JP2013220243A - 中心血圧推定パラメーター校正方法、中心血圧計測方法及び中心血圧計測装置 - Google Patents

中心血圧推定パラメーター校正方法、中心血圧計測方法及び中心血圧計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】中心血圧を計測するための新しい手法の提案。
【解決手段】末梢動脈(例えば橈骨動脈)の拡張期血圧を計測する血圧計測を複数回行う。また、中枢動脈(例えば頸動脈)の拡張期における血管断面指標値として拡張期血管径を計測する血管径計測を複数回行う。そして、血圧計測及び血管径計測の計測結果を用いて、中枢動脈の血管径から中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーター(例えばスティフネスパラメーター)を校正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中心血圧推定用のパラメーターを校正する方法等に関する。
従来より、超音波を用いて血流や血管径、血圧を計測する装置や、血管の弾性率を計測する装置が考案されている。これらの装置は、被検者に痛みや不快感を与えることのない非侵襲式の計測ができることを特徴としている。
例えば、特許文献1には、血管径変化又は血管断面積変化と血圧変化とを非線形関係と捉え、血管の硬さを表すスティフネスパラメーターと血管径又は血管断面積とから、血圧を推定する手法が開示されている。
特開2004−41382号公報
ところで、中心血圧は、動脈硬化や循環器疾患の指標値になると考えられている。特許文献1に開示されている技術を適用して中心血圧を推定することを考えた場合、大動脈や頸動脈といった中枢動脈の血圧を計測して、上記のスティフネスパラメーターを校正することが必要となる。しかし、中枢動脈の血圧計測には、通常、カテーテルを挿入するといった侵襲式の計測方法を用いる必要があるため、被検者の身体への負担が大きくなるという問題がある。
また、中心血圧を計測する装置として、例えば手首部の橈骨動脈の血圧波形から中心血圧を推定する血圧計測装置も実用化されている。しかし、橈骨動脈は末梢動脈であるため、中心血圧を正しく推定できない場合があると考えられる。
本発明は上述した課題に鑑みて為されたものであり、中心血圧を計測するための新しい手法を提案することを目的とする。
以上の課題を解決するための第1の形態は、末梢動脈の拡張期血圧を計測する血圧計測を複数回行うことと、中枢動脈の拡張期血管径又は拡張期血管断面積(以下、「血管径」又は「血管断面積」のことを包括して「血管断面指標値」と称す。)を計測する血管断面指標値計測を複数回行うことと、前記血圧計測及び前記血管断面指標値計測の計測結果を用いて、前記中枢動脈の血管断面指標値から中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーターを校正することと、を含む中心血圧推定パラメーター校正方法である。
また、他の形態として、中枢動脈の血管断面指標値を計測する血管断面指標値計測部と、前記血管断面指標値計測部により計測された血管断面指標値から中心血圧を推定する血圧推定処理を実行して中心血圧を計測する中心血圧計測部と、末梢動脈の拡張期血圧を入力する入力部と、前記血管断面指標値計測部により計測された拡張期血管断面指標値と前記入力部により入力された拡張期血圧とを用いて、前記血圧推定処理に係るパラメーターを校正する校正部と、を備えた中心血圧計測装置を構成することとしてもよい。
拡張期血圧は、中枢動脈でも末梢動脈でも値がほとんど変わらない性質がある。また、前述したように、非侵襲で中枢動脈の血圧を計測することは困難であるが、末梢動脈の血圧を計測することは容易である。そこで、第1の形態等によれば、中枢動脈の拡張期血圧を計測する代わりに、末梢動脈の拡張期血圧を計測する血圧計測を複数回行う。また、中枢動脈の拡張期血管径又は拡張期血管断面積を計測する血管断面指標値計測を複数回行う。そして、血圧計測及び血管断面指標値計測の計測結果を用いて、中枢動脈の血管断面指標値から中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーターを校正する。
末梢動脈の拡張期血圧は、例えば、カフ型の加圧血圧計を用いることで簡単に計測することができる。また、中枢動脈の拡張期血管径又は拡張期血管断面積は、例えば、超音波を用いた計測装置を利用することで簡単に計測することができる。そのため、第1の形態等によれば、簡易な構成によって血圧推定処理に係るパラメーターを校正することができる。また、校正したパラメーターを用いて血圧推定処理を行うことで、中心血圧を正しく計測することが可能となる。
また、第2の形態として、第1の形態の中心血圧推定パラメーター校正方法において、前記複数回の血圧計測及び血管断面指標値計測には、時期を変えて両計測を同時に行うことが含まれ、前記パラメーターを校正することは、同時に行われた前記血圧計測及び前記血管断面指標値計測の計測結果の組み合わせを複数用いて、前記パラメーターを校正することを含む、中心血圧推定パラメーター校正方法を構成することとしてもよい。
この第2の形態によれば、複数回の血圧計測及び血管断面指標値計測には、時期を変えて両計測を同時に行うことが含まれる。そして、同時に行われた血圧計測及び血管断面指標値計測の計測結果の組み合わせを複数用いてパラメーターを校正することで、血圧推定処理に係るパラメーターを適正化することができる。
