JP2013217772A - 物理量センサーおよび電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化を図りつつ、良好なノイズ特性を有することができる物理量センサーを提供する。
【解決手段】物理量センサー100は、基板10と、第1部分20aおよび第2部分20bを有し、第1部分20aに第1可動電極部21が設けられた可動体20と、変位可能に支持する梁部30,32と、基板10に、第1可動電極部21と対向して配置されている第1固定電極部50と、を含み、第1部分20aの第1軸Q1に直交する第2軸Q2の方向の幅は、第2部分20bの第2軸Q2の方向の幅よりも小さく、固定電極部50は、平面視で第1部分20aの第2軸Q2の方向の端部24と重なる位置に設けられ、且つ、第1部分20aの第2軸Q2の方向の幅をXとし、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の方向の幅をLとしたときに、0.0500X≦L≦0.816Xの範囲に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理量センサーおよび電子機器に関する。
近年、例えばシリコンMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて、小型で高感度の物理量センサーを実現する技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、トーションウェブを中心として回転可能な2つの翼部を有する質量体を備えた物理量センサー(加速度センサー)が開示されている。特許文献1の物理量センサーでは、2つの翼部のそれぞれに貫通孔を設けることによって、トーションウェブに対して反対方向かつ同じ大きさのねじれが、同じ大きさの減衰トルクを生じさせるように構成されている。また、この物理量センサーは、一方の翼部の下方に第1電極を有し、他方の翼部の下方に第2電極を有しており、一方の翼部と第1電極との間の静電容量、および他方の翼部と第2電極との間の静電容量に基づいて、加速度を検出している。
また、例えば、特許文献2には、半導体層の固定部分にビーム部を介して非対称な質量バランスとなるように可動支持され、半導体層の厚み方向の物理量の変位に応じて動作する可動電極と、支持基板上に形成された固定電極とを、相互に間隙を介して対向配置した物理量センサーが開示されている。特許文献2の物理量センサーでは、可動電極と固定電極との間隙の大きさに応じて検出される静電容量に基づき物理量を検出している。
特表2009−537803号公報 特開2007−298405号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2の物理量センサーでは、小型化を図ろうとすると、静電容量を形成する電極面積は小さくなる。そのため、共振角周波数を変えずに、検出感度を高めるためには、電極間のギャップ(可動電極部と固定電極部との間の距離)を小さくしなければならない。しかしながら、電極間のギャップを小さくして、所望の検出感度が得られても、加速度が印加されていない状態での電極間の静電容量、すなわち、初期容量は、大きくなる傾向にある。初期容量が大きくなると、ノイズゲインとなりノイズ特性の悪化を招く場合がある。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、小型化を図りつつ、良好なノイズ特性を有することができる物理量センサーを提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記物理量センサーを含む電子機器を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本適用例に係る物理量センサーは、
基板と、
第1軸を回転軸として変位可能であって、平面視で前記第1軸を境にして、第1部分および第2部分を有し、前記第1部分に第1可動電極部が設けられた可動体と、
前記可動体を前記第1軸まわりに変位可能に支持する梁部と、
前記基板に、前記第1可動電極部と対向して配置されている第1固定電極部と、
を含み、
前記第1部分の前記第1軸に直交する第2軸の方向の幅は、前記第2部分の前記第2軸の方向の幅よりも小さく、
前記固定電極部は、
平面視で前記第1部分の前記第2軸の方向の端部と重なる位置に設けられ、
且つ、前記第1部分の前記第2軸の方向の幅をXとし、前記第1固定電極部の平面視で前記可動体と重なる部分の前記第2軸の方向の幅をLとしたときに、0.0500X≦L≦0.816Xの範囲に設けられている。
このような物理量センサーによれば、第1可動電極部と第1固定電極部との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら初期状態(加速度が印加されていない状態、例えば可動体が水平な状態)における電極部間の静電容量を小さくすることができる。したがって、小型化を図りつつ、良好なノイズ特性を有することができる。また、電極部間の距離を確保できるので、可動電極部が固定電極部や基板に張り付いたり、Q値が悪化したりすることを防ぐことができる。
[適用例2]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記第1固定電極部は、0.164X≦L≦0.633Xの範囲に設けられていてもよい。
このような物理量センサーによれば、第1可動電極部と第1固定電極部との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら初期状態における電極部間の静電容量を、より小さくすることができる。
[適用例3]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記基板には、前記第2部分と対向して第2固定電極部が設けられ、
