JP2013220664A - 後輪操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】適用範囲が広く構造が簡単である後輪操舵装置を提供すること。
【解決手段】前輪駆動車の車両姿勢制御モードにおいて、左操舵の加速時に、弁装置60によって、旋回内輪である左後輪23に対応する左油路26を遮断し、旋回外輪である右後輪43に対応する右油路46を開放する。旋回内側の左後輪23のトー方向の揺動が規制される一方、旋回外側の右後輪43のトー方向の揺動が可能となる。左操舵加速時には、旋回外側の第2後輪43が、車体Bに対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えばコーナーの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の旋回ラインに沿わせる。
【選択図】図2
【解決手段】前輪駆動車の車両姿勢制御モードにおいて、左操舵の加速時に、弁装置60によって、旋回内輪である左後輪23に対応する左油路26を遮断し、旋回外輪である右後輪43に対応する右油路46を開放する。旋回内側の左後輪23のトー方向の揺動が規制される一方、旋回外側の右後輪43のトー方向の揺動が可能となる。左操舵加速時には、旋回外側の第2後輪43が、車体Bに対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えばコーナーの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の旋回ラインに沿わせる。
【選択図】図2
Description
本発明は後輪操舵装置に関する。
特許文献1には、ロッドを介して転舵可能に連結された左右の転舵輪(駆動輪)に、各別のモータから異なるトルクを付与するように、各モータを駆動制御することにより、トルク差に応じた転舵力をロッドを介して左右の転舵輪に伝達する操舵制御装置が提案されている。これにより、転舵専用のアクチュエータを不要にしている。
特許文献2には、油圧源からの圧油を後輪転舵シリンダに供給して後輪を転舵する操舵装置において、中立状態に復帰した後輪が後輪固定手段によりロックされている場合に、後輪転舵シリンダの右側シリンダと左側シリンダとを連通させることにより、右側シリンダと左側シリンダとを同圧であって、自由作動可能な状態にする操舵装置が提案されている。
特許文献2には、油圧源からの圧油を後輪転舵シリンダに供給して後輪を転舵する操舵装置において、中立状態に復帰した後輪が後輪固定手段によりロックされている場合に、後輪転舵シリンダの右側シリンダと左側シリンダとを連通させることにより、右側シリンダと左側シリンダとを同圧であって、自由作動可能な状態にする操舵装置が提案されている。
特許文献1では、転舵輪が駆動輪であることが必要であり、適用範囲が狭い。また、転舵輪が駆動輪でない場合には、転舵専用のアクチュエータが必要となり、構造が複雑になる。
特許文献2では、後輪転舵シリンダに圧油を供給する油圧ポンプ等の油圧源が必要であり、構造が複雑になる。
特許文献2では、後輪転舵シリンダに圧油を供給する油圧ポンプ等の油圧源が必要であり、構造が複雑になる。
そこで、本発明の目的は、適用範囲が広く構造が簡単である後輪転舵装置を提供することである。
前記目的を達成するため、第1後輪(23)を支持し、車体(B)にトー方向に揺動可能に支持された第1支持部材(22)と、第2後輪(43)を支持し、車体にトー方向に揺動可能に支持された第2支持部材(42)と、前記第1支持部材をトーアウト方向およびトーイン方向にそれぞれ付勢する油圧を発生する第1トーアウト油室(24;24A)および第1トーイン油室(25;25A)と、前記第1トーアウト油室と前記第1トーイン油室とを接続する第1油路(26)と、前記第2支持部材をトーアウト方向およびトーイン方向にそれぞれ付勢する油圧を発生する第2トーアウト油室(44;44A)および第2トーイン油室(45;45A)と、前記第2トーアウト油室と前記第2トーイン油室とを接続する第2油路(46)と、前記第1油路および前記第2油路のそれぞれの流通を制御する弁装置(60)と、車両の操舵方向を検出する操舵方向検出手段(16)と、車両の前後方向の加速度(G)を検出する加速度検出手段(17)と、前記弁装置の動作を制御する制御装置(12)と、を備え、前記制御装置は、前記操舵方向検出手段により検出された操舵方向および前記加速度検出手段により検出された車両の加減速に基づいて、前記第1油路および前記第2油路の何れか一方のみを開放し、開放された油路に対応する後輪をトー方向に変位させるように、前記弁装置を制御する車両姿勢制御モードを有する後輪操舵装置(3;3A)を提供する。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
また、請求項2のように、前記第1後輪および前記第2後輪が、非駆動輪であり、前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記加速度検出手段によって車両の加速が検出されたときに、前記第1油路および前記第2油路のうち旋回外側の後輪に対応する油路のみを開放して旋回外側の後輪をトーアウトさせるように、前記弁装置を制御する機能を有していてもよい。
また、請求項2のように、前記第1後輪および前記第2後輪が、非駆動輪であり、前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記加速度検出手段によって車両の加速が検出されたときに、前記第1油路および前記第2油路のうち旋回外側の後輪に対応する油路のみを開放して旋回外側の後輪をトーアウトさせるように、前記弁装置を制御する機能を有していてもよい。
また、請求項3のように、前記第1後輪および前記第2後輪が、駆動輪であり、前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記加速度検出手段によって車両の加速が検出されたときに、前記第1油路および前記第2油路のうち旋回内側の後輪に対応する油路のみを開放して旋回内側の後輪をトーインさせるように、前記弁装置を制御する機能を有していてもよい。
また、請求項4のように、前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記加速度検出手段によって車両の減速が検出されたときに、前記第1油路および前記第2油路のうち旋回内側の後輪に対応する油路のみを開放して旋回内側の後輪をトーアウトさせるように、前記弁装置を制御する機能を有していてもよい。