また、第3の形態として、第2の形態の中心血圧推定パラメーター校正方法において、前記複数回の血圧計測及び血管断面指標値計測には、前記血管断面指標値計測を継続的に実行することと、前記血管断面指標値計測の継続実行中の第1時期及び第2時期に前記血圧計測を行うことと、が含まれる、中心血圧推定パラメーター校正方法を構成することとしてもよい。
より具体的には、第4の形態として、第3の形態の中心血圧推定パラメーター校正方法において、前記第1時期及び前記第2時期は、それぞれの時期において前記血管断面指標値計測により計測された拡張期血管断面指標値が所定の差違条件を満たす時期である、中心血圧推定パラメーター校正方法を構成することとしてもよい。
この第3の形態によれば、血管断面指標値計測の継続実行中の第1時期及び第2時期に血圧計測を行う。第1時期及び第2時期は、例えば第4の形態のように、それぞれの時期において血管断面指標値計測により計測された拡張期血管断面指標値が所定の差違条件を満たす時期とする。拡張期血管断面指標値に一定の差違が生ずる時期を第1時期及び第2時期として血圧計測を行えば、血圧計測で計測される拡張期血圧にも一定の差違を生じさせることができる。その結果、校正に使用する拡張期血圧及び拡張期血管断面指標値に差違を生じさせ、パラメーターの校正の確度を向上させることが可能となる。
また、第5の形態として、第1〜第4の何れかの形態の中心血圧推定パラメーター校正方法において、前記血圧計測によって計測された拡張期血圧を、計測時の前記血圧計測の計測位置と前記血管断面指標値計測の計測位置との高低差に基づいて補正すること、を更に含む中心血圧推定パラメーター校正方法を構成することとしてもよい。
血圧計測の計測位置と血管断面指標値計測の計測位置とでは高さが異なり得る。中枢動脈の血管断面指標値から中心血圧を推定するためのパラメーターを求めるためには、血管断面指標値の計測位置での拡張期血圧が必要となる。第5の形態によれば、末梢動脈での血圧計測によって計測された拡張期血圧を、計測時の血圧計測の計測位置と血管断面指標値計測の計測位置との高低差に基づいて補正することで、パラメーターを適切に校正することができる。
また、第6の形態として、第1〜第5の何れかの形態の中心血圧推定パラメーター校正方法を実行して前記パラメーターを校正することと、中枢動脈の血管断面指標値を計測することと、前記計測された血管断面指標値に基づき、前記校正されたパラメーターを用いた血圧推定処理を実行することと、を含む中心血圧計測方法を構成することとしてもよい。
この第6の形態によれば、中枢動脈の血管断面指標値を計測した場合の血管断面指標値に基づき、上記の何れかの形態の中心血圧推定パラメーター校正方法を実行して校正したパラメーターを用いた血圧推定処理を実行することで、中心血圧を正しく推定することが可能となる。
(1)計測部位毎の血圧変化の説明図。(2)血管径と血圧との相関特性の説明図。(3)中心血圧推定パラメーターの校正方法の説明図。 中心血圧推定パラメーターの校正に係る手順を示すフローチャート。 超音波血圧計の概略構成図。 超音波血圧計の機能構成の一例を示すブロック図。 メイン処理の流れを示すフローチャート。 校正処理の流れを示すフローチャート。 第2校正処理の流れを示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明を適用した好適な実施形態の一例について説明する。本実施形態では、血管径を血管断面指標値として説明するが、血管径の代わりに血管断面積を用いてもよい(その場合、以下の文章中の「血管径」を「血管断面積」に置き換えて読めばよい。)。本発明を適用可能な形態が以下説明する実施形態に限定されるわけでないことは勿論である。
1.原理
本実施形態では、末梢動脈の拡張期血圧を計測する血圧計測を複数回行う。また、中枢動脈の拡張期血管径を計測する血管径計測を複数回行う。そして、血圧計測及び血管径計測の計測結果を用いて、中枢動脈の血管径から中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーターを校正する。
血管径から血圧を推定するためには、血管径と血圧とを結びつける相関特性を利用することができる。血管径と血圧とは、例えばある非線形な相関特性で結びつけることが可能である。
具体的には、血管に掛かる圧力と、各血圧時における血管径とを用いて、例えば次式(1)のような相関式で相関特性を表すことができる。
P=Pd・exp[β(D/Dd−1)]・・・(1)
但し、β=ln(Ps/Pd)/(Ds/Dd−1)
ここで、「Ps」は収縮期血圧であり、「Pd」は拡張期血圧である。また、「Ds」は収縮期血圧のときの血管径である収縮期血管径であり、「Dd」は拡張期血圧のときの血管径である拡張期血管径である。また、「β」はスティフネスパラメーターと呼ばれる血管弾性指標値である。
本実施形態では、上記のスティフネスパラメーター「β」を校正する。このスティフネスパラメーター「β」は、中枢動脈の血管断面指標値から中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーターの一種である。
