JP2013218432A - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理用プログラム、および、記録媒体 - Google Patents

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伊作 大澤
Katsuhiro Umeumi
勝浩 梅海
Wakahiko Sakata
若彦 坂田
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Abstract

【課題】パノラマ画像における動体を監視しやすいパノラマ画像を生成する画像処理装置等を提供する。
【解決手段】第1パノラマ画像40の画像データを取得し(S1)、第1パノラマ画像40の短手方向(y方向)を分割線Dとして、第1パノラマ画像20を2つに分割し、分割された各パノラマ画像41、42の分割側が両端となるように、分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像45を生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、パノラマ画像を画像処理する画像処理装置、画像処理方法、画像処理用プログラム、および、記録媒体に関する。
広角レンズまたは全方位ミラーを用いたカメラにより撮像された画像が、広範囲の状況を確認できるように使用されている。例えば、特許文献1には、広角画像を入力する双曲面ミラーとマイクロフォンに入力された音声に基づいて、広角画像のうち音源方向に対応する方向の所定領域の画像を矩形の出力画像となるように変形し、変形された画像と、この画像に対応した音声とを同期させて出力する広角画像録画再生システムが開示されている。
特開2003−18561号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、パノラマ画像において、通り過ぎる動体や動き回る動体を監視しやすいように表示させることが難しかった。特に、パノラマ画像からはみ出す動体を連続的に把握することが難しかった。
そこで、本発明は上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、パノラマ画像における動体を監視しやすいパノラマ画像を生成する画像処理装置等を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、前記第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、前記第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割手段と、前記分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、前記分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記第1パノラマ画像の中の動体を特定する動体特定手段と、前記第1パノラマ画像の長手方向における前記特定された動体の位置に応じて、前記分割線を設定する分割線設定手段と、を更に備えることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像処理装置において、前記特定された動体を取り囲む動体包囲領域を設定する動体包囲領域設定手段を更に備え、前記分割線設定手段が、前記動体包囲領域が前記第1パノラマ画像の長手方向における所定の位置に達したとき、前記分割線を設定することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像処理装置において、前記動体包囲領域の画像データを抽出する動体包囲領域抽出手段と、前記第1パノラマ画像および第2パノラマ画像のうち少なくとも一方のパノラマ画像と共に、当該パノラマ画像とは別に前記抽出された動体包囲領域の画像データを表示させる表示手段と、を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に画像処理装置において、前記画像データ取得手段が、広角レンズまたは全方位ミラーを用いた撮像により得られた歪曲画像から生成された前記第1パノラマ画像の画像データを取得することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、画像を処理する画像処理装置の画像処理方法において、第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、前記第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、前記第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割ステップと、前記分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、前記分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