JP2013220314A - 睡眠品質推定装置、睡眠品質推定方法及び睡眠品質推定用プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】より高精度で被験者の睡眠品質を推定することができる睡眠品質推定装置、睡眠品質推定方法及び睡眠品質推定用プログラムを提供する。
【解決手段】被験者の生理学的な指標を検出する呼吸センサ12と、呼吸センサ12が検出した指標に基づいて、睡眠中の被験者の睡眠の深さを示す睡眠深度を推定する睡眠段階推定部14と、睡眠段階推定部14が推定した睡眠中の被験者の睡眠深度から、睡眠中の被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の出現時間に基づいて被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定部18と、ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期のうち、被験者の最初の睡眠周期C1における特定の睡眠深度の滞留時間t1に基づいて、睡眠品質推定部18により推定されるδ波の出現時間を補正する補正部17と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】被験者の生理学的な指標を検出する呼吸センサ12と、呼吸センサ12が検出した指標に基づいて、睡眠中の被験者の睡眠の深さを示す睡眠深度を推定する睡眠段階推定部14と、睡眠段階推定部14が推定した睡眠中の被験者の睡眠深度から、睡眠中の被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の出現時間に基づいて被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定部18と、ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期のうち、被験者の最初の睡眠周期C1における特定の睡眠深度の滞留時間t1に基づいて、睡眠品質推定部18により推定されるδ波の出現時間を補正する補正部17と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明の一実施形態は、睡眠品質推定装置、睡眠品質推定方法及び睡眠品質推定用プログラムに関し、被験者の生理学的な指標から、被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定装置及び睡眠品質推定方法に関する。
睡眠中の睡眠の質を簡便に推定する手法が例えば特許文献1等に提案されている。特許文献1の手法では、睡眠状態が生理学的な指標から推定される。特許文献1の手法では、単位時間当たりの特定の睡眠段階の出現確率から、被験者の睡眠のリズムが推定される。特許文献1の手法では、被験者の睡眠のリズムを用いて、「睡眠のリズム」、「頭の休息」、「寝付きの良さ」などの睡眠の質が推定される。睡眠段階II以上がSWS(深睡眠)とされ、SWSの出現確率から睡眠の質が推定される。特許文献1の手法では、例えば、評価要素が「頭の休息」の場合、入床から上記SWSの出現比率が0%から立ち上がり、SWSの出現比率が例えば40%等の所定の閾値レベルS1を超え再び0%となった後、次にSWSの出現比率が立ち上がるまでの期間を1サイクルとされる。特許文献1の手法では、1サイクルごとに1サイクル内のSWSの出現比率の累計に従って評価点が算出され、各サイクルの評価点を合計したものが、「頭の休息」の評価となる。
特許文献1の技術は、睡眠中の深い睡眠の出現比率及び累積の出現時間により睡眠の質を評価するものである。しかしながら、特許文献1の技術では、睡眠の質に密接に関連するδ波の出現総量の絶対値が一意に定まらず、睡眠の質の相対的な変動量しか比較することができない。したがって、このような手法により被験者の睡眠の質を評価すると、被験者の実際の睡眠の質との誤差が大きい場合がある。そのため、さらなる改善が求められている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、より高精度で被験者の睡眠品質を推定することができる睡眠品質推定装置、睡眠品質推定方法及び睡眠品質推定用プログラムを提供することを目的とする。
本発明の睡眠品質推定装置は、被験者の生理学的な指標を検出する生理学的指標検出ユニットと、生理学的指標検出ユニットが検出した指標に基づいて、睡眠中の被験者の睡眠の深さを示す睡眠深度を推定する睡眠深度推定ユニットと、睡眠深度推定ユニットが推定した睡眠中の被験者の睡眠深度から、睡眠中の被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の出現時間に基づいて被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定ユニットと、ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期のうち、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて、睡眠品質推定ユニットにより推定されるδ波の出現時間を補正する補正ユニットと、を備える。