スティフネスパラメーター「β」を校正することができれば、このスティフネスパラメーター「β」と、校正時に求めた拡張期血圧「Pd」及び拡張期血管径「Dd」とを用いることで、血管径「D」と血圧「P」とを結び付ける式(1)の相関式を定めることができる。以降の血圧推定処理では、超音波を用いて計測した血管径「D」を相関式に代入することで、血圧「P」を推定することができる。
図1(1)は、生体の中枢部から末梢部に至るまでの各計測部位で血圧を計測した生理学的な実験結果の一例を示す図である。図1(1)において、横軸は計測部位を示し、左にいくほど中枢部に近く、右にいくほど末梢部に近い計測部位であることを表している。また、縦軸は血圧である。5箇所の計測部位における血圧変化の一例を図示している。
この図を見ると、収縮期血圧は中枢部から末梢部に近くなるにつれて徐々に上昇する傾向があることがわかる。これは、いわゆるピーキング現象によるものと考えることができる。それに対し、拡張期血圧は、中枢部でも末梢部でもほとんど変化がなく、ほぼ一定の値を示していることがわかる。
図1(2)は、スティフネスパラメーター「β」が異なる3つの相関式の特性を示しており、横軸が血管径、縦軸が血圧を示している。
図1(2)から明らかなように、血管径が大きい領域ほど、相関式の相違が血圧の大きな変化に直結することを示している。つまり、点線で囲った部分P1では、同一の血管径に対する血圧の差が大きいが、点線で囲った部分P2では、その差は小さい。
図1(1)及び図1(2)の知見に基づき、本実施形態では、血管径計測の対象は中枢動脈とするものの、血圧計測の対象は中枢動脈の代わりに末梢動脈とする。更に、血圧計測及び血管径計測では拡張期の値(拡張期血圧及び拡張期血管径)を計測し、この計測結果を用いて、中枢動脈の血管径から中心血圧を推定するためのパラメーター(以下、「中心血圧推定パラメーター」と称す。)を校正する。
具体的には、血圧計測及び血管径計測を同時に且つ時期を変えて複数回行う。そして、同時に行われた血圧計測及び血管径計測の計測結果の組み合わせを複数用いて、中心血圧推定パラメーターを校正する。複数回の計測値(複数組の特性値)は、例えば図1(3)の×印のプロットとして示される。
これらの複数組の特性値を用いて、例えば式(1)の相関式におけるスティフネスパラメーター「β」を算出・決定することで、中心血圧推定パラメーターを校正する。その結果、図1(3)に太実線で示すような相関式が得られる。以降の計測では、中枢動脈で計測した血管径を当該相関式に代入することで、中心血圧を推定することができる。
図2は、本実施形態における中心血圧推定パラメーターの校正に係る手順を示すフローチャートである。
最初に、末梢動脈の拡張期血圧を計測する血圧計測と、中枢動脈の拡張期血管径を計測する血管径計測とを同時に実行する(ステップS1)。次いで、所定回数計測を実行したか否かを判定し(ステップS3)、実行していないと判定した場合は(ステップS3;No)、ステップS1に戻る。
所定回数計測を実行したと判定した場合は(ステップS3;Yes)、同時に行われた血圧計測及び血管径計測の計測結果の組み合わせを複数用いて、中心血圧推定パラメーター(例えば式(1)のスティフネスパラメーター「β」)を校正する(ステップS5)。これにより、血圧推定パラメーターの校正に係る手順は終了となる。
2.実施例
次に、被検者の橈骨静脈を末梢動脈とし、頸動脈を中枢動脈として、上記の原理に従って中心血圧を計測する中心血圧計測装置の実施例について説明する。
2−1.概略構成
図3は、本実施例における超音波血圧計1の概略構成図である。超音波血圧計1は、上記の血圧推定パラメーター校正方法を用いて、中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーターを校正し、当該パラメーターを用いて中心血圧を計測する中心血圧計測装置の一種である。
超音波血圧計1は、超音波プローブ10と、本体装置20とを有し、加圧血圧計2からの計測結果を入力可能に構成される。超音波プローブ10には伸縮性を有する環状の帯状部15が取り付けられており、被検者は、帯状部15を用いて頸動脈上に超音波プローブ10が位置するように頸部に装着する。
超音波プローブ10は、送信部から数MHz〜数十MHzの超音波のパルス信号或いはバースト信号を頸動脈に向けて送信する。そして、頸動脈の前壁及び後壁からの反射波を受信部で受信し、前壁及び後壁の反射波の受信時間差から、頸動脈の血管径を血管断面指標値として計測する。
本体装置20は、超音波血圧計1の装置本体であり、ケーブルを介して超音波プローブ10と有線接続されている。本体装置20には、被検者が本体装置20を首からぶら下げて使用するための首掛けストラップ23が取り付けられている。
本体装置20の前面には、操作ボタン24と、液晶表示器25と、スピーカー26とが設けられている。また、図示を省略しているが、本体装置20には、機器を統合的に制御するための制御基板が内蔵されている。制御基板には、マイクロプロセッサーやメモリー、超音波の送受信に係る回路、内部バッテリー等が実装されている。
操作ボタン24は、中心血圧の計測開始指示や、中心血圧の計測に係る各種諸量を被検者が操作入力するために用いられる。
液晶表示器25には、超音波血圧計1による中心血圧の計測結果が表示される。表示方法としては、中心血圧の計測値を数値で表示することとしてもよいし、グラフなどで表示することとしてもよい。