成ステップと、を含むことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、コンピュータを、第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得手段、前記第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、前記第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割手段、および、前記分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、前記分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成手段として機能させることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、コンピュータを、第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得手段、前記第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、前記第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割手段、および、前記分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、前記分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成手段として機能させることを特徴とする画像処理用プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録される。
本発明によれば、第1パノラマ画像を2つに分割して、分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように合わせて、視点が移動した第2パノラマ画像を生成するので、パノラマ画像における動体を監視しやすいパノラマ画像を生成することができる。
本発明の実施形態に係る画像処理システムの概要構成例を示すブロック図である。 図1の画像処理装置の概要構成例を示すブロック図である。 魚眼画像とパノラマ画像との一例を示す模式図である。 図1の画像処理装置の動作例を示すフローチャートである。 生成されたパノラマ画像の一例を示す模式図である。 画像処理システムの表示部に表示された画像の一例を示す模式図である。 パノラマ画像の変形例を示す模式図である。 生成されたパノラマ画像の変形例を示す模式図である。 生成されたパノラマ画像の変形例を示す模式図である。 画像処理システムの撮像部の変形例を示す模式図である。 画像処理システムの撮像部の変形例を示す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、画像処理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.画像処理システムの構成および機能の概要]
(1.1 画像処理システム1の構成および機能)
まず、本発明の一実施形態に係る画像処理システムの構成および概要機能について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る画像処理システム1の概要構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、画像処理システム1は、広角レンズまたは全方位ミラーを有する撮像部10と、撮像部10により撮像された画像に対して画像補正の処理をしてパノラマ画像を出力する画像補正処理部11と、撮像部10および画像補正処理部11により撮像された画像に対して画像処理を行う画像処理装置20と、画像処理装置20により処理された画像を表示する表示部12と、を備えている。ここで、パノラマ画像とは、広範囲を撮像した横長または縦長の画像であって、画面アスペクト比が標準的な画面アスペクト比(例えば、4:3)より大きい画像である。
撮像部10は、正射影方式の魚眼レンズと、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)またはCCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサを有するカメラである。撮像部10は、動画の歪曲円形画像(歪曲画像の一例)の動画を出力する。なお、撮像部10のレンズは、広角レンズに限らず、全方位ミラーと組み合わせた通常の画角のレンズでもよい。また、広角レンズの画角は180°に限らず、180°より大きくても、小さくてもよい。また、撮像部10が、対角線魚眼レンズを有する場合、矩形の歪曲画像を出力する。撮像部10のレンズは、等距離射影方式のレンズや、等立体角射影方式のレンズ等の非正射影方式のレンズでもよい。
