JP2013220999A - 含フッ素化合物含有液の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造の洗浄処理で生じる廃液をさらに処理するときに、その廃液の泡立ちを抑制する。
【解決手段】一般式(Y):
CFO(CFO)−R’ (Y)
(式中、−R’は−COOH、−OCOOHまたは−CFCOOHを示す。)
で表される含フッ素カルボン酸またはその塩であり、nが異なる複数の化合物を含有する水性液体から、一般式(Y)で表され、かつ炭素数が4以上である化合物を取り除き、n炭素数が4以上である化合物の濃度が100重量ppm以下であり、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩のn数平均値が0.1以下である水性液体を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素化合物含有液の処理方法に関し、より詳細には、フッ化カルボニルオリゴマーに由来する化合物の混合物から特定の化合物を除去して該含有液の泡立ちを抑制する処理方法に関する。
含フッ素化合物の中には、陰イオン界面活性剤として作用するものがある。例えば、ヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造において副生するフッ化カルボニルオリゴマーは水中で陰イオン界面活性剤として作用する。陰イオン界面活性剤は、水中で電離して有機陰イオンとなり、水の表面張力を低下させる作用を有する。
ヘキサフルオロプロピレンオキシドは、例えばパーフルオロビニルエーテルの原料として用いられるなど、含フッ素化合物の製造において重要な化合物である。また、ヘキサフルオロプロピレンオキシドのオリゴマーは潤滑油や熱媒などとして利用されている。
ヘキサフルオロプロピレンオキシド(以下、HFPOとも言う)の製造方法として、ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPとも言う)を酸素により酸化してHFPOを得る方法が知られている(特許文献1および2を参照のこと)。
かかるHFPO製造方法では、目的物質であるHFPOに加えて、フッ化カルボニル(COF)が副生する(特許文献1を参照のこと)。更に、かかるHFPO製造方法では、フッ化カルボニル(COF)が重合して、フッ化カルボニルオリゴマーも副生する(特許文献2を参照のこと)。よって、HFPOを含む反応生成物からフッ化カルボニルオリゴマーなどの副生成物を分離して、製品HFPOが得られる。
特公昭45−11683号公報 特開平6−107650号公報
HFPOの製造方法においては、HFPOを含む反応生成物からフッ化カルボニルオリゴマーなどの副生成物を分離するために、HFPからの反応によって生成したHFPOおよびフッ化カルボニルオリゴマーなどを含む組成物を脱酸処理に付す。より詳細には、この組成物を気相状態(ガス)でアルカリ性の水性液体により洗浄し、フッ化カルボニルオリゴマーなどの酸成分をアルカリ性の水性液体中に分離して(よって、アルカリ性の水性液体は、脱酸処理後、フッ化カルボニルオリゴマーなどに由来する化合物をアルカリ金属塩(より詳細には電離したイオン)の形態で含む水性液体となる)、目的物質であるHFPOを含むガス状物を得ること(以下、単にHFPOの洗浄方法とも言う)が行われる。
かかるHFPOの洗浄方法において、脱酸処理で生じるアルカリ性の水性液体は、フッ化カルボニルオリゴマーに由来する化合物をアルカリ金属塩の形態で含む。かかるアルカリ金属塩は陰イオン界面活性剤として作用する。そのため、脱酸処理で生じるアルカリ性の水性液体を中和、希釈して排出させようとすると、希釈工程またはその他の排出工程において加わる力(例えば、希釈水と混合されるときに加わる衝撃力)等や、中和操作によって発生したガスとの接触等によって、水性液体において激しい泡立ちが生じる。そのような泡立ちは、希釈、中和操作の妨げとなる。
本発明の目的は、フッ化カルボニルオリゴマーに由来する含フッ素化合物を含む液体における泡立ちの発生を抑制する、含フッ素化合物含有液の処理方法を提供することである。
本発明の一つの要旨は、以下の一般式(Y):
CFO(CFO)−R’ (Y)
(式中、−R’は−COOH、−OCOOHまたは−CFCOOHを示す。)
で表される含フッ素カルボン酸またはその塩であり、nが異なる複数の化合物を含有する水性液体から、一般式(Y)で表され、かつ炭素数が4以上である化合物(以下、≧C4化合物とも呼ぶ)を取り除くことを含み、
≧C4化合物を取り除いた水性液体において、≧C4化合物の濃度が100重量ppm以下であり、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩のn数平均値が0.1以下である、
含フッ素化合物含有液の処理方法を提供する。
本発明の含フッ素化合物含有液の処理方法は、ヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造において副生するフッ化カルボニルオリゴマーに由来する化合物の混合物から、特定の重合度のオリゴマーに由来する化合物を除去することを含む。本発明の処理方法により処理された含フッ素化合物含有液は、泡立ちが生じない又は少ないものとなる。
本発明の1つの実施形態を適用可能な含フッ素化合物含有液が発生する、ヘキサフルオロプロピレンオキシドの洗浄方法を説明するための概略図である。
(本発明に至った経緯)
本発明の処理方法の対象液体は、一般式(Y):
CFO(CFO)−R’ (Y)
(式中、−R’は−COOH、−OCOOHまたは−CFCOOHを示す。)
で表される含フッ素カルボン酸またはその塩であり、nの数が異なる複数の化合物を含む混合物を含有する水性液体である。本発明者らは、一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸またはその塩の混合物が、炭素数が3以下のものと、炭素数が4以上のものとを含む場合、炭素数が4以上のものが泡立ちの原因となること、およびこの混合物を含む水性液体から炭素数が4以上のものを除去することが泡立ちの抑制に有効であることを見出した。
