JP2013219288A - 露光方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド露光において、電子線露光パタ―ンの露光時間を短縮する。
【解決手段】露光方法は、露光パタ―ンを電子線露光パタ―ン部分と光露光パタ―ン部分とに分割する工程と、電子線露光パタ―ン部分においてパタ―ン幅あるいはパタ―ン間隔をもとに領域を検出する工程と、検出された領域において電子線露光パタ―ン部分のパタ―ン幅あるいはパタ―ン間隔を変化させ、変化させた電子線露光パタ―ン部分をレジスト膜に露光するに必要な露光時間、およびレジスト膜に露光された電子線露光パタ―ン部分のうちパタ―ン境界部のコントラスト比を計算する工程と、変化させた電子線露光パタ―ン部分のうち、コントラスト比が所定値を上回っていて、かつ露光時間が最小となる電子線露光パタ―ン部分を選択する工程と、レジスト膜を選択された電子線露光パタ―ン部分により電子線露光する工程と、レジスト膜を光露光パタ―ンにより光露光する工程と、を含む。
【選択図】図7

Description

本発明は電子線露光技術を含む露光方法、および半導体装置の製造方法に関する。
電子線露光技術は集積密度の大きな先端的な半導体集積回路を製造する上で重要な技術である。例えば電子線露光技術を使うことにより、50nm以下の幅を有するパターンを20nm以下のアラインメント誤差で露光することが可能である。
ところでこのような超微細化あるいは超高速半導体装置の製造においては、素子パターンの分解能もさることながら、製造時のスループットが本質的な重要性を持っている。電子線露光技術では単一の集束電子ビームを使って露光を行うため、この点で全パターンを一回の露光で行える従来の光露光方法に比べて不利にならざるを得ない。
このような状況下で露光のスループットを向上させるべく、電子線露光技術と光露光技術を組みあわせたハイブリッド露光技術が使われている。
特開平11−233435号公報 特開平5−308046号公報
図1Aおよび図1Bは、ハイブリッド露光技術の概要を示す図である。
図1Aおよび図1Bを参照するに、ハイブリッド露光技術は図1Aに示すデータ処理部分と図1Bに示すプロセス部分とを含んでおり、図1Aのデータ処理部分では、所望の露光パタ―ン、すなわち元パタ―ンPを光露光で使われる光露光パタ―ンP1と電子線露光で使われる電子線露光パタ―ンP2とにパタ―ン分割する。光露光パタ―ンP1は一般に、電子線露光技術で露光した場合には時間がかかり過ぎるような大面積のパタ―ンに対応しているのに対し、電子線露光パタ―ンP2は、大面積パタ―ンの外周部なども含む、幅の狭い微細なパターンよりなる。このとき、元パターンPの輪郭部分は必ず電子線露光により行われる様に分割される。ただし、ダミーパターンに関しては実際のパターンよりも線幅精度は要求されないため、通常は光露光パターンに分割される。
前記データ処理部分ではさらにレチクル作成工程により、前記光露光パタ―ンP1より光露光プロセスで使われるレチクル3が作成され、さらにEB露光データ変換工程により電子線露光パタ―ンP2が、電子線露光技術で使われる電子線露光データE2に変換される。
一方図1Bのプロセス部分においては工程(A)において半導体基板1上にレジスト膜2が塗布され、次の工程(B)において、前記データ処理部分で作成されたレチクル3を使って前記レジスト膜2が例えばKrFエキシマレーザなどの深紫外光を使って光露光され、前記レジスト膜2中に前記光露光パタ―ンP1に対応した露光部分2Aが形成される。図示の例ではレチクル3は透明ガラス基板3Aとその上に形成した不透明パタ―ン3Bとより構成された、いわゆるバイナリマスクであるが、本発明はかかるバイナリマスクに限定されるものではなく、いわゆるハーフトーンマスクも使用可能である。
