JP2013216618A - 18f標識化化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】N末端以外の部位でタンパク質又はペプチドを標識することができ、簡単に合成可能な、18F標識化化合物の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物。
Figure 2013216618

(式(I)中、Qは、18F又は18Fで置換された特定のベンゾイルオキシ基を示し、nは1〜8の整数を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、18F標識化化合物に関する。
陽電子(ポジトロン)放出型断層撮影法(PET法)は、シングルフォトン断層撮影法(SPECT法)よりも、感度、解像度及び定量性に優れていることから近年特に注目されている。
PET法を行うには、機能を評価したいタンパク質又はペプチドにポジトロン核種を標識(ポジトロン標識)する必要がある。これまで、タンパク質又はペプチドへのポジトロン標識には、一般的にN−スクシイミジル4−18F−フルオロベンゾエート(18F−SFB)が用いられてきた(非特許文献1参照)。
Cai Weibo et al.,The Journal of Nuclear Medicine,vol.47 No.7,1172頁〜1180頁(2006年)
18F−SFBは、タンパク質又はペプチドの一級アミノ基とのみ反応し、主にN末端のアミノ基が標識される。しかし、生理活性を有するタンパク質又はペプチドは、N末端部分が上記生理活性に重要な役割を果たしていることが少なくない。そのため、タンパク質又はペプチドのN末端を18F−SFBによって標識すると、上記タンパク質又はペプチドの生理活性が低下してしまう場合がある。
一方、マレイミド基を有する化合物は、チオール基と特異的に結合することが知られており、システイン残基等を介してタンパク質又はペプチドを標識するために用いられている。マレイミド基を有するポジトロン標識化合物としては、18F−SFBを経由する以下の合成スキームが知られている(非特許文献1参照)。
Figure 2013216618
しかしながら、上記合成スキームでは、[18F]フッ素化する工程から始めて4段階の工程を経る必要があるため、合成の工程が複雑で時間がかかり、自動合成に不向きであるという課題が残されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、N末端以外の部位でタンパク質又はペプチドを標識することができ、簡単に合成可能な、18F標識化化合物の提供を目的とする。
本発明は、式(I)で表される化合物を提供する。
Figure 2013216618

(式(I)中、Qは、18F又は式(1)で表される基を示し、nは1〜8の整数を示す。)
Figure 2013216618
式(I)で表される化合物はマレイミド基を有するため、チオール基と選択的に反応できる。その結果、式(I)で表される化合物はシステイン残基等を介してタンパク質又はペプチドを標識することが可能になる。すなわち、N末端以外の部位でタンパク質又はペプチドを標識することが可能になる。
本発明は、式(II)で表される化合物を提供する。
Figure 2013216618

(式(II)中、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜24のアルキル基を示し、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Qは、18F又は式(1)で表される基を示し、nは1〜8の整数を示す。)
式(II)で表される化合物は、マレイミド基がフラン誘導体とのDiels−Alder付加体として保護されている。そのため、脱保護によってマレイミド基を生成することによって、1段階で式(I)で表される化合物を得ることが可能になる。
本発明は、式(III)で表される化合物を提供する。
Figure 2013216618

(式(III)中、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜24のアルキル基を示し、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Qは、置換スルホニル基、ハロゲン原子又は式(2)で表される基を示し、nは1〜8の整数を示す。
Figure 2013216618