一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩は、例えば、HFPOの製造において副生するフッ化カルボニルオリゴマーの混合物を酸性またはアルカリ性の水性液体に溶解して得られる化合物である。一般式(Y)で示される含フッ素カルボン酸またはその塩は、より詳細には電離したイオンの形態で液体中に存在する。そのような液体は、例えば、HFPOの製造においてHFPO分離のための脱酸処理で生じるアルカリ性の水溶液であり、本発明の処理方法はHFPO製造で生じるアルカリ性廃液の消泡方法として利用することができる。
以下において、本発明の処理方法の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
(処理の対象となる含フッ素化合物含有液)
本実施の形態において、処理の対象となる含フッ素化合物含有液は、一般式(Y):
CFO(CFO)−R’ (Y)
(式中、−R’は−COOH、−OCOOHまたは−CFCOOHを示す。)
で表される含フッ素カルボン酸またはその塩を含む。一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸として存在するのは、水性液体が酸性であるときであり、その塩として存在するのは、水性液体がアルカリ性であるときである。一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩は、水性液体中で電離したイオンの形態で存在し得、このうち有機陰イオンが界面活性剤として作用し得る。
本実施の形態の処理方法は、処理対象となる液体が、アルカリ性の水性液体であり、一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸の塩を含む場合に好ましく適用される。そのようなアルカリ性の水性液体は、前述のとおり、例えばHFPOの製造工程において生じる廃液である。
一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸の塩は、それをアルカリ性の水性液体中で形成し得る限り、いかなるものであってもよい。例えば、アルカリ性の水性液体中の一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸の塩は、この塩そのものを水性液体に添加して溶解させたものであってよい。また例えば、アルカリ性の水性液体中の一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸の塩は、後述する一般式(X)で表わされる化合物を、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、またはアンモニウムを含む水性液体に添加して溶解させることにより生じたものであってもよい。よって、塩を構成する陽イオンは、もともと化合物中に含まれていたものであってもよいし、あるいは、水性液体中に含まれていた陽イオンであってもよい。
一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸の塩は、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属は、具体的には、Li、K、Na、Rb、CsおよびFrである。アルカリ金属は、カリウムまたはナトリウムであることが好ましい。一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸のアルカリ金属塩は、下記の一般式(Y’)で表される。
CFO(CFO)−R” (Y’)
(式中、−R”は−COOM、−OCOOMまたは−CFCOOMを示し、Mはアルカリ金属を示す。)
あるいは、一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸の塩は、アルカリ土類金属塩であることが好ましい。アルカリ土類金属は、具体的には、Ca、Sr、Ba、およびRaである。アルカリ土類金属は、特にカルシウムであることが好ましい。一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸のアルカリ土類金属塩は、下記の一般式(Y”)で表される。
(CFO(CFO)−R''')M2 (Y”)
(式中、−R'''は−COO、−OCOOまたは−CFCOOを示し、M2はアルカリ土類金属を示す。)
本実施の形態において、水性液体は、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩であり、nが異なる複数の化合物の混合物を含む。nが異なる複数の化合物の混合物は、例えば、nが0である化合物と、n≧1である化合物の混合物である。その場合、n≧1である化合物は、n=1である化合物のみであってよく、あるいはnが2以上である1種類の化合物のみであってよく、あるいはnが異なる2以上の化合物の混合物であってよい。n≧1の化合物は、nが2より大きい1または複数の化合物であってよい。また、n≧1の化合物として複数の化合物が含まれる場合、nは連続していても、連続していなくてもよい。n=0の化合物とn≧1の化合物を含む混合物は、例えば、HFPOの製造において得られる副生成物である。n≧1である化合物は、好ましくはnが50以下である化合物であり、より好ましくはnが15以下である化合物、またはそれらの混合物である。
一般式(Y)において、R’が−COOHもしくは−OCOOH、またはその塩である場合、nが2以上である化合物が≧C4化合物である。一般式(Y)において、R’が−CFCOOHまたはその塩である場合、n≧1である化合物が≧C4化合物である。
上記一般式(Y)において、隣接する2つのCFO繰返し単位の間の結合は、
−CF−O−CF−O−
−CF−O−O−CF
−O−CF−CF−O−
−O−CF−O−CF
のうち、いずれであってもよい。−CF−O−CF−O−および−O−CF−O−CF−の場合にはエーテル結合を形成し、−CF−O−O−CF−の場合には過酸化エーテル結合を形成する。