スピーカー26からは、中心血圧の計測に係る各種の音声ガイダンス等が音出力される。本実施形態では、超音波血圧計1を校正するために、加圧血圧計2による橈骨動脈の血圧の計測が必要となる。そのため、例えば、加圧血圧計2の着脱を指示する音声ガイダンスをスピーカー26から音出力させるなどしてもよい。
本実施形態では、超音波血圧計1とは異なる外部の血圧計測装置を用いて、超音波血圧計1を校正する。この場合の外部の血圧計測装置としては種々の装置を適用可能であるが、本実施形態では、オシロメトリック法を用いて収縮期血圧及び拡張期血圧を計測可能に構成された加圧血圧計2(カフ型血圧計)を用いる。加圧血圧計2は、図3のように手首部に装着するタイプであっても、上腕部に装着するタイプであってもよい。
2−2.機能構成
図4は、超音波血圧計1の機能構成の一例を示すブロック図である。超音波血圧計1は、超音波プローブ10と、本体装置20とを有し、加圧血圧計2とケーブル接続して加圧血圧計2の計測結果を入力可能に構成されている。
超音波プローブ10は、血管径計測部120からの制御信号に従って、超音波の送信モードと受信モードとを時分割方式で切り替えて超音波を送受信する小型の接触子である。受信信号は血管径計測部120に出力する。本実施例では、超音波プローブ10は、被検者の頸部に装着される。
本体装置20は、入力部40と、処理部100と、操作部200と、表示部300と、音出力部400と、通信部500と、時計部600と、記憶部800とを有して構成される。
入力部40は、加圧血圧計2と接続して、当該加圧血圧計2によって計測された血圧の計測値を入力する入力部である。入力部40は、末梢動脈の拡張期血圧を入力する入力部に相当する。
処理部100は、超音波血圧計1の各部を統括的に制御する制御装置及び演算装置であり、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のマイクロプロセッサーや、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を有して構成される。
処理部100は、主要な機能部として、血管径計測部120と、中心血圧計測部130と、校正部140とを有する。但し、これらの機能部は一実施例として記載したものに過ぎず、必ずしもこれら全ての機能部を必須構成要素としなければならないわけではない。また、これら以外の機能部を必須構成要素としてもよいことは勿論である。
血管径計測部120は、超音波プローブ10の超音波の送受信を制御し、超音波プローブ10から出力された超音波の反射波の受信信号を利用して、対象血管の血管径を計測する。本実施形態では、中枢動脈である頸動脈が対象血管となる。血管径計測部120は、中枢動脈の血管断面指標値を計測する血管断面指標値計測部の一種である。
血管径計測部120は、血管径を連続的に計測可能に構成されている。血管径を連続的に計測する手法としては、例えば、位相差トラッキング法を適用することができる。なお、位相差トラッキング法それ自体は従来公知であるため、詳細については説明を省略する。
中心血圧計測部130は、血管径計測部120により計測された血管径から中心血圧を推定する血圧推定処理を実行して中心血圧を計測する。
校正部140は、血管径計測部120により計測された拡張期血管径と入力部40により入力された拡張期血圧とを用いて、血圧推定処理に係るパラメーター(中心血圧推定パラメーター)を校正する。
操作部200は、ボタンスイッチ等を有して構成される入力装置であり、押下されたボタンの信号を処理部100に出力する。この操作部200の操作により、血管径の計測開始指示等の各種指示入力がなされる。操作部200は、図3の操作ボタン24に相当する。
表示部300は、LCD(Liquid Crystal Display)等を有して構成され、処理部100から入力される表示信号に基づく各種表示を行う表示装置である。表示部300には、中心血圧計測部130による中心血圧の計測結果等が表示される。表示部300は、図3の液晶表示器25に相当する。
音出力部400は、処理部100から入力される音出力信号に基づく各種音出力を行う音出力装置である。音出力部400は、図3のスピーカー26に相当する。
通信部500は、処理部100の制御に従って、装置内部で利用される情報を外部の情報処理装置との間で送受するための通信装置である。通信部500の通信方式としては、所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、クレイドルと呼ばれる充電器と兼用の中間装置を介して接続する形式、近距離無線通信を利用して無線接続する形式等、種々の方式を適用可能である。加圧血圧計2の接続が通信接続となる場合には、入力部40が通信部500となる。
時計部600は、水晶振動子及び発振回路でなる水晶発振器等を有して構成され、時刻を計時する計時装置である。時計部600の計時時刻は、処理部100に随時出力される。
記憶部800は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置を有して構成される。記憶部800は、超音波血圧計1のシステムプログラムや、血管径計測機能、中心血圧推定機能、校正機能といった各種機能を実現するための各種プログラム、データ等を記憶している。また、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを有する。
