以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1.1. 物理量センサー
まず、第1実施形態に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る物理量センサー100を模式的に示す平面図である。図2および図3は、第1実施形態に係る物理量センサー100を模式的に示す断面図である。なお、図2は、図1のII−II線断面図であり、図3は、図1のIII−III線断面図である。また、図1では、便宜上、蓋体60の図示を省略している。図1〜図3では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。
物理量センサー100は、例えば、慣性センサーとして使用することができ、具体的には、例えば、鉛直方向(Z方向)の加速度を測定するための加速度センサー(静電容量型加速度センサー、静電容量型MEMS加速度センサー)として利用可能である。
物理量センサー100は、図1〜図3に示すように、支持基板(基板)10と、可動体20と、梁部30,32と、を含む。物理量センサー100は、さらに、枠体40と、固定電極部5(第1検出電極50、第2検出電極52)と、蓋体60と、を含むことができる。
支持基板10には、凹部12が設けられている。凹部12内には、図1および図3に示すように、段差部16,18が設けられている。第1段差部16は、第1梁部30の下方(−Z方向)に設けられている。第2段差部18は、第2梁部32の下方に設けられている。段差部16,18は、可動体20の下方には設けられていない。すなわち、段差部16,18は、平面視(Z方向からみて)で可動体20と重なる領域を避けて設けられている。段差部16,18は、図1に示すように平面視において、枠体40から可動体20の近傍まで設けられている。段差部16,18は、支持基板10と一体に設けられている。なお、段差部16,18は、金属膜や樹脂等の支持基板10とは別の部材で設けられていてもよい。
段差部16,18が設けられることによって、凹部12は、第1底面(第1面)12a、第2底面(第2面)12b,12cの3つの底面を有している。第1底面12aは、可動体20の下方(−Z方向)に位置している。第1底面12aは、平面視で可動体20と重なっている。第1底面12aと可動体20との間には、第1間隙2aが設けられている。
第2底面12bは、第1梁部30の下方に位置している。第2底面12bは、平面視で第1梁部30と重なっている。第2底面12bと第1梁部30との間には、第2間隙2bが設けられている。第2底面12cは、第2梁部32の下方に位置している。第2底面12cは、平面視で第2梁部32と重なっている。第2底面12cと第2梁部32との間には、第2間隙2cが設けられている。第2底面12b,12cは、平面視で可動体20と重なっている領域を避けて設けられている。図示の例では、凹部12の底面12a,12b,12cは、支持基板10の面で規定されている。
支持基板10には、固定電極部5が設けられている。また、支持基板10には、枠体40および蓋体60が接合されている。支持基板10と、蓋体60とで、可動体20を収容するための空間を形成することができる。支持基板10の材質は、特に限定されないが、例えば、ガラスである。
可動体20は、支持基板10上に、第1間隙2aを介して設けられている。可動体20は、第1梁部30および第2梁部32によって、支持されている。可動体20は、例えば鉛直方向(Z方向)の加速度が加わると、梁部30,32によって決定される支持軸Qを回転軸(揺動軸)として、シーソー揺動(シーソー動作)することができる。可動体20の平面形状(Z方向からみたときの形状)は、例えば、長方形である。
可動体20は、第1シーソー片20aと、第2シーソー片20bと、を有する。第1シーソー片20aは、平面視において、支持軸Qによって区画される可動体20の2つの部分のうちの一方(図1では右側に位置する部分)である。第2シーソー片20bは、平面視において、支持軸Qによって区画される可動体20の2つの部分のうちの他方(図1では左側に位置する部分)である。支持軸Qは、可動体20を通る軸である。
例えば、鉛直方向(Z方向)の加速度(例えば重力加速度)が可動体20に加わった場合、第1シーソー片20aと第2シーソー片20bの各々に回転モーメント(力のモーメント)が生じる。ここで、第1シーソー片20aの回転モーメント(例えば時計回りの回転モーメント)と第2シーソー片20bの回転モーメント(例えば反時計回りの回転モーメント)が均衡した場合には、可動体20の傾きに変化が生じず、加速度の変化を検出することができない。したがって、鉛直方向(Z方向)の加速度が加わったときに、第1シーソー片20aの回転モーメントと、第2シーソー片20bの回転モーメントとが均衡せず、可動体20に所定の傾きが生じるように、可動体20が設計される。
