JP3708858B2 - パターン描画方法及び描画装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビームやレーザビームなどを用いたパターン描画技術に係わり、特に半導体デバイスを製造するために使用される回路パターンの描画方法及び描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスのデザインルールが微細化,高精度化の一途を辿るなか、リソグラフィ技術に対する寸法精度(CD精度),重ね合わせ精度,スループット及びコストに対する要求は厳しくなる一方である。特に、マスクヘの要求は非常に厳しく、精度の達成とTAT(turn around time)の短縮化はもとより、製造コストの高騰を抑えることが重要課題の一つになっている。
【0003】
マスク描画に使用される可変成形型電子ビーム描画装置では、設計パターンデータ(CADデータ)から、近接効果補正や図形パターンの分割などの処理を施し、描画装置用の特殊なマシンデータとして描画データが生成される。ここで、図形パターンの分割処理は、装置の有するビームサイズにより規定される最大ショットサイズ単位で行われ、その際に分割された各ショットの座標位置,サイズ,照射時間が設定される。また、描画する図形パターンの形状や大きさに応じてショットが成形されるようにマシンデータが準備される。
【0004】
マシンデータに変換された描画データは、短冊状のフレーム(主偏向領域)毎に区切られ、更にその中で副偏向領域単位に分割されている。従って、チップ全体の描画データは、主偏向領域サイズからなる複数の帯状のフレームデータと、フレーム内で主偏向領域よりも小さい複数の副偏向領域単位に分割されたデータ階層構造から構成されている。
【0005】
描画の際には、特定の一方向に沿って、第1のフレームに属する1つ目の副偏向領域内のパターンを描画し、次に主偏向器によりビームを次の副偏向領域に移動し、対象となる副偏向領域内の描画を行う。1つのフレーム内のパターンを全て描画し終えた後は、ステージを移動することにより、次のフレームに描画対象を移す。順次、これらの動作を繰り返して全域を描画する。副偏向領域は、副偏向器により主偏向領域よりも高速にビームが走査されて描画される領域であり、一般に最小描画単位となる。副偏向領域内を描画する際には、パターン図形に応じて準備された寸法と形状のショットが成形偏向器により形成される。
【0006】
このような電子ビーム描画装置においては、電子ビームの電流値や位置のドリフト,フォーカス変動,設置環境の変動による要因、更に前方散乱や後方散乱に起因するとされる所謂近接効果の影響により、所望のCD精度を達成することが難しい。これらの変動要因は、フレーム,副偏向領域,ショット間の接続精度にも影響を与えるために、local CD,global CDエラーの原因にもなる。このような描画精度劣化を改善する手法としては、個々の要因に係る改善を行う一方で、多重描画を適用して種々の変動要因を平均化することが行われている。また、レジストの特性やレジストプロセスに起因したエラーも無視できず、中でもレジストヒーティングが問題として指摘されている。
【0007】
レジストヒーティングは、ビームの照射によってレジストが加熱される際に、レジストの熱特性に応じてCD変化が生じることに起因する。描画によるレジスト内の熱蓄積量の面内分布は、概ねビーム照射領域の温度の違いに従って発生し、描画順に応じたCD変化を引き起こす。この熱分布によるCD変化は、電子ビーム直接描画技術においても同様であり問題になっている。
【0008】
レジストヒーティングの影響を低減しレジストパターンのCDばらつきを改善する方法として、次の(1)〜(3)が提案されている。
(1)パターン露光方法(特許第2910460号)
(2)パターン描画方法及び描画装置(特開平11-274038号公報)
(3)荷電ビーム露光方法(特許第2639168号)
しかしながら、これらの方法によっても、依然として十分な改善がみられていないのが現状である。
【0009】
(1)においては、図形パターンを描画する際に局所的なヒーティングを抑制しているわけではないので、CD精度の改善には至っていない。さらに、主偏向器によって副偏向領域をまたいでいるために、接続精度が劣化しやすくCD精度の低下を招く。(2)では、多重描画を行うことで1回当たりの描画によりレジストへ与える熱量を軽減させているが、平均化しているだけであり局所的なヒーティングは抑制できない。つまり、パターンサイズやパターン面積密度に依存するヒーティングの影響を抑制できず、CD精度の改善効果が不十分になる。また(3)は、ビームの最大ショット以上のパターンを露光する場合に限定されており、描画対象となるパターンのサイズやパターンの面積密度依存して生じるヒーティングを抑制できず、CD精度の改善効果が不十分になる。
【0010】
また、本発明者らの検討では、被処理基板自身の温度耐性が比較的低い場合、ビーム照射による熱の影響が大きいと精度や機能の劣化を引き起こすことが判明している。これらの問題は、例えば将来のリソグラフィ技術の候補と考えられているEUVL(Extreme Ultra Violet Lithography),SCALPEL(Scattering with Angular Limitation Projection lithography),EPL(Electron Projection Lithography),PXL(Proximity X-ray Lithography),ArFリソグラフィ,F2リソグラフィにおけるマスクヘの描画において顕著にみられる。
【0011】
EUVLリソグラフィ用マスクでは、波長13nmの軟X線の反射率を高めるために、Mo/Siからなる多層膜構造を搭載していることが一般的であるが、この多層膜は150℃程度の温度が印加されると反射率が低下する。マスクを作製する際に許容以上の温度が印加された場合には、反射率が低下するために必要なマスクコントラストが得られなくなり、マスク自身としての転写機能を失う。また、局所的に温度が印加された場合においても、マスク面内の反射特性が変化するためにマスクコントラストが部分的に低下し、転写したパターンに欠陥が発生することになる。さらに、部分的なコントラストの低下を伴ったマスクについては、パターン欠損を修正するような手段が適用できず、再生不可能である。
【0012】
また、ArF用レチクルの位相シフトマスク構造体においても、材料によっては位相シフト膜の光学定数が温度印加によって変化することがあり、時として所定の位相変化を示さなくなる場合がある。従って、転写パターンの解像性が劣化する問題が生じる。
【0013】
また、F2用マスクではフッ化カルシウムがガラス母材として有力候補にあげられているが、この熱耐性も懸念材料になっている。現在においては、この母材の熱耐性については、十分な評価を検討できる状況にないが、局所的な熱印加は、母材内部に透過率の低下部位を発生させ転写の際に欠陥が生じる恐れがある。また、ガラス母材の寿命にも関係し、マスク作製時や転写時の温度を厳しく管理する必要がある。
【0014】
その他、SCALPEL,EPL,PXL用のマスクは、所謂メンブレン構造を採用しているが、薄膜構造ゆえに比較的小さな温度印加によっても、熱膨張係数に起因する膜の熱応力に不均一性が生じ、寸法変動や位置誤差が増大する問題がある。また、電子ビーム直接描画技術のように直接プロセス基板にパターンを描画する場合にも同様の問題が生じる。一般的に、デバイスを製造する上で各プロセスにおけるサーマルバジェットは、良品デバイスを得るために、また電気特性の確保や歩留まりを向上するために、厳密に規定されている。従って、描画時のビーム照射による温度上昇が生じる場合には、このサーマルバジェットを満足する必要がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、電子ビーム描画技術におけるビーム照射による熱問題は、レジストヒーティングを引き起こし所定のCD精度が得られないばかりでなく、例えば露光用マスク等の基板自身の結像機能若しくは諸特性の劣化を招くことになる。前述した従来技術は、レジストヘの熱的ダメージを緩和するか、若しくはCD精度を改善するための手段に過ぎず、上述したような問題に対して十分な効果は得られなかった。
【0016】
本発明は、上記事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、電子ビームやレーザビームなどを用いて被処理基板に回路パターンを描画する際の処理速度を低下させることなく、照射熱による影響を低減して寸法精度の向上をはかることができ、且つ被処理基板に対する照射熱損傷を低減することのできるパターン描画方法及び描画装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は次のような構成を採用している。
【0018】
即ち本発明は、荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画方法であって、所定偏向領域内の図形パターンの面積密度を算出し、この算出結果と描画時の基板温度との関係に基づいて、所定偏向領域毎に最大ショットサイズ(図形パターンの最大ショット分割サイズ又は最大のビームショットサイズ)を決定することを特徴とする。さらに所定偏向領域は、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域であることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画方法であって、所定偏向領域内の図形パターン毎の面積密度を算出し、この算出結果と描画時の基板温度との関係に基づいて、図形パターン毎に最大ショットサイズ(図形パターンの最大ショット分割サイズ又は最大のビームショットサイズ)を決定することを特徴とする。さらに所定偏向領域は、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域であることを特徴とする。