記憶部800には、プログラムとして、例えば、処理部100によって読み出され、メイン処理(図5参照)として実行されるメインプログラム810が記憶されている。メインプログラム810は、校正処理(図6参照)として実行される校正プログラム811をサブルーチンとして含む。これらの処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
また、記憶部800には、データとして、相関特性データ820と、校正用データ830と、血管径計測データ840と、中心血圧計測データ850とが記憶される。
相関特性データ820は、頸動脈の血管径から中心血圧を推定するために用いる血管径と血圧との相関特性であり、例えば式(1)で表される相関式やスティフネスパラメーター「β」のデータがこれに含まれる。
校正用データ830は、中心血圧推定パラメーターの校正を行うために用いられるデータであり、血圧計測の計測結果と血管径計測の計測結果とがこれに含まれる。
血管径計測データ840は、血管径計測部120により計測された血管径の計測結果のデータである。拡張期血管径と収縮期血管径とがこれに含まれる。
中心血圧計測データ850は、中心血圧計測部130が血管径から中心血圧を推定する血圧推定処理を実行して中心血圧を計測した計測結果のデータである。
2−3.処理の流れ
図5は、処理部100が、記憶部800に記憶されているメインプログラム810に従って実行するメイン処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、処理部100は、記憶部800に記憶されている校正プログラム811に従って校正処理を行う(ステップA1)。
図6は、校正処理の流れを示すフローチャートである。この校正処理は、臥位姿勢と立位姿勢との異なる2つの姿勢で血圧計測及び血管径計測をそれぞれ行い、それぞれの姿勢での血圧計測及び血管径計測の計測結果を用いて、中心血圧推定パラメーターを校正する処理である。被検者は、超音波血圧計1の校正方法が記載された説明書を参照するなどして、加圧血圧計2を手首部に装着するとともに、臥位姿勢と立位姿勢とのそれぞれの姿勢で血圧を計測する。
最初に、処理部100は、被検者に臥位姿勢となることを促す報知を行い、臥位姿勢となったことの確認入力待ちとなる(ステップB1)。例えば、音声や表示によって臥位姿勢を促す報知を行った後、確認ボタンの押下入力待ちとなる。
処理部100は、臥位姿勢の確認入力がなされたら(ステップB1;Yes)、第1計測として、血管径計測部120による頸動脈の血管径計測(拡張期血管径の計測)を開始するとともに、加圧血圧計2による橈骨動脈の血圧計測(拡張期血圧の計測)を行うよう指示報知する(ステップB3)。加圧血圧計2による血圧の計測には、通常、予め定められた計測時間(例えば数十秒)を要する。血管径計測部120は、加圧血圧計2による血圧計測が終了するまでの間、血管径を連続的に計測する。
加圧血圧計2による血圧計測が終了すると、処理部100は、入力部40を介して、加圧血圧計2から拡張期血圧を入力する。すると、処理部100は、加圧血圧計2による血圧の計測が完了するまでの間に血管径計測部120により計測された拡張期血管径の代表値を求める。代表値は平均値であってもよいし、中央値であってもよい。
そして、加圧血圧計2で計測された拡張期血圧及び血管径計測部120で計測された拡張期血管径を、校正用データ830として記憶部800に記憶させる。これで、拡張期血圧及び拡張期血管径が同時に計測され、1回分の計測値が得られたことになる。なお、ここで言う「同時」とは、1秒たりとも差違の無い厳密な意味での同時を指す意味ではなく、医療的な計測の観点で同時という意味である。
次いで、処理部100は、ステップB1と同様に、被検者に立位姿勢となることを促す報知を行い、立位姿勢となったことの確認入力待ちとなる(ステップB5)。そして、確認入力がなされたならば(ステップB5;Yes)、第2計測として、血管径計測部120による頸動脈の血管径計測(拡張期血管径の計測)を開始するとともに、加圧血圧計2による橈骨動脈の血圧計測(拡張期血圧の計測)を行うよう指示報知する(ステップB7)。
加圧血圧計2による血圧計測が終了すると、処理部100は、入力部40を介して、加圧血圧計2から拡張期血圧を入力する。また、加圧血圧計2による血圧の計測が完了するまでの間に血管径計測部120により計測された拡張期血管径の代表値を求める。そして、処理部100は、加圧血圧計2で計測された拡張期血圧及び血管径計測部120で計測された拡張期血管径を、校正用データ830として記憶部800に記憶させる。これで、拡張期血圧及び拡張期血管径が同時に計測され、更に1回分の計測値が得られたことになる。
次いで、処理部100は、第2計測の血圧計測によって計測された拡張期血圧を補正する(ステップB9)。立位姿勢では、血圧計測の計測位置(手首部)と血管径計測の計測位置(頸部)とは高さ(鉛直方向の位置)が異なる。そのため、手首部の血圧が頸部の血圧相当となるように補正する。
具体的には、予め入力された被検者の身体データに基づいて、被検者の手首部と頸部との高低差を算出する。例えば、身体データと高低差とを対応付けたテーブルを記憶部800に記憶させておき、当該テーブルを参照して高低差を算出するなどすればよい。そして、高低差「Δh」を用いて「ΔP=ρgΔh」に従って水頭圧差を計算し、手首部で計測された血圧から水頭圧差を減算することで補正する。但し、「ρ」は血液の密度であり、「g」は重力加速度である。