さらに前記プロセス部分では、前記光露光されたレジスト膜2が工程(C)において前記電子線露光データE2を使って電子線露光され、前記レジスト膜2中には、前記露光部分2Aに加えて前記電子線露光パタ―ンP2に対応した露光部分2Bが形成される。
さらにこのようにして露光されたレジスト膜2が図1Bの工程(D)において現像され、レジストパターン2Cが形成される。さらに図示していない工程において前記半導体基板1が前記レジストパタ―ン2Cをマスクにエッチングあるいはイオン注入などの処理を施され、前記半導体基板1中に所望のパタ―ンが形成される。
図2は、このようなハイブリッド露光により、レジスト膜2中に形成される露光ドーズの例を示す。
図2を参照するに、図示の例では光露光パタ―ンP1で光露光される大面積領域の縁辺部のみに、電子線露光パタ―ンP2により幅の狭い微細パタ―ンが電子線露光されており、パタ―ン縁辺部において急峻な露光ドーズ量の変化、すなわち高いコントラスト比が保証されている。なお図2A中において「Eth」はレジスト膜2の露光しきい値であり、レジスト膜2中の露光ドーズ量が前記露光しきい値「Eth」を超えた場合にレジスト膜2中に露光による化学変化が誘起される。
図3は電子線露光によりレジスト膜2をラインアンドスペースパターンよりなる電子線露光パタ―ンP2で露光した場合の対応する電子線露光データE2を、露光ドーズと露光パタ―ンの関係で示す。
図3を参照するに、パタ―ン間隔が広い「疎な」領域では、露光しきい値Ethを超えて所望の幅の露光パタ―ンを形成するには、図中にAで示す大きな露光ドーズ量が必要になるのに対し、パタ―ン間隔が狭い「密な」領域では、基板1からの二次電子の後方散乱による近接効果により露光のベースラインレベルBLがCだけ押し上げられており、その結果、僅かな露光ドーズ量Bでも、所定の線幅のラインアンドスペースパターンを形成できることがわかる。なお図3の「粗な領域」でも二次電子の後方散乱が生じないわけではないが、近接した露光パタ―ンが存在しないため、ベースラインレベルを押し上げるには至っていない。このような二次電子の後方散乱による近接効果は、例えば50kVの加速電圧の場合、シリコン基板上では半径方向で20μm前後に及ぶため、該当パターンの半径約20μm以内にあるパターンの密度によって決まるものである。
電子線露光において露光ドーズ量を増やすには、露光時間を増やす必要があり、図3は、孤立した密度の低いパタ―ンを電子線露光する場合、露光に時間がかかってしまう場合があることを示している。光露光の場合には、レジストパターンの表面に反射防止膜が形成され、また照射された光は基板1の表面近傍までは届かないことが多いので、このような二次電子の後方散乱に類した現象は生じない。
図4は、前記図2あるいは図3のような電子線露光パタ―ンP2を電子線露光した場合の全体の露光時間と全体のショット数の概略的な関係を示すグラフである。ただし図4中、縦軸は電子線露光全体の露光時間を、横軸は全体のショット数を示している。
図4を参照するに、図2あるいは図3の電子線露光パタ―ンP2全体の露光時間(「トータルの露光時間」)は、ショットの数(「トータルショット数」)に比例すると考えられ、また個々のショットにおいては、所定の線幅を達成するための露光時間の他に電子線がオンになってから安定するまで一定の整定時間が必要であることから、
[トータルの露光時間]=(露光時間+整定時間)×ショット数+比例定数(オーバーヘッド) (式1)
と表すことができる。ここでオーバーヘッドは、一連の露光の開始に先だって、あるいは終了に伴って必要になる露光以外のプロセスの時間を表している。
