JP2013221025A - ビフェニルアセトアミド誘導体の製造方法及びその中間体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビフェニルアセトアミド誘導体(I)の工業的に優れた製造方法及びその中間体の提供。
【解決手段】下記式(I)で表される、種々のてんかん発作に対する治療薬若しくは予防薬として有用なビフェニルアセトアミド誘導体又はその塩を製造する方法[式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子等を表し、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子等を表し、R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル等を表し、R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル等を表す]。
【選択図】なし
【解決手段】下記式(I)で表される、種々のてんかん発作に対する治療薬若しくは予防薬として有用なビフェニルアセトアミド誘導体又はその塩を製造する方法[式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子等を表し、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子等を表し、R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル等を表し、R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル等を表す]。
【選択図】なし
Description
本発明は医薬品として有用なビフェニルアセトアミド誘導体の製造方法及びその中間体に関する。
部分発作及び/又は全般発作の種々てんかん発作に対する治療薬若しくは予防薬として有用な下記(Ia)の化合物は、特許文献1に記載されている。また、特許文献1には、例えば化合物(Ia)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた精製法により製造する方法が具体的に記載されている。
[式中、R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子等を表し、R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子等を表し、R61及びR71は、水素原子、メチル等を表し、R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル等を表す。]
上記従来法では、フェニル酢酸誘導体(IIa)のカルボキシル基をエステル化し、化合物(VIII)を得、各種置換及び無置換フェニルボロン酸試薬等とカップリングし化合物(IX)を得た後、加水分解によりカルボン酸(IVa)とし、続くアミド化によりアミド化合物(Ia)を4工程で得るか、又は、(IIIa)と各種置換及び無置換フェニルボロン酸等とカップリングすることで化合物(Ia)を得ている。本合成ステップでは、精製にカラムクロマトグラフィーを用いるなど、工業的製法としては適していない。
本発明は、部分発作及び/又は全般発作の種々てんかん発作に対する治療薬若しくは予防薬として有用なビフェニルアセトアミド誘導体(I)の工業的に優れた製造方法及びその中間体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、下記式(II)をアミド化し、化合物(III)を経由する[工程(1a)及び工程(1b)]か、又は、化合物(II)の化合物と各種置換及び無置換フェニルボロン酸試薬等を反応し、下記式(IV)の化合物を経由する[工程(2a)及び工程(2b)]ことで、2工程で目的の化合物(I)を純度良く、効率的に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。本明細書において、例えば化合物(I)とは、式(I)で表される構造式の化合物又はその塩を表す。
[式中、R1〜R9及びXは、下記項1に記載の定義と同義である。]
すなわち、本発明は、以下の医薬品として有用なビフェニルアセトアミド誘導体の製造方法及びその中間体を提供するものである。
[項1] 下記式(I):
[式中、
R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−又はシアノを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、該アルキル、シクロアルキル−アルキル及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す。]で表される化合物又はその塩を製造する方法であって、下記の工程を含む製造方法;
(1)下記式(II):
R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−又はシアノを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、該アルキル、シクロアルキル−アルキル及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す。]で表される化合物又はその塩を製造する方法であって、下記の工程を含む製造方法;
(1)下記式(II):
[式中、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフレート(CF3SO3−)、メシレート(MeSO3−)又は、エチルホスホネ−ト((EtO)2(O)PO−)からなる群から選ばれる基を表し、R4〜R7は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩と、
下記式(V):
下記式(V):
[式中、R8及びR9は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩とを反応させて、
下記式(III):
下記式(III):
[式中、R4〜R9及びXは、上記と同義である] で表される化合物へ変換する工程(1a);と次いで、
上記工程(1a)で得られた式(III)で表される化合物と下記式(VI):
上記工程(1a)で得られた式(III)で表される化合物と下記式(VI):
[式中、R10及びR11は、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキルを表し、ここにおいて、R10及びR11がアルキルのとき該アルキル同士は結合して環を構築していてもよく、R1〜R3は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩と、若しくは、
下記式(VII):
下記式(VII):
[式中、Mは、すず、ケイ素、亜鉛又はマグネシウムを表し、R1〜R3は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩とを遷移金属触媒存在下反応させる工程(1b)を経るか、又は、
(2)化合物(II)と化合物(VI)若しくは化合物(VII)とを反応させて、
下記式(IV):
(2)化合物(II)と化合物(VI)若しくは化合物(VII)とを反応させて、
下記式(IV):
[式中、R1〜R7は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩へ変換する工程(2a);と次いで、
上記工程(2a)で得られた式(IV)で表される化合物又はその塩と化合物(V)又はその塩とを反応させる工程(2b)を経る方法。
上記工程(2a)で得られた式(IV)で表される化合物又はその塩と化合物(V)又はその塩とを反応させる工程(2b)を経る方法。
[項2] 工程(1a)において、化合物(II)又はその塩を低級アルキルエステル、活性エステル、酸無水物及び酸ハライドからなる群から選択される対応する反応性誘導体に誘導した後、該誘導体と化合物(V)又はその塩とを塩基存在下又は非存在下反応させて、化合物(III)へと変換する、
項1に記載の製造方法。
項1に記載の製造方法。
[項3] 工程(1a)において、化合物(II)又はその塩を対応する酸ハライドに誘導した後、該誘導体と化合物(V)又はその塩とを塩基存在下又は非存在下反応させて、化合物(III)へと変換する、
項1に記載の製造方法。
項1に記載の製造方法。
[項4] 工程(1a)において、化合物(II)又はその塩と塩化チオニル又は塩化オキサリルを反応させて対応する酸クロリドに変換した後、該酸クロリド体と化合物(V)又はその塩とを反応させて、化合物(III)へと変換する、
項1に記載の製造方法。
項1に記載の製造方法。
[項5] 工程(1a)において、化合物(II)又はその塩と化合物(V)又はその塩とを縮合剤存在下で反応させて、化合物(III)へと変換する、