また、請求項5のように、前輪の操舵角を検出する操舵角検出手段(16)を備え、前記制御装置は、操舵角検出手段により検出された操舵角(θh)の絶対値(|θh|)が所定値(θa)を超えることを条件として、前記車両姿勢制御モードに移行してもよい。
また、請求項5のように、前輪の操舵角を検出する操舵角検出手段(16)を備え、前記制御装置は、操舵角検出手段により検出された操舵角(θh)の絶対値(|θh|)が所定値(θa)を超えることを条件として、前記車両姿勢制御モードに移行してもよい。
また、請求項6のように、前記制御装置は、前記操舵角検出手段により検出された操舵角の絶対値が所定値以下であることを条件として、前記弁装置によって各油路を開放させて、各後輪をホームポジションに自動的に復帰させるホームポジション自動復帰モードに移行してもよい。
また、請求項7のように、前記弁装置は、前記第1油路および前記第2油路を択一的に遮断する状態と、前記第1油路および前記第2油路の双方を遮断する状態とに切り換え可能であってもよい。
また、請求項7のように、前記弁装置は、前記第1油路および前記第2油路を択一的に遮断する状態と、前記第1油路および前記第2油路の双方を遮断する状態とに切り換え可能であってもよい。
また、請求項8のように、車速を検出する車速検出手段(13)を備え、前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記車速検出手段によって検出された車速が所定値以上のときに、前記弁装置によって前記第1油路および前記第2油路の双方を遮断する状態に切り換えてもよい。
請求項1の発明によれば、車両姿勢制御モードにおいて、弁装置が、操舵方向、車両の加速、減速に基づいて、第1後輪および第2後輪の何れか一方に対応する油路のみを開放する。これにより、開放された油路に対応する後輪のトー方向の揺動が可能となる。そのトー方向の揺動が可能となった後輪を、加速力、減速力を用いて、トーアウトさせたり、トーインさせたりするので、従来用いていた後輪の転舵アクチュエータが不要であり、構造が簡単である。また、特許文献1のように、後輪が駆動輪である必要がなく、適用範囲が広い。
また、請求項2の発明によれば、両後輪が非駆動輪である、前輪駆動の車両の加速時に、旋回外側の後輪に対応する油路のみを開放するので、その旋回外側の後輪が車体に対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えばコーナーの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の旋回ラインに沿わせることができる。
また、請求項3の発明によれば、両後輪が駆動輪である、後輪駆動の車両の加速時に、旋回内側の後輪に対応する油路のみを開放するので、その旋回内側の後輪が車体に対して前方へ引っ張られて、トーイン方向に変位する。例えばコーナーの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の旋回ラインに沿わせることができる。
また、請求項4の発明によれば、車両の減速時に、旋回内側の後輪に対応する油路のみを開放するので、その旋回内側の後輪が車体に対して前方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えば、コーナーリング中に減速する場合に、従来、生じていたオーバーステア傾向を抑制して、車両を所望の旋回ラインに沿わせることができる。また、両後輪が非駆動輪か駆動輪かに拘らず、すなわち前輪駆動の車両か後輪駆動の車両かに拘らず、所望の効果を奏することができる。
また、請求項5の発明によれば、車両の操舵角が所定値を超えるときに、車両姿勢制御モードに移行し、所要の後輪をトー方向に変位させることができる。
また、請求項6の発明によれば、車両が概ね直進しているときに、加速、減速に対応して各油路を弁装置によって開放して、各後輪をセルフアライメントトルクによってホームポジションに自動的に復帰させることができる。
また、請求項6の発明によれば、車両が概ね直進しているときに、加速、減速に対応して各油路を弁装置によって開放して、各後輪をセルフアライメントトルクによってホームポジションに自動的に復帰させることができる。
また、請求項7の発明によれば、一対の油路の一方または双方を閉じることにより、所要の後輪のトー方向の揺動を許容し、所要の後輪のトー方向の揺動を規制することが可能となる。
また、請求項8の発明によれば、高速走行時に、両後輪のトー方向の揺動することを禁止して、走行安定性を確保することができる。
また、請求項8の発明によれば、高速走行時に、両後輪のトー方向の揺動することを禁止して、走行安定性を確保することができる。
本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態の後輪操舵装置を含む四輪操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、四輪操舵装置1は、前輪操舵装置2と、後輪操舵装置3とを備えている。
前輪操舵装置2は、ステアリングホイール等の操舵部材4に連結されたステアリングシャフト5と、図示しない中間軸を介してステアリングシャフト5に連結されたピニオン軸6と、ピニオン軸6に噛み合う前輪転舵軸としてのラックバー7と、ラックバー7の両端に連結された一対のタイロッド8と、各タイロッド8に対応するナックルアーム(図示せず)を介して連結された左右の前輪9とを備えている。
図1は本発明の一実施形態の後輪操舵装置を含む四輪操舵装置の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、四輪操舵装置1は、前輪操舵装置2と、後輪操舵装置3とを備えている。
前輪操舵装置2は、ステアリングホイール等の操舵部材4に連結されたステアリングシャフト5と、図示しない中間軸を介してステアリングシャフト5に連結されたピニオン軸6と、ピニオン軸6に噛み合う前輪転舵軸としてのラックバー7と、ラックバー7の両端に連結された一対のタイロッド8と、各タイロッド8に対応するナックルアーム(図示せず)を介して連結された左右の前輪9とを備えている。
ラックバー7は、車体Bに取り付けられたハウジング10によって、図示しない複数の軸受を介して軸方向に直線往復動可能に支持されている。ラックバー7の両端部はハウジング10の両側へ突出し、各端部にはそれぞれタイロッド8が連結されている。