【0020】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものが挙げられる。
【0021】
(1) 副偏向領域内の図形パターンの面積密度に応じて、該図形パターン毎にショット分割と多重描画回数,照射量を決定すること。
【0022】
(2) 副偏向領域内の図形パターンの面積密度に応じて、ショットサイズ,ショット分割,多重度,照射量を決定する演算において、計算或いは実験的に予測されたデータ或いはルール化されたパターン面積密度と基板温度に関するデータベースに基づき、描画条件を設定すること。
【0023】
(3) 副偏向領域内の図形パターンの面積密度に応じて、ショットサイズ,ショット分割,多重度,照射量を決定する演算において、実験的に予測されたデータ或いはルール化されたパターン面積密度と描画精度に関するデータベースに基づき、描画条件を設定すること。
【0024】
(4) 副偏向領域内に含まれる図形パターンの寸法や形状のデータを抽出し、パターン面積密度データと合わせて、各描画条件を設定すること。
【0025】
(5) 副偏向領域内の図形パターンの面積密度に応じて、一度設定した図形パターン毎の最大ショットサイズを用いて、装置用の描画データを展開し、この装置用描画データにより描画を行ったと想定される処理時間を見積もり、この処理時間を基に最大ショットサイズを再度設定し、処理時間の観点から最適な最大ショットサイズを決定すること。
【0026】
また本発明は、荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画装置であって、設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、所定偏向領域内の図形パターンの面積密度を算出する面積密度演算部と、この面積密度演算部の算出結果と描画時の基板温度との関係に基づいて、所定偏向領域毎に最大ショットサイズ(図形パターンの最大ショット分割サイズ又は最大のビームショットサイズ)を決定するショットサイズ決定部とを有し、前記決定されたショットサイズの条件の下にパターンを描画することを特徴とする。さらに所定偏向領域は、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域であることを特徴とする。
【0027】
また本発明は、荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画装置であって、設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、所定偏向領域内の図形パターン毎に面積密度を算出する面積密度演算部と、この面積密度演算部の算出結果と描画時の基板温度との関係に基づいて、図形パターン毎に最大ショットサイズ(図形パターンの最大ショット分割サイズ又は最大のビームショットサイズ)を決定するショットサイズ決定部とを有し、前記決定されたショットサイズの条件の下にパターンを描画することを特徴とする。さらに所定偏向領域は、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域であることを特徴とする。
【0028】
また本発明は、荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画装置であって、設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域毎の図形パターンの面積密度を計算する手段と、前記計算された面積密度と描画時の基板温度又は描画精度に関するデータベースに基づき、副偏向領域毎に最大ショットサイズを決定する手段と、前記決定された最大ショットサイズを元にショット分割数を決定する手段とを具備してなり、副偏向領域毎の図形パターンの面積密度に応じて副偏向領域内の最大ショットサイズ及びショット分割数を変更して描画することを特徴とする。
【0029】
また本発明は、荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画装置であって、設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域内の図形パターン毎の面積密度を計算する手段と、前記計算された面積密度と描画時の基板温度又は描画精度に関するデータベースに基づき、図形パターン毎に最大ショットサイズを決定する手段と、前記決定された最大ショットサイズを元にショット分割数を決定する手段とを具備してなり、副偏向領域内の図形パターン毎の面積密度に応じて副偏向領域内の最大ショットサイズ及びショット分割数を変更して描画することを特徴とする。
【0030】
また本発明は、荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画し、且つ少なくとも所望の同一図形パターンを任意回数の多重度で描画するパターン描画装置であって、設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域毎の図形パターンの面積密度を計算する手段と、前記計算された面積密度と描画時の基板温度及び多重描画回数の関係に関するデータベースに基づき、副偏向領域毎に最大ショットサイズを決定する手段と、前記データベースに基づき図形パターン毎の多重描画回数を決定する手段と、前記決定された多重描画回数に応じてビーム照射量を変化させる手段と、前記決定された最大ショットサイズを元にショット分割数を決定する手段とを具備してなり、副偏向領域毎の図形パターンの面積密度に応じて副偏向領域内の最大ショットサイズ,ショット分割数,多重度,ビーム照射量を変更して描画することを特徴とする。
【0031】
また本発明は、荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画し、且つ少なくとも所望の同一図形パターンを任意回数の多重度で描画するパターン描画装置であって、設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域内の図形パターン毎の面積密度を計算する手段と、前記計算された面積密度と描画時の基板温度及び多重描画回数の関係に関するデータベースに基づき、図形パターン毎に最大ショットサイズを決定する手段と、前記データベースに基づき図形パターン毎の多重描画回数を決定する手段と、前記決定された多重描画回数に応じてビーム照射量を変化させる手段と、前記決定された最大ショットサイズを元にショット分割数を決定する手段とを具備してなり、副偏向領域内の図形パターン毎の面積密度に応じて副偏向領域内の最大ショットサイズ,ショット分割数,多重度,ビーム照射量を変更して描画することを特徴とする。
【0032】
ここで、本発明の望ましい実施態様としては次のものが挙げられる。この実施態様は、荷電ビームの照射ダメージを最小限にして、高いCD精度と基板への損傷や欠陥を低減する際に、各図形パターンヘの熱損傷を最小限にする最大ショットサイズを規定し採用することを特徴とするものである。特に、上述した構成をVSB(variable Shaped Beam)方式の荷電ビーム描画技術において、以下の態様を採用することで好適に実現されるものである。
【0033】
(1) 設計データをもとに、副偏向領域内のパターン面積密度を算出する演算回路を有し、例えば一つの副偏向領域を小領域の複数のメッシュ部に分割し、各メッシュにおけるパターン面積密度を求める演算が行われること。
【0034】
(2) パターン面積密度の算出には、代表図形法のような近接効果補正演算の結果を流用できる構成であること。
【0035】
(3) 所望の描画条件とパターン面積密度と基板温度の関係に基づくデータを演算条件として、最大ショットサイズ、他の描画パラメータを設定すること。
【0036】
(4) 所望の描画条件とパターン面積密度と描画精度の関係に基づくデータを演算条件として、最大ショットサイズ、他の描画パラメータを設定すること。
【0037】
(5) (1)における複数のメッシュ部について、パターン面積密度が所定値以下のメッシュ部は、所定のショットサイズで図形パターンを分割し、所望の照射量条件で描画を行うように図形パターンを分割し描画用のデータを作成すること。
【0038】
(6) 同様に、パターン面積密度が所定値以上のメッシュ部は、前記所定のショットサイズよりも小さく、基板温度上昇が所望以下になるサイズに変更して所定の照射量で描画を行うように図形パターンを分割し描画用のデータを作成すること。
【0039】
(7) 同様に、パターン面積密度が所定値以上のメッシュ部は、前記所定のショットサイズ若しくはより小さいショットサイズを用いて、基板温度が所定値以下になるように複数回の照射量に分けて描画を行うように図形パターンを分割し、多重描画用のデータを作成すること。
【0040】
(8) 描画条件を設定したメッシュ部の描画の仕方は、その中に含まれる図形パターンの大きさと形状に基づき決定された描画用データを作成すること。
【0041】
(9) 更に、前記作成された複数の描画用データについて、描画処理時間を見積もり、処理時間が最短若しくは所望の値よりも短時間の条件を満たす描画用データを選択すること。
【0042】
(10)最終的に決定された描画条件により描画用データを展開し、マシンデータとして転送することにより、描画の際にビーム形状を変更すること。