撮像部10は、モニタする場所に設置され、周囲の状況を撮像する。撮像部10は、歪曲円形画像の動画データを画像処理装置20に出力する。ここで、撮像部10の撮像の向きは、周囲を動いている人や車の動きや流れを撮像し追跡できるように、下向き、または上向きである。
画像補正処理部11は、専用の演算等を行うLSI(Large Scale Integration)チップを用いたハードウエア、または、ソフトウェアにより構成されている。画像補正処理部11は、歪曲円形画像から平面正則画像への画像変換の演算を行い、動画のパノラマ画像を生成する。なお、ソフトウェアにより画像変換の演算等の処理を行う場合、画像補正処理部11は、CPU(Central Processing Unit)を有し、コンピュータとして機能する。
画像補正処理部11は、パノラマ画像の動画データを画像処理装置20に出力する。
表示部12は、表示手段の一例として、液晶表示素子またはEL(Electro Luminescence)素子等によって構成されているモニタ画面である。表示部12は、撮像部10により撮像された歪曲円形画像(魚眼画像)や、画像変換で得られた平面正則画像(パノラマ画像)等を表示する。
コンピュータとして機能する画像処理装置20は、取得した画像に対して前処理を行う画像加工部20aと、取得した画像から動体を検出して追跡を行う追跡処理部20bと、表示部12に表示するための画像を生成する表示加工部20cと、追跡する動体の大きさを設定する追跡条件設定部20dと、を有する。
画像加工部20aは、パノラマ画像の動画または歪曲円形画像の動画のフレーム画像において、単純背景差分またはフレーム間差分等により、背景を除去し前景を抽出する前処理を行う。
追跡処理部20bは、画像加工部20aにより前処理された画像から、画像内の動いている物体(以下、「動体」と称する。)を検出し、動体の追跡を行う機能を有する。なお、動体を追跡するための物体追跡の方法として、例えば、Mean Shift法、粒子フィルタ法、テンプレートマッチング等が挙げられる。
表示加工部20cは、監視用に加工された歪曲円形画像やパノラマ画像等を表示部12に表示させるための画像を生成する機能を有する。
追跡条件設定部20dは、歪曲円形画像またはパノラマ画像における動体の大きさが、所定範囲にある動体に絞るため、追跡する動体の大きさの範囲を追跡条件として設定する機能を有する。
(1.2 画像処理装置20の構成および機能)
次に、画像処理装置20の構成および機能について、図2を用いて説明する。
図2は、画像処理装置20の概要構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、画像処理装置20は、システム制御部21と、入出力インターフェース部25と、を備えている。そして、システム制御部21と入出力インターフェース部25とは、システムバス26を介して接続されている。入出力インターフェース部25に、撮像部10と、画像補正処理部11と、表示部12と、記憶部13と、操作部14とが接続されている。
システム制御部21は、CPU22、ROM(Read Only Memory)23、RAM(Random Access Memory)24等により構成されている。そして、システム制御部21は、CPU22が、ROM23や記憶部13に記憶された各種プログラムを読み出し実行する。システム制御部21は、取得した動画のフレームの画像データ等をRAM24に記憶する。
入出力インターフェース部25は、記憶部13とシステム制御部21との間のインターフェース処理を行うようになっている。
記憶部13は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されており、オペレーティングシステム等の各種プログラムを記憶する。なお、各種プログラムは、例えば、他のサーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
操作部14は、例えば、キーボードおよびマウス等によって構成されている。ユーザは、操作部14により追跡条件等を入力する。
[2.画像処理システムの動作]
次に、本発明の1実施形態に係る画像処理システムの動作について図3から図6を用いて説明する。
図3は、魚眼画像とパノラマ画像との一例を示す模式図である。図4は、画像処理装置の動作例を示すフローチャートである。図5は、生成されたパノラマ画像の一例を示す模式図である。図6は、画像処理システムの表示部に表示された画像の一例を示す模式図である。
まず、画像処理システム1の撮像部10は、歪曲円形画像の動画を撮像し、1フレーム分の画像データを画像補正処理部11および画像処理装置20の画像加工部20aに出力する。
画像処理システム1の画像補正処理部11は、1フレーム分の歪曲円形画像を取得し、歪曲円形画像からパノラマ画像を切り出すための切出中心点を設定する。
次に、画像補正処理部11は、仮想球面の中心を基点として切出中心点に対応する視点ベクトルを設定する。切出中心点が設定されることにより、方位角、および、天頂角が定まる。そして、方位角、天頂角等から、歪曲円形画像から平面正則画像への画像変換の式が定まる。