アルカリ性の水性液体は、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニアなどの少なくとも1種のアルカリ性物質を水性媒体中に含むものであり得る。アルカリ金属水酸化物には、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどを用い得る。アルカリ土類金属水酸化物には、水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどを用い得る。これらは少なくとも1種以上で用いられ得、このうち、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムのいずれかまたは双方を用いることが好ましい。アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物は、水溶液の形態で用い得る。アンモニアは、アンモニア水の形態で用い得る。
水性液体がアルカリ性である場合、含フッ素化合物含有液のpHは特に限定されない。pHは、水性液体におけるHFの生成を防止するために、例えば14以上であることが好ましい。
pHの調整は、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸の塩がアルカリ性の水性液体中に存在するようになる前に予め実施すること(換言すれば、予め所定のpHに調整されたアルカリ性の水性液体に塩を存在させること)によって行ってよい。あるいは、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸の塩を含む水性液体に、アルカリ性物質またはアルカリ性物質を含むアルカリ水溶液を添加して、水相のpHを所定の値に調整してもよい。
水性液体における一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩の含量は特に限定されないが、例えば約1重量ppm以上、具体的には約10重量ppm〜10重量%(いずれも全体基準)であってよい。この範囲内の含量で含フッ素カルボン酸またはその塩を含む液体は、後述する処理方法(活性炭、水熱分解、またはイオン交換樹脂による除去)で好ましく処理される。
(処理手法)
次に、nが異なる複数の化合物を含む混合物を含有する水性液体から、炭素数が4以上である化合物(≧C4化合物)を除去する手法を説明する。≧C4化合物を除去する手法は特に限定されず、液体から≧C4化合物を物理的または化学的に除去し得る限りにおいて、いずれの手法も採用できる。
例えば、≧C4化合物は、活性炭による吸着処理により除去してよい。活性炭によれば、≧C4化合物を効率的に除去して、液体中の≧C4化合物の含有量を有効に減少させることができる。また、活性炭による≧C4化合物の吸着は、含フッ素化合物含有液体と活性炭とを接触させることにより実施され、比較的単純な装置を用いて実施され得る。
活性炭の原料等は特に限定されない。活性炭は炭素質材料から製造できる。炭素質材料としては、炭化、賦活などにより活性炭を生成するものであればよく、木材、鋸屑、木炭、ヤシ殻、クルミ殻などの果実殻、果実種子などの植物系、泥炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭などの石炭、石油ピッチ、石炭ピッチなどのピッチ、コークス、コールタール、石油タールなどのタール、石油蒸留残渣などの鉱物系、木綿、レーヨンなどのセルロース系繊維などの天然素材、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリルなどの合成素材などを例示することができる。形状としては、粉末状、粒状、繊維状いずれでもよく、またそれらを成形したものであってもよい。
炭素質材料に、炭化、賦活などの処理を行うことにより活性炭が製造される。炭化は、例えば、炭素質材料を300℃〜700℃程度の温度で加熱乾留することによって行われる。また、賦活法としては、塩化亜鉛、燐酸、硫酸、塩化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどによる薬剤賦活、水蒸気、炭酸ガス、酸素ガス、燃焼排ガス、これらの混合ガスなどによるガス賦活が採用される。活性炭の寸法は一般に0.5〜5.0mmである。賦活によって、活性炭の比表面積を増加させることができる。活性炭の比表面積が1500m2/g以上、例えば1500〜2500m2/g、特に1800〜2500m2/gであることが好ましい。2000m2/g以上であることが特に好ましい。活性炭の比表面積が大きいほど、≧C4化合物がより多く活性炭に吸着される。
活性炭による処理は、処理対象となる液体(nが異なる複数の化合物の混合物を含む)を活性炭に接触させることにより実施する。具体的には、液体に活性炭を加えた活性炭分散液を撹拌し、その後、活性炭をろ過することにより除去することによって、≧C4化合物を除去した液体を得ることができる。あるいは、活性炭に液体を通過させ、通過した液体を必要に応じてろ過して取り出すことにより、≧C4化合物を除去した液体を得ることができる。あるいは、充填塔に活性炭を充填し、連続的に液体を通すことにより、出口より≧C4化合物を除去した液体を得ることができる。
≧C4化合物は、水熱分解により除去することもできる。水熱分解は、高温高圧の水、亜臨界ないし超臨界状態の水、好ましくは亜臨界状態の水を用いて≧C4化合物を分解させる方法である。処理対象となる液体は水性液体であって水を含んでいるから、水熱分解による≧C4化合物の除去は、処理対象となる液体の温度および圧力を上昇させることにより実施できる。
水熱分解は、処理対象となる液体を反応容器内に導入し、温度150℃以上、圧力(ゲージ圧力)1.5MPa以上となるように反応容器内部を加熱および加圧して実施することが好ましい。反応容器内は、より好ましくは200℃〜400℃の温度および2.0MPa〜15MPaの圧力に達しており、さらにより好ましくは250℃〜350℃の温度および4MPa〜12MPaの圧力に達している。反応時間は特に限定されない。例えば、反応時間は、0.01時間〜2時間であることが好ましく、0.05時間〜1時間であることがより好ましい。
この高温高圧下において、処理対象となる液体に含まれる水が≧C4化合物を分解させる。≧C4化合物は、nのより小さい化合物、CFCOOH、CFCFCOOH、またはそれらの塩に分解され、さらにHF、CO、またはそれらの塩等に分解すると考えられる。その結果、処理対象となる液体は、泡立ちが生じにくいものとなる。