前記可動体の前記第2部分には、第2可動電極部が設けられていてもよい。
このような物理量センサーによれば、第1可動電極部と第1固定電極部との間の静電容量および第2可動電極部と第2固定電極部との間の静電容量に基づいて、物理量を検出することができる。
[適用例4]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
平面視において、前記第1可動電極部と前記第1固定電極部とが重なる領域と、前記第2可動電極部と前記第2固定電極部とが重なる領域とは、前記第1軸に対して対称であってもよい。
このような物理量センサーによれば、第1可動電極部と第1固定電極部との間の静電容量と、第2可動電極部と第2固定電極部との間の静電容量と、の差に基づいて、物理量を検出することができる。
[適用例5]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記第1固定電極部は、平面視で前記端部からはみ出した部分を有していてもよい。
このような物理量センサーによれば、平面視において、基板の第1位置に、第1固定電極部の端部を一致させなくてもよいため、製造工程を容易化することができる。
[適用例6]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記第1部分の質量は、前記第2部分の質量よりも小さくてもよい。
このような物理量センサーによれば、例えば鉛直方向の加速度が加わったときに、可動体の第1部分の回転モーメントと、可動体の第2部分の回転モーメントとが均衡せず、可動体に所定の傾きを生じさせることができる。
[適用例7]
本適用例に係る物理量センサーにおいて、
前記基板は絶縁材料で構成され、前記可動体は半導体材料で構成されていてもよい。
このような物理量センサーによれば、基板を絶縁材料、可動体を半導体材料にすることにより、可動体と基板とを貼り合わせることで容易に両者を電気的に絶縁することができ、センサー構造を簡素化することができる。
[適用例8]
本適用例に係る電子機器は、
本適用例に係る物理量センサーを含む。
このような電子機器によれば、本適用例に係る物理量センサーを含むため、小型化を図りつつ、良好なノイズ特性を有することができる。
本実施形態に係る物理量センサーを模式的に示す平面図。 本実施形態に係る物理量センサーを模式的に示す断面図。 第1固定電極部の可動体と重なる部分の幅Lを説明するための物理量センサーのモデルを模式的に示す図。 モデルM1において、感度ΔCが一定となる、面積比と初期容量C比との関係、および面積比と電極間ギャップ比との関係を示すグラフ。 モデルM2において、感度ΔCが一定となる、面積比と初期容量C比との関係、および面積比と電極間ギャップ比との関係を示すグラフ。 モデルM2において、感度ΔCが一定となる、面積比と、初期容量C比と電極間ギャップ比との差と、の関係を示すグラフ。 本実施形態に係る物理量センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る物理量センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る物理量センサーの製造工程を模式的に示す断面図。 本実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。 本実施形態に係る電子機器を模式的に示す斜視図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 物理量センサー
まず、本実施形態に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る物理量センサー100を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る物理量センサー100を模式的に示す断面図である。なお、図2は、図1のII−II線断面図である。また、図1では、便宜上、蓋体60の図示を省略している。図1および図2では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。
物理量センサー100は、例えば、慣性センサーとして使用することができ、具体的には、例えば、鉛直方向(Z軸方向)の加速度を測定するための加速度センサー(静電容量型加速度センサー、静電容量型MEMS加速度センサー)として利用可能である。
物理量センサー100は、図1および図2に示すように、支持基板(基板)10と、可動体20と、梁部30,32と、第1固定電極部50と、を含む。物理量センサー100は、さらに、固定部40と、第2固定電極部52と、蓋体60と、を含むことができる。
支持基板10には、第1固定電極部50および第2固定電極部52が設けられている。図示の例では、固定電極部50,52は、凹部12の底面を規定する支持基板10の面14に設けられている。固定電極部50,52が設けられている支持基板10の面14は、平坦な面である。支持基板10の面14は、水平(XY平面に平行)な状態の可動体20に平行である。支持基板10には、固定部40および蓋体60が接合されている。支持基板10と、蓋体60とで、可動体20を収容するための空間を形成することができる。この空間には、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが充填されている。支持基板10の材質は、特に限定されないが、例えば、ガラス等の絶縁材料である。例えば支持基板10をガラス等の絶縁材料、可動体20をシリコン等の半導体材料にすることにより、可動体20と支持基板10とを貼り合わせることで容易に両者を電気的に絶縁することができ、センサー構造を簡素化することができる。