次に、画像補正処理部11は、視点ベクトルに基づき、パノラマ画像(平面正則画像)の領域を設定する。パノラマ画像は、長手方向の長辺と短手方向の短辺とを有する矩形であり、切出中心点が矩形の中心となる。なお、パノラマ画像の形状は矩形とは限らず、楕円形のように、長手方向と短手方向とは直交し、長手方向に細長い図形ならばよい。
なお、図3に示すように、魚眼画像の歪曲円形画像30上では、パノラマ画像40に対応する画像領域31は円環状になる。パノラマ画像の長手方向(x方向)は、歪曲円形画像30上では円周方向、パノラマ画像の短手方向(y方向)は、歪曲円形画像30上では半径方向となる。このパノラマ画像40に対応する円環は、隙間がある円環あってもよいし、重なりがあってもよい。隙間がある場合、パノラマ画像の長手方向の長さが短くなり、重なりがある場合、パノラマ画像の長手方向の長さが長くなる。
また、歪みが軽減されたパノラマ画像の平面正則画像を得るために、視線ベクトルと直交する面(平面正則画像が射影される面)が、(仮想)円柱の面であることが好ましい。そして、2次元湾曲座標系が、仮想球面の中心を原点とし、視線ベクトルに直交する平面上に配置された2次元直交座標系を、仮想円柱の側面に沿って湾曲させることにより設定される。
次に、画像補正処理部11は、視線ベクトルに応じて、平面正則画像(パノラマ画像)の領域の各点に対応する歪曲円形画像の画素値を求める。そして、画像補正処理部11が、画像変換を開始する点から、平面正則画像を一画素分ずつ平面正則画像の領域をスキャンして、対応する歪曲円形画像の画素値を順次演算する。
次に、画像補正処理部11は、求めた歪曲円形画像の画素値を平面正則画像の画素値とし、1フレーム分のパノラマ画像を生成する。画像補正処理部11は、このパノラマ画像を画像処理装置20の画像加工部20aに出力する。
次に、図4に示すように、画像処理装置20は、パノラマ画像を取得する(ステップS1)。具体的には、画像加工部20aとして、画像処理装置20のシステム制御部21が、画像補正処理部11から1フレーム分のパノラマ画像(第1パノラマ画像の一例)を取得する。
このように、画像処理装置20は、第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。また、画像処理装置20は、広角レンズまたは全方位ミラーを用いた撮像により得られた歪曲画像から生成された第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得手段の一例として機能する。
次に、画像処理装置20は、前処理を行う(ステップS2)。具体的には、画像加工部20aとして、システム制御部21が、RAM24に記憶されている1つ前のパノラマ画像のフレーム画像と、取得したパノラマ画像のフレーム画像とに対して、フレーム間差分等を適用して、背景が消去された差分画像を算出する。
次に、画像処理装置20は、動体を認識する(ステップS3)。具体的には、追跡処理部20bおよび追跡条件設定部20dとして、システム制御部21が、動体を認識するための画像処理により、算出した差分画像から動体を検出し、検出した動体の座標を求める。追跡条件に基づき、所定の大きさの動体を特定する。そして、システム制御部21が、既存の動体認識アルゴリズムを利用して、検出された動体に対して物体追跡のための処理を行う。物体追跡のための処理として、例えば、システム制御部21が、カラーヒストグラム等の特徴量を算出したり、動体の移動先の推定等を行ったりする。そして、システム制御部21が、各動体の進む方向等を算出する。
なお、検出した動体の座標は、システムから動体が認識できればどのような形式でもよい。例えば、動体の重心座標や、動体が示す領域において、x、y座標の値が最小の座標等が挙げられる。また、追跡処理部20bでは、動体が静止してもその物体を対象物として捉えておく。また、物体の認識は、自動動体認識をでも、手動による物体の選択でもよい。
このように、画像処理装置20は、第1パノラマ画像の中の動体を特定する動体特定手段の一例として機能する。
次に、画像処理装置20は、マークを設定する(ステップS4)。具体的には、追跡処理部20bとして、システム制御部21が、図3に示すように、動体の座標に基づき、人の動体に対して動体を取り囲むマークM1(動体包囲領域の一例)、車の動体に対して動体を取り囲むマークM2(動体包囲領域の一例)マークM2を設定する。マークM1、M2は、例えば、各動体を認識しやすいように、各動体を含むように囲う太線の四角形等の形状である。
このように、画像処理装置20は、特定された動体を取り囲む動体包囲領域を設定する動体包囲領域設定手段の一例として機能する。
次に、画像処理装置20は、マーク領域を抽出する(ステップS5)。具体的には、追跡処理部20bとして、システム制御部21が、マークM1、マークM2に囲われたマーク領域の画像データを抽出し、マーク領域の画像データを表示するための注目画像を生成しRAM24等に記憶する。
このように、画像処理装置20は、動体包囲領域の画像データを抽出する動体包囲領域抽出手段の一例として機能する。