(式(2)中、Qは、炭素数1〜4のトリアルキルアンモニウム基、−NO又はハロゲン原子を示す。))
式(III)で表される化合物は、マレイミド基がフラン誘導体とのDiels−Alder付加体として保護されているため、副反応を起こすことなく、[18F]フッ素化が可能になる。すなわち、効率良く式(II)で表される化合物を合成できる。
また本発明は、式(III)で表される化合物を[18F]フッ素化する工程を含む、式(II)で表される化合物の製造方法を提供する。
本発明は、式(II)で表される化合物を脱保護する工程を含む、式(I)で表される化合物の製造方法を提供する。
式(I)で表される化合物は、式(III)で表される化合物から式(II)で表される化合物を経て2段階で製造することができる。そのため、放射能の減衰の影響を抑えることが可能になり、効率良く18F標識化化合物を得ることができる。
本発明によれば、N末端以外の部位でタンパク質又はペプチドを標識することができ、簡単に合成可能な、18F標識化化合物の提供が可能になる。
NAcCys−[18F]MIP2F(図1A)及びNAcCys−MIP2F(図1B)のHPLCチャートを示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る18F標識化化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)という場合がある)である。
Figure 2013216618
は、18F又は式(1)で表される基である。式(1)で表される基における18Fの位置は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよいが、パラ位であることが好ましい。
Figure 2013216618
nは1〜8の整数であり、2〜4が好ましい。
式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)という場合がある)は、上記化合物(I)の前駆体である。
Figure 2013216618
式(III)で表される化合物(以下、化合物(III)という場合がある)は、上記化合物(II)の前駆体である。
Figure 2013216618
式(II)及び式(III)において、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜18のアルキル基である。
炭素数1〜24のアルキル基は、直鎖状でも分枝鎖状でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基及びオクタデシル基が挙げられる。
化合物(III)から効率良く化合物(II)を得るためには、炭素数14〜18のアルキル基が好ましい。R及びRが長鎖アルキル基の場合、反応溶液中で化合物(III)が逆ミセルを形成するため、副反応が更に抑制されると本発明者らは考えている。
及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜6のアルキル基は、直鎖状でも分枝鎖状でもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基及びn−ブチル基が挙げられる。好ましくは、R及びRはHである。
nは1〜8の整数であり、2〜4が好ましい。
式(II)において、Qは、18F又は上記式(1)で表される基である。式(1)で表される基における18Fの位置は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよいが、パラ位であることが好ましい。
式(III)において、Qは、置換スルホニル基、ハロゲン原子又は式(2)で表される基である。式(2)において、Qは、炭素数1〜4のトリアルキルアンモニウム基、−NO又はハロゲン原子である。式(2)で表される基におけるQの位置は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよいが、パラ位であることが好ましい。
Figure 2013216618
上記置換スルホニル基としては、例えば、トシル基(−OTs)、メタンスルホニル基(−OMs)、トリフルオロメタンスルホニル基(−OTf)、ニトロベンゼンスルホニル基(−ONs)が挙げられるが、−OTsが好ましく用いられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
炭素数1〜4のトリアルキルアンモニウム基としては、例えば、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリプロピルアンモニウム基及びトリブチルアンモニウム基が挙げられる。
化合物(III)は、公知の化合物から合成可能である。例えば、Qが−OTsである場合、以下の様な合成スキームを経て化合物(III−1)が合成できる。
Figure 2013216618
さらに化合物(III−1)から下記合成スキームを経てQが式(2)で表される基である化合物(III−2)が合成できる。
Figure 2013216618
化合物(III)から化合物(II)を製造する方法は、化合物(III)を[18F]フッ素化する工程によって行われる。例えば、Qが−OTsである場合、以下の合成スキーム(A)で表される。Qが、他の置換スルホニル基、ハロゲン原子又は式(2)で表される基である場合にも同様の合成スキームで対応する化合物(II)が合成可能である。
Figure 2013216618
化合物(III)を[18F]フッ素化する方法としては、化合物(III)を溶媒中、大環状配位子と[18F]KFとの複合体と反応させることで、[18F]フッ素化することが可能である。
18F]フッ素化する工程における溶媒としては、出発物質をある程度溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられ、アセトニトリルが好ましく用いられる。
大環状配位子としては、例えば、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン(K[2.2.2])、1,4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン(18−クラウン−6)等が挙げられ、K[2.2.2]が好ましく用いられる。
18F]フッ素化する工程における反応温度は、40〜100℃が好ましく、60〜100℃がより好ましく適用される。
18F]フッ素化する工程における反応時間は、5〜20分が好ましく、10〜15分がより好ましく適用される。
化合物(II)から化合物(I)を製造する方法は、化合物(II)を脱保護する工程によって行われる。脱保護する方法としては、例えば加熱による脱保護が好ましく用いられる。Q18Fである場合の合成スキームを合成スキーム(B)として以下に示す。
Figure 2013216618
脱保護する工程における溶媒としては、化合物(II)をある程度溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO),キシレン等が挙げられ、DMFが好ましく用いられる。
脱保護する工程における反応温度は、100〜160℃が好ましく、120〜130℃がより好ましく適用される。