可動体20は、支持基板10上に、間隙2を介して設けられている。可動体20は、第1梁部30および第2梁部32によって、支持されている。可動体20は、第1軸Q1を回転軸として変位可能である。具体的には、可動体20は、例えば鉛直方向(Z軸方向)の加速度が加わると、梁部30,32によって決定される第1軸Q1を回転軸(揺動軸)としてシーソー揺動することができる。可動体20の外縁の形状は、例えば、平面視において(Z軸方向からみて)、長方形である。また、可動体20の厚さ(Z軸方向の大きさ)は、例えば、一定である。
可動体20は、第1シーソー片(第1部分)20aと、第2シーソー片(第2部分)20bと、を有する。第1シーソー片20aは、平面視において、第1軸Q1によって区画される可動体20の2つの部分のうちの一方(図1では−X軸方向側に位置する部分)である。第2シーソー片20bは、平面視において、第1軸Q1によって区画される可動体20の2つの部分のうちの他方(図1では+X軸方向側に位置する部分)である。図示の例では、第1シーソー片20aは、第1軸Q1から、第2軸Q2の方向(第2軸Q2に沿う方向、図示の例ではX軸方向)の端部24まで、−X軸方向に延出している。第2シーソー片20bは、第1軸Q1から、第2軸Q2の方向の端部25まで、+X軸方向に延出している。第1シーソー片20aおよび第2シーソー片20bは、第1軸Q1から第2軸Q2に沿って、互いに反対の方向に向かって延出している。なお、第2軸Q2は、平面視で、第1軸Q1に直交する軸である。また、第1シーソー片20aの端部24は、第1シーソー片20aの先端部であり、第1シーソー片20aのうち、第1軸Q1との間の距離が最も大きい部分である。第2シーソー片20bの端部25は、第2シーソー片20bの先端部であり、第2シーソー片20bのうち、第1軸Q1との間の距離が最も大きい部分である。
例えば、鉛直方向の加速度(例えば重力加速度)が可動体20に加わった場合、第1シーソー片20aと第2シーソー片20bの各々に回転モーメント(力のモーメント)が生じる。ここで、第1シーソー片20aの回転モーメント(例えば時計回りの回転モーメント)と第2シーソー片20bの回転モーメント(例えば反時計回りの回転モーメント)が均衡した場合には、可動体20の傾きに変化が生じず、加速度の変化を検出することができない。したがって、鉛直方向の加速度が加わったときに、第1シーソー片20aの回転モーメントと、第2シーソー片20bの回転モーメントとが均衡せず、可動体20に所定の傾きが生じるように、可動体20が設計される。
物理量センサー100では、第1軸Q1を、可動体20の中心(重心)から外れた位置に配置することによって、シーソー片20a,20bが互いに異なる質量を有している。すなわち、第1シーソー片20aのX軸方向(第2軸Q2の方向)の大きさと第2シーソー片20bのX軸方向(第2軸Q2の方向)の大きさが異なっているため、第1シーソー片20aと第2シーソー片20bとで質量が異なる。図示の例では、第1軸Q1から第1シーソー片20aの端部24までの距離は、第1軸Q1から第2シーソー片20bの端部25までの距離よりも小さい。また、第1シーソー片20aの厚さと、第2シーソー片20bの厚さとは、等しい。したがって、第1シーソー片20aの質量は、第2シーソー片20bの質量よりも小さい。このように、シーソー片20a,20bが互いに異なる質量を有することにより、鉛直方向の加速度が加わったときに、第1シーソー片20aの回転モーメントと、第2シーソー片20bの回転モーメントとを均衡させないことができる。したがって、鉛直方向の加速度が加わったときに、可動体20に所定の傾きを生じさせることができる。
可動体20は、支持基板10と離間して設けられている。図示の例では、可動体20と支持基板10との間には、間隙2が設けられている。また、可動体20は、梁部30,32によって、固定部40から離間して接続されている。可動体20と固定部40との間には、間隙4が設けられている。可動体20の周囲に間隙2,4が存在することによって、可動体20は、シーソー揺動することができる。
第1シーソー片20aには、第1可動電極部21が設けられている。また、第2シーソー片20bには、第2可動電極部22が設けられている。
第1可動電極部21は、図示の例では、可動体20のうち、平面視で第1固定電極部50と重なる部分である。第1可動電極部21は、可動体20のうち、第1固定電極部50との間に静電容量C1を形成する部分である。第2可動電極部22は、可動体20のうち、平面視で第2固定電極部52と重なる部分である。第2可動電極部22は、可動体20のうち、第2固定電極部52との間に静電容量C2を形成する部分である。物理量センサー100では、可動体20が導電性材料で構成されることによって可動電極部21,22が設けられてもよく、また、可動体20の表面に金属等の導体層からなる可動電極部を設けてもよい。図示の例では、可動体20が導電性材料(不純物がドープされたシリコン)で構成されることによって、可動電極部21,22が設けられている。
支持基板10の第1シーソー片20aに対向する位置には、第1固定電極部50が設けられている。第1可動電極部21と第1固定電極部50とによって、静電容量C1が形成されている。また、支持基板10の第2シーソー片20bに対向する位置には、第2固定電極部52が設けられている。第2可動電極部22と第2固定電極部52とによって、静電容量C2が形成されている。静電容量C1および静電容量C2は、例えば、初期状態において、等しい。ここで、初期状態とは、物理量センサーに加速度が印加されていない状態をいい、例えば、可動体20が水平な状態をいう。図示の例では、初期状態において、平面視で第1可動電極部21と第1固定電極部50とが重なる第1領域αの面積と、平面視で第2可動電極部22と第2固定電極部52とが重なる第2領域βの面積とは、等しい。また、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離と、第2可動電極部22と第2固定電極部52との間の距離とは、等しい。したがって、初期状態における静電容量C1(初期容量)と、初期状態における静電容量C2(初期容量)とは、等しい。第1可動電極部21および第2可動電極部22は、可動体20の動きに応じて位置が変化する。この可動電極部21,22の位置の変化に応じて、静電容量C1,C2が変化する。可動体20には、例えば梁部30,32を介して、所定の電位が与えられる。