【0043】
(11)設計データを描画用データとして伝送する際に、順次一定のデータ転送量単位で一連の演算処理を行い、描画条件を設定しながらマシンデータとして展開し、リアルタイムに描画を行うこと。
【0044】
(12)予め設計データの段階で、描画用データに変換する前に、一連の演算処理を行い描画条件を決定し、描画用データを作成しバッファに一時蓄積し、その後マシンデータとして展開し描画を行うこと。
【0045】
(13)描画装置の構成要素とは別に、予め設計データの段階で一連の演算処理を行い描画用データを作成し、その後に描画装置へ伝送してマシンデータとして展開し描画を行うこと。
【0046】
(14)基板温度の関係を示すデータは、基板の反射率,線膨張係数等の温度依存性のある物性値、またレジストの露光感度,寸法変動についてであること。
【0047】
(15)描画条件と基板温度の関係を示すデータベースは、ショットサイズと基板温度、描画位置と距離による基板温度、パターン面積密度と基板温度であり、同様に、レジスト若しくは基板上に形成された膜の温度であること。
【0048】
(16)描画条件と基板温度の関係を示すデータベースは、計算手段、実験的に予測されたデータ、或いはルール化されたデータであること。
【0049】
(17)描画条件とパターン面積密度と描画精度の関係に基づくデータは、実験的に予測されたデータ或いはルール化されたデータであること。
【0050】
要約すると、副偏向領域内のパターン面積密度,図形サイズと形状を算出し、これらに基づいて、副偏向領域毎若しくは副偏向領域内の図形毎に最大ショットサイズを変更して図形分割することにより描画用データを作成し、描画を行うことが適例となる。従って、図形分割を行う際の最大分割ショットサイズを決定すれば、以降の処理において生成されたマシンデータに基づき描画される時の最大ビームショットサイズは、自ずとしてこの最大分割ショットサイズ以下となる。各副偏向領域に対して最大分割ショットサイズを決定する際には、対象とするパターン面積密度の値や範囲に対する許容温度条件を満たすことを前提として、できるだけ寸法の大きいショットサイズを最大分割ショットサイズとして設定することが、スループット上有効になる。また、副偏向器により高速に描画される副偏向領域領域において、最大ショットサイズを変更することにより、処理速度の大幅な低下を回避でき、精度とスループットの両立が可能となる。
【0051】
なお、描画条件は、ショットサイズ,ショット分割数,図形毎の多重描画回数,及び照射量を含む。基板温度に関するデータベースは、ショットサイズと基板温度の関係、パターンの面積密度と基板温度の関係、描画位置と距離による基板温度の関係が好適である。また、データベースに基づき各描画条件を規定する際の基板温度の条件には、温度依存性のある物性値を対象とすることが適しており、基板の材料力学的特性(線膨張係数など)、光学的特性(反射率,透過率)となる。また、基板だけでなく、基板を構成する要素としての、無機,有機膜や感光性レジストについての物性特性を対象とする。描画におけるレジスト感度を対象とすることが可能であり、更に、描画とその後のプロセスにより形成されたレジストパターン寸法、若しくは無機,有機膜によるパターン寸法の形状や寸法精度を対象とする。
【0052】
(作用)
本発明によれば、副偏向領域等の所定偏向領域内の図形パターンの面積密度に基づいて最大ショットサイズを規定するために、処理速度を損なうことなく、照射熱を最小限にでき高い寸法精度が得られる。さらに、基板自身の熱耐性が問題になる場合においても、描画条件の最適化を行うことが可能となるので、その結果として、所望の寸法精度のみならず、基板自身への熱損傷が少なく欠陥の無い描画パターンの形成が可能となる。
【0053】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の各実施形態に使用した可変成形型電子ビーム描画装置の基本的な形態を示す概略構成図である。各実施形態では、この基本形態をベースとして、更に好適となるように形態を変更して用いている。
【0054】
主な構成は、電子光学鏡筒10,試料室20,制御回路系30,制御計算機系40,計測系50,及びデータ処理系60である。電子光学鏡筒10には、電子銃11,各種レンズ12,ブランキング用スリット13,各種偏向器14,及び各種アパーチャ15が含まれる。試料室20には試料(被処理基板)21を搭載するステージ22が収容されており、このステージ22はステージ駆動機構23により駆動される。また、ステージ22の位置はレーザ干渉計51により計測され、これをステージ駆動回路部34にフィードバックすることによりステージ位置が制御される。ビーム電流密度は、ファラデイカップ24により計測され、ビーム電流計測系52を通じて制御計算機41へ電流値が伝達され、さらに電子銃11の制御回路を通じて安定出力が保たれている(不示図)。
【0055】
制御回路系30には、ブランキング制御回路部31,可変成形ビーム寸法制御回路部32,偏向制御回路部33,及びステージ駆動回路部34が含まれ、制御計算機系40は、制御計算機41,バッファメモリ42,及び制御回路43からなる。データ処理系60は、CADシステム61,演算処理器62,及びデータ変換器63から構成される。
【0056】
設計パターンデータ(CADデータ)は、CADシステム61に入力され、演算処理器62において近接効果補正,図形分割などの所定の処理が施された後、データ変換器63でEB用の特殊なマシンデータに変換される。演算処理器62には、演算結果を一時保存する機能としてバッファメモリが付属している。そして、図形分割処理は、設計パターンデータを順次展開して読み込み、演算処理器62の中の図形分割回路に転送して行われる。
【0057】
通常、図形分割は、描画処理時間を最短にするために装置の有するビームサイズにより規定される最大ショットサイズ単位で行われる。その際に、分割された各ショットの座標位置,サイズ,照射時間が設定される。これらを含む描画条件がデータとして準備され、データ変換器63に内蔵されるバッファメモリに一時保存される。さらに、描画する図形パターンの形状や大きさに応じてショットが成形されるように、成形偏向データも準備される。
【0058】
マシンデータに変換された描画データは、従来通り短冊状のフレーム(主偏向領域)毎に区切られ、更にその中で副偏向領域単位に分割されている。このマシンデータは制御計算機系40へ伝送され、マシンデータに基づいて制御計算機41,バッファメモリ42,及び制御回路43により、ブランキング制御回路部31,可変成形ビーム寸法制御回路部32,偏向制御回路部33,及びステージ駆動回路部34が制御される。
【0059】
電子銃11を出た電子ビームはブランキング電極によりON・OFF制御され、このON・OFF時間の調整により描画時の照射量が設定される。ブランキング電極は、各種偏向器14のうち最も電子銃側に位置し、ブランキング制御回路部31と接続されている。そして、ブランキングスリット13を通過したビームは、可変成形ビーム寸法制御回路部32と接続する成形偏向器14、その下段に位置する成形アパーチャ15により所定の形状と寸法に形成される。この成形ビームは、偏向制御回路部33と接続する主偏向器,副偏向器14により試料21上で走査され、これにより所望のパターン描画が施される。
【0060】
図2は、本発明の各実施形態で用いるフローチャートの基本的な構成であり、本発明の主旨を説明するためのものである。所望のパターンを描画するために、設計データを展開し、データ処理を行うステップ(S1)と、各副偏向領域内のパターンの面積密度を算出するステップ(S2)と、前記パターン面積密度に応じて副偏向領域毎に最大ショットサイズを設定するステップ(S3)と、前記最大ショットサイズで各副偏向領域内の図形データを分割処理するステップ(S4)と、他描画条件を含み準備された描画用マシンデータを展開するステップ(S5)とを備え、これらのステップ(S1)〜(S5)を経て描画が行われることを特徴としている。
【0061】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0062】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態に係わる描画方法を説明するためのフローチャートである。前記図2のフローチャートをベースに詳述したもので、描画条件として最大ショットサイズを設定する際の主要な手順を説明するためのフローチャートの例である。
【0063】
所望のパターンを描画するために、設計データを展開し、各副偏向領域内のパターンの面積密度を算出するステップ(S11)と、被処理基板に対して予め用意されたパターンの面積密度と最大ショットサイズと基板温度の関係を示すデータベースを参照するステップ(S12)と、前記データベースに基づいて描画条件を規定するステップ(S13)と、前記規定した描画条件と前記パターン面積密度に応じて副偏向領域毎の最大ショットサイズを設定するステップ(S14)と、前記最大ショットサイズで各副偏向領域データを描画用マシンデータとして展開するステップ(S15)と、S15で展開されたデータで描画を行うステップ(S16)とを備えている。
【0064】
図4は、本実施形態における図3のプロセスを実施する上での装置構成の中のデータ処理系を示したものであり、図1におけるデータ処理系60に加えて、上記参照するためのデータベース64を外部データとして取り込む構成となっている。その他の装置構成は、図1と同様である。従来技術の項で記述したように図形分割は主に装置起因の最大ショットサイズの単位で行われるが、本図に示すように、この分割単位を適正に規定することにより、照射熱による影響を最小限にした描画を実現させている。