本発明の睡眠品質推定方法は、被験者の生理学的な指標を検出する生理学的指標検出工程と、生理学的指標検出工程が検出した指標に基づいて、睡眠中の被験者の睡眠の深さを示す睡眠深度を推定する睡眠深度推定工程と、睡眠深度推定工程において推定した睡眠中の被験者の睡眠深度から、睡眠中の被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の出現時間に基づいて被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定工程と、ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期のうち、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて、睡眠品質推定工程においえて推定されるδ波の出現時間を補正する補正工程と、を含む。
本発明の睡眠品質推定用プログラムコンピュータは、コンピュータを、被験者の生理学的な指標を検出する生理学的指標検出部と、生理学的指標検出部が検出した指標に基づいて、睡眠中の被験者の睡眠の深さを示す睡眠深度を推定する睡眠深度推定部と、睡眠深度推定部が推定した睡眠中の被験者の睡眠深度から、睡眠中の被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の出現時間に基づいて被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定部と、ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期のうち、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて、睡眠品質推定部により推定されるδ波の出現時間を補正する補正部と、して機能させる。
本発明の睡眠品質推定装置では、生理学的指標検出ユニットは、被験者の生理学的な指標を検出する。睡眠深度推定ユニットは、生理学的指標検出ユニットが検出した指標に基づいて、睡眠中の被験者の睡眠の深さを推定する。睡眠品質推定ユニットは、睡眠深度推定ユニットが推定した睡眠中の被験者の睡眠深度から、睡眠中の被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の出現時間に基づいて被験者の睡眠品質を推定する。このため、単に睡眠が深い時間帯を累積して睡眠の質を推定するような手法に比べて、睡眠の質により密接に関連しているδ波の出現時間に基づいてより高精度で被験者の睡眠品質を推定することができる。ここで、睡眠深度とは、被験者が睡眠している場合の眠りの深さのみでなく、被験者が覚醒している状態(すなわち、眠りの深さが最も浅い状態)も含む概念である。
また、被験者の睡眠負債が大きい場合(すなわち、寝不足の場合)、被験者の緊張状態である場合、被験者のストレスが大きい場合等にはδ波の出現の傾向が通常とは異なってくる。本発明の睡眠品質推定装置では、被験者の状態によって変化する被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて、睡眠品質推定ユニットにより推定されるδ波の出現時間が補正される。よって、このような発明によれば、被験者の睡眠負債が大きい状況等、特殊な状況にある場合であっても被験者の睡眠品質を精度良く推定することができる。
別の形態に係る睡眠品質推定装置では、睡眠周期と、該睡眠周期におけるδ波の出現確率とが関連付けられた標準モデルを記憶するデータベースを更に備え、睡眠品質推定ユニットは、データベースの標準モデルを参照して、被験者の睡眠周期に対応するδ波の出現確率と、被験者の特定の睡眠深度の滞留時間とに基づいて被験者のδ波の出現時間を推定し、補正ユニットは、標準モデルのδ波の出現確率を補正して睡眠品質推定ユニットにより推定されるδ波の出現時間を補正してもよい。
δ波の出現確率は、睡眠周期ごとに異なっている。そのため、被験者の睡眠周期に対応するδ波の出現確率と、被験者の特定の睡眠深度の滞留時間とに基づいて被験者のδ波の出現時間を推定することにより、高精度でδ波の出現時間を推定することができる。更に、被験者の睡眠負債が大きい等、特殊な状態である場合には、睡眠周期に対応するδ波の出現確率が変化するので、標準モデルのδ波の出現確率を補正して睡眠品質推定ユニットにより推定されるδ波の出現時間を補正することで、よりδ波の出現時間を精度良く推定することができ、その結果、被験者の睡眠品質を精度良く推定することができる。
別の形態に係る睡眠品質推定装置では、補正ユニットは、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が長い場合には、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が短い場合よりも、δ波の出現確率が高くなるように補正してもよい。