≧C4化合物は、イオン交換樹脂により除去することもできる。具体的には、陰イオン交換樹脂に処理対象となる液体を接触させることにより、≧C4化合物を除去する。陰イオン交換樹脂による≧C4化合物の除去は、イオン交換樹脂中に予め存在する陰イオンと処理対象液体中の陰イオンとの交換によって行われる。一般的にイオン選択性は、価数が大きく、分子量が大きいイオンほど高い。すなわち、価数がより大きい、および/または分子量がより大きい陰イオンは、イオン交換されやすい性質を有する。そのため、≧C4化合物が、陰イオン交換により、良好に除去されると考えられる。なお、イオン交換樹脂による≧C4化合物の除去は、イオン交換という機構だけでなく、吸着機構によっても行われていると推測される。イオン交換樹脂を構成する高分子の分子鎖は網目構造を有し、活性炭などの吸着剤と同様に大きな比表面積を有する。そのため、イオン交換樹脂は、水やイオンを容易に浸透させるとともに、比較的大きい分子(またはイオン)を吸着していると推測される。尤も、これらの推測によって本発明が限定されることはない。
イオン交換樹脂と処理対象となる液体の接触は、例えば、イオン交換樹脂を充填した容器に液体を注入し、イオン交換樹脂を通過した液体を取り出す方法で実施してよい。あるいは、処理対象となる液体にイオン交換樹脂を加えて撹拌し、その後、イオン交換樹脂をろ過することにより除去する方法によっても、≧C4化合物を除去した液体を得ることができる。イオン交換能は、一定量のイオン交換を行うと失われるが、元の交換イオンを含む水溶液に浸漬することで回復する。
いずれの方法により≧C4化合物を除去する場合にも、処理後の液体における≧C4化合物の濃度が100重量ppm以下、好ましくは50重量ppm以下となるように処理を実施する。そのような範囲の濃度で≧C4化合物を含む液体は、泡立ちが生じにくい。したがって、本実施の形態において、「≧C4化合物を除去する」ことには、≧C4化合物を完全に無くすことだけではなく、処理後の液体における≧C4化合物の濃度が上記の範囲内となるように減少させることが含まれる。≧C4化合物の濃度は、19F-NMRのチャートから、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩の全濃度を求め、求めた全濃度から、≦C3化合物の濃度を減じる(減算する)ことにより求めることができる。一般式(Y)のカルボン酸またはその塩の全濃度は、処理後の液体に内標としてHCFCFCHOHを所定量添加し、この内標の添加量(濃度)を基準として、−CFCOOHまたは−CFCOOMのFの積分値から求めることができる。また、≦C3化合物の濃度は、CFO−CF−におけるCFO−のFの積分値から求めることができる。
また、本実施の形態において、処理後の液体に含まれる一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩は、0.1以下のn数平均値を有する。即ち、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩の混合物が含まれる場合でも、そのn数平均値が0.1以下であれば、液体の泡立ちが有効に抑制される。n数平均値は、19F-NMRのチャートから求めたCFO(CFO)におけるFの積分値と−CFCOOHまたは−CFCOOMのFの積分値の比からn数を求めることができる。
一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸のうち、−Rが−COOHもしくは−OCOOHであるもの、またはそれらの塩は、Rが(特にアルカリ性水溶液中において)不安定である。それらは、分解して、CFCOOH、およびCFOCFCOOH、またはそれらの塩等となり、さらに、HF、CO、またはそれらの塩を生じやすい。即ち、−Rが−COOHもしくは−OCOOHであるもの、またはそれらの塩は、そのままの形態で処理後の液体に存在しない、または存在するとしても僅かな量で存在することが多い。また、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸のうち、−Rが−COOH、−OCOOHであり、かつn=1であるものは、炭素数がいずれも3であるため、泡立ちの原因とはなりにくく、それらは≧C4化合物の濃度およびn数平均値を求めるにあたり考慮されなくてもよい。そのため、本実施の形態においては、前述のような方法で≧C4化合物の濃度およびn数平均値を求め、それにより、≧C4の化合物が除去されたことを確認する。
(実施の形態2)
実施の形態1の処理方法は、ヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造において、HFPOの洗浄処理として実施される脱酸処理の終了後、脱酸処理で液相として得られる液体を処理するために実施してよい。以下、実施の形態2として、HFPOの生成工程(工程a)および生成したHFPOの洗浄工程(工程b)を含むHFPOの製造方法であって、工程b)で生じた液体に本発明の処理方法を適用する実施の形態を説明する。
・工程a
ヘキサフルオロプロピレンオキシドは、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)を酸素により酸化するという反応工程(工程a)を経て得ることができる。具体的には、予め溶媒を仕込んだ反応器(図示せず)にHFPおよび酸素(O)を供給し、反応器にてHFPを酸素により酸化(液相反応)してHFPOを生成させる。
Figure 2013220999
溶媒には、この酸化反応に不活性な飽和ハロゲン炭素、例えば1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、パーフルオロ(ジメチルシクロブタン)、四塩化炭素などを用い得る。
上記酸化反応では、本発明の製造方法の目的物質であるHFPOに加えて、以下の一般式(X):
CFO(CFO)−R ・・・(X)
(式中、−Rは−COF、−OCOFまたは−CFCOFを示し、nは0〜50の整数、好ましくは0〜15の整数を示す。)
で表わされる化合物(以下、一般式(X)で表わされるオリゴマーとも言う)が副生する。