脱保護する工程における反応時間は、5〜20分が好ましく、10〜15分がより好ましく適用される。
このようにして製造された化合物(I)は、マレイミド基を有するため、チオール基と選択的に反応できる。その結果、化合物(I)はシステイン残基等を介してタンパク質又はペプチドを標識することが可能になる。
化合物(I)は、合成スキーム(A)及び(B)によって化合物(III)から2段階で製造することができる。そのため合成時間が短く、合成に伴う放射能の減衰の影響を抑えることが可能になる。また、合成スキームが簡単であるため、本実施形態に係る製造方法は、自動合成に適している。
以下、本発明について、実施例を挙げて更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
材料及び方法
4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン(K[2.2.2])及び炭酸カリウム・1.5HOはMerck社(Darmstadt,Germany)より購入した。アセトニトリル(無水)はAldrich社(Milwaukee,USA)より購入した。陰イオン交換樹脂AG1−X8(OHform,100−200mesh)はBio−Rad Laboratories社(Hercules,USA)より購入した。その他の試薬及び溶媒は全て分析グレードを使用し、特に記載が無ければそのまま使用した。標識化合物はCUPIDシステム(住友重機械工業,東京)により合成した。
1,8−ジ−p−トルエンスルホニルオキシ−3,6−ジオキサ−オクタン(化合物2)の合成
合成スキーム(C)に従って、化合物2を合成した。以下に詳細を示す。
Figure 2013216618
化合物1(1,8−ジヒドロキシ−3,6−ジオキサ−オクタン)(2.25g,15.0mmol)及びトリエチルアミン(4.18mL,30.0mmol)のテトラヒドロフラン(THF)(150mL)溶液にアルゴン雰囲気下で、p−トルエンスルホニルクロリド(6.01g,31.5mmol)を加え、室温下24時間撹拌した。反応溶液を減圧下で留去し、残渣に水及び酢酸エチルを加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、Merck社,Darmstadt,Germany)(酢酸エチル:ヘプタン=1:1)にて精製することにより化合物2(6.80g、収率99%)を得た。H NMRの結果を以下に示す。
H NMR (δ,CDCl) 2.45(s,6H),3.53(s,4H),3.65(t,4H,J=4.0Hz),4.14(t,4H,J=4.0Hz),7.34(d,4H,J=8.0Hz),7.79(d,4H,J=8.0Hz)。
8−フルオロ−3,6−ジオキサ−オクタン p−トルエンスルホネート(化合物3)の合成
合成スキーム(D)に従って、化合物3を合成した。以下に詳細を示す。
Figure 2013216618
化合物2(2.29g,5.0mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液にアルゴン雰囲気下で、テトラブチルアンモニウムフルオリド・1Mテトラヒドロフラン溶液(5mL,5.0mmol)を加え24時間撹拌した。反応溶液を減圧下で留去し、残渣に水及び酢酸エチルを加えた。有機層を酢酸エチルで抽出し、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、Merck社,Darmstadt,Germany)(酢酸エチル:ヘプタン=1:1)にて精製することにより化合物3(735mg、収率48%)を得た。H NMRの結果を以下に示す。
H NMR (δ,DMSO−d)2.42(s,3H),3.45−3.50(m,4H),3.57(t,2H,J=4.0Hz),3.62(dt,2H,J=4.0,28Hz),4.11(t,2H,J=4.0Hz),4.50(dt,2H,J=4.0,48Hz),7.48(d,2H,J=8.0Hz),7.79(d,2H,J=8.0Hz)。
10−オキサ−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3,5−ジオン(化合物6)の合成
合成スキーム(E)に従って、化合物6を合成した。以下に詳細を示す。
Figure 2013216618
化合物4(971mg,10.0mmol)のジエチルエーテル(10mL)溶液にアルゴン雰囲気下で、化合物5(1021mg,15.0mmol)を加え封管し100℃で12時間加熱撹拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、析出物をろ取した。ろ物をジエチルエーテルで洗浄し、減圧下で乾燥することにより化合物6(1453mg、収率88%)を得た。H NMRの結果を以下に示す。
H NMR (δ,CDCl) 2.90(s,2H),5.32(s,4H),6.53(s,2H),7.98(br,1H)。
トルエン−4−スルホン酸 2−{2−[2−(3,5−ジオキソ−10−オキサ−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−4−イル)−エトキシ]−エトキシ}−エチルエステル(化合物7、PMIP2OTs)の合成
合成スキーム(F)に従って、化合物7を合成した。以下に詳細を示す。
Figure 2013216618
化合物6(330mg,2.0mmol)のN、Nージメチルホルムアミド(DMF)(8mL)溶液にアルゴン雰囲気下で、化合物2(2751mg,6.0mmol)及び炭酸カリウム(415mg,3.0mmol)を加え60℃で4時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、水及び酢酸エチルを加えた。有機層を酢酸エチルで抽出した後、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、Merck社,Darmstadt,Germany)(クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製することにより化合物7(659mg、収率73%)を無色オイルとして得た。H NMRの結果を以下に示す。
H NMR (δ,DMSO−d) 2.42(s,3H),2.93(s,2H),3.41−4.09(m,10H),5.12(s,2H),6.55(s,2H),7.48(d,2H,J=8.0Hz),7.78(d,2H,J=8.0Hz)。
MS (FAB) m/z: 452(M+H)。
HRMS (FAB) m/z: calcd for C2126S (M+H): 452.1379; Found:452.1376。
4−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エチル}−10−オキサ−4−アザ−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−エン−3,5−ジオン(化合物8、PMIP2F)の合成
合成スキーム(G)に従って、化合物8を合成した。以下に詳細を示す。
Figure 2013216618