項1に記載の製造方法。
項1に記載の製造方法。
[項6] 工程(1b)における遷移金属触媒が、パラジウム炭素、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム及びビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウムからなる群から選択される1つの遷移金属触媒である、
項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
[項7] 工程(1b)における遷移金属触媒が、パラジウム炭素である、
項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
[項8] 工程(2a)における遷移金属触媒が、パラジウム炭素である、
項1に記載の製造方法。
項1に記載の製造方法。
[項9] 工程(2b)において、化合物(IV)又はその塩と塩化チオニル又は塩化オキサリルを反応させて対応する酸クロリドに変換した後、該酸クロリド体と化合物(V)又はその塩とを反応させて、化合物(I)又はその塩へと変換する、
項1又は項8に記載の製造方法。
項1又は項8に記載の製造方法。
[項10] 項1〜9で得られる化合物(I)の粗生成物にエタノール及びトルエンを含む溶媒を加えて、静置又は攪拌する工程(3)を含む、
項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
[項11] R6及びR7が、同一又は異なって、水素原子、メチル又はメトキシである、
項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
[項12] R9が、水素原子である、
項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。
[項13] R8が、水素原子、メチル、エチル又はシクロプロピルである、
項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法。
[項14] R4及びR5が、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−3アルキル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシである、
項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
[項15] R1、R2及びR3が、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシであり、
R4及びR5が、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシであり、
R6及びR7が、同一又は異なって、水素原子、メチル又はメトキシである、
R8が、水素原子、メチル又はエチルであり、
R9が水素原子である、
項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
R4及びR5が、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシであり、
R6及びR7が、同一又は異なって、水素原子、メチル又はメトキシである、
R8が、水素原子、メチル又はエチルであり、
R9が水素原子である、
項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
[項16] 下記式(III):
[式中、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、該アルキル、シクロアルキル−アルキル及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフレート(CF3SO3−)、メシレート(MeSO3−)又は、エチルホスホネ−ト((EtO)2(O)PO−)からなる群から選ばれる基を表し、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す]の化合物。
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、該アルキル、シクロアルキル−アルキル及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフレート(CF3SO3−)、メシレート(MeSO3−)又は、エチルホスホネ−ト((EtO)2(O)PO−)からなる群から選ばれる基を表し、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す]の化合物。
[項17] 下記式(IV):
[式中、
R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−又はシアノを表し、該アルキル又は該アルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す]の化合物又はその塩基付加塩。
R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−又はシアノを表し、該アルキル又は該アルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す]の化合物又はその塩基付加塩。
本願製造法は、従来の製造方法に比べて、以下a)及びb)に示す点において工業的に優れた製造方法である。
a)置換フェニル酢酸を原料に用いて、エステル化及び加水分解の工程を経ることなく化合物(I)を合成することにより、特許文献1と比較して工程数を短縮することが可能となる。
b)カラム等による精製工程を経ることなく化合物(I)を得ることができ、大量合成が容易となる。
a)置換フェニル酢酸を原料に用いて、エステル化及び加水分解の工程を経ることなく化合物(I)を合成することにより、特許文献1と比較して工程数を短縮することが可能となる。
b)カラム等による精製工程を経ることなく化合物(I)を得ることができ、大量合成が容易となる。
本発明の製造方法を以下に詳しく説明する。該製造方法に挙げる化合物(I)〜(VII)は、適宜酸付加塩又は塩基付加塩を形成していてもよい。また、試薬、溶媒等の使用量における化合物に対する当量は、フリー体の各種化合物に対する当量を意味する。
式(IV)で表される化合物は、各種の塩基と塩を形成しうる。この場合の塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらの塩は、式(I)で表される本発明化合物を塩基と混合した後、再結晶などの常法により得ることができる。
本発明の製造方法
工程(1a):化合物(III)の製法
工程(1a):化合物(III)の製法
(式中、R4〜R9及びXは、上記項1に記載の定義と同義である。)
化合物(III)は、化合物(II)と式(V)で表されるアンモニア又はアミンとを反応させることにより製造できる。
(1)縮合剤を使用する方法
化合物(III)は、例えば化合物(II)と式(V)で表されるアンモニア又は各種アミンとを縮合剤の存在下で反応させることによって製造される。縮合剤の具体例としては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・1塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスファート、2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート メタンアミニウム、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。これらの縮合剤は単独で、又は、これら縮合剤と、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等のペプチド合成試薬とを組み合わせて用いることができる。
化合物(III)は、例えば化合物(II)と式(V)で表されるアンモニア又は各種アミンとを縮合剤の存在下で反応させることによって製造される。縮合剤の具体例としては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・1塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウム−ヘキサフルオロホスファート、2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート メタンアミニウム、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。これらの縮合剤は単独で、又は、これら縮合剤と、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール等のペプチド合成試薬とを組み合わせて用いることができる。