上記(式1)より、図4の直線(c)で示したように、個々のショットの「露光時間」が一定であれば、「トータルの露光時間」はショット数に比例して増加し、全体として大きな露光時間が必要となる場合があるものの、図中に直線(b)で示したようにショット数が比較的多くとも、個々のショットの「露光時間」が短ければ、「トータルの露光時間」はそれほど増加しない場合があり、さらに図4中に直線(a)で示したように、ショット数が少なくても、個々のショットの「露光時間」が非常に長ければ、「トータルの露光時間」も長くなる場合があることがわかる。
個々のショットにおける「露光時間」は、そのショットに必要な露光ドーズ量を電流密度で割り算したものであり、電子線露光装置では露光ショット毎に電流密度を変化させるのは現実的でないため、例えば図3の「粗な領域」に形成されたパタ―ンでは、図4の直線(a)で示すように、ショット数が少なくても、十分な露光ドーズ量を得るためにトータルの露光時間を長くせざるを得なくなる場合がある。
すなわち図4は、図2あるいは図3の電子線露光パタ―ンP2において、トータルのショット数を減少させれば必ずしもトータルの露光時間が短くなるわけではないことを意味しており、さらに、例えば図4の直線(b)に示されるように、トータルのショット数が多少増加しても、個々のショットにおける「露光時間」を最適化できれば、トータルの露光時間を短くできる可能性があることを意味している。
一の側面によれば露光方法は、露光パタ―ンを、電子線露光により露光される電子線露光パタ―ン部分と、光露光により露光される光露光パタ―ン部分とに分割する工程と、前記電子線露光パタ―ン部分において、前記電子線露光パタ―ン部分のパタ―ン幅あるいはパタ―ン間隔をもとに領域を検出する工程と、前記検出された領域において前記電子線露光パタ―ン部分のパタ―ン幅を変化させ、前記変化させた電子線露光パタ―ン部分をレジスト膜に露光するに必要な露光時間、および前記レジスト膜に露光された前記電子線露光パタ―ン部分のうちパタ―ン境界部のコントラスト比を計算する工程と、前記変化させた電子線露光パタ―ン部分のうち、前記コントラスト比が所定値を上回っていて、かつ露光時間が最小となる前記電子線露光パタ―ン部分を選択する工程と、前記レジスト膜を、前記選択された電子線露光パタ―ン部分により電子線露光する工程と、前記レジスト膜を、前記光露光パタ―ンにより光露光する工程と、を含む。
本発明によれば、パタ―ン密度が低く、そのためベースラインレベルを実質的に上昇させるような電子の後方散乱効果が期待できず、高い露光ドーズ量を達成するために長い露光時間を使用する必要があるようなパタ―ンの電子線露光の際に、追加のパタ―ンを露光することで、あるいはパタ―ン幅を増加させることで、後方散乱効果による露光のベースラインレベルを上昇させることが可能となり、その結果、当該パタ―ンの電子線露光のための露光時間を短縮することが可能となる。
ハイブリッド露光技術におけるデータ処理部分の概要を示す図である。 ハイブリッド露光技術におけるプロセス部分を示す図である。 ハイブリッド露光技術における露光ドーズの例を示す図である。 電子線露光技術においてパタ―ン密度に依存して生じる近接効果を説明する図である。 トータルショットするとトータル露光時間の関係について、様々な例を示すグラフである。 本実施形態で使われる電子線露光装置の概要を示す図である。 図5の電子線露光装置において実施され最短露光時間を与える電子線露光パタ―ンの作製手順を示すフローチャートである。 (A)〜(E)は、図6のフローチャートに対応した電子線露光パタ―ンおよび電子線露光データの変形を示す図である。 比較対照例による露光データの変形を、対応する露光パタ―ンとともに示す図である。 図6および図7の手順による最適電子線露光パタ―ンの探索の一例を示す図である 図6および図7の手順による最適電子線露光パタ―ンの探索の他の例を示す図である 図6および図7の手順による最適電子線露光パタ―ンの探索のさらに他の例を示す図である。 第1の実施形態の一変形例を示す図である。 第2の実施形態による電子線露光データの作成例を示すフローチャートである。 (A),(B)は、図11のフローチャートに対応した電子線露光パタ―ンの変形を示す図である。