【0065】
はじめに、通常のデータ処理と同じく、設計データをCADシステム61へ入力し、演算処理器62において、近接効果補正,照射量設定などの処理が施される。次に、各副偏向領域内に含まれる図形パターンの面積密度が、近接効果補正回路を通じて算出され、一時保存される。ここでは、既に代表図形法による近接効果補正処理の際に計算された結果に基づき、この中から各副偏向領域内に含まれる図形パターンの面積密度が抽出され、演算処理器62に付属するバッファメモリに一時保存されている。
【0066】
次に、演算処理器62において、データベース64からの所定の参照データを引き出し、バッファメモリに保存されたパターン面積密度と比較を行う。データベース64から引用した参照データは、描画対象とする基板温度とパターン面積密度,最大ショットサイズの関係を示すものである。予め、描画における基板の温度上昇の許容値をオペレータがCADシステム60へ入力して設定する。この基板温度の許容値は、描画対象とする基板や使用するレジスト特性に応じて異なり、オペレータが目的とする描画をするために設定するものである。
【0067】
オペレータの設定した許容温度と、バッファメモリに保存された副偏向領域毎のパターン面積密度、データベース64から引用された描画による基板温度と最大ショットサイズの関係を示すデータの各3つのデータに基づき、許容温度以下の条件を満足する最大ショットサイズを決定する演算が行われる。この演算を繰り返すことによって、各副偏向領域に対して個別の最大ショットサイズが決定される。次に、副偏向領域毎に異なる最大ショットサイズにより、図形パターンデータの分割処理が行われる。以降のデータの流れ、描画の様式は図1で示した通りとなる。
【0068】
ここで、データベース64から引用した参照データについて、図5を用いて説明を行う。図5は、シミュレーションより得られた半実験的データであり、シミュレーションの際に、実験結果と計算結果が一致するようにパラメータフィッティングが行われたものである。グラフは、ビームのショットサイズが2μm,1μm,0.5μm□の条件で描画した場合について、副偏向領域領域内のパターン面積密度と基板温度の最大値の関係を示したものである。
【0069】
例えば、ショットサイズ2μm□,パターン面積密度100%の条件は、2μmの矩形ビームを走査して副偏向領域全面をべた描画したことを意味し、この時の基板温度は250℃近くに達したことを示す。なお、この実験では、基板は通常の6インチガラスレチクル(クロムオンガラス)を使用した。本装置の場合、装置上の最大ショットサイズは約2μm□であり、副偏向領域は64μm□である。また、加速電圧は50keVで電流密度は20A/cm2 に調整した。照射量は、後述するレジストの感度に合わせて20μC/cm2 とした。ショットのセトリング時間は200nsecを採用した。
【0070】
このように本図の関係から、副偏向領域内の全図形パターンを先の描画条件によって描画した際に、副偏向領域内の最大の基板温度を予測することが可能となる。本実施形態で使用したレジストは、非化学増幅型の主鎖切断タイプとした。従って、レジストヒーティングの影響を考慮して、描画における基板の許容温度をレジストのガラス転移点より多少低い180℃とした場合に、この許容温度を満足する描画条件を次のように決定した。
【0071】
図示するように、基板温度が180℃になるパターン面積密度は約38%である。よって、38%よりも大きなパターン面積密度において、通常の2μm□のビームで描画をすると180℃程度の描画箇所が生じることが予測される。この描画箇所では、レジストの熱特性が変化し、所定の精度で寸法が形成されなくなることが懸念される。従って、この許容温度を超えない描画を行うためには、例えば40%未満のパターン面積密度を有する副偏向領域については、最大ショットサイズを2μm□とし、40%以上では1μm□を採用して図形分割処理を行うことが最低限必要となる。
【0072】
0.5μm□の最大ショットサイズを用いてデータ処理し描画を行うことも可能であるが、図形分割数の大幅な増加を招くためにスループットが低下する問題が生じる。従って、パターン面積密度の値や範囲に応じて、許容温度条件を満たすことを前提として、できるだけ大きいショットサイズを最大ショットサイズとして設定する条件を付与して、最大ショットサイズを規定した。図4のデータ処理系において、演算処理器62では上述のようなデータ比較と演算処理が実行された。図形分割処理では、最大ショットの条件として、40%未満のパターン面積密度を有する副偏向領域については2μm□、40%以上では1μm□と設定される。
【0073】
なお、ここでは非化学増幅型レジストを例にしたが、このようなレジストは感度が比較的低い。一般的には、感度が高い化学増幅型レジストがEB用レジストとしても導入されている。但し、非化学増幅型レジストに比べて熱的な安定性が不足しており、使用されるベースポリマーが異なりガラス転移点も低いことが一般的である。このようなレジストを使用する際には、更に基板温度の規定値を低く設定することが必要になる。
【0074】
次に図6に、図5の結果をもとに模擬的なテストパターンを用いて図形分割を行った例を示す。図中(a)は副偏向領域A内のパターン面積密度が約17%,(b)は副偏向領域B内のパターン面積密度が50%、(c)は副偏向領域C内のパターン面積密度が約84%の場合の例である。模擬パターンは、64μm□の副偏向領域を8×8個の8μm□の領域に分け、全ての領域には同一の図形パターンが配置されているものを使用した。各図においてハッチング部分が図形パターン部であり、ビームが照射される部分である。先の演算処理によって、副偏向領域Aは2μm□の最大ショットサイズ、副偏向領域Bは1μm□、副偏向領域Cも1μm□を用いて図形パターンが分割処理されている。
【0075】
一般に、図形分割の際には、禁止されている微小寸法の図形が発生しないように処理が行われるようにルール化されているが、基本的に最大ショットサイズで図形パターンを分割し、残りのエリアはその矩形なる最大ショットサイズの一辺が最大となるように分割される。さらに、残りの図形については、その1辺においても最大ショットサイズでパターンを分割できない場合には、その図形サイズが描画される際のビームの成形サイズとなるように図形の分割処理が行われ、描画データが準備されている。
【0076】
従って、副偏向領域Aについては、左部のL字図形は、1辺が2μmで他辺が1μmの長方形で分割がされている。右上部に配置されている図形は1μm□であり、2μm□のショットサイズで分割できないので、1μm□の成形ビームで描画されることになる。この場合には、副偏向領域Aで規定された最大ショットサイズ(2μm□)よりも小さな図形が発生しているだけであるので、ビーム照射により上昇した基板温度が規定温度180℃よりも大きくなることはなく、熱的な問題が生じる頻度は極めて少ない。
【0077】
副偏向領域Bでは、最大ショットサイズを1μm□として分割がされている。従来方法のように図3のフローチャートに依らずに処理がされると2μm□で分割され、描画の際に規定温度180℃を超えるためにレジストの劣化により精度が低下する。副偏向領域Cにおいては、1μm□で分割がされるが、白抜きの非描画部分の寸法は1×0.5μmである。この部分の下部に隣接する描画領域は、1×0.5μmで分割されている。この場合にも、副偏向領域Cで規定された最大ショットサイズ(1μm□)よりも小さな図形が生じているだけであるので、描画の際の熱的問題は回避される。
【0078】
なお、副偏向領域内に含まれる図形パターンの種類や図形の配置によっては、本実施形態に示した描画方法では最大ショットサイズを決定することに不確かさを生じることがある。この場合については、次に記述する本発明の別実施形態を適用することで解決される。また、上述した図形の分割処理において、副偏向領域毎に最大ショットサイズを規定する仕方については、複数の組み合わせが存在し唯一に決定できないことがある。従って、この場合には、実施形態中に記載があるように、各副偏向領域に対し、パターン面積密度の値や範囲に応じて、許容温度条件を満たすことを前提として、できるだけ寸法の大きいショットサイズを図形分割の分割単位として設定することが有効である。
【0079】
このように本実施形態によれば、副偏向領域内の図形パターンの面積密度に基づいて、基板温度が許容範囲内となるように最大ショットサイズを規定するために、ビーム照射による温度上昇を抑制しながら処理速度の低下を最小限に抑えることができる。これによって、高いスループットを維持しながら高い寸法精度が得られる。また、基板自身の熱耐性が問題になる場合においても基板の熱損傷を低減できるため、パターン欠陥の発生を防止することができる。
【0080】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態に係わる描画方法を説明するためのフローチャートである。以下、このフローチャートに従って、副偏向領域内の各図形パターンの面積密度に基づいて、最適な最大ショットサイズを決定する主要な手順を説明する。
【0081】
先に説明した第1の実施形態では、パターンの種類に依らずに、適例として代表図形法による近接効果補正回路を通じて算出された結果の中から抽出された副偏向領域内のパターン面積密度に基づいて最大ショットサイズを決定した。本実施形態は、同一副偏向領域内に複数の種類の異なる図形パターンが含まれる場合について、これらの面積密度に基づいて最大ショットサイズを決定するものである。
【0082】