この一般式(X)で表わされるオリゴマーは、通常は、末端基−Rおよび/またはn数の異なる複数種類の化合物が混在した混合物、即ち、n=0のオリゴマーと、n≧1の1または複数のオリゴマーとの混合物であり得る。このオリゴマーがアルカリ性の水性液体に溶解すると、前記一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸の塩(例えば、前記一般式(Y’)または(Y”)で表される化合物)が得られる。
上記一般式(X)において、隣接する2つのCFO繰返し単位の間の結合は、
−CF−O−CF−O−
−CF−O−O−CF
−O−CF−CF−O−
−O−CF−O−CF
のうち、いずれであってもよい。−CF−O−CF−O−および−O−CF−O−CF−の場合にはエーテル結合を形成し、−CF−O−O−CF−の場合には過酸化エーテル結合を形成する。
一般式(X)で表されるオリゴマーにおける過酸化エーテル結合の割合は、ヨード滴定法で測定した活性酸素濃度が0.01〜25重量%となるような割合であることが好ましい。一般式(X)で表されるオリゴマーがこの条件を充たす限り、一般式(X)における末端基−Rが−COF、−OCOFまたは−CFCOFである化合物の割合については制限がない。
生成したHFPOおよび一般式(X)で表わされるオリゴマーは、例えば気相状態で反応器より抜き出され得る。抜き出された気相は、通常、HFPO、一般式(X)で表わされるオリゴマーに加えて、未反応のHFP、副生したアセチルフルオライド(CFCOF)、ヘキサフルオロアセトン(CFCOCF)およびフッ化カルボニル(COF)なども含み得る。
反応条件は、最終的なHFPO回収量が大きくなるように、使用する反応器および溶媒などに応じて適宜設定され得、例えば以下の通りであり得るが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
反応器に溶媒を容量の30〜50%仕込み、HFPを溶媒に対して1〜40%、好ましくは5〜35%仕込み、90〜150℃に加熱する。
そこに酸素ガスを分注圧0.02〜0.5MPa(ゲージ圧力)、好ましくは0.05〜0.1MPa(ゲージ圧力)の分圧で分注して反応を行う。酸素のトータル仕込み量は原料のHFPの転化率を分析することによって決定できるが、おおよそ理論量の1.3〜1.7倍量である。
また、このときの全反応圧は溶媒種、HFP仕込み比、温度条件等によって変動するため、特に規定はないが、一般的には1.5〜4MPa(ゲージ圧力)である。
反応時間(平均滞留時間)は、例えば1〜10時間である。
かかる反応操作は、回分式でも密閉容器中で連続式でも行うことができる。反応器は液の撹拌および加熱が可能な金属製容器が好適である。
反応器より抜き出した気相は、HFPOおよび一般式(X)で表わされるオリゴマーに加えて、未反応のHFP、副生したアセチルフルオライド(CFCOF)、ヘキサフルオロアセトン(CFCOCF)およびフッ化カルボニル(COF)なども含み得、適宜、常法の分離操作(例えば蒸留、蒸発など)に付してよい。これらのうち、少なくともHFPOおよび一般式(X)で表わされるオリゴマーが、工程b)に付される組成物中に含まれていればよく、工程b)の前に、HFPOおよび/または一般式(X)で表わされるオリゴマーは部分的に分離されていてもよい。
以上により、HFPOおよび一般式(X)で表わされるオリゴマーを含む組成物が得られる。
・工程b)
次に、上記で得られた組成物を脱酸処理するために、洗浄操作を実施する。具体的には、上記で得られた組成物を、アルカリ性の水性液体、通常はアルカリ水溶液(以下、説明を簡素化するため、単にアルカリ水溶液と言う)により洗浄する。これにより、該組成物から酸成分(一般式(X)で表わされるオリゴマーおよびヘキサフルオロアセトンなど)が除去され、本発明の製造方法の目的物質であるHFPOに着目すれば、HFPOが洗浄される。
かかる洗浄操作は、回分式でも連続式でも行うことができるが、例えば図1に示す洗浄装置11を用いて連続的に実施できる。洗浄装置11は、脱酸塔10およびその付属設備より構成される。脱酸塔10は、塔部10aとその下部に連結された缶部10bとを含んで成り、塔部10aには、好ましくは任意の適切な充填物が充填される。付属設備には、図示する組成物供給ライン1、アルカリ水溶液供給ライン3、ガス状物排出ライン5、ポンプ7、アルカリ水溶液排出ライン9a、廃液ライン9b、循環ライン9cなどが含まれる。
図1を参照して、上記工程a)で得られた組成物を気相状態(ガス)で組成物供給ライン1より脱酸塔10の塔部10aへ、好ましくはその下方に位置する供給口より供給する。
他方、アルカリ水溶液をアルカリ水溶液供給ライン3より脱酸塔10の塔部10aへ、好ましくはその上方に位置する供給口より供給する。
アルカリ水溶液として、実施形態1にて説明したようなアルカリ性の水性液体を用い得、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニアなどの少なくとも1種のアルカリ性物質を水性媒体中に含むものであり得る。
供給するアルカリ水溶液のpH(またはアルカリ濃度、より詳細にはアルカリ水溶液中のアルカリ性物質の濃度)は、処理するガス量などにより異なり得るが、洗浄中のアルカリ水溶液(より詳細には、上記組成物と接触しているアルカリ水溶液)のpHを例えば14以上に維持するように選択される。pHを14以上に維持すると、脱酸処理中の泡立ちを抑制することができる。
図1に示す洗浄装置11を用いる場合、具体的には、缶部10bからアルカリ水溶液排出ライン9aを通じて排出されるアルカリ水溶液(洗浄後のアルカリ水溶液であり、pHが最も低くなると考えられる)のpHが所定の値(例えば14以上)となるように、アルカリ水溶液のpHの維持管理を行い得る。pHは、洗浄装置11への組成物の供給量やアルカリ水溶液の供給量、供給するアルカリ水溶液のpH(またはアルカリ濃度)などを、単独でまたは組み合わせて調節することにより調整可能である。
脱酸塔10に供給された組成物およびアルカリ水溶液は、その内部にて互いに十分接触し、図示する態様では塔部10aを流れる間に向流接触する。接触後の組成物は、ガス状物として、好ましくは塔部10aの上方に位置する排出口より、ガス状物排出ライン5を通じて排出される。他方、接触後のアルカリ水溶液は、塔部10aの下部に連結された缶部10bにて受けられた後、ポンプ7によって、缶部1bよりアルカリ水溶液排出ライン9aを通じて排出される。