ピニオン軸6とラックバー7とにより、前輪転舵機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。ステアリングシャフト5は、操舵部材4に連なる入力軸5aと、ピニオン軸6に連なる出力軸5bとに分割されている。これら入力軸5aおよび出力軸5bはトーションバー5cを介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ピニオン軸6とラックバー7とにより、前輪転舵機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。ステアリングシャフト5は、操舵部材4に連なる入力軸5aと、ピニオン軸6に連なる出力軸5bとに分割されている。これら入力軸5aおよび出力軸5bはトーションバー5cを介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
操舵部材4を操作することによりステアリングシャフト5が回転する。このステアリングシャフト5の回転は、ピニオン軸6に形成されたピニオン6aおよびラックバー7に形成されたラック7aを介してラックバー7の軸方向への直線往復運動に変換される。これにより、前輪9の転舵が達成される。
また、前輪操舵装置2は、電動パワーステアリング装置として構成されている。操舵部材4に与えられる操舵トルクは、入力軸5aおよび出力軸5b間の相対回転変位量に基づいて、ステアリングシャフト5の近傍に設けられたトルクセンサ11が検出する。トルクセンサ11により検出されたトルクTは、制御装置としてのECU12(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)に与えられる。ECU12は、検出されたトルクTや車速センサ13から与えられる車速Vに基づいて、駆動回路(図示せず)を介して操舵補助用の電動モータ14を駆動制御する。
また、前輪操舵装置2は、電動パワーステアリング装置として構成されている。操舵部材4に与えられる操舵トルクは、入力軸5aおよび出力軸5b間の相対回転変位量に基づいて、ステアリングシャフト5の近傍に設けられたトルクセンサ11が検出する。トルクセンサ11により検出されたトルクTは、制御装置としてのECU12(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)に与えられる。ECU12は、検出されたトルクTや車速センサ13から与えられる車速Vに基づいて、駆動回路(図示せず)を介して操舵補助用の電動モータ14を駆動制御する。
ECU12の制御によって出力される電動モータ14の回転は、駆動ギヤ15aおよび被動ギヤ15bを有する減速機15により減速され、ステアリングシャフト5の出力軸5bに伝達される。出力軸5bに伝達された力は、ピニオン軸6を介してラックバー7に伝達される。これにより操舵が補助される。
また、ECU12には、操舵部材4の操舵角θhを検出する操舵角検出手段(操舵方向検出手段)としての操舵角センサ16からの信号と、車両の前後方向の加速度Gを検出する加速度検出手段としての加速度センサ17からの信号とが入力されるようになっている。
また、ECU12には、操舵部材4の操舵角θhを検出する操舵角検出手段(操舵方向検出手段)としての操舵角センサ16からの信号と、車両の前後方向の加速度Gを検出する加速度検出手段としての加速度センサ17からの信号とが入力されるようになっている。
後輪操舵装置3は、車体Bによって第1ピボット軸21の回りに揺動可能に支持され、た第1支持部材22と、第1支持部材22を介して車体Bにトー方向に揺動可能に支持された第1後輪としての左後輪23と、第1支持部材22をトーアウト方向Y1およびトーイン方向Y2にそれぞれ付勢する油圧を発生する第1トーアウト油室24および第1トーイン油室25と、第1トーアウト油室24と第1トーイン油室25とを接続する閉油路である第1油路としての左油路26とを備えている。
第1支持部材22は、一端が第1ピボット軸21の回りに揺動可能に支持され、他端が、ハブユニット27を介して、左後輪23を回転可能に支持している。第1支持部材22は、ハブユニット27を車体Bに支持するアッパーアームおよびロアーアームに相当する。第1支持部材22のトー方向の揺動範囲は、第1支持部材22に当接可能に車体Bに固定された規制部材(図示せず)によって所定角度範囲に規制されている。例えば、所定角度範囲は、ホームポジションを基準にしてトーアウト方向およびトーイン方向に角度βずつの角度範囲であってもよい。角度βは、1°以上2°以下の所定値に設定されていてもよい。
ハブユニット27は、第1支持部材22の他端に固定された外輪28(固定輪)と、外輪28に例えばDAC(Double Angular Contact Ball Bearing :複列アンギュラコンタクト玉軸受)等の軸受90を介して回転可能に支持された内輪29(回転輪)とを備えている。左後輪23のホイール23aが、内輪29の一端に設けられたフランジ30に一体回転可能に固定されている。
ハブユニット27の外輪28には、車体Bの前方に向けて、第1トーアウト油室24が設けられ、車体Bの後方に向けて、第1トーイン油室25が配置されている。第1トーアウト油室24は、外輪28に設けられた有底の円筒孔に摺動可能に収容されたピストン31によって封止されている。また、車体Bに固定された端部材32とピストン31との間に介在した例えば圧縮コイルばね等の弾性部材からなる付勢部材33が、ピストン31を第1トーアウト油室24を収縮する方向に弾性的に付勢している。
第1トーイン油室25は、外輪28に設けられた有底の円筒孔に摺動可能に収容されたピストン34によって封止されている。また、車体Bに固定された端部材35とピストン34との間に介在した例えば圧縮コイルばね等の弾性部材からなる付勢部材36が、ピストン34を第1トーイン油室25を収縮する方向に弾性的に付勢している。
第1油路としての左油路26は、第1トーアウト油室24の底部と第1トーイン油室25の底部とを連通する管路によって構成されている。
第1油路としての左油路26は、第1トーアウト油室24の底部と第1トーイン油室25の底部とを連通する管路によって構成されている。
後輪操舵装置3は、車体Bによって第2ピボット軸41の回りに揺動可能に支持され、た第2支持部材42と、第2支持部材42を介して車体Bにトー方向に揺動可能に支持された第2後輪としての右後輪43と、第2支持部材42をトーアウト方向Y1およびトーイン方向Y2にそれぞれ付勢する油圧を発生する第2トーアウト油室44および第2トーイン油室45と、第2トーアウト油室44と第2トーイン油室45とを接続する閉油路である第2油路としての右油路46とを備えている。