(2)反応性誘導体を経由する方法
また、化合物(II)のアミド化反応は、化合物(II)を反応性誘導体(例えば、低級アルキルエステル、活性エステル、酸無水物、酸ハライド等)に変換し、アンモニア又は各種アミンと反応させることによっても行うことができる。活性エステルの具体例としては、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル等が挙げられる。酸無水物の具体例としては、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチル、イソ吉草酸、ピバリン酸等を用いて製造した混合酸無水物が挙げられる。酸ハライドの具体例としては、酸クロリドが挙げられ、塩化チオニル、塩化オキサリル等のクロリド化試薬を用いて製造することができる。
また、化合物(II)のアミド化反応は、化合物(II)を反応性誘導体(例えば、低級アルキルエステル、活性エステル、酸無水物、酸ハライド等)に変換し、アンモニア又は各種アミンと反応させることによっても行うことができる。活性エステルの具体例としては、p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、ペンタフルオロフェニルエステル等が挙げられる。酸無水物の具体例としては、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチル、イソ吉草酸、ピバリン酸等を用いて製造した混合酸無水物が挙げられる。酸ハライドの具体例としては、酸クロリドが挙げられ、塩化チオニル、塩化オキサリル等のクロリド化試薬を用いて製造することができる。
本工程は、上記の中でも化合物(II)の反応性誘導体を経由する方法が収率及び/又は作業性の観点から好ましい。また、該反応性誘導体の中でも、酸ハライドがより好ましく、更に好ましくは、酸クロリドを経由する方法が好ましい。該酸クロリドに誘導する方法の中でも、塩化チオニル又は塩化オキサリルを用いる方法がより好ましく、さらに好ましくは、塩化チオニルを用いる方法が好ましい。化合物(II)に対する塩化チオニル又は塩化オキサリルの使用量は、化合物(II)に対して通常0.8〜5当量であり、好ましくは、0.9〜3当量、さらに好ましくは、0.95〜2当量である。反応温度は、用いられる原料化合物の種類、ハライド試薬等により異なるが、通常、−30℃〜150℃、好ましくは−10℃〜100℃であり、より好ましくは0℃〜70℃である。反応時間は、通常0.5時間〜24時間程度であり、好ましくは、0.5〜18時間、さらに好ましくは、0.5〜12時間である。塩化チオニル又は塩化オキサリルを用いて酸クロリドへ誘導する際、DMFを添加することが好ましく、その使用量は、化合物(II)に対して通常0.0001〜0.1当量であり、好ましくは、0.005〜0.5当量、さらに好ましくは、0.005〜0.1当量である。
(3)化合物(V)との反応
化合物(V)において、R8及びR9が共に水素原子であるとき、すなわち、アンモニアであるとき、本反応の試薬としては、反応系内にアンモニアを発生することができる試薬であれば、特に限定されないが、例えば、アンモニアガス、アンモニア水溶液、アンモニア/有機溶媒溶液(例えば、メタノール、エタノール、THF、1,4−ジオキサン等)、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。化合物(II)に対するアンモニアガス、アンモニア水溶液、アンモニア/有機溶媒溶液の使用量は、化合物(II)に対して通常0.8〜20当量であり、好ましくは、2〜10当量である。また、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩又は各種アミンの使用量は、化合物(II)に対して通常0.8〜5当量であり、好ましくは、0.9〜3当量、さらに好ましくは、0.9〜2当量である。また、化合物(II)に対する各種縮合剤等の使用量は、化合物(II)に対して通常0.8〜5当量であり、好ましくは、0.9〜3当量、さらに好ましくは、0.9〜2当量である。
化合物(V)において、R8及びR9が共に水素原子であるとき、すなわち、アンモニアであるとき、本反応の試薬としては、反応系内にアンモニアを発生することができる試薬であれば、特に限定されないが、例えば、アンモニアガス、アンモニア水溶液、アンモニア/有機溶媒溶液(例えば、メタノール、エタノール、THF、1,4−ジオキサン等)、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等が挙げられる。化合物(II)に対するアンモニアガス、アンモニア水溶液、アンモニア/有機溶媒溶液の使用量は、化合物(II)に対して通常0.8〜20当量であり、好ましくは、2〜10当量である。また、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム等のアンモニウム塩又は各種アミンの使用量は、化合物(II)に対して通常0.8〜5当量であり、好ましくは、0.9〜3当量、さらに好ましくは、0.9〜2当量である。また、化合物(II)に対する各種縮合剤等の使用量は、化合物(II)に対して通常0.8〜5当量であり、好ましくは、0.9〜3当量、さらに好ましくは、0.9〜2当量である。
化合物(II)又は上記化合物(II)の反応性誘導体と式(V)で表されるアンモニア又は各種アミンとの反応は、溶媒中又は無溶媒下に行われる。溶媒の具体例としては、原料化合物の種類等に従って選択されるべきであるが、例えばトルエン、THF、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、DMF、NMP、DMA、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することができる。本工程で使用される溶媒の中でも、トルエン、THF、ジオキサン、酢酸エチル、アセトン又はアセトニトリルが好ましく、より好ましくは、トルエン、THF、酢酸エチル又はアセトンが好ましく、さらに好ましくは、トルエンが好ましい。なお、アンモニア又は各種アミンは、水溶液又は塩酸塩等の酸付加塩の形で使用されることもあり、反応系中で遊離塩基を生成させてもよい。本反応は通常塩基の存在下で行われることもあり、使用される塩基の具体例としては、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、又は、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の有機塩基が挙げられる。反応温度は、用いられる原料化合物の種類等により異なるが、通常、−30℃〜150℃、好ましくは−20℃〜100℃であり、より好ましくは−10℃〜70℃である。反応時間は、0.5時間〜24時間程度であり、好ましくは、0.5〜18時間、さらに好ましくは、0.5〜12時間である。
工程(1b):化合物(I)の製法(1)
(式中、R1〜R11、X及びMは、上記項1に記載の定義と同義である。)
化合物(I)は、例えば化合物(III)と式(VI)で表される各種置換及び無置換フェニルボロン酸試薬等又は式(VII)で表される各種置換及び無置換フェニルトリブチルすずの有機すず試薬等とを有機金属試薬存在下クロスカップリング反応することにより製造できる。
例えば、化合物(III)と化合物(VI)又は化合物(VII)との反応は、通常、適当な溶媒中で、パラジウム触媒、ニッケル触媒、鉄触媒等の遷移金属触媒下、クロスカップリング反応させることにより行われる。化合物(III)との本反応は、化合物(VI)とカップリング反応させることがより好ましい。用いる遷移金属触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒、鉄触媒等が挙げられ、好ましくは、パラジウム触媒が挙げられる。パラジウム触媒としては、例えばパラジウム炭素、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムなどの0価触媒、又はビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム・ジクロリド、酢酸パラジウム、ビス(ジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム・ジクロリドなどの2価触媒を配位子存在若しくは非存在下で用いることができ、中でもパラジウム炭素、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム及びビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウムが好ましい。最も好ましくはパラジウム炭素である。また、ニッケル触媒、鉄触媒としては、例えば(ビス(1,5-シクロオクタジエン)ニッケル)、[1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)ジクロリド、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ニッケル(II)ジクロリド、硝酸ニッケル、塩化鉄(III)、フッ化鉄(III)、硫酸鉄(III)を配位子存在若しくは非存在下で用いることができ、これら触媒は、用いる反応条件によってはそれぞれの無水物又は、水和物を用いることもある。これらカップリング反応においては、上記試薬の他に炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等)やリン酸カリウム等の無機塩基、あるいはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基、さらには塩化リチウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム等の無機塩共存下で行うこともできる。本工程においては、炭酸アルカリ金属を使用することが好ましく、最も好ましくは炭酸リチウムである。