組成物およびアルカリ水溶液が接触している間、組成物中の酸成分はアルカリ水溶液中に移動し、換言すれば、アルカリ水溶液により組成物が(本発明の製造方法の目的物質に着目すればHFPOが)洗浄される。この間、液相であるアルカリ水溶液のpHは所定の値(例えば14以上)に維持される。洗浄後の組成物、すなわち、ガス状物排出ライン5を通じて排出されるガス状物には、HFPOが含まれる。
かかる洗浄操作においては、アルカリ水溶液のpH14以上にすると、脱酸塔10の塔部10aおよび缶部10bにおいて、上記一般式(X)で表わされるオリゴマーに起因する泡立ちを効果的に抑制することができる。よって、洗浄後のガス状物中にアルカリ水溶液(ひいては一般式(X)で表わされるオリゴマーに由来する化合物)が混入したり、脱酸塔10の圧力損失が泡立ちのために増大したりすることを防止できる。この結果、洗浄操作の処理速度を上げることができ、安定して連続的に効率よく実施することができる。
この洗浄操作において、液相のpHの維持管理は、市販のpH測定器を用いて、アルカリ水溶液(水相)のpHを測定することによって簡便に行うことが考えられる。pH測定器で測定されるpHの実測値は、通常、pH14以下であれば、中和滴定により測定されるアルカリ性物質のモル濃度の値から求められるpHの理論値とほぼ等しい。しかしながら、市販のpH測定器には、pH14以上の値を表示し得るものがあるが、pH14以上では誤差が大きくなることが知られている。よって、pH14以上で正確なpHの値を得るには、中和滴定によりpHの理論値を求めることが好ましい。
また、アルカリ水溶液のpHが14以上であれば、オリゴマーが加水分解して生成するHFおよびCOを、更に、中和反応によってアルカリ水溶液中にトラップすることができ、それぞれFおよびCO 2−としてアルカリ水溶液中に分離することができる(よって、ガス状物排出ライン5を通じて排出されるガス状物のHFPO純度を向上させることができる)。
アルカリ水溶液は、水酸化カリウムおよび/または水酸化ナトリウムの水溶液であることが好ましい。上記一般式(X)で表わされる化合物は加水分解によりHFを生じ得、このフッ素イオンは水性液体中のアルカリ金属イオンとフッ化物を形成し得る。フッ化カリウムおよびフッ化ナトリウムは、他のフッ化物に比べて溶解度が高い。よって、アルカリ性の水性液体として、水酸化カリウムおよび/または水酸化ナトリウムの水溶液を用いると、HFを中和反応によってFとして水性液体中に十分にトラップすることができ、フッ化物として析出することを効果的に回避できる。特に、フッ化カリウムはフッ化ナトリムよりも溶解度が高いため、水酸化カリウム水溶液を用いる場合により高い効果を得ることができる。
アルカリ水溶液のpHの上限値は、適宜設定してよく、例えばpH15以下としてよい。pH15以下とすることにより、液体状態で扱うことができる。例えば、水酸化カリウムを含むアルカリ水溶液(水酸化カリウム水溶液)を用いる場合、そのアルカリ濃度(水酸化カリウム濃度)が48重量%であるものは市販で容易に入手でき、かかる水酸化カリウム水溶液のpHは15以下となる。
アルカリ水溶液中に分離される酸成分には、一般式(X)で表わされるオリゴマーおよび存在する場合にはヘキサフルオロアセトンが含まれる。一般式(X)で表わされるオリゴマーは、実施形態1にて上述した一般式(Y)で表わされる含フッ素カルボン酸の塩(例えば、アルカリ水溶液がアルカリ金属水酸化物の水溶液である場合には、一般式(Y’)で表される含フッ素化合物、より詳細には電離したイオンであり、アルカリ水溶液がアルカリ土類金属水酸化物の水溶液である場合には、一般式(Y”)で表される含フッ素化合物)の形態でアルカリ水溶液に溶解する。ヘキサフルオロアセトンは、三水和物として、アルカリ水溶液に溶解する。
よって、アルカリ水溶液排出ライン9aを通じて排出される(洗浄後の)アルカリ水溶液には、一般式(X)で表わされるオリゴマーに由来する化合物および存在する場合にはヘキサフルオロアセトンが含まれる。
このようにして脱酸塔10から排出されたアルカリ水溶液を、本実施の形態の処理方法によって処理することが好ましい。即ち、脱酸塔10から廃液ライン9bを通じて排出されるアルカリ水溶液を、本実施の形態の処理方法で処理する(工程c)。処理後の液体は、必要に応じて任意の後処理がなされた後に、廃棄される。一般的には中和処理を行った上で廃棄される。なお、ヘキサフルオロアセトン三水和物は中性状態で安定であるため、洗浄後のアルカリ水溶液を中和した後、別途、ヘキサフルオロアセトン三水和物を(例えば抽出、膜分離、吸着などにより)安定的に取り出して、任意の目的に利用してもよい。
また、上記のようにして排出されたアルカリ水溶液は、洗浄効果を未だ有し得るため、その一部を循環ライン9bに通じて脱酸塔10の塔部10aに戻し、アルカリ水溶液供給ライン3を通じて新たに供給されるアルカリ水溶液と一緒に用いてよい。これにより、アルカリの消費量を削減できる。
特に、アルカリ水溶液として水酸化カリウムおよび/または水酸化ナトリウムの水溶液を用いた場合には、上述のように、HFを中和反応によってFとして水性液体中に十分にトラップすることができ、フッ化物として析出することを効果的に回避できるので、アルカリ水溶液をより高い割合で循環させることができる。かかる観点からは、水酸化カリウム水溶液を用いることがより好ましい。
しかしながら、アルカリ水溶液として水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合には、別の利点もある。水酸化ナトリウムは、水酸化カリウムに比べて安価であり、海水からの塩電解によって製造されるため、市況の影響を受けにくく、安定して入手および利用できる。
洗浄条件は、最終的なHFPO回収量が大きくなるように、使用する洗浄装置ならびにアルカリ水溶液の種類などに応じて適宜設定され得、例えば以下の通りであり得るが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
脱酸塔10に上記組成物を、気相状態で、例えば0〜50℃および0〜0.6MPa(ゲージ圧力)で供給する。
脱酸塔10にアルカリ水溶液を、液体状態で、例えば0〜30℃で供給する。
脱酸塔10に循環するアルカリ水溶液の割合は、特に限定されないが、例えば、外部から新たに供給するアルカリ水溶液の供給流量に対して、0〜5000倍とし得る。