所望のパターンを描画するために、設計データを展開し、各副偏向領域内の図形毎のパターンの面積密度を算出するステップ(S21)と、被処理基板に対して予め用意されたパターンの面積密度と最大ショットサイズと基板温度の関係を示すデータベースを参照するステップ(S22)と、前記データベースに基づいて描画条件を規定するステップ(S23)と、前記規定した描画条件と前記パターンの面積密度に応じて図形毎の最大ショットサイズを設定するステップ(S24)と、前記最大ショットサイズで各図形データを描画用マシンデータとして展開するステップ(S25)と、S25で展開されたデータで描画を行うステップ(S26)とを備えている。
【0083】
本プロセスを実施する上での装置構成の中のデータ処理系は、前記図4と同様であり、データベース64を備えた構成になっている。基板温度の許容値と基板温度、更には副偏向領域内の各図形パターンの面積密度,最大ショットサイズの関係から、規定した温度条件を満足する最大ショットサイズを図形パターン毎に応じて決定する演算が施される。この演算結果から、副偏向領域内の各図形パターンに応じて最大ショットサイズが設定される。
【0084】
本実施形態で参照したデータは、図4に示したデータ処理系60の外部データ64に予め用意された副偏向領域サイズよりも狭い領域における面積密度と基板温度との関係を示すものである。この参照データは、例えば図8に示すような各種図形パターンが同一副偏向領域内に複数含まれる場合の演算処理を行う際に使用される。図8の図形Aは孤立ライン、図形Bはライン&スペース、図形Cは孤立スペース、図形Dは短いラインの周期パターン(アレイパターン)、図形Eはコンタクトホール、図形Fはパッド付きラインであり、左上を原点として破線で単位領域を示した。
【0085】
本図では、単位領域を2μm□とした。ここで、単位領域とは、各図形の面積密度を算出する際の基準面積として使用するものであり、そのサイズは任意に設定して良く、2μmに限定されるものではない。図形A〜Fより明らかなように、各図形の単位領域当たりの面積密度が異なる。特に図形Fにおいては、パターンの部分によって面積密度が異なっている(▲1▼で100%、▲2▼で28%)。
【0086】
次に、このような面積密度の異なる図形データをもとに、パターン面積密度を算出する演算方法を、図9を用いて詳細に説明する。なお、データ処理系は前記図4と同じ構成であり、演算器62で処理が行われる。図形データは、CADシステム61より入力される。先述の通り演算器62には、近接効果補正計算を行う回路と分割回路が含まれている。本実施形態では、演算処理器62において図形パターン毎の面積密度が算出される際に、一つの副偏向領域に相当する図形データを2μmグリッドで形成される小領域の複数のメッシュ部に分割し、各メッシュにおけるパターン面積密度を求める演算が行われることを特徴とする。ここで言うメッシュ部は、上述の単位領域に相当し基準面積として使用されている。
【0087】
図9は、所定の副偏向領域64μm□に相当する領域を2μmグリッドに分割し、例として、図中2箇所の破線領域AとBで示した領域における図形データについての概略図である。説明のためにA領域内の左下10μm□領域(領域E)の各メッシュ部をx00〜04,y00〜04、B領域の中央付近の10μm□領域(領域M)をx15〜19,y15〜19とナンバリングした。
【0088】
A領域には、領域Eのようなパッド付きのラインパターンが繰り返し配置されており、B領域には、領域Mのようなライン&スペースパターンが配置されている。領域Eの(x00,y00)で指定されるメッシュ部は2μm□領域が図形で埋められており、基準領域(2μm□メッシュ部)当りのパターン面積密度は100%となる。(x01,y00)では65%、(x01,y01)から(x01,y04)に位置するメッシュ部は、それぞれ30%となっている。同様に(x04,y00)は100%、(x03,y00)は65%、(x03,y01)から(x03,y04)は30%である。また、領域Mでは、(x15,y15)から(x19,y19)におけるメッシュ部は全て60%である。
【0089】
次に、図10に外部データ64に予め用意された副偏向領域内のメッシュ領域におけるパターン面積密度と基板温度と最大ショットサイズとの関係を示すデータを例示する。この図は、メッシュサイズ2μm□当りの基準面積内のパターン面積密度についての実験データである。基板は通常の6インチガラスレチクル(クロムオンガラス)を使用した。本装置の場合、装置上の最大ショットサイズは約2μm□であり、加速電圧50keV、電流密度20A/cm2 、ショットのセトリング時間200nsecを条件とした。照射量は、本例で使用した非化学増幅型レジストの感度に合わせて20μC/cm2 とした。
【0090】
この図の関係から、メッシュサイズ領域における基板温度を予測することが可能であり、メッシュサイズ2μm□当たりの面積密度の変化に応じて、最大ショットサイズ2μm□で図形分割し描画を行った際に、基板温度は約30℃から200℃弱まで変化していることが分かる。メッシュサイズ2μm□当たりの面積密度は、同図に示したようにメッシュ内の描画エリアをW×Lとして、寸法Wの値に応じて変化させたものである。W=Lの時はメッシュサイズと描画領域が同一になり、面積密度100%となる。最大ショットサイズ1μm□或いは0.5μm□で、このメッシュエリア内の図形を分割し描画を行った際の基板温度は、面積密度100%の時にそれぞれ約150℃,約70℃である。
【0091】
なお、本図の結果は前記図5に示した副偏向領域内のパターン面積密度と基板温度の結果に比べて、最大ショットサイズ2μm□と1μm□条件での基板温度が多少低い。この理由は、隣接する描画ショットからの影響の度合いによるものが主である。定性的には、図5では周辺の描画ショットによる照射の影響を受けて基板がより多く加熱されているのに対し、本例では最大ショットサイズ2μm□時には1ショット分、或いは最大ショットサイズ1μm□時には高々4ショット分の加熱の寄与のみとなるので、メッシュ領域における基板温度の上昇が若干低くなっていると考えられる。最大ショットサイズ0.5μm□時には16ショット分の加熱の寄与があるので、基板温度の上昇は概ね飽和し図5と同程度になっていたと考えられる。
【0092】
次に、先の第1の実施形態と同様に描画時の基板温度の上限を180℃と規定した。この条件の場合には、基準面積当たりのパターン面積密度の許容値は55%程度である。図10のデータを参照し、演算処理を行うことにより、図9に示した副偏向領域内の図形パターンは分割処理がされた。つまり、パターン面積密度が55%以下である(x01,y01)から(x01,y04)、(x03,y01)から(x03,y04)で指定されるメッシュ部は、2μm□の最大ショットサイズで図形パターンが分割された。また、パターン面積密度が55%以上の(x00,y00),(x01,y00),(x03,y00),(x04,y00),(x15,y15)から(x19,y19)のメッシュ部は、1μm□の最大ショットサイズで図形分割がされた。以降のデータ処理から描画へ至るまでのフローは、図1で示した通りとした。
【0093】
次に、本実施形態の適用により描画を行い、レジストパターンの寸法精度を評価し精度改善の効果の検証を行った。精度比較のために、本実施形態を適用せず従来通りの描画も実施した。描画パターンは図9に示したA領域とB領域のパターンであり、描画部の設計寸法は同じ0.6μm幅である。レジストは上述の主鎖切断タイプのZEP7000(日本ゼオン製)を使用し、専用の有機現像液を用いて処理を実施した。描画は、基準の照射量を20μC/cm2 とし、近接効果補正のための補助描画を照射量4.5μC/cm2 、ぼかし径20μmで行った。寸法計測は、寸法SEMを使用し、ガラスレチクルの描画エリアの中央に位置する副偏向領域内のパターンを対象に、副偏向領域の左端から右端におけるレジストパターンのスペース寸法を計測した。計測数は、A領域でN=16(全本数を計測)、B領域でN=32(1本おきに計測)とし、それぞれの寸法の mean 値(平均値)と3σ値を求めた。
【0094】
計測の結果、従来の手法で描画をした場合には、A領域のパターン寸法は0.603±0.018μm(mean±3σ)であったが、B領域のパターンでは0.620±0.038μmであった。本実施形態を適用した場合には、A領域のパターンでは、0.596±0.018μmと適用しない場合と3σは同じであったが、領域Bのパターンでは、0.602±0.018μmであり、3σが大きく改善された。ばらつきだけでなく mean-to-target 値(設計寸法値と平均の仕上がり寸法値とのずれ)も十分な精度であることが分かり、顕著な改善効果のあることが確認できた。
【0095】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を、図11に示すフローチャートにより説明する。
【0096】
本実施形態は、前記図1、図7で示した手順により設定した最大ショットサイズを用いて描画用マシンデータを展開し描画を行う際に、更に図形パターン毎にショット分割,多重描画回数,照射量を決定するものである。多重描画は、種々のランダムな変動要因を平均化することにより描画精度を改善できる手法であり、一般的に適用されている。
【0097】
本実施形態のフローチャートは、被処理基板に対して予め用意されたパターン面積密度と最大ショットサイズと基板温度の関係を示すデータベースを参照するステップ(S31)と、前記データベースに基づいて描画時の基板温度条件を規定するステップ(S32)と、前記規定した描画条件と前記パターンの寸法に応じて図形毎の最大ショットサイズを設定するステップ(S33)と、図形パターン毎に前記最大ショットサイズで分割するステップ(S34)と、図形パターン毎に多重描画回数を決定するステップ(S35)と、図形パターン毎に照射量を決定するステップ(S36)を有し、これらS34,S35,S36で決定した描画パラメータを用いて描画用マシンデータを展開するステップ(S37)と、前記展開されたデータで描画を行うステップ(S38)とを備えている。