化合物6(330mg,2.0mmol)のN、N−ジメチルホルムアミド(8mL)溶液にアルゴン雰囲気下で、化合物3(613mg,2.0mmol)及び炭酸カリウム(415mg,3.0mmol)を加え60℃で4時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、水及び酢酸エチルを加えた。有機層を酢酸エチルで抽出した後、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、Merck社,Darmstadt,Germany)(酢酸エチル:ヘプタン=1:1)にて精製することにより化合物8(299mg、収率50%)を無色オイルとして得た。H NMR等の結果を以下に示す。
H NMR (δ,CDCl) 2.86(s,2H),3.77−3.60(m,10H),4.55(dt,2H,J=4.0,48Hz),5.26(s,2H),6.51(s,2H)。
MS (FAB) m/z: 300 (M+H)。
HRMS (FAB) m/z: calcd for C1419FNO (M+H): 300.1247; Found:300.1240。
1−{2−[2−(2−フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エチル}−ピロール−2,5−ジオン(化合物9、MIP2F)の合成
合成スキーム(H)に従って、化合物9を合成した。以下に詳細を示す。
Figure 2013216618
化合物8(190mg,0.6mmol)のトルエン(2mL)溶液を3時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却し溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60、Merck社,Darmstadt,Germany)(酢酸エチル:ヘプタン=1:1)にて精製することにより化合物9(133mg、収率91%)を無色オイルとして得た。H NMR等の結果を以下に示す。
H NMR (δ,CDCl) 3.63−3.76(m,10H),4.54(dt,2H,J=4.0,48Hz),6.70(s,2H)。
MS (FAB) m/z: 232 (M+H)。
HRMS (FAB) m/z: calcd for C1015FNO (M+H): 232.0985; Found:232.0990。
18F]KF/K[2.2.2]複合体の調製
18F]Fluorideはサイクロトロン(HM−18,住友重機械工業,東京)で加速した陽子ビームを[18O]HOに照射し、18O(p,n)18F核反応により製造した。[18F]Fluorideを陰イオン交換樹脂(AG1−X8,Bio−Rad)で吸着後、40mMのKCO溶液(0.5mL)で陰イオン交換樹脂より溶出した。この溶出液にK[2.2.2](15mg)をアセトニトリル(2mL)に溶解した溶液を加えた。He気流下(400mL/min)で110Cで5分間共沸脱水により水分を除去した。さらに、残渣にアセトニトリル(1mL)を加えて共沸脱水を2度繰り返した。その後、残渣を減圧下で1分間乾燥した。最後にHe気流(50mL/min)により1分間、反応器をパージして完全に水分を除去した後,反応器を室温まで冷却して、[18F]KF/K[2.2.2]複合体を得た。
1−{2−[2−(2−[18F]フルオロ−エトキシ)−エトキシ]−エチル}−ピロール−2,5−ジオン([18F]化合物9、[18F]MIP2F)の合成
合成スキーム(I)に従って、[18F]MIP2Fを合成した。以下に詳細を示す。
Figure 2013216618
上記[18F]KF/K[2.2.2]複合体にPMIP2OTs(化合物7、約10mg、18.5μmol)のアセトニトリル(Sigma−Aldrich Co.,St. Louis,MO,USA)溶液(0.5mL)を加え、80℃で10分間[18F]フッ素化を行った。反応混合物を冷却後、ジエチルエーテル(4mL)を加えて希釈し、Sep−Pak silicaカートリッジを通して次の反応器に移送した。さらに反応容器をジエチルエーテル(8mL)で共洗いし、同様に次の反応器に移送した。He気流下に溶媒を留去し、[18F]化合物8([18F]PMIP2F)を含む残渣にDMF(0.5mL)を加えて溶解後、150℃で15分間脱保護を行った。反応混合物にHPLCの移動相(アセトニトリル/HO=15/85)(1.5mL)を加えてHPLCインジェクターに移送した。HPLCの移動相(アセトニトリル/HO=15/85)(1.5mL)で共洗いし、同様にHPLCインジェクターに移送した。粗生成物をHPLC[カラム Triart C18 (5μ,10x250mm,YMC),移動相アセトニトリル/HO=15/85,流速6mL/min,波長254nm]により精製した。保持時間12.8分の放射能ピークを分取し、HO(30mL)で希釈後、Sep−Pak C18カートリッジに保持させた。He気流によりカートリッジ内の水分を除去後、CHCl(4mL)で溶出し、Sep−Pak Dryカートリッジにより水分を除去して、[18F]化合物9である[18F]MIP2F 1.88GBqを回収した。
生成物の一部を採り、HPLC[カラムTriart C18 (3μ,4.6x100mm,YMC,Kyoto,Japan),移動相アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸=25/75,流速1mL/min,波長254nm]により分析した。半減期補正した放射化学的収率は4.7%、放射化学的純度は100%であった。
(N−アセチルシステインメチルエステルとの反応)
合成スキーム(J)に従って、[18F]MIP2FをN−アセチルシステインメチルエステルに標識した。詳細を以下に示す。
Figure 2013216618
NAcCys(N−アセチルシステインメチルエステル)(0.6mg)をPBS(Phosphate Buffered Saline)(0.5mL)に溶解し、上記の反応で得られた[18F]MIP2Fに加えて、室温で30分間反応した。反応混合物をHPLC(Triart C18、10x250mm、ワイエムシィ、アセトニトリル/HO=20/80)により精製し、分取フラクション(保持時間16.8〜17.4のフラクション)をエバポレータにより濃縮し、NAcCys−[18F]MIP2Fを得た。
合成スキーム(J)において、[18F]MIP2Fを用いる代わりにMIP2Fを用いて、標準品としてのNAcCys−MIP2Fを得た。
得られたNAcCys−[18F]MIP2FをHPLC[カラムTriart C18 (3μ,4.6x100mm,YMC,Kyoto,Japan),移動相アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸=20/80,流速1mL/min,波長220nm]で展開し、放射能で検出したところ、保持時間5.775分のところにピークが観察された(図1A)。対照実験として、標準品としてのNAcCys−MIP2FをHPLCで展開し、UV吸収で検出したところ、保持時間5.557分のところにピークが観察された(図1B)。この結果から、[18F]MIP2Fは、チオール基を介したポジトロン標識に適した化合物であることが示唆された。