[第1の実施形態]
図5は、本実施形態で使われる電子線露光装置10の概略的構成を示す図である。
図5を参照するに、電子線露光装置10は被露光基板Wを保持する基板保持台11を収容し真空排気される試料室10Aと、前記試料室10Aに結合され、電子線源となる電子銃12を収容した鏡筒10Bとを備えており、前記電子銃12は電子線EBを前記基板保持台11上の被露光基板Wに向けて所定の光軸に沿って発射する。
前記鏡筒10B中には前記電子ビーム12Eを成形するための第1アパーチャ13,第2アパーチャ14、電子線成形レンズ15および成形偏向器16が形成され、前記電子銃12から発射された電子線の断面形状が所定形状に整えられる。
このようにして断面形状を整えられた電子線は、前記鏡筒10B中に配設された縮小レンズ17により縮小され、さらに投影レンズ18により、前記基板保持台11上の被露光基板W上に集束される。さらに前記電子線は前記鏡筒10B中に配設された主偏向器19および副偏向器20により、前記被露光基板Wの表面を動かされる。
さらに前記電子線露光装置10は、コンピュータを含む制御装置10Cを含んでおり、制御装置10Cは前記電子線露光装置10のみならず、図示を省略した光露光装置による被露光基板Wの露光を制御し、さらに前記制御装置10Cは、以下に説明するように元パタ―ンPを与えられて光露光パタ―ンP1によりレチクルを作製するプロセスや、電子線露光データE2を電子線露光パタ―ンP2から作成するプロセスをも制御する。
図6は、図5の電子線露光装置10の制御装置10Cにおいて実行される制御動作の一例を示すフローチャートである。
図6を参照するに、図示の例では最初にステップ1において、例えば図1Aの元パタ―ンPから、図7(A)に示すような、「ホットスポット」ともよばれるパタ―ン精度に対してクリティカルなパタ―ン境界部が抽出され、さらにステップ2において前記元パタ―ンPが、図1Aで説明したように光露光パタ―ンP1と電子線露光パタ―ンP2とに分割され、ステップ3において前記光露光パタ―ンP1から光露光で使われるレチクル3が作製される。
一方前記ステップ2の後、ステップ4において、前記元パタ―ンPから分割された図7(B)に示す電子線露光パタ―ンP2が制御装置10Cの記憶装置に格納され、ステップ5でこれが、図7(C)に示す電子線露光データE2に変換される。さらにステップ6で当該電子線露光データを使った場合に露光に必要な露光時間が計算される。ただし図7(C)の電子線露光データE2は、図7(B)の電子線露光パタ―ンP2のうち、線A−A’に沿った露光ドーズ量のプロファイルになっている。図7(B)の電子線露光パタ―ンP2は、ラインアンドスペースパターンP2cの他に、枠状のパタ―ンP2a,P2b,P2dを含んでいる。
なお前記ステップ5では電子線露光パタ―ンP2を電子線露光データに変換する際に近接効果補正、すなわち前記図3で説明した後方散乱した二次電子によるレベルの上昇、およびかかるベースラインレベルの上昇に伴うレジストの露光の効果も勘案しており、ステップ6における露光時間の計算においては、かかる近接効果の影響が考慮されている。前記図7(B)の電子線露光パタ―ンP2の場合には、図7(C)に示すように全領域にわたりパタ―ン密度が低く、またパタ―ン線幅が狭く、後方散乱効果によるベースラインレベルの上昇は実質的に生じていない。
次にステップ7において、先のパタ―ン境界部、すなわち「ホットスポット」において所定のしきい値以上のコントラスト比が得られているかどうかが判定される。例えば図7(B)の電子線露光パタ―ンP2の場合、パタ―ン密度が低いため、先にも述べたように実質的な近接効果の影響はなく、対応する図7(C)の電子線露光データE2において円で囲んで示したパタ―ン境界部においては、非常に鋭い露光ドーズ量の変化が得られている。