アルカリ水溶液の供給流量は、上記組成物の供給流量1m/hrに対して、2〜20L/hrとし得る。
脱酸塔10から排出されるガス状物は、供給される組成物およびアルカリ水溶液の各熱量や、脱酸塔10の圧力損失などにもよるが、例えば0〜50℃および0〜0.6MPa(ゲージ圧力)であり得る。
排出されるアルカリ水溶液は、供給される組成物およびアルカリ水溶液の各熱量や、脱酸塔10の圧力損失などにもよるが、例えば0〜50℃である。
洗浄中のアルカリ水溶液のpH(より詳細には、外部から供給されるアルカリ水溶液と、循環されるアルカリ水溶液とを合わせたアルカリ水溶液であって、気相状態で供給される組成物と接触しているアルカリ水溶液(または液相)のpH、便宜的には、洗浄後のアルカリ水溶液のpHにほぼ等しいと考えて差し支えない)は好ましくは14以上であり、例えば、pH14以上15以下であり得る。
洗浄(脱酸処理)に際しては、一般式(X)で表わされるオリゴマーに起因する泡立ちを抑制するために、消泡剤を用いてよい。消泡剤を用いる場合には、消泡剤の種類に応じて、アルカリ水溶液のpHが適宜選択される。
以上により、HFPO、より詳細にはHFPOと一般式(X)で表わされるオリゴマーを含む組成物が洗浄され、洗浄後のガス状物の形態でHFPOが製造される。得られるガス状物中のHFPOの含量は、例えば80mol%以上、代表的には90〜100mol%である。
以上、実施の形態2として、本発明の処理方法を、HFPOの製造に適用する形態を説明した。別の実施の形態において、本発明の処理方法は、一般式(X)で表されるオリゴマーを酸性条件下に晒したときに得られる化合物、即ち、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸それ自体の混合物を含む水性液体に適用され得る。よって、例えば、HFPOの製造において、上記脱酸処理後のアルカリ性廃液に過剰の酸を加えて酸性にし、得られた酸性の水性液体を処理するために、本発明の処理方法を実施してよい。
(比較例1)
一般式(Y)で表され、R’がCFOOHである含フッ素カルボン酸のカリウム塩の混合物であって、nが異なる複数の化合物の混合物を含む、水酸化カリウム水溶液を用意した。一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸のカリウム塩の濃度は0.37重量%であり、KF、CFCOOK、n=0の化合物および≧C4化合物(即ち、n≧1の化合物)の濃度、ならびにn値平均数はそれぞれ表1に示すとおりであった。
この水溶液30gを50mlサンプル管に入れ、ふたを閉め、密閉した。それから手で20秒間振とうさせ、実験台の上に静置し、泡立ちが消える様子を観察した。その結果、15分経過しても泡は消えなかった。
(実施例1)
比較例1で用いた水酸化カリウム水溶液を、活性炭を用いて処理した。具体的には、水溶液40g、石炭を原料として製造された粒状活性炭(カルゴンカーボンジャパン(株)製F-400、粒径10〜35タイラーメッシュ)0.8gを50mlサンプル管に入れた。サンプル管のふたを閉め、密閉した後、攪拌子で水溶液を17hr攪拌した。活性炭をろ過して取り除き、ろ液を別の50mlサンプル管に入れ、ふたを閉め、密閉した。それから、サンプル管を手で20秒間振とうさせ、実験台の上に静置し、泡立ちが消える様子を観察した。その結果、平均約12秒で完全に泡が消えた。
(実施例2)
比較例1で用いた水酸化カリウム水溶液を、活性炭を用いて処理した。具体的には、水溶液40g、ヤシ殻を原料として製造された粒状活性炭(カルゴンカーボンジャパン(株)製)0.8gを50mlサンプル管に入れた。サンプル管のふたを閉め、密閉した後、攪拌子で水溶液を17hr攪拌した。活性炭をろ過して取り除き、ろ液を別の50mlサンプル管に入れ、ふたを閉め、密閉した。それから、サンプル管を手で20秒間振とうさせ、実験台の上に静置し、泡立ちが消える様子を観察した。その結果、平均約3秒で完全に泡が消えた。
(実施例3)
比較例1で用いた水酸化カリウム水溶液を、イオン交換樹脂を用いて処理した。具体的には、比較例1で用いた溶液を40g、イオン交換樹脂(三菱化学(株)製アクリル系 ダイヤイオン WA10)0.8gを50mlサンプル管に入れた。サンプル管のふたを閉め、密閉した後、攪拌子で水溶液を17hr攪拌した。活性炭をろ過して取り除き、ろ液を別の50mlサンプル管に入れ、ふたを閉め、密閉した。それから、サンプル管を手で20秒間振とうさせ、実験台の上に静置し、泡立ちが消える様子を観察した。その結果、泡立ちは確認できなかった。
(比較例2)
一般式(Y)で表され、R’がCFCOOHである含フッ素カルボン酸のカリウム塩の混合物であって、nが異なる複数の化合物との混合物を含む、水酸化カリウム水溶液を用意した。一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸のカリウム塩の濃度は0.34重量%であり、KF、CFCOOK、n=0の化合物および≧C4化合物の濃度、ならびにn値平均数はそれぞれ表1に示すとおりであった。
この水溶液30gを50mlサンプル管に入れ、ふたを閉め、密閉した。それから手で20秒間振とうさせ、実験台の上に静置し、泡立ちが消える様子を観察した。その結果、15分経過しても泡は消えなかった。
(比較例3)
比較例2で用いた水酸化カリウム水溶液を、水熱分解処理に付した。具体的には、内容積13mlの外径3/8インチのSUS316チューブを反応器として用い、連続式で分解反応を実施した。ポンプとしてISCO製のシリンジポンプを用い、流量を0.4ml/minに一定にコントロールした。圧力は、出口に自動背圧弁(日本分光(株)製)を設置して、2MPaにコントロールし、温度は反応管出口の温度が150℃になるようにコントロールした。水熱分解処理は、水溶液が反応器内に約0.5時間滞留するように実施した。
背圧弁の下流にて溶液をトラップした。トラップした溶液を50mlサンプル管に入れた。サンプル管のふたを閉め、密閉にした。それから、手でサンプル管を20秒間振とうさせ、実験台の上に静置し、泡立ちが消える様子を観察した。その結果、その結果、泡立ちが消えるまで10分程度要した。
(実施例4)