被験者の睡眠負債が大きい場合には、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が長くなる性質を有する。また、被験者の睡眠負債が高い場合には、特に最初の睡眠周期においてδ波の出現確率が高くなる性質を有する。よって、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が長い場合には、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が短い場合よりも、δ波の出現確率が高くなるように標準モデルを補正することで、よりδ波の出現時間を精度良く推定することができ、その結果、被験者の睡眠品質を精度良く推定することができる。
別の形態に係る睡眠品質推定装置では、補正ユニットは、最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間内での標準的なδ波の出現密度を示す第1δ波出現密度モデルの積分値と、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて第1δ波出現密度モデルを補正した第2δ波出現密度モデルの積分値と、を算出し、第1δ波出現密度モデルの積分値と第2δ波出現密度モデルの積分値との比に基づいて、標準モデルのδ波の出現確率を補正してもよい。
この場合には、被験者の睡眠負債等によって変化するδ波の出現密度に基づいて標準モデルの標準モデルのδ波の出現確率が補正されるので、よりδ波の出現時間を精度良く推定することができ、その結果、被験者の睡眠品質を精度良く推定することができる。
本発明の一実施形態の睡眠品質推定装置、睡眠品質推定方法及び睡眠品質推定用プログラムによれば、より高精度で被験者の睡眠品質を推定することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態の睡眠品質推定装置は、自動車に搭載されて仮眠後のドライバーの睡眠の質を推定する他、宿泊施設、医療機関、一般家庭に設置され、被験者の睡眠の質を推定する装置である。図1に示すように、本実施形態の睡眠品質推定装置10は、呼吸センサ(生理学的指標検出ユニット)12、睡眠段階推定部(睡眠深度推定ユニット)14、睡眠リズムモデルデータベース(データベース)16、補正部(補正ユニット)17、及び睡眠品質推定部(睡眠品質推定ユニット)18を備えている。
この睡眠品質推定装置10は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPUと、ROM及びRAMで構成される主記憶部と、ハードディスクなどで構成される補助記憶部とで構成される。図1に示す各機能は、CPUや主記憶部の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPUの制御の下で、主記憶部や補助記憶部におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部や補助記憶部内に格納される。
呼吸センサ12は、圧電素子等から構成される。呼吸センサ12は、医療用に用いられる歪ゲージ式呼吸センサの他、被験者のズボンのベルト等の被服に装着ものでもよい。呼吸センサ12は、被験者の生理学的指標の一つとして、被験者の胸部又は腹部の動作である呼吸波形を検出する。被験者の呼吸の他に、被験者の生理学的指標として、脳波、心拍あるいはその他の体動を検出することができる。しかし、被験者の呼吸は、被験者の地肌に多数の電極等のセンサを直接に接触させることなく、被験者の地肌に対して非接触で検出することが可能である点で優れている。
睡眠段階推定部14は、ハードウェアとしては、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備えた電子計算機により構成される。睡眠段階推定部14の機能は、電子計算機が本実施形態の睡眠品質推定用プログラムにより後述するような処理を実行することにより実現される。睡眠段階推定部14は、後述するような手法により、呼吸センサ12が検出した被験者の呼吸波形に基づいて、被験者の睡眠段階(睡眠深度)を推定する。睡眠段階推定部14は、被験者が睡眠段階I〜IVのいずれの睡眠段階であるかを推定する。ただし、睡眠段階推定部14が推定する被験者の睡眠段階は、必ずしも厳密なものである必要は無い。睡眠段階推定部14が推定する被験者の睡眠段階の精度は、ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの1つの睡眠周期ごとに、被験者の睡眠段階がδ波が出現する程度の深さである睡眠段階IIより深い段階に滞留する時間を認識できる程度の精度であれば良い。睡眠段階推定部14は、推定した被験者の睡眠段階の時系列の推移を示す情報を睡眠品質推定部18に出力する。