【0098】
本実施形態で参照したデータは、前記図4に示したデータ処理系60の外部データ64に予め用意された副偏向領域内のパターン面積密度と基板の上昇温度、更には多重描画回数の関係を示したものである。図12は、シミュレーションより得られた半実験的データであり、副偏向領域内のパターン面積密度と基板温度の関係を示している。また、ビームのショットサイズが2μm,1μm,0.5μm□の条件で、1回描画した場合と4回多重描画した場合についての基板温度を示すグラフである。
【0099】
描画条件は、50keV,20A/cm2 であり、セトリング時間200nsec、1回描画の照射量を20μC/cm2 、4回多重描画では1回の照射量を5μC/cm2 とした。多重描画は、副偏向領域を1回の照射量で描画することを4回繰り返した。それぞれの描画条件における基板温度をシミュレートしたものである。基板は通常の6インチガラスレチクルを使用した。
【0100】
図12に示すように、4回多重描画を行うことにより、基板温度が40%程度軽減されていることが分かる。第1の実施形態で示したように、レジストのガラス転移を考慮して基板温度の上限を180℃と設定すると、副偏向領域内のパターン面積密度が38%未満の場合には、最大ショットサイズ2μm□の1回描画を適用することが可能であることが予測される。38%以上では、例えば最大ショットサイズ1μm□の1回描画或いは2μm□の4回多重描画の条件が温度規定条件を満たすことが分かる。
【0101】
このような場合には、最大ショットサイズ(2μm□)をパターン面積密度に依らずに共通の最大ショットサイズとして使用可能であるので、図形パターンを分割処理した際に、データ容量が急激に増加しないメリットがある。また、多重描画を採用することにより、種々のランダムな変動要因を平均化して描画精度を向上させることが可能になる。これに対し、1μm□を最大ショットサイズとして設定した場合には、描画時のショット数が増大する可能性がある。このような場合には、描画処理時間,描画精度との兼ね合いから最適な最大ショットサイズを選択することが望ましい。
【0102】
次に、本実施形態の適用により描画を行い、レジストパターンの寸法精度を評価し精度改善の効果の検証を行った。描画パターンは図13にあるライン&スペースパターンとした。図中に示すように描画部のライン寸法幅をL=0.5μmとし、ライン間の距離をS=0.1,0.5,1,2,9.5μmと変化させ、これらが、それぞれの副偏向領域全域に形成されている5種類の設計データを使用した。従って、パターンの種類に応じた副偏向領域のパターン面積密度は、5〜71%の範囲になる。
【0103】
レジストは主鎖切断タイプのZEP7000(日本ゼオン製)を使用し、専用の有機現像液を用いた。描画は、基準の照射量を20μC/cm2 とし、近接効果補正のための補助描画条件がパターンに応じて演算され、更に1回描画,4回多重描画のデータが準備された。図形分割回路では、最大ショットサイズを2μm,1μm,0.5μm□として設定し、5種類のパターンの処理がされ描画データが準備された。この描画データに従い、描画時のビームサイズは、最大ショットサイズに応じて、0.5μm×2μm,0.5μm×lμm,0.5μm×0.5μmの矩形ビームになるように成形データが形成された。
【0104】
これらの処理を経て、パターンの種類,描画の多重度,最大ショットサイズをパラメータとした副偏向領域単位のレジストパターンを同一ガラスレチクル上に、計30通りで形成した。寸法計測は、寸法SEMを使用し、それぞれの副偏向領域の左端から右端におけるレジストパターンのスペース寸法を計測した。計測数はN=32とし、寸法ばらつきとして3σ値を求めた。
【0105】
図14に、計測結果を示す。パターン面積密度が5%の時には、寸法ばらつきは、最大ショットサイズ,描画多重度に大きな依存性は見られないが、パターン面積密度が大きくなるに従い精度が徐々に劣化していた。2μm□の最大ショットサイズの条件では精度の劣化が顕著であった。特に、図12で示したように、本レジストのヒーティングを考慮して180℃を基板温度の上限として規定した場合には、パターン面積密度が40%を超える条件において、最大ショットサイズを2μm□から1μm□に変更することにより、精度が倍程度改善していることが確認された。
【0106】
また、単に多重描画を行った場合においても、2μm□の最大ショットサイズの条件を変更せずに、全てのパターンにおいて精度が向上していることも分かった。この理由は、本描画装置を分析した結果から、他のランダムなノイズ的な要因が精度の支配的要因であるためであることが分かった。しかしながら、本図から読み取られるように、特にパターン面積密度が高い場合には、最大ショットサイズを2μmよりも小さくし多重描画を行うことにより、更に精度が改善し10nmしており、本実施形態の効果が確認できた。
【0107】
なお、本実施形態では、描画条件として電流密度が20A/cm2 の場合を例示した。しかしながら、電流密度は描画時の基板温度上昇への寄与率が大きく、電流密度が高くなるに従い照射によるレジストヒーティングや照射ダメージの影響は増大する。従って、本実施形態で示した寸法精度の改善効果は、より高い電流密度を適用する際に、更に効果が得られるものである。
【0108】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を、図15に示すフローチャートにより説明する。
【0109】
本実施形態で、最大ショットサイズを決定する際に、描画時間の見積を行い、最短の処理時間を示す条件を考慮した演算処理を含めることにより、最大ショットサイズの規定の仕方を最適にするものである。図15では、前記図3で示した手順により、各副偏向領域内のパターン面積密度を算出し(ステップS41)、各副偏向領域におけるパターン面積密度と最大ショットサイズと基板温度の関係を示すデータベースを参照する(ステップS42)。参照するデータベースに基づき所定の描画時の基板温度条件を規定し(ステップS43)、描画温度条件に基づき、パターン面積密度に応じて副偏向領域毎の最大ショットサイズを設定する(ステップS44)。
【0110】
この時、第1の実施形態で記載したように最大ショットサイズを規定する方法に複数の組み合わせが存在することがある。その数をN個とし、第i番目の条件の設定を行う。S44で設定した最大ショットサイズ、描画の第i番目の条件で描画用マシンデータを作成し、一時保存する(ステップS45)。一時保存された描画用マシンデータは展開され、描画の制御回路系へ転送される前に、各描画条件のマシンデータに対しての処理時間が算出される(ステップS46)。S44,S45,S46の処理は、全N個の描画用マシンデータに対する処理時間を算出するまで繰り返され、その後、これらの一覧データが保存される(ステップS47)。そして、一覧データを比較し(ステップS48)、最短時間の描画条件が抽出され(ステップS49)、この描画条件により実際に描画マシンデータが展開され(ステップS50)、描画に至る。
【0111】
図16〜図18は更に別の手順を示す図である。図16では、予め描画時間が所定の値以下になる条件を満たす描画条件を用いて描画を行う手順を示すものである。描画用マシンデータに対して処理時間を算出するステップまでは、図15と同様の手順を踏み、ステップ(S51)からステップ(S56)までとなる。その後、ステップ(S57)において、S56で算出された処理時間が所定の描画時間以下であるか判断が行われ、この条件を満たす場合には、以降ステップ(S58,S59)を経て描画となる。条件を満たさない場合には、条件を満たすまでS54からS57を繰り返し処理される。但し、5回の処理を繰り返した後においても、条件を満たさない場合には処理を終え、予め設定した所定の描画時間を変更するか、本描画処理を中止する。
【0112】
同様に図17では、前記図7に示したフローチャートに従い、各副偏向領域内に含まれる図形パターン毎の面積密度を算出し、各図形パターンに応じて最大ショットサイズを規定する場合についての描画時間の算出結果の比較から、最適な最大ショットサイズを設定し描画を行う手順である。また、図18は、図11のフローチャートに基づき、各図形パターンに応じて多重描画を行う場合についての手順である。この場合についても、5回の処理を繰り返した後においても、所定の描画時間条件を満たさない場合には処理を終え、予め設定した所定の描画時間を変更するか、本描画処理を中止する。
【0113】
図16において、最大ショットサイズを副偏向領域単位で変更して設定し、さらに副偏向領域毎に多重描画回数を変更して、描画マシンデータを作成する場合にいても同様の手順で実行される。
【0114】
次に、ステップS46、若しくはS56,S66における描画時間の演算は、図19に示すデータ処理系60と制御計算機系40のデータ経路中に位置する描画時間演算機70で行った。データ処理系60において、CADシステム61,演算処理器62,データ変換器63を通じて、設計パターンデータ(CADデータ)に一連の処理を施しマシンデータが準備され、この際にデータベース64を参照して、演算処理器62において最大ショットサイズを設定するフローチャートは、第1〜第3の実施形態に示した通りである。
【0115】
マシンデータは所定のフォーマット形式で、データ変換器63内のバッファメモリに一時保存されている。このマシンデータを制御計算機系40へ伝送する際に、描画時間演算機70において、各マシンデータに対する描画時間を計算し、計算結果を一時保存する。また、描画時間演算機70では、一時保存されたマシンデータと描画時間の一覧データの中から、最短時間の条件となるマシンデータが抽出される演算が施され、選択されたマシンデータは制御計算機系40へ転送される。