Claims (5)

  1. 式(I)で表される化合物。
    Figure 2013216618

    (式(I)中、Qは、18F又は式(1)で表される基を示し、nは1〜8の整数を示す。)
    Figure 2013216618
  2. 式(II)で表される化合物。
    Figure 2013216618

    (式(II)中、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜24のアルキル基を示し、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Qは、18F又は式(1)で表される基を示し、nは1〜8の整数を示す。)
    Figure 2013216618
  3. 式(III)で表される化合物。
    Figure 2013216618

    (式(III)中、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜24のアルキル基を示し、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Qは、置換スルホニル基、ハロゲン原子又は式(2)で表される基を示し、nは1〜8の整数を示す。
    Figure 2013216618

    (式(2)中、Qは、炭素数1〜4のトリアルキルアンモニウム基、−NO又はハロゲン原子を示す。))
  4. 式(III)で表される化合物を[18F]フッ素化する工程を含む、請求項2に記載の化合物の製造方法。
    Figure 2013216618

    (式(III)中、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜24のアルキル基を示し、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Qは、置換スルホニル基、ハロゲン原子又は式(2)で表される基を示し、nは1〜8の整数を示す。
    Figure 2013216618

    (式(2)中、Qは、炭素数1〜4のトリアルキルアンモニウム基、−NO又はハロゲン原子を示す。))
  5. 式(II)で表される化合物を脱保護する工程を含む、請求項1に記載の化合物の製造方法。
    Figure 2013216618

    (式(II)中、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜24のアルキル基を示し、R及びRはそれぞれ独立にH又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Qは、18F又は式(1)で表される基を示し、nは1〜8の整数を示す。)
    Figure 2013216618
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