ステップ7で判定されたコントラスト比がしきい値以上であればプロセスはステップ8に進み、現在の電子線露光パタ―ンP2についてパタ―ン間隔を判定し、前記近接効果によるベースラインレベルの上昇が十分に生じていないような粗なパタ―ン領域、すなわち20μm□程度内のパターン密度が低い領域、例えば図7(B)におけるパタ―ンP2a〜P2dが形成されている領域を抽出し、かかる領域に所定の近接効果が生じるように、例えば図7の(D)に示すように、電子線露光パタ―ンP2a’〜P2d’を追加し、前記電子線露光パタ―ンP2から電子線露光パタ―ンP2’を形成する。例えば図7(B)のパタ―ンP2aにおけるパタ―ン間隔Xが、図7(D)のパタ―ンP2a’ではパタ―ン間隔X’に減少し(X’<X)、同様に図7(B)のパタ―ンP2cにおけるパタ―ン間隔Yが、図7(D)のパタ―ンP2c’ではパタ―ン間隔Y’に減少する(Y’<Y)。
なお図7(D)における枠状の露光パタ―ンP2a,P2b,P2dは、光露光される光露光パタ―ンP1に対応しており、従って、図6のステップ8は、前記電子線露光パタ―ンP2において、光露光パタ―ンP1に対応した領域に追加露光パタ―ンP2a’,P2b’およびP2d’を追加していく工程となっている。
また前記図7の(B)におけるラインアンドパタ―ンP2cに対応する領域では、ラインアンドスペースパタ―ンの間に、図7(D)において破線で示される露光パタ―ンP2c’が追加されるが、このような追加される露光パタ―ンが露光しきい値Ethを超えて露光されてしまわないように、図7(E)に示すように、追加露光パタ―ンP2C’の露光ドーズ量も、レジスト膜2の露光しきい値Ethよりも低く設定しておくのが好ましい。
図7(E)は、前記図7(D)の電子線露光パタ―ンP2’に対応する電子線露光データE2’を示す。ただし図7(E)の電子線露光データE2’も、図7(C)の電子線露光データE2と同じく、図7(D)の電子線露光パタ―ンP2’の線A−A’に沿った露光ドーズプロファイルになっている。
図7(E)を参照するに、電子線露光データE2’においては前記P2a’,P2b’,P2c’およびP2d’に対応して追加の露光ドーズe2が発生しており、これに伴って生じる電子の後方散乱の結果、ベースラインBLが上昇することがわかる。なお前記追加の露光ドーズe2のうち、両端の追加露光パタ―ンP2a’およびP2d’については、露光しきい値Ethを超えても構わない。
前記ステップ8ではまだベースラインBLの上昇までは計算していないが、ステップ8の工程の後、プロセスはステップ5に戻り、このようにして得られた電子線露光データE2’に対し近接効果補正を行った上で、すなわち後方散乱電子によるベースラインBLの上昇を補正した上で、ステップS6にて露光時間を計算し、さらにステップ7において、図7(E)に円で囲んだパタ―ン境界部のコントラスト比がしきい値以上であることを確認する。先のステップ8で得られた電子線露光パタ―ンP2’では、前記図7(E)の電子線露光データE2’からわかるように、パタ―ンを追加してパタ―ン密度を増大させた結果、近接効果によりベースラインレベルが上昇しており、所望のパタ―ン幅のパタ―ンを形成するに必要なドーズ量は、図7(C)のAに対応する例えば33μC/cmから、Bに対応する例えば13μC/cmまで減少している。
前記ステップ7でパタ―ン境界部のコントラスト比が所定のしきい値を上回っていると判定された場合には、再びステップ8が実行され、パタ―ンP2a〜P2dにさらにパタ―ンが追加され、プロセスはステップ5に戻る。