物理量センサー100では、支持軸Qを、可動体20の中心(重心)から外れた位置に配置することによって(支持軸Qから各シーソー片20a,20bの先端までの距離を異ならせることによって)、シーソー片20a,20bが互いに異なる質量を有している。すなわち、可動体20は、支持軸Qを境にして、一方の領域(第1シーソー片20a)と他方の領域(第2シーソー片20b)とで質量が異なる。図示の例では、支持軸Qから第1シーソー片20aの端面24までの距離は、支持軸Qから第2シーソー片20bの端面25までの距離よりも大きい。また、第1シーソー片20aの厚みと、第2シーソー片20bの厚みとは、等しい。したがって、第1シーソー片20aの質量は、第2シーソー片20bの質量よりも大きい。このように、シーソー片20a,20bが互いに異なる質量を有することにより、鉛直方向(Z方向)の加速度が加わったときに、第1シーソー片20aの回転モーメントと、第2シーソー片20bの回転モーメントとを均衡させないことができる。したがって、鉛直方向(Z方向)の加速度が加わったときに、可動体20に所定の傾きを生じさせることができる。
なお、図示はしないが、支持軸Qを可動体20の中心に配置し、かつ、シーソー片20a,20bの厚みを互いに異ならせることによって、シーソー片20a,20bが互いに異なる質量を有するようにしてもよい。このような場合にも、鉛直方向(Z方向)の加速度が加わったときに、可動体20に所定の傾きを生じさせることができる。
可動体20は、支持基板10と離間して設けられている。図示の例では、可動体20と支持基板10との間には、間隙2aが設けられている。また、可動体20は、梁部30,32によって、枠体40から離間して接続されている。可動体20と枠体40との間には、間隙4が設けられている。可動体20の周囲に間隙2a,4が存在することによって、可動体20は、シーソー揺動することができる。
可動体20は、可動電極部21を備えている。可動電極部21は、可動電極21a,21bを有している。なお、可動電極部21は、可動電極21a,21bのいずれか一方で構成されていてもよい。可動体20が導電性材料で構成されることによって、可動電極が形成されてもよく、また、可動体20の表面に金属等の導体層からなる可動電極を形成することもできる。図示の例では、可動体20が導電性材料(不純物がドープされたシリコン)で構成されることによって、可動電極21a,21bが形成されている。図示の例では、第1シーソー片20aは可動電極21aとして機能し、第2シーソー片20bは可動電極21bとして機能している。
支持基板10には、可動電極部21と対向して配置されている固定電極部5が設けられている。支持基板10の可動電極21aに対向する位置には、第1検出電極50が設けられている。この可動電極21aと第1検出電極50とによって、可変容量C1が構成されている。また、支持基板10の可動電極21bに対向する位置には、第2検出電極52が設けられている。この可動電極21bと第2検出電極52とによって、可変容量C2が構成されている。可変容量C1および可変容量C2は、例えば、可動体20が水平である状態において、同じ容量となるように構成される。可動電極21aおよび可動電極21bは、可動体20のシーソー揺動に応じて位置が変化する。この可動電極21a,21bの位置の変化に応じて、可変容量C1,C2の容量値が変化する。図示の例では、可動体20自体が可動電極21a,21bを構成しているため、可動電極21a,21bは、同じ電位を有する電極である。可動体20には、梁部30,32を介して、所定の電位が与えられる。
なお、図示はしないが、蓋体60の、可動電極21aに対向する位置に第1検出電極50が設けられ、蓋体60の、可動電極21bに対向する位置に第2検出電極52が設けられてもよい。
第1梁部30は、支持基板10上に、第2間隙2bを介して設けられている。図示の例では、第1梁部30の一部が、第2間隙2bを介して設けられている。なお、第1梁部30の全部が、支持基板10上に、第2間隙2bを介して設けられていてもよい。第2梁部32は、支持基板10上に、第2間隙2cを介して設けられている。図示の例では、第2梁部32の一部が、第2間隙2cを介して設けられている。なお、第2梁部32の全部が、支持基板10上に、第2間隙2cを介して設けられていてもよい。
第2間隙2bの大きさB1は、第1間隙2aの大きさAよりも小さい。同様に、第2間隙2cの大きさB2は、第1間隙2aの大きさAよりも小さい。そのため、梁部30,32の鉛直方向(−Z方向)の変位を制限することができる。具体的には、第1梁部30の−Z方向の変位は、第2間隙2bの範囲内に制限されている。第2梁部32の−Z方向の変位は、第2間隙2cの範囲内に制限されている。第1間隙2aの大きさAは、例えば、1μm程度である。第2間隙2bの大きさB1および第2間隙2cの大きさB2は、例えば、0.1〜0.5μmである。
ここで、第1間隙2aの大きさAは、第1間隙2aのZ方向の大きさであり、図示の例では、可動体20と凹部12の第1底面12aを規定する支持基板10の面14との間の距離である。また、第1間隙2aの大きさAは、可動体20と凹部12の第1底面12aとの間の距離である。
第2間隙2bの大きさB1は、第2間隙2bのZ方向の大きさであり、図示の例では、第1梁部30と第1段差部16との間の距離である。また、第2間隙2bの大きさB1は、第1梁部30と凹部12の第2底面12bとの間の距離である。