第1梁部30および第2梁部32は、可動体20を第1軸Q1まわりに変位可能に支持している。梁部30,32は、トーションバネ(捻りバネ)として機能することができる。これにより、可動体20が第1軸Q1を回転軸として回転(シーソー揺動)することにより梁部30,32に生じるねじり変形に対して強い復元力を有し、梁部30,32が破損することを防止することができる。
第1梁部30および第2梁部32は、図1に示すように、平面視において、第1軸Q1上に配置されている。梁部30,32は、固定部40から可動体20まで、第1軸Q1上を延出している。梁部30,32は、可動体20の回転軸(揺動軸)となる第1軸Q1の位置を決定する部材である。梁部30,32は、固定部40と可動体20とを接続している。第1梁部30は、可動体20の+Y軸方向側の側面に接続され、第2梁部32は、可動体20の−Y軸方向側の側面に接続されている。
固定部40は、支持基板10に固定されている。固定部40は、平面視において、可動体20の周囲に設けられている。図示の例では、固定部40は、平面視において、可動体20を囲むように設けられている。なお、固定部40の形状は、特に限定されない。固定部40と可動体20とは、離間しており、固定部40と可動体20との間には、間隙4が設けられている。
可動体20、梁部30,32、および固定部40は、一体に設けられている。可動体20、梁部30,32、および固定部40は、1つの基板(例えばシリコン基板)をパターニングすることによって一体に設けられる。
第1固定電極部50は、支持基板10上に設けられている。第1固定電極部50は、第1可動電極部21(第1シーソー片20a)に対向する位置に配置されている。第1固定電極部50の上方には、間隙2を介して、第1可動電極部21が位置している。第1固定電極部50は、第1可動電極部21との間に静電容量C1を形成するように設けられている。第1固定電極部50は、第1シーソー片20aの第2軸Q2の方向の端部24と重なる位置に設けられている。第1固定電極部50は、支持基板10の第1位置P1から、+X軸方向に延出している第1延出部50aと、支持基板10の第2位置P2から、−X軸方向に延出している第2延出部50bと、を有している。すなわち、第1延出部50aは、第1位置P1の一方側(+X軸方向側、第1軸Q1側)に位置し、第2延出部50bは、第1位置P1の他方側に位置している。ここで、支持基板10の第1位置P1とは、平面視で、支持基板10の、第1シーソー片20aの端部24と重なる位置である。また、支持基板10の第2位置P2は、支持基板10の、第1軸Q1と重なる位置である。
第1固定電極部50の第1延出部50aは、第1可動電極部21に対向して静電容量C1を形成している部分を含む。第1延出部50aは、平面視で可動体20と重なる部分を含む。第1延出部50aは、支持基板10の第1位置P1から支持基板10の第2位置P2に向かって+X軸方向に延出している。また、第1固定電極部50の第2延出部50bは、支持基板10の第1位置P1から、第1延出部50aとは反対方向(支持基板10の第1位置P1から支持基板10の第2位置P2に向かう方向とは反対の方向)に向かって延出している。第1固定電極部50の第2延出部50bは、平面視で第1シーソー片20aの端部24からはみだした部分を含む。第1固定電極部50の第2延出部50bは、第1可動電極部21と対向しておらず、第1可動電極部21の外縁の外側に位置している。
なお、図示はしないが、第1固定電極部50は、第2延出部50bを有していなくてもよい。すなわち、第1固定電極部50は、第1延出部50aのみで構成されていてもよい。このとき、第1固定電極部50と第2固定電極部52とは、平面視において、第1軸Q1を軸として、対称に設けられていてもよい。
第2固定電極部52は、支持基板10上に設けられている。第2固定電極部52は、第2シーソー片20bに対向する位置に配置されている。第2固定電極部52の上方には、間隙を介して、第2可動電極部22が位置している。第2固定電極部52は、第2可動電極部22との間に静電容量C2を形成するように設けられている。
図1に示すように平面視において、第1可動電極部21と第1固定電極部50とが重なる第1領域αと、第2可動電極部22と第2固定電極部52とが重なる第2領域βとは、第1軸Q1に対して対称である。すなわち、第1領域αと第2領域βとは、平面形状が同じであり、かつ、第1軸Q1からの距離が等しい。図示の例では、第1固定電極部50の第1延出部50aと第2固定電極部52とは、平面視で第1軸Q1に対して対称に設けられている。すなわち、第1固定電極部50の第1延出部50aと、第2固定電極部52とは、平面形状が同じであり、かつ、第1軸Q1からの距離が等しい位置に配置されている。
第1固定電極部50は、平面視で第1シーソー片20aの第2軸Q2の方向(X軸方向)の端部24と重なる位置に設けられ、かつ、第1シーソー片20aの第2軸Q2の方向(X軸方向)の幅をXとし、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の幅をLとしたときに、0.0500X≦L≦0.816Xの範囲に設けられている。これにより、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら、初期状態における静電容量C1を小さくすることができる。なお、図示の例では、幅Lは、第1固定電極部50の第1延出部50aの幅(X軸方向の大きさ)である。また、幅Lは、支持基板10の第1位置P1と固定電極部50の+X軸方向の端部との間の距離と等しい。また、幅Lが、0.164X≦L≦0.633Xの範囲であることにより、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら、初期状態における静電容量C1を、より小さくすることができる。以下、その理由について説明する。