睡眠リズムモデルデータベース16は、HDD(Hard Disk Drive)等の情報を記録するハードウェアにより実現される。睡眠リズムモデルデータベース16は、ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期と、該睡眠周期におけるδ波の出現確率とが関連付けられた標準モデルが記憶されている。この標準モデルは、不特定多数の被験者の統計において、睡眠周期ごとに、所定値よりも深い睡眠段階での滞留時における標準的なδ波の出現確率を規定したものである。なお、睡眠リズムモデルデータベース16に記憶されるモデルは、特定の被験者の睡眠周期ごとに、所定値よりも深い睡眠段階での滞留時におけるδ波の出現確率を規定したものであってもよい。この場合には、特定の被験者に特化して睡眠の品質を推定することができる。また、睡眠リズムモデルデータベース16は、不特定多数の被験者の統計から得られた標準的な睡眠段階の時系列の変化を示す標準波形を記憶している。
図2に標準モデルの一例を示す。図2に示すように、標準モデルには、睡眠周期C1〜C4と、その睡眠周期C1〜C4におけるδ波の出現確率S1〜S4が対応付けられている。つまり、図2に示す標準モデルでは、最初の睡眠周期C1における深い睡眠段階(例えば、睡眠段階IIより深い睡眠段階)での滞留時間においては、65%の確率でδ波が出現することを示している(図2のS1参照)。第2〜第4の睡眠周期C2〜C4においても、同様にδ波の出現確率S2〜S4が対応付けられている。
補正部17は、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度での滞留時間に基づいて、睡眠品質推定部18により推定されるδ波の出現時間を補正する手段である。特定の睡眠深度とは、深い睡眠段階を示す睡眠深度であって、ここでは睡眠段階IIより深い睡眠段階を指す。補正部17は、睡眠リズムモデルデータベース16から標準モデルを示す情報を取得し、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて標準モデルを補正する。補正部17は、δ波の出現確率を補正したモデルを睡眠品質推定部18に出力する。
睡眠品質推定部18は、ハードウェアとしては、CPU、ROM及びRAM等を備えた電子計算機により構成される。睡眠品質推定部18の機能は、電子計算機が本実施形態の睡眠品質推定用プログラムにより後述するような処理を実行することにより実現される。睡眠品質推定部18は、睡眠段階推定部14が推定した被験者の睡眠段階から、睡眠中の被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の出現時間に基づいて被験者の睡眠品質を推定する手段である。被験者の睡眠品質を推定するにあたり、睡眠品質推定部18は、睡眠段階推定部14から出力された被験者の睡眠段階の時系列の推移を示す情報から、被験者の睡眠周期と睡眠中の被験者の睡眠段階II(特定の睡眠深度)より深い段階に滞留する時間である滞留時間とを取得する。そして、睡眠品質推定部18は、補正部17から出力されたモデルから被験者の睡眠周期に対応するδ波の出現確率を取得して、被験者の睡眠周期に対応するδ波の出現確率と、被験者の特定の睡眠深度における滞留時間とに基づいて被験者の睡眠品質を推定する。
以下、本実施形態の睡眠品質推定装置10による睡眠品質推定方法について説明する。図3に示すように、睡眠品質推定装置10の睡眠品質推定部18は、睡眠段階IIより深い睡眠段階の滞留時間であるAddUpTと、深い眠りの周期が廻った合計の回数であるStatusとを共に0にリセットし、被験者の呼吸波形を検出する(S101、生理学的指標検出工程)。睡眠品質推定部18は、被験者の起床時刻に達したか否かを判定する(S102)。起床時刻に達していないときは(S102)、睡眠品質推定装置10の睡眠段階推定部14は、被験者の睡眠段階を推定する(S103、睡眠深度推定工程)。
図4に示すように、一般に睡眠中の睡眠段階は、床についてから時間t0程度で睡眠段階IIより深い段階に到達する。この場合の睡眠はノンレム睡眠である。そして、睡眠段階IVの深い眠りの滞留時間が経過した後、レム睡眠の浅い眠りの時間帯に至る。ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの90分程度の周期が睡眠周期やウルトラディアン周期と呼ばれる。その後、同様の90分程度の周期でレム睡眠と深い眠りとノンレム睡眠とが繰り返される。徐々に睡眠段階は浅くなり、起床に至る。
本実施形態では、呼吸センサ12は、図5に示すような呼吸波形Bを検出する。呼吸波形Bの波長は、図5及び図6のt1〜tnに示すようにバラツキがある。睡眠段階推定部14は、図7に示すようなベクトル平面において、呼吸波形Bについての所定の特徴量である変数X1,X2をプロットし、サポートベクターマシン等の学習モデルにより、被験者の睡眠段階を推定する。学習モデルの校正は、脳波等により得られた統計値により行うことができる。変数X1,X2の数は3個以上として、3次元以上のベクトル空間で用いることができる。
呼吸波形Bの特徴量である変数X1,X2等としては、例えば呼吸波形Bの60秒間の波長t1〜tnのゆらぎ、波長t1〜tnの重心、波長t1〜tnの平均、波長t1〜tnの標準偏差、あるいは呼吸波形Bの60秒間の振幅のゆらぎ、振幅の重心、振幅の平均、振幅の標準偏差とすることができる。