第2間隙2cの大きさB2は、第2間隙2cのZ方向の大きさであり、図示の例では、第2梁部32と第2段差部18との間の距離である。また、第2間隙2cの大きさB2は、第2梁部32と凹部12の第2底面12cとの間の距離である。
第1梁部30および第2梁部32は、可動体20を支持している。梁部30,32は、トーションバネ(捻りバネ)として機能する。これにより、可動体20がシーソー揺動することにより梁部30,32に生じるねじり変形に対して強い復元力を有し、梁部30,32が破損することを防止することができる。
第1梁部30および第2梁部32は、図1に示すように、平面視において、支持軸Q上配置されている。第1梁部30および第2梁部32は、可動体20の回転中心(揺動中心)となる支持軸Qの位置を決定する部材である。第1梁部30および第2梁部32は、枠体40から可動体20まで延出している。図示の例では、第1梁部30は、枠体40の第1切欠き部42から可動体20の+Y方向側の側面まで延出している。第2梁部32は、枠体40の第2切欠き部44から可動体20の−Y方向側の側面まで延出している。第1梁部30および第2梁部32の延出方向は、支持軸Qに沿う方向(Y方向)である。
枠体40は、平面視において、可動体20の周囲に設けられている。図示の例では、枠体40は、平面視において可動体20を囲むように設けられている。枠体40は、支持基板10に固定されている。枠体40と可動体20とは、離間しており、枠体40と可動体20との間には、間隙4が設けられている。
枠体40には、図1に示すように、可動体20側の内縁に第1切欠き部42、および第2切欠き部44が設けられている。第1切欠き部42の内部から、第1梁部30が延出している。第1切欠き部42の幅(X方向の大きさ)は、第1梁部30の幅(X方向の大きさ)よりも大きい。したがって、第1梁部30と、第1切欠き部42を規定する枠体40の面(第1梁部30とX方向に対向する面)との間には、間隙が設けられている。これにより、第1梁部30は、第1梁部30の幅方向(X方向)の変位が第1切欠き部42の幅の範囲内に制限されている。第1切欠き部42の幅は、第1梁部30の延出方向(Y方向)と直交する方向(X方向)の第1切欠き部42の大きさであり、第1梁部30の幅は、第1梁部30の延出方向(Y方向)と直交する方向(X方向)の第1梁部30の大きさである。
同様に、第2切欠き部44の内部から、第2梁部32が延出し、第2切欠き部44の幅は、第2梁部32の幅よりも大きい。そのため、第2梁部32は、第2梁部32の幅方向(X方向)の変位が第2切欠き部44の幅の範囲内に制限されている。
可動体20、梁部30,32、および枠体40は、一体に設けられている。可動体20、梁部30,32、および枠体40は、1つの基板(例えばシリコン基板)をパターニングすることによって一体的に設けられる。
固定電極部5は、第1検出電極50と第2検出電極52とを有している。第1検出電極50は、支持基板10上に設けられている。第1検出電極50は、第1シーソー片20a(可動電極21a)に対向する位置に配置されている。第1検出電極50の上方には、間隙を介して、可動電極21aが位置している。第1検出電極50は、可動電極21aとの間に容量C1を形成するように設けられている。
第2検出電極52は、支持基板10上に設けられている。第2検出電極52は、第2シーソー片20b(可動電極21b)に対向する位置に配置されている。第2検出電極52の上方には、間隙を介して、可動電極21bが位置している。第2検出電極52は、可動電極21bとの間に容量C2を形成するように設けられている。第1検出電極50の平面形状と、第2検出電極52の平面形状は、例えば、支持軸Qを軸として、線対称である。
検出電極50,52の材質は、例えば、アルミ、金、ITO(Indium Tin Oxide)等である。検出電極50,52の材質は、ITO等の透明電極材料であることが望ましい。検出電極50,52として、透明電極材料を用いることにより、支持基板10が透明基板(ガラス基板)である場合、検出電極50,52上に存在する異物等を容易に視認することができるためである。
蓋体60は、支持基板10に載置されている。蓋体60としては、例えば、シリコン基板(シリコン製の基板)を用いることができる。支持基板10としてガラス基板を用いた場合、支持基板10と蓋体60とは、陽極接合によって接合されていてもよい。
次に、可動体20の動作と、その動作に伴う可変容量C1,C2の容量値の変化について説明する。図4は、可動体20の動作および可変容量C1,C2の容量値の変化について説明するための図である。
図4(A)では、可動体20は、水平状態を維持している(この状態は、重力加速度がない状態(無重力状態)に対応する)。支持軸Qと第1シーソー片20aの先端との間の距離は、支持軸Qと第2シーソー片20bの先端との間の距離よりも大きい。そのため、図4(A)の状態で、例えば、鉛直下向き(−Z方向)に加速度が生じたとき、第1シーソー片20aに生じる回転モーメントは、第2シーソー片20bに生じる回転モーメントよりも大きく、可動体20は、時計回りに回転することになる。