図3は、第1固定電極部50の可動体20と重なる部分の幅Lの範囲を説明するための物理量センサーのモデルを示す図である。図3(A)は、モデルM1を模式的に示す断面図である。図3(B)は、モデルM2を模式的に示す断面図である。
モデルM1およびモデルM2において、可動電極部121と固定電極部150との間の初期容量Cは、下記式(1)で示される。なお、初期容量Cとは、可動体120が水平な状態における静電容量C1であり、加速度が印加されていない状態における静電容量C1である。
ただし、εは、電極部121,150間の誘電体の誘電率である。Sは、電極部121,150の対向面積(平面視で電極部121,150が重なる領域の面積)である。dは、初期状態における電極部121,150間の距離(ギャップ)である。
また、物理量センサーの感度ΔCは、下記式(2)で示される。
ただし、ωは、共振角周波数であり、Δdは、可動電極部121のZ軸方向の変位の大きさを示す。具体的には、Δdは、可動体120の第1シーソー片120aの端部124が、Z軸方向にΔz変位したときの、可動電極部121のZ軸方向の変位の大きさである。
式(1)および式(2)から、感度ΔCを一定に保ちながら、初期容量Cを小さくするためには、電極部121,150の対向面積Sを小さくしつつ、電極部121,150間のギャップdを小さくする必要があることがわかる。
ここで、モデルM1およびモデルM2について、感度ΔCが一定となる、面積比と初期容量C比との関係、および、面積比と電極間ギャップd比との関係を、式(2)から算出した。なお、面積比とは、第1シーソー片120aの全体の面積に対する、電極部121,150の対向面積Sの割合である。例えば、面積比が1の場合とは、固定電極部150の幅が第1位置P1から第2位置P2まである場合、すなわち、固定電極部150が第1位置P1から第2位置P2まで延出している場合である。また、初期容量C比とは、各面積比における初期容量Cを、面積比が1のときの初期容量Cで規格化したものである。また、電極間ギャップd比とは、各面積比における電極部121,150間の距離(ギャップ)dを、面積比が1のときの電極部121,150間の距離(ギャップ)dで規格化したものである。
モデルM1では、固定電極部150の中心の位置を、第1シーソー片20aの中心と重なる支持基板110の第3位置P3(第1位置P1と第2位置P2との中間の位置)に固定し、固定電極部150の幅(X軸方向の大きさ)を変えて、電極部121,150の対向面積Sを変えた。そのため、式(1)および式(2)において、電極部121,150の対向面積Sを変化させても、可動電極部121の変位Δdは、一定であるものとして計算を行った。なお、固定電極部150の長さ(Y軸方向の大きさ)は、一定とした。
図4は、モデルM1において、感度ΔCが一定となる、面積比と初期容量C比との関係、および面積比と電極間ギャップd比との関係を示すグラフである。図4に示すように、モデルM1では、感度ΔCを一定に保ちつつ、面積比を小さくすると、初期容量C比および電極間ギャップd比ともに、同様の傾向で減少する。そのため、感度ΔCを一定に保ちつつ初期容量Cを小さくすると、電極部121,150間のギャップdが小さくなる。電極部121,150間のギャップdが小さくなると、可動電極部121が、固定電極部150や支持基板110に張り付いたり、機械特性であるQ値が悪化したりする場合がある。
モデルM2では、固定電極部150の端部を第1位置P1に固定し、固定電極部150を、第1位置P1から第2位置P2に向かって延出させることで、固定電極部150のX軸方向の幅を変えて、電極部121,150の対向面積Sを変えた。すなわち、式(2)において、可動電極部121の変位の大きさΔdは、Δd=(−0.5×電極線幅占有率+1)×Δzである。ここで、電極線幅占有率とは、固定電極部150のX軸方向の幅を、第1位置P1と第2位置P2との間の距離で規格化したものである。例えば、固定電極部150が第1位置P1から第3位置P3まで延出している場合、電極線幅占有率は、0.5であり、固定電極部150が第1位置P1から第2位置P2まで延出している場合、電極線幅占有率は、1である。なお、固定電極部150の長さ(Y軸方向の大きさ)は、一定とした。そのため、図4および図5では、面積比を、電極線幅占有率に置き換えることができる。
図5は、モデルM2において、感度ΔCが一定となる、面積比と初期容量C比との関係、および面積比と電極間ギャップd比との関係を示すグラフである。図5に示すように、モデルM2では、モデルM1と比べて、初期容量C比の減少に伴う、電極間ギャップd比の減少の割合が小さい。すなわち、モデルM2では、モデルM1と比べて、感度ΔCを一定にしつつ初期容量Cを小さくしても、初期状態における電極部121,150間のギャップdを大きくすることができる。