さらにステップ6で露光時間が計算された後、ステップ7でパタ―ン境界部のコントラスト比が判定される。前記ステップ8において、図7(D)の電子線露光パタ―ンP2’にさらにパタ―ンが追加された場合には、例えば図8の比較例に示すように、得られた電子線露光パターンにおいてパタ―ン密度が過剰になり、近接効果によるベースラインレベルの押し上げが過剰になる可能性がある。そのような場合には、パタ―ン境界でパタ―ンが十分に解像しなくなり、ステップ7におけるコントラスト比の判定で、コントラスト比が所定のしきい値未満であると判定されることになる。なお図8の例は、図2における元パタ―ン(P1とP2を足したもの)を全て電子線露光により露光した場合に相当する。
このようにしてステップ7でコントラスト比が所定にしきい値未満であると判定されると、プロセスはステップ8に進む代わりにステップ8からステップ5に戻るループから抜け出し、得られた電子線露光パタ―ンP2,P2’・・・、あるいは対応する電子線露光データE2,E2’・・・のうち、露光時間が最小なものが選択される。
さらに図示を省略した次のプロセスで、このようにして選択された電子線露光データを図5の電子線露光装置10において使うことで、前記図1Bにおける(C)の工程が実行される。
なお図6のステップ1の工程は、ステップ5の工程の前であれば、前記ステップ2あるいはステップ4の後で実行することも可能である。
図9Aは、このようなショット数の増加と、これに伴う露光時間の変化の例を示すグラフである。図9A中、横軸はショット数の変化を、左側の縦軸はトータルの露光時間、すなわちパタ―ンP2あるいはP2’などを露光するのに要する露光時間を、また右側の縦軸は、パタ―ン境界におけるショット毎のコントラスト比の変化を、コントラスト比の逆数で示している。
図9Aを参照するに、ショットの増加とともにトータルの露光時間はいったん減少し、その後増大に転じる。一方、コントラスト比の逆数はショット数の増加とともに増加し、あるところで所定の限界値を超えるのがわかる。
そこで図6のフローチャートによる手順によれば、前記コントラスト比の逆数が前記限界値を超えた時点でショット数の増加およびトータルの露光時間の計算は打ち切られ、トータルの露光時間が最小となる電子線露光パタ―ンあるいは対応する電子線露光データが、前記図1の(C)の工程のために選択される(図9(A)の「決定」)。
図9Bは別の例を示しており、この例ではショット数を増加させると共にトータルの露光時間が減少しており、コントラスト比が限界値となってパタ―ン追加を打ち切った場合、打ち切った時点での電子線露光パタ―ンが、トータルの露光時間が最も短いパタ―ンとなり、これが前記図1Bの(C)の電子線露光において使われる(図9Bの「決定」)。
図9Cはさらに別の例を示しており、この例ではショット数を増加させると共にトータルの露光時間が減少しており、コントラスト比が限界値となってパタ―ン追加を打ち切った場合、パタ―ン追加を開始した時点での電子線露光パタ―ンが、トータルの露光時間が最も短いパタ―ンとなり、これが前記図1Bの(C)の電子線露光において使われる(図9Cの「決定」)。
なお追加されるパタ―ンは、図7(D)に示したラインアンドスペースパターンに限定されるものではなく、図10に示すように相互に孤立したドットパタ―ンをダミーパタ―ンとして追加してもよい。
[第2の実施形態]
図11は、図5の制御装置10Cにおいて実行される第2の実施形態による電子線露光データE2の作成例を示すフローチャートである。
図11を参照するに、図示の例では最初にステップ11において、例えば図1の元パタ―ンPから、先に図7(A)で説明したような、「ホットスポット」ともよばれるパタ―ン精度に対してクリティカルなパタ―ン境界部が抽出され、さらにステップ12において前記元パタ―ンPが、図1Aで説明したように光露光パタ―ンP1と電子線露光パタ―ンP2とに分割され、ステップ13において前記光露光パタ―ンP1から光露光で使われるレチクル3が作製される。