図4(B)の状態では、可動体20に、例えば、重力加速度G1(=1G)が加わる。これに伴い、可動体20は、時計回りに回転し、可動体20に傾きが生じる。この可動体20のシーソー揺動によって、可動電極21aと第1検出電極50との間の距離が小さくなり、その結果、可変容量C1の容量値が増大する。一方、可動電極21bと第2検出電極52との間の距離は、大きくなり、その結果、可変容量C2の容量値は、減少する。物理量センサー100では、この可変容量C1,C2の容量値の変化を示す2つの検出信号(差動信号)によって、加速度の大きさと方向を検出することができる。具体的には、2つの検出信号の各々の変化の程度から、重力加速度G1の値(=1G)を検出することができる。さらに、2つの検出信号の各々の変化の方向から、加速度の方向(鉛直下向き、−Z方向)を特定することができる。
図4(C)の状態では、重力加速度(=1G)が可動体20に加わっている状態で、可動体20に、さらに、鉛直上向き(+Z方向)の加速度G2が加わる。この場合は、可動体20は、反時計回りに回転し、可動体20に図4(B)の場合とは逆の傾きが生じる。この可動体20のシーソー揺動によって、可動電極21aと第1検出電極50との間の距離が大きくなり、その結果、可変容量C1の容量値が減少する。一方、可動電極21bと第2検出電極52との間の距離は、小さくなり、その結果、可変容量C2の容量値は、増大する。
図4(B)の状態で得られる検出信号(つまり、重力加速度の大きさと向き)を基準として、図4(C)の状態における検出信号を判定することによって、図4(C)の状態で、どの方向にどの程度の加速度が作用しているかを検出することができる。つまり、図4(C)の状態で得られる2つの検出信号に基づいて、2つの検出信号の各々の変化の程度から、加わった加速度G2の値を検出することができる。さらに、2つの検出信号の各々の変化の方向から、加速度G2の方向(鉛直上向き、+Z方向)を特定することができる。
上述のように、物理量センサー100は、加速度センサーやジャイロセンサー等の慣性センサーとして使用することができ、具体的には、例えば、鉛直方向(Z方向)の加速度を測定するための静電容量型加速度センサーとして使用することができる。
本実施形態に係る物理量センサー100は、例えば、以下の特徴を有する。
物理量センサー100では、第2間隙2b,2cの大きさB1,B2が、第1間隙2aの大きさAよりも小さい。そのため、例えば梁部30,32の鉛直下向き(下方向、−Z方向)の変位を制限することができる。これにより、例えば装置の落下の衝撃等により鉛直下向き(下方向、−Z方向)に過大な加速度が生じた場合に、梁部30,32が損傷することを防ぐことができる。したがって、信頼性を高めることができる。
さらに、物理量センサー100によれば、梁部30,32の−Z方向の変位を制限できることにより、梁部30,32の回転動作以外の動きを抑制することができる。これにより、検出精度および検出感度を高めることができる。例えば、Z方向の加速度が加わると、梁部は、回転動作以外にZ方向にも動く。梁部がZ方向に動くと、可動電極と検出電極との間の容量も変化してしまい、検出誤差が生じてしまう。物理量センサー100によれば、梁部30,32の−Z方向の変位を制限できるため、このような検出誤差が生じることを抑制して、検出精度および検出感度を高めることができる。
物理量センサー100では、平面視(Z方向からみて)で可動体20に重なっている第1底面12aと、平面視で梁部30,32に重なっている第2底面12b,12cと、を含む凹部12が設けられている。これにより、簡易な構成で、梁部30,32の変位を制限することができる。
物理量センサー100では、梁部30,32は、枠体40の切欠き部42,44の内部から可動体20まで延出し、切欠き部42,44の幅は、梁部30,32の幅よりも大きい。そのため、梁部30,32の幅方向(X方向、例えば水平方向)の変位を制限できる。これにより、例えばX方向(例えば水平方向)に過大な加速度が生じた場合に、梁部30,32が損傷することを防ぐことができる。したがって、より信頼性を高めることができる。
物理量センサー100では、梁部30,32は、支持軸Q上に配置され、可動体20は、平面視において、支持軸Qを境にして一方の領域(第1シーソー片20a)と他方の領域(第2シーソー片20b)とで質量が異なっている。これにより、例えば鉛直方向(Z方向)の加速度が加わったときに、可動体20の一方の領域(第1シーソー片20a)の回転モーメントと、可動体20の他方の領域(第2シーソー片20b)の回転モーメントとが均衡せず、可動体に所定の傾きを生じさせることができる。
物理量センサー100では、固定電極部5は、支持軸Qを境にして可動体20の一方の領域(第1シーソー片20a)に対向する位置に配置された第1検出電極50と、可動体20の他方の領域(第2シーソー片20b)に対向する位置に配置された第2検出電極52と、を有している。そのため、第1検出電極50から出力される検出信号と、第2検出電極52から出力される検出信号との差(差動信号)から、加速度の大きさや方向を検出することができる。したがって、検出感度を高めることができる。
1.2. 物理量センサーの製造方法
次に、本実施形態に係る物理量センサーの製造方法について、図面を参照しながら説明する。図5〜図8は、本実施形態に係る物理量センサー100の製造工程を模式的に示す断面図である。なお、図5(A)および図6〜図8は、図2に対応し、図5(B)は、図3に対応している。