次に、画像処理装置20は、マーク領域が所定位置か否かを判定する(ステップS6)。具体的には、追跡処理部20bとして、システム制御部21が、設定されたマークM1、M2のパノラマ画像40におけるX座標の情報と、各動体が進む方向とから、マークM1、M2が、パノラマ画像40の長手方向における端側の所定の位置に達したか否かを判定する。さらに具体的には、図5に示すように、パノラマ画像40の長手方向における端側から所定の位置が閾値θと設定され、マークM1、M2がパノラマ画像40の長手方向における端側から閾値θの位置に達したか否かをシステム制御部21が判定する。
マーク領域が所定位置でない場合(ステップS6;NO)、画像処理装置20は、ステップS10の処理に進む。
マーク領域が所定位置である場合(ステップS6;YES)、画像処理装置20は、分割線を設定する(ステップS7)。具体的には、追跡処理部20bとして、システム制御部21が、図5に示すように、マークM2(動体包囲領域の一例)のX方向のプラス側(図5中、右側)が所定の位置(x=W−θ)に達したとき、x=x1の位置に、パノラマ画像40の短手方向(y方向)に分割線D((x1、0)−(x1、H)の線)を設定する。分割線Dは、マークM2が分割された一方のパノラマ画像に含まれるように、マークM2のX方向のマイナス側から所定の位置に設定される。
このように、画像処理装置20は、第1パノラマ画像の長手方向における特定された動体の位置に応じて、分割線を設定する分割線設定手段の一例として機能する。また、画像処理装置20は、動体包囲領域が第1パノラマ画像の長手方向における所定の位置に達したとき、分割線を設定する分割線設定手段の一例として機能する。
次に、画像処理装置20は、パノラマ画像を分割する(ステップS8)。具体的には、追跡処理部20bとして、図5に示すように、システム制御部21が、パノラマ画像40を、分割線Dを境に、分割されたパノラマ画像41(x=0〜x1)と、分割されたパノラマ画像42(x=x1〜W)との2つに分割する。
このように、画像処理装置20は、第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割手段の一例として機能する。
次に、画像処理装置20は、分割側が両端となるように合成パノラマ画像を生成する(ステップS9)。具体的には、表示加工部20cとして、システム制御部21が、分割されたパノラマ画像41の端41s(x=0)と、分割されたパノラマ画像42の端42s(x=W)とをつなぎ合わせ、分割されたパノラマ画像41の分割側41dと、分割されたパノラマ画像42の分割側42dとが両端になるように、合成されたパノラマ画像45(第2パノラマ画像の一例)を生成する。パノラマ画像45において、分割側42dはx=0、分割側41dは、x=Wとなる。さらに具体的には、システム制御部21が、分割されたパノラマ画像41を、W−x1分、X方向に移動し、分割されたパノラマ画像42を、分割側42dがx=0となるように、移動する。
パノラマ画像45は、パノラマ画像40に対して、視点の中心が、W−x1分、X方向に移動したパノラマ画像となり、歪曲円形画像30において、視点ベクトルを移動させたことに対応する。
このように、画像処理装置20は、分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成手段の一例として機能する。
次に、画像処理装置20は、パノラマ画像等を表示する(ステップS10)。具体的には、表示加工部20cとして、システム制御部21が、図6に示すように、歪曲円形画像30と、パノラマ画像40(45)と、注目画像50(抽出された動体包囲領域の画像データの一例)と、を共に表示部12に表示させる画像を生成する。そして、システム制御部21が、生成された画像を表示部12に表示する。
このように、画像処理装置20は、第1パノラマ画像および第2パノラマ画像のうち少なくとも一方のパノラマ画像と共に、当該パノラマ画像とは別に抽出された動体包囲領域の画像データを表示させる表示手段の一例として機能する。
なお、マーク領域が所定位置でない場合(ステップS6;NO)、システム制御部21が、パノラマ画像40を表示部12に表示させる画像を生成する。マーク領域が所定位置である場合(ステップS6;YES)、システム制御部21が、合成されたパノラマ画像45を表示部12に表示させる画像を生成する。
また、システム制御部21が、パノラマ画像40のマークM1、M2から、平面正則画像から歪曲円形画像への画像変換により、歪曲円形画像30のマークM1、M2を生成する。また、注目画像50のマークM1、M2は、パノラマ画像40のマークM1、M2より拡大、縮小、または等倍で表示される。
注目画像50には、パノラマ画像40(45)の中を、特定されている動体が動いても、マークM1、M2により囲われた動体が注目画像50において固定的に表示される。
また、操作部14の操作により、ポインタ55により選択されたマークのみが、歪曲円形画像30、パノラマ画像40(45)、注目画像50に表示され、追跡対象となる。
これら一連の処理が終わると、画像処理装置20は、次の1フレーム分のパノラマ画像を取得し、ステップS1からステップS10の処理を繰り返す。そして、マークM1、M2は対象物の動きとともに動く。マークM1、M2は解除されるまでは、対象物が静止してもマーク表示を続ける。