【0116】
以降は、このマシンデータに基づき、制御計算機41,バッファメモリ42及び制御回路43により、ブランキング制御回路部31,可変成形ビーム寸法制御回路部32,偏向制御回路部33,及びステージ駆動回路部34が制御され、パターン描画が施される。描画時間演算機70における描画時間の算出は、次式の(1)から(3)が、マシンデータのフォーマットに応じて採用される。
【0117】
Tw≒(D/I)×ΣSni+Ts×ΣSni+Tm+Tst+Tl…(1)
但し、ΣSni=Sn1+Sn2+…+SnN(i=1〜N、N:副偏向領域の総数)である。
【0118】
ここで、各パラメータは、Tw:描画時間、D:照射量、I:電流密度、Ts:ショット位置決め時間、Sni:i番目の副偏向領域内のショット数、Tm:主偏向位置決め総和時間、Tst:ステージ駆動総和時間、Tl:マスク搬送,セッティング時間,ビーム調整等のオーバーヘッド時間の総和である。D/Iは1ショットの照射時間になる。
【0119】
より具体的には、Tsはショット位置決め時間であり、ビーム形状の変更に要する成形偏向時間と副偏向領域のショット位置決めに要する副偏向時間が含まれる。Sniは、設計データをマシンデータに変換処理後の副偏向領域i内のショット総数であり、最大ショットサイズと図形分割数に依存する。Tmは、主偏向位置決めに要する時間のマスク全面を描画する際の総和、Tsはフレーム単位のステージ折り返しに要する時間であり、マスク全面を描画する際の総和を示した数値である。Tlは、描画開始或いは終了後に必要となる所謂オーバーヘッド時間の総和である。
【0120】
副偏向領域内の図形毎に最大ショットサイズを変更して描画データを作成した場合には、(1)式において、Sni をi番目の副偏向領域内に含まれる各種図形のショット数の総和として定義すれば、(1)式をそのままの形式で使用できる。
【0121】
次に、多重描画の際には、例えば単純に照射量を低くして、描画データは各描画時に同等のものを使用する多重描画においては、(2)式に示すように、その多重描画回数(M)に応じて、照射量DはM分の1倍の大きさになり、ショット数SnはM倍になる。また、主偏向位置決め総和時間はM回描画に伴いTm’と概略Tm×M倍に増加し、ステージ駆動総和時間も多重描画により、ステージの移動が繰り返し行われTst’(概略Tst×M倍)となる。
【0122】
Tw≒(D/I)×ΣSni+Ts×ΣSni×M+Tm’+Tst’+Tl…(2)
但し、ΣSni =Sn1+Sn2+…+SnN(N:副偏向領域の総数)である。また、副偏向領域毎に多重回数を変更した場合には、(3)式となる。同様に、副偏向領域内の図形毎に多重度を変更する場合にも(3)式が使用される。
【0123】
Tw≒(D/I)×ΣSni+Ts×ΣSni×Mi+Tm×(1+m)+Tst×(1+m’)+Tl …(3)
但し、Miはi番目の副偏向領域における描画の多重度、mは副偏向領域の多重描画回数に伴い加算される主偏向動作回数、m’は同様に副偏向領域の多重描画回数に伴い加算されるステージ移動回数である。
【0124】
従って、第1〜第3の実施形態に示したように本発明によるプロセスを経て最大ショットサイズを変更し、多重描画を適用した場合について、(1)〜(3)式の第2,3,4項を概算して比較することにより、描画時間の最短条件を選択することが可能である。なお、第1項は所定の照射量を設定すれば、総和としての照射時間は変化しないので、必ずしも計算される必要はない。また、近接効果補正に係る描画時間については、上式においては別項として追加されるものであるが、概ね描画条件によらず定数となる。このため、本実施形態のように、最大ショットサイズや多重度の違いによる描画時間の比較においては、必ずしも計算がされる必要はない。
【0125】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態として、データベースを参照し最大ショットサイズを設定する際に規定する温度条件の対象について説明する。
【0126】
上述の実施形態においては、基板上のレジストの熱特性を考慮して、描画時の基板温度の上限を規定した。ここでは、描画時のビーム照射による基板へのダメージを考慮した場合に、本発明を適用した例として、基板へのダメージを最も厳密に管理しなければならない描画対象の一つであるEUV用マスクの描画への適用を想定して説明を行う。但し、EUVマスクは、開発途上の段階にあり市販品、若しくは実験用として入手することができないために、本実施形態では、文献により示された最新のデータをベースとした思考実験を行い、本発明の適用効果を予測した。
【0127】
EUVマスクは、ガラス母材として低膨張石英ガラス材が使用され、この上にMo/Si多層膜構造を有し、Cr吸収体膜を搭載したマスクブランクスが標準形態であり、諸外国で精力的に開発が進められている。図20に、文献(Proceedings of SPIE vo1.3331,p133-148)の実験データをもとにした、印加温度と温度処理後の露光波長13nmにおける光学反射率の関係を表すグラフを示す。反射率の計測値は全て室温である。本図に示されるように、一度温度処理を行った後の室温における反射率データであるが、温度印加に対して非可逆的な光学反射率の低下が起きている。このような反射率の低下は、露光基板面上での露光強度が減少するばかりでなく、露光波長におけるマスクコントラストの不均一性をもたらすことが問題となる。
【0128】
また、商用向けに開発検討されているEUV露光装置では、露光光学系にはマスクを含め10数枚の同種の多層膜反射鏡から構成される仕様になっている。この場合に、1枚の反射鏡当たりに許容される反射率の低下若しくは不均一性は、現時点では1%以下とされている。従って、本図から、この1%の反射率低下が起きる温度は約150℃と見積もられ、描画時における基板温度の上昇を低く抑える必要がある。従って、マスク構造が異なるために厳密ではないが、最上面がCr膜であり、母材が石英ガラスである点が共通であることから、例えば図20に示した関係をベースとして本発明を適用することが可能である。
【0129】
EUVマスク上にパターン描画を行う際の場合においても、この150℃の温度の条件を満たすように、副偏向領域内のパターン面積密度の値に応じて、副偏向領域毎の最大ショットサイズを決定し、多重描画の手法を適用することにより、要求を達成することが可能となる。EUVマスク構造体におけるデータベースを準備し、これを参照することにより更に本発明を有効に適用できることは言うまでもない。
【0130】
(変形例)
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。第1〜第5の実施形態を適宜組み合わせて適用することも可能である。例えば、マスク全域の描画を行う際に、副偏向領域毎のショットサイズ決定と図形パターン毎のショットサイズ決定とを併用するようにしてもよい。また、実施形態において被処理基板は、回路パターンの原版として主流に使用されるCrガラスマスクを用いているが、ハーフトーンマスクやフッ化カルシウムを母材としたマスクを用いることが可能である。また、NGLマスクとしてEUV用マスクに対して、本発明を適用したが、他のNGLマスクであるステンシルマスクやメンブレンマスクに適用することも可能である。
【0131】
また、最大ショットサイズを設定する際に参照したデータについても、実施形態では、最大ショットサイズとパターン面積密度と基板温度との関係としたが、基板の反射率,線膨張係数等の温度依存性のある物性値、更にはレジストの露光感度関するデータ、或いは基板を構成する要素としての、無機,有機膜や感光性レジストについての物性特性を対象に使用しても、本発明を有効に適用可能である。また、最大ショットサイズとパターン面積密度と描画精度を対象にすることも可能である。参照データは、実験的に予測されたデータやシミュレーション結果をベースに、グラフ化したデータを用いて説明を行ったが、これらを数値化したテーブルを用いても構わない。
【0132】
また実施形態では、可変成形型電子ビーム描画装置を例に用いたが、電子線ビーム直接描画装置や、キャラクタープロジェクションタイプの電子線描画装置、可変成形型とキャラクタープロジェクションタイプを組み合わせた電子線描画装置に対して、本発明を適用することが可能であることは言うまでもない。また、電子線転写露光装置のように、キャラクターパターンを一括して露光する場合においても、キャラクターパターンのパターン面積密度に応じて描画時の最大のビームショットサイズを決定して、キャラクターパターン上を、この最大ビームショットサイズにより電子線走査することにより、レジストヒーティングの影響を低減でき、更に基板への照射ダメージを低減して露光することが可能である。
【0133】
また、電子ビームに限らず、イオンビーム等の荷電ビームや電磁波ビームとして紫外光やレーザビーム、X線ビームを用いた描画装置や半導体や液晶パネルなどへの露光装置、若しくはイオン注入装置等のプロセス製造装置においても、必要に応じて適宜変更を加えることにより、本発明を適用することが可能である。
【0134】
また、実施形態では描画のための偏向を、主偏向器と副偏向器を備えた2段偏向方式としたが、必ずしも2段偏向方式に限るものではなく、更に多段の偏向器を用いた方式であってもよい。さらに、1つの偏向器で十分な偏向幅と偏向速度が得られるものであれば、1段の偏向器により描画する方式であってもよい。
【0135】