図6は、モデルM2において、感度ΔCが一定となる、面積比と、初期容量C比と電極間ギャップd比との差(|初期容量C比−電極間ギャップd比|)と、の関係を示すグラフである。図6に示すグラフから、モデルM2では、電極線幅占有率(面積比)をL1とすると、0.0500≦L1≦0.816の範囲で、初期容量C比と電極間ギャップd比との差が0.15以上であることがわかる。初期容量C比と電極間ギャップd比との差が0.15以上であることにより、電極部間の距離を確保しつつ、感度ΔCを保ちながら初期容量を小さくすることができる。また、面積比が0.0500より小さい場合、固定電極部が小さくなりすぎて、固定電極部の製造が困難である。電極線幅占有率(面積比)L1が0.0500以上であることにより、固定電極部を容易に製造することができる。さらに、図6に示すグラフから、モデルM2では、電極線幅占有率(面積比)L1が0.164≦L1≦0.633の範囲で、初期容量C比と電極間ギャップd比との差が0.2以上であることがわかる。初期容量C比と電極間ギャップd比との差が0.2以上であれば、電極部間の距離を確保しつつ、感度ΔCを保ちながら、初期容量を、より小さくすることができる。さらに、図6に示すグラフから、モデルM2では、電極線幅占有率(面積比)L1が0.380のときに、初期容量C比と電極間ギャップd比との差が最も大きくなることがわかる。そのため、電極線幅占有率(面積比)L1を0.380にすることにより、より確実に、可動電極部と固定電極部との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら、初期容量を小さくすることができる。なお、図1および図2に示す物理量センサー100では、モデルM2における電極線幅占有率(面積比)L1は、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の方向の幅Lに対応する。
上記の結果から、物理量センサー100では、第1固定電極部50は、平面視で第1シーソー片20aの第2軸Q2の方向(X軸方向)の端部24と重なる位置に設けられ、かつ、第1シーソー片20aの第2軸Q2の方向の幅をXとし、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の幅をLとしたときに、0.0500X≦L≦0.816Xの範囲に設けられていることにより、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら初期状態における静電容量C1を小さくすることができる。さらに、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の方向の幅Lが、0.164X≦L≦0.633Xの範囲であることにより、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら初期状態における静電容量C1を、より小さくすることができる。さらに、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の方向の幅Lが、L=0.380であることにより、より確実に、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら初期状態における静電容量C1を小さくすることができる。
固定電極部50,52の材質は、例えば、アルミ、金、ITO(Indium Tin Oxide)等である。固定電極部50,52の材質は、ITO等の透明電極材料であることが望ましい。固定電極部50,52として、透明電極材料を用いることにより、支持基板10が透明基板(ガラス基板)である場合、固定電極部50,52上に存在する異物等を容易に視認することができるためである。
蓋体60は、支持基板10に載置されている。蓋体60としては、例えば、シリコン基板(シリコン製の基板)を用いることができる。支持基板10としてガラス基板を用いた場合、支持基板10と蓋体60とは、陽極接合によって接合されていてもよい。
次に、物理量センサー100の動作について説明する。物理量センサー100では、加速度、角速度等の物理量に応じて、可動体20が第1軸Q1まわりに揺動(回動)する。この可動体20の動きに伴って、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離、および第2可動電極部22と第2固定電極部52との間の距離が変化する。具体的には、電極部21,50間の距離および電極部22,52間の距離のうちの一方の距離が大きくなり、他方の距離が小さくなる。そのため、可動体20の揺動(回動)によって、静電容量C1,C2のうちの一方が大きくなり、他方が小さくなる。したがって、静電容量C1と静電容量C2との差に基づいて(差動検出により)、加速度や角速度等の物理量を検出することができる。
上述のように、物理量センサー100は、加速度センサーやジャイロセンサー等の慣性センサーとして使用することができ、具体的には、例えば、鉛直方向の加速度を測定するための静電容量型加速度センサーとして使用することができる。
本実施形態に係る物理量センサー100は、例えば、以下の特徴を有する。
物理量センサー100では、第1固定電極部50は、平面視で第1シーソー片20aの第2軸Q2の方向(X軸方向)の端部24と重なる位置に設けられ、かつ、第1シーソー片20aの第2軸Q2の方向の幅をXとし、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の方向の幅をLとしたときに、0.0500X≦L≦0.816Xの範囲に設けられている。これにより、上述したように、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら、初期状態における静電容量C1を小さくすることができる。したがって、小型化を図りつつ、良好なノイズ特性を有することができる。また、電極部21,50間の距離を確保できるので、可動電極部が固定電極部や支持基板に張り付いたり、Q値が悪化したりすることを防ぐことができる。
例えば、物理量センサーにおいて、小型化を図ろうとすると、静電容量を形成する電極面積は小さくなる。そのため、共振周波数を変えずに、検出感度を高めるためには、電極間のギャップ(可動電極部と固定電極部との間隙の大きさ)を小さくしなければならない。しかしながら、電極間のギャップを小さくして、所望の検出感度が得られても、初期容量は、大きくなる傾向にある。初期容量が大きくなると、ノイズゲインとなりノイズ特性の悪化を招く場合がある。また、電極間のギャップが小さくなると、例えば製造工程における電極部の張り付きやQ値の悪化が起こる場合がある。物理量センサー100によれば、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら、初期状態における静電容量C1を小さくすることができるため、小型化を図りつつ、良好なノイズ特性を有することができる。また、電極部の張り付きやQ値の悪化を防ぐことができる。