呼吸波形Bの特徴量である変数X1,X2等としては、呼吸重心周波数を用いることもできる。これは、呼吸波形Bの内で0.15Hz〜0.5Hzの間の周波数成分の値であり、この呼吸重心周波数が大きな値から小さな値となると、睡眠段階が浅い段階から深い段階になることを表すものである。
呼吸の周期は0.15Hz〜0.5Hzである。すなわち、6〜2秒に一回の呼吸が行われている。したがって、呼吸重心周波数のような呼吸波形Bの特徴量を推定する際には、これ以上の分解能で推定演算をする必要な無いため、この範囲で呼吸波形Bの特徴量の推定演算を行えば良い。本実施形態では、例えば10秒、20秒、30秒及び60秒ごとに呼吸波形Bの特徴量についての推定演算が行われる。例えば、30秒間隔で推定値を出力する場合、10秒ごとに推定した結果を多数決の原理に従って推定結果とすることで精度を高めることが可能である。例えば、10秒ごとの推定結果がA,A,Bと分かれた場合は、30秒間隔で出力する推定値は、上述の多数決の原理に従って推定値「A」が出力される。
睡眠段階推定部14は、以下の表1に示すように、例えば、呼吸波形Bについての様々な特徴量の平均値である8個の変数や、さらに呼吸波形Bの様々な特徴量の分散を加えた13個の変数を設定し、これらの変数による8次元ベクトル空間や13次元ベクトル空間においてサポートベクターマシンにより、被験者の睡眠段階を推定することができる。
図3に戻り、睡眠段階推定部14が推定した被験者の睡眠段階が睡眠段階IIよりも深い眠りである場合は(S104)、睡眠品質推定部18は、AddUpTを計時する(S105)。深い睡眠段階の滞留時間であるAddUpTが、睡眠周期である90分程度に設定された閾値であるTHContinuanceより長くなるまで(S106)、睡眠品質推定部18は、AddUpTの計時を続行する(S104,S105)。AddUpTが、THContinuanceに1加算した値より長くなったときは(S107)、睡眠品質推定部18は、深い眠りの周期が廻った合計の回数であるStatusに1を加算する(S108)。
図4に示すように、一般に睡眠周期が過ぎた場合には、睡眠段階は浅くなる。そのため、睡眠段階推定部14は、被験者が深い眠りではないと判定する(S104)。睡眠品質推定部18は、深い睡眠段階の滞留時間であるAddUpTを深い眠りの周期が廻った合計の回数であるStatusに関連付けて記録し、AddUpTを0にリセットする。このようにして、起床時刻に達するまで(S102)、S102〜S109の処理が、睡眠周期ごとに実行される。起床時刻に達したときは(S102)、睡眠品質推定部18は、深い睡眠段階の滞留時間であるAddUpTの記録と、睡眠リズムモデルデータベース16に記録されたモデルとに基づいて、被験者の睡眠の質を推定する(S110、睡眠品質推定工程)。
睡眠の質は、深い睡眠の領域で出現するδ波の累積出現時間に依存する。睡眠中のδ波の累積出現時間は、仮眠の回数等に関わらず、一般に1日ごとに総時間がほぼ一定値である。一日を経過すると、δ波の一日の累積出現時間は前日の状況に関わらずに同じ一定値に戻る。睡眠中のδ波の累積出現時間により、睡眠の質を推定することができると考えられる。人間の生体リズムであるウルトラディアンリズムは約90分で1周期であるため、睡眠周期ごとに、深い睡眠段階に滞留している時間におけるδ波の出現確率が変動すると仮定できる。
図8を用いて、ステップS110に示す睡眠品質推定処理について詳細に説明する。図8に示すように、睡眠品質推定処理では、まず補正部17が被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて、標準モデルを補正する(S201、補正工程)。被験者の睡眠負債が高い場合には、最初の睡眠周期C1における深い睡眠段階の滞留時間が標準的な滞留時間よりも長くなる。また、被験者の睡眠負債が高い場合には、特に最初の睡眠周期C1においてδ波の出現確率が高くなる性質を有する。そこで、補正部17は、被験者の最初の睡眠周期C1における深い睡眠段階(ここでは、睡眠段階IIより深い睡眠段階)の滞留時間が長い場合には、その滞留時間が短い場合よりも、δ波の出現確率が高くなるように標準モデルを補正する。
次に、図9を用いて補正部17による標準モデルの補正方法について具体的に説明する。図9に実線で示す波形W1は、睡眠段階推定部14により推定された被験者の睡眠段階の時系列の変化を示す実測値である。この波形W1において、睡眠周期C1〜C3の深い睡眠段階の滞留時間AddUpTをそれぞれt1〜t3とする。δ波は、この滞留時間t1〜t3において出現する。一方、図9に点線で示す波形W2は、不特定多数の被験者の統計から得られた標準的な睡眠段階の時系列の変化を示す標準波形である。この標準波形において、この最初の睡眠周期C1における深い睡眠段階の標準的な滞留時間をsd1とする。