なお、画像処理装置20は、動体の認識を歪曲円形画像30上で行ってもよい。この場合、画像処理装置20は、ステップS2の前処理を歪曲円形画像30に対して行い、ステップS3の動体を認識する。そして、画像処理装置20は、ステップS4において、歪曲円形画像30上にマークM1、M2を設定する。この歪曲円形画像30上にマークM1、M2の形状は、図6に示すように、画像変換後に矩形になるように、扇形にする。画像処理装置20は歪曲円形画像から平面正則画像への画像変換により、パノラマ画像40のマークM1、M2を求める。
以上、本実施形態によれば、第1パノラマ画像の一例のパノラマ画像40の画像データを取得し、パノラマ画像40の短手方向(y方向)を分割線Dとして、パノラマ画像40を2つに分割し、分割された各パノラマ画像41、42の分割側41d、42dが両端となるように、分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像の一例のパノラマ画像45を生成することにより、パノラマ画像40を2つに分割して、分割された各パノラマ画像41、42の分割側41d、42dが両端となるように合わせて、視点が移動したパノラマ画像45を生成するので、パノラマ画像における動体を監視しやすいパノラマ画像を生成することができる。
また、本実施形態によれば、視点を移動させたパノラマ画像を連続的に表示(パンニング表示)させることができる。しかも、計算コストを軽減させて、視点を移動させたパノラマ画像を連続的に表示させることができる。
また、第1パノラマ画像(パノラマ画像40)の中の動体を特定し、第1パノラマ画像の長手方向(x方向)における特定された動体の位置に応じて、分割線Dを設定する場合、動体の動きに応じて、パノラマ画像の視点が移動して、パノラマ画像における動体を監視しやすいパノラマ画像を生成することができる。例えば、パノラマ画像40において、追跡対象の物体が表示境界(パノラマ画像40の両端)を越えようとして、自動的に視点を移動させ、動体の連続追跡とマークが可能である。
また、特定された動体を取り囲む動体包囲領域(マークM1、M2)を設定し、動体包囲領域が第1パノラマ画像(パノラマ画像40)の長手方向(x方向)における所定の位置(W−θ)に達したとき、分割線Dを設定する場合、動体の画像が途切れる前に、パノラマ画像の視点が移動して、動体をスムーズに追跡して監視できる。本実施形態の画像処理装置を利用した監視システムを構築し、動体包囲領域が付されたパノラマ画像40により、ユーザが瞬時に動体を検出できる。
動体包囲領域の画像データを抽出し、第1パノラマ画像(パノラマ画像40)および第2パノラマ画像(パノラマ画像45)のうち少なくとも一方のパノラマ画像と共に、当該パノラマ画像とは別に抽出された動体包囲領域の画像データ(注目画像50)を表示させる場合、監視したい対象の動体を把握しやすくなる。特に、マークM1、M2の中の動体を拡大させて注目画像50に表示させることにより、動体の詳細が表示され、注目する動体の追跡が容易になり、動体の監視がしやすくなる。例えば、注目画像50において、動体を拡大・縮小表示して動体自体をクローズアップできる。
撮像部10の広角レンズまたは全方位ミラーを用いた撮像により得られた歪曲画像から生成された第1パノラマ画像(パノラマ画像40)の画像データを取得する場合、周囲の状況を広く撮像でき、監視漏れが少なくなり、効率的に監視ができる。
[3.変形例]
(3.1 パノラマ画像の変形例)
次に、パノラマ画像の変形例について、図7から図9を用いて説明する。
図7は、パノラマ画像の変形例を示す模式図である。図8およぶ図9は、生成されたパノラマ画像の変形例を示す模式図である。
図7に示すように、歪曲円形画像から切り出すパノラマ画像は、歪曲円形画像上で、完全な円環でなくてもよい。例えば、パノラマ画像60は、隙間がある円環から歪曲円形画像から平面正則画像への画像変換により求められる。パノラマ画像70は、重なりがある円環から歪曲円形画像から平面正則画像への画像変換により求められる。パノラマ画像60は、パノラマ画像40より長手方向(X方向)において、短くなり、パノラマ画像70は、パノラマ画像40より長手方向(X方向)において、長くなる。パノラマ画像60は、長手方向において部分的に途切れている部分がある。パノラマ画像70は、長手方向において映像が重複する部分がある。
次に、画像処理装置20は、ステップS1において、パノラマ画像60またはパノラマ画像70を取得する。
次に、画像処理装置20は、ステップS2からS5において、パノラマ画像40に対する処理と同様に、パノラマ画像60またはパノラマ画像70に対して処理を行う。
次に、図7に示すように、画像処理装置20は、ステップS6のようにパノラマ画像60またはパノラマ画像70に対してマーク領域が所定位置か否かを判定する。
図7に示すように、マーク領域が所定位置である場合、画像処理装置20は、ステップS7のように、パノラマ画像60またはパノラマ画像70に対して分割線Dを設定する。