化合物(VI)又は化合物(VII)の使用量は、化合物(III)に対して通常0.8〜2当量であり、好ましくは、0.9〜1.5当量、さらに好ましくは、0.9〜1.2当量である。また、化合物(III)に対するパラジウム触媒等の遷移金属触媒の使用量は、化合物(III)に対して通常0.001〜0.5当量であり、好ましくは、0.005〜0.2当量、さらに好ましくは、0.005〜0.1当量、最も好ましくは、0.005〜0.05当量である。本工程で使用される炭酸アルカリ金属等の塩基の使用量は、化合物(III)に対して通常0.8〜2当量であり、好ましくは、0.9〜1.5当量、さらに好ましくは、0.9〜1.2当量である。
溶媒の具体例としては、原料化合物の種類や用いる試薬の種類に従って選択されるべきであるが、例えばNMP、DME、トルエン、THF、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、DMF、DMA又はメタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等のアルコール類及び水等が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することが出来る。本工程における好ましい溶媒としては、NMP、DME又は水が挙げられ、より好ましくは、これらの混媒が挙げられる。さらに好ましくは、NMP−水又はDME−水の混媒が挙げられ、最も好ましくは、DME−水の混媒が挙げられる。反応温度は、用いられる原料化合物及び試薬の種類等によって異なるが、通常0〜200℃、好ましくは40〜150℃であり、より好ましくは60〜120℃である。反応時間は、通常1〜48時間程度であり、好ましくは、2〜36時間、さらに好ましくは、3〜24時間である。
化合物(II)は市販されているものを使用するか、或いは公知の方法に従って製造したものを使用することができる。各種フェニルボロン酸試薬等もまた市販されているものを使用するか、或いは公知の方法に従って製造したものを使用することができる。
工程(2a):化合物(IV)の製法
(式中、R1〜R7、R10、R11、X及びMは、上記項1に記載の定義と同義である。)
化合物(IV)は、化合物(II)を用いて工程(1b)に記載した方法と同様の方法により製造することができる。
工程(2b):化合物(I)の製法(2)
(式中、R1〜R9は、上記項1に記載の定義と同義である。)
化合物(I)は、化合物(IV)を用いて工程(1a)に記載した方法と同様の方法により製造することができる。
工程(3):化合物(I)の精製法(1)
上記工程(1b)又は工程(2b)で製造された化合物(I)は粗生成物として得られ、下記に記す方法にて精製することができる。
粗生成物である化合物(I)は、各種溶媒による再結晶法を繰り返すことにより、高純度の化合物(I)を製造することができる。収率との兼ね合いから下記に記す1回又は2回の再結晶法による精製法が好ましいが、特に下記に挙げる精製法に限定されない。
(1)工程(3a):2回の再結晶による精製法
(再結晶1回目)
粗生成物である化合物(I)の再結晶溶媒として、メタノール、エタノール、IPA、アセトン、トルエン又は、ヘプタン等の溶媒が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することが出来る。本工程における好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、トルエンが挙げられ、より好ましくは、メタノール−トルエン、エタノール−トルエンの混媒が挙げられ、さらに好ましくは、エタノール−トルエンの混媒が挙げられる。この際、メタノール−トルエン又は、エタノール−トルエンで溶解した後に、減圧留去によって主としてメタノール又は、エタノールを除去することでさらに収量よく結晶が得られる。溶解時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常30〜120℃、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃である。溶解時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。晶析時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常−20〜50℃、好ましくは−15〜40℃、より好ましくは−10〜30℃である。晶析時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。
(再結晶1回目)
粗生成物である化合物(I)の再結晶溶媒として、メタノール、エタノール、IPA、アセトン、トルエン又は、ヘプタン等の溶媒が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することが出来る。本工程における好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、トルエンが挙げられ、より好ましくは、メタノール−トルエン、エタノール−トルエンの混媒が挙げられ、さらに好ましくは、エタノール−トルエンの混媒が挙げられる。この際、メタノール−トルエン又は、エタノール−トルエンで溶解した後に、減圧留去によって主としてメタノール又は、エタノールを除去することでさらに収量よく結晶が得られる。溶解時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常30〜120℃、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃である。溶解時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。晶析時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常−20〜50℃、好ましくは−15〜40℃、より好ましくは−10〜30℃である。晶析時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。
(再結晶2回目)
上記1回目の再結晶で得られる化合物(I)の再結晶溶媒として、メタノール、エタノール、IPA、アセトン、トルエン、ヘプタン又は、水等の溶媒が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用して再結晶することが出来る。本工程における好ましい溶媒としては、エタノール、トルエン、水が挙げられ、より好ましくは、エタノール−水の混媒が挙げられる。溶解時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常30〜120℃、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃である。晶析時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常−20〜50℃、好ましくは−15〜40℃、より好ましくは−10〜30℃である。晶析時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。
上記1回目の再結晶で得られる化合物(I)の再結晶溶媒として、メタノール、エタノール、IPA、アセトン、トルエン、ヘプタン又は、水等の溶媒が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用して再結晶することが出来る。本工程における好ましい溶媒としては、エタノール、トルエン、水が挙げられ、より好ましくは、エタノール−水の混媒が挙げられる。溶解時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常30〜120℃、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃である。晶析時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常−20〜50℃、好ましくは−15〜40℃、より好ましくは−10〜30℃である。晶析時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。