さらに、物理量センサー100では、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の方向の幅Lが、0.164X≦L≦0.633Xの範囲であることができる。これにより、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の距離を確保しつつ、感度を保ちながら、初期状態における静電容量C1をより小さくすることができるため、小型化を図りつつ、より良好なノイズ特性を有することができる。
物理量センサー100では、支持基板10に、第2シーソー片20bと対向して配置されている第2固定電極部52を有し、第2シーソー片20bには、第2可動電極部22が設けられている。そのため、第1可動電極部21と第1固定電極部50との間の静電容量C1および第2可動電極部22と第2固定電極部52との間の静電容量C2に基づいて、物理量を検出することができる。
物理量センサー100では、平面視において、第1可動電極部21と第1固定電極部50とが重なる第1領域αと、第2可動電極部22と第2固定電極部52とが重なる第2領域βとは、第1軸Q1に対して対称である。これにより、可動体20が傾いた際の、静電容量C1の変化量と静電容量C2の変化量とを同じにできるため、容易に、静電容量C1と静電容量C2との差に基づいて、加速度や角速度等の物理量を検出することができる。
物理量センサー100では、第1固定電極部50は、平面視で第1シーソー片20aの端部24からはみだした第2延出部50bを有している。これにより、平面視において、支持基板10の第1位置P1に、第1固定電極部50の端部を一致させなくてもよいため、製造工程を容易化することができる。
物理量センサー100では、第1シーソー片20aの質量は、第2シーソー片20bの質量よりも小さい。そのため、例えば鉛直方向の加速度が加わったときに、可動体20の一方側(第1シーソー片20a)の回転モーメントと、可動体20の他方側(第2シーソー片20b)の回転モーメントとが均衡せず、可動体に所定の傾きを生じさせることができる。
物理量センサー100によれば、支持基板10を絶縁材料、可動体20を半導体材料にすることにより、可動体20と支持基板10とを貼り合わせることで容易に両者を電気的に絶縁することができ、センサー構造を簡素化することができる。
2. 物理量センサーの製造方法
次に、本実施形態に係る物理量センサーの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図7〜図9は、本実施形態に係る物理量センサー100の製造工程を模式的に示す断面図である。
図7に示すように、例えば、ガラス基板をエッチングしてガラス基板に凹部12を形成して、支持基板10を得る。エッチングは、例えば、ウエットエッチングにより行われる。
次に、凹部12の底面を規定する支持基板10の面14に、第1固定電極部50および第2固定電極部52を形成する。固定電極部50,52は、スパッタ法等により支持基板10の面14上に導電層を成膜した後、当該導電層をフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより形成される。第1固定電極部50は、第1固定電極部50の平面視で可動体20と重なる部分の第2軸Q2の方向の幅Lが、例えば0.0500≦L≦0.816の範囲となるように形成される。
図8に示すように、支持基板10に、シリコン基板201(センサー基板)を接合させる。支持基板10とシリコン基板201との接合は、例えば、陽極接合や直接接合、または接着剤を用いて行われる。
図9に示すように、シリコン基板201を、例えば研削機によって研削して薄膜化した後、所望の形状にパターニングして、可動体20、梁部30,32、および固定部40を形成する。可動体20は、第1シーソー片20aの端部24が第1位置P1の上方に形成される。また、梁部30,32は、第2位置P2の上方に形成される。パターニングは、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術(ドライエッチング)によって行われ、より具体的なエッチング技術として、ボッシュ(Bosch)法を用いることができる。本工程では、シリコン基板201をパターニング(エッチング)することにより、可動体20、梁部30,32、固定部40が一体的に形成される。
図1および図2に示すように、支持基板10に蓋体60を接合して、支持基板10および蓋体60によって形成される空間に可動体20を収容する。支持基板10と蓋体60との接合は、例えば、陽極接合や接着剤等を用いて行われる。本工程を、不活性ガス雰囲気で行うことにより、可動体20が収容される空間に不活性ガスを充填することができる。
以上の工程により、物理量センサー100を製造することができる。
3. 電子機器
次に、本実施形態に係る電子機器について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る電子機器は、本発明に係る物理量センサーを含む。以下では、本発明に係る物理量センサーとして、物理量センサー100を含む電子機器について、説明する。
図10は、本実施形態に係る電子機器として、モバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューター1100を模式的に示す斜視図である。
図10に示すように、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を有する表示ユニット1106と、により構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピューター1100には、物理量センサー100が内蔵されている。