また実施形態では、設計データを描画用データとして伝送する際に、順次一定のデータ転送量単位で一連の演算処理を行い、描画条件を設定しながらマシンデータとして展開し、リアルタイムに描画を行う装置構成を用いたが、一連の演算処理は必ずしも、描画装置上の構成要素で実行させる必要はない。
【0136】
例えば、図21に示すように、設計データを装置CADシステムへ入力せずに、描画装置とは別の外部データ処理系80において描画用マシンデータを作成することが可能である。外部データ処理システム80は、CADシステム81,演算処理器82,データ変換器83,メモリ84,データベース85を通じて、本発明の最大ショットサイズを設定する演算処理を含み、図形分割,近接効果補正等一連の演算処理を行う構成であり、描画用マシンデータを作成し保存する機能を有している。このように、外部に保存された描画用マシンデータをインターフェイス86を介して描画装置本体の制御計算機系40へ入力することにより、描画装置本体を占有せずに必要なマシンデータを準備できるメリットがある。
【0137】
また、本構成において描画時間を算出する演算機を組み込むことも可能であり、図22に示すように、描画時間演算機71を介在させることが一例となる。この場合には、外部データ処理系80において、第4の実施形態で示したフローチャートを実行可能であり、描画時間の条件が考慮されたより最適な描画条件を規定することが可能になる。なお、図23に示すように、演算処理器82の後に描画時間演算機72を配置し、データ変換を行う前に所定の計算を行うことも可能である。
【0138】
また、実施形態においては、描画条件として、加速電圧,電流密度,照射量に一定の値を用いたが、これに限定されるものではない。特に、電流密度,照射量は、描画時の基板温度上昇への寄与率が大きいために、種々の基板対象や描画装置,描画運用条件のもとに、このパラメータを変更することは当然のことである。参照データは、種々の基板対象や描画装置,描画運用条件のもとに変更されたパラメータをベースにして、準備されているものであり、本実施形態における数値条件に限定されるものではない。また、多重描画回数,最大ショットサイズの大きさは限定されるものではなく、成形ビームの形状は、矩形に限らず、可変成形型電子ビーム描画装置で使用される三角形状などを用いても構わない。
【0139】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0140】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、副偏向器等により高速に描画される偏向領域内の図形パターンの面積密度に基づいて最大ショットサイズを規定するため、処理速度を低下させることなく照射熱による影響を最小限にでき、高い寸法精度が得られる。さらに、基板自身の熱耐性が問題になる場合においても、所望の寸法精度が得られるばかりでなく、基板自身への熱損傷が少なく欠陥の無い描画パターンの形成を実現できる。
【0141】
また、計算或いは実験的に予測されたデータ或いはルール化されたデータベースに基づき、描画条件を設定することにより、照射領域を所定の温度上昇量以下にして描画を行うことができ、照射による熱損傷による劣化が極めて少ない描画パターンの形成が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態に使用した可変成形型電子ビーム描画装置の基本的な概略構成図。
【図2】本発明の基本的な動作を説明するためのフローチャート。
【図3】第1の実施形態に係わる描画方法を説明するためのフローチャート。
【図4】第1の実施形態に用いたデータ処理系の概略構成を示すブロック図。
【図5】第1の実施形態に用いた参照データを説明するためのもので、副偏向領域内のパターン面積密度と基板温度との関係を示す図。
【図6】第1の実施形態によって図形分割を行った例を示す図。
【図7】第2の実施形態に係わる描画方法を説明するためのフローチャート。
【図8】第2の実施形態に用いた参照データの例を示す図。
【図9】第2の実施形態を説明するためのもので、図形パターン密度演算の模式例を示す図。
【図10】第2の実施形態を説明するためのもので、基準面積内のパターン面積密度と基板温度との関係を示す図。
【図11】第3の実施形態に係わる描画方法を説明するためのフローチャート。
【図12】第3の実施形態を説明するためのもので、副偏向領域内のパターン密度と基板温度との関係を示す図。
【図13】第3の実施形態における描画パターンの例を示す図。
【図14】第3の実施形態を説明するためのもので、副偏向領域内のパターン密度と寸法ばらつきとの関係を示す図。
【図15】第4の実施形態に係わる描画方法を説明するための第1のフローチャート。
【図16】第4の実施形態に係わる描画方法を説明するための第2のフローチャート。
【図17】第4の実施形態に係わる描画方法を説明するための第3のフローチャート。
【図18】第4の実施形態に係わる描画方法を説明するための第4のフローチャート。
【図19】第4の実施形態に用いた制御計算機系とデータ処理系の概略構成を示すブロック図。
【図20】第5の実施形態を説明するためのもので、Mo/Si多層膜のEUV光反射率と印加温度との関係を示す図。
【図21】変形例における制御計算機系とデータ処理系の概略構成を示すブロック図。
【図22】外部データ処理システムの別の例を示す図。
【図23】外部データ処理システムの更に別の例を示す図。
【符号の説明】
10…電子光学鏡筒
11…電子銃
12…各種レンズ
13…ブランキング用スリット
14…各種偏向器
15…各種アパーチャ
20…試料室
21…試料(被処理基板)
22…ステージ
23…ステージ駆動機構
24…ファラデイカップ
30…制御回路系
31…ブランキング制御回路部
32…可変成形ビーム寸法制御回路部
33…偏向制御回路部
34…ステージ駆動回路部
40…制御計算機系
41…制御計算機
42…バッファメモリ
43…制御回路
50…計測系
51…レーザ干渉計
52…ビーム電流計測系
60…データ処理系
61,81…CADシステム
62,82…演算処理器(近接効果補正演算器、図形分割回路)
63,83…データ変換器
64,85…データベース
70,71,72…描画時間演算機
80…外部データ処理システム
84…メモリ
86…インターフェイス

Claims (6)

  1. 荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画方法であって、
    所定偏向領域内の図形パターンの面積密度又は図形パターン毎の面積密度を算出し、この算出結果と描画時の基板温度との関係に基づいて、所定偏向領域毎又は所定偏向領域内の図形パターン毎に最大ショットサイズを決定することを特徴とするパターン描画方法。
  2. 前記所定偏向領域は、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域であることを特徴とする請求項1記載のパターン描画方法。
  3. 荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画装置であって、
    設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、所定偏向領域内の図形パターンの面積密度を算出する面積密度演算部と、この面積密度演算部の算出結果と描画時の基板温度との関係に基づいて、所定偏向領域毎に最大ショットサイズを決定するショットサイズ決定部とを有し、
    前記決定されたショットサイズの条件の下にパターンを描画することを特徴とするパターン描画装置。
  4. 荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画するパターン描画装置であって、
    設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、所定偏向領域内の図形パターン毎に面積密度を算出する面積密度演算部と、この面積密度演算部の算出結果と描画時の基板温度との関係に基づいて、図形パターン毎に最大ショットサイズを決定するショットサイズ決定部とを有し、
    前記決定されたショットサイズの条件の下にパターンを描画することを特徴とするパターン描画装置。
  5. 前記最大ショットサイズ決定部は、前記計算された面積密度及び描画時の基板温度と共に描画精度に関するデータベースに基づいて最大ショットサイズを決定するものであることを特徴とする請求項3又は4記載のパターン描画装置。
  6. 荷電粒子ビーム或いは電磁波ビームを用いて、感光性レジストが塗布された被処理基板上に所望の図形パターンを描画し、且つ少なくとも所望の同一図形パターンを任意回数(1回以上)の多重度で描画するパターン描画装置であって、
    設計パターンデータを展開して描画データに変換する手段として、主偏向領域内を小領域に分割した副偏向領域毎の図形パターンの面積密度又は図形パターン毎の面積密度を計算する手段と、前記計算された面積密度と描画時の基板温度及び多重描画回数の関係に関するデータベースに基づき、副偏向領域毎に又は図形パターン毎に最大ショットサイズを決定する手段と、前記データベースに基づき図形パターン毎の多重描画回数を決定する手段と、前記決定された多重描画回数に応じてビーム照射量を変化させる手段と、前記決定された最大ショットサイズを元にショット分割数を決定する手段とを具備してなり、
    副偏向領域毎の図形パターンの面積密度又は図形パターン毎の面積密度に応じて副偏向領域内の最大ショットサイズ,ショット分割数,多重度,ビーム照射量を変更して描画することを特徴とするパターン描画装置。
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