(2)工程(3b):1回の再結晶による精製法
粗生成物である化合物(I)の再結晶溶媒として、メタノール、エタノール、IPA、トルエン、アセトン又は、ヘプタン等の溶媒が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することが出来る。本工程における好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、トルエンが挙げられ、より好ましくは、メタノール−トルエン、エタノール−トルエンの混媒が挙げられる。溶解時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常30〜120℃、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃である。溶解時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。晶析時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常−20〜50℃、好ましくは−15〜40℃、より好ましくは−10〜30℃である。晶析時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。工程(3a)(再結晶1回目)と異なる方法として、再結晶1回目では、エタノール−トルエンで溶解した後に、減圧留去によってエタノールを除去する必要があるのに対して、エタノール−トルエンの混合比を適切に設定することにより、減圧留去が不要である点及び再結晶1回目及び2回目でそれぞれ化合物(I)から除去される不純物を1回の再結晶で除去できる点が挙げられる。
粗生成物である化合物(I)の再結晶溶媒として、メタノール、エタノール、IPA、トルエン、アセトン又は、ヘプタン等の溶媒が挙げられ、単独あるいは混合溶媒として使用することが出来る。本工程における好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、トルエンが挙げられ、より好ましくは、メタノール−トルエン、エタノール−トルエンの混媒が挙げられる。溶解時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常30〜120℃、好ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜90℃である。溶解時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。晶析時の温度は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、通常−20〜50℃、好ましくは−15〜40℃、より好ましくは−10〜30℃である。晶析時間は、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは、30分〜12時間、さらに好ましくは、30分〜6時間である。工程(3a)(再結晶1回目)と異なる方法として、再結晶1回目では、エタノール−トルエンで溶解した後に、減圧留去によってエタノールを除去する必要があるのに対して、エタノール−トルエンの混合比を適切に設定することにより、減圧留去が不要である点及び再結晶1回目及び2回目でそれぞれ化合物(I)から除去される不純物を1回の再結晶で除去できる点が挙げられる。
(3):活性炭等の使用
より純度の高い化合物(I)を得るため、クロスカップリング反応で使用した遷移金属触媒から化合物(I)に混入する金属不純物を除去する必要から、上記工程3の(1)及び(2)の溶解時に、活性炭、トリチオシアヌル酸等を使用することが有効であるが、その中でも活性炭が操作の上で簡便である点で好ましい。活性炭を加える場合、加熱と共に攪拌することが好ましい。活性炭の使用量は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、粗生成物の化合物(I)に対して、通常0.01〜1重量%であり、好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%である。
より純度の高い化合物(I)を得るため、クロスカップリング反応で使用した遷移金属触媒から化合物(I)に混入する金属不純物を除去する必要から、上記工程3の(1)及び(2)の溶解時に、活性炭、トリチオシアヌル酸等を使用することが有効であるが、その中でも活性炭が操作の上で簡便である点で好ましい。活性炭を加える場合、加熱と共に攪拌することが好ましい。活性炭の使用量は、用いられる粗生成物及び再結晶溶媒の種類等によって異なるが、粗生成物の化合物(I)に対して、通常0.01〜1重量%であり、好ましくは0.05〜0.5重量%、さらに好ましくは0.1〜0.5重量%である。
本明細書における用語について以下に説明する。
「アルキル」とは、直鎖状又は分枝鎖状の飽和炭化水素を意味し、例えば、「C1−3アルキル」又は「C1−6アルキル」とは炭素原子数が1〜3又は1〜6の基をそれぞれ意味する。その具体例として、「C1−3アルキル」の場合には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル等が、「C1−6アルキル」の場合には、前記に加えて、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
「C3−6シクロアルキル」とは、炭素原子数が3〜6の単環式飽和炭化水素を意味する。その具体例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル等が挙げられる。
「C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル」とは、炭素原子数が3〜6の単環式飽和炭化水素が、炭素原子数1〜3の直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素上に結合する基を意味する。その具体例としては、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、1−シクロプロピルエチル、2−シクロプロピルエチル、1−シクロプロピルプロピル、2−シクロプロピルプロピル、1−シクロブチルエチル、2−シクロブチルエチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル等が挙げられる。
「C1−6アルコキシ」とは、直鎖状又は分枝鎖状の炭素原子数が1〜6のアルコキシを意味する。その具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。
「1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ」とは、上記アルコキシの1個ないし3個の置換可能な水素原子がフッ素原子で置換されたものを意味する。具体的には、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ、4−フルオロブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ等が挙げられる。
「C1−6アルキル−S(O)n−」とは、下記の基が結合した直鎖状又は分枝鎖状の炭素原子数が1〜6のアルキルを意味する。nが0のときはアルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ等)、nが1のときはアルキルスルフィニル(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等)、nが2のときはアルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル等)をそれぞれ意味する。
1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル(メチル、エチルを含む)、アルキル−S(O)n−、アルコキシ、シクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルの具体例としては、トリフルオロメチル、フルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロメタンスルホニル、トリフルオロメトキシ、2−フルオロシクロプロピル、(2−フルオロシクロプロピル)メチル等が挙げられる。なお、アルキルの炭素原子数が1のときは、置換されてもよいフッ素原子の数は、3以下である。