比較例2で用いた水酸化カリウム水溶液を、水熱分解処理に付した。具体的には、比較例3で用いた反応器等と同じ反応器等を用い、圧力を4MPaにコントロールし、温度を225℃になるようにコントロールして、水熱分解処理を実施した。
背圧弁の下流にて溶液をトラップした。トラップした溶液を50mlサンプル管に入れた。サンプル管のふたを閉め、密閉にした。それから、手でサンプル管を20秒間振とうさせ、実験台の上に静置し、泡立ちが消える様子を観察した。その結果、その結果、泡立ちは観察されなかった。
(実施例5)
比較例2で用いた水酸化カリウム水溶液を、水熱分解処理に付した。具体的には、比較例3で用いた反応器等と同じ反応器等を用い、圧力を9MPaにコントロールし、温度を300℃になるようにコントロールして、水熱分解処理を実施した。
背圧弁の下流にて溶液をトラップした。トラップした溶液を50mlサンプル管に入れた。サンプル管のふたを閉め、密閉にした。それから、手でサンプル管を20秒間振とうさせ、実験台の上に静置し、泡立ちが消える様子を観察した。その結果、その結果、泡立ちは観察されなかった。
実施例1〜6の処理後の水溶液における、含フッ素化合物の濃度、KF、CFCOOK、n=0の化合物および≧C4化合物の濃度、ならびにn値平均数を表1に示す。
Figure 2013220999
実施例1〜5の処理後の水溶液はいずれも、処理前の水溶液と比較して、n≧1の化合物、即ち≧C4化合物の減少度合いが、n=0の化合物の減少度合いよりも大きかった。例えば、実施例1の処理後の水溶液におけるn=0の化合物の濃度は、0.135重量%であり、これは処理前の水溶液(比較例1)のn=0の化合物の濃度の63%程度である。これに対し、実施例1の処理により、≧C4化合物の濃度は、1574ppmから80.1ppmに減少し、約95%減少した。この≧C4化合物の大幅な減少が泡立ちの抑制をもたらしたと考えられる。いずれの実施例においても、≧C4化合物の濃度は100重量ppm以下であり、n数平均値は0.1以下であった。
水熱分解もまた、≧C4化合物を減少させる手法として有効であることを確認した。実施例4および5においては、≧C4化合物がすべて分解されたため、処理後の水溶液において泡立ちが生じなかった。比較例3の水熱分解は温度および圧力がより小さかったために、≧C4化合物の分解が少なく、処理後の水溶液における≧C4化合物の濃度が100重量ppmを超え、また、n数平均値が0.1を超えた。そのため、泡立抑制効果が十分に得られなかった。
本発明の含フッ素化合物含有液の処理方法は、陰イオン系界面活性剤として機能し得る特定の化合物の混合物を含む溶液の泡立ちを抑制するのに有効であり、ヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造の洗浄処理で生じる廃液をさらに処理するときに、その廃液の泡立ちを抑制するのに有効である。
1 組成物供給ライン
3 アルカリ水溶液供給ライン
5 ガス状物排出ライン
7 ポンプ
9a アルカリ水溶液排出ライン
9b 廃液ライン
9c 循環ライン
10 脱酸塔
10a 塔部
10b 缶部
11 洗浄装置

Claims (9)

  1. 一般式(Y):
    CFO(CFO)−R’ (Y)
    (式中、−R’は−COOH、−OCOOHまたは−CFCOOHを示す。)
    で表される含フッ素カルボン酸またはその塩であり、nが異なる複数の化合物を含有する水性液体から、一般式(Y)で表され、かつ炭素数が4以上である化合物(以下、≧C4化合物とも呼ぶ)を取り除くことを含み、
    ≧C4化合物を取り除いた水性液体において、≧C4化合物の濃度が100重量ppm以下であり、一般式(Y)で表される含フッ素カルボン酸またはその塩のn数平均値が0.1以下である、
    含フッ素化合物含有液の処理方法。
  2. 水性液体がアルカリ性であり、nが異なる複数の化合物が、一般式(Y)で合わされる含フッ素カルボン酸のアルカリ金属塩である、請求項1に記載の含フッ素化合物含有液の処理方法。
  3. ≧C4の化合物を取り除くことが、nが異なる複数の化合物を含有する水性液体を活性炭と接触させることを含む、請求項1または2に記載の含フッ素化合物含有液の処理方法。
  4. ≧C4の化合物を取り除くことが、nが異なる複数の化合物を含有する水性液体をイオン交換樹脂と接触させることを含む、請求項1または2に記載の含フッ素化合物含有液の処理方法。
  5. ≧C4の化合物を取り除くことが、≧C4の化合物を水熱分解することを含む、請求項1または2に記載の含フッ素化合物含有液の処理方法。
  6. nが異なる複数の化合物が、一般式(Y)で表され、−R’が−CFCOOHである含フッ素カルボン酸またはその塩であり、かつn=0である化合物と、一般式(Y)で表され、−R’が−CFCOOHである含フッ素カルボン酸またはその塩であり、かつn≧1である化合物であり、≧C4化合物としてn≧1の化合物を取り除く、請求項1〜5のいずれか1に記載の含フッ素化合物含有液の処理方法。
  7. アルカリ金属がナトリウムまたはカリウムである、請求項2に記載の含フッ素化合物含有液の処理方法。
  8. ヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造方法であって、
    a)ヘキサフルオロプロピレンを酸素により酸化して、ヘキサフルオロプロピレンオキシドおよび以下の一般式(X):
    CFO(CFO)−R ・・・(X)
    (式中、−Rは−COF、−OCOFまたは−CFCOFを示し、nは0〜50の整数を示す。)
    で表わされる化合物を含む組成物を得る工程、
    b)該組成物を、アルカリ性の水性液体により洗浄して、前記一般式(X)で表わされる化合物をアルカリ性の水性液体中に分離し、ヘキサフルオロプロピレンオキシドを含むガス状物を得る工程、および
    c)該工程bで洗浄に使用したアルカリ性の水性液体を、請求項1〜7のいずれか1項に記載の含フッ素化合物含有液の処理方法で処理する工程
    を含む製造方法。
  9. アルカリ性の水性液体が、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの少なくとも1種を含む、請求項8に記載のヘキサフルオロプロピレンオキシドの製造方法。
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