図11は、本実施形態に係る電子機器として、携帯電話機(PHSも含む)1200を模式的に示す斜視図である。
図11に示すように、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。
このような携帯電話機1200には、物理量センサー100が内蔵されている。
図12は、本実施形態に係る電子機器として、デジタルスチルカメラ1300を模式的に示す斜視図である。なお、図12には、外部機器との接続についても簡易的に示している。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。
また、このデジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、ビデオ信号出力端子1312には、テレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314には、パーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
このようなデジタルスチルカメラ1300には、物理量センサー100が内蔵されている。
以上のような電子機器1100,1200,1300は、小型化を図りつつ、良好なノイズ特性を有することができる物理量センサー100を含む。そのため、電子機器1100,1200,1300は、小型化を図りつつ、良好なノイズ特性を有することができる。
なお、上記物理量センサー100を備えた電子機器は、図10に示すパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図11に示す携帯電話機、図12に示すデジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、各種ナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーターなどに適用することができる。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
α…第1領域、β…第2領域、2,4…間隙、10…支持基板、12…凹部、14…面、20…可動体、20a…第1シーソー片、20b…第2シーソー片、21…第1可動電極部、22…第2可動電極部、24,25…端部、30…第1梁部、32…第2梁部、40…固定部、50…第1固定電極部、50a…第1延出部、50b…第2延出部、52…第2固定電極部、60…蓋体、100…物理量センサー、110…支持基板、120…可動体、120a…第1シーソー片、121…可動電極部、124…端部、150…固定電極部、201…シリコン基板、P1…第1位置、P2…第2位置、P3…第3位置、Q1…第1軸、Q2…第2軸、1100…パーソナルコンピューター、1100…電子機器、1102…キーボード、1104…本体部、1106…表示ユニット、1108…表示部、1200…携帯電話機、1202…操作ボタン、1204…受話口、1206…送話口、1208…表示部、1300…デジタルスチルカメラ、1302…ケース、1304…受光ユニット、1306…シャッターボタン、1308…メモリー、1310…表示部、1312…ビデオ信号出力端子、1314…入出力端子、1430…テレビモニター、1440…パーソナルコンピューター

Claims (8)

  1. 基板と、
    第1軸を回転軸として変位可能であって、平面視で前記第1軸を境にして、第1部分および第2部分を有し、前記第1部分に第1可動電極部が設けられた可動体と、
    前記可動体を前記第1軸まわりに変位可能に支持する梁部と、
    前記基板に、前記第1可動電極部と対向して配置されている第1固定電極部と、
    を含み、
    前記第1部分の前記第1軸に直交する第2軸の方向の幅は、前記第2部分の前記第2軸の方向の幅よりも小さく、
    前記固定電極部は、
    平面視で前記第1部分の前記第2軸の方向の端部と重なる位置に設けられ、
    且つ、前記第1部分の前記第2軸の方向の幅をXとし、前記第1固定電極部の平面視で前記可動体と重なる部分の前記第2軸の方向の幅をLとしたときに、0.0500X≦L≦0.816Xの範囲に設けられている、物理量センサー。
  2. 請求項1において、
    前記第1固定電極部は、0.164X≦L≦0.633Xの範囲に設けられている、物理量センサー。
  3. 請求項1または2において、
    前記基板には、前記第2部分と対向して第2固定電極部が設けられ、
    前記可動体の前記第2部分には、第2可動電極部が設けられている、物理量センサー。
  4. 請求項3において、
    平面視において、前記第1可動電極部と前記第1固定電極部とが重なる領域と、前記第2可動電極部と前記第2固定電極部とが重なる領域とは、前記第1軸に対して対称である、物理量センサー。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、
    前記第1固定電極部は、平面視で前記端部からはみ出した部分を有している、物理量センサー。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、
    前記第1部分の質量は、前記第2部分の質量よりも小さい、物理量センサー。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、
    前記基板は絶縁材料で構成され、前記可動体は半導体材料で構成される、物理量センサー。
  8. 請求項1ないし7いずれか1項に記載の物理量センサーを含む、電子機器。
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