載の車両に搭載されるバッテリの内部状態推定装置。
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