R1〜R3としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−6アルキル、フッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−又はシアノが挙げられるが(該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよい)、好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メタンスルホニル又はシアノが挙げられる。より好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ又はシアノが挙げられ、さらに好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子又はトリフルオロメチルが挙げられ、特に好ましくは、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル、あるいは水素原子、フッ素原子又は塩素原子が挙げられる。
R4及びR5としては、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロが挙げられるが(該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、nは0〜2の整数を表す)、好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチルチオ、メタンスルホニル又はシアノが挙げられる。より好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル、エチル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ又はシアノが挙げられ、さらに好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシが挙げられ、特に好ましくは、水素原子又はフッ素原子が挙げられる。
R6及びR7としては、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル若しくはC1−6アルコキシ、又はR6、R7及びそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成する基が挙げられるが(該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよい)、好ましくは、水素原子、メチル、エチル、メトキシ又はエトキシが挙げられる。特に好ましくは、水素原子又はメチルが挙げられる。
R8及びR9としては、水素原子、C1−6アルキル、C4−7シクロアルキルアルキル−C1−3アルキル又はC3−6シクロアルキルが挙げられる(該アルキル、シクロアルキルアルキル及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよい)。R8として好ましくは、水素原子、メチル、エチル又はシクロプロピルが挙げられる。特に好ましくは、水素原子又はメチルが挙げられる。R9として好ましくは、水素原子、メチル又はエチルが挙げられる。特に好ましくは、水素原子又はメチルが挙げられる。
nとしては、0〜2の整数が挙げられるが、好ましくは、0又は2が挙げられる。特に好ましくは、2が挙げられる。
Xとしては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフレート(CF3SO3−)、メシレート(MeSO3−)又はエチルホスホネ−ト((EtO)2(O)PO−)が挙げられる。好ましくは、塩素原子、臭素原子が挙げられる。特に好ましくは、臭素原子が挙げられる。
R10及びR11としては、水素原子又はC1−6アルキルが挙げられ、R10及びR11がアルキルのとき該アルキル同士は結合して環を構築していてもよい。好ましくは、水素原子又は2,3−ジメチル−2,3−ジイルが挙げられ、さらに好ましくは、水素原子である。Mとしては、すず、ケイ素、亜鉛又はマグネシウムが挙げられ、好ましくは、すず、ケイ素又は亜鉛が挙げられ、さらに好ましくは、すず又はケイ素が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、化合物の同定は、NMRスペクトル(300MHz又は400MHz)等によって行った。
本明細書において記載の簡略化のために、次に挙げる略号を用いることもある。DME:1,2−ジメトキシエタン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、DMA:N,N−ジメチルアセトアミド、IPA:イソプロピルアルコール、NMP:N−メチルピロリドンを意味する。NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、tは三重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線を意味する。
高速液体クロマト質量分析計;LCMSの測定条件は、以下の通りであり、観察された質量分析の値[MS(m/z)]をMH+で、保持時間をRt(min)で示す。
LCMS:
Waters ACQUITYTM UltraPerformance LC
Column:
Waters ACQUITY UPLC(登録商標) BEH C18 1.7μm 2.1×50mm
Solvent:
A液:0.05%ギ酸/H2O、B液:0.05%ギ酸/CH3CN
Gradient Condition:
0.0min;A/B = 90:10
0.0−1.5min;A/B = 1:99
1.5−2.0min;A/B = 90:10
Flow rate:
0.75mL/min
UV:
220、254nm
カラム温度:
40℃
Waters ACQUITYTM UltraPerformance LC
Column:
Waters ACQUITY UPLC(登録商標) BEH C18 1.7μm 2.1×50mm
Solvent:
A液:0.05%ギ酸/H2O、B液:0.05%ギ酸/CH3CN
Gradient Condition:
0.0min;A/B = 90:10
0.0−1.5min;A/B = 1:99
1.5−2.0min;A/B = 90:10
Flow rate:
0.75mL/min
UV:
220、254nm
カラム温度:
40℃
実施例1
2−ブロモフェニルアセトアミドの製造:
2−ブロモフェニルアセトアミドの製造:
2−ブロモフェニル酢酸(20g)及びDMF(70mg)のトルエン(92ml)溶液に塩化チオニル(12.2g)を内温50℃で滴下した。1時間後、反応液を減圧留去し、残渣をテトラヒドロフラン(32ml)に溶解した後、10%アンモニア水溶液(167ml)中に滴下した。反応液を10℃まで冷却し析出した結晶をろ取し、標記化合物(19.3g)を得た(収率:96.9%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.56 (s, 2H), 7.00 (brs, 1H), 7.16-7.20 (m, 1H), 7.30-7.37 (m, 2H), 7.47 (brs, 1H), 7.56-7.59 (m, 1H).
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.56 (s, 2H), 7.00 (brs, 1H), 7.16-7.20 (m, 1H), 7.30-7.37 (m, 2H), 7.47 (brs, 1H), 7.56-7.59 (m, 1H).
実施例2−4:
対応する原料化合物を用い、実施例1に記載の方法と同様に反応・処理して表1に示す化合物を得た。
対応する原料化合物を用い、実施例1に記載の方法と同様に反応・処理して表1に示す化合物を得た。
実施例5
2−(2’−フルオロビフェニル−2−イル)アセトアミドの製造:
2−(2’−フルオロビフェニル−2−イル)アセトアミドの製造:
(1) 2−ブロモフェニルアセトアミド(18g)、2−フルオロフェニルボロン酸(11.8g)、炭酸リチウム(6.2g)及び5%パラジウム炭素(50%wet、3.6g)をNMP(52ml)および水(27ml)中、90℃で5時間撹拌した。2−フルオロフェニルボロン酸(2.4g)を追加し、さらに90℃で3時間撹拌した。反応液をろ過した後、残渣をNMP(35ml)で洗浄して、ろ液と混合した。混合したろ液を20℃まで冷却し、水(90ml)を滴下した。同温で1時間撹拌した後、析出した結晶をろ取し、標記化合物(16.9g)を得た(収率:87.7%)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.27 (brs, 2H), 6.79 (brs, 1H), 7.18-7.46 (m, 9H).