第2支持部材42は、一端が第2ピボット軸41の回りに揺動可能に支持され、他端が、ハブユニット47を介して、右後輪43(第2後輪)を回転可能に支持している。第2支持部材42は、ハブユニット47を車体Bに支持するアッパーアームおよびロアーアームに相当する。第2支持部材42のトー方向の揺動範囲は、第2支持部材42に当接可能に車体Bに固定された規制部材(図示せず)によって所定角度範囲に規制されている。例えば、所定角度範囲は、ホームポジションを基準にしてトーアウト方向およびトーイン方向に角度βずつの角度範囲であってもよい。角度βは、1°以上2°以下の所定値に設定されていてもよい。
ハブユニット47は、第2支持部材42の他端に固定された外輪48(固定輪)と、外輪48に例えばDAC(Double Angular Contact Ball Bearing :複列アンギュラコンタクト玉軸受)等の軸受90を介して回転可能に支持された内輪49(回転輪)とを備えている。右後輪43のホイール43aが、内輪49の一端に設けられたフランジ50に一体回転可能に固定されている。
ハブユニット47の外輪48には、車体Bの前方に向けて、第2トーアウト油室44が設けられ、車体Bの後方に向けて、第2トーイン油室45が配置されている。第2トーアウト油室44は、外輪48に設けられた有底の円筒孔に摺動可能に収容されたピストン51によって封止されている。また、外輪48の外周に固定された端部材52とピストン51との間に介在した例えば圧縮コイルばね等の弾性部材からなる付勢部材53が、ピストン51を第2トーアウト油室44を収縮する方向に弾性的に付勢している。
第2トーイン油室45は、外輪48に設けられた有底の円筒孔に摺動可能に収容されたピストン54によって封止されている。また、車体Bに固定された端部材55とピストン54との間に介在した例えば圧縮コイルばね等の弾性部材からなる付勢部材56が、ピストン54を第2トーイン油室45を収縮する方向に弾性的に付勢している。
第2油路としての右油路46は、第2トーアウト油室44の底部と第2トーイン油室45の底部とを連通する管路によって構成されている。
第2油路としての右油路46は、第2トーアウト油室44の底部と第2トーイン油室45の底部とを連通する管路によって構成されている。
また、後輪操舵装置3は、左油路26および右油路46を開閉する弁装置60を備えている。弁装置60は、左油路26の中途部と右油路46の中途部に跨がる態様に配置されており、各油路26,46の連通、遮断を司る。
ECU12は、操舵角センサ16により検出された操舵方向と、車速センサ13により検出された車速Vと、加速度センサ17により検出される車両の加速度G(車両の加減速)とに基づいて、弁装置60の動作を制御する機能を有している。
ECU12は、操舵角センサ16により検出された操舵方向と、車速センサ13により検出された車速Vと、加速度センサ17により検出される車両の加速度G(車両の加減速)とに基づいて、弁装置60の動作を制御する機能を有している。
弁装置60は、図1に示すように左油路26および右油路46の双方を遮断する第1状態と、図2、図5に示すように左油路26を遮断し且つ右油路46を連通する(すなわち右油路46のみを開放する)第2状態と、図3、図4に示すように左油路26を連通し且つ右油路46を遮断する(すなわち左油路26のみを開放する)第3状態とに択一的に切り換え可能な電磁弁である。
車両が前輪駆動車である場合と後輪駆動車である場合とで、ECU12による弁装置60の制御が異なる。本実施形態では、車両が前輪駆動車である(すなわち、左後輪23および右後輪43が非駆動輪である)場合に則して説明する。
次いで、図6はECU12の後輪操舵に関する制御の流れを示している。ステップS1において、各センサからの出力値が読み込まれる。次いで、ステップS2において、検出された操舵角θhの絶対値|θh|が、所定値θa以下(|θh|≦θa)か否かが判定される。所定値θaは、例えばθa=5°(操舵部材2の遊びに相当)とされる。すなわち、|θh|≦θaは、実質的に車両が、直進走行している場合に相当する。
次いで、図6はECU12の後輪操舵に関する制御の流れを示している。ステップS1において、各センサからの出力値が読み込まれる。次いで、ステップS2において、検出された操舵角θhの絶対値|θh|が、所定値θa以下(|θh|≦θa)か否かが判定される。所定値θaは、例えばθa=5°(操舵部材2の遊びに相当)とされる。すなわち、|θh|≦θaは、実質的に車両が、直進走行している場合に相当する。
ステップS2において、検出された操舵角θh の絶対値|θh|が、所定の閾値θa以下(|θh|≦θa)の場合(ステップS2においてYESの場合)は、ステップS3のホームポジション自動復帰モードに移行する。検出された操舵角θhの絶対値|θh|が、所定の閾値θa を超える(|θh|>θa)場合(ステップS2において、NOの場合)は、ステップS4の車両姿勢制御モードに移行する。
次いで、図7は車両姿勢制御モードにおける制御の流れを示している。図7を参照して、車両姿勢制御モードでは、まず、ステップP1において、車速Vが所定値Va(例えばVa=50Km/時)以下であるか否かが判定される。
ステップP1において、車速Vが所定値Vaを超えると判定された場合(ステップP1において、NOの場合)には、ステップP8に進んで、弁装置60を、両油路26,46を遮断する第1状態(図1参照)に切り換える。すなわち、車両が所定値Va(例えばVa=50Km/時)を超える高速で走行している場合は、両後輪23,43のトー方向への揺動が禁止される。
ステップP1において、車速Vが所定値Vaを超えると判定された場合(ステップP1において、NOの場合)には、ステップP8に進んで、弁装置60を、両油路26,46を遮断する第1状態(図1参照)に切り換える。すなわち、車両が所定値Va(例えばVa=50Km/時)を超える高速で走行している場合は、両後輪23,43のトー方向への揺動が禁止される。
ステップP1において、車速Vが所定値Va以下であると判定された場合(ステップP1において、YESの場合)には、ステップP2に進み、加速度センサ17により検出された加速度Gに基づいて、車両が加速中(G>0)か否かが判定される。