その後、校正部140は、中心血圧推定パラメーターを校正する(ステップB11)。具体的には、第1計測で計測した拡張期血圧及び拡張期血管径と、第2計測で計測した拡張期血圧及び拡張期血管径とを用いて、次式(2)に従ってスティフネスパラメーター「β」を算出する。
β=ln(Pd2/Pd1)/(Dd2/Dd1−1) ・・・(2)
但し、「Pd1」及び「Dd1」は、それぞれ第1計測で計測した拡張期血圧及び拡張期血管径であり、「Pd2」及び「Dd2」は、それぞれ第2計測で計測した拡張期血圧及び拡張期血管径である。
校正部140が中心血圧推定パラメーターを校正した後、処理部100は、校正処理を終了する。
図5のメイン処理に戻り、校正処理を行った後、処理部100は、血圧の計測タイミングであるか否かを判定する(ステップA3)。血圧の計測タイミングとしては、種々のタイミングを設定可能である。例えば、所定時間間隔毎のタイミングとしてもよいし、被検者によって中心血圧計測の実行指示がなされたタイミングとしてもよい。
血圧の計測タイミングであると判定した場合は(ステップA3;Yes)、血管径計測部120は頸動脈の血管径を計測して、記憶部800の血管径計測データ840に記憶させる(ステップA5)。
次いで、中心血圧計測部130は、記憶部800の相関特性データ820に記憶されている相関特性と、ステップA5において血管径計測部120によって計測された血管径とを用いて、中心血圧を推定する血圧推定処理を行い、推定した中心血圧を記憶部800の中心血圧計測データ850に記憶させる(ステップA7)。そして、処理部100は、推定した中心血圧を表示部300に表示させる(ステップA9)。
その後、処理部100は、血圧計測を終了するか否かを判定し(ステップA11)、血圧計測を継続すると判定した場合は(ステップA11;No)、相関特性の校正タイミングであるか否かを判定する(ステップA13)。この場合における校正タイミングとしては、種々のタイミングを設定することが可能である。例えば、時計部600の計時時刻が予め定められた時刻(例えば朝の8時)となった場合に、校正タイミングであると判定することとしてもよい。
校正タイミングではないと判定したならば(ステップA13;No)、処理部100は、ステップA3へと移行する。また、校正タイミングであると判定したならば(ステップA13;Yes)、処理部100は、ステップA1へと移行する。
3.作用効果
拡張期血圧は、中枢動脈でも末梢動脈でも値がほとんど変わらない性質がある。また、中枢動脈の血圧を非侵襲に計測することは困難であるが、末梢動脈の血圧を計測することは容易である。そこで、中枢動脈の拡張期血圧を計測する代わりに、末梢動脈の拡張期血圧を計測する血圧計測を複数回行う。また、中枢動脈の拡張期血管径を計測する血管径計測を複数回行う。そして、血圧計測及び血管径計測の計測結果を用いて、中枢動脈の血管径から中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーターを校正する。
末梢動脈の拡張期血圧は、加圧血圧計2を用いることで簡単に計測することができる。また、中枢動脈の拡張期血管径は、超音波血圧計1を用いることで簡単に計測することができる。そのため、本実施形態によれば、簡易な構成によって中心血圧の推定に係るパラメーターを校正することができる。また、上記のようにして校正したパラメーターを用いて血圧推定処理を行うことで、中心血圧を正しく推定することが可能となる。
また、血圧計測の計測部位と血管径計測の計測部位とは、計測時において高さ(鉛直方向の位置)が異なり得る。例えば、上記の実施例では、血圧計測を手首部で行い、血管径計測を頸部で行うため、被検者が立位姿勢である場合には、手首部と頸部とで高さが異なる。そこで、手首部で血圧計測を行った場合の拡張期血圧を、計測時における手首部と頸部との高低差に基づいて補正する。これにより、パラメーターの校正を適切に行い、頸動脈の血管径から中心血圧を推定するための相関特性を適確に定めることが可能となる。
4.変形例
本発明を適用可能な実施例は、上記の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。以下、変形例について説明する。
4−1.血管断面指標値
上記の実施形態では、血管径を血管断面指標値とする場合の実施形態について説明したが、血管断面積を血管断面指標値としてもよい。血管断面積と血圧との相関特性は、式(1)において血管径「D」を血管断面積「S」に置き換えることで同様に定義することができる。血管断面積は、例えば、Bモード画像からトレースして求めたり、カラードップラー法の血流表示から求めるなどすることができる。
この場合は、末梢動脈の拡張期血圧を計測する血圧計測を複数回行うとともに、中枢動脈の拡張期血管断面積を計測する血管断面積計測を複数回行う。そして、血圧計測及び血管断面積計測の計測結果を用いて、中枢動脈の血管断面積から中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーター(例えばスティフネスパラメーター)を校正するようにすればよい。
4−2.血管径の計測方法