LC-MS [M+H]+ / Rt : 230.3 / 0.77 min.
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.27 (brs, 2H), 6.79 (brs, 1H), 7.18-7.46 (m, 9H).
LC-MS [M+H]+ / Rt : 230.3 / 0.77 min.
(2) 2−(2’−フルオロビフェニル−2−イル)アセトアミド(16g)をエタノール(146ml)及びトルエン(200ml)に60℃で溶解した。同温で活性炭(3.2g)を加えて1時間撹拌し、ろ過した後、エタノール(24ml)及びトルエン(6ml)混合液で洗浄してろ液に合わせた。ろ液を重量が100gになるまで減圧留去し、さらにトルエン(55ml)を加えて重量が90gになるまで減圧留去した。反応液を0℃まで冷却し1時間撹拌した後、析出した結晶をろ取し、標記化合物(15.1g)を得た(収率:94.3%)。
(3) 2−(2’−フルオロビフェニル−2−イル)アセトアミド(14g)をエタノール(226ml)及び水(2ml)に70℃で溶解し、ろ過した。溶液を20℃まで冷却し、水(157ml)を滴下した。さらに0℃まで冷却し、1時間撹拌した後、析出した結晶をろ取し、標記化合物(13.4g)を得た(収率:95.7%)。
実施例6−16:
対応する原料化合物を用いて実施例5と同様に反応・処理し、表2に示す化合物を得た。
対応する原料化合物を用いて実施例5と同様に反応・処理し、表2に示す化合物を得た。
実施例17
(3’,6−ジフルオロビフェニル−2−イル)酢酸の製造:
(3’,6−ジフルオロビフェニル−2−イル)酢酸の製造:
2−ブロモ−3−フルオロフェニル酢酸(10g)、3−フルオロフェニルボロン酸 (9.0 g)、炭酸リチウム(9.51g)のDME(80ml)、水(20ml)の混合溶媒に10% Pd/C(53%wet,4.84g)を加え、3.5時間加熱還流した後、Pd/C (53%wet,4.84g)を追加し、4時間加熱還流を行った。原料を消失させるため、Pd/C (53%wet,4.84g)をさらに追加し、更に1時間加熱還流した。反応終了後、溶液をセライトろ過し、ろ液にヘキサン(100ml)を加えて分液した。水層に10%クエン酸水溶液を加えてpH4〜5とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、溶媒留去、真空乾燥に付し標題化合物を粗生成物(13.1g)として得た。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.43 (s, 2H), 7.07-7.11(m, 2H), 7.18-7.29 (m, 3H), 7.36-7.53 (m, 2H), 12.33 (m, 1H).
LC-MS [M+H]+ / Rt : 248.9 / 0.938 min
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.43 (s, 2H), 7.07-7.11(m, 2H), 7.18-7.29 (m, 3H), 7.36-7.53 (m, 2H), 12.33 (m, 1H).
LC-MS [M+H]+ / Rt : 248.9 / 0.938 min
実施例18−41:
対応する原料化合物を用い、実施例17に記載の方法と同様に反応・処理して表3に示す化合物を得た。
対応する原料化合物を用い、実施例17に記載の方法と同様に反応・処理して表3に示す化合物を得た。
実施例42
2−(3’,6−ジフルオロビフェニル−2−イル)アセトアミドの製造:
2−(3’,6−ジフルオロビフェニル−2−イル)アセトアミドの製造:
実施例1で得られたカルボン酸の粗生成物(13.1g)にトルエン(100ml)、DMF(10滴)を加え、撹拌しながら塩化オキサリル(4.4ml))を滴下した。室温で1時間撹拌した後、溶媒を留去した。得られた残渣をTHF溶液(50ml)とし、室温にて28%アンモニア水溶液(50ml)にゆっくり滴下した。30分攪拌後、溶媒を留去し、析出した固体に水を加え、ろ取、水洗し、乾燥後、粗結晶(9.48g)を得た(2段階収率:89.4%)。得られた粗結晶をIPA/H2O(1/1)(100 ml)より再結晶し標題化合物(8.31g)を得た(収率:87.6%)。
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.44 (s, 2H), 5.21(brs, 1H), 5.40 (brs, 1H), 6.99-7.15 (m, 4H), 7.19-7.22 (m, 1H), 7.33-7.46 (m, 2H).
LC-MS [M+H]+ / Rt : 248.2 / 0.804 min
1H-NMR (CDCl3) δ: 3.44 (s, 2H), 5.21(brs, 1H), 5.40 (brs, 1H), 6.99-7.15 (m, 4H), 7.19-7.22 (m, 1H), 7.33-7.46 (m, 2H).