ステップP2において、加速中(G>0)であると判定された場合(ステップP2において、YESの場合)には、ステップP3に進み、操舵角センサ16により検出された操舵角θh に基づいて左操舵(左方向への操舵)であるか否かが判定される。ステップP3において、左操舵であると判定された場合(ステップP3においてYESの場合)には、ステップP4に進んで、弁装置60を図2に示す第2状態(右油路46のみを開放する状態)に切り換える。
ステップP2において、加速中(G>0)であると判定された場合(ステップP2において、YESの場合)には、ステップP3に進み、操舵角センサ16により検出された操舵角θh に基づいて左操舵(左方向への操舵)であるか否かが判定される。ステップP3において、左操舵であると判定された場合(ステップP3においてYESの場合)には、ステップP4に進んで、弁装置60を図2に示す第2状態(右油路46のみを開放する状態)に切り換える。
すなわち、左操舵の加速時には、旋回内輪である左後輪23に対応する左油路26を遮断し、旋回外輪である右後輪43に対応する右油路46を開放する。これにより、旋回内側の左後輪23のトー方向の揺動が規制される一方、旋回外側の右後輪43のトー方向の揺動が可能となる。
車両が加速中なので、図2に示すように、トー方向への揺動が許容されている旋回外側の右後輪43が、車体Bに対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えば左コーナーからの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の左旋回ラインに沿わせることができる。また、右後輪43のトーアウト方向への変位に伴って、収縮する第2トーイン油室45から排出された作動油が、右油路46を介して、拡張する第2トーアウト油室44へ供給される。
車両が加速中なので、図2に示すように、トー方向への揺動が許容されている旋回外側の右後輪43が、車体Bに対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えば左コーナーからの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の左旋回ラインに沿わせることができる。また、右後輪43のトーアウト方向への変位に伴って、収縮する第2トーイン油室45から排出された作動油が、右油路46を介して、拡張する第2トーアウト油室44へ供給される。
一方、ステップP3において、左操舵でないと判定された場合(ステップP3においてNOの場合)には、右操舵であるので、ステップP7に進んで、弁装置60を図3に示す第3状態(左油路26のみを開放する状態)に切り換える。
すなわち、右操舵の加速時には、旋回内輪である右後輪43に対応する右油路46を遮断し、旋回外輪である左後輪23に対応する左油路26を連通する。これにより、旋回内側の右後輪43のトー方向の揺動が規制される一方、旋回外側の左後輪23のトー方向の揺動が可能となる。
すなわち、右操舵の加速時には、旋回内輪である右後輪43に対応する右油路46を遮断し、旋回外輪である左後輪23に対応する左油路26を連通する。これにより、旋回内側の右後輪43のトー方向の揺動が規制される一方、旋回外側の左後輪23のトー方向の揺動が可能となる。
車両が加速中なので、図3に示すように、トー方向への揺動が許容されている旋回外側の左後輪23が、車体Bに対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えば右コーナーからの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の右旋回ラインに沿わせることができる。また、左後輪23のトーアウト方向への変位に伴って、収縮する第1トーイン油室25から排出された作動油が、左油路26を介して、拡張する第1トーアウト油室24へ供給される。
また、ステップP2において、加速中(G>0)でないと判定された場合(ステップP2において、NOの場合)には、ステップP5に進み、車両が減速中(G<0)か否かが判定される。ステップP5において、車両が減速中(G<0)であると判定された場合には、ステップP6に進んで、左操舵か否かが判定される。
ステップP6において、左操舵であると判定された場合(ステップP6において、YESの場合)には、ステップP7に進んで、弁装置60を図4に示す第3状態(左油路26のみを開放する状態)に切り換える。
ステップP6において、左操舵であると判定された場合(ステップP6において、YESの場合)には、ステップP7に進んで、弁装置60を図4に示す第3状態(左油路26のみを開放する状態)に切り換える。
すなわち、左操舵の減速時には、旋回外輪である右後輪43に対応する右油路46を遮断し、旋回内輪である左後輪23に対応する左油路43を開放する。これにより、旋回外側の右後輪43のトー方向の揺動が規制される一方、旋回内輪の左後輪23のトー方向の揺動が可能となる。
車両が減速中なので、図4に示すように、トー方向の揺動が許容されている旋回内輪の左後輪23が、制動力によって車体Bに対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えば、左コーナリング中に減速する場合に、従来、生じていたオーバーステアー傾向を抑制して、車両を所望の左旋回ラインに沿わせることができる。また、左後輪23のトーアウト方向への変位に伴って、収縮する第1トーイン油室25から排出された作動油が、左油路26を介して、拡張する第1トーアウト油室24へ供給される。
車両が減速中なので、図4に示すように、トー方向の揺動が許容されている旋回内輪の左後輪23が、制動力によって車体Bに対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えば、左コーナリング中に減速する場合に、従来、生じていたオーバーステアー傾向を抑制して、車両を所望の左旋回ラインに沿わせることができる。また、左後輪23のトーアウト方向への変位に伴って、収縮する第1トーイン油室25から排出された作動油が、左油路26を介して、拡張する第1トーアウト油室24へ供給される。
一方、ステップP6において、左操舵でないと判定された場合(ステップP6において、NOの場合)には、ステップP4に進んで、弁装置60を図5に示す第2状態(右油路46のみを開放する状態)に切り換える。
すなわち、右操舵の減速時には、旋回外輪である左後輪23に対応する左油路26を遮断し、旋回内輪である右後輪26に対応する右油路46を開放する。これにより、旋回外側の左後輪23のトー方向の揺動が規制される一方、旋回内輪の右後輪43のトー方向の揺動が可能となる。