一方前記ステップ12の後、ステップ14において、前記元パタ―ンPから分割された図12(A)に示す電子線露光パタ―ンP2が制御装置10Cの記憶装置に格納され、ステップ15でこれが、先に図7(C)で説明したような電子線露光データE2に変換される。さらにステップ6で当該電子線露光データを使った場合に露光に必要な露光時間が計算される。図12(A)の電子線露光パタ―ンP2は、ラインアンドスペースパターンP2cの他に、枠状のパタ―ンP2a,P2b,P2dを含んでいる。
なお前記ステップ5では電子線露光パタ―ンP2を電子線露光データに変換する際に近接効果補正、すなわち前記図3で説明した後方散乱電子によるレベルの上昇、およびかかるベースラインレベルの上昇に伴うレジストの露光の効果も勘案しており、ステップ6における露光時間の計算においては、かかる近接効果の影響が考慮されている。前記図12(A)の電子線露光パタ―ンP2の場合には、全領域にわたりパタ―ン密度が低く、またパタ―ン線幅が狭く、近接効果によるベースラインレベルの上昇は実質的に生じていない。
次にステップ17において、先のパタ―ン境界部、すなわち「ホットスポット」において所定のしきい値以上のコントラスト比が得られているかどうかが判定される。例えば図12(A)の電子線露光パタ―ンP2の場合、パタ―ン密度が低いため、先にも述べたように実質的な近接効果の影響はなく、対応する電子線露光データE2のパタ―ン境界部においては、非常に鋭い露光ドーズ量の変化が得られる。
ステップ17で判定されたコントラスト比がしきい値以上であればプロセスはステップ18に進み、現在の電子線露光パタ―ンP2についてパタ―ン幅Wを判定し、前記近接効果によるベースラインレベルの上昇が十分に生じていないような細いパタ―ン領域、例えば図12(A)におけるパタ―ンP2a〜P2dが形成されている領域を抽出し、かかる領域に所定の近接効果が生じるように、例えば図12(B)に示すように、電子線露光パタ―ンP2a’’〜P2d’’の幅をレチクルで描画する部分を削るように増やしてゆき、面積密度を上昇させ、前記電子線露光パタ―ンP2から電子線露光パタ―ンP2’’を形成する。
一方、前記図12(A)におけるラインアンドパタ―ンP2cに対応する領域では、ラインアンドスペースパタ―ンの間に、先の図7(D)の場合と同じように、破線で示される露光パタ―ンP2c’が追加される。
前記ステップ18ではまだベースラインBLの上昇までは計算していないが、ステップ8の工程の後、プロセスはステップ15に戻り、このようにして得られた電子線露光データE2’に対し近接効果補正を行った上で、すなわちベースラインBLの上昇を補正した上で、ステップS16にて露光時間を計算し、さらにステップ17において、前記パタ―ン境界部のコントラスト比がしきい値以上であることを確認する。
前記ステップ17でパタ―ン境界部のコントラスト比が所定のしきい値を上回っていると判定された場合には、再びステップ18が実行され、パタ―ンP2a〜P2dにおいてさらにパタ―ン幅が増加され、プロセスはステップ15に戻る。
さらにステップ16で露光時間が計算された後、ステップ17でパタ―ン境界部のコントラスト比が判定される。前記ステップ18のパタ―ン処理の結果、パタ―ン境界でパタ―ンが十分に解像しなくなると、ステップ17におけるコントラスト比の判定で、コントラスト比が所定のしきい値未満であると判定され、プロセスはステップ18に進む代わりにステップ18からステップ15に戻るループから抜け出し、得られた電子線露光パタ―ンP2,P2’’・・・、あるいは対応する電子線露光データE2,E2’’・・・のうち、露光時間が最小なものが選択される。
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
1 被露光基板
2 レジスト膜
2A 光露光部分
2B 電子線露光部分
10 電子線露光装置
10A 試料室
10B 鏡筒
10C 制御装置
11 基板保持台
12 電子線源