図5に示すように、例えば、ガラス基板をエッチングしてガラス基板に凹部12を形成して、支持基板10を得る。具体的には、まず、1回目のエッチングで、段差部16,18の上面となる支持基板10の面(第2底面12b,12c)を形成し、2回目のエッチングで段差部16,18を形成しつつ、支持基板10の面14(凹部12の第1底面12a)を形成する。エッチングは、例えば、ウエットエッチングにより行われる。なお、まず、凹部12の第1底面12aを形成し、次に、凹部12の第2底面12bおよび第2底面12cを形成してもよい。
図6に示すように、凹部12の第1底面12aを規定する面14に、第1検出電極50、および第2検出電極52を形成する。検出電極50,52は、スパッタ法等により支持基板10の面14上に導電層を成膜した後、当該導電層をフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてパターニングすることにより形成される。
図7に示すように、支持基板10に、シリコン基板201(センサー基板)を接合させる。支持基板10とシリコン基板201との接合は、例えば、陽極接合や直接接合、または接着剤を用いて行われる。
図8に示すように、シリコン基板201を、例えば研削機によって研削して薄膜化した後、所望の形状にパターニングして、可動体20、梁部30,32、および枠体40を形成する。具体的には、可動体20が、第1底面12aの上方に第1間隙2aを介して形成され、梁部30,32が、第2底面12b,12cの上方に第2間隙2bを介して形成される。パターニングは、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術(ドライエッチング)によって行われ、より具体的なエッチング技術として、ボッシュ(Bosch)法を用いることができる。本工程では、シリコン基板201をパターニング(エッチング)することにより、可動体20、梁部30,32、枠体40が一体的に形成される。
図1〜図3に示すように、支持基板10に蓋体60を接合して、支持基板10および蓋体60によって形成される空間に可動体20を収容する。支持基板10と蓋体60との接合は、例えば、陽極接合や接着剤等を用いて行われる。
以上の工程により、物理量センサー100を製造することができる。
1.3. 物理量センサーの変形例
1.3.1. 第1変形例
まず、本実施形態の第1変形例に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図9は、本実施形態の第1変形例に係る物理量センサー200を模式的に示す断面図である。なお、図9では、物理量センサー200の一部を拡大して図示している。以下、物理量センサー200において、物理量センサー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
物理量センサー200では、図9に示すように、凹部12の第2底面12b,12cは、可動体20の下面26に対して傾斜している。すなわち、凹部12の第2底面12b,12cは、可動体20の下面26に平行ではない。これにより、可動体20と支持基板10との間の接触面積を小さくすることができる。したがって、梁部30,32が支持基板10に張り付くことを防ぐことができる。
1.3.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図10は、本実施形態の第2変形例に係る物理量センサー300を模式的に示す断面図である。なお、図10では、物理量センサー300の一部を拡大して図示している。以下、物理量センサー300において、物理量センサー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
物理量センサー300では、図10に示すように、凹部12の第2底面12b,12cには、突起部310が設けられている。これにより、可動体20と支持基板10との間の接触面積を小さくすることができる。したがって、梁部30,32が支持基板10に張り付くことを防ぐことができる。
突起部310の形状は、特に限定されず、例えば、円錐状、角錐状、半球状、直方体状である。図示の例では、突起部310の形状は、円錐状である。突起部310の形状は、先端が先鋭状であることが望ましい。これにより、梁部30,32に対して、点接触することができる。したがって、梁部30,32が支持基板10に張り付くことをより確実に防ぐことができる。突起部310の数は、特に限定されず、各底面12b,12cに複数設けられていてもよい。突起部310は、支持基板10と一体に設けられている。なお、突起部310は、金属膜等の支持基板10とは別の部材で設けられてもよい。突起部310は、例えば、支持基板10をフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて加工することにより形成される。
1.3.3. 第3変形例
次に、本実施形態の第3変形例に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図11は、本実施形態の第3変形例に係る物理量センサー400を模式的に示す断面図である。以下、物理量センサー400において、物理量センサー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