すなわち、右操舵の減速時には、旋回外輪である左後輪23に対応する左油路26を遮断し、旋回内輪である右後輪26に対応する右油路46を開放する。これにより、旋回外側の左後輪23のトー方向の揺動が規制される一方、旋回内輪の右後輪43のトー方向の揺動が可能となる。
車両が減速中なので、図5に示すように、トー方向の揺動が許容されている旋回内輪の右後輪43が、制動力によって車体Bに対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えば、右コーナリング中に減速する場合に、従来、生じていたオーバーステアー傾向を抑制して、車両を所望の右旋回ラインに沿わせることができる。また、右後輪43のトーアウト方向への変位に伴って、収縮する第2トーイン油室45から排出された作動油が、右油路46を介して、拡張する第2トーアウト油室44へ供給される。
このように、図2,図3に示す加速中では、旋回外側の後輪がトーアウト方向に変位して旋回性を増す(すなわちアンダーステア傾向を抑制する)のに対して、図4および図5に示す減速中では、旋回内側の後輪がトーアウト方向に変位して旋回性を抑制する(オーバーステア傾向を抑制する)点が異なる。
次いで、図8はホームポジション自動復帰モードにおける制御の流れを示している。車両が実質的に直進走行している場合に実行されるホームポジション自動復帰モードでは、まず、ステップQ1において、加速度センサ17によって検出された加速度Gに基づいて、車両が加速中(G>0)か否かを判定する。
次いで、図8はホームポジション自動復帰モードにおける制御の流れを示している。車両が実質的に直進走行している場合に実行されるホームポジション自動復帰モードでは、まず、ステップQ1において、加速度センサ17によって検出された加速度Gに基づいて、車両が加速中(G>0)か否かを判定する。
ステップQ1において、車両が加速中(G>0)である判定された場合(ステップQ1においてYESの場合)には、ステップQ2に進み、弁装置60を所定時間(例えば0.1〜1秒程度の微小時間)、左油路26のみを開放する第3状態に切り換えて、左後輪23をセルフアライメントトルクによってホームポジションに自動的に復帰させる。
一方、ステップQ1において、車両が加速中(G>0)でないと判定された場合(ステップQ1においてNOの場合)には、ステップQ3に進み、車両が減速中(G<0)か否かが判定される。ステップQ3において、車両が減速中(G<0)であると判定された場合(ステップQ3においてYESの場合)には、ステップQ4に進み、弁装置60を所定時間(例えば0.1〜1秒程度の微小時間)、右油路46のみを開放する第2状態に切り換えて、右後輪43をセルフアライメントトルクによってホームポジションに自動的に復帰させる。
一方、ステップQ1において、車両が加速中(G>0)でないと判定された場合(ステップQ1においてNOの場合)には、ステップQ3に進み、車両が減速中(G<0)か否かが判定される。ステップQ3において、車両が減速中(G<0)であると判定された場合(ステップQ3においてYESの場合)には、ステップQ4に進み、弁装置60を所定時間(例えば0.1〜1秒程度の微小時間)、右油路46のみを開放する第2状態に切り換えて、右後輪43をセルフアライメントトルクによってホームポジションに自動的に復帰させる。
他方、ステップQ3において、車両が減速中(G<0)でないと判定された場合(ステップQ3においてNOの場合)には、弁装置60を両油路26,46の連通を遮断する第1状態に切り換えて、両後輪23,43をトー方向のホームポジションにロックする。
本実施形態によれば、車両姿勢制御モードにおいて、加速力、減速力を用いて、旋回外側の後輪23または43をトーアウトさせたり、トーインさせるので、従来用いていた後輪の転舵アクチュエータが不要であり、構造が簡単である。また、特許文献1のように後輪が駆動輪である必要がなく、適用範囲が広い。
本実施形態によれば、車両姿勢制御モードにおいて、加速力、減速力を用いて、旋回外側の後輪23または43をトーアウトさせたり、トーインさせるので、従来用いていた後輪の転舵アクチュエータが不要であり、構造が簡単である。また、特許文献1のように後輪が駆動輪である必要がなく、適用範囲が広い。
また、両後輪23,43が非駆動輪である、前輪駆動の車両の加速時に、弁装置60が、旋回外側の後輪23または43に対応する油路26または46を開放する(すなわち、左操舵のときは右油路46を開放し、右操舵のときは左油路26を開放を開放する)ので、その旋回外側の後輪23または43が車体に対して後方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えばコーナーの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の旋回ラインに沿わせることができる。
また、両後輪23,43が非駆動輪である、前輪駆動の車両の減速時に、弁装置60が、旋回内側の後輪23または43に対応する油路26または46を開放する(すなわち、左操舵のときは左油路26を開放し、右操舵のときは右油路46を開放する)ので、その旋回内側の後輪が車体に対して前方へ引っ張られて、トーアウト方向に変位する。例えば、コーナーリング中に減速する場合に、従来、生じていたオーバーステア傾向を抑制して、車両を所望の旋回ラインに沿わせることができる。
また、操舵角センサ16により検出された操舵角θhの絶対値|θh|が所定値θaを超えるときに、すなわち、実質的に操舵されているときに、車両姿勢制御モードに移行し、所要の後輪をトー方向に変位させることができる。
また、車両が概ね直進しているときに、加速、減速に対応する油路26または46を、弁装置60によって開放させて、簡単な構造で各後輪23,43をセルフアライメントトルクによってホームポジションに自動的に復帰させて、その位置にロックすることができる。
また、車両が概ね直進しているときに、加速、減速に対応する油路26または46を、弁装置60によって開放させて、簡単な構造で各後輪23,43をセルフアライメントトルクによってホームポジションに自動的に復帰させて、その位置にロックすることができる。
また、弁装置60が、左油路26および右油路46を択一的に遮断する状態と、両油路26,46の双方を遮断する状態とに切り換え可能である。したがって、所要時に、各後輪23,43のトー方向の揺動を規制することができる。また、所要時に、両後輪23,43のトー方向の揺動を規制することができる。具体的には、高速走行時に、両後輪23,43のトー方向の揺動を禁止して、走行安定性を確保することができる。