13 第1アパーチャ
14 第2アパーチャ
15 電子線成形レンズ
16 成形偏向器
17 縮小レンズ
18 投影レンズ
19 主偏光器
20 副偏向器
P 元パタ―ン
P1 光露光パタ―ン
P2,P2’ 電子線露光パタ―ン
P2a,P2b,P2c 枠状パタ―ン
P2a’,P2b’,P2c’ 追加パタ―ン
E2,E2’ 電子線露光データ

Claims (5)

  1. 露光パタ―ンを、電子線露光により露光される電子線露光パタ―ン部分と、光露光により露光される光露光パタ―ン部分とに分割する工程と、
    前記電子線露光パタ―ン部分において、前記電子線露光パタ―ン部分のパタ―ン幅あるいはパタ―ン間隔をもとに領域を検出する工程と、
    前記検出された領域において前記電子線露光パタ―ン部分のパタ―ン幅あるいはパタ―ン間隔を変化させ、前記変化させた電子線露光パタ―ン部分をレジスト膜に露光するに必要な露光時間、および前記レジスト膜に露光された前記電子線露光パタ―ン部分のうちパタ―ン境界部のコントラスト比を計算する工程と、
    前記変化させた電子線露光パタ―ン部分のうち、前記コントラスト比が所定値を上回っていて、かつ露光時間が最小となる前記電子線露光パタ―ン部分を選択する工程と、
    前記レジスト膜を、前記選択された電子線露光パタ―ン部分により電子線露光する工程と、
    前記レジスト膜を、前記光露光パタ―ンにより光露光する工程と、
    を含むことを特徴とする露光方法。
  2. 前記検出される領域は、前記レジスト膜中における前記被露光基板からの電子の後方散乱の影響が及ぶ領域であり、前記電子線露光パタ―ン部分のパタ―ン幅あるいはパタ―ン間隔を変化する工程は、後方散乱距離から規定される領域内のパターン面積密度を増やすように実行されることを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  3. 前記選択された電子線露光パタ―ン部分は、前記レジストの露光しきい値を超えないような露光ドーズで露光される電子線露光パタ―ンを含むことを特徴とする請求項1記載の露光方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の露光方法を使った半導体装置の製造方法。
  5. 露光パタ―ンを、電子線露光により露光される第1電子線露光パタ―ン部分と、光露光により露光される光露光パタ―ン部分とに分割する工程と、
    前記光露光パターン部分に重なるように、第2電子線露光パターンを発生させる工程と、
    前記第2電子線露光パタ―ン部分のパタ―ン幅あるいはパタ―ン間隔を変化させ、前記第1電子線露光パターン部分及び変化させた前記第2電子線露光パタ―ン部分をレジスト膜に露光するに必要な露光時間、および前記レジスト膜に露光された前記第1電子線露光パタ―ン部分及び前記第2電子線露光パタ―ン部分のうちパタ―ン境界部のコントラスト比を計算する工程と、
    前記コントラスト比が所定値を上回っていて、かつ露光時間が最小となる前記第1電子線露光パタ―ン部分及び前記第2電子線露光パタ―ン部分を選択する工程と、
    前記レジスト膜に、選択された前記第1電子線露光パタ―ン部分及び前記2電子線露光パタ―ン部分を電子線露光する工程と、
    前記レジスト膜を、前記光露光パタ―ンにより光露光する工程と、
    を含むことを特徴とする露光方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7474787B2 (ja) 2019-05-24 2024-04-25 ディー・ツー・エス・インコーポレイテッド 局所パターン密度に対する荷電粒子ビーム露光を判定するための方法とシステム

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