物理量センサー400では、支持基板10の可動体20に重なっている領域には、突起部410が設けられている。これにより、可動体20のZ方向(例えば鉛直方向)の変位を制限することができる。
突起部410は、可動体20の下方に設けられている。突起部410は、例えば、可動体20の四隅と重なる位置に設けられている。具体的には、可動体20の+X方向の端部と重なる位置に2つの突起部410が設けられ、可動体20の−X方向の端部と重なる位置に2つの突起部410が設けられている。
ここで、可動体20の+X方向の端部は、例えばZ方向に過大な加速度が生じた場合に、支持基板10に衝突しやすい。そのため、可動体20の+X方向の端部と重なる位置に突起部410が設けられることによって、可動体20が支持基板10に衝突して破損することを防ぐことができる。さらに、可動体20が支持基板10に張り付くことを防ぐことができる。
突起部410の形状は、特に限定されず、例えば、円錐状、角錐状、半球状、直方体状である。図示の例では、突起部410の形状は、円錐状である。突起部410の形状は、先端が先鋭状であることが望ましい。これにより、可動体20に対して、点接触することができる。したがって、例えば可動体20が支持基板10に張り付くことをより確実に防ぐことができる。突起部310の数は、特に限定されない。突起部410は、支持基板10と一体に設けられていてもよいし、金属膜等の支持基板10とは別の部材で設けられていてもよい。
突起部310は、例えば、支持基板10をフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて加工することにより形成される。
物理量センサー400によれば、支持基板10の可動体20に重なっている領域には、突起部410が設けられているため、可動体20のZ方向(例えば鉛直方向)の変位を制限することができる。これにより、例えば装置の落下の衝撃等によりZ方向に過大な加速度が生じた場合に、可動体20が損傷することを防ぐことができる。したがって、信頼性を高めることができる。さらに、物理量センサー400によれば、可動体20が支持基板10に張り付くことを防ぐことができる。
1.3.4. 第4変形例
次に、本実施形態の第4変形例に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図12は、本実施形態の第4変形例に係る物理量センサー500を模式的に示す断面図である。以下、物理量センサー500において、物理量センサー100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
物理量センサー500では、蓋体60は、可動体20の上方に第3間隙3aを介して設けられ、かつ、第1梁部30の上方に第4間隙3bを介して設けられ、かつ、第2梁部32の上方に第4間隙3cを介して設けられている。そして、第4間隙3b,3cの大きさE1,E2は、第3間隙3aの大きさDよりも小さい。
蓋体60は、基板10上に可動体20を覆って載置されている。蓋体60には、凹部62が設けられている。凹部62内には、段差部66,68が設けられている。第3段差部66は、第1梁部30の上方(+Z方向)に、第4間隙3bを介して設けられている。第4段差部68は、第2梁部32の上方に、第4間隙3cを介して設けられている。段差部66,68は、可動体20の上方には設けられていない。すなわち、段差部66,68は、平面視で可動体20と重なる領域を避けて設けられている。段差部66,68は、蓋体60と一体に設けられている。なお、段差部66,68は、金属膜や樹脂等の蓋体60とは別の部材で設けられていてもよい。
段差部66,68が設けられることによって、凹部62は、第3底面(第3面)62a、第4底面(第4面)62b,62cの3つの底面を有している。第3底面62aは、可動体20の上方(+Z方向)に位置している。第3底面62aは、平面視で可動体20と重なっている。第3底面62aと可動体20との間には、第3間隙3aが設けられている。
第4底面62bは、第1梁部30の上方に位置している。第4底面62bは、平面視で第1梁部30と重なっている。第4底面62bと第1梁部30との間には、第4間隙3bが設けられている。
第4底面62cは、第2梁部32の上方に位置している。第4底面62cは、平面視で第2梁部32と重なっている。第4底面62cと第2梁部32との間には、第4間隙3cが設けられている。第4底面62b,62cは、平面視で可動体20と重なっている領域を避けて設けられている。図示の例では、凹部62の底面62a,62b,62cは、蓋体60の面で規定されている。第4間隙3bの大きさE1および第4間隙3cの大きさE2は、第3間隙3aの大きさDよりも小さい。そのため、梁部30,32の+Z方向(例えば鉛直上向き)の変位を制限することができる。第3間隙3aの大きさDは、例えば、1μm程度である。第4間隙3b,3cの大きさE1,E2は、例えば、0.1〜0.5μmである。