上記の実施形態では、血管径の計測方法を、超音波を利用した計測方法として説明したが、血管径の計測方法はこれに限られないことは勿論である。例えば、発光素子から所定波長の光を対象動脈に向けて照射した際の対象動脈からの反射光を受光し、信号処理することで、対象動脈の血管径を計測する手法を採用してもよい。
4−3.超音波血圧計
上記の実施形態では、超音波血圧計1の本体装置20を被検者の首からぶら下げて使用するタイプの装置として説明したが、これは一例に過ぎない。例えば、被検者の上腕部に巻き付けて使用する本体装置を構成してもよいし、被検者の手首部に装着して使用する本体装置を構成してもよい。また、超音波プローブと本体装置とは必ずしも別体である必要はなく、超音波プローブと本体装置とを同一筐体内に設けた超音波血圧計を構成してもよい。
また、上記の実施形態では、伸縮性を有する環状の帯状部15を用いて被検者の測定対象部位に巻きつけて使用する超音波プローブ10を例に挙げて説明したが、超音波プローブの構成はこれに限られない。例えば、粘着性ソリッドゲル等を用いて超音波プローブをコーティングし、被検者が超音波プローブを測定対象部位に貼り付けて使用する構成としてもよい。他にも、粘着テープを用いて貼り付ける構成としてもよい。
また、上記の実施形態は、自由行動下にある被検者が、個人で中心血圧を計測することを目的とした中心血圧計測装置の実施形態を説明したが、本発明を適用可能な中心血圧計測装置はこれに限られない。例えば、医療用の中心血圧計測装置として、横たわった状態の被検者に対して技師が超音波プローブを用いて超音波診断を行う装置に適用することも可能である。
4−4.外部の血圧計測装置
上記の実施形態では、オシロメトリック法を用いて血圧を計測するカフ型血圧計を血圧計測装置の一例として説明したが、血圧計測装置がこれに限られないことは勿論である。例えば、連続法の一種であるトノメトリー法や容積補償法を用いて血圧を計測する血圧計としてもよいし、間欠法の一種である聴診法(コロトコフ法)を用いて血圧を計測する血圧計を血圧計測装置としてもよい。
また、上記の実施形態では、手首装着型の加圧血圧計2を用いて手首部で橈骨動脈の血圧を計測するものとして説明したが、上腕装着型の加圧血圧計を用いて上腕部で血圧計測を行うこととしてもよいのは勿論である。
4−5.相関特性
上記の実施形態では、血管径と血圧との相関特性を表す相関式として、式(1)で表される相関式を適用する場合を例に挙げて説明した。しかし、式(1)の相関式は一例として記載したものに過ぎず、これ以外の相関式を適用してもよいことは勿論である。相関式の種類は線形/非線形を問わない。
例えば、血管径と血圧とを線形の関係で近似した相関式として、次式(3)で表される相関式を適用することとしてもよい。
P=E×D+B・・・(3)
但し、E=(Ps−Pd)/(Ds−Dd)
B=Pd−E×Dd
ここで、「Ps」は収縮期血圧であり、「Pd」は拡張期血圧である。また、「Ds」は収縮期血管径であり、「Dd」は拡張期血管径である。また、「E」は血管の弾性を表す弾性係数であり、「B」は相関式の切片である。
式(3)を適用して血圧推定処理を行う場合は、上記の実施形態と同様の手法を用いて、式(3)における弾性係数「E」及び切片「B」の2つのパラメーターを校正するようにすればよい。なお、上記の実施形態と同様に、血管径「D」を血管断面積「S」に置き換えて式(3)を適用することも勿論可能である。
また、記憶部800に記憶させる相関特性のデータは、必ずしも相関式のデータである必要はなく、テーブル形式で血管断面指標値(血管径又は血管断面積)と血圧との相関特性を定めたデータ(ルックアップテーブル)としてもよいことは勿論である。
4−6.通信方式
上記の実施形態では、超音波血圧計1と加圧血圧計2との接続を有線によって行ったが、超音波血圧計1と加圧血圧計2とにそれぞれ無線通信部を設け、無線通信を利用して加圧血圧計2から血圧の計測値を取得する構成としてもよい。
4−7.校正タイミング
上記の実施形態では、ある決められた時刻のタイミングで校正処理を行うものとして説明したが、この校正タイミングは適宜設定可能である。例えば、急激な気温の変化により、被検者の対象動脈の性状が変化する場合がある。そこで、血圧計測時の気温を記憶することとし、前回計測時の気温と今回計測時の気温の温度差が所定の閾値を超えたタイミングを校正タイミングとして校正処理を実行することとしてもよい。
4−8.校正処理
上記の実施例において、超音波血圧計1が実行する校正処理は、中心血圧推定パラメーターを校正するための処理の一例に過ぎない。この校正処理の変形例について以下説明する。
図7は、超音波血圧計1の処理部100が、図6の校正処理に代えて実行する第2校正処理の流れを示すフローチャートである。第2校正処理は、複数回の血圧計測及び血管径計測において、血管径計測を継続的に実行し、血管径計測の継続実行中の第1時期及び第2時期に血圧計測を行って、中心血圧推定パラメーターを校正する処理である。
最初に、血管径計測部120が、頸動脈(中枢動脈)の血管径計測を開始する(ステップC1)。以降、血管径計測部120は、血管径計測を継続的に実行する。その後、加圧血圧計2による第1血圧計測の実行指示を報知し、加圧血圧計2から計測結果が入力されるまで待機する(ステップC3)。この第1血圧計測を行う時期が第1時期に相当する。
第1血圧計測が終了すると、超音波血圧計1には、加圧血圧計2から拡張期血圧が入力される。