次に、図7に示すように、画像処理装置20は、ステップS8のように、パノラマ画像60またはパノラマ画像70を、分割線Dを境に、分割されたパノラマ画像61と、分割されたパノラマ画像62との2つに、または、分割されたパノラマ画像71と、分割されたパノラマ画像72との2つに分割する。
次に、図8に示すように、画像処理装置20は、ステップS9のように、分割側が両端となるように合成パノラマ画像を生成する。
例えば、パノラマ画像60の場合、画像処理装置20は、分割されたパノラマ画像61の端61sと、分割されたパノラマ画像62の端62sとを向かい合わせ、パノラマ画像40の長手方向の長さと同じになるように、分割されたパノラマ画像61と分割されたパノラマ画像62とを、隙間を空けてつなぎ合わせる。そして、画像処理装置20は、分割されたパノラマ画像61の分割側61dと、分割されたパノラマ画像62の分割側62dとが両端になるように、合成されたパノラマ画像65を生成する。なお、分割されたパノラマ画像61と分割されたパノラマ画像62とを隙間の幅は、図8に示された幅より広くても、狭くてもよく(0でもよく)、動体が通過していることが分かればよい。
パノラマ画像70の場合、画像処理装置20は、分割されたパノラマ画像71の端71sと、分割されたパノラマ画像72の端72sとにおいて、パノラマ画像40の長手方向の長さと同じになるように、分割されたパノラマ画像71と分割されたパノラマ画像72とを重ね合わせる。そして、画像処理装置20は、分割されたパノラマ画像71の分割側71dと、分割されたパノラマ画像72の分割側72dとが両端になるように、合成されたパノラマ画像75を生成する。なお、画像処理装置20は、重ね合った部分に関して、分割されたパノラマ画像72またはパノラマ画像71を優先して表示させる。
図9に示すように、パノラマ画像65において、マークM2に囲まれた動体が移動していき、分割されたパノラマ画像62と分割されたパノラマ画像61との隙間を通過する際は、マークM2に囲まれた動体が、部分的に表示されなくなる。しかし、この隙間が、マークM2の横幅、または、物体の横幅より狭ければ、マークM2に囲まれた動体が隙間を通過していることを把握できる。
このように、第1パノラマ画像の一例であるパノラマ画像40、60、70は、パノラマ画像40、60、70の長手方向において連続性を有するパノラマ画像である。連続性を有するパノラマ画像は、パノラマ画像60のように、パノラマ画像60の長手方向において部分的に途切れている部分があってもよい。連続性を有するパノラマ画像は、パノラマ画像70のように、パノラマ画像70の長手方向に重複する部分があってもよい。なお、パノラマ画像60において、パノラマ画像40の長手方向において部分的に途切れている部分の隙間の許容範囲は、追跡条件設定部20dで設定される追跡する動体の大きさに依存する。設定される追跡する動体の大きさが大きいほど、許容される隙間の幅は広くなる。
(3.2 画像処理システムの撮像部の変形例)
次に、パノラマ画像の変形例について、図10および図11を用いて説明する。
図10および図11は、画像処理システムの撮像部の変形例を示す模式図である。
撮像部10の撮像の向きは、下向き、または上向きに限らず、図10に示すように、撮像の向きが180°異なる2台の撮像部10が水平方向に設置されてよい。各撮像部10からの画像を合成して、画像処理システム1は、パノラマ画像40を生成する。
この場合、画像処理装置20は、2つの歪曲円形画像30を表示部12に表示してもよい。
また、図11に示すように、撮像部が広角レンズを有しない場合、撮像の向きが4方に向いた4台の撮像部15が水平方向に設置されてよい。各撮像部15からの画像を合成して、画像処理システム1は、パノラマ画像40を生成する。なお、撮像部15の数は、4台以上でもよい。
この場合、画像処理装置20は、歪曲円形画像がないので、パノラマ画像40(45)と、注目画像50とを表示部12に表示してもよい。
なお、パノラマ画像をパンニングする際、マークMの位置でなく、ユーザが、操作部14によりポインタ55等で指示して、パンニングを行ってもよい。ポインタ55の位置等により、パンニングする移動量が指示され、画像処理装置20はその移動量を取得し、移動量から、分割線Dを設定する。または、画像処理装置20は、パノラマ画像40上で、ポインタ55の位置等により指示された位置を分割線Dとしてもよい。このように、ユーザの指示により、パンニングを行い、視点を変えることができるので、動体を監視しやすくなる。
また、画像処理システム1は、録画機能を備えてもよい。画像処理システム1は、任意の時間から、パノラマ画像等を録画したり、パノラマ画像等内で、所定領域を指定し、対象領域内に動体が存在する間の映像を自動で保存してもよい。また、画像処理システム1は、パノラマ画像等内の所定領域に動体を検出した際、または検出中に音(警告音)を出す機能を備えもよい。常に映像を監視しなくても、録画機能、音による伝達機能を使うことで、必要なときのみ映像をモニタすることを提供することができる。
画像処理システム1は、魚眼原画像の歪曲円形画像30と、歪曲円形画像30を補正してパノラマ表示するパノラマ画像40(45)と、追跡対象の物体を切り出して表示する動体画像の注目画像50とを、表示するが、用途によって三つの画像のうち必要な画像だけを選択して表示してもよい。