ここで、第3間隙3aの大きさDは、第3間隙3aのZ方向の大きさであり、図示の例では、可動体20と凹部62の第3底面62aを規定する蓋体60の面との間の距離である。また、第3間隙3aの大きさDは、可動体20と凹部62の第3底面62aとの間の距離である。
第4間隙3bの大きさE1は、第4間隙3bのZ方向の大きさであり、図示の例では、第1梁部30と第3段差部66との間の距離である。また、第4間隙3bの大きさE1は、第1梁部30と凹部62の第4底面62bとの間の距離である。
第4間隙3cの大きさE2は、第4間隙3cのZ方向の大きさであり、図示の例では、第2梁部32と第4段差部68との間の距離である。また、第4間隙3cの大きさE2は、第2梁部32と凹部62の第4底面62cとの間の距離である。
蓋体60は、枠体40に接合されている。蓋体60としては、例えば、ガラス基板(ガラス製の基板)を用いることができる。枠体40の材質がシリコンである場合、枠体40と蓋体60とは、陽極接合によって接合されていてもよい。
物理量センサー500では、蓋体60は、平面視で可動体20に重なっている第3底面62aと、平面視で梁部30,32に重なっている第4底面62b,62cを有している。そして、第4間隙3b,3cの大きさE1,E2は、第3間隙3aの大きさDよりも小さい。そのため、梁部30,32の+Z方向(上方向、例えば鉛直上向き)の変位を制限することができる。これにより、例えば装置の落下の衝撃等により鉛直上向き(+Z方向)に過大な加速度が生じた場合に、梁部30,32が損傷することを防ぐことができる。したがって、信頼性を高めることができる。
さらに、物理量センサー500では、第2間隙2b,2cの大きさB1,B2が、第1間隙2aの大きさAよりも小さく、かつ、第4間隙3b,3cの大きさE1,E2は、第3間隙3aの大きさよりも小さい。したがって、梁部30,32の+Z方向および−Z方向(鉛直方向)の変位を制限することができ、より信頼性を高めることができる。
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係る物理量センサーについて、図面を参照しながら説明する。図13は、第2実施形態に係る物理量センサー600を模式的に示す断面図である。以下、第2実施形態に係る物理量センサー600において、第1実施形態に係る物理量センサー100の構成部材と同様の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
物理量センサー600は、上述した物理量センサー100と同様に、例えば、鉛直方向(Z方向)の加速度を測定するための静電容量型加速度センサーとして使用することができる。
支持基板10は、例えば、平板状である。支持基板10としては、例えば、ガラス基板(ガラス製の基板)を用いることができる。
第1段差部16および第2段差部18は、支持基板10とは別の部材で設けられている。第1段差部16および第2段差部18は、例えば、金属ブロックである。支持基板10および段差部16,18によって、第1底面12aおよび第2底面12b,12cを有する凹部12が設けられている。第1底面12aと可動体20との間には、第1間隙2aが設けられている。図示の例では、第1底面12aと可動体20との間には、第1検出電極(固定電極部)50および第1間隙2aが設けられている。また、第2底面12b(第1段差部16)と第1梁部30との間には、第2間隙2bが設けられている。第2底面12c(第2段差部18)と第2梁部32との間には、第2間隙2cが設けられている。
可動体20は、支持基板10の上方に、第1間隙2aを介して設けられている。可動体20は、第1梁部30および第2梁部32によって、支持されている。可動体20は、加速度検出に必要な質量を持っている。例えば鉛直方向(Z方向)の加速度が加わると、可動体20には、作用した加速度に応じた力が加わり、可動体20はZ方向に変位する。この変位を検出電極50,52で検出することにより、作用した加速度を求めることができる。可動体20は、可動電極21a,21bを含む可動電極部を備えている。
第1梁部30は、支持基板10の上方に、第2間隙2bを介して設けられている。図示の例では、第1梁部30は、支持基板10の上方に、第1段差部16および第2間隙2bを介して設けられている。第2梁部32は、支持基板10の上方に、第2間隙2cを介して設けられている。図示の例では、第2梁部32は、支持基板10の上方に、第2段差部18および第2間隙2cを介して設けられている。梁部30,32は、枠体40から可動体20まで延出している。
第2間隙2bの大きさB1は、第1間隙2aの大きさAよりも小さい。同様に、第2間隙2cの大きさB2は、第1間隙2aの大きさAよりも小さい。そのため、梁部30,32の鉛直方向(−Z方向)の変位を制限することができる。
第1梁部30および第2梁部32は、可動体20を支持している。梁部30,32は、可動体20に加速度が加わると、撓むことができる。
枠体40は、可動体20の周囲に設けられている。枠体40は、支持基板10に固定されている。枠体40と可動体20とは、梁部30,32を介して接続されている。可動体20、梁部30,32、および枠体40は、一体に設けられている。