次いで、処理部100は、基準とする拡張期血管径(以下、「基準拡張期血管径」と称す。)を設定する(ステップC5)。基準拡張期血管径は、例えば、ステップC3において血圧計測を行っている間に血管径計測部120によって連続的に計測された拡張期血管径の平均値を設定するなどすればよい。この基準拡張期血管径は、第1時期の拡張期血管径でもある。
その後、被検者に、医療機関などで用いられる論理記憶や寒冷昇圧試験といったストレスが与えられたり、運動を開始させるなどして、血圧を変動させる行為が行われる。
この間、処理部100は、血管径計測部120によって計測された拡張期血管径(以下、「計測拡張期血管径」と称す。)と基準拡張期血管径との差の絶対値が所定の閾値を超えたか否かを判定し続ける(ステップC7)。このステップC7の条件は、拡張期血管断面指標値に対する所定の差違条件の一例である。
差違条件が成立したら(ステップC7;Yes)、処理部100は、第2血圧計測の実行指示報知を行う(ステップC9)。そして、加圧血圧計2から計測結果が入力されるまで待機する(ステップC11)。この第2血圧計測を行う時期が第2時期に相当する。また、このステップC11において血圧計測を行っている間に血管径計測部120によって連続的に計測された拡張期血管径の平均値を第2時期の拡張期血管径とする。
加圧血圧計2から計測結果が入力されて第2血圧計測が終了すると、血管径計測部120は、血管径の計測を終了する(ステップC13)。
その後、校正部140は、第1時期に計測された拡張期血圧及び拡張期血管径と、第2時期に計測された拡張期血圧及び拡張期血管径とを用いて、中心血圧推定パラメーターを校正する(ステップC15)。そして、処理部100は、第2校正処理を終了する。
この第2校正処理では、拡張期血管径に一定の差違が生ずる時期を第1時期及び第2時期として血圧計測を行うため、血圧計測で計測される拡張期血圧にも一定の差違を生じさせることができる。その結果、校正に使用する拡張期血圧及び拡張期血管径に差違を生じさせ、中心血圧推定パラメーターの校正の確度を向上させることが可能となる。
1 超音波血圧計、 2 加圧血圧計、 10 超音波プローブ、 15 帯状部、
20 本体装置、 23 首掛けストラップ、 24 操作ボタン、
25 液晶表示器、 26 スピーカー、 40 入力部、 100 処理部、
200 操作部、 300 表示部、 400 音出力部、 500 通信部、
600 時計部、 800 記憶部

Claims (7)

  1. 末梢動脈の拡張期血圧を計測する血圧計測を複数回行うことと、
    中枢動脈の拡張期血管径又は拡張期血管断面積(以下、「血管径」又は「血管断面積」のことを包括して「血管断面指標値」と称す。)を計測する血管断面指標値計測を複数回行うことと、
    前記血圧計測及び前記血管断面指標値計測の計測結果を用いて、前記中枢動脈の血管断面指標値から中心血圧を推定する血圧推定処理に係るパラメーターを校正することと、
    を含む中心血圧推定パラメーター校正方法。
  2. 前記複数回の血圧計測及び血管断面指標値計測には、時期を変えて両計測を同時に行うことが含まれ、
    前記パラメーターを校正することは、同時に行われた前記血圧計測及び前記血管断面指標値計測の計測結果の組み合わせを複数用いて、前記パラメーターを校正することを含む、
    請求項1に記載の中心血圧推定パラメーター校正方法。
  3. 前記複数回の血圧計測及び血管断面指標値計測には、
    前記血管断面指標値計測を継続的に実行することと、
    前記血管断面指標値計測の継続実行中の第1時期及び第2時期に前記血圧計測を行うことと、
    が含まれる、
    請求項2に記載の中心血圧推定パラメーター校正方法。
  4. 前記第1時期及び前記第2時期は、それぞれの時期において前記血管断面指標値計測により計測された拡張期血管断面指標値が所定の差違条件を満たす時期である、
    請求項3に記載の中心血圧推定パラメーター校正方法。
  5. 前記血圧計測によって計測された拡張期血圧を、計測時の前記血圧計測の計測位置と前記血管断面指標値計測の計測位置との高低差に基づいて補正すること、
    を更に含む請求項1〜4の何れか一項に記載の中心血圧推定パラメーター校正方法。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の中心血圧推定パラメーター校正方法を実行して前記パラメーターを校正することと、
    中枢動脈の血管断面指標値を計測することと、
    前記計測された血管断面指標値に基づき、前記校正されたパラメーターを用いた血圧推定処理を実行することと、
    を含む中心血圧計測方法。
  7. 中枢動脈の血管断面指標値を計測する血管断面指標値計測部と、
    前記血管断面指標値計測部により計測された血管断面指標値から中心血圧を推定する血圧推定処理を実行して中心血圧を計測する中心血圧計測部と、
    末梢動脈の拡張期血圧を入力する入力部と、
    前記血管断面指標値計測部により計測された拡張期血管断面指標値と前記入力部により入力された拡張期血圧とを用いて、前記血圧推定処理に係るパラメーターを校正する校正部と、
    を備えた中心血圧計測装置。
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