ここで、δ波は一般的に、被験者が入眠後20分程度で出現確率が上昇し、特に入眠後30分で急速にその出現確率が上昇することが知られている。また、眠りのサイクルは周期的なため、時間に対する眠りの質は対称性を有すると仮定すると、図10に示すように、被験者の入眠後20分から50分の時間帯にδ波が出現することが予測される。この時間帯をδ波出現時間帯と称す。補正部17は、このδ波出現時間帯にピークを持つ確率密度関数であるδ波確率密度モデル(第1δ波出現密度モデル)f1を作成する。δ波確率密度モデルf1は、睡眠中の標準的なδ波の出現確率密度関数であり、具体的には式(1)で表される関数である。なお、式(1)において、tはδ波出現時間帯内の時間を示す。横軸を時間tとし、縦軸をδ波出現確率とするグラフにδ波確率密度モデルf1をプロットすると、δ波確率密度モデルf1は図11の実線で示す曲線となる。
補正部17は、最初の睡眠周期C1における深い睡眠段階の滞留時間t1に基づいて、δ波確率密度モデルf1をδ波確率密度モデル(第2δ波出現密度モデル)f2に補正する。δ波確率密度モデルf2は、下記式(2)で表される確率密度関数であり、図11の点線で示す曲線である。式(2)における変数bは、式(3)で求められる。式(3)における時刻Tは、最初の睡眠周期C1における深い睡眠段階の滞留時間t1から得られる値である。すなわち、時刻Tは、δ波出現時間帯における滞留時間t1の終了時刻を示している。
式(2)、(3)及び図11に示すように、δ波確率密度モデルf2は、δ波確率密度モデルf1のδ波出現密度=0との交点が滞留時間t1の始点及び終点と一致するように、δ波確率密度モデルf1を上下方向に1−bだけ偏移させたものである。つまり、睡眠周期C1における滞留時間t1が大きいほど、δ波確率密度モデルf2はピーク値の大きい関数となり、睡眠周期C1における滞留時間t1が小さいほど、δ波確率密度モデルf2はピーク値の小さい関数となる。
次に、補正部17は、δ波確率密度モデルf1及びδ波確率密度モデルf2を用いて標準モデルのδ波出現確率S1〜S4を補正する。δ波出現時間帯における滞留時間t1の終了時刻を時刻Tとすると、まず補正部17は、δ波確率密度モデルf1の積分値及びδ波確率密度モデルf2の積分値を計算する。次に、補正部17は、式(4)に示すように、δ波確率密度モデルf1と確率密度モデルf2との比に対してδ波出現確率S1を乗じることにより、標準モデルのδ波出現確率S1を補正後のδ波出現確率E1に補正する。
睡眠周期C1以降の睡眠周期C2〜C4におけるδ波出現確率E2〜E4は、100%から睡眠周期C1に対応するδ波出現確率E1を減算した後、標準モデルでのδ波出現確率の割合で各睡眠周期に配分することで求められる。仮に、δ波出現確率E1が75%であるとすると、δ波出現確率E2〜E4は、以下の式(5)〜(7)のように求められる。このようにして、補正部17は、標準モデルを補正する。
続いて、睡眠品質推定部18は、補正部17により補正されたモデルにより睡眠品質を推定する(S202、睡眠品質推定工程)。図9に示すように、睡眠周期C1〜C4の深い睡眠段階(睡眠段階IIより深い睡眠段階)の滞留時間を、それぞれt1〜t3と表すと、睡眠品質推定部18は、下式(8)により、各睡眠周期C1〜C4のδ波の累積出現時間を合計して睡眠品質Qを推定する。このようにして、被験者の睡眠品質Qが算出される。
次に、図12を用いてコンピュータを睡眠品質推定装置10として機能させるための睡眠品質推定用プログラムについて説明する。
睡眠品質推定用プログラムP1は、メインモジュールP10、呼吸検出モジュールP11、睡眠段階推定モジュールP12、睡眠リズムモデル記憶モジュールP13、補正モジュールP14、及び睡眠品質推定モジュールP15を備えている。
メインモジュールP10は、情報提供機能を統括的に制御する部分である。メインモジュールP10、呼吸検出モジュールP11、睡眠段階推定モジュールP12、睡眠リズムモデル記憶モジュールP13、補正モジュールP14、及び睡眠品質推定モジュールP15を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の呼吸センサ12、睡眠段階推定部14、睡眠リズムモデルデータベース16、補正部17、及び睡眠品質推定部18の機能と同様である。
特許文献1に記載されているような従来手法では、睡眠段階を推定して、任意の単位時間で当該睡眠段階の出現比率を求め、出現比率から人間のウルトラディアンリズムを推定している。そのため、所定の閾値により移動平均が求められるため、多めに「深い睡眠」と評価されることになり、δ波の出現時間により睡眠の質が決定される考え方から外れることが多い。
一方、本実施形態によれば、睡眠品質推定装置10において、呼吸センサ12は、被験者の呼吸波形を検出する。睡眠段階推定部14は、呼吸センサ12が検出した呼吸波形に基づいて、睡眠中の被験者の睡眠段階を推定する。睡眠リズムモデルデータベース16には、睡眠中の睡眠段階に対するδ波の出現確率を関連付けたモデルが記録されている。睡眠品質推定部18は、睡眠段階推定部14が推定した睡眠中の被験者の睡眠段階と、睡眠リズムモデルデータベース16に記録された睡眠中の睡眠段階に対するδ波の出現確率を関連付けたモデルとに基づいて、睡眠中の被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の出現時間に基づいて被験者の睡眠品質を推定する。このため、単に睡眠が深い時間帯を累積して睡眠の質を推定するような手法に比べて、睡眠の質により密接に関連しているδ波の出現時間に基づいてより高精度で被験者の睡眠品質を推定することができる。