LC-MS [M+H]+ / Rt : 248.2 / 0.804 min
実施例43−65:
対応する原料化合物を用いて実施例42と同様に反応・処理し、表4に示す化合物を得た。
対応する原料化合物を用いて実施例42と同様に反応・処理し、表4に示す化合物を得た。
本発明により、式(I)で表されるビフェニルアセトアミド誘導体又はその塩を式(III)又は式(IV)で表される中間体を経て、式(II)で表される安価な化合物から短工程で効率的に製造することができる。従って、工業的な生産にも対応できる製造方法を提供することができる。
Claims (17)
- 下記式(I):
[式中、
R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−又はシアノを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、該アルキル、シクロアルキル−アルキル及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す。]で表される化合物又はその塩を製造する方法であって、下記の工程を含む製造方法;
(1)下記式(II):
[式中、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフレート(CF3SO3−)、メシレート(MeSO3−)又は、エチルホスホネ−ト((EtO)2(O)PO−)からなる群から選ばれる基を表し、R4〜R7は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩と、
下記式(V):
[式中、R8及びR9は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩とを反応させて、
下記式(III):
[式中、R4〜R9及びXは、上記と同義である] で表される化合物へ変換する工程(1a);と次いで、
上記工程(1a)で得られた式(III)で表される化合物と下記式(VI):
[式中、R10及びR11は、同一又は異なって、水素原子又はC1−6アルキルを表し、ここにおいて、R10及びR11がアルキルのとき該アルキル同士は結合して環を構築していてもよく、R1〜R3は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩と、若しくは、
下記式(VII):
[式中、Mは、すず、ケイ素、亜鉛又はマグネシウムを表し、R1〜R3は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩とを遷移金属触媒存在下反応させる工程(1b)を経るか、又は、
(2)化合物(II)と化合物(VI)若しくは化合物(VII)とを反応させて、
下記式(IV):
[式中、R1〜R7は、上記と同義である]で表される化合物又はその塩へ変換する工程(2a);と次いで、
上記工程(2a)で得られた式(IV)で表される化合物又はその塩と化合物(V)又はその塩とを反応させる工程(2b)を経る方法。 - 工程(1a)において、化合物(II)又はその塩を低級アルキルエステル、活性エステル、酸無水物及び酸ハライドからなる群から選択される対応する反応性誘導体に誘導した後、該誘導体と化合物(V)又はその塩とを塩基存在下又は非存在下反応させて、化合物(III)へと変換する、
請求項1に記載の製造方法。 - 工程(1a)において、化合物(II)又はその塩を対応する酸ハライドに誘導した後、該誘導体と化合物(V)又はその塩とを塩基存在下又は非存在下反応させて、化合物(III)へと変換する、
請求項1に記載の製造方法。 - 工程(1a)において、化合物(II)又はその塩と塩化チオニル又は塩化オキサリルを反応させて対応する酸クロリドに変換した後、該酸クロリド体と化合物(V)又はその塩とを反応させて、化合物(III)へと変換する、
請求項1に記載の製造方法。 - 工程(1a)において、化合物(II)又はその塩と化合物(V)又はその塩とを縮合剤存在下で反応させて、化合物(III)へと変換する、
請求項1に記載の製造方法。 - 工程(1b)における遷移金属触媒が、パラジウム炭素、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム及びビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウムからなる群から選択される1つの遷移金属触媒である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。 - 工程(1b)における遷移金属触媒が、パラジウム炭素である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。 - 工程(2a)における遷移金属触媒が、パラジウム炭素である、
請求項1に記載の製造方法。 - 工程(2b)において、化合物(IV)又はその塩と塩化チオニル又は塩化オキサリルを反応させて対応する酸クロリドに変換した後、該酸クロリド体と化合物(V)又はその塩とを反応させて、化合物(I)又はその塩へと変換する、
請求項1又は請求項8に記載の製造方法。 - 請求項1〜9で得られる化合物(I)又はその塩の粗生成物にエタノール及びトルエンを含む溶媒を加えて、静置又は攪拌する工程(3)を含む、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。 - R6及びR7が、同一又は異なって、水素原子、メチル又はメトキシである、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。 - R9が、水素原子である、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法。 - R8が、水素原子、メチル、エチル又はシクロプロピルである、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法。 - R4及びR5が、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−3アルキル、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシである、
請求項1〜13のいずれか一項に記載の製造方法。 - R1、R2及びR3が、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシであり、
R4及びR5が、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル又はトリフルオロメトキシであり、
R6及びR7が、同一又は異なって、水素原子、メチル又はメトキシである、
R8が、水素原子、メチル又はエチルであり、
R9が水素原子である、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。 - 下記式(III):
[式中、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R8及びR9は、同一又は異なって、水素原子、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル−C1−3アルキル又はC3−6シクロアルキルを表し、該アルキル、シクロアルキル−アルキル及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフレート(CF3SO3−)、メシレート(MeSO3−)又は、エチルホスホネ−ト((EtO)2(O)PO−)からなる群から選ばれる基を表し、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す]の化合物。 - 下記式(IV):
[式中、
R1、R2及びR3は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−又はシアノを表し、該アルキル又は該アルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、塩素原子、C1−6アルキル、1〜3個のフッ素原子で置換されたC1−6アルコキシ、C1−6アルキル−S(O)n−、シアノ又はニトロを表し、該アルキル又はアルキル−S(O)n−は、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
R6及びR7は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、メチル、エチル又はC1−6アルコキシを表すか、又はそれらに結合する炭素原子と一緒になってC3−6シクロアルキルを構成し、該メチル、エチル、アルコキシ及びシクロアルキルは、1〜5個のフッ素原子で置換されていてもよく、
nは、複数ある場合にはそれぞれ独立して、0〜2の整数を表す]の化合物又はその塩基付加塩。
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JP2012095780A JP2013221025A (ja) | 2012-04-19 | 2012-04-19 | ビフェニルアセトアミド誘導体の製造方法及びその中間体 |
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---|---|---|---|---|
WO2016007823A1 (en) * | 2014-07-10 | 2016-01-14 | Mallinckrodt Llc | Process for preparing substituted phenylalkanes |
-
2012
- 2012-04-19 JP JP2012095780A patent/JP2013221025A/ja active Pending
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WO2016007823A1 (en) * | 2014-07-10 | 2016-01-14 | Mallinckrodt Llc | Process for preparing substituted phenylalkanes |
US9556108B2 (en) | 2014-07-10 | 2017-01-31 | Mallinckrodt Llc | Process for preparing substituted phenylalkanes |
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