第1検出電極50は、支持基板10上に設けられている。第1検出電極50は、可動体20(可動電極21a)に対向する位置に配置されている。第1検出電極50は、可動電極21aとの間に可変容量C1を形成するように設けられている。
第2検出電極52は、蓋体60に設けられている。第2検出電極52は、可動体20(可動電極21b)に対向する位置に配置されている。第2検出電極52は、可動電極21bとの間に可変容量C2を形成するように設けられている。
蓋体60は、枠体40に接合されている。蓋体60としては、例えば、ガラス基板(ガラス製の基板)を用いることができる。枠体40の材質がシリコンである場合、枠体40と蓋体60とは、陽極接合によって接合されていてもよい。
次に、可動体20の動作と、その動作に伴う可変容量C1,C2の容量値の変化について説明する。
可動体20に、例えば、鉛直下向き(−Z方向)の加速度が加わると、可動体20は−Z方向に変位する。この可動体20の変位によって、可変容量C1の容量値が増大し、可変容量C2の容量値は減少する。また、可動体20に、例えば、鉛直上向き(+Z方向)の加速度が加わると、可動体20は、+Z方向に変位する。この可動体20の変位によって、可変容量C1の容量値は減少し、可変容量C2の容量値は増大する。物理量センサー600では、この可変容量C1,C2の容量値の変化を示す2つの検出信号(差動信号)によって、加速度の大きさと方向を検出することができる。
物理量センサー600によれば、第2間隙2b,2cの大きさB1,B2が、第1間隙2aの大きさAよりも小さいため、上述した物理量センサー100と同様に、例えば梁部30,32の−Z方向(例えば鉛直下向き)の変位を制限することができる。これにより、例えば装置の落下の衝撃等により−Z方向(例えば鉛直下向き)に過大な加速度が加わった場合に、梁部30,32が損傷することを防ぐことができる。したがって、信頼性を高めることができる。
4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係る電子機器について、図面を参照しながら説明する。第4実施形態に係る電子機器は、本発明に係る物理量センサーを含む。以下では、本発明に係る物理量センサーとして、物理量センサー100を含む電子機器について、説明する。
図14は、本実施形態に係る電子機器として、モバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューター1100を模式的に示す斜視図である。
図14に示すように、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を有する表示ユニット1106と、により構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。
このようなパーソナルコンピューター1100には、物理量センサー100が内蔵されている。
図15は、本実施形態に係る電子機器として、携帯電話機(PHSも含む)1200を模式的に示す斜視図である。
図15に示すように、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。
このような携帯電話機1200には、物理量センサー100が内蔵されている。
図16は、本実施形態に係る電子機器として、デジタルスチルカメラ1300を模式的に示す斜視図である。なお、図16には、外部機器との接続についても簡易的に示している。
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。
また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。
また、このデジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、ビデオ信号出力端子1312には、テレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314には、パーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。
このようなデジタルスチルカメラ1300には、物理量センサー100が内蔵されている。
以上のような電子機器1100,1200,1300は、信頼性を高めることが可能な物理量センサー100を含む。そのため、電子機器1100,1200,1300は、高い信頼性を有することができる。
なお、上記物理量センサー100を備えた電子機器は、図14に示すパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図15に示す携帯電話機、図16に示すデジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、各種ナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーターなどに適用することができる。
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるものではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。