また、被験者の睡眠負債が大きい場合(すなわち、寝不足の場合)、被験者の緊張状態である場合、被験者のストレスが大きい場合等にはδ波の出現の傾向が通常とは異なってくる。この点、本実施形態に係る睡眠品質推定装置10では、被験者の状態によって変化する被験者の最初の睡眠周期C1における特定の睡眠深度の滞留時間t1に基づいて、睡眠品質推定部18により推定されるδ波の出現時間が補正される。よって、睡眠品質推定装置10によれば、被験者の睡眠負債が大きい状況等、特殊な状況にある場合であっても被験者の睡眠品質を精度良く推定することができる。
被験者の睡眠負債が大きい場合には、被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が長くなる性質を有する。また、被験者の睡眠負債が高い場合には、特に最初の睡眠周期においてδ波の出現確率が高くなる性質を有する。睡眠品質推定装置10では、被験者の最初の睡眠周期C1における特定の睡眠深度の滞留時間t1が長い場合には、被験者の最初の睡眠周期C1における特定の睡眠深度の滞留時間t1が短い場合よりも、δ波の出現確率が高くなるように補正するので、よりδ波の出現時間を精度良く推定することができ、その結果、被験者の睡眠品質を精度良く推定することができる。
また、睡眠品質推定装置10では、補正部17が、最初の睡眠周期C1における特定の睡眠深度の滞留時間t1内における標準的なδ波の出現密度を示すδ波確率密度モデルf1の積分値と、被験者の最初の睡眠周期C1における特定の睡眠深度の滞留時間t1に基づいてδ波確率密度モデルf1を補正したδ波確率密度モデルf2の積分値と、を算出し、δ波確率密度モデルf1とδ波確率密度モデルf2との比に基づいて、標準モデルのδ波の出現確率S1を補正している。このように、被験者の睡眠負債等によって変化するδ波の出現密度に基づいて標準モデルのδ波の出現確率S1を補正するので、よりδ波の出現時間を精度良く推定することができ、その結果、被験者の睡眠品質を精度良く推定することができる。
10…睡眠品質推定装置、12…呼吸センサ、14…睡眠段階推定部、16…睡眠リズムモデルデータベース、17…補正部、18…睡眠品質推定部、P1…睡眠品質推定用プログラム、P10…メインモジュール、P11…呼吸検出モジュール、P12…睡眠段階推定モジュール、P13…睡眠リズムモデル記憶モジュール、P14…補正モジュール、P15…睡眠品質推定モジュール。
Claims (12)
- 被験者の生理学的な指標を検出する生理学的指標検出ユニットと、
前記生理学的指標検出ユニットが検出した前記指標に基づいて、睡眠中の前記被験者の睡眠の深さを示す睡眠深度を推定する睡眠深度推定ユニットと、
前記睡眠深度推定ユニットが推定した前記睡眠中の前記被験者の前記睡眠深度から、睡眠中の前記被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の前記出現時間に基づいて前記被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定ユニットと、
ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期のうち、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて、前記睡眠品質推定ユニットにより推定されるδ波の出現時間を補正する補正ユニットと、
を備える睡眠品質推定装置。 - 前記睡眠周期と、該睡眠周期におけるδ波の出現確率とが関連付けられた標準モデルを記憶するデータベースを更に備え、
前記睡眠品質推定ユニットは、前記データベースの標準モデルを参照して、前記被験者の前記睡眠周期に対応するδ波の出現確率と、前記被験者の前記特定の睡眠深度の滞留時間とに基づいて前記被験者のδ波の出現時間を推定し、
前記補正ユニットは、前記標準モデルのδ波の出現確率を補正して前記睡眠品質推定ユニットにより推定されるδ波の出現時間を補正する、請求項1に記載の睡眠品質推定装置。 - 前記補正ユニットは、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が長い場合には、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が短い場合よりも、δ波の出現確率が高くなるように補正する、請求項2に記載の睡眠品質推定装置。
- 前記補正ユニットは、
最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間内での標準的なδ波の出現密度を示す第1δ波出現密度モデルの積分値と、
前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて前記第1δ波出現密度モデルを補正した第2δ波出現密度モデルの積分値と、を算出し、