次いで、図9は本発明のさらに別の実施形態を示している。本実施形態が図1の実施形態と異なるのは、下記である。すなわち、図1の実施形態では、各ハブユニット27,47の外輪28,48に、対応する油室24,25;44,45を設けていた。
これに対して、本実施形態の後輪操舵装置3Aでは、左後輪23に対応して、プランジャ71,72を備えている。プランジャ71は、左後輪23のハブユニット27Aの外輪28Aを介して第1支持部材22をトーアウト方向に付勢する第1トーアウト油室24Aを設けている。。プランジャ72は、ハブユニット27Aの外輪28Aを介して第1支持部材22をトーイン方向に付勢する第1トーイン油室25Aを設けている。
これに対して、本実施形態の後輪操舵装置3Aでは、左後輪23に対応して、プランジャ71,72を備えている。プランジャ71は、左後輪23のハブユニット27Aの外輪28Aを介して第1支持部材22をトーアウト方向に付勢する第1トーアウト油室24Aを設けている。。プランジャ72は、ハブユニット27Aの外輪28Aを介して第1支持部材22をトーイン方向に付勢する第1トーイン油室25Aを設けている。
各プランジャ71,72は、シリンダ73,74と、シリンダ73,74内に摺動可能に収容されたピストン31A,34Aと、ピストン31A,34Aと一体移動し、先端がシリンダ73,74から突出して外輪28Aを押圧するロッド75,76とを備えている。ピストン31Aは、シリンダ73内に収容された付勢部材33Aによって、第1トーアウト油室24Aを収縮する方向に付勢されている。ピストン34Aは、シリンダ74内よ収容された付勢部材36Aによって、第1トーイン油室25Aを収縮する方向に付勢されている。
また、本実施形態の後輪操舵装置3Aでは、右後輪43に対応して、プランジャ81,82を備えている。プランジャ81は、右後輪43のハブユニット47Aの外輪48Aを介して第2支持部材42をトーアウト方向に付勢する第2トーアウト油室44Aを設けている。プランジャ82は、ハブユニット47Aの外輪48Aを介して第2支持部材42をトーイン方向に付勢する第2トーイン油室45Aを設けている。
各プランジャ81,82は、シリンダ83,84と、シリンダ83,84内に摺動可能に収容されたピストン51A,54Aと、ピストン51A,54Aと一体移動し、先端がシリンダ53,54から突出して外輪48Aを押圧するロッド85,86とを備えている。ピストン51Aは、シリンダ83内に収容された付勢部材53Aによって、第2トーアウト油室44Aを収縮する方向に付勢されている。ピストン54Aは、シリンダ84内よ収容された付勢部材56Aによって、第2トーイン油室45Aを収縮する方向に付勢されている。本実施形態の構成要素において、図1の実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図1の実施形態の構成要素と同じ参照符号を付してある。
本実施形態においても、図1の実施形態と同じ作用効果を奏することができる。すなわち、加速力、減速力を用いて、旋回外側の後輪23または43をトーアウトさせたり、トーインさせるので、従来用いていた後輪の転舵アクチュエータが不要であり、構造が簡単である。また、特許文献1のように後輪が駆動輪である必要がなく、適用範囲が広い。さらに、汎用性のあるプランジャ71,72,81,82を用いることで、製造コストを安くすることができる。
なお、本発明は各前記実施形態に限定されるものではなく、例えば前記実施形態では、車両が前輪駆動車である場合に則して説明したが、図7の車両姿勢制御モードにおけるステップP3を図10のステップP3’に変更するのみで、本発明を後輪駆動車に適用することができる。
具体的には、前輪駆動車に対応する図7の実施形態では、加速時で左操舵の場合(ステップP3でYESの場合)に、ステップP4に進んで右油路46のみを開放する第2状態に切り換え、加速時で右操舵の場合(ステップP3でNOの場合)に、ステップP7に進んで左油路26のみを開放する第3状態に切り換えていた。
具体的には、前輪駆動車に対応する図7の実施形態では、加速時で左操舵の場合(ステップP3でYESの場合)に、ステップP4に進んで右油路46のみを開放する第2状態に切り換え、加速時で右操舵の場合(ステップP3でNOの場合)に、ステップP7に進んで左油路26のみを開放する第3状態に切り換えていた。
これに対して、図10の実施形態では、加速時で左操舵の場合(ステップP3’でYESの場合)に、ステップP7に進んで左油路26のみを開放する第3状態に切り換え、加速時で右操舵の場合(ステップP3’でNO場合)に、ステップP4に進んで右油路46のみを開放する第2状態に切り換える。
すなわち、後輪駆動車の場合、左操舵の加速時には、図11に示すように、トー方向の揺動が許容されている旋回内側の左後輪23が、車体Bに対し前方へ引っ張られて、トーイン方向に変位する。例えば左コーナーの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の左旋回ラインに沿わせることができる。また、左後輪23のトーイン方向への変位に伴って、収縮する第1トーアウト油室24から排出された作動油が、左油路26を介して、拡張する第1トーイン油室25へ供給される。
すなわち、後輪駆動車の場合、左操舵の加速時には、図11に示すように、トー方向の揺動が許容されている旋回内側の左後輪23が、車体Bに対し前方へ引っ張られて、トーイン方向に変位する。例えば左コーナーの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の左旋回ラインに沿わせることができる。また、左後輪23のトーイン方向への変位に伴って、収縮する第1トーアウト油室24から排出された作動油が、左油路26を介して、拡張する第1トーイン油室25へ供給される。
また、後輪駆動車の場合、右操舵の加速時には、図12に示すように、トー方向の揺動が許容されている旋回内側の右後輪43が、車体Bに対し前方へ引っ張られて、トーイン方向に変位する。例えば右コーナーの出口付近で加速する場合に、従来、生じていたアンダーステアー傾向を抑制して、車両を所望の右旋回ラインに沿わせることができる。また、右後輪43のトーイン方向への変位に伴って、収縮する第2トーアウト油室44から排出された作動油が、右油路46を介して、拡張する第2トーイン油室45へ供給される。
車両姿勢制御モードにおいて、後輪駆動車の減速時の場合の制御は、前輪駆動車の減速時の場合の制御と同じである。