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1:画像処理システム
20:画像処理装置
30:歪曲円形画像(歪曲画像)
40、60、70:パノラマ画像(第1パノラマ画像)
41、42:分割されたパノラマ画像
41s、42s、61s、62s、71s、72s:分割されたパノラマ画像の端
41d、42d、61d、62d、71d、72d:分割されたパノラマ画像の分割側
45、65、75:パノラマ画像(第2パノラマ画像)
50:注目画像
D:分割線
M1、M2:マーク(動体包囲領域)

Claims (8)

  1. 第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、前記第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割手段と、
    前記分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、前記分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記第1パノラマ画像の中の動体を特定する動体特定手段と、
    前記第1パノラマ画像の長手方向における前記特定された動体の位置に応じて、前記分割線を設定する分割線設定手段と、を更に備えることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置において、
    前記特定された動体を取り囲む動体包囲領域を設定する動体包囲領域設定手段を更に備え、
    前記分割線設定手段が、前記動体包囲領域が前記第1パノラマ画像の長手方向における所定の位置に達したとき、前記分割線を設定することを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置において、
    前記動体包囲領域の画像データを抽出する動体包囲領域抽出手段と、
    前記第1パノラマ画像および第2パノラマ画像のうち少なくとも一方のパノラマ画像と共に、当該パノラマ画像とは別に前記抽出された動体包囲領域の画像データを表示させる表示手段と、を更に備えたことを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に画像処理装置において、
    前記画像データ取得手段が、広角レンズまたは全方位ミラーを用いた撮像により得られた歪曲画像から生成された前記第1パノラマ画像の画像データを取得することを特徴とする画像処理装置。
  6. 画像を処理する画像処理装置の画像処理方法において、
    第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得ステップと、
    前記第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、前記第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割ステップと、
    前記分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、前記分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成ステップと、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  7. コンピュータを、
    第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得手段、
    前記第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、前記第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割手段、および、
    前記分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、前記分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成手段として機能させることを特徴とする画像処理用プログラム。
  8. コンピュータを、
    第1パノラマ画像の画像データを取得する画像データ取得手段、
    前記第1パノラマ画像の短手方向を分割線として、前記第1パノラマ画像を2つに分割するパノラマ画像分割手段、および、
    前記分割された各パノラマ画像の分割側が両端となるように、前記分割された各パノラマ画像同士を合成して第2パノラマ画像を生成する第2パノラマ画像生成手段として機能させることを特徴とする画像処理用プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録された記録媒体。
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