前記第1δ波出現密度モデルの積分値と前記第2δ波出現密度モデルの積分値との比に基づいて、前記標準モデルのδ波の出現確率を補正する、請求項2又は3に記載の睡眠品質推定装置。 - 被験者の生理学的な指標を検出する生理学的指標検出工程と、
前記生理学的指標検出工程が検出した前記指標に基づいて、睡眠中の前記被験者の睡眠の深さを示す睡眠深度を推定する睡眠深度推定工程と、
前記睡眠深度推定工程において推定した前記睡眠中の前記被験者の前記睡眠深度から、睡眠中の前記被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の前記出現時間に基づいて前記被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定工程と、
ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期のうち、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて、前記睡眠品質推定工程においえて推定されるδ波の出現時間を補正する補正工程と、
を含む睡眠品質推定方法。 - 前記睡眠品質推定工程では、前記睡眠周期と、該睡眠周期におけるδ波の出現確率とが関連付けられた標準モデルを参照して、前記被験者の前記睡眠周期に対応するδ波の出現確率と、前記被験者の前記特定の睡眠深度の滞留時間とに基づいて前記被験者のδ波の出現時間を推定し、
前記補正工程では、前記標準モデルのδ波の出現確率を補正して前記睡眠品質推定工程において推定されるδ波の出現時間を補正する、請求項5に記載の睡眠品質推定方法。 - 前記補正工程では、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が長い場合には、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が短い場合よりも、δ波の出現確率が高くなるように補正する、請求項6に記載の睡眠品質推定方法。
- 前記補正工程においては、
最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間内での標準的なδ波の出現密度を示す第1δ波出現密度モデルの積分値と、
前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて前記第1δ波出現密度モデルを補正した第2δ波出現密度モデルの積分値と、を算出し、
前記第1δ波出現密度モデルの積分値と前記第2δ波出現密度モデルの積分値との比に基づいて、前記標準モデルのδ波の出現確率を補正する、請求項6又は7に記載の睡眠品質推定方法。 - コンピュータを、
被験者の生理学的な指標を検出する生理学的指標検出部と、
前記生理学的指標検出部が検出した前記指標に基づいて、睡眠中の前記被験者の睡眠の深さを示す睡眠深度を推定する睡眠深度推定部と、
前記睡眠深度推定部が推定した前記睡眠中の前記被験者の前記睡眠深度から、睡眠中の前記被験者のδ波の出現時間を推定し、δ波の前記出現時間に基づいて前記被験者の睡眠品質を推定する睡眠品質推定部と、
ノンレム睡眠からレム睡眠に至るまでの周期を示す睡眠周期のうち、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて、前記睡眠品質推定部により推定されるδ波の出現時間を補正する補正部と、
して機能させる睡眠品質推定用プログラム。 - 前記睡眠周期と、該睡眠周期におけるδ波の出現確率とが関連付けられた標準モデルを記憶するデータベースを更に備え、
前記睡眠品質推定部は、前記データベースの標準モデルを参照して、前記被験者の前記睡眠周期に対応するδ波の出現確率と、前記被験者の前記特定の睡眠深度の滞留時間とに基づいて前記被験者のδ波の出現時間を推定し、
前記補正部は、前記標準モデルのδ波の出現確率を補正して前記睡眠品質推定部により推定されるδ波の出現時間を補正する、請求項9に記載の睡眠品質推定用プログラム。 - 前記補正部は、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が長い場合には、前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間が短い場合よりも、δ波の出現確率が高くなるように補正する、請求項10に記載の睡眠品質推定用プログラム。
- 前記補正部は、
最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間内での標準的なδ波の出現密度を示す第1δ波出現密度モデルの積分値と、
前記被験者の最初の睡眠周期における特定の睡眠深度の滞留時間に基づいて前記第1δ波出現密度モデルを補正した第2δ波出現密度モデルの積分値と、を算出し、
前記第1δ波出現密度モデルの積分値と前記第2δ波出現密度モデルの積分値との比に基づいて、前記標準モデルのδ波の出現確率を補正する、請求項10又は11に記載の睡眠品質推定用プログラム。
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