また、前記実施形態において、各後輪のホームポジションは、車体Bの前後方向に沿うように設定されていてもよいし、トーアウト位置に設定されていてもよい。その他、本発明の請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
また、前記実施形態において、各後輪のホームポジションは、車体Bの前後方向に沿うように設定されていてもよいし、トーアウト位置に設定されていてもよい。その他、本発明の請求項記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
1…四輪操舵装置、2…前輪操舵装置、3;3A…後輪操舵装置、4…操舵部材、12…ECU、13…車速センサ(車速検出手段)、16…操舵角センサ(操舵方向検出手段)、17…加速度センサ(加速度検出手段)、21…第1ピボット軸、22…第1支持部材、23…左後輪(第1後輪)、23a…ホイール、24;24A…第1トーアウト油室、25;25A…第1トーイン油室、26…左油路(第1油路)、27…ハブユニット、28…外輪、31;31A…ピストン、33;33A…付勢部材、34;34A…ピストン、36;36A…付勢部材、41…第2ピボット軸、42…第4支持部材、43…右後輪(第2後輪)、43a…ホイール、44;44A…第2トーアウト油室、45;45A…第2トーイン油室、46…右油路(第2油路)、47…ハブユニット、48…外輪、51;51A…ピストン、53;53A…付勢部材、54;54A…ピストン、56;56A…付勢部材、60…弁装置、71,72;81,82…プランジャ、73,74;83,84…シリンダ、θh…操舵角、V…車速、G…加速度
Claims (8)
- 第1後輪を支持し、車体にトー方向に揺動可能に支持された第1支持部材と、
第2後輪を支持し、車体にトー方向に揺動可能に支持された第2支持部材と、
前記第1支持部材をトーアウト方向およびトーイン方向にそれぞれ付勢する油圧を発生する第1トーアウト油室および第1トーイン油室と、
前記第1トーアウト油室と前記第1トーイン油室とを接続する第1油路と、
前記第2支持部材をトーアウト方向およびトーイン方向にそれぞれ付勢する油圧を発生する第2トーアウト油室および第2トーイン油室と、
前記第2トーアウト油室と前記第2トーイン油室とを接続する第2油路と、
前記第1油路および前記第2油路のそれぞれの流通を制御する弁装置と、
車両の操舵方向を検出する操舵方向検出手段と、
車両の前後方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記弁装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記操舵方向検出手段により検出された操舵方向および前記加速度検出手段により検出された車両の加減速に基づいて、前記第1油路および前記第2油路の何れか一方のみを開放し、開放された油路に対応する後輪をトー方向に変位させるように、前記弁装置を制御する車両姿勢制御モードを有する後輪操舵装置。 - 請求項1において、前記第1後輪および前記第2後輪が、非駆動輪であり、
前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記加速度検出手段によって車両の加速が検出されたときに、前記第1油路および前記第2油路のうち旋回外側の後輪に対応する油路のみを開放して旋回外側の後輪をトーアウトさせるように、前記弁装置を制御する機能を有する後輪操舵装置。 - 請求項1において、前記第1後輪および前記第2後輪が、駆動輪であり、
前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記加速度検出手段によって車両の加速が検出されたときに、前記第1油路および前記第2油路のうち旋回内側の後輪に対応する油路のみを開放して旋回内側の後輪をトーインさせるように、前記弁装置を制御する機能を有する後輪操舵装置。 - 請求項1から3の何れか1項において、前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記加速度検出手段によって車両の減速が検出されたときに、前記第1油路および前記第2油路のうち旋回内側の後輪に対応する油路のみを開放して旋回内側の後輪をトーアウトさせるように、前記弁装置を制御する機能を有する後輪操舵装置。
- 請求項1から4の何れか1項において、前輪の操舵角を検出する操舵角検出手段を備え、
前記制御装置は、操舵角検出手段により検出された操舵角の絶対値が所定値を超えることを条件として、前記車両姿勢制御モードに移行する後輪操舵装置。 - 請求項5において、前記制御装置は、前記操舵角検出手段により検出された操舵角の絶対値が所定値以下であることを条件として、前記弁装置によって各油路を開放させて、各後輪をホームポジションに自動的に復帰させるホームポジション自動復帰モードに移行する後輪操舵装置。
- 請求項1から6の何れか1項において、前記弁装置は、前記第1油路および前記第2油路を択一的に遮断する状態と、前記第1油路および前記第2油路の双方を遮断する状態とに切り換え可能である後輪操舵装置。
- 請求項7において、車速を検出する車速検出手段を備え、
前記制御装置は、前記車両姿勢制御モードにおいて、前記車速検出手段によって検出された車速が所定値以上のときに、前記弁装置によって前記第1油路および前記第2油路の双方を遮断する状態に切り換える後輪操舵装置。
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WO2024095761A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | ソフトバンクグループ株式会社 | 効率ブレーキシステム |
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2012
- 2012-04-12 JP JP2012091304A patent/JP2013220664A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024095761A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | ソフトバンクグループ株式会社 | 効率ブレーキシステム |
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